ナッシュビルのシンガーソングライター、Katy Kirby(ケイティ・カービー)が、2ndアルバム『ブルー・ラズベリー』からの最新シングル「Party of the Century」をリリースした。この曲は、前作「Cubic Zirconia」と「Table」に続くシングルとなる。以下よりチェックしてみよう。
カービーは声明で「"Party of the Century "は友人のクリスチャン・リー・ハトソンとFaceTimeで書いた」と説明している。「この曲は、スローダンスができるような、ちょっと甘いラブソングになった。この曲は、物理学や反出生主義、気候変動、そして友人をどれだけ愛しているかについても歌っているんだ。この曲をレコーディングした時、バンドに対して、エド・シーランの曲のようなサウンドにするように頼んだんだけど、彼らはそれを拒否したんだ」
ボルチモアのシンセ・ポップバンド、Future Islands(フューチャー・アイランズ)は、アルバム『People Who Aren't There Anymore』のニューシングル「The Fight」を発表した。
この曲は、これまでのシングル「The Tower」、「Peach」、「King of Sweden」、「Deep in the Night」に続く作品です。以下よりチェックしてみよう。
ニューアルバム『People Who Aren't There Anymore』は4ADより1月26日にリリースされる。
「The Fight」
Future Islandsは、サミュエル・T・ヘリング、ウィリアム・キャッションにより2006年に結成された。ゲリット・ウェルマーズ2008年にイギリスのレーベル、Upset The Rhythmからデビューアルバム『Wave Like Home』をリリースした。
2010年には2作目のアルバム『In Evening Air』、2011年には3作目『On the Water』をThrill Jockeyからリリースする。2014年には4ADに移籍し、4作目のアルバム『Singles』をリリース。リードシングル「Seasons (Waiting on You)」はピッチフォークとNMEから2014年のベストソングに選ばれた。
2014年3月に放送されたデヴィッド・レターマンのレイトショーでのパフォーマンスは、同番組のYouTubeで最も視聴された動画となった。2017年に5作目のアルバム『The Far Field』をリリース。
Arlo Parks(アーロ・パークス)が2ndアルバム『My Soft Machine』のデラックス・エディションを発表した。12月8日にTransgressiveからリリースされるこのアルバムには、ジャイ・ポールの「Jasmine」のスタジオ・カヴァーを含む6曲の新録が収録されている。下記よりチェックしてほしい。
ビデオは、曲そのものと同じくらい軽快でのんきなもので、ヤエジが愛犬ジジと一緒にスクーターでニューヨーク中を疾走し、マリオカート風のレースでバナナの皮やその他の障害物をよけている。最近の「For Granted」と「Done (Let's Get It)」のビデオに引き続き、このビデオでもヤエジが監督を務めている。下記よりチェックしてみましょう。
画期的な瞬間にめまぐるしい1年を過ごしたYaejiは、8月に北米とヨーロッパ・ツアーの合間を縫ってスタジオに戻り、そこからこのエキサイティングな新作を発表した。今週、YaejiはWith A Hammerのヨーロッパ・ツアーに出発し、今週土曜日にラウンドハウスで開催される権威あるピッチフォーク・ロンドン・フェスティバルのヘッドライナーを務める。
「easy breezy」
ゴシックロック、ドゥームメタル、フォークミュージックを取り込む新世代のSSW、Chelsea Wolfe(チェルシー・ウルフ)が新作アルバム『She Reaches Out to She Reaches Out to She』を発表。『She Reaches Out to She Reaches Out to She』は2024年2月9日にロマ・ヴィスタからリリース予定。チェルシー・ウルフの作り出す怪しげな世界に魅了されること必須だ。
アルバムの制作発表と同時に、ドゥーム・サウンドを織り込んだダイナミックなハイパーポップ・ナンバー「Whispers in the Echo Chamber」が公開された。また、以前、アルバムの収録曲「Dust」も公開されている。こちらも余裕のある方はぜひチェックしてみてほしい。
リードカット「Whispers in the Echo Chamber」のビデオはコロンビアで撮影された。ウルフはプレスリリースでこのように語っている。
ウォーター・フロム・ユア・アイズは、今年リリースされた『Everyone's Crushed』のフル・アルバム・リワーク『Crushed By Everyone』をMatadorから11月17日にリリースすると発表した。このリミックス・アルバムには、マンディ・インディアナ、ザ・デア、ナリッシュド・バイ・タイムなどによるアルバム収録曲のリワーク、リミックス、カバーが収録されている。
