Mdou Moctor 『Tears of Injustice』

 


 

Label: Matador

Release: 2025年2月28日

 

 

Review  祖国ニジェールへの賛歌

 

 

『Tears of Injustice(不正義の涙)』は、Mdou Moctorが2024年に発表した『Funeral For Justice』のアコースティックバージョンによる再構成となっている。ハードロックを中心とする前作アルバムよりも音楽の旋律の叙情性とリズムの面白さが前面に押し出された作品である。このアルバムを聞くと、Mdou Moctorの音楽の旋律的な良さ、そして叙情的な側面がより明らかになるに違いない。『Funeral For Justice』の発売日前には本作の制作が決定していたというが、結局、彼等の故郷であるニジェールの国内の動乱ーー政権移行により、アルバムの制作は彼等にとってより大きな意義を持たせた。なぜなら、国境封鎖によりエムドゥー・モクターのメンバーは祖国ニジェールに帰国できなくなり、音楽によって望郷の歌を紡ぐ必要性に駆られたからである。

 

本作はブルックリンで録音されたが、遠ざかった故郷への郷愁、そして祖国への慈しみの感情が複数の民族音楽の中に渦巻いている。プロデューサー的な役割を持つコルトン、そして、ジミ・ヘンドリックスの再来とも称されるギタリストのモクターの他、四人組のメンバーの胸中はおだやかならぬものがあったはずだが、結果的に、彼等にとって象徴的なカタログが誕生したと見ても違和感がない。


ニジェールは西アフリカの砂漠地帯にある地域で、独特な民族衣装ーー古代ギリシアのチュニックのようなーー白い装束、ターバンのような帽子を着用するのが一般的である。しかし、最近では白い衣装だけではなく、他の色の衣装を身にまとうこともある。同時に、私達にとって彼等の衣装は奇異な印象を抱かせることがあるが、それはとりもなおさず、彼等の故郷の文化や風俗に対するリスペクトやスピリットを表し、それらを次世代に繋ごうという意味がある。例えば、「Takoba」を始めとする先行シングルのミュージックビデオでは原始的な情景をトヨタの車を運転して疾駆するという印象的な映像が出てくる。

 

こういったシーンを見ると、アフリカの原初的な光景を思い浮かべざるを得ないが、実際的な事実としては、ニジェール近辺の地域は2000年代以降、近代化が進み、デジタルデバイスが一般市民に普及し、市中をバスがふつうに走ったりしている。そして、エムドゥー・モクターというギタリストは、デジタルデバイスの一般的な普及を受けて登場したギタリストなのである。これらは、90年代以降の東アジアやドバイのような急速な発展を遂げた国家を彷彿とさせる。つまり、砂漠地帯というイメージだけでこの国家を語り尽くすことは難しい。それだけではなく、例えば、前作では、長らく植民地化されてきた西アフリカの代弁者として歯に衣着せぬ意見も滲んでいた。


それは領主国であったフランス(西側諸国)に対する辛辣な批評精神の表れでもあった。これらは、結局、アフリカ大陸や当該地域の国家の殆どが西側諸国に金融市場を牛耳られてきたこと、コートジボワールのような海岸地帯で象牙を過剰に乱獲したりと、生態系を破壊させる行為が行われてきたこと等、西側諸国の搾取の歴史を断片的に反映させた。無論、これはアフリカという地域がヨーロッパによって近代国家的な性質を付与されたことは相違ないが、同時に経済的な側面での搾取や文化破壊というあるまじき行為を助長させたのだった。(最近では、アフリカ諸国のBRICSへの参加により、世界情勢の均衡に変化が生じ、現在の世界は多極化している最中だという。つまり、覇権主義的な一国体制は過去の幻影へと変化しつつあるようだ)

 

結局のところ、それらがこのバンドの主要な音楽性であるエレクトリックを中心とする古典的な70年代のハードロックのアプローチによってストレートに展開されたのである。しかし、続く再構成バージョンは音楽的にも、全体に通底する文化的なメッセージにおいても、まったくその意を異にしている。これらの西アフリカの民族音楽の一つであり、アメリカのブルースやゴスペルのルーツとなった”グリオ”という祭礼で演奏される儀式音楽の要素が凝縮されている。これは、単独のメインシンガーを取り巻くようにし、複数の歌い手がコーラスの合いの手を入れる音楽形式である。日本の民謡等にもこの合唱の形式は発見することが出来る。例えば、ゴスペルは、アフリカの儀式音楽が海を越えて伝えられ、旋律的に洗練されていったものである。これらの正真正銘の伝統音楽は、アフリカの悠久の歴史を映し出すにとどまらず、大陸の国家や人々の様々な生き方や人生の一面をリアリスティックに描写する。このことにより、音楽的なエキゾチズム性はもちろんであるが、歴史や伝統性を反映させた作品に昇華された。もちろん、マタドールの現代性に重点を置いた録音技術も称賛に値するものとなっている。

 

しかし、長い時代、植民地化されてきたアフリカ、宗主国に翻弄されてきた国家、そういった複雑な歴史の流れを汲みながらも、Mdou Moctorは批判性だけに焦点を絞らず、それとは対照的にアフリカの伝統性の美しさと人類が進むべき建設的な未来に目を向ける。このアルバムは、前作では歴史の暗部に断片的に言及することのあったエムドゥー・モクターが原曲の再構成を通じて、祖国への郷愁という叙情的な感覚を基にし、世界の平和、国家の正常化、そしてまた、明るい未来への賛歌を歌うというコンセプトへと変容している。こういった音楽は、もし政権の転覆がなければ制作しえなかった。ハードロックソングが反体制的な意義を擁するとすれば、このアルバムはそれとは裏腹に保守的な表情をのぞかせる知られざるモクターの姿を映し出す。

 

さらに言えば、「国家」という共通概念を離れた場所から歌っていた前作のアルバムとはきわめて対象的に(地理的な録音場所はその限りではないにせよ)、ニジェールという国家に近い場所で音楽が鳴り響いているように思える。 いわば、近代以降、アフリカの諸国は国家として独立の歩みを続けてきたが、独立的な国家としての文化的な役割を探り、最終的に世界情勢に関して建設的な役割を持つ文化圏として歩むという、いかなる現代国家も通らざるを得ない役割を踏まえ、それらを代表者として演奏し、歌を紡ぎ、その伝統性を未来へと繋げる橋渡しの役割を司る。それがゆえ、このアルバムのモクターを中心とする歌声にはただならぬ覇気がこもっている。そしてアフリカの歴史に関心のない聞き手を引き付けるものが内在するのである。

 

 

無論、音楽的にも原曲とは主な印象を異にしている。70年代の古典的なハードロックをベースにしていた前作と比較すると、アコースティックギター、タブラ、ベースなどを中心に生の録音を活かし、アナログ性を最初の録音段階で重視した後、最終的には、現代的な要素であるデジタルレコーディングのプロセスを経て良質な録音作品に仕上がった。これらは伝統性と未来性という二つの文化的な精華の重なりを意味し、単なる音楽的なハイブリッドやクロスオーバーというテーマを乗り越え、本来はすべてが一つであるという神秘的な瞬間を体現している。

 

そして、それらが従来に培ってきたアフリカの民族音楽という形式を通じて、心地よくリズミカルな興趣に富んだ音楽が繰り広げられる。これらのニジェールの伝統音楽は、たしかに、西洋音楽の音階や旋法に慣れ親しんだ人々にとっては珍しい響きに聞こえる。リズム的にも変拍子が含まれ、多角的な旋律が縦横無尽に流れていく。これらは古典的な音楽の手法を通じて制作されているにもかかわらず、驚くべきことに、カウンターポイントとして非常に洗練されている。そして、本作の中には無数のアフリカの人々の営み、国家としての歴史の断片的な流れがまるで走馬灯のように流れ、一定のリズムやリフレインの多いアンセミックな響きを持つフレーズと合致し、音楽的な感覚、民俗的な感覚という二つの側面から見ても、極めて高い水準にある音楽として体現されている。そして、西アフリカに対する郷愁の感覚が複数のアコースティック楽器や歌声とぴたりと重なり合う瞬間、稀に見る美しい音楽がエキゾチズムという表向きの幕間の向こう側にたちあらわれ、本作のタイトルの冒頭に付与されている涙ーー人類全体に対する慈しみの思いーーが音楽の向こうにかすかに浮かび上がることに気づく。それは、音楽の表向きの魅力を示すにとどまらず、その向こう側にある芸術の本質的なコアの部分に肉薄したとも言えるかもしれない。彼等の音楽は一般的な評価軸から距離を置き、上や下、右や左、敵や味方、正と邪、そういった二元論における偏見的な概念を乗り越え、優れた音楽に欠かせぬ根源的な精神性を遺憾なく発揮している。だから聴いていて気持ちが癒される瞬間が込められているのかもしれない。

 

『Tears of Injustice』には、「Takoba」、「Imajighen」、前作のタイトル曲「Funeral For Justice」といった魅力的な曲が多い。そして編曲という観点から見ても、全く別の雰囲気を持つ曲に変身している。あらためてエムドゥーの魅力に触れる恰好の機会となるはずである。本作はエムドゥー・モクターというプロジェクトの編曲能力の高さを証明づけたにとどまらず、彼等が音楽的な核心を把握していることを印象付ける。本作ではエキゾチックであった音楽の印象が普遍的な感覚に変化する瞬間がある。要するに、遠くに鳴り響いていた彼等の音楽が身近に感じられる瞬間を体験することができる。そして、その音楽に耳を澄ました時、ないしは彼らの言葉を心から傾聴した時、まったく縁もゆかりもないはずのアフリカ、ニジェールという私達にとって縁遠い地域のことがなんとなく分かり、そして、人間の本質的な部分やその一端に触れることが出来るようになるのだ。

 

私達は日頃生きていて、画一的な価値観や思想に左右されることを避けられない。そういった固定概念をしばし離れて、音楽の持つ神秘性の一端に接することは、いわば未知なる扉を開くようなものである。しかし、未知の扉の先にある何かーーそれは実は、私達が物心付かない頃に持っていたのに、いつしか価値のないものとしてどこかに葬り去られてしまっただけなのかもしれない。

 

 

 

85/100 

 

 

「Takoba」

 




ボストンのフォークシンガー、Sam Robbins(サム・ロビンス)が心に染みる名曲「Piles Of Sand」をリリースした。エルトン・ジョンやジャクソン・ブラウンを彷彿とさせる繊細なフォークバラードとなっている。

 

"Piles of Sand "と題されたこの曲は、内省的できらびやか。アルバムのオープニング・トラックである 「Piles of Sand」のサウンドは、一人の男とギターのシンプルなサウンドを中心に構成されており、アルバムの幕開けにふさわしい完璧なサウンドである。

 

ジェームス・テイラーのライヴ・アルバム『One Man Band』にインスパイアされたこの曲は、曲全体を通してまばらなピアノの瞬間だけが盛り込まれ、ロビンスの見事なギターワークとフレッシュで明瞭なソングライティング・ヴォイスを披露するアルバムの舞台となっている。

 

この曲は、近日発売予定のアルバム『So Much I Still Don't See』のセカンドシングル。「過去4年間のツアー、年間45,000マイルのドライブ、ニューハンプシャー出身の20代の私とは異なる背景や考え方を持つ多くの人々との出会いを主題にしている」とアーティストは宣言している。

 

 

 「Piles Of Sand」

 

 

 


Boston folk singer Sam Robbins has released the haunting classic “Piles Of Sand”. The delicate folk ballad is reminiscent of Elton John and Jackson Browne. 

Called "Piles of Sand", the song is sparkling and introspective, written in a moment of reflection. As the opening track to the album, the sounds of “Piles of Sand” are built around the stark simplicity of a man and his guitar, the perfect sound to kick off the album. Inspired by the James Taylor live album One Man Band, only sparse piano moments are included throughout the song, setting the stage for an album that showcases Robbins’ stunning guitar work and fresh, clear songwriting voice.

