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©︎Frank Lebon

UKのシンガーソングライター、King Krule(キング・クルール)がニューシングル「Flimsier」を発表しました。

 

この曲は、彼の次のアルバム「Space Heavy」のオープニング曲です。Archy MarshallはPrimavera Soundでのパフォーマンスでこの曲をデビューさせ、今年初めのKing KruleのSHHHツアーで販売された限定フレキシディスクで流通させました。アーチーの弟であるジャック・マーシャルが作成したビジュアライザーと共に、スタジオバージョンを以下にご覧ください。


2020年の『マン・アライヴ!』に続く『スペース・ヘヴィ』は6月9日に発売されます。これまでにシェアされたシングル「Seaforth」と「If Only It Was Warmth」が収録されています。


「Filmstar」

 


 

ラフ・トレードから今週金曜日に新作アルバム『Careful Of Your Keepers』をリリースする予定のフランスのシンガーソングライター、This Is The Kitが最新シングル「Stuck In A Room」を公開しました。リリックビデオが同時公開となっていますので、下記よりご視聴下さい。以前、アルバムの先行シングルとして、「Inside Outside」「More Change」が以前リリースされています。

 

新作は、その特異なカタログがインディーフォーク、ポップ、そしてその先の境界線を曖昧にする、進化し続けるプロジェクトに再挑戦する。2020年の「Off Off On」以来となるThis Is The Kitの新作アルバムは、バンドリーダーのKate Stablesがパリにしっかりと根を張っている。

 

スタジオには、お馴染みの顔ぶれがThis Is The Kitに加わった。Super Furry Animalsのヘッドホンを務めるGruff Rhysがプロデューサーを務め、Kateの言うところの「トーンセッター」の役割を担った。

 

ニューアルバム「Careful Of Your Keepers」は6月9日にRough Tradeからリリースされる。Kate Stablesはこのプロジェクトを次のようにいくつかの疑問を投げかけつつ紹介しています。

 

 

何が 物事を起こすのか? 私たちにはどれだけの選択肢が残されているのだろう? コントロールできない電気や化学? 咀嚼すること。選択すること。内的な力、外的な力でしょうか? それは他者が期待するように振る舞うだけなのだろうか?

 

それとも、起こっていることを先取りしているのだろうか? そうなる前に? 私たち自身が知る前に、私たちの中にそれを見つけることができるから? 私たちが思っている以上に長い間、大きな変化が起きています。私たちはそれをずっと無視していたのでしょうか? そして、それらは今までどこかに深く埋もれていたのだろうか?

 

それとも、ずっとそれが見えていたのにも関わらず、無視を決め込んでいたのだろうか? 何かが変わるということは、どれくらいのことなのだろうか? それとも、それは何らかの見方を変えるだけだったのだろうか?

 

「Stuck In A Room」

 


アムステルダムの4人組インディーロックバンド、Pip Blomは3rdアルバム『Bobbie』のリリースを発表しました。アルバムはHeacenly Recordingsより10/20にドロップされる。発表と並んでリードシングル「Is This Love」のMVも公開されています。曲とビデオにはフランツ・フェルディナンドのアレックスが参加しています。

 

「Is This Love」は、Pip Blomのネイティブなロックミュージックから逸脱し、Alex Karpranosからよりファンキーな影響を織り交ぜている。「アレックスと仕事をしていて良かったのは、雰囲気がとても良かったということの他に、私たち二人が異なる視点を持っていたということです。私はロック寄りですが、アレックスはもっとファンキー。それは、詩でもコーラスでも、曲にとって完璧なアクセントになりました」とブロムはプレスリリースで語っています。「これほどファンキーなPip Blomの曲が登場したのは初めて、みんな絶対に気に入ってます」

Pip Blomのスタイルに対する試みは、Jump For Joyの他の曲にも表れ、迫力があり、屈託のないシンセに没頭している。音楽性の飛躍と同時に、ブロムはこのアルバムのリリシズムでも自分を追い込んでいます。「私はネイティブスピーカーではないため、歌詞はいつも難しいと思ってます」と彼女は言います。「ちょっと強引な感じがして歌詞に時間をかけるのが難しいんです」

 

ピップ・ブロムの最後のアルバムは2021年の『ウェルカム・ブレイク』。昨年フランツ・フェルディナンドはベストアルバム『Hits to the Head』をリリースした。

 

「Is This Love」

 

 

 

Pip Blom 『Bobbie』


Label: Heavenly Recordings

Release:2023/10/20


Tracklist: 


1. Not Tonight


2. Tiger


3. Red


4. Kiss Me By Candlelight


5. I Can Be Your Man


6. Where’d You Get My Number


7. Brand New Car


8. Is This Love?


9. Fantasies


10. Again


11. Get Back


12. 7 Weeks



Broken Social Sceneのシンガー、Ariel Engleは、Efrim Manuel Menuckと組んだポストロック・プロジェクト、ALL HANDS_MAKE LIGHTとして、4月にアルバム『Darling the Dawn』をリリースしたばかりですが、ソロプロジェクト、La Forceとしてのニューアルバム『XO Skeleton』を発表しました。新作はSecret City Recordsから9月29日にリリースされます。


このアルバムは、死について考察したもので、タイトル曲は生命保険ブローカーとの電話からインスパイアされたものだそう。「何年も夜空を見ることができなかったのは、永遠を思い浮かべることができなかったから」と、エングルは声明で述べています。


リード・シングル「condition of us」を含むその9曲の一部は、フィースト、マギー・ロジャース、ベックなども参加したパンデミック時代のソング・ア・デイのソングライター・クラブから生まれた。

 




La Force 『XO Skeleton』
 
 

 

Label: Secret City Records

Release: 2023/9/29


Tracklist:

1. condition of us
2. how do you love a man
3. october
4. empathy sympathy
5. rock song
6. xo skeleton
7. ouroboros
8. zipolite
9. outrun the sun



