mxmtoon


ナッシュビルを拠点に活動するシンガーソングライターのmxmtoonが、まだ正式には発表していないが、近日発売予定のサード・アルバムに収録されるニューシングル「i hate texas」を公開した。

 

Mxmtoonは現在、AJRの北米スタジアム・ツアーのオープニングを務めており、他の日程も予定されている。「i hate texas」のミュージックビデオは以下から。


mxmtoonは17歳の頃から、複雑な感情にインスパイアされたキャッチーなポップ・ミュージックを作ってきた。現在24歳の彼女は、世界的な注目を集め、カーリー・レイ・ジェプセンやノア・カハンらとコラボレーションしている。


本日のリリースについて、mxmtoonはプレスリリースでこのように述べている: i hate texas "の制作は、音楽を作り始めたばかりの頃のような、完全に自分の本領を発揮したような気分だった。ちょっと皮肉っぽく、キックが効いた曲を書いて、純粋に楽しもうと思ったんだ」


「i hate texas」

 

M.Ward


米国のシンガーソングライター、M. Ward(M.ウォード)が新しいベスト・アルバム『For Beginners: The Best of M. Ward』を発表した。『For Beginners』は、ディスコグラフィから抜粋された14曲で構成され、新曲「Cry」が追加収録される。Mergeから9月13日にリリースされる。

 

新たにレコーディングされた 「Cry」を含め、Merge Recordsのディスコグラフィーの中から14曲を集めた『For Beginners』は、入門書であると同時に、お気に入りの曲を新たな命を吹き込む形で並べたミックステープでもある。



2006年の『Post-War』に収録された「Chinese Translation」と「Poison Cup」に始まり、『For Beginners』ではスタジオでの録音の腕を上げたウォードに迫る。2003年の『Transfiguration of Vincent』に収録されたボウイの「Let's Dance」の特異なカヴァーから、2009年の『Hold Time』に収録された陽気な「Never Had Nobody Like You」へと展開する。

 

時系列的なアレンジが示唆する整然とした進化のラインよりも、『For Beginners』をひとつにまとめているのは、ウォードの完璧な演奏である。彼のサウンドは、ローファイなホーム・レコーディングからエレクトリックなものへとその意義を拡大させようとしている、 ラジオで聴けるようなストンプまでを網羅している。M.Wardの魅力を知るのに最適な一枚となるだろう。

 

 

昨年、M.ウォードは、ソロアルバム『supernatural thing』を発表したほか、ドクター・ドッグのセルフタイトル・アルバムに収録されたシングル「Love Struck」でフィーチャーされている。コナー・オバースト、ジム・ジェイムズ、マイク・モギス、そして、今回のウィル・ジョンソンも参加するスーパーグループ、モンスター・オブ・フォークは、最近、ボーナストラック入りのセルフタイトル・アルバムの15周年記念リイシューを発表した。




M. Ward  『For Beginners: The Best of M. Ward』

Label: Merge

Release: 2024年9月13日

 

Tracklist:


1. Chinese Translation

2. Poison Cup

3. Let’s Dance

4. Never Had Nobody Like You

5. Lullaby + Exile

6. Duet for Guitars #3

7. Vincent O’Brien

8. For Beginners

9. Magic Trick

10. Outta My Head

11. Undertaker

12. Rollercoaster

13. Hold Time

14. Cry

 

Karate
©Daniel Bergeron


2022年、ボストンのハードコア・バンド、Karateが17年ぶりに再結成した。本日、彼らは2004年の『Pockets』以来となるアルバムを発表した。アルバム名は『Make It Fit』で、Numero Groupから10月18日にリリースされる。Numero GroupはTouch & Goの後継レーベルと言える。最初の発表では、2曲の新曲「Defendants」と「Silence, Sound」が公開された。


トリオは今年1月、長年のコラボレーターであるアンディ・ホンとナッシュビルで新作LPを制作した。ホンはアルバムのミックスも担当し、ジェフ・ファリーナが自宅スタジオとシカゴのエクスペリメンタル・サウンド・スタジオでギターとヴォーカルを担当した。


「Defendants」

 

 

 「Silence, Sound」

 

 

 

 

Karate 『Make It Fit』

Label: Numero Group

Release: 2024年10月18日


Tracklist:


1. Defendants

2. Bleach The Scene

3. Cannibals

4. Liminal

5. Rattle the Pipes

6. Fall to Grace

7. Around The Dial

8. People Ain’t Folk

9. Three Dollar Bill

10. Silence, Sound

Weekly Music Feature - Sinai Vesselシナイ・ヴェッセル)

Sinai Vessel



このアルバムは啓示的なオルタナティブロックの響きに満ちている。導きなのか、それとも単なる惑乱なのか。それはおそらくこのアルバムに触れることが出来た幸運なリスナーの判断に委ねられるだろう。


天が開いて、神の前腕が雲から飛び出し、あなたのアバターのボディーに「SONGWRITER」という謎の文字を叩きつけるとする。そのとき、この職についているあなたはなんというだろう?


今まさに、”曲を書くこと”が天職なのか、単なる呪縛なのかが問われている。湖から剣を引き抜き、勝利の凱歌を揚げるか? それとも、皮膚が腫れ物に這わされ、背後の農作物が炎上するのか? 


果たして、曲作りやソングライティングの習慣は、ガーデニングのようにやりがいのあるものなのか? それとも、ビールを2本飲むたび、タバコを1本吸うような、薄汚い習慣なのだろうか? 


曲作りは仕事なのか? 聖なる義務? それとも、世の中流階級以上の荒くれにとって、たまにやりがいを感じさせる趣味なのだろうか? もし私が、言葉とメロディーのハイヤー・パワーによって定められた運命を受け入れるとしたら、一体どうやって医療費を払えば良いのか?


