Nine Inch Nailsのフロントマン、トレント・レズナーは、イーロン・マスクによるTwitterの買収を「恥ずべき行為」と呼び、11月20日(日)にソーシャルメディアプラットフォームからアカウントを消去している。


マスク氏はTwitter買収の取引を終えて以来、同社のスタッフの半分を解雇し、月額8ドルの青色認証チェックマーク料を導入し、残ったスタッフに対してオフィスに戻るか仕事を辞めるかの最後通告を行い(その後一部撤回)、ドナルド・トランプ氏のアカウントを復活させた。


トレント・レズナーは、彼とアティカス・ロスの新作映画「Bones and All」の音楽を宣伝している間、The Hollywood Reporterから、マスクのもとでのTwitterの現状について尋ねられると、「恥ずかしさだよ」とナイン・インチ・ネイルズのフロントマンは答えた。「私はもうすぐ出発する。億万長者クラスの傲慢さが、自分たちが入ってきてすべてを解決できるかのように感じことは必要ないんだ」


さらに、トレント・レズナーは、マスクが会社を買収するずっと前からツイッターを辞めようと考えていたと付け加えた。

 

「彼が関与していなくても、私はそれが有毒な環境になっていることがわかる。私の精神的な健康のために、私はチューニングアウトする必要がある。もはや、そこにいるのは気分が悪いんだよ」


日曜日、トレント・レズナーはこの発言に責任を負い、自身のツイッターアカウントを停止した。実はレザーはそれほどTwitterを使用していなかった。しかし、彼のアカウントには160万人のフォロワーがおり、彼は主要なソーシャルプラットフォームを放棄し、自分の主義主張を貫いている。


『Bones and All』のオリジナル・スコアは金曜日に公開される。ナイン・インチ・ネイルズは最近クリーブランドで画期的なライブを行い、セットの最後にクラシック・メンバーが戻って一握りの曲のパフォーマンスを行った。

 


 LAを拠点に活動するエクスペリメンタルR&Bアーティスト、serpentwithfeet(サーペントウィズフィート)が新曲「My Hands」をリリースしました。

 

この曲はAnimal Collectiveの新作映画「The Inspection」のサウンドトラックにボーナストラックとして収録されています。この曲は、Sensei Buenoがプロデュース、Animal Collectiveが参加、StemsMusic Choirがボーカルを担当しています。試聴は以下から。


 プレスリリースによると、The Inspectionは、脚本家兼監督のElegance Brattonの人生をベースに、家族からも機会からも排除された若い黒人男性、Ellis Frenchを描いているとのことです。

 

「エリスは自活するために海兵隊に入隊し、新兵訓練所では、彼の行く手を阻む物理的な障害以上のものに遭遇する」


「”The Hands”は献身的な曲です」とserpentwithfeetは声明で説明しています。「映画の終わりには、エリス・フレンチは強い自己意識を持ちながらも、感受性や楽観性を失わない。それを歌詞と音楽で反映させたかったんだ」


 『The Inspection』は12月2日にワイドリリースされる。Animal Collectiveの映画音楽は現在発売中です。

 

 

Dave Rowntree


 Blurのドラマー、Dave Rowntree(デイヴ・ロウントゥリー)が、ソロ・デビュー・アルバム『Radio Songs』からの4thシングルとなる「Tape Measure」を公開しました。この新曲には、Juliyahがボーカルとして参加しています。


Dave Rowntreeはこのシングルについて、「Anxiety - 内なる混乱と恐怖という不快な感情」と語っています。

 

「私たちは基本的に群れをなす動物で、主な防衛戦術は逃げたり隠れたりすることです。鋭い爪や歯で闘うこともない。そのため、私たちは危険に対して過敏になっている。私たちは、影の中に形を見、火の中に顔を見ます。災害は常に我々の意識の灰色の縁に潜んでいる。良い面では、ゾンビの黙示録が起こったとき、我々不安な人々はすでに隠れていて、独りよがりのノーマンたちは脳みそを食われることになる」


先週、Blurは来夏にウェンブリー・スタジアムで一回限りの再結成公演を行うことを発表したが、これは7年以上ぶりのヘッドライン・ショーとなる。


 