CMATは、セカンドアルバム『Crazymad, For Me』をAWALより10月13日に発売すると発表しました。アルバムからの最新シングル「Have Fun!」が発表されています。Matias TéllezとRob Miltonが共同プロデュースしたこの曲のリリースに併せて、Collective Filmがパリとダブリンで撮影したビデオが同時に公開されています。


「これは、ロンドンで野生化しているリングネックインコについての歌ですが、別れを乗り越え、相手の行動を許さない、あるいは許せないときでも、感情の行き詰まりから前に進むための歌でもあります」とCMATは言います。

 

「人生における物事は決して満足できるものではなく、意味もないけれど、とにかく存在していて、その中でベストを尽くさなければならないということを歌っているのだと思います。そして楽しもう!」


このビデオについて、CMATは次のように語っています。「ゲイ・パレで2日間、素晴らしい地元の人たちの雑多なクルーと一緒に撮影したんだけど、彼らは私をラ・ベル・エポックに戻してくれて、完成する頃にはバスティーユを襲撃する準備ができていたよ。Have Fun!"のビデオ。このアルバムの背景にある、大きな広い包括的な「理論」を包括しているようなものです」


『Crazymad, For Me』は、CMATの2022年のアルバム『If My Wife New I'd Be Dead』に続く作品です。

 

 

 CMAT 『Crazymad, For Me』


 Label: AWAL 

Release: 2023/10/13

 

Tracklist:

 

1. California 


2. Phone Me 


3. Vincent Kompany 


4. Such A Miranda 


5. Rent 


6. Where Are Your Kids Tonight? (feat. John Grant)


7. Can't Make Up My Mind 


8. Whatever's Inconvenient

 
9. I... Hate Who I Am When I'm Horny 


10. Torn Apart 


11. Stay For Something 


12. Have Fun!

Pre-order: 


https://cmat.terrible.group/products/crazymad-for-me 

 

 Arlo Parks 『My Soft Machine』

 


Label:  Transgressive

Release: 2023/5/26

 

Review

 

2021年のデビューアルバム『Collapsed In Sunbeams』から2年が経ち、アーロ・パークスは様々な人生における変化を起こした。

 

ブリット・アワードの受賞もそうだし、ソールドアウトツアーもあった。そして、海外でのライブを開催する機会にも恵まれた。来日公演時の夏、アーロ・パークスが日本の少し古めかしさのある街角をラフな姿で歩き回る瞬間を目撃したファンもいるかもしれない。そういった人生の広がりがこの二作目のアルバムには反映されているという気がする。また、アーティストは故郷のロンドンを離れ、ロサンゼルスへと活動拠点を移している。そのせいもあってか、この二作目は一作目におけるベッドルームポップの方向性に加え、少なからず西海岸の音楽の気風を反映した作風となっている。それはアーロ・パークスが信奉するインディーロック/オルタナティヴロックや、ロサンゼルスのヒップホップ・カルチャーを彼女自身の音楽性の中に取り入れ、どのような音楽的な変化が起こるのかその目で見極めようとした作品とも解釈出来るのだ。

 

活動拠点を西海岸に移したことは、実際の音楽を巡るテーマにも変化をもたらさないはずがなかった。デビュー・アルバムでは、過去の人生を振り返り、それをどのような形で親しみやすい現代のポップスとして昇華するのかを模索していた。そして事実、最初の作品のテーマは予測以上の成功を収め、瑞々しさのあるサウンドとともに世界中の多くのリスナーの共感を得ることが出来たのだったが、続く2作目では、ロサンゼルスの自然のなかで多くの時を過ごし、ロンドンの生活の変化からもたらされる感覚の変化を、これらのオルトポップの中に織り込もうとしている。新たな変化を追い求めようとしたことは、とりも直さず制作のスローダウンを意味したが、アーロ・パークスにとっては早く作品を生み出すことより、海や山、砂漠を散歩し、その実際の経験からもたらされる感覚をどのように高い精度のポピュラー・ミュージックとして昇華するのかということを最優先したのだった。商業的な成功を上乗せするよりも、また過去の成功にすがることよりも、ミュージシャンであることをアーロ・パークスは選択した。

 

商業的でないというわけではない。しかし、ネオソウルの要素をヒップホップのチョップとして処理した少し甘い感じのあるインディーポップは、オープナーである「Bruiseless」を見ても深みと説得力をましたことが分かる。 そして制作者はロサンゼルスだけに流れている気風をその肌で直に感じ取り、それをなんらかの形でこのアルバムのなかに取り入れようと絶えず模索している気配がある。これがアーティストの背後に遠近法を駆使して青い空を撮したアルバムのアートワークと同じように、前作に比べ、より爽快な雰囲気が加味されたように思える理由なのである。そして全体的に感じ取られる風通しの良さは、実際の音楽と掛け合わさり、清々しい気風を呼び込み、意外なことに、再度到来したデビュー作のような印象を与えもするのである。

 

制作者はデビュー作よりもインディーロックの要素を意図して作品中に織り交ぜようと試みたと話している。かなり詳しいらしく、パークスは、エリオット・スミス、デフトーンズ、スマッシング・パンプキンズをはじめとするオルトロックを好んで聴くアーティストではあるが、これらの音楽的な経験は、オルタナに留まらず、ラップやディスコサウンドという広範な音楽的な経験が収録曲に反映されていることが分かる。「Impurities」では、ターンテーブルのスクラッチの音を散りばめ、それをブレイクビーツとして処理し、緩やかで優雅なサウンドを呼び込んでいる。それに加え、中国風の旋律をシンセ・ポップという観点から加え、ほのかな叙情性を帯びたインディーポップソングとして昇華している。デビューアルバムのベッドルームポップの要素を一歩だけ未来に進め、それよりも深みのある音楽性へとパークスは到達することなった。

 