The song is the second single off of the album So Much I Still Don’t See which "is based around my touring over the past four years – driving 45,000 miles per year, meeting so many people from so many different backgrounds and perspectives than me, a guy in his 20’s from New Hampshire," proclaims the artist. 


 

▪Sam Robbins 『So Much I Still Don't See』


サム・ロビンスのサード・アルバム『So Much I Still Don't See』は、シンガー・ソングライターとしての20代、年間45,000マイルに及ぶツアーとトルバドールとしてのキャリアの始まりという形成期の旅の証である。そして何よりも、ハードな旅と大冒険を通して集めた実体験の集大成を意味する。

 

リスナーにとって、これらの大冒険は、ソロのアコースティック・ギターとヴォーカルを中心に、生演奏と同じようにトラックされたサウンドを惜しみなく使用した、ソフトで内省的なサウンドスケープを通して聴くことができる。

 

マサチューセッツ州スプリングフィールドの古い教会でレコーディングされた『So Much I Still Don't See』のサウンドの中心は、旅をして自分よりはるかに大きな世界を経験することで得られる謙虚さである。アップライトベース、キーボード、オルガン、エレキギターのタッチで歌われるストーリーテリングだが、アルバムの核となるのはひとりの男、それから、数年前にナッシュビルに引っ越して1週間後に新調したばかりの使い古されたマーティン・ギターだ。



『So Much I Still Don't See』のサウンドは、ジェイムス・テイラー、ジム・クローチェ、ハリー・チャピンといったシンガーソングライターのレコーディングにインスパイアされている。ニューハンプシャーで育ったロビンズは、週末になると父親と白い山へハイキングに出かけ、古いトラックには70年代のシンガーソングライターのCDボックスセットが積まれていた。この音楽はロビンズの魂に染み込み、その結果、ロビンズの音楽家としての才能が開花したのである。

 

2018年にNBCの『The Voice』に短期間出演した後、ロビンスは2019年にバークリー音楽大学を卒業し、すぐにナッシュビルに拠点を移した。ミュージック・シティでの波乱万丈の5年間を経て、2024年初めにボストン地域に戻った後に制作された最初のレコーディングが『So Much I Still Don't See』である。週に5日、カントリーソングの共作に挑戦した後、ロビンズはツアーに活路を見出し、今では全米のリスニング・ルームやフェスティバルで年間200回以上の公演を行った。



このツアーとソングライティングの著しい成長により、ロビンスはいくつかの賞を受賞し、フェスティバルに出演するようになり、2021年にはカーヴィル・フォーク・フェスティバルのニュー・フォーク・コンテストの優勝者となり、2022年にはファルコン・リッジ・フォーク・フェスティバルの 「Most Wanted to Return」アーティストに選ばれた。その後2023年と2024年には各フェスティバルのソロ・メインステージに出演した。

 

その後、サム・ロビンズは精力的にライブツアーを行った。ミシガン州のウィートランド・フェスティバル、フォックス・バレー・フォーク・ミュージック・アンド・ストーリーテリング・フェスティバルなど、全米のフェスティバルにツアーを広げ、「同世代で最も有望な新人ソングライターのひとり」(マイク・デイヴィス、Fateau Magazine誌{イギリス})の称号を得た。 


2023年初頭、ロビンスはマルクス・アウレリウスの『瞑想録』を贈られた。ストイシズムの概念を中心としたこの書籍からのアイデアは、『So Much I Still Don't See』の楽曲に浸透している。アルバムの多くは、この1年間の旅を通してこの本を読んで発見した、ストイックな哲学によって見出された内なる平和を反映している。

 

『So Much I Still Don't See』の曲作りにもうひとつ影響を与えたのは、ロビンズが音楽療法リトリートというグループで活動していることだ。この団体は、ソングライターと退役軍人のペアを組み、彼らがあまり耳慣れない感動的なストーリーを歌にする手助けをする。この人生を変え、人生を肯定する体験は、ロビンス自身の作曲と音楽に、さらに深い感情と深い物語を引き出し、幸運にも一緒に仕事をすることになった退役軍人の開かれた心と物語に触発された。



アルバムからの最初のシングル 「What a Little Love Can Do」は、あるショッキングな瞬間を捉えた曲だ。ナッシュビルで起きた銃乱射事件のニュースを聞いた後、ロビンズは一人ギターを抱えて座り、ギターを無心にかき鳴らした。ニューイングランドの故郷から遠く離れた赤い州の中心部に住んでいたロビンスは、その日の出来事によって、今まで見たこともないような亀裂がくっきりと浮かび上がった。その瞬間に現れた歌詞が、この曲の最初のヴィネットである。

 

 

 「What a Little Love Can Do」

 

 

 

「It's gonna be a long road when we look at where we started, one nation broken hearted, always running from ourselves

 

(長い道のりになりそうだ......われわれがどこから出発したかを考えるとき、ひとつの国は傷つき、いつも自分自身から逃げていた)

 

 

その歌詞から導かれたのは、フロー状態にある作曲プロセスだった。ロビンズがツアーで全米を旅し、2年間で10万マイルを超える距離を走り、何百ものショーをこなし、まったく異なる背景を持つ何千人もの人々と出会ったことから築かれた学びとつながりの物語.......。バーミンガムからデトロイト、ニューオリンズからロサンゼルス、ボストンからデンバーまで、この曲は知らず知らずのうち、これらの冒険から学んだ教訓の集大成として書かれた。互いに物理的に一緒にいるとき、話したり笑ったり、本当にお互いを見ることができるときに見出されるつながりの深さが、『What a Little Love Can Do』の核心であり、アルバム全体の主題でもある。



『So Much I Still Don't See』からのセカンド・シングルでオープニングトラックである、きらびやかで内省的な「Piles of Sand」は、このアルバムのために書かれた最初の曲だ。この曲はナッシュビルで書かれ、アルバムの多くと同様、シンプルで観察的なところから書かれている。ナッシュビルの川沿いの小道を歩いていて、刑務所の有刺鉄線のすぐ横で、向かいの高層マンションのために砂利がぶちまけられるのを見たり感じたりしたのは、とても感動的な瞬間だった。

 

さらに彼はすこし歩き、通りの向こうに高くそびえ立つ巨大な砂利の山を見た後、最初のコーラスの歌詞がすぐに書き留められて、そして今の曲になった。 「山だと思ったけど、高くそびえ立つ単なる砂の山だった。このセリフとリズムが、この曲の残りの部分の土台となったんだ」



 

   

 

Sam Robbins’ third album, So Much I Still Don’t See is a testament to a singer songwriter’s journey through his 20’s, through his formative years of 45,000 miles per year touring and the beginning of a troubadour’s career. Most of all, it is the culmination of firsthand experiences gathered through hard travel and big adventures.

For the listener, these big adventures are heard through a soft, introspective soundscape, with sounds built sparingly around solo acoustic guitar and vocals, tracked live, just as they are performed live. Recorded in an old church in Springfield, MA, the sounds of So Much I Still Don’t See center around the humility that comes with traveling and experiencing a world much larger than yourself – looking inward and reveling in the quiet of the inner mind while facing an expansive landscape of life on the road. The storytelling in the songs is draped with touches of upright bass, keyboards, organ, and electric guitar, but the core of the album is one man and his worn out Martin guitar, bought new just a few years ago a week after moving to Nashville.

The sonic landscape of So Much I Still Don’t See was largely inspired by the recordings of James Taylor, Jim Croce, Harry Chapin and singer songwriters of the like. Growing up in New Hampshire, Robbins would frequently drive up to the white mountains for weekend hiking trips with his father, accompanied in the old truck by a 70’s singer songwriter CD box set. This music seeped into Robbins’ soul, and coupled with experiencing the mountain landscape of his childhood, this “old soul singer songwriter” was shaped by these recordings and the direct, soft and exacting songwriting voices that they exemplified. The storytelling in So Much I Still Don’t See is built through small moments.

After a brief stint on NBC’s The Voice in 2018, Robbins graduated from Berklee College of Music in 2019 and quickly made his move down to Nashville. After a tumultuous five years in Music City, So Much I Still Don’t See is the first recording made after moving back to the Boston area in early 2024. After trying his hand at co-writing country songs five days a week, Robbins found his way to a home on the road, now performing over 200 shows per year in listening rooms and festivals across the country.

This touring and subsequent songwriting growth has led to several awards and festival performances, making Robbins a 2021 Kerrville Folk Festival New Folk contest winner, a 2022 Falcon Ridge Folk Festival “Most Wanted to Return” artist, and later a solo mainstage performer at each festival in 2023 and 2024. Robbins has expanded his touring to festivals nationwide, including the Wheatland Festival in Michigan, the Fox Valley Folk Music and Storytelling Festival, and has earned a title as “One of the most promising new songwriters of his generation” — Mike Davies, Fateau Magazine, UK

In early 2023, Robbins was gifted Marcus Aurelius’s “Meditations”, a collection of the Roman Emperor’s diaries in the early 100’s AD. The ideas from this book, centered around the concepts of stoicism, seeped into the songs of So Much I Still Don’t See. Much of the album reflects on the inner peace found through stoic philosophy that was discovered in reading this book throughout the past year on the road.

Another influence on the songwriting of So Much I Still Don’t See is Robbins’ work with the group Music Therapy Retreats. This is the first recording made after starting his work with the organization, which pairs songwriters with veterans to help write their often unheard and inspiring stories into songs. This life changing and life-affirming experience has drawn out deeper emotions and deeper stories in Robbins’ own writing and music, inspired by the open hearts and stories of the veterans he is lucky to work with.

The first single off the album, “What a Little Love Can Do” is a song that captured a moment. Sitting in Nashville after hearing the news of a shooting in the city, Robbins sat alone with his guitar and strummed. Living in the heart of a red state, far away from his New England home, the events of the day made the cracks appear clearer than he’d ever seen them. The first lyrics that appeared in that moment are the first lyrics in the song – “It’s gonna be a long road when we look at where we started, one nation broken hearted, always running from ourselves”. The heaviness of the news of the day, and the news of every day since, has not subsided since this song was written in 2023.

What led from that lyric was a flow-state writing process. A story of the learning and connections built from Robbins’ travels across the US on tour, driving over 100,000 miles in two years, playing hundreds of shows and meeting thousands of people from very different backgrounds. From Birmingham to Detroit, New Orleans to Los Angeles, Boston to Denver, this song was unknowingly written as the culmination of the lessons learned from these adventures. The depth of connection found when we are physically with one another, when we can talk and laugh and truly see each other, is at the heart of “What a Little Love Can Do”, and the album as a whole.

The second single and opening track from So Much I Still Don’t See, the sparkling and introspective “Piles of Sand”, was the first song written for the album. The song was written in Nashville and is, like much of the album, written from a place of simplicity and observation. He shares, "Walking down a riverside path in Nashville, next to the barbed wire of a prison, watching and feeling gravel being blasted for a high flying condo building across the street was a very inspiring moment. After walking further and seeing a huge pile of gravel soaring high across the street, the first chorus lyric was immediately written down as it appears in the song now: “I thought it was a mountain but it was just a pile of sand towering so high, a nine to five creation”. This line and rhythm was springboard for the rest of the song, steeped in Stoicism, written that afternoon."

As the opening track to the album, the sounds of “Piles of Sand” are built around the stark simplicity of a man and his guitar, the perfect sound to kick off the album. Inspired by the James Taylor live album One Man Band, only sparse piano moments are included throughout the song, setting the stage for an album that showcases Robbins’ stunning guitar work and fresh, clear songwriting voice.

