デヴィッド・バーン(David Byrne)がニューアルバム『Who Is The Sky?』を発表し、そのファーストシングル「Everybody Laughs」のミュージックビデオを公開した。 

 

元トーキング・ヘッズのフロントマンは、新しいツアー日程も発表した。 「Who Is the Sky?」は、セント・ヴィンセント、パラモアのヘイリー・ウィリアムス、ザ・スマイルのトム・スキナーが参加し、9月5日にマタドールからリリースされる。


キッド・ハープーン(ハリー・スタイルズ、マイリー・サイラス)がアルバムをプロデュースし、ニューヨークを拠点とする室内アンサンブル、ゴースト・トレイン・オーケストラのメンバーが楽曲をアレンジした。 バーンの最後のアルバムは2018年の『アメリカン・ユートピア』で、ブロードウェイ・ショーとなり、スパイク・リー監督のパフォーマンス映画にもなった。


"デヴィッド、君は "みんな "という言葉をよく使うね "って知り合いが言ったんだ。 私たちが知っているニューヨークの生活を人類学的に見るためにそうしているのだと思う」とバーンはプレスリリースで語っている。 「誰もが生き、死に、笑い、泣き、眠り、天井を見つめる。 みんながみんなの靴を履いている。みんながそうするわけじゃないけど、僕はそうしてきた。 特に最後の方では、セント・ヴィンセントと私が一緒に大声を出して歌うんだ。 音楽は、相反するものを同時に保持することができる。 今年の初めにロビンと一緒に歌ったときに、そのことに気づいた。 彼女の歌は悲しいことが多いけど、音楽は陽気なんだ」




バーンはゴースト・トレイン・オーケストラのライブを見て、彼らをこのアルバムに参加させる気になった。 ゴースト・トレイン・オーケストラのリーダーであるブライアン・カーペンターは、「デヴィッドがいくつかのデモを送ってきて、オーケストラのアイデアをまとめてほしいと頼んできたんだ。 カーティス・ハッセルブリングと私は、チャイナタウンの小さなリハーサル・スペースで最初にリハーサルした曲である'My Apartment Is My Friend'を含め、彼の曲をゴースト・トレイン用にアレンジしたラフ・ドラフトをいくつかすぐに書いた。 あの曲で彼が初めて私たちと一緒に歌っているのを聴いたときは、本当に信じられなかった」。


バーンはその後、共通の友人から紹介されたパーティーでキッド・ハープーン(別名トム・ハル)と出会った。 「パーティーでいろいろなことが起こることもある」とバーンは言う。 「レコーディングができるだけいい音であることを確かめたかった。 外部の耳はとても役に立つ。 私が知っている何人かのアーティストはキッド・ハープーンと仕事をしたことがあり、それらのレコードはとてもいい音だと思った。


キッド・ハープーンはこう付け加えた。 「これらの曲は個人的なものだが、人生全般に対するデヴィッド独自の視点が盛り込まれている。 Everybody Laughs'のデモを聴きながらニューヨークを歩くのは、とても楽しいものだった。 デヴィッドについて多くの人の共感を呼んでいるのは、彼がジョークに参加していることだ。 彼はすべての不条理を理解し、これらの個人的な観察はすべて彼の視点なんだ」


「この歳になると、少なくとも僕にとっては、"人がどう思おうが知ったこっちゃない "という態度が生まれるんだ。 もう自分が誰なのか、自分が何をしているのか、なんとなくわかっているからこそ、コンフォートゾーンから一歩踏み出すことができるんだ。 とはいえ、新しい曲のセットは、どの曲でさえも、新しい冒険なんだ。 すべてのコラボレーションがうまくいくとは限らないが、うまくいったときは、私がやろうとしていることを明確に伝えることができたからだと思う。 彼らはうまくいけばそれを理解し、その結果、私たちは今、同じ未知の場所に向かうために一つになろうとしている」

 

 

 

「Everybody Laughs」 

 

 

David Byrne 『Who Is the Sky?』

Label: Matador

Release:  2025年9月5日

 

Tracklist:


1. Everybody Laughs

2. When We Are Singing

3. My Apartment Is My Friend

4. A Door Called No

5. What Is the Reason for It?

6. I Met the Buddha at a Downtown Party

7. Don’t Be Like That

8. The Avant Garde

9. Moisturizing Thing

10. I’m an Outsider

11. She Explains Things to Me

12. The Truth


 

ダン・スナイスが、Daphni名義の「Sad Piano House」と題された新しいテーマ曲を発表した。 
 

「Sad Piano House」はテクノの旋律とビートのパルスを組み合わせて、彼らしい音楽的な才覚を発揮する完璧なコンポジションとなっている。 ダフニの最新アルバム『Cherry』(2022年)が発売から3年が経過したことを考えれば、このアルバムがダフニの新しいLPに向けた最初の一歩となることは言うまでもない。 これが、スナイスが新しいテーマについて語った内容だ。
 
 

「この1年、アルバム『カリブー』を前に出してから、多くのことに悩まされ、必然的にこのセット用に新曲をたくさん制作することになった。それで、これを作ったんだけど、リリースできるかどうか確信が持てなかったから、ベン・ユーフォに送ってみた。 最終的に、この曲を完成させ、発表する機会を得たんだ」 
 
 
「ピアノ・ハウスだから "悲しいピアノ・ハウス "という仮タイトルをつけてみた。 ありきたりなピアノ・ハウスではない。 しかも、この曲の最終的なタイトルがこれとは思ってもみなかった。ラジオ番組の曲名リストに登場する、みんなが質問し始めたとき、このタイトルが浮かんだんだ」
 



「Sad Piano House」

 


セリーヌ・ソング監督の新作映画『Materialists(マテリアリスト)』(A24の配給)にジャパニーズ・ブレックファストことミシェル・ザウナーが新曲「My Baby (Got Nothing At All)」を提供した。


『Materialists』は6月13日海外で初公開。『 マテリアリスト』のサウンドトラックとスコアはダニエル・ペンバートンが制作し、同日にリリースされる。 また、このシネマにはシンガーのベイビー・ローズによる2曲のカヴァーが収録される。1曲はニコとヴェルヴェット・アンダーグラウンドの "I'll Be Your Mirror"、もう1曲はナット・キング・コールの "That's All "だ。


ソング脚本・監督の『マテリアリスト』は、元恋人(クリス・エヴァンス)と新しい恋人(ペドロ・パスカル)の三角関係に巻き込まれたプロの仲人(ダコタ・ジョンソン)を描く。


ミシェル・ザウナーがスクリーン用の音楽を手がけたのはこれが初めてではない。 2024年、彼女はディズニー+マーベルのシリーズ『アガサ・オール・アロング』のために『魔女道のバラード』を録音した。 ザウナーは2021年のビデオゲーム『Sable』のサウンドトラックも制作している。 


ジャパニーズ・ブレックファストは3月に4枚目のアルバム『For Melancholy Brunettes(そして悲しい女性たち)』をDead Oceansからリリースした。 ザウナーとバンドは現在、このアルバムのプロモーション・ツアー中で、11月までアジア、ヨーロッパ、イギリス、北米のファンの前で演奏している。

 

 

「My Baby (Got Nothing At All)」



 

『Materialists』は、アカデミー賞2部門にノミネートされたソングの映画『Past Lives』(2023年)の続編である。 作品賞と脚本賞の2部門にノミネートされた。

 

映画のプロット(あらすじ):  ダコタ・ジョンソン演じるニューヨークの若く野心的なマッチメーカーは、完璧な相手(パスカル)と不完全な元恋人(エヴァンス)の間で揺れ動くことになる。


映画の予告編では、ダコタ演じるルーシーが、彼女のお見合いから生まれた9回目の結婚を祝っている。しかし、彼女自身の恋愛はもっと混乱している。金持ちの独身男性という 「完璧な結婚相手 」に出会った一方で、彼女はまだ元恋人とのつながりを抱いている。女優として大ブレイクすることを期待する中、テーブルで給仕をしている元恋人との接点があることが明らかになる!?