ノースカロライナ州アッシュヴィルのケレイヴ・コーデスによるプロジェクト、シナイ・ヴェッセルの4枚目のアルバムは、教会の地下のサポートグループでの告解のようでもあり、未来の叙事詩のようでもある。その言葉が、Tシャツにデカデカとプリントされたり、特に神経質な介助犬のベストに警告としてプリントされたりするのを想像してみると、なんだか愉快でもある。


チーフ・ソングライターのケイレブ・コーデスは、このアルバムの最初のトラックで "どうでもいいこと "と、 "何らかの理由があって "起こることの両方を歌っている。シナイ・ヴェッセル・プロジェクトには、素晴らしく、見事な、そして滑稽なソングス(滑稽というのが一番難しい)が含まれている。仮にその事実がなければ、この葛藤や矛盾は実体化することはなかった。


しかし、ケレイヴ・コーデスは、Tom WaitsやM. Wardといった米国の象徴的なシンガーソングライターと同じように、連作を書くように運命によって定められているらしい。彼にとってソングライティングとは、書いているのではなく書かざるを得ないものなのだ。「Birthday」の親密で小説的な畏敬の念を考えてみよう。または、「Dollar」の微妙な経済パニックは、市場の暴落という恐怖の下、道路から逸れた車のあざやかな水彩画をエレガントに描きだそうと試みる。「馬は、いつも私の心の中で果実を踏みつける。私の考えでは、10年間どうしようもないものを食べ続け、何度もおかわりをする」というのは、これまで聞いた中で最高の冒頭のセリフのひとつだ。なんてこと、もしかしたら彼は本当にこの技術に召されているのかもしれない!!


しかし、これらの予言的でもある鋭い一節をどんなふうに捉えたらいいのだろう? 長年のコラボレーターであるベネット・リトルジョン(Hovvdy、Claire Rousay)が、芸術的で巧みな共同プロデュースを手がけ、Sinai Vesselをあらゆるプリズムのフレーバーで描き出した。


ウェルチ・スタイルのしなるようなアコースティックな小曲、デス・キャブ・フォー・キューティのベストアルバムのタッチ、解体されたボサノヴァ、ワッフル・ハウスのジュークボックスを思わせるナッシュヴィルのストンパー(ジョディのニック・レヴィーンによる超プロ・ペダル・スティールがフィーチャーされている)、そして、最も驚くべきは、デフトーンズに隣接し、囁くように歌うヘヴィネスが、迷子の鳥のようにあなたの部屋に飛び込んでくるはずだ。


各々のソングライティングのスタイルのチャレンジは、レッキング・クルーのリズム・セクションによって成し遂げられた。リトルジョンのド迫力のベースとアンドリュー・スティーヴンスのドラム(シナイ・ヴェッセルの『Ground Aswim』で見事な演奏を披露した後、ここでは再びドラムを叩いている)が、アルバムのスウィングを着地させ、コーデスのベッドルームでレコーディングされたヴォーカルの親しみを、自信に満ちた広がりのある世界に根付かせる。


シナイ・ヴェッセルは、アトランタの写真家トレント・ウェインと異例のコンビを組んでいる。彼の不気味なフラッシュを多用したアルバムのハイコントラストのアートワークは、彼らの相乗効果から生み出された。シュールな道化師の特権的視点をもたらし、曲の冷徹なリアリズムとぴたりと合致している。そしてコーデスは、後期資本主義の恐ろしい空模様を巧みに描写し、ウェインは、その予兆である広々とした空っぽの高速道路と空っぽの店舗を捉えてみせる。


あなたは、リプレイスメンツの 「Treatment Bound」という曲をご存知だろうか? この曲は彼らの最も酔狂なアルバムのひとつで、リスナーに対する最後の「ファック・ユー」とでも言うべき愉快な曲。コーデスがグレープフルーツ・スプーンでニッチを切り開こうとし、ストリーミングの印税や信託資金の権力に真実を語りかけるかのような、DIY生活者のブラックユーモアに溢れている。その代わり、コーデスは、苦笑いをしながら、それらのリアリズムに首を振り、自分が見ているものが信じられないというように、代わりに「ファック・ミー」と言う。


私たちと友人が一緒に、必死に考え抜かれたノイズを商業生産のプラスチックの箱の底に押し込めることがどれほど馬鹿げているのだろうか。そして、「夕飯を食べるために歌う」という、現代のアメリカの中産階級の失われつつある天職の中で、シナイ・ヴェッセルはあり得ない奇跡を成し遂げてみせる。- Ben Sereten (Keeled Scales)



Sinai Vessel 『I Sing』/ Keeled Scales   -ナッシュヴィルのシンガーソングライターが掲げる小さな聖火-

  

今年は、主要な都市圏から離れたレーベルから良いアルバムが発売されることがある。Sinai Vissel(シナイ・ヴェッセル)の4作目のアルバム『I Sing』はテキサスのKeeled Scalesから本日発売された。

 

何の変哲もないような出来事を歌ったアルバムで、それは日常的な感覚の吐露のようでもあり、また、それらを音楽という形にとどめているに過ぎないのかもしれない。少なくとも、『I Sing』は、家の外の小鳥がさえずるかのように、ナッシュビルのソングライターがギターやドラム、シンセ、ベースという基本的なバンド編成を元にして、淡々と歌い、曲集にまとめたに過ぎない。もちろん、メガヒットはおろか、スマッシュヒットも記録しないかもしれない。マニアックなオルトロックアルバムであることはたしかだ。

 

しかし、それでも、このアルバムには、男性シンガーソングライターとしての魅力が詰め込まれており、ニッチなオルトロックファンの心をくすぐるものがある。シナイ・ヴィッセルの曲には、M.Wardの系譜にある渋さや憂いが内在している。男性シンガーの責務とは、一般的な苦悩を自らの問題と定義付け、説得力のある形で歌うことである。それが彼の得意とするオルタナティブ・ロックの領域の中で繰り広げられる。メインストリームから適度に距離を置いた感覚。彼は、それらのスターシステムを遠巻きに眺めるかのように、淡々と良質なロックソングを演奏している。分けても素晴らしいのは、彼はロックシンガーではなく、一般的な市民と同じように歌を紡いでいる。そして、Keeled Scalesの素朴ではあるが、夢想的な空気感を漂わせる録音の方針に溶け込んでいる。アーバンなオルトロックではなく、対極にあるローカルなオルトロック......。もっといえば、80、90年代のカレッジ・ロックの直系に位置する。R.E.M、The Replacementsの正当な後継者を挙げるとするなら、このシナイ・ヴィッセルしか思い浮かばない。