 



 

 今週紹介するのはカリフォルニア州サンタアナで育ち、現在はロサンゼルスに住むシンガーソングライターのミヤ・フォリックです。シンガーは2015年の『Strange Darling』と2017年の『Give It To Me EP』という2枚のEPで初めて称賛を集めた。フォリックの2018年テリブル・レコーズ/インタースコープから発売されたデビューアルバム『Premonitions』は、NPR、GQ、Pitchfork、The FADERなど多くの批評家から称賛を浴びたほか、NPRのタイニー・デスク・コンサートに出演し、ヘッドライン・ライヴを完売させ、以降、ミヤは世界中のフェスティバルに出演した。


 『Erotica Veronica(エロティカ・ヴェロニカ)』のアルバム・ジャケットは、ミヤ・フォリックがアンジェルス国有林の高いところにある泥の穴の縁に腰を下ろし、大地と原始の中間に化石化した熱病の夢のように手足を悠々と広げている姿をとらえている。 それは適切な肖像画とも言えるでしょう。ミヤは本能に突き動かされ、その複雑さに行き詰まるのではなく、成長の泥沼に引き込まれていく。 この図太い精神が、彼女に最新フル・アルバム『Erotica Veronica』(近日発売、Nettwerk Music Group)をセルフ・プロデュースさせたのだった。キャッチーな歌詞のセンス、鋭敏な音楽的職人技、そして彼女の特徴である跳躍するようなアクロバティックな歌声が飽和状態となっている。


 『エロチカ・ヴェロニカ』の前身であるデビュー作『Premonitions』と2ndアルバム『Roach』は、いずれも青春狂想曲として各メディアから高評価を得ている。 『エロティカ・ヴェロニカ』についても同じようなことを言いたくなる。結局のところ、この新しいアルバムは、快楽主義と恐怖の青春の淵で揺れ動きながら、性の探求に真っ向から突っ走る女性の姿を示している。 しかし、若者の野生の自由とは異なり、これらの放浪の精神は、生きた経験によってのみ得られる特別な知恵と深みに下支えされている。おそらく、『Premonitions』の魔女のような謎解きと、ローチが持っている苛烈なまでの正直さが、彼女を官能の世界へ深く飛び込む準備をさせたのでしょう。



 ミツキ、フェイ・ウェブスター、ジャパニーズ・ハウスとツアーし、長編映画『Cora Bora』の音楽を担当したこの数年の集大成であるこのアルバムは、ミヤのプライベートな世界への回帰である。 ハチミツのように甘くて、そして心の痛みのよう苦々しい、それぞれの薬効を交互に聴かせてくれる。 ミヤのパワーは、好奇心の輪郭の下に湧き上がり、このシンガーソングライターを大胆であると同時に心に染みる深遠な存在にしている。 『エロチカ・ベロニカ』は、彼女のサイコセクシュアル、サイコセンシュアルの傑作であり、自己実現と統合の万華鏡のような肖像画である。


このアルバムは、残酷で燃え尽きそうな多忙なツアーの後、1ヵ月半の間に書き上げられました。 ストレートなインディ・ロックのレコードを作ろうと決意したミヤは、アルバムの大半をギターで書き上げた。


 共同プロデューサー兼ドラマーとしてサム・KS(ユース・ラグーン、エンジェル・オルセン)を迎え、ギターにはメグ・ダフィー(ハンド・ハビッツ、パフューム・ジーニアス)、ウェイロン・レクター(ドミニク・ファイク、チャーリ・XCX)、グレッグ・ウールマン(パフューム・ジーニアス、SML)、ベースにはパット・ケリー(パフューム・ジーニアス、リーヴァイ・ターナー)といった、頻繁にコラボレートしているミュージシャンを起用した。 


 これらのミュージシャンの個人的なスタイルとスキルに寄り添いながら、フォリックはリアルなライブ・サウンドを捉えることを意図してスタジオに入った。 透明感のある音像は、このアルバムのテーマである猫のゆりかごにふさわしい。 リリックでは、相反する気分や感情が交差し、まるでミヤが自分自身の内側の迷路を通って活力を取り戻す道をたどっているかのようだ。


 タイトル曲『エロチカ』は、ミヤが息を弾ませながらロマンチックに歌っている。 "白昼の街角で女の子といちゃつきたいんだ/太陽に焼かれた彼女のひび割れた唇が見えるようだ。僕にちょっと寄り添っているように"。 この曲は、うららかな春の光に照らされたシダのように展開し、きらめくピアノの旋律が私たちを幻想へと誘う。 


しかし、多幸感あふれる春の空気の下で、私たちはこのレコードにつきまとうジレンマの匂いを嗅ぎ取らざるをえない。この告白の受け手には相手がいる。この曲とアルバムは、自分の欲望が文化が許す狭いチャンネルよりも複雑な場合、どうするのが正しいのだろうか、と問いかけているようだ。 


このアルバムのテーマは、自分自身と社会を巧みに結びつけている。最近のアメリカ国内のクイアに対するファシスト的な弾圧、そしてその迫害に関する痛みや慟哭を聞いたとしてもそれは偶然ではない。「このアルバムは、ヘテロ規範的な人間関係の構造の中で、あるいはそういった社会の中で、クィアであることについて歌っている」とミヤは説明する。 「私たちはお互いに、自由に探求し、自分自身の正しい道を見つけるための十分な余地を与えていないと思う」


 

Miya Folick 『Erotica Veronica』- Nettwerk Music Group 






 ミヤ・フォリックは、このアルバムにおいて、自身の精神的な危機を赤裸々に歌っており、それは奇異なことに、現代アメリカのファシズムに対するアンチテーゼの代用のような強烈な風刺やメッセージともなっている。アルバムの五曲目に収録されている「Fist」という曲を聞くと、見過ごせない歌詞が登場する。これは個人の実存が脅かされた時に発せられる内的な慟哭のような叫び、そして聞くだけで胸が痛くなるような叫びだ。これらは内在的に現代アメリカの社会問題を暗示させ、私達の心を捉えて離さない。時期的には新政権の時代に書かれた曲とは限らないのに、結果的には、偶然にも、現代アメリカの社会情勢と重なってしまったのである。
 
 
 現在、Deerhoofなど米国の有志のミュージシャンが、これらのマイノリティに対する、ある意味では圧政とも呼ぶべき悪法や動向に関して声を上げている。そして、ロサンゼルスのフォリックのアルバムも同様に、表側には噴出しないアメリカの内在的な問題が繊細に織り込まれている。しかし、それが例えば、クラシックなタイプのロックソングと融合したとき、このシンガーのダイナミックな実像が浮かび上がってくる。結局、そういった音楽には圧倒されるものがあるというか、何かしら頭を下げざるえない。つまり、深い敬意を表するしかなくなるのだ。
 
 
 本作が意義深いと思う理由は、ミヤ・フォリックの他に参加したスタジオ・ミュージシャンのほとんどがメインストリームのバックミュージシャンとして活躍する人々であるということ。このアルバムは、確かにソロ作ではあるのだけれど、複数の秀逸なスタジオ・ミュージシャンがいなくては完成されなかったものではないかと思う。特に、 メグ・フィーのギターは圧巻の瞬間を生み出し、全般的なポピュラー・ソングにロックの側面から強い影響を及ぼす。
 
 
 序盤は、旧来から培ってきたインディーポップのセンスが生かされ、聴きやすく軽やかなナンバーが並んでいる。アルバムの冒頭を飾る「Erotica」白昼の街角で女の子といちゃつきたいんだ/太陽に焼かれた彼女のひび割れた唇が見えるようだ。僕にちょっと寄り添っているように"。 この曲は、うららかな春の光に照らされたシダのように展開し、きらめくピアノの旋律が私たちを幻想へと誘う。 映画のサウンドトラックのような神秘的なイントロに続いて、軽快なインディーポップソングが続いていく。全体的なイメージとは正反対に軽快な滑り出しである。
 
 
 続く「La Da Da」も同様に爽やかな雰囲気を持つフォーク・ソングとなっている。心に染みるような切ない歌声をベースとしたメロの部分とは対象的に曲のタイトルを軽やかに歌う時、ロック的な性質が強調され、珠玉のポップソングが生み出される。それらの旋律をなぞるピアノもまたそれらの楽しい気分やイメージを上手く増長させる。まるでこの曲は草原のような開けた場所で歌うシンガーソングライターの姿を音楽として幻想的に体現させたかのようである。
 
 
 この数年、ミヤ・フォリックは旧譜においてインディーポップやオルトポップの作曲に磨きをかけてきたが、それらが見事に花開いた瞬間が先行シングルとして公開された「Alaska」である。「あなたを失うかもしれない "というセリフは二重表現になっています。カバー・アートのために日本語に訳したとき、「I am able to 」という動詞と、「It is possible [to lose you]」という動詞を使いましたとミヤ・フォリックは説明する。「この曲は、自分との関係が自分にとってどれだけ大切なものなのかについて。そして自分との関係をどれだけ大切にしているのか、折り合いをつけるための曲でもある。私の人生でこの人を失ったら悲しいけれど、私自身を失ったら同じように悲しい」 曲のベースとなるシンセのピアノの演奏とフォリックのボーカルは、人間関係を失うことへのおそれを歌っている。ギター、ドラム、シンセを中心とした曲は、2分40秒ごろから軽快な雰囲気に変化して、未来に向けて歩みだすような明るさがある。
 
 
 「Felicity」は打ち込みのサウンドとポピュラーソングが結びつき、良曲に昇華されている。LAのインディーポップソングの系譜をこの曲に見出すことが出来るはずである。この曲は、(多くの曲とは異なり)もともとアコースティック・ギターで書かれた曲ではなかった。その代わりにジャレッド・ソロモン(レミ・ウルフ、ドラ・ジャー、ローラ・ヤング)と共同でこの曲を書き、シンセと木管楽器を重ねた。ジル・ライアンのフルートは、ミヤのボーカルの軽快さの下で陽気に揺れ、祝福の感覚を与える。 「この曲は、あまり知られていないフェリシティという言葉の定義を指し示している。"自分の考えに適切な表現を見つけること"であり、ミヤは、"このアルバムの礎石である”と定義づける。 フェリシティが示唆するように、適切な表現は、私たちを愛する人たち、そして私たち自身とのより親密なつながりをもたらしてくれる。 


 「Fist」はセンチメンタルな雰囲気を持ち、胸を打つような素晴らしいポップソングとなっている。アルバムのハイライト曲の一つとなりそう。アコースティックの弾き語りで始まり、そして抑揚をつけながら、劇的なロックソングへと移行していく。この曲の冒頭では、切ない感覚を織り交ぜながら続く展開へと繋げていく。日常的な暮らしをテーマにしながら、ミヤ・フォリックは自分自身の存在する理由のようなものを探る。その中には自虐的を越え、かなりシリアスな表現も垣間見ることが出来るが、この時、感動的な瞬間が訪れる。曲の後半ではディストーションギターが轟音性を増すが、それらの轟音は途絶え、曲の最初のメロがアウトロで帰ってきて感動的な余韻を残す。まるで数年のアーティストの人生をかたどったかのようである。
 
 
 
 
「Fist」 
 
 
 
 
 
 
 「This Time Around」はタイムマシーンのように過去へ舞い戻る曲だという。 アコースティックギターをベースにしたポップソングで、気持ちを揺り動かす何かがある。この曲は、ミヤがタイムトラベルして、遠い昔の恋愛に耽溺していた自分の姿に戻るところから始まる。 ダルセットなボーカルが、諦念と虚弱さを描いた衝撃的な歌詞と厳しいコントラストを描いている。 この曲は過去の自分への子守唄のように感じられる。 ''携帯で読んだ手紙には、あなたをイかせるために、なぜ私が首を絞められなければならなかったのか教えてくれた''と歌うように、現在のミヤが、パズルのピースをするように、自分の苦しみを現在のジグソーパズルにどうはめ込むかを考えているのが聞こえてくる。このトラックにおいて過去の自分との折り合いをつける。アルバムの中で最も異色とも言えるのが続く「Prism Of Light」。80,90年代のニューウェイブやシンセポップの系譜を踏襲しているが、サビがアンセミックな響きを醸し出す。