Water From Your Eyes 『Crushed by Everyone』(Remix Album)
Label: Matador
Release: 2023/11/17
Tracklist:
1. Structure (The Cradle Version) 2. Crushed Barley 3. Out There (The Dare Version) 4. Open (Sword II Version) 5. Everyone’s Crushed (Kassie Krut Version) 6. True Life (Nourished by Time Version) 7. Remember Not My Name (Mandy, Indiana Version) 8. 14 (Jute Gyte Version) 9. Buy My Product (fantasy of a broken heart Version)
WATER FROM YOUR EYES – 2023 TOUR DATES October 25-26 – Austin, Texas @ Levitation October 30 – Manchester, UK @ The Deaf Institute October 31 – Glasgow, UK @ The Hug and Pint November 1 – Leeds, UK @ Brudenell Social Club November 3 – Berlin, DE @ Pitchfork Berlin November 5 – Margate, UK @ Where Else November 7 – London, UK @ The Village Underground # November 8 – Bristol, UK @ Dareshack November 10 – Paris, FR @ Pitchfork Paris November 11 – London, UK @ Pitchfork London November 12 – Kortrijk, BE @ Sonic City November 13 – Luxembourg, LU @ Rotondes November 15 – Den Haag, NL @ PAARD November 16 – Amsterdam, NL @ Bitterzoet November 17 – Benidorm, ES @ Primavera Weekender
# w/ bar italia
ボルチモアのシンセ・ポップバンド、Future Islands(フューチャー・アイランズ)はニューアルバム『People Who Aren't There Anymore』の制作を発表し、その中から新曲「The Tower」をミュージックビデオで公開した。People Who Aren't There Anymore』は、4ADから2024年1月26日に発売予定。
CHVRCHESがデビュー10周年記念リイシューをリリースした。10月20日にリリースされた「The Bones Of What You Believe」のエクステンデッド・エディションは、1xLPクリア・ヴァイナル、2xLPブラック・ヴァイナル(ダイカット・スリーブ付)、2xCD、デジタル・フォーマットで発売される。以下でストリーミング試聴をした後、レコード・ショップへお急ぎ下さい。
それから早10年、シュヴァーチェスは4枚のスタジオ・アルバムをリリースし、ザ・ナショナルやザ・キュアらとコラボレーションしてきた。今週、彼らは2013年のデビュー作『The Bones of What You Believe』のアニバーサリーを記念し、未発表曲4曲とリリース当時にレコーディングされたライブ・トラック5曲を収録したスペシャル・リイシューをリリースする。
beabadoobee(ビーバドゥービー)がニューアルバム「Live In London」をリリースした。これは、2022年10月19日にロンドンの象徴的なブリクストン・アカデミーで行われた、彼女のソールドアウトとなった地元でのライヴを完全収録した特別なライヴ・レコーディングだ。ステージ登場時には、観客から鳴り止まぬ「bee!!」のコールが沸き起こった。このことは、Dirty Hit所属のシンガーのイギリスでの不動の人気を象徴付けている。このライブのテースターを下記よりチェックしてみよう。
昨年、シンガーはセカンド・スタジオ・アルバム「Beatopia」をリリースした。それ以来、彼女は単独シングル「Glue」を発表し、4月にはゲスト・ヴォーカルにClairoを迎えた同曲のスペシャル・ヴァージョンをリリースした。さらに最近では「the way things go」を公開している。