 

米国的な善良さは、グローバリゼーションに絡め取られ、失われたものとなった。ローカルな感覚、幹線道路のネオン・サイン、もしくは、ハンバーガーショップやアイスクリームショップの幻影......。これらは、今や古びたものと見なされるかもしれないが、アメリカの文化の大きな醍醐味でもあったのである。2010年代以降、そのほとんどが目のくらむような巨大な経済構造にかき消されてしまった。それにつれて、2000年代以降、多くのソングライターが、ローカルな感覚をどこかに置き忘れたてしまったか、捨ててしまったのだった。それと引き換えに、都会性をファッションのように身につけることにしたのだった。それは身を守るために必要だったのかもしれないが、ある意味では別の誰かを演じているに過ぎない。そしてシナイ・ヴィッセルは、巨大な資本構造から逃れることが出来た稀有な音楽家である。このアルバムは、テキサスのHoovdyを彷彿とさせる善良なインディーロックやポップソングという形を取っている。

 

そして、ケレイヴ・コーデスのソングライティングやボーカルには、他では得難いような深みがある。

 

エルヴィス・コステロ、ポール・ウェスターバーグ、ボブ・モールド、Pedro The Lionのデイヴィッド・ハザン、ビル・キャラハン、Wilcoのジェフ・トゥイーディーの系譜にある。つまり、この人々は、どこまでも実直であり、善良で、愛すべきシンガーソングライターなのである。


そして、基本的には、ケレイヴ・コーデスは、フォークやカントリーはもちろん、ブルースに重点を置くシンガーソングライターである。このブルースというジャンルが、大規模な綿畑の農場(プランテーション)の女性労働者や男性の鉄道員が労苦を和らげるために歌ったところから始まったことを考えると、シナイ・ヴィッセルのソングライターとしての性質は、現代的なワークソングの系譜に位置づけられるかもしれない。彼の歌には南部の熟成したバーボンのように、泥臭く、渋く、苦味がある。ある意味、軟派なものとは対極にあるダンディズムと憂いなのだ。


もちろん、現代的で親しみやすいロックソングのスタイルに昇華されていることは言うまでもない。彼のロックソングは、仕事後の心地よい疲労、華美なものとは対極にある善良な精神性により構築される。派手なところはほとんどない。それでも、それは日々、善良な暮らしを送り、善良な労働を繰り返している、同じような純朴な誰かの心に共鳴をもたらすに違いない。そう、彼のソングライティングは日常的な労働や素朴な暮らしの延長線上にあると言えるのだ。

 

アルバムの冒頭「#1 Doesn’t Matter」は、ボサノヴァを咀嚼した甘い感じのインディーロック/フォークソングで始まる。シナイ・ヴィッセルのボーカルは、Wilcoのジェフを思わせ、ノスタルジックな思いに駆られる。親しみやすいメロディー、乗りやすいリズム、シンプルだが心を揺さぶるハーモニーと良質なソングライティングが凝縮されている。ボサノヴァのリズムはほんの飾りのようなもの。しかし、週日の仕事の疲れを癒やすような、週末の最後にぴったりの良質なロックソングだ。この曲には、日々を真面目に生きるがゆえの落胆もある。それでもアコースティックギターの演奏の背後に、癒やしや優しげな表情が垣間見えることがある。曲の最後には、ハモンド・オルガンがコーデスの歌のブルージーなムードを上手い具合に引き立てる。

 

そっけないようで、素朴な感じのオルトロックソングが続く。彼は内面の奥深くを掘り下げるように、タイトル曲「 #2 I Sing」で、内的な憂いや悲しみを元に情感溢れるロックソングを紡いでいる。イントロは、ソフトな印象を持つが、コーデスの感情の高まりと合わせて、ギターそのものも激情性を帯び、フックのあるオルトロックソングに変遷していく。これらはHoovdyの楽曲と同じように、エモーショナルなロックへと繋がる瞬間がある。そして注目すべきなのは、都会性とは異なるローカルな感覚を持つギターロックが序盤の音楽性を決定づけていることだ。

 

「#3 How」は、Wilcoのソングライティングに近く、また、Youth Lagoonのように、南部の夢想的なオルトロック/ポップとしても聴くことができる。シナイ・ヴィッセルは、南部的な空気感、土地の持つ気風やスピリットのようなものを反映させて、砂煙が立ち上るような淡い感覚を作り出す。ヴィッセルはハスキーなボイスを活かし、オルタネイトなギターと乾いたドラムを背景にして、このソングライターにしか作りえない唯一無二のロックソングの世界を構築してゆく。表面的には派手さに乏しいように思えるかもしれない。しかし、本当にすごいロックソングとは、どこかしら素朴な感覚に縁取られているものである。曲の中でソングライターの感情と同期するかのように、ギターがうねり狂うようにして、高められたかと思えば、低くなる。低くなったかと思えば、高められる。最終的に、ヴィッセルは内側に溜め込んだ鬱屈や悲しみを外側に放出するかのように、ノイズを込めたダイナミックなロックソングを作り上げる。

 

「#4 Challenger」では内省的な感覚を包み隠さず吐露し、それらをオルトフォークの形に昇華させている。ビル・キャラハンの系譜に位置し、大きな曲の変遷はないけれども、曲のいたるところに良質なメロディーが散りばめられている。アコースティックギターとシンセサイザーの演奏をシンプルに組み合わせて、温和さと渋さの間を行き来する。やはり一貫して南部的なロマン、そして夢想的な感覚が織り交ぜられ、ワイルドな感覚を作り出すこともある。しかし、この曲に深みを与えているのは、ハスキーなボーカルで、それらが重さと軽さの間を揺らめいている。