 「ライブ録音を意識して作られた」という本作であるが、その影響が色濃く出た瞬間もある。「Hate Me」はグランジ的な主題であるが、実際の曲は暗さと明るさという対極の感情が表現されている。明確に言及するのは難しいものの、インディーロックという制作前の着想が上手く昇華された楽曲である。そこには、過去の戸惑いや苦悩、逡巡といった感情に別れを告げるような感覚が漂い、聞き手にカタルシスのような心地良い爽快感をもたらす。それはロックソングとして少数派であるがゆえ、強固な説得力を持つ。特に、ここでもバンドの盤石な演奏と同時にギタリストのメグ・ダフィが活躍し、絶妙なコード進行でボーカルの旋律の輪郭づけをしている。そして、曲自体は、なだらかな曲線を描くようにして上昇していき、高音域のボーカルが最後になって登場する。そして、この瞬間、何か上空を覆っていた雲間から光が差し込むような神々しさが立ちあらわれる。最後のヴァーズまで高い音域のボーカルを温存し、対極的なフレーズを作り出す。実際的に、バンガーを意識した見事なポップソングとして楽しめるはず。

 

 

真を穿った作曲性(ソングライティング)とも言うべきか、ミヤ・フォリックの音楽は非常にリアリティがあるような気がする。しかし、アルバムの休憩ともいうべき箇所があり、これが良い味を出している。アーティストの真面目な性格とは異なるフレンドリーな表情を見出すことも出来る。「Hypergiant」はヨットロックやチルアウト風の曲で、まさしく西海岸の音楽シーンに呼応した内容となっている。細野晴臣の「Honemoon」のような歌謡と洋楽の融合の雰囲気を感じることも出来る。シリアルな作風の中にあるオアシスのような存在である。しかし、その蜃気楼のような幻影は、まるで夏の陽炎のように遠ざかり、再びリアリティのある楽曲が立ち上がる。

 

 

しっとりしたバラードのように始まる「Love Wants Me Dead」も素晴らしい曲であり、アルバムの最後に深い余韻を残す。静かな立ち上がりから、徐々に胸を打つ感動的な音へと変化していくが、これらの一曲の中で何か内側に芽吹いた茎のようなものがすくすくと成長し、そしてこの曲は大輪の花を咲かせる。もしくはさなぎであった歌手が蝶になり大空に羽ばたいていく瞬間を見事に録音として把捉している。それはまた、失望や絶望のような感情から汲み出されるほんの束の間の人生の鮮やかな息吹の奔流のようでもある。そしてそのパワフルなエネルギーを感じ取った時、ポピュラーソングの本物の魅力が表側にあらわれる。この曲は、序盤のハイライト曲「Fist」と同じように、ダイナミックな変遷をたどり、そして劇的な瞬間を曲の最後で迎える。再三再四、言及しているが、このアルバムを傑作に近い内容にした理由は、ソングライターが何を制作したいのか明確にしていたこと、そして、それを手助けする秀逸なバックミュージシャンがいたからである。表向きの功績としてはミヤ・フォリックのものであるが、おそらく歌手はこのアルバムに参加した多くのミュージシャンに感謝しているに違いない。そしてその瞬間、まったくこの曲の意味が反転し、愛に溢れたものに変わるということなのである。

 
 
 本作の最後は、まるでその余韻に浸るかのように静かな印象を持つインディーフォーク・ソングで締めくくっている。最後の曲だけはデモソングのような音質を強調しているが、ボーカルは非常に美しい。そして、その美麗なボーカルの質感を上手く引き出すために、木管楽器が活躍する。アルバムの冒頭でほのめかされたシネマティックなサウンドにクローズで回帰するという円環構造である。これらの11曲は殆どむらがなく、そして続けて聞かせる集中性を保っている。そして大切なのは、音楽を制作する個人だけではなく、正確に言えば録音に携わった人々の思いが凝縮されていることである。一方ならぬ思い入れが入り込んでいるため、胸を打つ。聴いたかぎりでは、作品の構成が完璧であり、録音の水準も極めて高い。そして何より、人の手で何かひとつずつ丹念に音楽を作り上げているような気がして素晴らしいと思った。今年上半期の最高のポピュラーアルバム。個人的にも何度も聞き返したいと思っています。
 
 
 
 
 
96/100
 
 
 
 
「Love Wants Me Dead」
 
 
 
 
*Miya Folickのニューアルバム『Erotica Veronica」はNettwerk Music Groupから本日発売。 アルバムのストリーミングはこちらから。
 
 





 


受賞歴のあるシンガー・ソングライターであり、社会正義の戦士でもあるCrys Matthews(クライス・マシューズ)がニューアルバム『Reclamation』を1月下旬にリリースした。改めて下記よりこのアルバムをチェックしてもらいたい。

 

バンジョーを演奏に用いた古典的なゴスペル、カントリー/フォーク・ミュージックを融合した先行シングル「Walking Up The Dead」のミュージックビデオ、及びアルバムの試聴は下記より。

 

「このアルバムは、サウンド的にもイデオロギー的にも、アーティストとして、そして人間としての私を最大限に表現している」と彼女は語る。

 

伝道師の子供であり、黒人女性であり、ブッチ・レズビアンであり、「伝統的な」カントリーやアメリカーナ・ミュージックと並行して社会正義の音楽を歌う誇り高き南部人であるクライズ・マシューズは、カントリーやアメリカーナ・ミュージックにおいて黒人アーティストが否定されてきたスペースを取り戻すだけでなく、信仰のコミュニティにおいてLGBTQが否定されてきたスペースを取り戻すだけでなく、女性が自らの身体に対する自律性を否定されてきたスペースを取り戻すだけでなく、自分を育ててくれた南部を取り戻す。

 

ビルボードやNPRのアン・パワーズは彼女を「新進フォーク・ミュージック・スター」と絶賛。クライス・マシューズは、フォーク・アライアンスのソング・オブ・ザ・イヤーも受賞している。

 

 

「Walking Up The Dead」

 

 

Award-winning singer, songwriter, and social justice warrior Crys Matthews will release new album, Reclamation.

The music video for the preceding single “Walking Up The Dead,” which combines classic gospel and country/folk music with the banjo in the performance, and a sample of the album are available.

 "This album is both sonically and ideologically the fullest representation of who I am as an artist and as a human," she says. A preacher's kid, a Black woman, a Butch lesbian, and a proud Southerner who sings social justice music right alongside 'traditional' Country and Americana music, Matthews is reclaiming not just of the space Black artists have been denied in Country and Americana music, not just of the space LGBTQ people have been denied in communities of faith, not just of the autonomy women have been denied over their own bodies, she is reclaiming the South that raised her.

Crys has received acclaim from the likes of Billboard and NPR whose Ann Powers called her "a rising folk music star". Crys Matthews has also received the award for Folk Alliance's Song of the Year.




ナッシュビル在住のクライス・マシューズは、新世代の社会正義ミュージック・メーカーで最も輝かしいスターの一人である。受賞歴のある多作な作詞家・作曲家であるマシューズは、カントリー、アメリカーナ、フォーク、ブルース、ブルーグラスを融合させ、伝統的なメロディーを誠実なオリジナル歌詞で彩った大胆で複雑なパフォーマンスを披露する。彼女はこの時代のために作られたのだ。

マシューズについて、ASCAP副社長兼クリエイティブ・ディレクターのエリック・フィルブルックはこう語る。「社会的なメッセージを素直な感情で包み込み、温かいハートと力強い歌声でダイナミックに伝えることで、この困難な時代に最も必要な時に、彼女は私たちの気分を高めてくれる」。ブルーグラス・シチュエーション』のジャスティン・ヒルトナーは、彼女の贈り物は、「私たちが隔たりを埋めるとき、どんな美が生まれるかを思い出させてくれる 」と付け加えている。マシューズ自身の言葉を借りれば、彼女の使命は、「聴こえない人々の声を増幅し、見えないものに光を当て、希望と愛こそが公平と正義への真の道であることを揺るぎなく思い出させること 」だという。彼女の新しいアルバムは、その使命を体現したものであり、その証でもある。

2024年2月、マシューズがフォーク・アライアンス・インターナショナルのパネルに出席したとき、あるスコティッシュ・フォークのアーティストが、そのアーティストが言うところの「私の伝統からの音楽」を追求するレコード・レーベルはどのくらいあるのか、と質問するのを聞いた。「私はそのアイデアが気に入りました。自分たちの伝統とは何か、自分たちの民族とは誰か、自分たちの織物とは何か。

 

A troubadour of truth, Nashville resident Crys Matthews is among the brightest stars of the new generation of social justice music-makers. An award-winning, prolific lyricist and composer, Matthews blends Country, Americana, Folk, Blues, and Bluegrass into a bold, complex performance steeped in traditional melodies punctuated by honest, original lyrics. She is made for these times.

Of Matthews, ASCAP VP & Creative Director Eric Philbrook says, “By wrapping honest emotions around her socially conscious messages and dynamically delivering them with a warm heart and a strong voice, she lifts our spirits just when we need it most in these troubled times.” Justin Hiltner of Bluegrass Situation adds, her gift is a "reminder of what beauty can occur when we bridge those divides." In her own words, Matthews says her mission is: "to amplify the voices of the unheard, to shed light on the unseen, and to be a steadfast reminder that hope and love are the truest pathways to equity and justice." Her new album is an embodiment of and a testament to that mission.

When Matthews attended a panel at Folk Alliance International in February of 2024, she heard a Scottish Folk artist inquire as to how many record labels pursue what the artist referred to as "music from my tradition," four words that intrigued Matthews. "I loved the idea of that. It seems like the best way to talk about music: what is your tradition, who are your people, what is the fabric of you?"

A daughter of the South by way of Nashville now and North Carolina forever, and the self-proclaimed poster child of intersectionality, Matthews is boldly answering those questions on her new album aptly titled Reclamation.   

Recorded in Nashville, TN at Sound Emporium Studios, Reclamation was produced by Levi Lowry (co-writer of Zac Brown Band's hit song Colder Weather). The project features her partner on and off stage Heather Mae, her friends and fellow singer-songwriters Kyshona, Melody Walker, and Chris Housman, and some of the best musicians in Music City like Megan Coleman, Megan Elizabeth McCormick, Ellen Angelico, Ryan Madora, Jen Gunderman, and Michael Majett.

"This album is both sonically and ideologically the fullest representation of who I am as an artist and as a human," she says. A preacher's kid, a Black woman, a Butch lesbian, and a proud Southerner who sings social justice music right alongside 'traditional' Country and Americana music, Matthews is reclaiming not just of the space Black artists have been denied in Country and Americana music, not just of the space LGBTQ people have been denied in communities of faith, not just of the autonomy women have been denied over their own bodies, she is reclaiming the South that raised her.