アーロ・パークスのアーティストとしての新境地は4曲目の「Blades」でわかりやすい形で訪れる。ここでは、懐かしのシンセポップ/ディスコポップの要素を交えた軽快なナンバーを展開させている。内省的なイントロからサビにかけてのそれとは対比的な外向きのエネルギーに支えられた盛り上がりは、アンセミックな響きをもたらし、多くのリスナーの共感を誘うものとなっている。更に、前作にはないスタジオレコーディングでの理想的なサウンドの探究の成果は「Weightless」に見いだすことが出来る。アーロ・パークスはこのトラックで聞き手のすぐ近くで演奏しているかのようなリアル感を追求しようとしている。The 1975のマティ・ヒーリーが得意とするような、ソフト・ロックやAORに根ざした軽やかなモダンポップではあるが、スピーカーやヘッドホンで聴いた時、音がすぐ近くで鳴っていて、まるでアーティスト自身が近くで演奏しているようなダイナミックス性を味わうことが出来る。また、The Nationalの最新アルバムを始め、近年、最も頻繁に登場するコラボレーターで、アーロ・パークスが誰よりも大きな信頼を置くフィービー・ブリジャーズが参加した「Pegasus」も刮目すべきトラックとなるだろう。ここでは、パークスの淑やかなボーカルに続いて、二人のボーカルの掛け合いが訪れる瞬間は、なにか息を飲むような雰囲気に充ちている。ここでは、プロのボーカリスト二人の緊張感がレコーディングを通じて感じ取ることが出来る。軽快なバックビートに支えられて繰り広げられるパークスとブリジャーズの両者の相性バツグンのコーラスワークは、アーロ・パークス単独のボーカルトラックよりもさらにキャンディーのような甘酸っぱさが引き出されている。

 

アーロ・パークスの無類のオルタナティヴロックファンとしての姿は、「Dog Rose」の中に捉えることが出来る。シンセと相まって導入されるギターロックのアプローチはおぼつかなさと初々しさがあるが、欠点は必ずしもマイナスの印象を与えるとは限らず、洗練されたロックよりもはるかに鮮烈な印象をもたらす場合もある。サビでは、インディーロック調の盛り上がりへと変化するが、テンションのピークはすぐに抑制され、旧来のベッドルームポップの心地よい緩やかなフレーズへと直結する。この曲を聴くと分かるが、他のトラックと同様に広範なジャンルを取り入れてはいるが、アーロ・パークは和らいだポップスの理想形を探そうとしているのだ。

 

また同じく、ちょっとミステリアスな雰囲気を擁する「Puppy」では、アーロ・パークスというアーティストを形成する要素のひとつであるベッドルームポップに加え、もうひとつの要素であるドリーム・ポップの要素を見出すことが出来るはずだ。アーロ・パークスは、ここでマイ・ブラッディ・バレンタインのシューゲイズの影響を反映させ、それをやはりアルバムの序盤の収録曲と同じように、和らいで、まったりとした、親しみやすいポップスに昇華している。しかし、そのトラックの背後には、ポーティス・ヘッドに象徴されるブリストルのトリップ・ホップやUKラップの影響もわずかに漂っている。これは捉え方によっては、ロサンゼルスへ転居したパークスの故郷ロンドンへの密やかなノスタルジアが表されているとも解釈出来る。

 

その後にも、ポップスという観点からダブステップを再解釈した「I'm Sorry」では、アルバム全体に通底する「ブラインドからのぞく」というアーティスト独自の考えが表明されている。そのフレーズは実際の歌詞の中にも現れ、そこには表向きな文化的な概念ーー音楽や人々ーーに対するアーロ・パークスの困惑や躊躇に類する感覚が見て取れる。勿論、完璧な人間がこの世に存在しないように、(そもそも、完璧であるのなら、この世に生きる意味がない)アーロ・パークスも今より善良な人間になるべく、理想とする存在に近づくための道筋をつけようとしている。こういった前向きな考えは、彼女の音楽に触れる人々に対して良い影響を与える。「My Soft Machine」の終盤まで、自己の探究と外側の世界にどのように折り合いをつけるかというパークスの思索は続く。クローズド・トラック「Ghost」でもその内なる探究は終わることがない。 


 

82/100

 

 


GUMが新曲「Race to the Air」を公開しました。GUMは、Tame ImpalaとPONDのメンバーでもあるオーストラリアのサイコポップミュージシャンJay Watsonのソロプロジェクトです。ツアー日程は今年の10月に行われます。Race to the Air」の試聴は以下から。


ワトソンはプレスリリースで、この曲について次のように語っています。「レース・トゥ・ザ・エアー "は元々 "ランニング・トゥ・ザ・キュア "という名前だった。グラストンベリーでトイレに行った時の記憶なんだけど、The Cureがセットを始める時に、僕の好きなCureの曲である『Plainsong』を演奏したので、僕はポータルーからステージまで走っていた。でも、COVIDの後に「Race to The Cure」という曲は呼べなかった。パンデミックについてのアルバムを作っていると思われたくなかったんだ!」


 

Eleanor Petry


シアトルのミュージシャンNatalie Lewのプロジェクト、Sea LemonがLuminelle Recordingsと契約を発表し、新曲「Cellar」をリリースしました。下記よりMVをご覧ください。


「”Cellar”は、Blow OutやMiseryのような古典的なホラー映画やスリラー映画が大好きで、怖い映画を愛することが、時に自分の何かが間違っているように感じられることからインスピレーションを受けました」とNatalie Lewは声明で語っている。

 

この曲の "地下室 "というアイデアは、主人公が地下室に潜むものを発見せずにはいられないという伝統的なホラーの表現に基づいていて、そこで見つけたものは、しばしば本当に暗くて恐ろしいものを表しているんだ。歌詞の中で、「地下室は私の居場所」と言っていますが、これは、本当に恐ろしいイメージに最も興味を持つことがあるという考え方に取り組んでいるのです。

 