『Materialists』 Soundtrack 


 Tracklist:

1. A Rich Husband

2. Materialists

3. The Non Negotiables

4. The Places You Take Me To

5. A Catch

6. This Is Dating

7. Smoke Break

8. Sophie

9. Unicorn

10. Adore Matchmaking

11. Why Does Anybody Get Married

12. Sophie II

13. Deal

14. My Baby (Got Nothing At All) (by Japanese Breakfast)

15. I’ll Be Your Mirror (Nico and the Velvet Underground cover by Baby Rose)

16. That’s All (Nat King Cole cover by Baby Rose)

Hayden Pedigo  『I'll Be Waving As You Drive Away』

 

Label: Mexican Summer

Release: 2025年6月6日


Listen/Stream

 


Review 

 

テキサスのギタリスト、ヘイデン・ペディゴ(Hayden Pedigo)は、基本的にはフィンガースタイルのアコースティックギターを奏でる。ペディゴのギターの演奏力は卓越しています。ヤスミン・ウィリアムズと併んで、アメリカの現代アコースティックギタリストの中でも最高峰に位置します。


2023年以来のニューアルバムは前作に続いて、『The Motor Trilogy(モーター三部作)』の一環として制作された。三部作の最終作品です。前作『The Happiest Times  I Ever Ignored』 のレビューは時間の関係で飛ばしてしまいました。一般的には今作の方が聴きやすいアルバムだろうと思います。

 

ジェニー・ルイス、デヴェンドラ・バンハート、ヒス・ゴールデン・メッセンジャーらとの2年間にわたるノンストップ・ツアーを経て、制作された最終作には、「本当に人間的な何かがある」とヘイデンは公言する。「フェイスペイントもせず、青い肌もなく、表のキャラクターはキャラクターではない。私は観客に、実際に私に会ってほしい、私が誰なのかを知ってほしいと伝えようとしている」「このレコードの中には、たくさんのレコードが埋もれている...。ラップ・アルバムのように、たくさんのマイクロ・サンプリングが行われている」と彼は結論づける。

 

どうやらヘイデン・ペディゴは、幻想的な情景をギターミュージックで表現したかったようです。その中にはサイケデリックなギターミュージックを制作したいという目論見もあったという。しかしながら、全般的には広大な雰囲気を持つカントリー・ミュージックが複数のギターの録音を通じて体現されているといえるかもしれません。


このアルバムにはアメリカーナというジャンルが、ワールドミュージックの一環として聞かれることを推奨させる何かが存在している。ペディゴはギタリストとして傑出していることはもちろんですが、作曲家としても非凡なセンスに恵まれたようです。彼はアメリカ的な概念を実際の経験を通じて作曲の中に織り交ぜ、それらを的確に印象的な音楽として落とし込む力を持つ。


アルバムの音楽には、イメージの換気力があり、なおかつ聞き手が自由に想像をふくらませるための懐深さもある。そして、今回のカントリーやフォークといったスタンダードな音楽に補足として加えられたのが、レッド・ツェッペリン、キング・クリムゾンなどのUKハードロック、プログレッシヴ・ロックバンドの持つサイケデリアの要素でした。


レッド・ツェッペリンといえば、基本的なハードロックサウンドにインドのカシミール地方のエキゾチックな民族音楽の影響を付け加え、それをバンドのベンチマークのように見立てたことがありました。その影響は、例えば、このアルバムの冒頭に収録されている「Long Pond Lily」に発見することができるでしょう。


ギターはパット・メセニー的なカントリージャズと呼応するようにし、緩やかで広大な音楽的な世界を構築している。イントロはカントリーであった印象が徐々に情景的な変遷を描きつつ、民族音楽のエキゾチズムや彼自身のプレイを通じ、曲のテンポを緩やかにしていき、休符を設けた後、再び、トロットのような軽快なリズムを通じて、この曲は駆け足のように早まると、山岳地帯や草原のような純朴な風景を思わせる雄大なイメージを持つ素晴らしい音楽へと変わっていきます。


エレクトリックギターを積極的に取り入れた前曲とは対象的に、二曲目「All The Way Across」はアコースティックギターの華麗なアルペジオがイントロに配されている。これらの色彩的な和声に関しては前の曲と同じように、パット・メセニーの最初期のカントリージャズを彷彿とさせる。 しかしながら、今回のアルバムは依然として、かのギタリストの牧歌的なイメージを維持していますが、他楽器のボイシングや対旋律に音楽的な面白さが込められています。


例えば、ギターの演奏にちょっとしたピアノのユニゾンを重ねるだけで驚くほど楽曲の印象は様変わりし、どことなくきらびやかでエレガントな雰囲気が漂いはじめる。そしてもちろん、そのピアノの演奏に関しては、ヘイデン・ペディゴの演奏の叙情性を引き出すような働きを担っている。


この曲を聴くとわかる通り、ペディゴは”ギターの魔術師”とも呼ぶべき演奏力を披露しています。変幻自在にテンポを操り、そして休符やアクセントやクレッシェンド/デクレッシェンドをギターの細かなニュアンスの違いだけで表現します。


実際に、音符を弾けているだけにとどまらず、ギターひとつで音楽的な世界観を完結させるという作曲の魅力については、他の一般的なギタリストの演奏では容易に味わい難いものがある。


この三部作を部分的に聴いてきた者の印象として、ヘイデン・ペディゴはアルバムの制作を通して、ギタリストとしての腕を磨いただけにとどまらず、ソングライターとしても著しく成長しているように思えました。


そんな中、感覚的で、心理的な奥深い領域に入り込んだ曲もある。「Smoked」はペディゴとして珍しくマイナー調の一曲で、おそらく彼があまり書いてこなかったタイプの楽曲といえる。哀感のあるフレーズをモチーフにして、副次的なテーマであるサイケデリアと結びつけています。これらの幻惑的な感覚は、ボーカルをあしらったシンセにより神秘的な音楽性を獲得するに至る。


推察するところ、深妙な感覚を擁する音楽を制作したいという作曲家の意図が的確に顕われた楽曲なのでしょうか。そしてそれらは、現代アメリカの音楽において、懐古的な印象を持つ音楽を制作するミュージシャンとは対象的に、彼はサイケデリックな側面からアメリカ人の理想主義を描き出す。


つまり、ペディゴの音楽は、現代アメリカの切実かつ切迫した社会性を鏡のように照合したとき、鋭い説得力を持つにいたる。彼の平和な幻想性こそ、一般的な人々を癒やすパワーがある。これらの幻想性は、ボーカルのようなインストゥルメンタル、そして慟哭のように響き渡る弦楽器の長く伸びやかなレガートにより、今までになく心を揺さぶられるような神妙な瞬間を迎えます。

 

 

さて、もう一つのこのアルバムの魅力は、彼の旧来から培われたカントリー/フォークの牧歌的な感覚、そして広大な国土の情景を反映させたかのような音楽性にある。アルバムのタイトルと呼応するように、さながらツアー時の窓から見えるそれぞれの土地の風景の変化をそのままサウンドトラックにしたような雰囲気を持つ「Houndtooth」こそ、ヘイデン・ペディゴの代名詞とも呼ぶべき楽曲です。


いくつもアルペジオのシークエンスをギターによって丹念に重ねていくだけなのに、これほどまでに音楽的な印象が変化していくのは驚愕である。特に、和声進行が巧みな曲で、自在に短調と長調の平行和音を行き来しながら、その中で、弦楽器とギターがユニゾンを描きます。ボーカルがないのに少し物足りなさを覚えるリスナーですら、これらの和声的な構成が、音楽的な枠組みの中で、どれほど大きな役割を担っているのかを確認できるでしょう。


ヘイデン・ペディゴのギタープレイが最も輝かしい印象を持つのは、ミュート(詳しくはハーモニクスと呼ぶ)、ほとんど音が消え入るような澄んだ響きを放つピアニッシモ、ないしはプリズムさながらに美しいフィンガー・ピッキングの調和的な響きののち、不意に水を打ったような密かな静寂が訪れるような瞬間にある。


「Hermes」では、ギターミュージックのサイレンスの美しさの結晶が、それと対象的なダイナミックなストロークによるアコースティックギターとコントラストを描く時、アルバムのハイライトが訪れます。

 

このアルバムでは、先に述べたように、ギターの演奏はもちろん、弦楽器が大活躍しています。それらは「Small Torch」のように、ギターの繊細な響きを持つアルペジオとユニゾンを描く時、楽曲の印象が驚くほど壮大になり、アメリカのカントリーミュージックらしい勇ましい印象に縁取られる。


ペディゴは、本作について「微量投与のサイケデリック・アルバム」と面白おかしく振り返っていますが、これは彼らしいリップサービスなのではないかと推測されます。本作には、格式高い音楽が通底しており、それはヘイデンによるギターミュージックの様式美とも呼ぶべきもの。本作の最後を飾るタイトル曲でも、ペディゴのカントリーの幻想性は無限回廊のように続く。彼の音楽はきっと、忙しない日常にささやかな治癒と平穏をもたらしてくれることでしょう。

 

 

84/100 

 

 

 

「I'll Be Waving As You Drive Away」


シンガーソングライター、アーティスト、ミュージシャン、プロデューサーと多方面で活躍するParty Nails(パーティー・ネイルズ)がニューシングル「Trigger Warning」をミュージックビデオでリリースした。ノワール・エレクトロポップシングルは、シンセウェーブのエネルギーを放っている。


エリナー・ハウエルズが監督したミュージック・ビデオは、夢のような風景と内省的な肖像画を織り交ぜながら、超現実主義と感情の激動の間を縫っている。 ヴィンテージ調の映像は、ぼんやりとしたVHSテープや幼少期の記憶をフィルターにかけたような、ノスタルジックで別世界のような印象を与える。 映像は、逃避、共同体の発見、内面の探求、変容、超越といったテーマを物語る。


