Jay Som、Clairo、Faye Websterを始めとするベッドルームポップシーンの注目アーティストとして登場したジョーダナの最新作『Lively Promotion』は、プレスリリースで示されている通り、ドナルド・フェイゲン、キャロル・キング、ママス&ザ・パパス等、70、80年代のポピュラーソングを思い起こさせる。"ベッドルームポップ"と称される一連の歌手の多くの場合と同じように、このジャンルの可能性を敷衍する。もちろん、「カメレオン」と自らの音楽性について述べるジョーダナのソングライターとしてステップアップしたことをを示唆しているのではないか。要は、普遍的なポピュラー性が今作において追求されていて、この点が音楽そのものに聞きやすさをもたらし、幅広い年代に支持されるような作品に仕上がった理由なのだろうか。
オープニングを飾る「We Get By」には、心を絆すようなギターサウンドが登場する。ディスコファンクを反映させたベース、そして遊び心のあるヴァイオリンのパッセージが音楽全体の楽しさを引き立てる。その中で開放的な感覚のあるコーラスやサクソフォンの音色が音楽全般にバリエーションを付与している。おそらく、単一の音楽にこだわらないスタンスが開放的な感覚のあるポピュラーソングを生み出す契機になったのだろう。さらに、アルバムのハイライト曲「Like A Dog」は、チェンバーポップの規則的なリズムを反映させて、口当たりの良いポップソングを提供している。しかし、曲全般の構成や旋律進行は結構凝っていて、ファンクやR&Bのバンドスタイルを受け継いでいるため、多角的なサウンドが敷き詰められている。これが曲そのものに説得力を与えるし、表面的なサウンドに渋さを付与している。また、音感が素晴らしくて、サビの前のブリッジの移調を含め、ソングライティングの質はきわめて高い。シンガーソングライターのカラフルな印象を持つポップソングを心ゆくまで楽しむことができるはずだ。
以降、本作はカントリー/フォークやバラードに依拠したサウンドに舵を取る。「Heart You Gold」は三拍子のワルツのリズムを取り入れて、ビートルズの系譜にあるナンバーを書いている。しかし、曲の途中ではその印象が大きく覆り、ビリー・ジョエル風の落ち着いたピアノバラードへと変化する。このあたりには音楽的な知識の蓄積が感じ取られるが、全般的には、インディーポップという現代的なソングライティングのスタイルに縁取られていることが分かる。
続く「This Is How I Know」は、キャロル・キングを彷彿とさせる穏やかな一曲。そして前の曲と同じように、カントリーを反映させた作曲と巧みなバンドアンサンブルの魅力が光る。これらのポピュラーソングには、ダンスミュージック、ファンク、R&Bなどの要素を散りばめ、Wham!の代表的なヒットソングのような掴みがある。決めを意識したアコースティックギター、コーラスワークが、80年代のMTVの全盛期のポピュラー時代の温和な音楽性を呼び起こす。
その後も、音楽性を選ばず、多彩なジャンルが展開される。「Multitude of Mystery」では、スポークンワードの対話をサンプリングしている。そして、ヒップホップというよりも、ジャネット、ベンソン、ワンダーの時代のファンクサウンドを参考にし、80年代のAORに近い音楽性を選んでいる。しかし、これらが単にリバイバルなのかといえば、そうとも言いがたい。表面的には、テンプルマンやパラディーノに近いモダンなポピュラーサウンドが際立つが、アーバン・コンテンポラリーのリバイバルを越えた未知の可能性が示唆されている用に思える。
このアルバムは、カントリー/フォーク、ディスコファンク、ポピュラーという三つの入り口を通して広がりを増してゆく。そしてアルバムのクライマックスでは、幾つもの要素を融合させたような音楽性が展開される。「Anything For You」ではセンチメンタルな印象を持つオルタナティヴフォーク、続いて、「The One I Know」では南部のカントリーの性質が強まる。上記の二曲にはイメージの換気力があり、ミュージックビデオに見出せるような草原の風景を呼び覚ます。そして、この作品の全般的な印象に、癒やしのような穏やかな情感をもたらすことがある。