 

「#5 Birthday」は、Bonnie Light Horsemanのような夢想的なオルトフォーク/カントリーとして聴くことができるだろうし、American Footballの最初期の系譜にあるエモとしても聴くことができるかもしれない。アメリカーナを内包するオルタナティヴ・フォークを基調にして、最近、安売りされるようになってしまったエモの原義を問いかける。彼は、一貫して、この曲の中で、ジョージア、テネシーといった南部への愛着や親しみを示しながら、幹線道路の砂埃の向こうに、幻想的な感覚や夢想的な思いを浮かび上がらせる。彼の歌は、やはり、ディランのようにそっけないが、ハモンド・オルガンの音色の通奏低音が背後のロマンチズムを引き立てている。 また、Belle And Sebastianの最初期の憂いのあるフォーク・ミュージックに近い感覚もある。

 

 

「Birthday」- Best Track

 

 

 

その後も温和なインディーロックソングが続く。考えようによっては、シナイ・ヴィッセルは失われつつある1990年代前後のカレッジ・ロックの系譜にある良質なメロディーや素朴さをこのアルバムで探し求めているように思える。先行シングルとして公開された「Laughing」は、前の曲で示されたロマンチズムをもとにして、アメリカーナやフォークミュージックの理想的な形を示す。ペダル・スティールの使用は、曲のムードや幻想的な雰囲気を引き立てるための役割を担う。そして曲の背景や構造を活かし、シナイ・ヴィッセルは心温まるような歌を紡いでいく。この曲も、Belle And Sebastianの「Tigersmilk」の時代の作風を巧緻に踏襲している。

 

ポール・ウェラー擁するThe Jamのようなフックのあるアートパンクソング「Country Mile」は、中盤のハイライトとなるかもしれない。ガレージ・ロックやプロト・パンクを下地にし、シナイ・ヴィッセルは、Televisonのようなインテリジェンスを感じさせるロックソングに昇華させている。荒削りなザラザラとしたギター、パンクのソングライティングの簡潔性を受け継いだ上で、コーデスは、Wilcoのように普遍的で良質なメロディーをさりげなく添える。そして素朴ではありながら、ワイルドさとドライブ感を併せ持つ良質なロックソングへと昇華させている。この曲の簡潔さとアグレッシヴな感覚は、シナイ・ヴィッセルのもう一つの武器ともなりえる。

 

 アルバムの終盤には、ウィルコと同じように、バロックポップを現代的なオルトロックソングに置き換えた曲がいくつか見いだせる。「#8 $2 Million」は、メロトロンをシンセサイザーで代用し、Beatles、R.E.M、Wilcoの系譜にあるカレッジ・ロックの醍醐味を復活させる。コーデスは、後期資本主義の中で生きざるを得ない現代人としての悲哀を織り交ぜ、それらを嘆くように歌っている。そして、これこそが多数の現代社会に生きる市井の人々の心に共鳴をもたらすのだ。その後、しなやかで、うるおいのあるフォークロックソング「#9 Dollar」が続く。曲ごとにややボーカルのスタイルを変更し、クレイヴ・コーデスは、ボブ・ディランのようなクールなボーカルを披露している。ローカルな感覚を示したアルバムの序盤とは正反対に、アーバンなフォーク。この曲には、都市のストリートを肩で風を切って歩くようなクールさが反映されている。2024年の「Liike A Rolling Stone」とも呼べるような興味深いナンバーと言えるか。

 

アルバムの序盤では、ウィルコやビル・キャラハンのようなソングライターからの影響が見いだせるが、他方、終盤ではBell and Sebastianの系譜にあるオルトフォークソングが色濃くなってくる。 これらのスコットランドのインディーズバンドの主要なフォークソングは、産業化や経済化が進む時代の中で、人間らしく生きようと試みる人々の矛盾性、そこから引き出される悲しみや憂いが音楽性の特徴となっていた。そして、シナイ・ヴィッセルは、その特徴を受け継いでいる。「#10 Window Blue」、「#11 Best Wetness」では、憂いのあるフォークミュージックの魅力を堪能できる。特に後者の曲に漂うほのかな切なさ、そして、淡いエモーションは、クレイヴ・コーデスのソングライターとしての高い能力を示している。それは M.Wardに匹敵する。 

 


「Best Wetness」- Best Track 

 

 

アルバムの終盤は、 大掛かりな仕掛けを作らず、素っ気無い感じで終わる。しかし、脚色的な音楽が目立つ中、こういった朴訥なアルバムもまた文化の重要な一部分を形成していると思う。そして、様々なタイプの曲を経た後、シナイ・ヴィッセルは、まるで南部の田舎の中に踏み込むかのように、自然味を感じさせるオーガニックなフォーク・ミュージックの世界を完成させる。

 

「Attack」は、ニューヨークのグループ、Floristが行ったように、虫の声のサンプリングを導入し、オルトフォークソングをアンビエントの音楽性と結びつけて、シネマティックな音楽を構築している。さらに、クローズ「Young Brother」では、アコースティックギターとドラムのシンバルのパーカッシヴな響きを活用して、夏の終わりの切ない雰囲気を携えて、このアルバムはエンディングを迎える。アルバムは、短いドキュメンタリー映像を観た後のような爽快な感覚に満ち溢れている。 それは、ハリウッド映画や大手の配給会社とは対極にあるインディペンデントの自主映画さながら。しかし、その素朴さこそ『I Sing』の最大の魅力というわけなのだ。

 

 

 

85/100 

 

 

「Doesn't Matter」 

 

 

 

* Sinal Vessel(シナイ・ヴィッセル)によるニューアルバム『I Sing』はKeeled Scalesから本日発売。ストリーミングや海外盤の購入はこちら

 

Janes Addiction

Jane's Addiction(ジェーンズ・アディクション)はニューシングル「Imminent Redemption」をリリースした。34年ぶりのオリジナル・ラインナップの新曲となった。