パーティー・ネイルズになる前、エラナ・キャロルはギターを弾くティーンエイジャーで、故郷のニューヨーク州チャタム近郊のオープンマイクで演奏していた。  


自宅で彼女はGaragebandを使って自分自身を録音し、今日まで続く音楽テクノロジーへの愛を植え付けた。 パーティー・ネイルズは2015年、ネオン・ゴールドの有名なブログ「Break」でデビューした。 


2017年の初ツアー(PVRISとLightsとの共演)で熱狂的なファンを獲得し、ライブ・パフォーマンスはマドンナ、ヘイリー・ウィリアムス、シェリル・クロウと等しく、彼女の芸術性の核となる側面であり続けている。  



2020年には、ローレン・ブシャールのアップル・アニメ・シリーズ『セントラル・パーク』のために、時代への誇りを歌った『ロッキン・オン・ザ・ラグ』を書き下ろし、フェミニスト・ロック・デュオのディープ・ヴァリーのために、ル・ティグレを取り入れた『スーパーナチュラル』の作曲とプロデュースを手がけ、他のミュージシャンにもヴォーカルを提供し続けている。(LŪN、アーバン・ヒート、バトル・テープス、ミティス、ゲッターなどが彼女のヴォーカルをフィーチャーしている)。 


彼女の音楽は映画やテレビ(『Glass』、『Girls』、『The L Word: Generation Q(ジェネレーションQ)』、『Nancy Dreaw(ナンシー・ドリュー)』、『Pretty Little Liars(プリティ・リトル・ライアーズ)』でも使用されている。


また、様々なメディア(Billboard、PAPER、Noisey、Earmilk、Pasteなど)で取り上げられ、SpotifyのFresh Finds、Fresh Finds Indie、Undercurrentsなどの編集プレイリストにも収録されている。 ロサンゼルスでレコーディング・スタジオ、Top Coatを運営し、他のアーティストや自身のプロジェクトのレコーディング、プロデュース、ミックスを行っている。


パーティ・ネイルズのサード・アルバム『Pillow Talk』では、キャロルはアイ・ニー・レコーズ(ミュージシャンのホリー・ミランダとAmb.パセリが設立し、ボス・レディのエリッサ・ヤングが鋭い頭脳と安定した手腕を発揮している)と提携している。 


10曲入りのこのアルバムは、レトロなシンセウェイヴ、未来的なエレクトロ・ポップ、みずみずしいインディー・ロックがミックスされた、ジャンルにとらわれないタイムレスかつ先進的なアルバムだ。 『Pillow Talk』では、パーティー・ネイルズが蜂蜜色のパーティー・ムードに包まれている。 


ノワール・エレクトロポップ・シングル「Trigger Warning」は、シンセウェーブのエネルギーを放ち、クロマティックスやザ・ウィークエンドと同様にカヴィンスキーのヒット曲「Nightcall」を思い起こさせる。 虐待的な関係を克服したサバイバーとして歌う詩は、傷と痛み、忍耐と勝利について語っている。


彼女が "you're gonna keep on rising / with the morning sun. "と歌うとき、パーティー・ネイルズは、没入的でありながら親しみやすい音楽の中で、再び相反する感情の力を受け入れるスペースを確保している。 


エリナー・ハウエルズが監督したミュージック・ビデオは、夢のような風景と内省的な肖像画を織り交ぜながら、超現実主義と感情の激動の間を縫っている。 ヴィンテージ調の映像は、ぼんやりとしたVHSテープや幼少期の記憶をフィルターにかけたような、ノスタルジックで別世界のような印象を与える。 ビデオは、逃避、共同体の発見、内なる探求、変容、超越といったテーマを物語っている。 


「ボーイ・フェイズの "Small Talk "ミュージック・ビデオ(昨年私がレコーディングとミキシングを担当した曲)のエリナー・ハウエルズの仕事が大好きで、彼女と仕事をする機会に飛びつきました。 私はこれまで温めてきたアイデアをすべてダウンロードし、彼女にそれを実行するように言った」


「 ''Trigger Warning''は、孤立と孤立からの脱出を象徴する曲なので、私たちは乙女のキャラクターを、逃げ惑い、恐れ、混乱する混沌とした状態から、美しさ、つながり、喜びのある状態へと移行させたかったのです」


クィン・トマショウをDPに、エストレロ・ローをミクストメディアと編集に起用し、エリノアはロサンゼルス東部の硬質なストリート・アートを、エストレラの夢のような花々やテクスチャーと見事に融合させ、夢のような世界を作り上げた。 私たちの乙女は、私の現実の友人であるフェイク・ダッドのクィア・エンジェルに助けられ、天国のナイトクラブに連れて行かれる。 彼らは愛と表現の自由に包まれながら、共に踊る。" 


「Trigger Warning」






Before she was Party Nails, Elana Carroll was a guitar-toting tween, playing any open mic near her hometown of Chatham, New York. At home she recorded herself with Garageband, instigating a love of music technology which continues to this day. Party Nails debuted in 2015 on Neon Gold’s famed blog with Break. 


Her first tour in 2017 (with PVRIS and Lights) ushered in a devoted fanbase, and her live performances continue to be a core facet of her artistry, being equal parts Madonna, Hayley Williams, and Sheryl Crow. In 2020 she wrote Rockin' on the Rag, a song about period pride, for Loren Bouchard’s Apple animated series Central Park, wrote and produced the Le Tigre-infused Supernatural for feminist rock duo Deap Vally, and continued to lend her vocals to other musicians (LŪN, Urban Heat, Battle Tapes, MitiS, Getter, and others have featured her vocals on their releases). 


Her music has been in movies and television (Glass, Girls, The L Word: Generation Q, Nancy Drew, Pretty Little Liars: Original Sin) featured in various media outlets (Billboard, PAPER, Noisey, Earmilk, Paste and more) and included on Spotify Editorial playlists such as Fresh Finds, Fresh Finds Indie, and Undercurrents. 


She operates a recording studio, Top Coat, in Los Angeles, where she records, produces and mixes for other artists as well as her own projects.


''On Pillow Talk'', Party Nails third album, Carroll has partnered with Eye Knee Records (founded by musicians Holly Miranda & Amb. Parsley, with the sharp mind and steady hand of boss lady, Elissa Young). The ten track collection is a genre-bending timeless yet forward thinking album featuring an intoxicating mix of retro synthwave, futuristic electro-pop, and lush indie rock. Pillow Talk finds Party Nails in a honey colored party mood. 


The noir-electropop single "Trigger Warning" radiates with synthwave energy, bringing to mind Kavinsky’s hit “Nightcall” as much as Chromatics and The Weeknd. Singing as a survivor processing her abusive relationship, the verses speak on injury and pain, endurance and triumph. 


When she sings ”you’re gonna keep on rising / with the morning sun.”, Party Nails is once again holding space for opposing emotional forces in an immersive yet accessible piece of music. 


The music video directed by Elinor Howells weaves between surrealism and emotional upheaval, blending dreamlike landscapes with introspective portraiture. The vintage-toned footage feels nostalgic and otherworldly as if filtered through a hazy VHS tape or a childhood memory. The video narrates themes including escape, finding community, inner searching, transformation, and transcendence. 


Party Nails shares, " I loved Elinor Howells' work on Boy Phase’s “Small Talk” music video (a song I recorded and mixed last year) and jumped at the opportunity to work with her. I downloaded all of my ideas I’d been brewing on and told her to run with them. 


“Trigger Warning” is a song that encapsulates isolation and moving out of isolation, so we wanted to have the damsel character move from a chaotic state of running and fear and confusion, to one of beauty, connection and joy. 


With Quinn Thomashow as DP and Estrello Lo on mixed media and editing, Elinor masterfully infused the gritty street art of eastern Los Angeles with Estrella's dreamy flowers and textures to create a dream-like world. Our damsel is rescued by my real-life friends, Fake Dad (check out their music!), queer angels who bring her to a nightclub in Heaven. Together they dance, surrounded by love and freedom of expression." 