テキサス/オースティンを拠点に活動するLetting Up Despite Great Faultsは、5回の来日公演を実現させているドリーム・ポップ/シューゲイズバンド。タヌキチャンがバンドを組んだら、と思わせるようなグループである。すでに音楽ファンが指摘している通り、エレクトロニックとドリーム・ポップの融合を図るバンドである。彼らは、近年、さらにK-POPの音楽性を組み合わせて、ポップとロックの中間にあるアンビバレントな作風に取り組んでいるところだ。
『Reveries』は、ドリームポップ・ファンとしてはぜひともチェックしておきたい佳作である。ミックスにベッドルームポップの象徴的な存在で、カナダのLiving Hourの最新作にも参加しているJay Som、マスタリングには、Slowdiveのドラマー、Simon
Scottを迎えて制作された。コラボレーターにも注目で、3曲目の収録曲「Color Filter」では、LAで注目を集めるシューゲイズ・バンド、”Soft
Blue Shimmer”からMeredith
Ramondをゲストヴォーカルに迎えた。インディーポップやシューゲイズ・リスナーにはたまらないメンバーが参加した作品。
Letting Up Despite Great Faultsは『Reveries』において、メロディーやハーモニーの側面でバンドとして素晴らしい連携を示し、各々のセンスを上手く発揮している。「Dress」は、抽象的なギター、ベースがボーカルの夢想的な感覚と重なりながら、DIIV、Slowdiveの系譜にある艷やかなハーモニーを形成する。この曲はアルバムの序盤のハイライトとして楽しめるはず。アルバムの序盤から中盤に掛けて、このアルバムはより深い幽玄なドリームポップの領域に入り込む。「Emboidered」ではニューロマンティックの系譜にあるサウンドへと近づいていく。
Letting Up Despite Great Faultsの新作アルバム『Reveries』はP-VINEより発売中です。アルバムのストリーミングはこちら。
■Letting Up Despite Great Faults
LAで結成され、現在は音楽の街、テキサス・オースティンで活動中のLetting Up Despite Great Faultsが5枚目のオリジナルアルバム『Reveries』を10月11日にリリースする。
Letting Up Despite Great Faultsはデビューアルバムで完成させたエレクトロなシンセサウンドをシューゲイズやドリームポップというジャンルに落とし込むという発明で、日本でも5回の来日公演を成功させるなど人気を集めるバンドだ。
『Reveries』はミックスにJay
Som、マスタリングにSlowdiveのドラマーであるSimon Scottを迎えて制作された作品で、3曲目に収録されている「Color
Filter」ではLAで注目を集めるシューゲイズ・バンド、Soft Blue ShimmerからMeredith
Ramondをゲストヴォーカルに迎えるなど、インディーポップやシューゲイズ・リスナーにはたまらないメンバーが参加した作品。
本作でもLetting
Up Despite Great
Faultsの特徴であるエレクトロ+シューゲイズ/ドリームポップにキャッチーなメロディーラインを加えるという彼らのオリジナリティーを武器にした作品に仕上がっているが、その上で冒頭を飾る「Powder」や6曲目「Past
Romantic」のように実験的なリズムを取り入れた楽曲も収録。
K-POPからHyper
Popまで様々なポップスを聞くようになったというフロントマンのMike Lee(マイク・リー)がLetting Up Despite Great
Faultsのインディーポップな良さに様々なジャンルをポップセンスを加えた楽曲たちもアルバムの中で存在感を放っている。
2曲目「Dress」はインディーポップのルーツが存分に感じ取れる心地良い楽曲であり、7曲目に収録されている「Collapsing」のコード感やメロディーセンスも90sのインディーポップやギターポップが好きな人たちにはたまらないであろう。シングル曲として公開された「Swirl」は2010年代の〈Captured
Tracks〉が好きな人にはオススメな楽曲であり、国内盤CDに収録されている2曲も間違いない。Letting Up Despite Great
Faultsが感じ取れる楽曲が収録!!