 

 

 

 

ニューキャッスルのジャズ・クインテット、ナッツ(Knats)はセンス抜群のジャズを提供する注目すべきグループの一つだ。デビューまもなくして、ストリートファッション業界から注目を受け、〈Beams Plus〉とロンドン発のスケートブランド〈PALACE SKATEBOARDS〉との初コラボレーション・ラインの広告に彼等の楽曲「Tortuga (For Me Mam) 」が使用された。

 

この度、ナッツの待望のセルフタイトルのデビューアルバム『Knats』がフィジカルリリースを迎えた。続いて、デジタルアルバムが3月28日(金)にリリースされる。こちらも合わせてチェックしてもらいたい。


2024年は、ロンドンの音楽に新風を吹き込むジョーディー・グリープ(元ブラック・ミディのボーカリスト/ギタリスト、ラフ・トレードからソロアルバムを発表)のサポートや、R&Bのレジェンド、エディ・チャコン(Eddie Chacon)のUKツアーのバックバンドを務め、ナッツにとって充実した1年となった。また、“ジャズ・リフレッシュド”のヘッドライナー、Str4ta(ストラータ)のサポートをソールド・アウトさせた他、”ロンドン・ジャズ・フェスティバル”にも出演した。

 

ニューカッスル出身の2人の親友、スタン・ウッドワード(ベース)とキング・デイヴィッド=アイク・エレキ(ドラム)を中心に結成されたナッツは、洗練されたアレンジ力で、力強いメロディ、ダンサブルなグルーヴを持つジョーディー・ジャズ(ニューカッスル生まれ)を制作している。彼等の熱狂的なエネルギーを持つジャズは、Spotifyのプレイリストに取り上げられ、The Guardian、Jazzwiseなどのメディアから賞賛されるなど、垂涎の的となっている。



本日、アルバムの発表を記念し、ナッツはアメリカのテナー・サックス奏者ジョー・ヘンダーソンのカバー「Black Narcissus」をデジタル・リリースした。アドレナリン全開のアップテンポなドラミングに、グルーヴィーで輝かしいベースラインと情熱的なサックスが組み合わさった同楽曲は、彼ら特有である感染力の強いエネルギーを完璧に表現している。


 
Knats - 「Black Narcissus (Audio Video)


 

 

▪ニューシングル「Black Narcissus」(ダウンロード/ストリーミング

 

アルバム全体を通して共通するのは、メンバーが愛する者たちに捧げた内容となっているということである。前述の「Tortuga (For Me Mam)」は、スタンが自身の母親を含む全てのシングルマザーに敬意を表して書いた楽曲。シングルマザーの強さと犠牲に対する賞賛と感謝の念が込められている。

 

その一方、ダークな曲調の「Se7en」は、かつて "DJ Se7en"として活動していたスタンの父親との感情的な関係を表現している。

 

また、「Adaeze」はキングの亡き姉へのトリビュート。西アフリカのパーカッシヴなブレイクと楽器を取り入れたゴスペル・フォーク・チューンから作られた。メンタル・ヘルスに悩む人を知るすべての人々に対し、周りの人間を気にかけ、彼らが必要としているかもしれない助けの手となるように、といったメッセージが込められている。



ナッツのアルバムは多くのことを象徴しているが、最も重要なのは決してニューカッスルを見過ごしてはいけないという点に尽きる。

 


【アルバム情報】


 


アーティスト名:Knats(ナッツ)
タイトル名:Knats(ナッツ)
品番:GB4003CD (CD) / GB4003 (LP)
発売日:フィジカル・アルバム発売中
デジタル配信:2025年3月28日(金)
レーベル:Gearbox Records

<トラックリスト>

(CD)
1. One For Josh
2. Miz (featuring Anatole Muster)
3. 500 Fils (featuring Parthenope)
4. Black Narcissus
5. Rumba(r)
6. Makina Thema
7. Tortuga (For Me Mam)
8. Se7en (featuring Tom Ford)
9. In The Pitt
10. Adaeze

(LP)
Side-A

1. One For Josh
2. Miz (featuring Anatole Muster)
3. 500 Fils (featuring Parthenope)
4. Black Narcissus
5. Rumba(r)
Side-B
6. Makina Thema
1. Tortuga (For Me Mam)
2. Se7en (featuring Tom Ford)
3. In The Pitt
4. Adaeze


・アルバム『Knats』予約受付中! 

https://bfan.link/knats


Credits:
Stan Woodward: bass guitar
King David Ike Elechi: drums
Ferg Kilsby: trumpet
Cam Rossi: tenor saxophone
Sandro Shar: keyboards
Parthenope: alto saxophone on “500 Fils”
Richie Sweet: congas on “Rumba(r)” and “Adaeze”
Tom Ford: electric guitar on “Se7en”
Anatole Muster: accordion on “Miz"
Miro Treharne: vocals on “In The Pitt”
Otto Kampa: alto saxophone on “In The Pitt”
Matt Seddon: trombone on “In The Pitt”
Enya Barber: violin on “Tortuga (For Me Mam)”
Sam Booth: cello on “Tortuga (For Me Mam)”

All tracks written and arranged by Stan Woodward and King David Ike Elechi
apart from “Black Narcissus”, written by Joe Henderson.

Produced by Darrel Sheinman

Recorded at Studio 13, London by Giacomo Vianello, assisted by Ishaan Nimkar

All tracks mixed at The Friary Studios, Aspley Guise by Hugh Padgham apart from “Tortuga (For Me Mam)”, mixed by Chris Webb

Mastered by Caspar Sutton-Jones

 

<バイオグラフィー>

 
Knatsは、ニューカッスル・アポン・タイン出身の2人の生涯の親友、スタン・ウッドワード(ベース)とキング・デイヴィッド・アイク・エレキ(ドラムス)が率いるクインテット。


その他のメンバーは、ファーグ・キルズビー(トランペット)、キャム・ロッシ(テナー・サックス)、そしてサンドロ・シャー(キーボード)。それぞれのルーツであるジャズ、ドラムンベース、ハウス、ゴスペルから派生したダンス・ミュージックを特徴とする。


シーンに登場して間もない彼らは、すでにSoho Radio、BBC Newcastle、WDR3によって認知され、Spotifyの ‘All New Jazz’プレイリストに選曲された他、‘Jazz Fresh Finds’のカヴァーも飾っている。さらに、BBC Introducing North Eastからも絶大な支持をされている。

 

 全くの新人ながら、 2024年10月に発表された〈Beams Plus〉とロンドン発のスケートブランド〈PALACE SKATEBOARDS〉との初コラボレーション・ラインの広告に楽曲「Tortuga (For Me Ma)」が使用された。

 

同年にはジョーディー・グリープ(ブラック・ミディ)のUKツアーでのサポートや、ソールドアウトした“ジャズ・リフレッシュド”のヘッドライナー、ジャズ・カフェでのStr4ta(ストラータ)のサポート、”ロンドン・ジャズ・フェスティバル”への出演、さらにはR&B界のレジェンド、エディ・チャコンのバック・バンドとして英国ツアーにも参加した。2025年2月、待望のセルフ・タイトル・デビュー・アルバムをリリース。


 

 

世界中の音楽ファンを魅了する音楽家・青葉市子。最新アルバム『Luminescent Creatures』いよいよ本日リリースされます。さらにバンド編成によるコンサート<Reflections of Luminescent Creatures>開催決定。来年3月、英国ロイヤル・アルバート・ホール単独公演も決定!!



本日、約4年ぶりとなる新作『Luminescent Creatures』がリリースされました。通算8枚目のオリジナル・アルバムとなる本作は、世界中で話題となった前作『アダンの風』の制作期間中から構想され、当時のアイデアの断片が随所に散りばめられた全11曲を収録しています。

 

共同作編曲に梅林太郎を迎え、レコーディングとミックスを葛西敏彦、マスタリングをオノセイゲン(Saidera Mastering)、アートディレクションとアートワーク撮影を小林光大が担当。

 

リリース形態はデジタルとフィジカル(CD/Vinyl)の同時リリースとなり、北米ではアメリカのアーティスト主導型インディペンデント・レーベル ‘Psychic Hotline’、その他の地域では自主レーベル ‘hermine’ から発売されます。

 

 

現在、ワールド・ツアー<Luminescent Creatures World Tour>を開催中!

 



今週2/24(月)の香港公演を皮切りに、アジア、ヨーロッパ、北米、南米で計41公演(本日時点)を予定しており、キャリア最大規模のツアーとなります。今後、北欧やオセアニアでの公演も計画中。現時点のツアー日程は下記をご参照下さい。

 

さらに、来年3月には数々の伝説的なコンサートが行われてきた英国ロイヤル・アルバート・ホールでの単独公演も決定しました!

 

そして今夏、バンド編成でのコンサート<Reflections of Luminescent Creatures>を開催!昨年10月の<ICHIKO AOBA “Luminescent Creatures” World Premiere>以来となるバンド編成でのコンサートを、東京・横浜・大阪にて計5公演実施します。本日12:00よりチケット先行受付を開始します。どうぞお楽しみに!



■リリース情報

 
青葉市子 8thアルバム『Luminescent Creatures』
2025/2/28(金) 全世界同時発売(配信/CD/Vinyl)


 


https://linktr.ee/luminescentcreatures

収録曲:


01. COLORATURA
02. 24° 03' 27.0" N, 123° 47' 7.5” E
03. mazamun
04. tower
05. aurora
06. FLAG
07. Cochlea
08. Luciférine
09. pirsomnia
10. SONAR
11. 惑星の泪


太古の海に誕生した発光生物たち
彼らが交信しようと感じたのは
”私はここにいます”という
自らが個である事を認識したから
だそうなのです
ずっと前のことのようでもありますが
私たちの体内には 今も変わらず
彼らの輝きが備わっていると私は感じます

今を生きる全ての生き物たちが
自らの発光を温かく祝福する
日々でありますようにと
願いを込めて

-青葉市子

 

 

■MV
青葉市子「SONAR」
https://ichiko.lnk.to/SONAR_YT



 

 


■コンサート情報


公演名:Reflections of Luminescent Creatures

日程:2025年8月13日(水)
会場:東京・サントリーホール 大ホール
開場17:30 / 18:30

日程:2025年8月18日(月)
会場:神奈川・横浜みなとみらいホール 大ホール
開場17:30 / 18:30

日程:2025年8月20日(水)
会場:東京・すみだトリフォニーホール 大ホール
開場17:30 / 18:30

日程:2025年8月22日(金)
会場:大阪・NHK大阪ホール
開場17:30 / 18:30

日程:2025年8月23日(土)
会場:大阪・NHK大阪ホール
開場16:00 / 17:00

出演:青葉市子
参加ミュージシャン:梅林太郎,
町田匡(Violin), 荒井優利奈(Violin), 三国レイチェル由依(Viola), 小畠幸法(Cello), 丸地郁海(Contrabass),
朝川朋之(Harp), 丁仁愛(Flute), 角銅真実(Percussion)



■チケット


全席指定 ¥8,800
全席指定<学割> ¥6,800
※⼩学⽣以上有料 / 未就学児童⼊場不可
※学割:公演当日、入場口におきまして学生証を確認させていただきます (小、中、高校生、大学生、専門学校生 対象)。



■チケット先行受付


受付期間:2/28(金)12:00〜3/9(日)23:59
受付URL:https://eplus.jp/ichikoaoba-2025/
海外居住者向け先行受付URL:https://eplus.tickets/ichikoaoba-2025/
※抽選受付。

チケット一般発売日:5/10(土)10:00〜



■お問い合わせ


青葉市子 オフィシャルサイト https://ichikoaoba.com 

 

 

<海外公演情報>

■Luminescent Creatures World Tour

 
Asia:

 
Mon. Feb. 24 - Hong Kong, CN @ Xi Qu Centre, Grand Theatre [with Musicians from HK Phil]
Wed. Feb. 26 - Seoul, KR @ Sky Arts Hall (SOLD OUT)
Thu. Feb 27- Seoul, KR @ Sky Arts Hall (NEW SHOW)
Thu. March 6 - Taipei, TW @ Zhongshan Hall (LOW TICKETS)


Europe:

 
Mon. March 10 - Barcelona, ES @ Paral.lel 62
Tue. March 11 - Valencia, ES @ Teatro Rambleta
Thu. March 13 - Milan, IT @ Auditorium San Fedele (LOW TICKETS)
Sat. March 15 - Zurich, CH @ Mascotte
Tue. March 18 - Hamburg, DE @ Laiszhalle
Wed. March 19 - Berlin, DE @ Urania (Humboldtsaal)
Fri. March 21 - Utrecht, NL @ TivoliVredenburg (Grote Zaal) (LOW TICKETS)
Sun. March 23 - Groningen, NL @ Oosterpoort
Tue. March 25 - Antwerp, BE @ De Roma
Thu. March 27 - Paris, FR @ La Trianon (LOW TICKETS)
Mon. March 31 - London, UK @ Barbican [with 12 Ensemble] (SOLD OUT)
Wed. April 2 - Manchester, UK @ Albert Hall
Fri. April 4 - Gateshead, UK @ The Glasshouse
Sat. April 5 - Glasgow, UK @ City Halls