ジェーンズ・アディクションは1980年代にカルフォルニア/ロサンゼルスで結成された。ミクスチャー・サウンドが流行る中、アート性を打ち出したサウンドで当時のシーンに強いインパクトをもたらした。


1991年、バンドの解散ツアーがそのまま「ロラパルーザ」に発展したことから、オルトロックの元祖と見なされることもある。


ヴォーカルのペリー・ファレル、ギタリストのデイヴ・ナヴァロ、ドラマーのスティーヴン・パーキンス、そして、ベーシストのエリック・エイブリーは、2010年以来初めてロンドンで共演した2ヶ月前のライブで、このニューシングルを初披露した。スタジオヴァージョンを以下で聴くことができる。


「今回はいつもと違う。全員が再び集まり、新曲をリリースする。時が来た。ジェーンズ・アディクションの次の章へようこそ。『Imminent Redemption』は始まりに過ぎない」


「Imminent Redemption」

 


2024年マーキュリー賞のノミネート作品が発表された。Chali XCX、ラスト・ディナー・パーティー、そして元ポーティスヘッドのボーカリスト、ベス・ギボンズらがノミネートされている。

 

その中にはイングリッシュ・ティーチャー、バリー・キャント・スイム、バーウィン、キャット・バーンズ、コリン・ベイリー・レイ、ニア・アーカイヴス、ゲッツ、CMATも含まれている。


受賞者は9月に発表されるが、この賞の32年の歴史で初めて、今年はライブ授賞式は行われない。今年の審査委員会は、BBC Radio 2と6 Musicの責任者ジェフ・スミスが委員長を務め、ジェイミー・カラムとミスタジャムも参加している。

 

アイランド・レコーズのルイス・ブルーム社長はマーキュリー賞について次のように説明する。

 

「マーキュリー賞は、私たちアイランドにとって常に大きな意味を持ってきました。長年にわたりマーキュリー・プライズで素晴らしい成功を収めてきましたが、今年のリストにこのようなユニークで素晴らしく、ジャンルを定義付ける3組のアーティストが選ばれたことは、アーティストとマネージャーの両方、そしてアイランドの素晴らしいチームの真の証です。ザ・ラスト・ディナー・パーティ、ニア・アーカイヴス、イングリッシュ・ティーチャーの3組が、彼らの素晴らしい音楽を評価され、このような賞を受賞したことは、本当に光栄なことであり、今後も特別なアーティストと契約し、育てていく意欲を掻き立てられる。この賞に選ばれた他のアーティストたちにも拍手を送りたいと思います。マーキュリー賞は1年のハイライトのひとつです」


昨年のマーキュリー賞は、エズラ・コレクティブのアルバム『Where I'm Meant to Be』が受賞した。

 

 

Mercury Prize  Album Of The Year Nomination: 

 

・Barry Can't Swim ‘When Will We Land?’

・BERWYN ‘Who Am I’

・Beth Gibbons ‘Lives Outgrown’

・Cat Burns ‘early twenties’

・Charli xcx ‘BRAT’

・CMAT ‘Crazymad, for Me’

・Corinne Bailey Rae ‘Black Rainbows’

・corto.alto ‘Bad with Names’

・English Teacher ‘This Could Be Texas’

・Ghetts ‘On Purpose, With Purpose’

・Nia Archives ‘Silence Is Loud’

・The Last Dinner Party ‘Prelude to Ecstasy’

 

Mercury Prize 2024: 

 

BBC Musicは、長年にわたる放送パートナーシップを継続し、BBC Fourと6 Musicで12枚のアルバムすべてを祝福する番組を放送する。


マーキュリー・プライズは、「年間最優秀アルバム」を表彰し、その栄誉を称えるもので、エキサイティングな新進の才能と、より確立されたバンドやアーティストの作品にスポットライトを当てることで定評を得ている。


12枚の「年間最優秀アルバム」は、独立した審査委員会によって選ばれ、さまざまなジャンルの芸術的功績を称える。2023年7月15日から2024年7月12日の間に英国で発売された英国およびアイルランドのアーティストのアルバムが2024年賞の対象となる。



2024年度マーキュリー・プライズ審査員は以下の通り。

 

ダニエル・ペリー(ブロードキャスター&ライター)、ジェイミー・カラム(ミュージシャン&ラジオ2ブロードキャスター)、ジャムズ・スーパーノヴァ(6 Musicブロードキャスター&DJ)、ジェフ・スミス(ラジオ2&6 Music音楽部門責任者)、リア・ストンヒル(音楽プログラミング・コンサルタント)、ミスタジャム(ソングライター、DJ&ブロードキャスター)、フィル・アレクサンダー(Kerrang!のクリエイティブ・ディレクター/Mojoのコントリビューティング・エディター、シアン・エレリ(ラジオ1のブロードキャスター&DJ)、ウィル・ホジキンソン(タイムズ紙のチーフ・ロック&ポップの評論家)、ソフィー・ウィリアムズ(音楽ライター&ブロードキャスター)。審査委員長はジェフ・スミスが務める。



マーキュリー・プライズの放送パートナーであるBBCミュージックは、テレビとラジオで独占放送を行い、オンラインやソーシャルメディアでもサポートする。今年は、大規模なプロモーション活動が行われる。

Danger Mouth & Karen O
Danger Mouth & Karen O


デンジャー・マウスとヤー・ヤー・ヤーズのカレン・Oが再びタッグを組み、新しいコラボレーション・シングル「Super Breath」を発表した。


2019年に記念すべきジョイント・アルバム『Lux Prima』を発表して以来のリリースとなる "Super Breath "は、両アーティストによって書かれ、プロデュースはデンジャー・マウスが担当した。叶わぬ愛について歌うカレン・Oの声がメロディーを運び、"カッコつけるのはやめて/私を押しのけて/私は毎回死ぬ/私はあなたの馬鹿じゃない "といったセリフを届けている。シングルのストリーミングは以下から。