「Saving Your All Kindness」では、ソフトな感覚のインディーポップへと転じている。特にこの曲にも、それほど劇的な展開は見られないが、 ギターラインの作り込みや、それを補うシンプルなベース、ドラムがボーカルの内省的なメロディーを絶妙に引き立てている。この曲では、なぜ、彼らがバンドとして活動しているのか、その要因の一端を捉えることが出来るかもしれない。続く「Everything At Once」に関しては、一見すると、ロンドンのインディーポップバンドとそれほど大きな差異を感じないかもしれないが、実際のところは、カイルのスポークンワードを基調にしたボーカルからポップバンガー的な響きに移行する瞬間、鮮やかな感覚を及ぼす。中盤からは、PVAのようなシュプレヒゲサングの歌い方に転じ、ポスト・パンク的な音楽性へと移行する。一曲の中で絶えずジャンルが移り変わるような形式は清新な印象をもたらす。
全般を通して、アートワークに象徴されるペーソスに充ちた感覚は、ジェンナ・カイルのボーカルの主な印象を形成している。「Nothing Left To Lose」では、内省的な感覚が心地よいドリーム・ポップ風のメロディーと結びつく。それらは心の機微を表す糸のように絡まりながら、曲のインディー・ポップの中枢を形成している。展開も簡素であり、Aメロの後すぐに跳躍的なサビのフレーズに移行する。シンプルな対比的な構造は、アンセミックな瞬間を呼び起こす。ベースラインとギターラインの絶妙な和声感覚により、エモーショナルな雰囲気を醸成している。もちろん、こういった曲は、ステージで大きな効果を発揮するポテンシャルを秘めている。
続く「Smile For Me」では、アルバムの序盤の収録曲で暗示的に示唆されていた恋愛観を交えつつ、オルタネイティヴなポップセンスを発揮している。分けても、サビの意味合いのあるボーカルの高音部が強調される箇所では、平均的なインディーポップグループ以上の存在感を示し、バンドのアンサンブルで構成されるポップバンガーを生みだしている。ただ、もしソロであったら、こういった曲にはならないかもしれず、最初期からバンドサウンドの素地を入念に作り込んできた、Josh Longman、Frank Watesのベースとギターのセッションの集大成とも取れる。
以後も、才気煥発なイメージを保ち続ける。「Leave The Light On」では、ソフトなポップセンスをバンドの主要なドリーム・ポップというアプローチと結びつける。それは「Life Gets Better」でも一貫して、良質で親しみやすいポップスを求めるリスナーの期待に応えようとしている。アルバムのクローズを飾る「(coda)」は、クラシックの形式のコーダが取り入れられているが、こういった試みはそれほどわざとらしくは感じられない。いや、それどころか、アルバムを聴き終えた後、切ないセンチメンタルな感覚が目の前を過ぎ去っていくような気がする。
デビュー作『Lost In A Lush Of Emptiness』は、四人組がどうあっても形にならぬものを音楽たらしめた美しき感情の結晶体である。その時々の感覚を大切にしたどこまでも澄んだインディー・ポップという点は貴重で、現在のミュージック・シーンを見るかぎり、鮮烈な印象をもたらす。
「We Are The Female!」はダンスビートの探求が一つの完成を見た瞬間である。この曲では英語の歌詞によるダンスビートのアンセミックな瞬間を生み出そうとしている。カッティングギターのファンクの要素はもちろんのこと、マナ・カナのボーカルの掛け合いは、ある種のウェイブやグルーヴを感じさせる瞬間がある。ステージ映えするような一曲であり、ダンス・ポップバンドの意地を見せる。曲の中盤からは、DEVOのようなスペーシーな展開力を交え、大掛かりなテクノ・ポップへと転じる。「Shut Up」、「Follow Us」といったシンプルなフレーズを交えつつ、宇宙に対して、CHAIは「私達はフェミニストである」と訴えかけるのだ。これらの歌詞とスペーシーなテクノ・ポップの融合は、ロック・バンガー的な雰囲気を帯びる瞬間もある。
「Driving 22」、「Like, I Need」では軽快なノリと現行のガチャ・ポップを融合させた甘いポップが続き、「Karaoke」では、Perfumeのダンス・ポップ、 Rosaliaのアーバン・フラメンコを踏襲し、KAWAIIとして昇華している。クローズ曲のサウンドには、たしかにカラオケみたいな楽しい雰囲気がある。アイドル・ポップ、ガチャ・ポップ、ダンス・ポップをクロスオーバーしたカラフルなサウンドで、CHAIは「ネオカワイイ」の想いを全世界に向け全力でアピールしている。
アトランタのシンガーソングライター、フェイ・ウェブスター(Faye Webster)が、6月の「But Not Kiss」に続くニューシングル「Lifetime」を発表した。この曲は、ブレイン・デッドのカイル・ンが監督したミュージック・ビデオと共に公開された。以下よりチェックしてみてください。
Nation Of Language 『Strange Disciple」
Label: [PIAS]
Release: 2023/9/15
Review