 

Matteo Cantaluppi(マッテオ・カンタルッピィ)は彼自身の主宰するイタリア国内のレーベル、Cassisからのアンビエントのニューアルバムをアナウンスした。『Inequal』は6月20日にBandcampで先行リリース、7月18日にCassis Records(Orchard配給)でストリーミング配信される。 
 
 
Matteo Cantaluppi (マッテオ・カンタルッピィ)はイタリアの作曲家/プロデューサー/ミュージシャン。2015年にBiglietto per l'Infernoの前身バンド、Baffo Banfiとシンフォニック・エレクトロニックアルバム『Frontera』をリリース。


エクスペリメンタル・アンビエント・トリオPCM、エレクトロニック・デュオBROKEN、及び、Spokenのメンバーとして活動している。ミラノ市民大学音楽研究所(IRMUS)にて音楽制作を行い、自身のレーベルから作品を発表している。


『Inequal』は、左パート1、左パート2、右パート1、右パート2の4つのパートからなるアンビエント・ディスコ。成功した2つのラテイルではなく、1つの内的空間における2つの平行なプロスペティヴである。精密さと気軽さが共存する、思索的で非計量的なオペラである。 


''パート1 "はより明確な形式を踏襲し、"2 "はジェネレイティブな要素とアリーテーターを導入している。すべてがミラノのMono Studioで録音・制作した。このアルバムはすべて432Hzでレコーディングされた。 その結果、ゆったりとした、没入感のある、個性的なサウンド体験が得られる。その結果、ゆったりとした没入感のあるサウンドが生まれた。


432Hzは「ソルフェジオ周波数」とも呼ばれ、一般的には癒しの効果があるとされている。俗説にすぎないが、一部のクラシックの作曲家、例えば、モーツァルトなどの作品にはこの周波数が含まれていると言われている。近年では医学などの分野でも注目を集めている。因みに現代のCDなどの一般的な音楽作品は440Hzで統一されている。


”Inequal”は、アンビエント・サーチ・ラインに位置し、次のようなリファレンスがある。ハロルド・バッド、アリオ・ダイ、アリエル・カルマ、ジェフレ・カントゥ=レデスマなど、ジェネレイティブな要素を基調とする、このアルバムは、ハロルド・バッド、アリオ・ダイ、アリエル・カルマ、ジェネラルな要素、ミニマルなアプローチ、メロディックな感性に影響を受けている。

 

このアルバムは、80年代のニューエイジ・フェミニン・シーン、特にスザンヌ・シアンのようなアーティストの影響を受けている。カンタルッピィはスザンヌ・チアーニ、ジョアンナ・ブルーク、ポーリン・アンナ・ストロームなどを参照している。 

 


An ambient album in four parts: left part 1, left part 2, right part 1, right part 2.Not two sides in succession, but two parallel perspectives of the same inner landscape.


''Inequal'' is a contemplative and asymmetrical work, where structure and randomness coexist. The “part 1” tracks follow a more defined shape, while the “part 2” tracks introduce generative and aleatory elements.


The album was entirely recorded and produced by Matteo Cantaluppi at Mono Studio in Milan,using 432 Hz tuning. The result is a suspended, personal sound experience, conceived for slow and immersive listening. 


432 Hz is also known as the “solfeggio frequency” and is generally believed to have healing properties. Although only a myth, it is said that some classical composers, e.g., Mozart, include this frequency in their works. In recent years, it has also attracted attention in medicine and other fields. In case you are wondering, common musical works such as modern CDs are unified at 440 Hz.


Inequal is part of a personal ambient research path, drawing inspiration from artists like HaroldBudd, Alio Die, Ariel Kalma, and Jefre Cantu-Ledesma, combining generative elements, minimalism, and melodic sensitivity.


It is also influenced by the female New Age scene of the 1980s, in particular Suzanne Ciani, Joanna Brouk, and Pauline Anna Strom.


Out on June 20 exclusively on Bandcamp, and on July 18 on all streaming platforms via Cassis Records (distributed by The Orchard) the new ambient album by Matteo Cantaluppi.


Mateo Cantaluppi 『Inequal』


Label: Cassis
Release: 2025年7月18日 (Bandcampでは6月20日に配信) 


Tracklist:

1. Left - part 1

2. Left - part 2

3. Right - part 1

4. Right - part 2



 Mateo Cantaluppi:


マッテオ・カンタルッピは、イタリアで最も有名なプロデューサー、作曲家、サウンド・エンジニアである。サウンドエンジニア。 イタリアン・ポップスの代表的なミュージシャンたちと共演し、アンビエント・ミュージックと肩を並べる。


n5MD(USA)、Healing Sound Propos.(USA)、Healing Sound Propagandist(USA)、White Lab Recs(UK)、Fallen Moon Recordingsからリリースを行っている。


AMSレコードからアルバム『Frontera with Baffo Banf』(Biglietto per l'Inferno / Klaus Schulze)をリリース。また、カシス・レコード&パブリッシングの設立者でもある。ミラノ市民大学音楽研究所(IRMUS)にて音楽制作を行う。現在、ロバート・ワイアットの映画製作に携わっている。



Matteo Cantaluppi is one of the most renowned producers, composers and sound engineers in the Italian music scene. Alongside a successful career in pop production, he has developed a parallel path in ambient and experimental music, with releases on international labels such as n5MD (USA), Healing Sound Propagandist (USA), White Lab Recs (UK) and Fallen Moon Recordings (USA).


He released the album Frontera together with Baffo Banf (Biglietto per l’Inferno / Klaus Schulze) on AMS Records, and is the founder of the label and publishing company Cassis Records &Publishing.


He teaches Music Production at IRMUS (Research Institute of Music) at the Scuole Civiche di Milano, and is currently working on a film project about Robert Wyatt.



ボストンを拠点に活動するシンガーソングライター、Staci Gruber(ステイシー・グルーバー)はニューシングル「Be Kind With My Heart」において、アメリカーナとは何かを世に問う。ステイシー・グルーバーはすでに一度ご紹介していますが、ハーバード大学で医学研究を行う傍ら、音楽活動を展開している。

 

このカントリー・ミーツ・アメリカーナ・チューンはナッシュヴィルでレコーディングされ、エリック・ハルビッグ(タイ・ハーンドン、ジェイミー・オニール)がプロデュースした。 このエモーショナルでゴージャスなバラード曲は、裏切りや不倫の余波と、それに伴う感情的な感情をテーマにしている。 グルーバーはこの新曲について次のように教えてくれた。


「喜び、悲しみ、愛、喪失感。 それらは私たちを定義し、進化させるのに役立ちます。 私たちは皆、失恋したり、裏切られたと感じたりしたことがある。 Be Kind With My Heart』は、失われた愛の中でどんな役割を演じようとも、優しさが鍵なのだ、という気持ちを響かせています」


ステイシー・グルーバーは、ボストンを拠点に活動する変幻自在のアーティストで、その類まれなる音楽的才能、及び、ストーリー性のあるソングライティング、そして感情的な深みは、リスナーの心に深く響きわたる。 彼女の作品は、個人的な体験と他者の感情的な物語をシームレスに絡め、孤独、寂しさ、希望といったテーマを探求する深い音楽的つながりを生み出している。


音楽は幼い頃からステイシーの人生の本質的な部分であった。 内気で内向的な情熱から始まり、クローゼットの中で個人的に歌っていた音楽は、小学校で初めてソロ曲「クリスマスの12日間」を披露したとき、力強い歌声へと急速に開花した。 その時、ステイシーは自分の本当の声を発見し、それ以来一度も振り返ったことはなかった。 


幼少期を通じて、ステイシーはフレンチ・ウッズ・フェスティバル・オブ・ザ・パフォーミング・アーツで夏を過ごし、音楽への深い愛をさらに確かなものにした。 

 

タフツ大学とニューイングランド音楽院の先駆的な5年間のデュアル・ディグリー・プログラムで、クラシック声楽科からジャズ研究科に移行した最初の人物となったとき、ステイシーの旅はユニークで野心的な方向へと進む。 この独特な教育的背景は、彼女の多面的な芸術性を形成し、演奏家としても作詞家としても多才な才能を磨いた。 


アン・マレーからバーブラ・ストライサンド、カレン・カーペンター、KDラング、ビリー・エイリッシュ、ピンク・ナンシー・ウィルソン、ジョン・コルトレーンなど、彼女の影響を受けた音楽は多岐にわたり、さまざまなジャンルが彼女独自の音楽の背景に浸透している。 その結果、彼女は様々な音楽スタイルやテイストを演奏するGBの人気バンドのリード・ヴォーカルとなった。 


ボーカリストとして音楽キャリアを花開かせる一方で、ステイシーはハーバード大学医学部の有名な教授として、また、マクリーン病院の先駆的な神経科学者として、まったく別の分野でも卓越した業績を残している。 大麻に関する画期的な研究において、彼女は幅広い症状におけるカンナビノイドの長期的影響の理解に焦点を当てている。 


ステイシーの研究は、臨床試験に影響を与え、様々な病状に対する大麻の潜在的な利益について重要な洞察を提供する実データを生み出し、ゲームチェンジャーとなっている。



ステイシーは、ダン・エイクロイドとブルース・ブラザーズとの共演、ビリー・ジーン・キングのための賛歌の作詞、マイケル・オーランドとのコラボレーションによる大規模なイベントでの演奏などで成功を収めている。 

 

音楽と研究を通して、ステイシーは、音楽の変容力であれ、医学的解決法の科学的探求であれ、つながりの力を例証している。 

 

「音楽は、人々が感じるべきことを感じる手助けをすることができるのかもしれません......。私はいつも、音楽によって人々が他の誰かの視点を理解できるようになることを願っています」と彼女は語った。



「Be Kind With Your Heart」


 


Staci Gruber is a transformative Boston-based artist whose exceptional musical talents, storied songwriting, and emotional depth resonate deeply with her listeners. Her work seamlessly intertwines personal experiences with the emotional stories of others, creating a profound musical connection that explores themes of isolation, loneliness, and hope.
 