オープニングを飾る「What's About A La La La」は、ピアノのイントロからノスタルジアたっぷりのチェンバーポップ/バロックポップが展開される。この曲はビートルズのリバイバル、もしくはフレンチ・ポップのリバイバルともいえ、ボリンジャーがイエイエのフォロワーであることを伺わせる。アコースティック/エレクトリックを組み合わせた軽快なインディーロックのバックバンドの演奏の助力を得て、ときには懐かしいハープシコードの音色を交え、普遍的なポピュラー音楽の形を示している。アウトロの古いラジオから聞こえてくるようなMCもなんだか茶目っ気たっぷり。
そうかと思えば、続く「To Your Own Devices」は一転して、南国のリゾート地の波の上を漂うような心地よく癒やしに充ちたアメリカーナ/ヨットロックに変遷する。声はウィスパーボイスに近く、包み込むような温かさがある。ヴェルベット・アンダーグラウンドの「Sunday Morning」のような懐古的なフレーズを織り交ぜて、懐かしい米国のポップスを巧みに体現させる。
「Amy Day Now」はアコースティックギターで始まり、フレンチポップの影響を織り交ぜながら、フォーク・ミュージックの理想的な形を探求している。さらに「God Interlude」ではニール・ヤングの系譜にある古典的なフォークソングを継承している。こういった若手シンガーが父親以上の年代??の音楽家を手本にしているのに驚く。しかし、この点にも、現代的な米国のポップスの潮流が力強く反映されている。さらに正統派のポップスに属する曲もある。
「In A Smile」は、ヨットロックの夢想的な感覚を交え、さながらビーチパラソルの下がった夕暮れの浜辺に寝転がり、海の上にゆらめく帆船をぼんやり眺めるようなロマンチックな雰囲気がある。シンセがボーカルとユニゾンを描いたり、ギターが背景の雰囲気付けをしたり、ピアノが和声を強調したりというように、作曲の側面でも新人のシンガーらしからぬ円熟味が感じられる。
前曲の雰囲気を受け継いだ「Postcard From a Cloud」は、インディーポップというよりインディーロックに傾倒している。背後のバンドの演奏は、CCR、The Byrdsのような渋さがあるが、ボリンジャーのボーカルはSylvie Vartan(シルヴィ・バルタン)のように華麗。跳ねるようなリズムはブレイクビーツの役割を持ち、親しみやすいボーカルのメロディーにグルーヴをもたらしている。
デビューアルバムとは思えぬほどの完成度を持つことは明白である。三作目の作品のような経験値を持っている。しかし、これは、既存のEPを聴いていたリスナーにとっては想定の範囲と思われるが、ボリンジャーはプラスアルファをもたらしている。「I See It Now」は、心地良いポップスから泣かせるポップスへと作曲性を変化させている。シンプルなバラードタイプの曲であるが、普遍的なものから独自の音楽性を汲み出そうという苦心の形跡が見出される。
「Out Of This World」は、SFと身近な人間のテーマを絡めながら、def.foの特異なスタイルの本質を捉えている。ムーディーなビートに包まれ、宇宙の揺らめくサウンドスケープに浸りながら、調和のとれたエーテルのような声のコーラスの甘いフックによって、私たちは再び高揚する。
この曲のアトモスフェリックなプロダクションは、def.foの正直な希望の歌詞に空間と時間を与え、この「Out Of This World」は、来たるアルバム『Music for Dinosaurs』を定義するユニークなストーリーテリングを垣間見る役割を果たす。このシングルは、シーンを設定し、アルバムの包括的な物語を照らす。
「Out of This World」は2024年9月27日にリリースされ、def.foのアルバム「Music for Dinosaurs」からのファースト・シングルとなる。https://def.fo から予約可能。
「Out of This World」
Emerging artist def.fo is set to captivate audiences once more with the release of his groundbreaking new single, ‘Out of This World’, marking his first release from the highly anticipated concept album, ‘Music for Dinosaurs’.
‘Out of This World‘, takes us, the willing listeners, on a celestial journey up through the beating heart of the cosmos, exploring the challenges of isolation and the wide-eyed wonder of space and time exploration. This is def.fo’s journey but the invitation to join is open to one and all.
The track shifts slowly out of a sparse darkness, with an implied sense of threat under its breath and a mesmerising, addictive blend of trip-hop rhythm, psychedelic vision and the kind of insistent bassline that stubbornly refuses to move out of the way when you’re trying to get past. You have no choice but to move along.
‘Out of This World‘ captures the essence of def.fo’s singular style while intertwining science fiction with familiar human themes. Steeped in moody beats and immersed in the shimmering soundscape of the cosmos, we’re uplifted once more by the sweet hook in a chorus of harmonic ethereal voices. The song’s atmospheric production gives open space and time to def.fo’s honest lyrics of hope and in this, ‘Out Of This World’ serves as a glimpse into the unique storytelling that defines the forthcoming Music for Dinosaurs album.