「Cellar」

©Tess Roby


TOPSのMarta CikojevicのソロプロジェクトであるMarciが、ニューシングル「KITY」を発表しています。

 

2022年のデビューアルバム「Marci」に続くこの曲は、Allison Goldfarbが監督したミュージック・ビデオと一緒に到着しました。

 

この曲は、Cikojevicによると「全容を知らないまま状況に導かれることについて、もしそれが真実であるにはあまりにも良いなら、それはおそらくそうだ」。以下、視聴と試聴をお楽しみください。


Weekly Music Feature

 

Hannah Jadagu

©︎Sterling Smith


高校を卒業してまもなく、Hannah Jadaguは、ベッドルームポップの新星としてみなされるようになり、2021年にデビューEP『What Is Going On』をリリースした。これは、当時、彼女にとって最も身近な制作方法であったiPhone 7で録音した正真正銘のベッドルームポップの楽曲集だった。作曲から完パケまでアーティスト自身が行つったこのEP作品は、音楽制作に対する親しげなアプローチと、忘れられないフックを書く本能的な能力が特徴であり、それはまたシンガーソングライター、Hannah Jadaguの主題の激しさを裏付けるものだった。

 

当時、Hannah Jadaguは、音楽の機材を買う余裕がなかったため、「低予算で作曲を行う必要があった」と回想している。しかし、限られた機材で音楽制作を行うことは、彼女のクリエイティビティを高める結果となった。学生として勉強に励む傍ら、プライベートの時間の中で録音された「What Is Going On?」 は、ジャダグの駆け出しのソングライターとしての初々しさが感じられる作品ではあったが、一方で、Hannah Jadaguの人間としての思いやりのある視点を通して、勇敢にも米国の最も緊急性のある闘争に立ち向かってみせたのだ。

 

「私の曲は、超親密でありながら、聞き手に対して普遍的な親近感を抱かせるものにしたいのです」とJadaguは述べている。「デビューEPでは、多くの人が個人的なレベルで曲に共鳴していると言ってくれましたが、実はそれこそ私が常に望んでいることなのです」この言葉は、シンガーソングライターをよく知る際、また彼女の作品に触れる際に最も重要視すべき考えとなるに違いない。また、先日のニューヨーク・タイムズのインタビュー記事でも、キャッチーであることや親しみやすい曲を作ることを最重要視していると念を押している。


2021年のEP「What Is Going On」はハナー・ジャダグにとって、シアトルの名門レーベルSub Popとの契約を交わして最初のリリースとなったが、彼女は何年も前から楽曲を自主制作し、出来上がった曲をSound Cloudで音楽を発信し、着実にオンラインファンを獲得し、ファンのベースを広げていった。

 

Hannah Jadaguのミュージシャンとしてのルーツは合唱隊に所属していた時代まで遡ることになる。しかし、かねてから、教会のゴスペルや聖歌のような音楽とは別の一般的な音楽の表現方法を探しもとめていた。その後、ギターの演奏を始めたというが、気楽なスタイルで行うことができるデバイスのデジタル・レコーディングの一般的な普及が、彼女をソングライティングへと駆り立てることになり、いうまでもなく、それはそのままプロのミュージシャンへの道のりへと直結していくことになる。学生時代に音楽制作を本格的に始めた契機について、Hannah Jadaguは次のように説明している。「中学校のバンドでパーカッションを担当するようになってから、だんだんと音楽の制作が軌道に乗っていきました。当初、曲作りは趣味で始めましたが、すぐにのめりこむようになって、自由な時間をすべてレコーディングに費やすようになりました」


今年の2月、Hannah Jadaguは、これまでで最も野心的な作品である『Aperture』をサブ・ポップからリリースすると発表した。テキサス州メスキートで高校を卒業したのち、ニューヨークで大学2年生になるまでの数年間に書かれた『Aperture』は、Hannah Jadaguの人生のひとつの節目を迎えたことを表すとともに、ミュージシャンとしての大きな転換期を迎えつつあることを物語っている。「私が育った場所では、みんなクリスチャンだったし、教会に行かなくても、何らかの形で修行をしていました」と、ジャダグは説明している。高校時代から教会との関係に疑問を抱いていたものの、アルバムの重要なテーマである「家族」については、教会でのドグマと一般的な社会での二つの観念を折り合いをつけるような意味合いが込められているようだ。


これは、よくあることだと思われるが、子供の頃から、Hannah Jadagu(ハナー・ジャダグ)は憧れであった姉の姿を追っていた。ソングライター自身が自らの人生の「設計図」と呼びならわす大きなインスピレーションの源である姉の背中を追い、地元の児童合唱団に参加し、さらに合唱の訓練を受けるようになったのである。「私はそれが嫌いだった。でも、ハーモニーの作り方、自分の音色の見つけ方、メロディーの作り方などを教えてくれたのは事実だった」

 

シングル「Admit It」はほかでもない、彼女が姉に捧げたトラックである。無限の愛と非の打ち所のないセンスは、Jadaguにとって子供の頃から依然として変わらない。かつて、Jadaguは姉の車で、後々、彼女の作品にインスピレーションを与える素敵なインディーズ・アーティストを発見するに至った。Snail Mailや Clairoの影響はこの曲にとどまらず、アルバム全体に反映されている。


「Lose」は、Jadaguが新しい人間関係を始めるときのスリルと、その根底にある得体の知れない恐怖について歌っている。シンプルで飾り気のないギターリフと素朴なピアノのコードを織り交ぜ、現代のインディーシンガーへの愛と憧れを表現している。彼女の言葉を借りれば、この曲は「クラシックなポップソング」であるという。「私たちがしてこなかったこと/私の心の中で再生される/あなたは私に時間を与えてくれる?」と歌い、終わりに近づくにつれて、スキッターのようなドラムビートが、曲を瞑想的な憧れの地点から引き剥がし、反抗の境地へと導いていく。