 
Music has been an intrinsic part of Staci’s life from an early age. What began as a shy, introspective passion—singing privately in her closet—quickly blossomed into a powerful voice when she performed her first solo, "12 Days of Christmas," in elementary school. It was then that Staci discovered her true voice and has never looked back. 
 
 
Throughout her childhood, Staci spent summers at the French Woods Festival of the Performing Arts, which further solidified her deep love for music. 
 
 
Staci’s journey took a unique and ambitious turn when she became the first person to transition from the classical voice program to the jazz studies department in a pioneering five-year dual-degree program at Tufts University and the New England Conservatory of Music. 
 
 
This distinctive educational background has shaped her multifaceted artistry and honed her versatility as both a performer and a songwriter. 
 
 
Her diverse musical influences range from Anne Murray to Barbra Streisand, Karen Carpenter, KD Lang, Billie Eilish, Pink Nancy Wilson, John Coltrane and more, seeping various genres into her own unique musical melting pot. This led to her becoming a lead vocalist in a popular GB band that performed an eclectic range of musical styles and tastes. 
  
 
While her musical career flourished as a vocalist, Staci also achieved distinction in a completely separate field as a renowned Harvard Medical School professor and pioneering neuroscientist at McLean Hospital. 
 
 
In her groundbreaking work on cannabis, she focuses on understanding the long term impact of cannabinoids across a wide range of conditions. Staci’s research has been a game-changer, generating real-world data that has influenced clinical trials and provided critical insights into the potential benefits of cannabis for various medical conditions.
 
 
Staci Gruber’s new country meets Americana single "Be Kind With My Heart" was recorded in Nashville and produced by Erik Halbig (Ty Herndon, Jamie O'Neal). The emotive and gorgeous ballad tackles the aftermath of betrayal or infidelity and the reletable emotions that ensue. 
 
 
She shares, "Each one of us experiences so much throughout our lives- joy, sorrow, love, loss. They help to define us and allow us to evolve. We’ve all been heartbroken and felt betrayed, wondering if we’ll make it through. Be Kind With My Heart echoes the sentiment that no matter what role we play in lost love, kindness is key".
 

Staci has found success performing with Dan Aykroyd and the Blues Brothers, writing an anthem for Billie Jean King, and performing at several large events with collaborator Michael Orland. Through her music and her research, Staci Gruberexemplifies the power of connection – whether through the transformative power of music or the scientific exploration of medical solutions—and reminds us all that no matter where we are, we are never truly alone. 
 
 
She shares, “Maybe music really can help people feel things they need to feel… I always hope that music allows people to understand someone else’s perspective – empathy in its truest sense.” 
 

Neutral Snap

 

ニューオリンズのポップパンクのアウトフィット、Neutral Snap(ニュートラル・スナップ)はニューシングル「Danny ACOG」をミュージックビデオと同時にドロップした。

 

通常、日本の一般的なパンクファンは、アメリカの本国でスマッシュヒットしたバンドの曲を聴くことが多いはず。しかし、この曲はベースメントのパンクバンドの生々しい雰囲気をどこかに留めている。ある意味では、リアルなストリートの空気感を放つパンクロックソングなのだ。


 A Day To Rememberのトム・デニーとの共作であるこの曲は、片思いという時代を超えたストーリーを、パンチの効いたリズム、シャープなフック、生々しくもメロディアスなヴォーカルを、甘いシロップでコーティングしたかのように、爆発的な音楽のミサイルにパッケージ。この痛快なトラックでは、怒りと若さゆえの楽観主義の間の感情的なスイートスポットを突いている。


ルイジアナ州ニューオリンズ出身のNeutral Snapは、南東部のポップパンク・パワーハウスだ。 彼らのエネルギーは、2005年のGusherのコマーシャルと表現するのが最適で、キャッチーなフック、ハードなリフ、ノスタルジックなブレイクダウンをルイジアナ州内外に届けている。 

 

最近、彼らはロブ・フリーマン(Hidden in Plain View)と共に”オーディオ・パイロット・スタジオ”に足を踏み入れ、『I Hardly Know Her』EPを制作した。 この曲集は、ノスタルジックなポップ・パンク・サウンドを完璧にとらえ、少しエネルギーとプロダクションを加えた。

 

これらの曲で、ニュートラル・スナップは初めて他のアーティストとコラボレーションを行った。トム・デニー(ア・デイ・トゥ・リメンバー)、フレッド・マシェリーノ(テイキング・バック・サンデー、セイ・エニシング、ザ・カラー・フレッド)らが制作に協力している。 "I Hardly Know Her "は、再登場したサウンドの新鮮なテイクで、すぐに心を掴み、吸い込まれる。


ニュートラル・スナップは今後ツアーを開催する。テキサス、ミシシッピ、ロサンゼルスで小規模のライブステージをこなす。ツアー日程は下記より。



「Danny ACOG」

 




Hailing from New Orleans, Louisiana, Neutral Snap is the pop punk powerhouse of the southeast. Their energy can best be described as a 2005 Gusher’s commercial, bringing catchy hooks, hard riffs, and nostalgic breakdowns to Louisiana and beyond. 


Recently, they stepped into Audio Pilot Studio with Rob Freeman (Hidden in Plain View) and created the “I Hardly Know Her” EP. The collection of songs perfectly captures the nostalgic pop punk sound with a little extra energy and production. 


These songs were the first time Neutral Snap collaborated with other artists as well, having Tom Denney (A Day to Remember), Fred Mascherino (Taking Back Sunday, Say Anything, The Color Fred) and others assist in the songwriting process. “I Hardly Know Her” is a fresh take on a re-emerging sound that immediately grabs you and sucks you in.


Their new single "Danny ACOG" was co written w/ Tom Denney, A Day To Remember, and is a timeless story of unrequited lust packaged in a sugar-coated explosive musical missile with punchy rhythms, sharp hooks and raw but melodic vocals, hitting that emotional sweet spot between angst and youthful optimism.



▪Neutral Snap Tour Date:
 

・June 5th

TX Tea Room Dallas, TX

・June 14th

Brewsky's Hattiesburg, MS

・June 26th

No Dice New Orleans, LA w/ Dana Ives

・June 27th

Rock 'N' Bowl Lafayette, LA

・June 28th

Emo Nite Republic New Orleans, LA

・July 3rd-5th

The Library Oxford, MS

・July 18th

Skybar Auburn, AL

 

 

Weekly Music Feature: Lifeguard   -2025年の期待の新星がシカゴから登場-




Lifeguardは2025年度の最も有望なバンドであり、今後の活躍がとても楽しみな存在である。

 

アッシャー・ケース、アイザック・ローウェンスタイン、カイ・スレイターの若さ溢れるトリオ、Lifeguard(ライフガード)は高校生時代から一緒に音楽を制作してきた。 パンク、ダブ、パワーポップ、エクスペリメンタルなサウンドから触発を受け、それらを爆発的なインスピレーションでまとめ上げる。 メンバーのひとり、アッシャーは、同じくシカゴで活動するポストパンクバンド、FACSのブライアン・ケースの息子である。アッシャーは、父親の豊富なレコードコレクションを通じて、若い時代からミュージシャンとしてのセンスに磨きをかけてきた。また、父親のロックやパンクに対する理解、これはアーシャーのベーシストとしての素養を形作った。


つい2年前の夏、マタドールから発売されたライフガードのEPは、バンドの初期のスタジオでの探求を注意深く記録したものだった。しかし、ローウェンスタインのロック・ステディなバックビートに支えられた彼らの驚異的なライヴ・ショウは、より大きなモーメントが待ち受けていることを暗示していた。 デビュー作『Ripped and Torn』では、有刺鉄線のように刺々しいサウンドが、スレーターとケースの新しく豊かな2声のハーモニーとコラジステの歌詞を縁取っている。 プロデューサーのランディ・ランドール(ノー・エイジ)は、ハウス・パーティーやライヴの感覚とエネルギーを想起させる閉所恐怖症的なスクラップ感を表現している。


ライフガードのプロジェクトは単なるバンド以上の意味が求められる。総じて、何かを表現し、それらを一つの形にするためにこのプロジェクトは存在している。それはもしかすると、社会や学校、そして一般的な常識や固定概念から乖離しているほどに、重要な意味を持つようになる。ライフガードのプロジェクトは、自由、ノイズ、メロディーが直感的な形を見出す特異で親密な空間である。 「物理的なメリットは、私たち全員が一緒にやっていることなのかもしれない」とスレーターは説明する。 「つまり、音楽を作ることの即時性を生み出すことに尽きるんだ」

 

デビューアルバム『Ripped and Torn』について、アメリカの音楽評論家、デイヴィッド・キーナンさんは次のように評論している。

 