This single sets the scene and lights the lights on the album’s overarching narrative: a gripping tale set in the whenever future or past, it is the story of humanity’s desperate escape from a dystopian Mars clinging to life itself and to the hope of seeking salvation upon a utopian Planet Earth.
‘Out of This World’ is released on 27th September 2024 and serves as the first single from the album ‘Music for Dinosaurs’ by def.fo, which can be pre-ordered from https://def.fo
def.fo 『Out of This World』- New Album
def.foは、来る2ndアルバム『Music for
Dinosaurs』でリスナーを爽快な旅へと誘う。この野心的なコンセプト・アルバムは、聴衆を火星を舞台としたディストピアの悪夢へとテレポートさせる。残された時間は僅かで、生き残りをかけて息も絶え絶えの中、住民は大胆な星間探索に乗り出さなければならない。
『Music
for
Dinosaurs』は、def.foのサウンドとビジョンにおける豊かな折衷主義、ジャンルの超自然的な融合に対する生来の情熱、そして彼が確実に知られるようになってきたポジティブな歌詞のエネルギーを際立たせている。Psychedelicfolkhop(サイケデリック・フォルホップ)」と呼べば、近いかもしれない。もっといいのは、彼に加わってその一部になることだ。『ミュージック・フォー・ダイナソー』に浸れば、それを目の当たりにし、肌で感じることができるかも。
Def.fo is poised to take listeners on an exhilarating journey with his upcoming sophomore album, Music for Dinosaurs. This ambitious concept album teleports audiences up, up and away into a howling, dystopian nightmare set on Mars, where a troubled civilisation teeters on the sharpened edge of extinction. Time runs short, and in a desperate, breathless bid for survival, the inhabitants must embark on a daring interstellar quest, ultimately discovering a hope they can cling to on their bright new Eden, planet Earth.
Music for Dinosaurs highlights the rich eclecticism in def.fo’s sound and vision, his innate passion for the preternatural melding of genres, and the positive lyrical energy for which he’s surely becoming known. def.fo has created his own space and that’s where he exists. Call it ‘Psychedelicfolkhop’ and you’d be close. Better still, join him and be a part of it. Immerse yourself in Music for Dinosaurs so you can see it and feel it first hand.
Perfume Geniusが、アルバム『Too Bright』の10周年記念エディションをリリースした。透明なレコード盤のリイシューに加え、LPの拡張デジタル・バージョンもストリーミング・サービスに登場し、「Story of Love」、「My Place」、「When U Need Someone Here」の3曲の未発表曲が収録されている。以下よりご視聴ください。
ニューヨークのアートポップデュオ、Fievel Is Glauque(フィーヴィル・イズ・グラスク)が、ニューシングル「Love Weapon」を公開した。リード・シングル「As Above So Below」に続く作品で、2ndフルアルバム『Rong Weicknes』に収録される。以下からチェックしてみてください。
この曲について、ヘザー・バロン・グレイシーはこう語っている。「"Thinking About You "は、誰かが去って、まだ完全に前に進むことができない状況について歌っている。そうすべきだし、長い目で見ればその方が自分にとって良いことだとわかっているはずなのに、それは見かけ以上に難しく辛いことなのです」
ニューアルバム『Rose Main Reading Room』では、前作とは対象的に「ニューヨーク的な作風になった」とスティーヴンスは説明する。本作にはNYの都市の洗練性や歴史的な文化性が反映されているほか、ウォーホールのポップアートのように「音楽自体をどのように見せるべきか?」というイデアが従来のスタイルとは違うニュアンスをもたらしたことは疑いがない。
『Rose Main Reading Room』は発売後、世界の熱心な音楽ファンの間で少なからず注目を集めている。事実、米国のオルタナティヴ・ポップの潮流を変えてもおかしくない画期的なアルバムだ。
ーーこのアルバムの主なテーマはニューヨークの歴史文化、より厳密に言えば、''アメリカ自然史博物館''のようです。 「Central Park West」のミュージックビデオもジョン・レノンが登場したり、古いセントラルパークの映像がとても印象的ですよね。この歴史的な興味やインスピレーションはどこからやって来たのでしょう? 音楽やビデオで表現したかったことは何ですか?