ニューヨークでは、現在、ソロやバンドを問わずシンセ・ポップが盛り上がりをみせている気配がある。ブルックリンのシンセ・ポップ・トリオ、Nation Of Languageもそんな流れを象徴付けている。トリオはプリマヴェーラ、ピッチフォーク・フェスティバル、アウトサイド・ランズ等、世界規模のフェスティバルへの出演を経て、サード・アルバムで一回り成長して帰ってきた。
アルバムのオープナー「Weak In Your Light」のイントロは、クラフトワーク風のレトロなシンセで始まるが、その後を引き継ぐのは、Duran Duran、Human Leagueに象徴される80年代のシンセ・ポップである。 ボーカルはニヒリスティックな感覚もあるが、ボーカルラインには爽やかさと清涼感が迸る。そして一般的に、少し軽すぎる印象もあるニューロマンティック風のアプローチに関して強く惹きつけられるものがある。それはおそらく、彼らの本質がオルタネイトなグループであるためなのだろうか。少なくともトリオは、これまで、Pixies、Replacements,Broken Social Scene等のオルトロックバンドの名曲のカバーを行っていることからも分かる通り、彼らの楽曲のスケールやコード進行の中に若干捻りがある。そのワイアードな感覚がMTV時代のシンセ・ポップと重なり合い、新しいとも古いとも付かない奇妙なポップ・サウンドが生み出されることになった。
通常、リスナーは何らかの期待感を持ってアルバムを聴き始めるものだ。そこで、その後の展開がどのような感じで展開していくかに関わらず、アルバムのオープニングで、作風の意図を明確に示しておく必要がある。この点において、Nation Of Languageはシンセ・ポップのベタなアプローチを図り、グループの音楽のコンセプトを的確に示しているのが美点である。そして、一度、音楽がスムーズに流れ出すと、その後、クリアに展開されていく。「Surely I Can't Wait」では、前の2曲と同じようなアプローチを取っているが、YMOの全盛期に近いスタイリッシュな雰囲気を取り入れることで、ユニークな感覚が生み出されている。そして、旧来の米国のオルト・ロックからの影響は、メロディアスなボーカルラインに、ちょっとした掴み、フックのようなものをもたらしている。これが一度聴いたら耳に残る何かがある要因なのである。
アルバムの序盤では徹底して音楽における規律というのを重視した上、Nation Of Languageは、その後、自由なアプローチを図る。「Swimming in The Shallow Sea」では歪んだオルト・ロック風のギターラインを取り入れ、遊びの部分を設けている。ここでは、ドリーム・ポップのような夢想的な音楽性を押し出し、リスナーを夢見心地の最中に誘う。ただ、それは曲のスタイルが変更されたのではなく、飽くまで、スロウなシンセ・ポップの延長線上で遊び心溢れる志向性が選ばれたに過ぎない。そしてそれは、80年代後半のドリーム・ポップのようなロマンティックな感覚を呼び覚ます。言うなれば、だんだんとアルバムの音楽が深化していくような気分にさせる。
その後も、一貫したアプローチが続く。「Spare Me The Decision」でもレトロなテクノを基調として、それらをメロディアスで叙情的なボーカルと結びつけている。それらの展開はやがてソフトロック/AORのような和らいだ爽やかなボーカルのメロディーラインを擁するサビへと緩やかに変化していく。それほど大袈裟なアクセントや起伏があるわけではないが、メロディーラインは口ずさみやすさがあるため、ライブではアンセミックな瞬間をもたらす可能性がきわめて高い。つまり、この曲は、世界的な規模を持つライブバンドがステージ映えする音楽を生み出そうとした結果生み出されたものなのだろう。ひときわ興味を惹かれるのは、ボーカルの音域が広いわけでも強弱や抑揚をつけるわけでもないのに、強固なグルーブ感が生み出されていること。これはテクノ・ポップという音楽の核心をトリオが熟知しているがゆえなのだろう。もちろん、ステージでのライブ感覚という一つの指針を相携えてのことである。
以後、Nation Of Languageは、「Stumbling Still」においてポスト・パンク的なアプローチをみせる。オーバードライブを掛けた骨太のベースラインで始まるこの曲は、シンセ・ポップと結びつき、最もノイジーな瞬間へ移行する。稀に曲の中に亀裂をもたらすように走るノイズ。しかし、メロディアスな雰囲気を毀つことはない。アルバムの序盤で示されたニューロマンティックのニヒリスティックな雰囲気は、中盤で立ち消えとなった後、終盤のトラックで舞い戻ってくる。その後、The 1975の音楽性に親和性がある「A New Goodbye」で、まだ見ぬ潜在的なファンにアピールし、さらにアグレッシヴなシンセ・ポップ「I Will Never Learn」で力強いエンディングを迎える。
Nation Of Languageのニューアルバム『Strange Disciple』は、そのプロダクションの意図するところがきわめて明確であり、彼らが示そうstyle="max-width: 100%;"とする音楽性が物凄くシンプルに伝わってくる。特に、アルバムのハイライト「Sightseer」は彼らのベスト・トラックと言っても差し支えないのではないか。