「このアルバムのトラックは、”Admit It"を除いて、すべて最初にギターで書かれたもので、インストゥルメンタルの雰囲気があります」とJadaguは述べている。「しかし、全体を通して使うシンセのブランケットは、私が感性の間を行き来するのを助けてくれた。ロックのハナシもあれば、ヒップホップのハナシもある、みたいな。とにかくどの曲もあまり似たような音にはしたくなかった」と、アルバムの制作の秘話を解き明かすHannah Jadaguであるが、この理念を象徴するのが「Warning Sign」となるだろう。イントロはアコースティックでR&Bのスローバーナーとして始まるが、途中から硬派なエレキギターが入り、曲はサイケデリックに似た曲調に変化を辿る。

 

結果的に、デビューアルバムの制作のために適切な費用を与えられたこと、プロデューサーがついたこと、アメリカを離れて海外でのレコーディングが行われたことは、制作の重圧を与えたというより、彼女のクリエイティビティを刺激し、感性を自由に解放するという良い側面があった。さらにハナー・ジャダグは、ソングライターとしての道を歩む上で、よりよい音楽を作りあげたいという願望も胸の内に秘めていた。「携帯電話でもう1枚アルバムを作れることはわかっていたのですが」とHannah Jadaguは言った。「特にこのデビュー作のため、確実にレベルアップしたかったんです」

 

アルバムの制作をさらに高いレベルに引き上げるため、フランスのソングライター兼プロデューサーであるマックス・ロベール・ベイビーが抜擢された。二人は、当初、メールでステムを送り合いながら、リモートで仕事を進めていき、最終的には、パリ郊外のグレイシー・スタジオで初めて出会った。当初、オンライン上のMIDIのデータの細かなやりとりで制作が開始されたが、パリでの対面の制作が進んでいくうち、両者は意気投合することになった。作品の全体には、ソングライターとエンジニアの双方の才覚が稲妻さながらにきらめいている。そして実際の音源を聴くと分かる通り、二人三脚といった形で、デビューアルバムは珠玉の完成品へと導かれたのだった。

 


『Aperture』 SUB POP


 

 

ガレージバンドで音楽制作を始め、iphone 7で完パケをするというハナー・ジャダグらしいインディペンデントのソングライティングのスタイルは、このデビュー作でもしたたかに受け継がれている。端的に言えば、Guitar Rigのように、一般的なエフェクターでも容易に作り出せるシンプルで親しみやすいギターサウンドーー、アーロ・パークスにも比する甘くキャッチーな音楽性ーー、ポップスとR&Bとロックを変幻自在に行き来する柔らかいボーカルラインーー、それからヒップホップのブレイクビーツの要素を織り交ぜた先鋭的なリズムやビートーーという四つの要素が分かちがたく結びつき、アルバム全体の音楽の構成を強固に支えているのだ。

 

まず、このデビューアルバムは、じっくりと音楽を聴きたいリスナー、そして多くの時間を割けないため、Tik Tokで音楽を素早く聴くというリスナー、その双方の需要に応える画期的な作品となっている。自宅のオーディオスピーカーで時間をかけて聴いても良いし、友達とTik Tokふうに短い時間で楽しむのも良いし、夜のドライブで流しても楽しめる、いわば条件や環境、時と場所に左右されない時代を超越したポピュラーミュージックである。また、イギリスのエド・シーランが普及させたベッドルームポップの形、曲を一人で書いて、レコーディングし、それを万人に楽しめる洗練された製品としてパッケージするという制作方法は、現代の音楽産業を俯瞰した際、度外視することが難しいスタイルをふまえている。また90年代や00年代の音楽制作とは異なり、現代的な音楽産業の需要に対する供給という概念がこのアルバムには通底している。そのことが、特にこの作品を語る上で欠かせないポイントとなるかもしれない。

 

現代的なポピュラー音楽という概念は、必ずしも、使い捨ての消費のための音楽を示すとは限らない。万人が楽しむことができると共に、長い年月に耐え、後の時代になっても音楽としての価値を失わない作品を作り出すことは、(一見、不可能のようで)不可能ではないと、Hannah Jadaguはこのデビューアルバムを通じて示唆している。


アルバムの始まりを飾るにふさわしい「Explanation」は、Clairoの書くような柔らかさと内省的な雰囲気に充ち、Hannah jadaguの音楽的なバックグランドが力強く内包されている。インディーポップの要素を絡めたグルーブ感満載のバックビートには、児童合唱団での音楽体験が刻まれ、それは曲の中でふいにゴスペルという形で現れる。繊細ではあるものの、ダイナミックス性を失わないHannah Jadaguのソングライティングの魅力が遺憾なく発揮されている。


二曲目の「Say It Now」は、内省的な雰囲気を受け継ぎ、ベッドルームポップの影響を散りばめ、美麗なオルタナティブポップを作り出している。イントロからサビにかけてのリードシンセを織り交ぜた壮大なスペーシーな展開は、新しいポップスのジャンルの台頭を予感させ、未来の音楽への期待をもたせるとともに、Hannah Jadaguの才気煥発な創造性を見出すことが出来るはずだ。

 

 

 

さらに驚くべきは、(空耳ではないことを願いたい)ソングライターが日本語歌詞を歌う3曲目の「Six Months」である。この曲は、アルバムの中で最もガーリーなポップとして楽しむことができる。オートチューンをかけたボーカルを通じて繰り広げられるスロウテンポのまったりしたインディーポップソングは、サビの終わりを通じて「Ikiteiru、Shake Your Time」と軽快に歌われている。ここには、”Alive”を意味する”生きている”という言葉により喜びがシンプルに表現され、部分的に日本語の持つ語感の面白さを織り交ぜ、それをダイナミックなポップソングへと仕上げている。特に、ストリングス風のシンセのアレンジとクランチなギターの融合は本当に素晴らしく、プロデューサーのマックス・ロベール・ベイビーの手腕が光る一曲となっている。