North America:

 
Thu. April 17 - Honolulu, HI @ Hawaii Theatre
Sat. April 19 - Vancouver, BC @ Chan Centre (LOW TICKETS)
Sun. April 20 - Portland, OR @ Revolution Hall
Mon. April 21 - Seattle, WA @ The Moore
Wed. April 23 - Oakland, CA @ Fox Oakland
Sat. April 26 - Los Angeles, CA @ The Wiltern [with Wordless Music Quintet] (LOW TICKETS)
Sun. April 27 - Los Angeles, CA @ The Wiltern [with Wordless Music Quintet]
Tue. April 29 - Scottsdale, AZ @ Scottsdale Center
Thu. May 1 - Denver, CO @ Paramount Theatre
Sat. May 3 - St. Paul, MN @ Fitzgerald Theatre (LOW TICKETS)
Sun. May 4- St Paul, MN @ Fitzgerald Theatre (NEW SHOW)
Tue. May 6 - Chicago, IL @ Thalia Hall
Wed. May 7 - Chicago, IL @ Thalia Hall
Fri. May 9 - Detroit, MI @ Masonic Cathedral Theatre
Sat. May 10 - Cleveland, OH @ Agora Theatre
Mon. May 12 - Boston, MA @ Berklee Performance Center
Wed. May 14 - New York, NY @ Kings Theatre [with Wordless Music Quintet]
Sat. May 17 - Philadelphia, PA @ Miller Theatre
Sun. May 18 - Washington, DC @ Warner Theatre
Thu. May 22 - Mexico City, MX @ Teatro Metropolitan


South America:

 
Tue. Nov 25th - São Paulo, BR @ Teatro Liberdade <NEW>
Thu. Nov 27th - Buenos Aires, AR @ Teatro El Nacional <NEW>
Sat. Nov 29th – Santiago, CL @ Teatro Teleton <NEW>

https://ichikoaoba.com/live-dates/


 

◆数々の伝説的なコンサートが行われてきた英国ロイヤル・アルバート・ホールでの単独公演が決定!!


Tue, March 31, 2026 – London, UK @ ROYAL ALBERT HALL <NEW>




■青葉市子/ICHIKO AOBA

 
音楽家。自主レーベル “hermine” 代表。2010年のデビュー以来、8枚のオリジナル・アルバムをリリース。“架空の映画のためのサウンドトラック”『アダンの風』は、アメリカ最大の音楽コミュニティサイト Rate Your Music にて2020年の年間アルバム・チャート第1位に選出されるなど、世界中で高い評価を得る。2021年から本格的に海外公演を開始し、数々の海外フェスにも出演。

 

2024年10月、新作アルバム『Luminescent Creatures』のリリースに先駆け、World Premiere 公演を開催。2025年1月にはデビュー15周年を迎え、東京・京都で記念公演を行う。2/28(金)には約4年ぶりとなる新作『Luminescent Creatures』をリリース。

 

現在は、2/24(月)香港公演を皮切りに、キャリア最大規模となるワールド・ツアー <Luminescent Creatures World Tour> を開催中。アジア、ヨーロッパ、北米、南米で計41公演(本日時点)を予定。

 

今後、北欧、オセアニアでの公演も予定されている。さらに、来年3月には数々の伝説的なコンサートが行われてきた英国ロイヤル・アルバート・ホールでの単独公演も決定!FM京都 “FLAG RADIO” で奇数月水曜日のDJを務めるほか、文芸誌「群像」での連載執筆、TVナレーション、CM・映画音楽制作、芸術祭でのパフォーマンスなど、多方面で活動している。

 


Deerhoofが新作「Overrated Species Anyhow」と「Sparrow Sparrow」のダブルB面をリリースして帰ってきた。ディアフーフは元々はローファイなアートロック・バンドとして知られているが、近年その作風は必ずしもロックに限定されない。カタログの中には、実験音楽や日本語のアルバムもあり、音楽を通じて未知の可能性を示してくれるような稀有な存在である。

 

今回のリリースでは、マイノリティのための音楽に取り組んでいる。現在の米国の政局のファシズムに抵抗するような内容となっている。シングルの収益金はすべて、LGBTQ+の若者のための主要な非営利自殺防止団体であるトレバー・プロジェクトに寄付される。このダブル・シングルは非人間化の対象となっているクイアコミュニティへの愛と連帯のメッセージを込めたもので、ディアフーフにとって初の日本語歌詞のアルバム『ミラクル・レベル』以来のリリースとなる。


「Double B-Side」は、最近の主流社会から人間性を奪われていると感じている人へのライフ・ビームのようなものだ。どの人種、国籍、性別、信念体系が平等な価値を持っているかというランキングの中に自分を見つけられなかった人なら誰でも当てはまる」とバンドは言う。「地球上の人生を、資本主義的なデスマッチ以上の何かとして見ている人。昨年のどん底競争でバスの下に投げ出された人。世界を掌握した2781人の億万長者の一人でない者。ファシストの靴を舐めることを拒否する者.....。


ディアフーフは2025年大規模なツアーを予定している。5月1日のミネアポリスのザ・ウォーカー・アーツ・センターのライヴを筆頭に、5月10日のLAのザ・ロッジ・ルームでのライヴまで続く全米ヘッドライナーツアーを敢行する。バンドはまた、ブリストル、バーミンガム、エジンバラ、リーズ、オスロ、ストックホルム、コペンハーゲンなど、イギリスとヨーロッパでのヘッドライナー公演も発表している。ロンドンのブッシュ・ホールでの2公演も含まれている。

 


 

©︎Ebru Yildi

Julian Baker & Torres(ジュリアン・ベイカー&トーレス)は、4月18日にマタドール・レコードからリリースされるコラボレーションアルバム『Send a Prayer My Way』の新たな一面を垣間見させるニューシングル「Tuesday」をリリースした。 


トレスがフロントシンガーを務めるこの曲は、ストリップバックなアメリカーナ・サウンドで、多くの人々が自分のアイデンティティを発見し、クィアとして成長する過程で経験する罪悪感、羞恥心、宗教的虐待を克服し、癒そうとすることをテーマにしている。 


 「Tuesday」は、この曲の主題の名前であり、TORRESの過去の恋人の名前である。 「もし過去に戻れるなら/私たちの物語を全部書き直したい」と彼女は歌う。 以下からチェックしてほしい。


ジュリアン・ベイカー&トレスは、『Send a Prayer My Way』からすでに2枚のシングルをリリースし、高い評価を得ている。 「Sylvia」は、カントリーミュージックに対する彼らの共通の愛を示すと同時に、このジャンルに対する彼ら独自のソングライティング・スタイルと解釈を強調している。 この曲はAAAラジオで最も追加された曲の第2位となり、現在チャート17位をキープしている。


LPを引っさげて、ベイカー&トレスは4月23日のリッチモンドを皮切りに、Send A Prayer My Way USツアーを開始する。 さらに、この春と夏には、すでに発表されている北米のフェスティバルにも出演する。『Send a Prayer My Way』は、マタドール・レコードから4月18日にリリースされる。


「Tuesday」



モントリオールのアーティスト、Thanya Iyer(ターニャ・アイヤー)は、3枚目のフルアルバム『TIDE/TIED』を発表した。本作はトップシェルフから4月30日に発売される。


バロック・ポップ、フォーク、ジャズ、アンビエント・ミュージックなどの要素を取り入れたアーティストで、リード・シングルの "Low Tides "では、それらすべての断片を聴くことができる。


「"Low tides "は、停滞や麻痺、絶望に溺れ、夢見る力を失ってしまうような空間を邁進すること、そして同時に、前に進むために必要な静かな強さ、希望、信頼を持ち続けることについて歌っている」とターニャは言う。アルバムのアートワークに描かれた絵について、彼女はこう付け加えた。


安堵、変容、解放、破壊と再生が絡み合っている。この炎は、悲しみ、慢性的な痛み、世代間のトラウマ、不協和音の世界で生きることの重みなど、私たちが目に見えるもの、目に見えないもの、すべてを背負っていることを表している。しかし、開かれた腕は、信頼と降伏を体現している。潮が満ち、私たち自身とコミュニティの中に、変容と癒しの衝突をもたらすという平和的な信念である。


モントリオールのアーティスト、タンヤ・アイヤーは、3枚目のフルアルバム『TIDE/TIED』で、2ndアルバム『KIND』のフューチャー・フォークのデザインを、ジャズを取り入れたポップとアンサンブルのアンビエンスでさらに発展させた。


『KIND』でアイヤーがより個人的な自己愛の旅を探求したのに対し、『TIDE/TIED』では、彼女と彼女のバンド、そしてゲスト・ミュージシャンたちが、植民地的で資本主義的な世界に生きる不協和音の解毒剤として、集団的なケアと共同体的な癒しを重視し、新たな動き方に乗り出す。


12曲にわたって、アイヤーは歌、シンセレイヤー、ストリングス、ループ物質を交互に演奏し、パーカッショニスト、ダニエル・ジェリナスの瞑想的なドラミングやマルチ・インストゥルメンタリスト、ポンペイの冒険的なアレンジメントと交錯する。


経験豊富なプロデューサーであるジェリナスとポンペイは、深い共同作業を通じて、アイヤーの鋭い音楽的ビジョンに導かれながら、創作プロセスへの集団的なアプローチを維持しつつ、『TIDE/TIED』のパワフルで複雑な世界観を作り上げた。

 

 

「Low tides」

 

 

 

Tanya Iyer 『TIDE/TIED』

 


 

Label: Topshelf

Release: 2025年4月30日

 

Tracklist:

 

1. I am here now

2. What can we grow that we can’t see from here

3. Low Tides

4. High Tides

5. Doctor

6. Where does that energy go

7. When you’re underwater, be brave

8. I am a mountain (make sure you don’t move)

9. I am a mountain (don’t be afraid)

10. Wash it all away

11. I can’t call you anymore

12. Waves-Hold-Tied

 

 

カルフォルニアの高名なシンガーソングライター、Levi Robin(リーバイ・ロビン)のシングル「Whole as a Broken Heart」をリリースした。リーヴァイはこれまで100万回以上のストリーミングを記録し、世界中にファンを獲得している。また、レゲエ歌手マティスヤフの前座を務めたこともある。

 

このシングルは、豊かで痛烈なハーモニーとゆったりとした楽器の調べに照らされた、心を揺さぶるような見事なヴォーカルが特徴で、カタルシスと説得力のある一曲となっている。

 

レヴィはコッツクとゾハールの精神的巨匠メナケム・メンデルの知恵にインスパイアされたという。そして、新曲は闇や傷つくということから前向きな意味を見出すというテーマが含まれている。

 

「『傷ついた心ほど完全なものはない』『大きな闇から生まれる光のようなものはない』」とレヴィは打ち明ける。

 

「私の人生において、苦いものや傷ついたものを引き受けることを自分に許し、謙虚な降伏のうちに心の壁を壊させるとき、苦いものが甘美なものに変わり、傷ついたものが肥沃な土壌に変わる。これは、ありのままのあなたで、傷ついた心を丸ごと持って来なさい、という招待状だと思ってください」



リーバイ・ロビンの探求と好奇心の旅は、彼を様々な道へと導いてきた。魂を剥き出しにしたフォーク・アーティストの独特な音楽スタイルは、深く個人的で変容的な歌詞と感情を揺さぶるヴォーカルを組み合わせ、意味とつながりに満ちたサウンドを生み出している。



カリフォルニア州オレンジ郡で育ったリーヴァイは、10代の頃、彼や多くの人が 「ベルトコンベアー式の学校システム」と表現する全般的な教育の構造に深い疑念を抱くようになった。背中のシャツとギターしかなかった彼は、別の道、つまり音楽の道に踏み出した。家出から東洋のスピリチュアリティとの出会い、サイケデリアから自分自身の古代ユダヤ教的ルーツの発掘まで、ソングライティングはユニークに統合する不変のものだった」とリーヴァイは打ち明ける。 

 

ソングライティングは、彼の心の奥底にある感情をメロディと詩へと変換するパワフルな方法となった。バッハ、ストラヴィンスキー、ミンガス、ヘンドリックス、ディラン、ベック、ガイ、ディアンジェロ、レディオヘッドなど、多彩なアーティストからインスピレーションを得て、リーバイ・ロビンは独自のマインドフルでジャンルを超越した音楽作品を生み出している。



このアーティストが最初に注目を集めたのは2014年、セルフタイトルのデビューEPのリリースと続くマティスヤフとのツアーだった。以来、シングルやアルバムを次々と発表し、100万回以上のストリーミングを記録、世界中にファンを獲得。2023年、リーヴァイはあるコンサートでプロデューサーのヨエル・クライスラー、通称「フレイムス」と出会い、セレンディピティな瞬間を経験した。その瞬間から、彼は瞬く間に、そして即座に、音楽への情熱と情熱に火がついた。

 



「Whole as a Broken Heart」

 

 

 
A
cclaimed California singer-songwriter Levi Robin has released his single “Whole as a Broken Heart”.