 ロサンゼルス出身のシンガー・ソングライター、Phoebe Bridgers(フィービー・ブリジャーズ)の、京都でのアコースティック公演を含む3都市で初の来日ツアー開催が決定しました。

 

フィービー・ブリジャーズは、LA出身のシンガー・ソングライター。11歳の時にソングライティングをはじめ、地元LAで地道にライブ活動を続けていたところ、ライアン・アダムスの目に留まり、彼のプロデュースでデビューEP『Killer』をリリース。

 

2017年12月にミツキやスロウダイヴが所属する米名門レーベル<Dead Oceans>よりデビュー・アルバム『ストレンジャー・イン・ジ・アルプス』をリリースし、ジョン・メイヤーやパラモアのヘイリー・ウィリアムスなど名だたるアーティストから絶賛され、その年の年間ベストアルバム、ベストアーティストに軒並みランクインを果たし話題をさらった。これまでにキャット・パワー、ミツキ、ジュリアン・ベイカー等とのツアーを経験し、昨年からはジュリアン・ベイカー、ルーシー・ダカスとタッグを組みboygenius(ボーイジーニアス)としても活動している。

 

公演情報は事前に変更になる場合もございます。必ず、下記のSMASHの公式サイトをご確認下さい。日程、チケットの詳細については下記の通りです。

 

 


Phoebe Bridgers  -REUNION TOUR-

 


・2023年 2月18日(土) 京都 MUSE (Acoustic)


・2023年 2月20日(月) 大阪 NAMBA HATCH


・2023年 2月21日(火) 東京 Zepp DiverCity


 

 

SMASH: https://smash-jpn.com/


 Pole  『Tempus』

 

 

 Label: Mute

 Release: 2022年11月18日

 

 

Review

 

 

ドイツ/ベルリンのプロデューサー、ステファン・ベトケは、既に長いキャリアを持つ電子音楽家で、ドイツのテクノ・ミュージックの伝統性を受け継ぐミュージシャンとして知られている。2000年代後半に発表した、三部作『I』『Ⅱ』『Ⅲ』において、このサウンド・デザイナーの持つ強固な個性を見事な電子音楽として昇華した。この三部作は、コンピューターシステムのエラーを介して発生するグリッチを最大限に活かした傑作として名高い。冷徹なマシンビートが重層的に組み合わされて生み出される特異なグルーブ感は、ベトケの固有の表現性と言えるだろう。


先週金曜日に発売された『Tempus』は、ステファン・ベトケ曰く、2020年の前作アルバム『Fading』の流れを受け継いだもので、その延長線上にあるという。しかし、2000年代の三部作とは異なる作風を今作を通じてベトケが追い求めようとしているのは、耳の肥えたリスナーならばきっとお気づきのことだろう。ステファン・ベトケは、今回の制作に際して、母親の認知症という出来事に遭遇したのを契機として、その記憶のおぼつかなさ、認知症の母に接する際の戸惑いのような感覚を、今作に込めようとしたものと推測される。しかし、記憶というのは、常に現在の地点から過去を振り返ることによって発生する概念ではあるが、ーー過去、現在、未来ーー、と、ベトケは異なる時間を1つに結びつけようとしている。これが何か、本作を聴いた時に感じられる不可思議な感覚、時間という感覚が薄れ、日頃、私達が接している時間軸というものから開放されるような奇異な感覚が充ちている理由とも言えるのである。


今作のアプローチには、2000年代のグリッチ/ミニマルの範疇には留まらず、実に幅広いベトケの音楽的な背景も窺える。そこには、メインとするグリッチの変拍子のリズムに加え、CANの『Future Days』のクラウト・ロック/インダストリアルへの傾倒もそこかしこに見受けられる。他にも二曲目の「Grauer Saound」では同じベルリンを活動拠点とするF.S. Blummのようなダブへの傾倒も見られる。しかし、ベトケの生み出すリズムは常に不規則であり、リスナーがリズムを規定しようとすると、すぐにその予想を裏切られ、まさに肩透かしを喰らってしまう。そして、ダブのようにリバーブを施したスネアの打音が不規則に重ねられることによって、ダブというよりもダブステップに近い複雑怪奇なグルーブ感が生み出される。聞き手はステファン・ベトケの概念的なテクノサウンドに、すっかり幻惑されてしまうという始末なのである。