 

その後もファズギターを主役としたダイナミックなロックソングが続いている。4曲目の「What You Did」は、Soccer Mommy、Snail Mailといったインディーアーティストの影響を感じさせると共に、ダイナミックなギターフレーズはサブ・ポップの90年代のグランジの雰囲気に満ちているが、シンガーソングライターはそれを親しみやすいベッドルームポップに昇華している。


5曲目の「Lose」においても、Snail MailやIndigo De Souzaと同じように、現代の若者の心境を上手く捉えつつ、親しみやすいインディーポップソングとして昇華している。ここには駆け出しの頃、(ひとつずつサンプル音源のトラックを重ねていく)ガレージバンドでの音楽制作を行っていたアーティストらしい矜持が表れている。イントロのインディーロック風の曲調から、サビにかけてのクランチなディスコポップへのダイナミックな移行は、聞き手に強いグルーブ感を授けてくれるだろうと思われる。

 

Hannah Jadaguは、アルバムの制作を通じて、「音楽の国境を越えて、ジャンルレスであることを示したかった」と語っているが、そのことがよく理解出来るのが6曲目の「Admit」となるかもしれない。ここにはインディーロック/ポップを始めとするサブカルチャーから踵を返し、メインカルチャーへの親和性を示し、アーティストのモダン・ポップへの愛着と敬意が表されている。Arlo Parksのソングライティングの方向性に近いこの曲では、シンプルなビートを織り交ぜながら、最終的にはポップバンガーにも似た多幸感溢れる雰囲気のあるサビへと直結していく。現代的なフレーズの語感を多分に含ませつつ、そこに少し甘く可愛らしい雰囲気を加味しているが、アルバムの中では、アーティストの最も夢見るような思いが込められた一曲となっている。

 

7曲目の「Dreaming」では、一転してそれ以前のクランチなギターが印象的なインディーロックアーティストとしての姿に舞い戻っている。この曲は、ポップシーンの最前線をいくノルウェーのGirl In Redの音楽とも無関係ではない。アルバムの冒頭と同様にベッドルーム・ポップの性質が際立っているが、その根底にあるのは90年代の米国のオルトロックへの憧れだ。J Mascisのトレモロギターの影響を織り交ぜて、乾いた感じのギターロックと柔らかいボーカルが強い印象を放っている。さらに、メロからサビに掛けての奇妙な弾けるような感覚もまた心地よさをもたらすだろうと思われる。


Hannah Jadaguは、その後もジャンルレスの形で縦横無尽に音楽性の広範さを示している。「Shut Down」では、かつての人間関係に別れを告げるような曲で、それを親しみやすい現代的なインディーフォークというスタイルで象ってみせている。曲の途中に導入されるスペーシーなシンセは、シンプルなギターラインと絡み合い、複雑な感情を絡め取っているが、この内省的なロックソングを通じてアーティストの悩ましげな感覚を読み取くことができる。飽くまで個人的な感情が示されているだけなのに、それと同時に多くの若者の心に共鳴するものが少なからず込められていると思われる。しかし、これは上辺の心ではなくて、製作者の本心からの思いを歌詞や歌の中に純粋に込めているからこそ、多くの人の心を捉える可能性を秘めているのである。

 

アルバムは、その後も緊張感をゆるめず、一貫したテンションが続いている。これは制作過程の製作者とプロデューサーの両者の集中力がある種のセレンディピティとして反映された結果である。アルバムの先行シングルとして公開された「Warning Sign」では、シンガーソングライターのR&Bやファンクの影響が最も良く表れている。ここでは、先週のマディソン・マクファーリンのように、現代的に洗練されたメロウなソウルと、ベッドルームポップの融合を見出すことができるはずだ。若い時代のゴスペルや合唱をはじめとする、これまで歌手が疎んじてきた経緯のある古典的な音楽に、ジャダグはあらためてリスペクトを示し、それを一般的に親しみやすく、センチメンタルなポップソングへと再構成し、ジャズ寄りのソウルにブレイクビーツの要素を絡めることにより、英国のソングライターCavetownに比する先鋭的な作風を確立している。さらに、この曲は、アルバムの中で最もソングライターとプロデューサーの良好な協調性が美しく表れ出た瞬間のように思える。後続曲も同様であり、楽曲のスタイルが変わろうとも、両者の連携は非常に緊密で力強さがあり、トラックの洗練度にそれほど大きな変化はないのである。

 

最後に、このアルバムはフランスのパリで録音されたわけだが、はたして、いわゆるヨーロッパ社会のエスプリのような気風はどこかに揺曳しているのか? そのことについてはイエスともノーとも言いがたいものがあるが、実際にパリで録音された余韻も含まれていることが最後になると少し分かるようになる。クローズ・トラックとして収録されている「You Thoughts Are Ur Biggest Obstacle」 では、シンプルなバラードにも近い哀愁ある雰囲気を通してアーティストらしいエスプリを精一杯表現している。


ここには、パリの街を離れる時が近づくにつれ、その国が妙に恋しくなる、そんな淡い感性が表されている。つまり、Hannah Jadaguという歌手がヨーロッパに滞在した思い出をしっかりと噛み締め、その土地の追憶に対してやさしげに微笑むかのように、アルバムのエンディングを美麗に演出している。曲の最後に、オートチューンをかけたボーカル、シンセとピアノのフレーズの掛け合いが遠ざかっていくとき、不思議とあたたかな感覚に満たされ、爽やかな風が目の前を吹きぬけていくように感じられる。このエンディング曲に底流する回顧的なセンチメンタリズムこそ、シンガーソングライターの才能が最大限に発揮された瞬間となる。そもそも追憶という不確かなものの正体は何なのだろう、それはフランスの作家マルセル・プルーストが言うように、"人生の中で最も大切にすべき宝物"の一つなのだ。本作は、そのことをはっきりと認識できる素敵なアルバムとなっている。