The single features hauntingly stunning vocals illuminated by rich, poignant harmonies and slow-burning instrumentation for a cathartic and compelling listen. Inspired by the wisdom of spiritual master Menachem Mendel of Kotzk and Zohar, Levi confides, “‘There's nothing so whole as a broken heart’ and ‘there is no light like that which comes from great darkness’. In my life, I've seen that when I allow myself to take on the bitter and broken, letting the walls of my heart break in humble surrender, then the bitter turns to sweet, and the brokenness turns into fertile soil, in which  ‘those who sow in tears will reap in joy’. Consider this an invitation, to come as you are, whole as a broken heart.”

Levi Robin's journey of exploration and curiosity has taken him down many roads. The soul-baring folk artist’s distinctive musical style combines deeply personal and transformative lyrics with emotive stirring vocals, creating a sound that is filled with meaning and connection.

Growing up in Orange County, California, as a teenager Levi became deeply dissatisfied with what he and many describe as “the conveyor belt trajectory of the school system.” With nothing but a shirt on his back and guitar in hand, he took a chance on a different path - a musical one. Levi confides, “From being a runaway to encountering eastern spirituality, from psychedelia to unearthing my own ancient Judaic roots, songwriting has been a uniquely integrating constant.”  Songwriting became a powerful way to translate his deepest feelings into melody and verse. Taking inspiration from an eclectic array of artists including Bach, Stravinski, Mingus, Hendrix, Dylan, Beck, Gaye, D'Angelo and Radiohead, and more, Levi Robin creates his own mindful and genre-defying musical releases.

The artist first attracted attention in 2014, with the release of his debut self-titled EP as well as his subsequent tour with Matisyahu. Since then, he has shared a series of singles and albums, racking up over a million streams, garnering him a fanbase worldwide. In 2023, Levi experienced a serendipitous moment when he met producer Yoel Kreisler, aka 'FRAYMES', at one of his concerts. Sparking up an instant and immediate creative connection and friendship, the duo entered the studio. He shares, “We started trading music and influences, and began conceptualizing new ways of approaching recording this new music.” The result and first taste of this new collaboration is the single “Whole As A Broken Heart”.

The new single “Whole As A Broken Heart” features hauntingly stunning vocals illuminated by rich, poignant harmonies and slow-burning instrumentation for a cathartic and compelling listen. Inspired by the wisdom of  spiritual master Menachem Mendel of Kotzk and Zohar, Levi confides, “‘There's nothing so whole as a broken heart’ and ‘there is no light like that which comes from great darkness’. In my life, I've seen that when I allow myself to take on the bitter and broken, letting the walls of my heart break in humble surrender, then the bitter turns to sweet, and the brokenness turns into fertile soil, in which  ‘those who sow in tears will reap in joy’. Consider this an invitation, to come as you are, whole as a broken heart.”

Little Simz

 

グラストンベリー2024の出演を経て、UKヒップホップ界のスーパースターが帰ってくる。本日、Little Simz(リトル・シムズ)は5月9日にAWAL Recordingsからリリースされる6枚目のフルアルバム『Lotus』を発表した。『Lotus』は2025年上半期の最大の注目作/問題作となりそうだ。

 

さらに、ナイジェリアのシンガー、Obongjayar(オボンジャヤー)と南アフリカのポップスター、Moonchild Sanelly(ムーンチャイルド・サネリー)をフィーチャーした衝撃的なファーストシングル「Flood」を公開した。


アルバムからの先行シングル「Flood」の轟くドラムのビートは、リトル・シムズの大胆な新章をスタートさせる。 彼女は激しくハスキーな唸り声で歌い上げるが、それ自体がひとつの楽器であり、トラックの容赦ないグルーヴとともに形を変えていく。 マイルズ・クリントン・ジェイムズの没入感のあるプロダクションに導かれた "Flood "は、長年のコラボレーターであるオボンジャヤーと、衝撃的なムーンチャイルド・サネリーという2人の特異な歌声も融合している。 


有名な映像作家サロモン・リグテルムが監督した "Flood "の幻想的なビデオは、ロータスの映像世界への強力な入口となる。この新たなエキサイティングなフィーチャリングで、ムーンチャイルド・サネリーは、2024年と2025年の両方を彼女が担っていることを再び証明している。  


サウスバンク・センターはこのほど、第30回目となる現代音楽フェスティバル「メルトダウン」のキュレーターにリトル・シムズを起用することを発表した。 世界で最も有名なアーティストを含む過去のキュレーター・リストに加わったシムズは、6月12日から22日までの11日間、フェスティバルの境界を打ち破るラインナップをキュレートする。


 

「Flood」- Best New Tracks




Little SImz 『Lotus』

Label: AWAL

Release: 2025年5月9日


*トラックリストは未公開


・Moonchil Sanelly (Collaborator)

Obongjayar/Moonchild Sanelly


昨年の夏には、高名なアーティスト、セルフ・エスティームとのコラボ曲『Big Man』をリリースし、ガーディアン紙で「2024年夏のソング・オブ・ザ・サマー」と評された。この曲は、「アルト・ポップの未来のスーパースター」がタッグを組み、「ビッグで、浮き立つような、ボールバスター...」となった。ムーンチャイルドは2025年、待望のサード・スタジオ・アルバム『Full Moon』をTransgressiveからリリースした。 現在発売中! 試聴はこちらから。

 

『Full Moon』は、ムーンチャイルド・サネリーの叙情的な才能と解放的なエネルギーを示す、自称音楽の変幻自在のサード・スタジオ・アルバムである。 マラウイ、イギリス、スウェーデンでレコーディングされ、ヨハン・ヒューゴ(Self Esteem、MIA、Kano)がプロデュースした本作は、サネリーのユニークなサウンド、陽気なアティチュード、個性的なヴォーカル、ジャンルを超えたヒットメーカーとしての才能を披露する12曲のトラックで構成されている。 


エレクトロニック、アフロ・パンク、エッジの効いたポップ、クワイト、ヒップホップの感性の間を揺れ動くFull Moonのクラブ・レディーなビートは、Do My Dance、Scrambled Eggs、To Kill a Single Girl (Tequila)、Big Bootyといったトラックを収録している。


ムーンチャイルドは、5月にファースト・シングルで "大胆なアンセム"[CLASH] Scrambled Eggsをリリースし、さらに2枚のシングルSweet & Savage(COLORSxSTUDIOSの独占ショーで初披露)と、"感染力のある毒舌ヒット"[DIY] Big Bootyで、グラストンベリーでの10公演を含むヨーロッパ中のフェスティバルの観客を沸かせた。 アルバム・トラックGwara Gwaraは、EA Sports FC25サウンドトラックに収録されている。 


最近のシングル『Do My Dance』では、この先駆的な南アフリカのゲットー・ファンク・スーパースターが、フルムーンの幅の広さ、広さ、野心をさらに明らかにしている。 ハイ・オクタンシーでアンセミックなこの曲は、スタイルやテンポを越えて跳ね回り、ハッピー・ハードコア・ビートに支えられた速射砲のような節回しから、明るく大胆なシンガロング・コーラスへと突入する。 ムーンチャイルドが『Later... with Jools Holland』で『Do My Dance』を披露する様子はこちらから。

 

 

 毎年8月16日から17日にかけて、東京(ゾゾマリンスタジアム・幕張メッセ)/大阪(万博記念公園)で開催される日本最大級の音楽の祭典、サマーソニックの第二弾ラインナップが本日公表されました。

 

 先週、Fall Out Boy,Official髭男dismの出演決定に続いて、総勢16組の豪華アーティスト/グループの出演が決定しました。注目のアクトは、Camila Cabello,aespa、ちゃんみな、Baby Metal、Beabadoobee。さらに日本にルーツを持つロンドンのインディーポップシーンで存在感を持つWalliceなど注目のアーティストが目白押しとなっています。詳細は下記の通りです。

 

ーーキースの死を乗り越え再始動したジャンルを超越したダンスロックの最高峰、THE PRODIGY(東京公演のみ)が遂にサマソニに帰ってきます。



 世界的ガールズ・グループ、フィフス・ハーモニーの一員として大ブレイクを果たし、ソロデビュー後も活躍を続けるポップアイコン、CAMILA CABELLO、昨年日本デビューを果たした今最も注目されるグローバルグループaespaがサマソニ東京に、そして 国内外から注目を集める日本語、韓国語、英語を巧みに操るトリリンガルラッパー/シンガーちゃんみながサマソニ大阪に決定。世界中でヒットを連発するラテン・アーティストJ BALVIN、Gen-Zのみならず全世代に支持されるシンガーソングライター、BEABADOOBEEらが各ステージの中核を担います。

 

 海外でもアリーナツアーを成功させるなど、もはや世界的メタルバンドとなったBABYMETAL、名盤『サイレント・アラーム』の20周年記念ツアーを敢行中の2000年代のUKロックを代表するバンドBLOC PARTY、KAWAII×超絶テク圧倒的存在感を放つジャズシーンの新星DOMi & JD BECK、カナダ出身のマルチ・プラチナム・ポップアーティストELIJAH WOODS、トラディショナルR&Bを現代サウンドへと昇華させるNY出身のクインテットINFINITY SONG、昨年の単独公演でも成功を収めた英国が誇るR&B界の至宝JORJA SMITH、6つの違う都市から集結した多種多様なメンバーによって結成された注目のガールズ・グループKATSEYE(キャッツアイ)、4月に日本武道館公演を行う音楽シーンの新世代アイコンLANA、2月の単独来日も記憶に新しい天才プロデューサー/クリエイターPORTER ROBINSON、THE 1975擁する人気レーベル Dirty Hit からデビューしたシンガーソングライターWALLICEが決定しました。 ーー


 サマーソニック 2025の詳細につきましてはクリエイティブマンの公式ホームページをご確認下さい。クリエイティブマンの代表、清水直樹氏の公式コメントは以下の通りです。

 

▪Summer Sonic 2025 Flyer



ーーコロナ禍を乗り越えて復活した22年から3年連続で完売を続けるサマーソニック。

 

 大阪は新天地の万博記念公園に移転しての開催も大好評を博し、25年の今年も国内外のアーティストとオーディエンスが集う真夏のパーティーが帰ってきます。

 

 Green Dayの6万人完売の日本ツアーに呼応するかのように、先週Fall Out BoyとOfficial髭男dismが発表されて、今回さらにThe Prodigy、Camila Cabello、aespa、ちゃんみなを筆頭に16組が追加されフェスの骨格も徐々に明らかになってきました。そして3月の第2週にはもう1つのヘッドライナーを出し、第3週目にはソニックマニアの発表と遅くなった分慌ただしく攻めていきます。

 

 サマーソニックはオーディエンスの声をしっかりと聞き、反省と改革を繰り返すフェスです。

 