「Super Breath」のリリースと同時に、カレン・Oとデンジャー・マウスは、9月20日にリリースされる『Lux Prima』のデラックス・リイシューも発表。オリジナル・アルバムに加え、「Super Breath」の7インチが同梱され、B面にはルー・リードの「Perfect Day」の既発カヴァーが収録される。また、デュオがロサンゼルスのマルシアーノ・アーツ・ファウンデーションで開催した4日間の没入型試聴イベントに焦点を当てた16ページのブックレットも付属する。


「Super Breath」

©Liam Maxwell

ピクシーズがニューアルバム『The Night the Zombies Came』のリリースを発表した。BMGから10月25日に発売される。先にリリースされたシングル「You're So Impatient」と新曲「Chicken」が収録されている。


『The Night The Zombies Came』のセッションで、ピクシーズはプロデューサーのトム・ダルゲティと組み、ピクシーズに加入した初のイギリス人メンバーである新ベーシスト、エマ・リチャードソンを迎えた。

 

フロントマンのチャールズ・トンプソンはプレスリリースの中で次のように述べている。


「断片は関連し、他の曲の他の断片と並置される。そして、いわゆるLPの曲のコレクションでは、一種の映画を作ることになる」

  

このアルバムは、ショッピングモールや中世をテーマにしたレストランから、泥沼の人々、ドルイド教、ゾンビまで、あらゆるものに触れた、ピクシーズらしい折衷的なアルバムとなっている。実際、ピクシーズのリーダー、チャールズ・トンプソンがホラー映画そのままのタイトルをつけたほど、13曲を通して生ける屍が何度も登場する。



「ゾンビの曲をたくさん書いたとか、アルバムをホラームービーのような怖いサウンドにしようとしたとか、そういうことではないんだ」と、チャールズ・トンプソンはテキサス州オースティンのホテルの一室を歩き回りながらRolling Stone誌に語った。

 

「"ゾンビ "は連想させる言葉に過ぎなかった。好きなように解釈したらいい。このアルバムはコンセプト・レコードではないけど、この言葉は歌詞の中に何度も出てきた」

 

「タイトルをつけるために他の歌詞を調べたら、なんだか陳腐にしか聞こえなかった。そこで、唯一意味があったのは『ゾンビが来た夜』だった。そして、私はこう思った。なかなか良いタイトルじゃないか。『その映画を観に行こう』って思ったんだ」

 

 

「Chicken」



Pixies 『The Night The Zombies Come』

Label: BMG

Release: 2024年10月25日

 

Tracklist:


1. Primrose

2. You’re So Impatient

3. Jane (The Night the Zombies Came)

4. Chicken

5. Hypnotised

6. Johnny Good Man

7. Motoroller

8. I Hear You Mary

9. Oyster Beds

10. Mercy Me

11. Ernest Evans

12. Kings of the Prairie

13. The Vegas Suite



Emanuel Harold

2022年8月にソロEP『ファンク・ラ・ソウル』をデジタル配信したエマニュエル・ハロルドがリリースしたアルバム『ウィー・ダ・ピープル』は要チェック。


グラミー受賞アーティスト、エマニュエル・ハロルド、グレゴリー・ポーターが参加、昨年一月に発売されたアルバムである。ソウルファンはあらためてチェックしてみていただきたい。

 

本日、グレゴリー・ポーターを共同制作者に迎えた「I Think」のミュージックビデオが公開された。下記よりご覧下さい。

 

 「I Think」

 

 

数々のグラミー賞にノミネート/受賞歴のあるエマニュエルはグレゴリー・ポーターのドラマーとして知られ、これまでにデーモン・アルバーン、デ・ラ・ソウル、ウィントン・マルサリス、ロバート・グラスパーからスティーヴィー・ワンダーまで、かなり幅広いアーティストとの共演経験をもつ。

 

既発のEP同様、今作もR&B、ジャズ、ファンク、ゴスペル、ヒップホップが取り入れられており、ファースト・シングル「I Think」ではグレゴリー・ポーターがフィーチャリング・ヴォーカリストとして参加している。

 

アルバムには他にも、日本でも放送されている医療系ドラマ『レジデント型破りな天才研修医』などにも俳優として出演しているグラミー受賞アーティスト、マルコム=ジャマル・ワーナーや、エマニュエルの兄弟でジャズ・トランペッターのキーヨン・ハロルド、さらに同じくグレゴリー・ポーターのコラボレーターでもあり、グラミー受賞ミュージシャンのティヴォン・ぺニコットなどがゲスト参加している。

 

タイトル・トラック「We da People」は、シンセとミニマルなギターとベースが用いられ、そこにグラミー受賞俳優兼ミュージシャンのマルコム=ジャマル・ワーナーの力強い語りが乗せれたジャズ、R&B、そしてファンクの要素が融合した1曲である。

 

一方の「Fight Harder」では、エマニュエルの兄弟のキーヨン・ハロルドによるトランペット、そしてクリスタル”クリッシー”ランソム・アンド・チャールズ・ランソムによるソウルフルなバック・ヴォーカルをエマニュエルとゲスト・ミュージシャン達が絶妙に調理している。

 

同アルバムは、何年にもわたり名だたるアーティスト達と仕事をしてきたエマニュエルが所有する創造力全てを落とし込んだカタログと言えるだろう。

 

スタイルやジャンルが様々なのはもちろんのこと、何より重要なのはそれら全てに共通するつながりのようなものが感じられることだ。すでにエマニュエルの演奏を聴いたことのある者にとっては、今作は彼の新たな音楽的冒険として捉えてもらえたら良い。そして、今回初めて、エマニュエルを耳にする者にとっては、今以上に彼の音楽を知るのに良い機会はないと言えるだろう。

 

 

 Emanuel Harrold 『We Da People』


アーティスト名:Emanuel Harrold (エマニュエル・ハロルド)

タイトル名:We da People (ウィー・ダ・ピープル)

発売日:2023年1月18日(水)

日本盤特典:ライナーノーツ(吉岡正晴)付き

品番:GB1582CDOBI (CD) / GB1582OBI (LP)

レーベル:Gearbox Records

 