スコットランドの伝説的な同名のパンク・ファンジンからタイトルを取ったとか取らないとか.......。 あるいは、ロック・ライターのレスター・バングスが、ペレ・ユビュの創始者である故ピーター・ラフナーが "引き裂かれた感情の戦火の中で "死んだと主張した、引き裂かれたTシャツを指しているのかもしれない。 


あるいは、メロディック・ポストパンクと高速ハードコアを猛烈に不安定化させるこのトリオの手法を指しているのかもしれない。それは、ドレッド・フール&ザ・ディンのようなバンドがめったに思いつかないような方法による、荒々しい即興的な歌の形式をマジー・ガレージのメステティックスと再び結びつけるような、ゼロ年代の美学への恩義を示すものかもしれない。


いずれにせよ、ライフガードは、ガレージ・バンドのファースト・ウェーブのような絶対的な真摯さを自分たちの音楽に賭けている。 半分謡い、半分歌うヴォーカルは催眠術のようだ。 かれらの曲は説明されるのではなく、まるで祓われるかのように、ベースのアッシャー・ケース、アイザック・ローウェンスタインがほとんどリード楽器のように演奏するマシンガンのようなパーカッション、そしてカイ・スレーターが絶え間なく旋回するリズム・セクションに浴びせる火炎放射器のように激しいギターによって、メロディーは空中から直接引き抜かれていく。 


実際、このトリオは、古典的なミニマリズムによる脳をかき乱すような魔術的な魅力を介し、暗黙の重心(ヘヴィネス)を中心に構築する。 実験的な作品である "Music for Three Drums"(スティーブ・ライヒの『Music For 18 Musicians』を引用しているのは間違いない)、"Charlie's Vox "は、ライフガードのヴィジョンの広さを明らかにし、デッドC、クローム、スウェル・マップスのようなマージン・ウォーカーの前衛的な要素を取り入れた、コラージュされたDIY音楽である。


しかし、そもそも、曲の質が伴わなければ、これらすべては単なる思い上がりになるだろう。 タイトル曲の "Ripped & Torn "は、タイトルのもうひとつの意味を示唆している。 バンドが一丸となって、孤独な亡霊からの伝言のように歌われる歌に感情的な蹂躙を加えている。


 "Like You'll Lose "は、重厚なダブ/ダージ・ハイブリッドの上に、ドリーミーなオートマティック・ヴォーカルとスティーリーなファズを組み合わせ、さらに深みを増している。 「一方、"Under Your Reach "は、"Part Time Punks "の頃のザ・テレビジョン・パーソナリティーズのUK DIYを彷彿とさせるが、よりThis Heatに近づけるような、過激なサウンドを追求している。 


ノー・エイジのランディ・ランドールによるプロダクションは、最高にムーディー。 「T.L.A.」で彼らは本当に「調子のいい言葉が浮かんでくる」と歌っているのだろうか? もしそうだとしたら、ライフガードは、歌について歌い、演奏について演奏することができ、そのアプローチの貪欲さゆえに、私が多くの言及を投げかけているにもかかわらず、プレイヤー自身の相互作用の外には何も指し示さない音楽を作ることができる、稀有なグループの1つだということになる。


そして確かに、そんなことができると信じていること自体に甘さがある。 しかし、おそらく私がこの作品全体を通して追い求めているのは、ライフガードが彼らの音楽にもたらす開放性のクオリティなのだ。 この3人が中学/高校時代から一緒に演奏していることからも分かるように、彼らの音楽は若々しくて、重荷がなく、自分自身に忠実で、比較されることを厭わない。 


ライフガードは、アンダーグラウンド・ロックを人生と同じくらい真剣に演奏しているが、若さは音楽の質で、年齢によるものではないと確信させるほど、遊び心にあふれた熱意を擁している。 彼ら自身の引き裂かれた感情の火炎に巻き込まれるようなサウンドで、ライフガードは私をもう一度信じたいと思わせる。(''デヴィッド・キーナン「Ripped and Torn」について語る''より)



Lifeguard 『Ripped and Torn』 -Matador



 

ローリング・ストーン誌で特集が組まれているのを見るかぎり、アメリカ国内では彼らのデビューは好意的に受け入れられているらしい。米国のインディーズロックの有望株であることは間違いない。ライフガードの『Ripped and Torn』はデビュー作に相応しく、鮮烈な印象に縁取られている。そして、近年稀に見るほどの”正真正銘のDIYのロック/パンクアルバム”であることは疑いない。

 

インディーズミュージックは商業性を盛り込んだとたん、本来の魅力を失うことがある。しかし、このアルバムでは、ガレージロック、ニューウェイヴ、インダストリアルノイズ、ハードコアパンクを横断しながら、彼らにしか構築しえない強固な世界観を作り上げている。それは社会も常識も、また、固定概念すらおびやかすことは出来ない。それほどまでに彼らのサウンドは強固なのだ。そもそも、音楽が洗練された瞬間、パンクロックは本来の魅力を見失い、その鮮烈な印象が陰りを見せる。これをデイヴィッド・キーナンさんは「若々しさ」と言っているが、荒削りで完成されていない、完成形がどうなるかわからないという点にパンクの本質が存在する。それはそれぞれの生命のエナジーの放出ともいえ、模倣とはまったく無縁なのである。

 

『Dressed In Trench EP』ではライフガードの本領がまだ発揮されていなかった。正直なところをいうと、なぜマタドールがこのバンドと契約したのかわからなかった。しかし、そのいくつかのカルト的な7インチのシングルの中で、グレッグ・セイジ率いるWipersのカバーをやっていたと思う。Wipersは、カート・コバーンも聴いていたガレージパンクバンドで、アメリカの最初のパンクバンド/オルタナティヴロックの始まりとする考えもある。これを見て、彼らが相当なレコードフリークらしいということはわかっていた。それらのレコードフリークとしての無尽蔵の音楽的な蓄積が初めて見える形になったのが「Ripped and Torn』であろう。このデビューアルバムには、普通のバンドであれば恥ずかしくて出来ないような若々しい試みも行われている。

 

しかし、ロックとは形式にこだわらないこと、そして、先に誰かがやったことを覆すことに一番の価値がある。とくに、ライフガードの音がすごいと思ったのは、一般的な常識や流行のスタイルを度外視し、それらにカウンター的な姿勢を見せ、自分たちが面白いと思うことを徹底的にやり尽くすことである。そして、曲の歌詞で歌われる主張性ではなく、音楽そのものがステートメントになっている。彼らは基本的には体裁の良いことを言わないし、そういった音楽を演奏しない。けれど、そこに信頼を寄せるべき点があるというか、異様なほどの期待を持ってしまうのだ。

 

「A Tightwire」

 

 

 

ライフガードのデビューアルバムに関しては、年代を問わず新旧の音楽が絡み合うようにして成立している。アルバムの冒頭を飾る「1-A Tightwire」はUKパンクを下地にし、モッズロックの若々しい気風が漂う。ポール・ウェラー擁するThe Jamのアートパンク、そして、UKガレージロックの最重要バンド、The Boys(日本のミッシェルガンエレファントが影響を受けたという)の疾走感のあるロックソングを組み合わせた青々しく鮮烈な印象を持つパンクロックソングである。The Jamを彷彿とさせる鮮烈なアートパンクの嵐が吹き荒れる中、シカゴらしさが登場し、苛烈な不協和音を織りまぜたギター、ハードコアパンク風のシャウトがアンセミックに叫ばれる。間違いなくこのアルバムのハイライトとなるであろう素晴らしいオープニングソングだ。

 

本作では、デビューアルバムで示されるべき、若々しさが直情的に表現されている。曲作りに関しては、協和音(4/8のリズム)、不協和音(3/6のリズム)のセクションを交互に配置し、徐々に熱狂的なエナジーを増幅させる。彼らの曲がスタジオやライブハウスで生み出されることを伺わせるリアルなロックソングだ。各楽器の音作りやリズムの作り込みの凄まじさは、他の追随を許さない。

 

タイムラグを設けず、一曲目から続いている「2-It Will Get Worse」は、デモソング風の荒削りなガレージパンクソング。アルバムの冒頭の熱狂性を追加で盛り上げるような働きを成している。この曲にはアメリカの60年代後半の原初的なガレージロックの熱狂が反映されている。しかし、ボーカルはラモーンズのようにメロディアスであり、西海岸風の旋律捌きが見いだせる。パワーコード/オクターブのユニゾンを多用するパンキッシュなギター、そして、ギターのベースラインを描く通奏低音のベース、ドタバタしたドラムのプレイにも注目である。この曲はハイスクールバンドとして始まったライフガードのドキュメントのような役割を担う。ラモーンズの映画『Rock 'n Roll High School』のリアル版ともいえる若々しい感覚に満ち溢れている。

 

 

 

 「It Will Get Worse」

 

 

 