 


 92/100

 


Weekend Featured Track 「Six Months」


 

 

『Aperture』はSub Popから発売中です。レーベルのメガマートでのアルバムのご購入/ストリーミングはこちら

 

©Polocho


ロンドンのドリーム・ポップバンド、Bleach Lab(ブリーチ・ラブ)は、近日発売予定のアルバム『Lost in a Ruth of Emptiness』の最新シングル「All Night」をリリースしました。この曲は、先行カットである「Counting Empties」「Indigo」に続く作品です。以下、聴いてみてください。

 

「この歌詞を書いた時、私は実話に夢中だった(そして今も)、フロントパーソンのJenna Kyle(ジェンナ・カイル)は声明で「All Night」についてこう語っています。

 

「私はミステリーやサスペンスに惹かれます。私はほとんど、誰かに不健康な執着を持つ人の視点から、フィクションの物語を書きたいと思いました。最初の数回聴いただけでは、単にロマンチックで、誰かが深く愛しているとしか思えないような歌詞を書きたかったんです...それでも、2回目、3回目に聴くと、リスナーはより深いダークなテーマを感じ取ることができるはずです」

 

新作アルバム『Lost in a Ruth of Emptiness』は、9月22日にNettwerkからリリースされる予定です。

 

「All Night」

 

©Marieke Macklon


リーズを拠点に活動する20歳のアーティストのプロジェクト、tinyumbrellas(タイニーアンブレラズ)は、Sevenfoursevensixから6月28日にリリースされる新作EP『Somewhere to Fall Asleep』を発表し、同時にニューシングル「Zombies」のビデオを公開しました。下記よりご覧ください。


「"Zombies”は、一緒に成長し、お互いの好きな人である幼なじみの親友2人の物語です」"とtinyumbrellasは声明で説明しています。「語り手は、この関係が親友から恋人への物語なのかどうか疑問に思っているが、語り手の視点では相手は至って無関心に見える」


彼らはEPについて、「私の観点から、各曲は夜間または昼間のいずれかの雰囲気をカプセル化しています。"私はそれをアートワークに組み込み、シングルリリースのアートワークには、太陽または月と星の段ボールの切り抜きで、どちらの雰囲気を持つかによって使用しました」

 

 「Zombies」


ザ・ジャパニーズ・ハウスは、ニューアルバム「In the End It Always Does」から3rdシングル「Sunshine Baby」を公開しました。

 

このニューシングルには、レーベルメイトであるThe 1975のMatty Healy(マティ・ヒーリー)がバックボーカルで参加しています。この曲のライブ演奏とともに以下でチェックしてみてください。

 

The Japanse Houseの新作アルバム『In the End It Always Does』は6月30日にDirty Hitから発売されます。「Boyhood」と「Sad to Breathe」が先行シングルとして公開されている。

 

「Sunshine Baby」

 

 

Live Version

 

 

©︎Dominik Friess

ニューヨーク、ブルックリンを拠点とするシンセ・ポップ・トリオ、Nation of Languageは、9月15日にニューアルバム『Strange Disciple』を[PIAS]からリリースしますが、そのアルバムからの新曲「Stumbling Still」を公開しました。以下よりお聴きください。


3月、Nation of Languageはアルバムのファーストシングル「Sole Obsession」を公開し、アルバムのタイトルと新しいツアー日程も発表しました。そして、Strange Discipleが正式に発表されたとき、燃えるようなアルバムのオープニング曲「Weak In Your Light」を公開しました。


バンドはIan Devaney、Aidan Noell、Alex MacKayの3人です。Nick Millhiser (Holy Ghost!, LCD Soundsystem)がプロデュースしたアルバムは、ブルックリンでレコーディングされました。2021年の『A Way Forward』、2020年の『Introduction, Presence』に続く作品となる。


以前のプレスリリースでは、『Strange Disciple』の収録曲は、Ian Devaneyが誘惑や罪悪感、そして自分の情熱的な固定観念にとても苦しめられるという言い知れぬ喜びについて、儚い物語を語っている、とされていました。Ian Devaneyはさらにこう説明している。私が最も感じるのは、何かや誰かに絶望的なまでに献身していると感じる時なんだ」

 

「Stumbling Still」

 

Hannah Jadagu


Sub Pop所属のNYのシンガーソングライター、Hannah Jadagu(ハンナ・ジャダグ)が今週金曜日に発売される『Aperture』から5thシングル 「Lose」 をリリースした。「Say It Now」「What You Did」「Admit It」「Warning Sign」が先行シングルとして公開されています。
 
 
Hannah Jadaguは、サウンド・クラウドを通じて着実に人気を獲得し、シアトルのサブ・ポップとの契約を結ぶに至った。
 
 
アーティストの最初の音楽体験は、姉の背中を追い、地元の児童合唱団に行き、そこで合唱の訓練を受けたことだった。テキサスの高校を卒業後、ニューヨークの大学に通った。デビューEP『What Is Going On?』は、iPhone7だけで録音され、人生の過渡期に書かれたベッドルーム・ポップの楽曲集として機能していた。
 
 
前作ではアーティストいわく「クラシックなポップ」を志向して制作が行われた。サブ・ポップからの2作目となる今回のフルレングスで、SSWとしてどのような進化を遂げるのかに期待したいところである。ポップ、インディーロック、エレクトロニカを変幻自在にクロスオーバーし、新鮮な音楽を提示している。
 

ジャダグは今秋のイギリス・ヨーロッパツアーの詳細を発表する予定で、まもなく北米ツアーを行う予定です。

 

「Lose」

 


Dream Wifeは、新曲「Who Do You Wanna Be?」を公開しました。この曲は、6月9日にLucky Number Recordsからリリースされる3枚目のアルバム『Social Lubrication』に収録されています。


この曲についてバンドは、「資本主義のトレッドミルで走り、舗道で最初に顔を落とすことについて」と語っています。

 