 

アンビエントに近いテクスチャーにこういったダブに近いリズムが綿密に組み合わされ、『Tempus』の音楽性は構築されていくが、時に、これらの楽曲にはジャズに近いピアノのフレーズが配置され、これが無機質なアプローチの中に、僅かな叙情性を漂わせる理由といえる。しかし、それらのフレーズは常に断片的であり、何か人間の認識下に置かれるのを拒絶するかのような、独特な冷たさが全編を通じて漂っている。このあたりの没交渉的な感覚にクールさを見出すかどうかが、この最新アルバムを好ましく思うかの分かれ目となるかもしれない。

 

『Tempus』は、かなり前衛的なアプローチが図られており、聴く人を選ぶというより、聴く人が選ばれる、というような作品となる。しかし、この近未来へのロマンチシズムを思わせるようなアプローチ、モダン・インダストリアルな雰囲気の中に、今回の制作において、ステファン・ベトケの構想した、過去、現在、未来を1つに繋げるという、SFの手法が上手く落としこまれているのもまた事実だ。ステファン・ベトケは、リズムの面白さを脱構築的に解釈し、あえて不規則なリズムをランダムに配置することによって、自身の不安めいた感覚を電子音楽として表現しようとしているように思える、それは彼の内面の多彩性がこのような複雑な形で表れ出たとも言える。

 

最新作『Tempus』において、ドイツテクノシーンの最前線に位置するステファン・ベトケは、新しい立体的な電子音の構築を試みているが、彼の模索する新たなリズム構築の計画は未だ途上にあると思われ、今作で、ステファン・ベトケの最新の作風が打ち立てられたと考えるのは、やや早計となるかもしれない。しかし本作は、CANを始めとする、プリミティブなクラウト・ロックを現代的な視点から電子音楽により再構築したアルバムとして、多様な解釈を持って聴き込めるような作風となっている。


78/100


 

 


 ドライ・クリーニングは、元々が売れ筋を狙ったロックバンドとしてとは言えないが、イギリスで最も期待されるべきロックバンドである。その理由は実際の音楽を聴くと、よく理解出来る。彼らの音楽は常に自由で、アート形式を重きに置いている。歌詞は常にシュールである。もともと、フローレンス・ショー以外は他のロックバンドで活動していた。その後、アートの研究を行っていたショーをボーカリストとして招き、ドライ・クリーニングを名乗り活動するようになった。

 

フローレンス・ショーは歌うことに恥ずかしさを感じていたので、メンバーの進言があり、スピーチのスタイルを取り入れるようになる。スピーチというよりはスポークンワードに近い。この音階の変化に乏しいが叙情的なスポークンワードに、The Jam、Public Image Limitedのようなアートパンクの要素に加え、サイケデリックロックの性質を持つサウンドが多彩に展開される。

 

一般的に見れば、ドライ・クリーニングの音楽は難解であり、ニッチであると言える。これに異論を唱える人はそれほど多くないと思う。しかし、重要なことは、ドライ・クリーニングはどちらかと言えば、オルタナティヴといえる存在ではあるにせよ、UKのニューウェイブの核心にある音楽性を受け継いでいる。つまり、曲風はオルタナティヴであるが、歴史的に見れば、メインストリームに位置するバンドなのである。

 

そして、ドライ・クリーニングの2021年のファースト・アルバム『New Long Leg』は、アートパンクやニューウェイブの核心をついた快作である。このバンドの音楽性に地元のロンドンや他の地域の耳の肥えたUKのヘビーリスナーが飛びつかないはずはなかった。本人たちがかなりマニアックで売れないだろうと考えていたにもかかわらず、一般的なリスナーにも浸透し、予測していた以上の注目を浴びることになった。そして、このことに大きな戸惑いを感じているのが、ドライ・クリーニングのフロントパーソンのフローレンス・ショーであったというのだ。

 

ドライ・クリーニングは、2021年末にモンマスシャーのロックフィールド・スタジオでセカンド・アルバムの初期レコーディング・セッションを行っている最中、ボーカルのフローレンス・ショーは人生の中に大きな変化が生じたのを感じていたという。静かな時間に携帯電話を見ていると、アルバム・オブ・ザ・イヤーのリストが次々と目に飛び込んできたのだ。そこにはドライ・クリーニングの名前が挙がっていた。