複数の収録曲には、インタリュードが設けられ、前衛的なノイズで縁取られている。ピックアップ/アンプから発生させたリアルなノイズが「3-Me and My Flashes」に収録されている。ライブの直前のサウンドチェックのような瞬間、それもまだ機材の扱いになれていなかったような時代のノイズを独立した曲のセクションの間に挿入し、ライブバンドとしてのDIYの気風を反映する。こういったアヴァンギャルドな試みは本作の後半でも再登場する。これらのノイズの要素は、キャッチーなパンクロックソングの中にあってアンダーグランドの匂いを強調させる。

 

「4-Under Your Reach」は、Replacements(リプレイスメンツ)の「Within Your Reach」を彷彿とさせる曲名だ。ダブという側面において、インスピレーションを受けているのかもしれない。しかし、全般的には、インダストリアルノイズの印象に縁取られ、Big Black/Shellacのようなアンダーグラウンドの雰囲気に満ちている。動きのあるベースでダブのイントロを作った後、スティーヴ・アルビニのような金属的なギターが加わり、ニューウェイヴの楽曲が組み上がっていく。

 

しかし、ライフガードの曲は複雑な楽曲構成から成立しているが、全体的には聴きやすさがある。それはなぜかといえば、こういった実験的で不協和音やノイズを強調させつつも、ボーカルのメロディー性を維持しており、ビーチ・ボーイズのような爽快なコーラスが聴きやすさをもたらすからだ。3人のメンバーを総動員するボーカル/チャントの洗練度は、テキサスのBeing Deadに比する。一方で、これはライフガードが”Bar Italiaの再来”であるとする不敵なメッセージなのだろう。そして、フラワー・ムーブメントの時代から受け継がれるシスコのサイケの要素が、独特な幻想性をもたらす。最終的には、DEVO/Rolling Stonesのような古典的なニューウェイヴ/サイケロックの要素と結びついて、カルト的であるが、奥深い楽曲が作り上げられる。ここには西海岸/東海岸の両方の文化に触発された中西部の雑多性がうかがえるような気がする。

 

 

「5-How to Say Deisar」はあまりにもかっこいい。Gang Of Four(ギャング・オブ・フォー)を彷彿とさせる不協和音のギターのイントロから炸裂し、ドラムのタムのジョン・ボーナム風の即興的な演奏が続く。これらは、ギター、ベースのパートを巻き込んで、カオティックハードコアへの流れを作り上げていく。無謀でしかない試みであるが、ギター、べース、ドラム、各パートの演奏技術が傑出しており、そして、ジョニー・サンダースを彷彿とさせる甲高いシャウトとベースラインがこれらの荒唐無稽なサウンドに落ち着きと規律をもたらす。「How to Say Deisar」は、言い換えれば、スタジオでの即興的な演奏で得られた偶発的な音のマテリアルを手がかりにして、それらをまとめたかのようである。全般的にはコラージュの要素があるにせよ、基本的にはスタジオのライブセッションから成立していることに変わりない。二者のボーカルの受け渡しや同音反復のベースラインが次のセクションの呼び水となり、騒擾(USハードコア)と憂鬱(UKニューウェイヴ)を変幻自在に行き来する。つまり、ハードコアパンクとニューウェイブの二つの曲をシークエンスとして直結させたという感じで、これは先例がない。

 

アルバムの序盤では、モッズロックやビーチ・ボーイズのような音楽性を絡めて、比較的、商業的な音楽性もはらんでいるが、中盤以降の収録曲ではアンダーグラウンドの音楽性が顕著になる。

 

ドラムの4カウントから始まる「6-(I Wanna) Break Out」はストップ・アンド・ゴーをギターで表現しながら、This Heat、Pere Ubu、Wireといったハードコアパンクが誕生する前夜のポストパンクを復刻している。録音に緊張感があり、バンドとして、一触即発のムードが漂う。またそこには、自分たちの音楽に信頼を置いている印象があり、驚異的なことをやっているという自負もある。トリオのエナジーがバチバチとぶつかりあうような独特な空気感は、ライフガード特有のものだろう。不協和音に対する耐性、そしてノイズのセンスはFACSにも全然引けを取らない。かりに老獪なポストパンクをテクニカルに体現させるのが、FACSであるとすれば、Lifeguardの場合は、それらをある種無謀にも思える若々しさと衝動的なエナジーで体現させる。

 

 

「(I Wanna) Break Out」はバンドのスナップショットを収めており、瞬間的な輝きを放ってやまない。ギターの不協和音、ボーカルのシャウトも強烈なのだが、ベースのアッシャーの演奏が圧倒的である。こういった不協和音がデビューアルバムでは幾度も登場し、奇しくも、それはFACSのノイズパンクと共鳴を繰り返しながら、「Post-Albini Sound(次世代のアルビニサウンド)」を象徴付けるかのように出現する。 続いて、「7-Like You'll Lose」は、そういったサウンドをベースにし、ストーンズのリバイバルソングを作るかのように、UKロックの幻想的な雰囲気を加えている。ライフガードの場合、ニューウェイヴの不協和音がサイケデリアと共鳴しながら、幻惑的なロックのイメージを増幅させ、アシッド・ハウスのような幻惑的なイメージに結びつく。これらのアーティスティックな感性こそ、ライフガードの最大の武器でもあるのだ。

 

「8-Music For 3 Drums」はタイトルこそ、スティーヴ・ライヒの名曲のオマージュであるが、見方を変えれば、''二人のスティーヴに対するリスペクト''とも言える。音楽的には、 Boredomsのツインドラムのノイズの実験性をミニマリズムと結びつけ、Melt Bananaのような荒唐無稽なカオティックハードコアへと昇華させている。電子音楽のパルス音を、こともあろうにドラムを中心に組み立てる。これぞ''アヴァンギャルドの中のアヴァンギャルド''と言えるだろう。アルバムの最終盤に登場する「9-Charlie's Vox」も同じように、これらの一連のインタリュードに属している。独立した曲と続けて聴くと、どのように曲のイメージが変化するかを確かめてみていただきたい。これらは少なくとも、ライフガードの不協和音の要素と合わせて、三人組としてのシンボリズムの役割を成している。もちろん、それは暗示的な意味合い、メタファーに過ぎない。真面目なのか、不真面目なのかわからないミステリアスな部分もこのバンドの魅力である。

 

UKのニューウェイヴ/ポストパンクの末裔とも言える曲が「10-France And」である。This Heat、Chromeような不協和音も目立つが、全体的な楽曲としては、本文の冒頭にも挙げたように、The Jamのようなアートスクールに通っていた学生がやるアートパンク、The Boysのような青春味あふれるガレージロック、そして、Minor Threat(マイナー・スレット)に影響を及ぼし、USハードコア・パンクのルーツともなったWireの『Pink Flag』に象徴される乾いた質感を持つパンクロック、さらには、Wipersのようなグランジ/メタルと地続きにあるガレージパンク、そういった年代を隔てない彼らの音楽的な好みを基礎として、現代的なロックバンドの性質が付け加えられて、ライフガードのオリジナリティ溢れる音楽が完成する。いや、それはまだ完成するどころか途上にあるのかもしれない。少なくともインディーズミュージックの意義を再訪するとともに、ロック/パンクというジャンルには無限の可能性が眠っていることを示唆するのである。 

 

一般的にデビューアルバムでは自分たちが何者なのかを示す必要があり、鮮烈なイメージが含まれるに越したことはない。鮮烈なイメージとは、世界に対して好奇心に満ちあふれているという意味であり、それがそのまま若さや青々しさに繋がる。同時に、爽快な印象を及ぼすのである。それこそまさしく虚無的な感性が氾濫する世界に対する”強烈なカウンター”になり、''大きな希望''にもなる。アルバムの終盤にも素晴らしい曲が収録されている。聞き逃し厳禁である。

 

タイトル曲「11-Ripped + Torn」はロックソングとしてまことに素晴らしい。初心者が最初にギターをケーブルでアンプと繋いで、音が出力された時のような初々しい感動に満ちている。おそらく、ライフガードにとってロックすることは当たり前ではないのだろう。彼らの音楽は、ローリング・ストーンズやビートルズの時代のように新しい驚異に満ちあふれている。これらのモッズ・ロックやアート・パンクに見出すことができる紳士的な初々しさは、Pink Floyd、The Whoの最初期の作品や、The JamのようなUKロックの名盤のアルバムでしか味わったおぼえがない。

 

アルバムのクローズ「12-T.L.A」では、アメリカの西海岸のパワーポップ/ジャングルポップのクラシックな音楽性を盛り込んでいる。ただ、方法論はレモン・ツイッグスと似ているとはいえ、やはりライフガードらしい繊細な感性と若々しい希望に満ちあふれている。このアルバムをゲットした人々はきっと、「ライフガードと出会ってよかった!!」と実感するにちがいない。

 

 

 

 

92/100 

 

 

「Rippeed + Torn」- Best Track

 

 

 

▪Lifeguardのデビューアルバム『Ripped and Torn』は本日、Matadorより発売されました。

 

MOON Seung-Keun, Untitled, 1980
LEE U-fan, Untitled, 1995KURODA Taizo, White Porcelain Vase, c. 2002