「空虚なスローガン、行動を伴わないソーシャルメディア活動、左翼の内紛、収益化するフェミニズム、ガール・ボス、すべての魂が砕けるようなナンセンスなこと。資本主義はすべてを消費する。私たちは、完璧主義という手の届かない不安に満ちた考えを打ち壊し、超個人的な物語から集団行動へと移行し、希望と反抗に満ちた、集団的なケアシステムを創造すべきです。これは、変革への呼びかけです」


「Who Do You Wanna Be'」は、シングル「Orbit」「Hot (Don't Date a Musician)」「Leech」に続くもので、いずれもニューアルバムに収録されることが決まっている。


「Who Do You Wanna Be?」

 

©︎Qiao Meng

ニューヨークのインディーポップバンド、The Drums(Jonny Pierce率いるプロジェクト)は、2つの新曲「Plastic Envelope」と 「Protect Him Always」を同時に公開しました。ミュージックビデオは、1つの完全な作品として演奏される相互接続されており、両曲をフィーチャーした1つのYouTube投稿を通じて共有されています。このシングルはANTI-からリリースされています。

 

Johnny Pierceはこの曲について、「プラスチック・エンベロープ』は、信頼を裏切られたときの痛みと、もう一度同じように心を開くことができるかどうかわからない恐怖について歌っています。2曲目の『Protect Him Always』は、私の中の若い男の子への謝罪の言葉です。私が傷つくと、彼もまた傷つくということを知りながら、一生懸命に守ろうとしているんです」と説明しています。


ニューシングルはThe Drumsが4月に公開した新曲『I Want It All』に続く作品です。


The Drumsの前作『Brutalism』は、2019年にANTI-から発売された。ピアースはDrumsの新アルバムを制作中です。

 

  「Plastic Envelope」/「Protect Him Always」

 

©Eleanor Petry

Rachel Brown(レイチェル・ブラウン)とNate Amos(ネイト・エイモス)によるプロジェクトWater From Your Eyesは、Matadorのデビューアルバム『Everyone's Crushed』から最新シングル「14」を公開しました。 前作「Barley」「True Life」に続き、この曲はバンドのRachel Brownが監督したモノクロのミュージック・ビデオで公開されています。下記よりご覧ください。


バンドによると、「14」は「個人的な悪魔への服従と、変化は必要であり避けがたいという認識を意味する、準連続的なインクブロット」であるという。ミュージックビデオについてブラウンは、「『午後のメッシュ』、『去年マリエンバードで』、『千と千尋の神隠し』、ネイトが好きなディエゴ・ベラスケスの絵画『バッカスの勝利』に大きく影響された。自分の内面の葛藤に悩まされる感覚や、その葛藤を手放すという行為を表現したかった」と説明しています。


Water From Your Eyesの新作アルバム『Everyone's Crushed』は5月26日に発売される予定です。

 

「14」

 

©︎Tom Mitchell

サブ・ポップの所属アーティスト、Suki Waterhouse(スキ・ウォーターハウス)が「To Love」の新しいミュージックビデオを公開しました。4月に紹介出来なかったので、改めて取り上げます。各種ストリーミングはこちらからどうぞ。

 

このビデオクリップにはスキ・ウォーターハウスと妹のイミーが出演し、シャロン・ジューンが振り付けを担当し、受賞歴のあるブラック・ドッグ・フィルムズの監督、脚本家、アート編集者のソフィ・エデルスタインが監督しています。


「ソフィーと私がクリエイティブについて話し合ったとき、このビデオを使って、その感情をとらえ、隠れた意味をほのめかし、恋をしているという完全な経験を受け入れるよう誘いたいと思ったのです。協調的でありながら衝動的で生々しい、人間関係の複雑さと美しさを反映した作品です」

 

さらに監督を務めたソフィ・エーデルスタインは、このビジュアルについて次のように語っています。

 

「12月にSukiから『To Love』が送られてきて、私はすぐにこの曲の官能性、正直さ、ロマンスに心を動かされたよ。ノスタルジックでありながら現代的で、新鮮でありながら象徴的でもある、そんな印象を受けました。この曲が頭から離れませんでした!」

 

「モノクロとカラーの間を行き来し、色を曲の感情の旅のベースとして使うというアイデアは、すぐにインスピレーションを受け、気に入りました...私たちはイメージやアイデアを交換し始め、お互いが惹かれていることがわかりました。そして、愛について語り合う中で、"双子 "というアイディアが生まれました。とてもオーガニックなものでした・「To Love」のビデオは、曲とアーティストとしてのSukiの両方を反映しています。自信に満ちている。シンプルであること。アイコニック。深くロマンティックで官能的。

 

「To Love」は6月に7インチシングルとしてリリースされ、レーベルの限定シングルシリーズである”Sub Pop Singles Club Vol.8”で限定販売され、835件のみ購読可能です。

 

 「To Love」

 


デビュー・アルバムのリリースを控えたEzra Williamsが、最新シングル「Until I'm Home」を公開しました。MVは以下からご覧ください。アルバム「Supernumeraries」は、6月16日にAWALからリリースされる予定です。「Until I'm Home」についてウィリアムズは、「この曲は、当時付き合っていた彼女と遊んだ帰りの電車の中で書いたんだ。私は何でも考えすぎて、1秒でも自分の考えに構っていられないと、世界が崩れていくような感覚に陥るんだ」と語っている。


以前はSmoothboi Ezraという名前で音楽をリリースしていたエズラ・ウィリアムズは、ウィックロー州で育った後、アイルランドのコークに移住し、最近シングル「Stuck」と「My Own Person」をリリースし、後者はNetflixシリーズ「ハートストッパー」で取り上げられました。


ウィリアムズは最近、グラストンベリーのエマージング・タレント・コンペティションに出演し、今年後半にはさらにライブ活動を行う予定です。

 

「Until I'm Home」