<トラックリスト> 

1. I Think

2. We da People

3. See

4. Brighter Day

5. Fight Harder

6. Good Word

7. Shine Light

8. Mr. Brew (Instrumental)



Emanuel Harrold(エマニュエル・ハロルド) Biography:


米ミズーリ州のセントルイスに生まれたエマニュエルの歌と楽器の演奏への欲求は、父親がアフリカ系アメリカ人教会の牧師であった幼い頃から育まれた。

 

ニューヨークのニュースクール大学を卒業した後には、ウィントン・マルサリス、ロイ・ハーグローヴ、ロバート・グラスパー、キーヨン・ハロルド、デーモン・アルバーン、ジェームス・スポルディング、スティービー・ワンダーといった名だたるアーティスト達とステージやレコーディングをともにするまでに。

 

エマニュエルにとって最も近しいコラボレーションは、2020年にリリースされたグレゴリー・ポーターのグラミー賞にノミネートアルバム『オール・ライズ』でのドラム演奏。そして2022年8月に待望のソロEPをデジタル配信、2023年1月にソロ・アルバム『ウィー・ダ・ピープル』のリリースが決定した。

Nora Jones- NPR Tiny Desk


意外なことに、ノラ・ジョーンズがNPRのタイニー・デスクに出演するのは初めてだという。今回のパフォーマンスでは、「Paradise」、「Swept Up in the Night」、「Staring at the Wall」、「Come Away With Me」といった彼女のディスコグラフィからのカットを披露した。


ジョーンズはピアノも担当し、サミ・スティーブンス(グロッケンシュピール、ヴォーカル)、サーシャ・ドブソン(ギター、ヴォーカル)、ジョシュ・ラッタンジ(ベース)、ブライアン・ブレイド(ドラム)が参加した。


レオン・ミケルスがプロデュースした『Visions』は、批評家からも商業的にも高く評価された。ノラは、「このアルバムを『Visions』と名付けたのは、多くのアイデアが夜中や眠る直前の瞬間に浮かんだから」と語った。

 

さらに、ニューアルバムのハイライト曲である「I Just Wanna Dance 」については、ノラ・ジョーンズは次のように語っている。この曲には、ダップ・キングスのメンバーでもあり、エイミー・ワインハウスとも共演したホーマー・スタインワイスというドラマーが参加している。

 

「それで、この曲でちょっと遊んでいた。この曲は同じことを何度も何度も繰り返す。その後、レオンが "歌詞を少し変えてみよう "と言ったんだけど、わたしは "いや、ただ踊りたいだけなんだ!って。それがこの曲のすべての感情でもある」

 


Norah Jones- NPR Tiny Desk

『A Complete Unknown』

 

今年3月、アカデミー賞俳優、ティモシー・シャラメがニューヨークで新作映画の撮影を行っているという噂が流れた。

 

最初の報道では、シャラメが緑のジャケットにオレンジのスカーフ、ペーパーボーイの帽子をかぶり、手にギターを持ち、黄色のバックパックを持って街を歩き回る姿が目撃されたが、ついにディランの伝記映画の新作がサーチライト・ピクチャーズから配給されることが公となった。

 

ジェームズ・マンゴールド監督(『Girl Interrupted』、『Walk the Line』など)の新作ボブ・ディラン映画『A Complete Unknown』が2024年12月に公開される予定である。今回、ティーザー予告編第1弾が公開された。ボブ・ディラン役のティモシー・シャラメ(彼はこの映画で「A Hard Rain's a-Gonna Fall」でも歌も披露している)、ジョーン・バエズ役のモニカ・バーバロ、ピート・シーガー役のエドワード・ノートンが登場する。以下より予告編をご覧下さい。

 

Official Trailer

 

マンゴールド監督が伝記映画ではなく「群像劇」と表現したこの映画には、エル・ファニング、ボイド・ホルブルック、ダン・フォグラー、ノルベルト・レオ・ブッツ、スクート・マクネイリーらも出演し、ディランが1961年にニューヨークに到着してから、1965年にニューポート・フォーク・フェスティバルでエレクトリックなパフォーマンスを披露するまでを描いている。


19歳のボブ・ディランがポケットに2ドル入れてニューヨークにやってきて、3年のうちに世界的なセンセーションを巻き起こす。もちろん、彼のスターが高まるにつれて、ある時点でレジェンドたちを追い抜くことになる。映画には、ウディ・ガスリー、ジョーン・バエズ、ピート・シーガーなど、当時の著名人も登場するとの噂がある。

 


ボブ・ディランに扮するティモシー・シャラメ

今回、米/ローリング・ストーン誌のインタビューに応じたジェームス・マンゴールド監督は、「ボブ・ディランを、"ああ、今なら彼を理解できる "と思わせるような、単純なことを解き明かす単純な人物にはしたくなかった」と語っている。

 

「彼を知った今、それは不可能だと思う。また彼が人生の大半を、誰からもそのような行為をされないように過ごしてきたことも明らかだと思う。誰かを単純なエピファニーのような、フロイト的な人生史の筋書きのようなものに落とし込むというのは、本質的に還元される行為なんだ」


一方、ディラン自身は、ウィリー・ネルソンのアウトロー・ミュージック・フェスティバルの一環としてツアー中で、1974年のツアー復帰に焦点を当てた大規模な新しいボックス・セットが発売される予定だ。

 

ブルックリンのGIFTは、90年代のUKのダンスロックに触発されたドライブ感のあるインディーロックソングを制作する。彼らはプライマル・スクリーム、マッシブ・アタック、オアシスの音楽を受け継いでいる。もはや、ストリーミング全盛期に時代感や国境はなくなったことを示すバンドだ。

 

GIFTは、ニューシングル「Light Runner」をリリースした。「Wish Me Away」、「Going in Circles」、「Later」に続く三作目のシングルとなる。バンドのヴォーカリスト兼ギタリストのTJ Fredaが監督したミュージック・ビデオが公開された。視聴は以下から。