東京・原宿を拠点とするオークションハウス NEW AUCTIONは、2025年6月28日(土)に第9回目となる公開型オークション「NEW 009」を開催いたします。NEW009では、カタログを2つに分けて作品をご紹介いたします。


 
作品が生まれた時代も表現方法も多様ですが、山口 勝弘の〈ヴィトリーヌ〉、グレン・ライゴンの〈プロローグ〉シリーズ、5人の作家が南画廊の志水 楠男に捧げたポートフォリオ、Helmut Newton(ヘルムート・ニュートン)が撮影したDavid Bowie(デヴィッド・ボウイ)、田名網 敬一の4mの大作〈無限宇宙〉など、数多くの素晴らしい作品が集まりました。

 

 

''それぞれの作家や制作者が、どのような思いで世界を捉え、作品を生み出してきたのかを想像しながら作品をご覧いただけると光栄です。 


また、作品をコレクションすることは、その方の世界を広げていくことにつながると信じています。多くの人の手や想いによって伝えられてきた今回の作品も、そのきっかけの一つとなれば幸いです。-New  Auction''

 

 

UMEZAWA Kazuki, A Certain Mankind's Super Landscape DXDX L / DXDX C / DXDX R, 2012 AOKABI Saya, 20210221, 2021


 ●主な出品作品


Glenn LIGON(グレン・ライゴン) / Andy WARHOL(アンディ・ウォーホル) / Marilyn MINTER(マリリン・ミンター) / Helmut NEWTON(ヘルムート・ニュートン) / Alex KATZ(アレックス・カッツ) / Mark RYDEN(マーク・ライデン) / Joseph BEUYS(ヨーゼフ・ボイス) / Frank Lloyd WRIGHT(フランク・ロイド・ライト) / Christo(クリスト) / 武田 鉄平 / 田名網 敬一 / 藍嘉比 沙耶 / KYNE(キネ) / 岡崎 乾二郎 / 瀧口 修造 / 関根 伸夫 / 梅沢 和木 / 猪瀬 直哉 / スクリプカリウ落合 安奈 / 合田 佐和子 etc...



●オークション情報

「NEW 009」

プレビュー

会期 : 2025年6月21日(土)- 6月27日(金)

時間 : 11:00 - 20:00

(最終日のみ17:00まで)

会場 : SAI 

住所:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前 6-20-10

住所:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前 6-20-10 RAYARD MIYASHITA PARK South 3F

 

オークション

会期 : 2025年6月28日(土)

時間:START 13:00 -(OPEN 12:30-)

会場 : SAI 

住所:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前 6-20-10

住所:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前 6-20-10 RAYARD MIYASHITA PARK South 3F


 


●ABOUT NEW AUCTION


INTRODUCTION:


2021年6月、東京の文化発信地である原宿を拠点に新たなアートオークションハウス 「NEW AUCTION」 がスタートしました。 私たちは従来のアートオークションという枠組みに縛られることなく、 新しい体験、 新しい価値観を提供することを目的とし、 オークションの可能性を、 原宿から世界に向けて拡張していきます。

 

APPROACH:


NEW AUCTIONでは、またアートマーケットの持続的な循環を促すための「アーティスト還元金」 の仕組みを導入している日本唯一のオークションハウスになります。 ご落札された作品の著作権者に対してアーティスト還元金を独自にお支払いすることで、NEW AUCTIONを通じた取引が少しでもアーティストの支援に繋がることを目指します。

NEW AUCTIONでは、国内外の様々なコレクターやギャラリー、ディーラーと独自のネットワークを構築すると同時にファッション、カルチャー、建築、食、インフルエンサーなど業界を超えたチームとの連携を積極的に取り入れ、作品を最大限にプロモーションいたします。

 


ブルックリンを拠点に活動するヴォーカリスト、マルチ・インストゥルメンタリスト、ソングライター、プロデューサー、俳優であるミカエラ・ストラウスのプロジェクト、ニューヨークのキング・プリンセスが、3枚目のアルバム『Girl Violence』のリリースを発表した。

 

パルチザンのインプリントであるセクション1からの初のリリースとなる『Girl Violence』は9月12日にリリースされ、リード・シングル「RIP KP」は本日リリースされる。


ジェイク・ポートレイト(リル・ヤッチー、アレックス・G、アンノウン・モータル・オーケストラ)、そしてアイレ・アトランティカ(ブレイクスルー:SZAの 「Low」)とのコラボレーションで制作されたこのキング・プリンセスの新譜は、彼女の世界が崩壊した後、ストラウスが自由を求めて戦い、脚光やメジャー・レーベルのシステムから身を引き、解散し、引っ越し、そして彼女が生まれ育ったニューヨークに戻るというピースを拾い上げたサウンドだ。

 

そのすべてを経て、彼女はどうにかして誤解と戦い、自分自身への強い回帰の中で、自分が作るべき運命のアルバムを作る主体性と創造的精神を見出した。常に過小評価され続けてきた彼女は今、その肩の傷を武器に、『Girl Violence』の手綱を握る。


ウォーレン・フーが監督したリード・シングル「RIP KP」のビデオでは、キング・プリンセスが自分だけの地獄、特に悪魔的な、そして極めてゲイ的な、死後の世界の虚無の中にいる。この曲自体が、アルバムを特徴づけるステートメントのひとつとなっている。エロティックな陶酔感に溢れ、キング・プリンセスの声が欲望にひび割れる「RIP KP」は、彼女がこれまで考えた中で断トツにセクシーなカットだ。ストラウスは、欲望の奔放な淵を無謀なまでに切り裂きながら、「RIP KP」を跨いでいる。

 

 

「RIP KP」 

 

 

 

 

 

King Princess 『Girl Violence』

 


Label: Partisan

Release: 2025年9月12日

 

1.Girl Violence
2.Jaime
3.Origin
4.I Feel Pretty
5.Cry Cry Cry
6.Get Your Heart Broken    
7.Girls
8.Covers
9.Say What You Will
10.RIP KP
11.Alone Again
12.Slow Down and Shut Up
13.Serena 

 


ニューヨークのオルタナティヴロックバンド、Frankie Cosmos(フランキー・コスモス)は、6月27日に全世界で発売予定のアルバム『Different Talking』から、アルバムのオープニングトラック「Pressed Flower」の公式ビデオを公開した。 アダム・コロドニーが監督したミュージックビデオには、コメディ界のアイコン、トレイシー・ウルマンがバンドメンバーと共演している。

 

フランキー・コスモスのフロントマン/シンガーであるグレタ・クラインは、「トレーシー・ウルマンがこのビデオに出演してくれるなんて夢のようです。 彼女は私が知っている中で一番面白い人だし、彼女が演じるすべてのキャラクターに愛と深みと気遣いを与えてくれる」と述べている。


「彼女と一緒にドレスアップごっこをして、このマンハッタン人の大混乱を引き起こすキャラクターを見つけることができて、とても楽しかった。 監督のアダム・コロドニーは、私たちのクレイジーなコンセプトに完璧な枠組みをもたらしてくれた」

 

「私にとってこの曲は、自分が誰なのかを知ること、振り返りながら前に進むこと、思い出がロケーションに与える影響を感じることを歌っている。 ビデオは、誰かが変装してニューヨーク中を走り回り、(私のバンドが演じる)地元の人々に混沌とした出来事の連鎖を引き起こす」


『Different Talking』はバンドの6枚目のアルバムであり、今のところベスト・アルバムである。 断片的な記憶、思い出の場所、再解釈された感情が、明晰でハミングするような全体像に集約されている。加齢と時の流れをテーマにした、頑丈で世俗的なインディー・ロック・レコードでありながら、鋭く現在を感じさせる。


フランキー・コスモスの現在のメンバーは、グレタ・クライン、アレックス・ベイリー、ケイティ・ヴォン・シュライヒャー、ヒューゴ・スタンレー。 


クラインは唯一不変の存在だが、スタンリー、ベイリー、フォン・シュライヒャーは重要なコラボレーターで、「グレタ・クライン」と「フランキー・コスモス」の名前を使い分けるのは正しくないだろう。 クラインは依然として主要なソングライターで、バンドは全体として『ディファレント・トーキング』の楽曲をアレンジしている。しかし、このアルバムは、外部のスタジオ・プロデューサーを起用せず、ユニットによるセルフ・トラックで制作された初のアルバムである。


バンドはワールド・ツアーを発表し、北米公演は9月3日から10月25日まで行われる。 Fantasy Of A Broken HeartとMoontypeが9月3日から9月20日までの第1レグをサポートし、Chris Cohen & Emily Yacinaが10月9日から10月25日までの第2レグをサポートする。 その後、バンドはイギリスとEUに戻り、Babehovenをメイン・サポートに迎えて、7公演をこなす。

 

 

「Pressed Flower」 



▪️FRANKIE COSMOS、ニューアルバム『DIFFERENT TALKING』を発表 6月27日にリリース