『Pad』は、文字通りフリンストーンズのようなミッド・センチュリーのヤシの木のようなエネルギーに満ちているから、おそらく最もLAにインスパイアされたレコードだったと思う。それでも、あのレコードを作った時、ロンドンで全部の音楽を作っていたショーン・オヘイゲンにインスパイアされたから不思議だった。『Rose Main Reading Room』は、自分にとってはロサンゼルスっぽくないかなあ。どちらかというと、かなりニューヨークっぽいかもしれない!!
■ Peel Dream Magazine 『Rose Main Reading Room』 Launched on September 4 via Topshelf
Tracklist:
Dawn
Central Park West
Oblast
Wish You Well
Wood Paneling, Pt. 3
R.I.P. (Running In Place)
I Wasn't Made For War
Gems and Minerals
Machine Repeating
Recital
Migratory Patterns
Four Leaf Clover
Lie In The Gutter
Ocean Life
Counting Sheep
■Episode In English
LA-based Peel Dream Magazine brings a new concept to the idea of pop music in the United States. The group is newly signed to Topshelf Records and has begun work on a new album. PDM is currently based on the West Coast, but Joseph Stevens, songwriter and a pillar of the group, grew up in the area near Central Park in New York City.
The songwriter recalls that the previous album, “Pad,” had a Los Angeles feel, but the new album, “Rose Main Reading Room,” has a New York style. Like Andy Warhol's pop art, the theme of “how to present the music itself” has definitely brought a different nuance to this album. ''Rose Main Reading Room” has attracted the attention of avid music fans around the world, and is, in fact, a landmark album that will change the tide of alternative pop in the United States.
The songwriter recalls that their last album, “Pad,” had a Los Angeles feel to it, but with their new album, “Rose Main Reading Room,” they have tackled a New York style album. There is no doubt that the theme of “how the music itself is presented,” like Andy Warhol's pop art, brings a different nuance to this work. Rose Main Reading Room has garnered attention from avid music fans around the world, and in fact, it is a groundbreaking album that will change the tide of alternative pop in the United States.
In this Q&A interview, we were able to ask Joseph Stevens to elucidate his latest album. In the process, the idea of “graduating from medium-fi + alpha” emerged. Furthermore, I felt that I could catch a glimpse of the theme of “breaking away from the music of the post generation” in the conversation. You can read the episode in both Japanese and English below.
--”Rose Main Reading Room”, fourth full-length album, was released on September 4. It has been two years since your last album, but from what I have heard of the preceding singles, I feel that the album has improved as if it were different. Were there any major changes in the songwriting or production process?
Peel Dream Magazine(Joseph Stevens): Yes and no. I feel like I am always re-working my songwriting approach a bit with every record, but I didn’t take a dramatically different approach with these songs than anything I’ve done in the past. I write alone, usually at home, and build out demos that serve as starting points for the actual recordings.
On ''Pad'' I wrote primarily on organ, and on this record I primarily wrote on guitar. The harmonic sensibility of the new record is much more straight-forward than it was on Pad, which had more of a mid-century baroque pop / bossa nova feel. On most of my previous records, I did every single thing at home, but on this one I went into a few studios around LA to record specific instruments, and we also recorded drums and miscellaneous things live at our drummer Ian’s parents’ garage in the Valley (a part of LA).
I also worked on a lot of vocal parts in real time with Olivia when we were recording, which led to some spontaneous developments that wouldn’t have occurred otherwise. This record is definitely the most collaborative record to date, and has the most live-recorded sounds of any Peel Dream Magazine record yet. A lot of the subject matter is more personal and direct than it has been in the past. I didn’t want everything to be esoteric, I wanted to talk about some simple memories, and some warm feelings I have surrounding New York City.
--The main theme of the album seems to be the history and culture of New York City, especially the ''American Museum of Natural History.'' The music video for ''Central Park West'' also features John Lennon and impressive images of old Central Park. Where did this historical interest and inspiration come from? What did you want to express in your music and video?
Peel Dream Magazine:I’ve been going to Central Park since I was a baby, so it has a really special significance to me. It’s wrapped up in the wondrous whirlwind of New York City but it’s also wrapped up in my own life.
I have always liked the way New York City carries an “ancient-ness” that puts it on par with other great cities throughout human history. There’s a wonderment there, and a democratizing, optimistic feeling when you see all of these institutions that are available to the public for free, helping to enrich peoples’ lives and pass along pieces of history and art. I think art and culture sometimes seem so cheap and perilous in the modern age, but when you’re able to visit these great cultural capitals of the world, you’re able to interact with art and culture in a way that feels timeless and trustworthy.