 昨年、東京はスタジアムへの水以外のスポーツドリンクの持ち込み許可をもらい、Water Stationも至る場所に設置しました。最も快適なフェスを目指しメッセのインドアでの心地よさを追求して、ビーチをよりコンセプチュアルで開放的なエリアにします。大阪も万博記念公園というシンボリックで最高なスペースの下で、さらに自由に羽ばたいてくれる事でしょう。

 

 24年目に突入して、またどんなドラマが生まれるのでしょうか。RadioheadやGreen Dayをはじめ多くの先駆者が作り上げた歴史に、The 1975やMåneskinなど新たなヒーローも誕生してきました。



 音楽を愛するあなたにとって、東京と大阪の2大エリアがこの2日間は最高のアミューズメントパークに変貌します。サマーソニックで真夏を楽しんでください。ーークリエイティブマン代表 清水直樹

 


マルチ・インストゥルメンタリストのモーガン・モリスと作詞家のヴェリティ・スランゲン(別名ノー・ウィンドウズ)がニューEP『The Great Traitor』を発表した。リードシングル「Return」がリードシングルとして配信された。

 

このニューシングルは、16歳のベリティ・スランゲンの視点から書かれたもので、自閉症を理解し、学校ではいつもぎこちなく、居場所がないと感じている。 「この曲について彼女はこう語る。 「ライブで歌うと、すごく感情がこもっている。実際に書いていたら、もっと悲しくて穏やかな曲になっていたかもしれない」


今度のリリースは、2024年のEP『Point Nemo』に続く。 アリ・チャント(Dry Cleaning, Sorry, Yard Act)をプロデューサーに迎え、モーガンのDIYベッドルームからスタジオに移ってレコーディングを行なった。


『The Great Traitor』は、バンドとしても個人としても、ノー・ウィンドーズの過渡期を象徴している。 モーガンが大学中退を決意し、ヴェリティが大学に入学したばかりで、そこでの生活に適応している最中に、この曲は生まれた。


ふたりにとって、2024年は特に "思春期から大人への移行期のように感じられた"。 このEPは、開花したインストゥルメンタルと感情的なニュアンスにそれを反映している。 「Point Nemoの歌詞を書いたとき、私はまだティーンエイジャーで、ホルモンの分泌が活発だった。 このEPは、そこから少し抜け出したものだと思う」とヴェリティは言う。 「私にとっては、若い頃の自分と、もう少し物事を理解するようになった20代の自分との間の媒介なの」


No Windowsの『The Great Traitor』は5月9日にFat Possum Recordsからリリースされる。

 

 

 「Return」

 

 

 

 No Windows『The Great Traitor』


 Label: Fat Possum

Release: 2025年5月9日

Tracklist:

 

1.Brown Bear
2.Return
3.Tricky
4.Sugarcoat
5.Old Chain Pier
6.Easter Island
7.Zodiac 13
8.Bicycle
9.Fibbs
10.Small Flashing Light
11.Song 01

 Saya Gray 『Saya』

Label:Dirty Hit

Release: 2025年2月21日


 

Review

 

サヤ・グレイの記念すべきデビューアルバムの制作は2023年の日本への旅行が一つの契機となっている。もちろん、日本人のルーツを持つシンガーにとって、大きな意味を持つトリップになったに違いない。グレイは、EP作品において独創的なソングライティングや演奏、ボーカルを披露してきた。考えようによっては、少し移り気のある音楽性、どこに行くかわからない見ていてハラハラするシンガーソングライターである。このアルバムはレッド・ツェッペリン、ジョニ・ミッチェル、ビートルズといった彼女が愛してやまぬアーティストへのリスペクト代わりでもある。「Qwenty」シリーズでは気鋭のエレクトロニックプロデューサーとして、あるいはプログレッシヴロックやハードロック好きの意外な一面が伺えたが、デビューアルバムではそれらの中間点を行く音楽性が顕著である。つまり、ソングライティングや曲構成において非常にバランスの取れた内容となっている。従来の作品よりも聞きやすさがあるはずである。

 

 

インディーポップからダンス、ロック、ジャズ、ソウル、他にも広汎な音楽的な知識を伺わせるサヤ・グレイはデビュー作において、クワイアとエレクトロニックの融合、ネオソウルのポップ風のアレンジ、そして従来としては珍しくアメリカーナへの音楽的な言及も見出せる。グレイのソングライティングは基本的にはBon Iver、The Vernon Spring以降のコラージュのサウンド、サンプリング的な組み合わせが中心となっている。前作の「Qwenty」シリーズでは他の媒体からのサンプリングや自身のボーカルやギターの録音のリサンプリングなどが刺激的な楽曲として組み上げられていたが、依然としてデビュー・アルバムでもこれらのカットアップ・コラージュ、クラシック風に言えばミュージック・コンクレートの要素が楽曲の中心となっている。

 

これらの制作スタイルは例えば、JPEGMAFIAのようなラッパーが新しいヒップホップ、アブストラクト・ヒップホップの領域で実験的に導入しているが、それらをインディーズ系のポピュラーでやろうと試みているのがサヤ・グレイだ。こういったコラージュサウンドは、一般的に見ると、豊富な音楽的な知識が必要で、生半可に手を出すとダサいサウンドに陥るかも知れない。ある意味、ミュージシャンとしての自負が必要であり、自分が最もクールな音楽を知っているという強固な自意識が必要になってくる。そしてそれらを実現させるための高い演奏技術、ボーカルのセンス、全般的な音楽のディレクションなど、プロデューサー的な才能も必要になってくる。素人が手を出すような音楽ではなく、それ以前にジャズやクラシック、もしくはポピュラーやロックバンドで相当な経験を積まないと、洗練された作品を創り出すことはむつかしい。

 

一、二年前にはこのシンガーソングライター/作曲家が天才的な才覚を持つことに気がついていたが、それはある意味では無謀ともいうべき音楽の過剰な情報量と末恐ろしいようなインパクトが込められているのを感じたからである。このデビューアルバムでは過剰さや余剰の部分は削ぎ落とされ、フラットな音楽が出来上がったと言えようが、これはアーティスト自身がカルト的なポップシンガーの領域に収まりたくないという隠れた欲求を持っているからなのだろう。結果的にバランスの取れたインディーポップソングが収録されている。「Qwenty」シリーズほどの強烈さはないし、音楽的に散漫になるときやAIっぽい音楽すら登場するが、それもある意味では狙ってやっている部分があるのではないかと思う。半ば計算づくといったアルバムである。

 

 

サヤ・グレイの音楽は、枠組みや構成、もしくは前例といった既存の概念から読み解いても無駄である。また、他のミュージシャンがこの人の音楽を真似しようとしても徒労に終わる。それどころか、自分の不甲斐なさに愕然とするかもしれない。サヤ・グレイの音楽はきわめて感覚的なので、論理的な分析を行うのは無粋となるだろう。例えば、ロンドンのNilfur Yanyaはなんとなく良い感じの音楽を作っていると言っていたが、グレイの曲もまたそれに近い趣きがある。自分の感情やインスピレーション、それは絵画のスケッチや詩の断片のようなものをコラージュのように組み合わせていったらこうなったという感じかもしれない。だから他の人には作ることもできなければ模倣することもできない。なおかつ解釈次第では、音楽というリベラルアーツの記憶の集積、つまりダニエル・ロパティンの『Again』もそのような感じがあったのだが、制作者が見てきたもの、体験したもの、出来事に対する心の機微、そういった目に映らない要素の集積や積み重ねの作品といえるかもしれない。だから、音楽は一定ではなく、形態のようなものを持つことなく、ランタイムごとに音楽の表情がくるくると変わっていく。これは音楽を聞くというより、ある種のバーチャルな体験のような意味を持つ。だから決まった法則のようなものはない。聞き手側が自由に発想をふくらますことが出来るアルバムなのである。

 

その中にはクワイアとエレクトロニックやダンスを結びつけたもの、フォークやカントリーからの引用、ハードロックやベタなロックからの影響、アヴァンジャズの進行、もしくは遠くに鳴り響く日本的な音楽(これは制作者にとってエキゾチズムそのものである)が組み合わされ、オリジナリティの高い音楽が作り上げられる。ただ、映画のシークエンスのような興趣を持つインタリュードも収録されているとはいえ、表向きにはフォークミュージックの要素が強い。Big Thiefのようなインディーのモダンからの影響を基にし、それらをロンドン風のインディーポップソング(クロスオーバー化したポップソング)に落とし込む手腕はさすがと言うしかない。


例えば、アルバムの二曲目「SHELL」、そしてアルバムの終盤に収録されている「H.B.W」がこれに該当するかもしれない。その他の曲は多くがハイパーポップやエクスペリメンタルポップを通じた音楽家のアヴァンチュールの表れである。日本的な概念はかなり薄いというか、ほとんどないと思う。たぶん来日した時にアーティストが日本からかなり遠ざかったことを実感したものと思われる。しかし、その反面、逆説的になってしまうが、歌手の郷愁のような響きをこのアルバムのどこかに発見出来たとしてもそれは偶然ではないのである。

 

 

74/100

 

 

 

 「H.B.W」


 

シカゴのロックバンド、Smutがニューシングル「Dead Air」をリリース。2022年のアルバム『How The Light Feel』に続く待望の新曲だ。年々、クロスオーバー化やハイブリット化が進み、ストレートなロックバンドが減少しつつあるが、Smutはロックの本来の楽しみを追求し続ける。

 

Smutは、作曲家/作詞家のテイ・ローバック、ギタリストのアンディ・ミンとサム・ラシュマン、ドラマーのエイダン・オコナー、ベーシストのジョン・スタイナーによるプロジェクトである。

 

バンドは10年前、オハイオ州シンシナティで活動をスタートした。彼らは現在、音楽制作に最適な街シカゴにいる。そこで彼らは、Bayonet Recordのフルレングス・デビュー作『How the Light Felt』を制作した。彼らはそれに続くニューシングル 「Dead Air 」をリリースした。この曲は、Smutのラインナップに新しく加わったスタイナーと一緒にリリースした最初の曲である。



「Dead Air」を書き始めたとき、Smutはロックなものを作りたかった。聴いて楽しいのと同じくらい、作って楽しいものを作りたかった。マイ・ケミカル・ロマンスやメトリック、グリーン・デイやザ・フォールに影響を受けた。

 

「骨太なクラシック」とメタル・リフをポップな文脈にねじ込んだ。クリスタルのようなギター、秋空のようなクリスプなベースで始まり、ローバックのヴォーカルが入る。彼女はエリザベス・フレイザーのようだが、ロックンロールで、ハニーでドリーミーなボーカルからポップパンクの叫び声へと変化する。

 

この曲は、バンドがソロと共作で作った歌詞とリフをフランケンシュタイン風につなぎ合わせたものだ。歌詞は、別れの歌であり、人間関係の終わりと変化について。「あなたが永遠と言うのを聞いた」とテイ・ローバックは歌う。


この曲をこれほどエキサイティングなものにしている理由は、バンドがこの新しい反復に取り組むことにどれほど興奮しているかということ。

 

「今の私たちはエネルギーに満ち溢れている」とローバックは言う。レコーディングするため、彼らはニューヨークへ赴き、アーロン・コバヤシ=リッチ(Mommaのベース/プロデューサー)のスタジオで仕事をした。ニューヨークに行く直前に、ローバックとミンは結婚している。

 

レコーディング中、バンドはできるかぎり音楽を楽しむことに集中した(あまりの楽しさに、ローバックは最後までレモンと蜂蜜とお湯を一気飲みし、声を完全に枯らしていたほどだったという)。彼らは友人のソファーや床で眠った。スマットはいつもDIYなバンドである。彼らは一緒に仕事をするのが好き。「Dead Air」はコラボレーションの産物だ。ロックソングへの普遍的な愛が主題となっている。そして、仲間と一緒にロックを楽しむことを端的に表現している。