「マドンナのアルバムと曲「Ray of Light」は、Illuminatorのレコーディング中に大きなインスピレーションを受けた。『Light Runner』は、暗黒の時代から抜け出すことの勝利を祝うと同時に、それを克服することによる変容の力を認めている」

 

「この曲は、個人的な達成の幸福感の証なんだ。2023年、初のヨーロッパ・ツアー中、私たちは90年代のUKバンドの原点に魅了された。グラスゴーでのショーの後、プロモーターがアンダーグラウンドのジャングル/ドラムンベース/レイヴに招待してくれた」


GIFTによるニューアルバム『Illuminator』は8月23日にCaptured Tracksからリリースされる。

 

 

「Ray of Light」

 

©︎Pryce Pul


Peel Dream Magazineは、次作アルバム『Rose Main Reading Room』からの最新シングル「Wish You Well」を発表した。このシングルは、リード曲「Lie in the Gutter」に続く。以下のビデオでチェックしてみよう。


「"Wish You Well "は、私たち誰もが持っている生気と、それがいかに私たちの最悪の部分を引き出すかについて歌ったものだ」とプロジェクトのジョー・スティーヴンスは声明で説明している。


「ローズ・メイン・リーディング・ルームは、文明世界と自然世界の接点を多く扱っている。この曲は、人生の様々な局面で私を振り回した人々の影響から自分を解放するような、声明として書いたんだ」

 

「ミュージック・ビデオでは、オリビアと私は密かに他人を貶めようとする人々を描いている。みんなの行動は、自然の残酷で暴力的なシーンや、DNAや細胞のイメージと重ね合わされ、完全に本質的なものだという考えを確立している。このビデオは、Otiumと名乗る素晴らしい映像作家と一緒に撮影し、ロサンゼルスのダウンタウンにあるサイクロラマの壁の前で、さまざまなパフォーマンス・セットアップで遊ぶことができた。


『Rose Main Reading Room』は9月4日にTopshelf Recordsよりリリースされる。



 

Katie Gavin
©︎Alexa Viscius

MUNAのシンガー、Katie Gavin(ケイティ・ギャヴィン)がソロ・デビュー・アルバムを発表した。『What a Relief」は、フィービー・ブリジャーズのSaddest Factory Recordsから10月25日にリリースされる。シングル「Aftertaste」を筆頭に、アレクサ・ヴィスキウスとの共同監督によるビデオも公開されている。アルバムのカバー・アートとトラックリストは以下からご覧ください。


「この曲は、私が誰かに本当に惹かれていて、まだうまくいきそうな気がしているときの、磁力の内側が舞台になっているんだ。「多くのソングライターがロマンチックなファンタジーと強い関係を持っていると思うんだ」


「この曲は、サウンド的にもテーマ的にも、MUNAの世界とソロ・アルバムで目指す世界との架け橋のような役割を果たしているからだ。ギャヴィンは続けた。Aftertaste』は、誰かのためにたいまつを持ち、コンサートやパーティに出かけて、そこでその人に出会えることを願っていることを実感する甘い曲だ。この曲は、片思いの相手に告白し、それが報われることを知るという、本当にファンタジーを演じている」


ナオミ・マクファーソンは、私がヌードデッサンのクラスの被写体になっているビデオのアイデアを思いつくのを手伝ってくれて、アレクサ・ヴィスキウスは私と共同監督をし、シカゴの素晴らしいクリエーター・チームを引き入れて、このビデオを実現させた" とギャヴィンは付け加えた。自分の出身地で撮影することは、このソロ作品を紹介するのにふさわしいと感じた。言ってみれば、自分のルーツに戻るような感じかな」


『What a Relief』には、ミツキとのコラボレーション曲「As Good As It Gets」が収録されている。


「このレコードは、私の人生の多くの部分にまたがっている。それは、つながりを本当に深く求めていたこと、しかし、それを達成するために立ちはだかったすべての障害に遭遇したこと、孤独のパターン、あるいは愛の本当の仕事への飽きについてである」とギャヴィンは振り返った。「''What A Relief''は、それを恥じることなく正直に探求し、描いている」


「Aftertaste」




Katie Gavin 『What a Relief』



Label: Saddest Factory
Release:  2024年10月25日


Tracklist:

1. I Want It All
2. Aftertaste
3. The Baton
4. Casual Drug Us
5. As Good As It Gets ft. Mitski
6. Sanitized
7. Sketches
8. Inconsolable
9. Sparrow
10. Sweet Abby Girl
11. Keep Walking
12. Today


ワシントンD.C.のオルトロックバンド、Enumclawがニューシングル 「Not Just Yet」を発表した。この曲は、Run For Cover Recordsから8月30日にリリースされるアルバム『Home in Another Life』からの「Not Just Yet」に続くシングル。


この曲は、バンド・メンバーであるアラミス・ジョンソンとイーライ・エドワーズのマイク叔父さんへの頌歌として書かれた。最近、初期のアルツハイマー病と診断されたアラミスは、"彼にすべてを教えてくれた "マイク叔父さんともっと一緒にいたいと切望している。


このシングルと同時に、エナムクローは、リード・シングル 「Change」のビデオも監督したジョン・C・ピーターソンとタッグを組み、長いズームアウト・ショットを中心とした爆発的なミュージックビデオを制作した。


このビデオは、アンドリュー・ダーギン・バーンズがRizzoとQuasi Skateboardsのために描いたペインティングから始まった。


「バーンズのペインティングにはストーリーがあり、ワンテイクのミュージックビデオにしたいとずっと思っていた。1年以上前にアラミスに僕のアイデアを話したら、彼はずっと『やるしかない』と固辞していた。「Not Just Yet」は完璧な曲だ。短くて甘い。大音量で。絵に命を吹き込むためにベストを尽くしたし、正当な結果を残せたと思う。バーンズが撮影現場にいて、私たちのやっていることを認めてくれたことはありがたかった。テクノクレーン、街の路地、爆発物、そして子供たちを必要とするミュージックビデオを制作するのは結構難しいことがわかった」