I want to lead a life that is full of wonder and sophisticated fun, and New York is a great vehicle for that sort of thing. There’s a few songs that reference New York or the American Museum of Natural History, and I wanted to take listeners through little tours of the city with them.
Central Park West is just a first person account of me wandering through a few of the city’s great cultural institutions. With the music video, I wanted to convey this endless ocean of humanity that traverses the streets of NY - all different kinds of people - and to showcase the quirks and touchstones of the city in a dry, fun way.
ーーThe addition of Olivia's vocals this time around seems to have given the songs a more glamorous feel. If you had to name her greatest contribution regarding the new album, what would it be?
Peel Dream Magazine: Well, I think that Peel Dream Magazine is actually best when there are more voices than just mine - and I think the male-female vocal duality is really central to the overarching sound, which is rooted in shoegaze and english twee, where male-female vocals are always a cornerstone.
Having Olivia on the record allowed us to create these lush vocal backing parts such as on ''Oblast'', and it allowed us to include songs where my vocal range wasn’t really suited to the melody, because she could either take the lead vocal or do a duet kind of thing. Her greatest contribution is that musicality and versatility.
--When Peel Dream Magazine first debuted, you were doing lo-fi style rock like ”Yo La Tengo”. the band's style has changed a bit since around 2018, is it safe to assume that this is a reflection of your musical taste at that time?
Peel Dream Magazine: Yea definitely. I have phases where I’m compelled to make completely different kinds of music, and it’s important to me that I just follow my nose and make what I want. When I made the first record, I was very influenced by the Velvets, Nick Drake, Stereolab, Belle and Sebastian, My Bloody Valentine, and to a lesser extent yea, Yo La Tengo.
I would say the music I’ve made in the past hasn’t really been lo-fi by design - it’s more just that I’m a home recordist so they usually turn out kind of “medium-fi”. In the past I really had no idea what I was doing, but I’ve learned a lot about production since then, and I would say I’ve graduated to “medium- fi plus”
--What about influences from other cultures and mediums? I understand you are interested in New Age thought and Native American traditionalism?
Peel Dream Magazine: I can see why you might think that here and there about New Age and Native American stuff from some PDM songs - but other than some historical interest and curiosity, I wouldn’t really say that’s true. Sometimes I like to play off the “hippy zeitgeist” a bit, which kind of involves those things.
I’m trying to think of cultures and mediums that do directly inspire me, though. All kinds of art, for sure. Really good film is always inspiring because, like my music, it’s a pop medium that can be used to play out experimental themes to unsuspecting people.
And you can have a fun conversation through art in that way. I’m really inspired by history and politics (weirdly), and I’m always inspired by stories from the past that provide new context to the present, or challenge some kind of set idea that was in my brain.
--What was the most important aspect of the production process for this album? And what would you say are the crucial differences from your third album?
Peel Dream Magazine: I would say the biggest aspect of the production process was trying to rely on live performances as much as possible and step away from MIDI/virtual stuff when I didn't need it. So mostly live drums, piano, mallet instruments, woodwinds, and of course live guitars. Also the choice of classical guitar - not for bossa-ish parts but more for folky indie rock kind of stuff.
And going to a few outside places to record - two studios in LA and this garage we recorded in. All of that took me out of my bedroom, and out of my virtual instrument habits, and out of my own head. That’s all crucially different from ''Pad'', which was done completely at home and with tons of virtual instruments. Olivia’s voice also presented a big production shift away from ''Pad''.
--Are the band members in LA right now? If you were to look for something Los Angeles-like in the music of Peel Dream Magazine, what would that be?
Peel Dream Magazine: Yea the band is definitely LA-based right now. I’m not sure if there is anything that is overtly Los Angeles-like about my music, to be honest. Maybe!!
I don’t think about that sort of thing when I make music, and I feel attached to different music scenes in different places all over the world, and from different time periods.
''Pad'' is probably the most LA-inspired record because it literally has Flinstones-y mid-century palm tree energy - but it’s funny because I was very inspired by Sean O’Hagen when I made that record, who was making all of his music in London. ''Rose Main Reading Room'' isn’t super LA-ish to me. If anything, it's pretty New York-like!!
(INTERVIEWED: MUSIC TRIBUNE PRESS 2024. September 6th)