「ちょっとびっくりした」とフローレンス・ショーはこの時のことについて回想する。「自分の中では、自分たちがやっていることの聴衆はかなりニッチだという考えが常にあったのですが、いくつかのリストを見て、それを想像するのが難しくなりました。緊張を鎮めるのに時間がかかった」


ドライ・クリーニングにとって、Covid-19のパンデミック期の社会的無関心は、彼らの急成長の現実を部分的に遮蔽していた。ポストパンク・リヴァイバリズムの避雷針であり、彼らのトレードマークである飄々とした雰囲気は、彼らの時代、2020年の精神をはっきりと捉えていたのだ。


フローレンス・ショーの無表情な歌詞は、ジェームス・ジョイスのような自由形式の潜在意識の流れで歌われている。最初のアートパンクの要素に加え、独特なスポークンワードの様式を新たに取り入れ、これまでに存在しえなかった新しいニューウェイブをミュージック・シーンにもたらした。つまり、それこそがデビュー・アルバム「New Long Leg」が絶賛された主な理由であった。しかし、彼女の文章がいかに好評を博しているかに注目が集まり、新しいトラック群を書き上げる作業は、突然、より複雑なものになった。「明らかに、自分自身を表現し、喜ばせようとする代わりに、聴いている人たちのほうに、心が傾き始めるの。私は聴衆のことはあまり考えません。その方がいいものが書けると思うから。だから、それが少し厄介になりました」




 先月4ADからリリースされたアルバム「Stumpwork」ではプロモーションビデオを見ても分かるとおり、かなり制作が難航を極めたようだ。フローレンスショーは、レコーディングスタジオの壁に、アイディア代わりの短い言葉を書き留めたメモ用紙を貼付け、そのアイディアを何度も見ながら練り上げ、それに深度を加え、他の三人のメンバーと何度も入念に音合わせをしながら、レコーディングに臨んだ。フローレンス・ショーにとって、歌詞は単なる詩を書くというのではなく、何らかの小さい概念を重層的に積み上げていく作業といえる。そして、完成作品を見ると、フローレンスの歌詞と人柄は全くそのままに、彼女のシュールで非連続的なストーリーテリングがより抽象的になっている。「Anna Calls From The Arctic」に登場するエンポリオ・アルマーニのビルダーから、タイトル曲「Stumpwork」のゴミにしがみつく若いカップルまで、「Stumpwork」は狂気のディテールと奇妙なシュールレありスティックなイメージで溢れかえっている。そしてこれらの概念が音楽の向こうから降り注いでくるようにも思えるのである。


音楽的にも、Dry Cleaningはこれまで以上に自分たちの奇妙さに傾倒している。それはより内的な表現性に達したと言える。「Hot Penny Day」では、Madlibのようなヒップホップのクレートディガーから引用したと思われる深いファンクのグルーヴを取り入れ、他にも、「Driver's Story」では、物憂げで辛抱強く、ストロングなカットで、おそらく初めてバンドが自信を持ってすべての感情を表現している。

 

 

セカンド・アルバムでは音の出し方が手探り状態であった前作よりダイナミックな変化を遂げたことについて、ベーシストのLewis Maynardは次のように語っている。「最初のアルバムを発表したことで、僕たちはいろいろな方向に行けることがわかったし、『Stumpwork』ではそれをさらに実行することにしたんだ。よりエクストリームなジャングル・ポップ、よりエクストリームなストーナー・ロック、よりエクストリームなアンビエントを目指したんだ」。ギタリストのTom Dowseも二作目の制作において大きな心変わりがあったことを認めている。「1枚目のアルバムでは、すべてのテイクが完璧でなければならないと考え、緊張して、頭の中が真っ白になってしまったんだけど、2枚目のアルバムでは、そのプロセスをより信頼できるようになり、大きな視野で見ると、常に細かいポイントまで見ているわけにはいかないということに気づいたんだ」



「Stumpwork」は、今年最も期待されたアルバムリリースであると同時に、最も満足度の高いアルバムの一つでもある。このアルバムは、Dry Cleaningのキャラクターがその隅々にまで書き込まれている。それは他のアーティストとの出会いや、実際の会話において、自分たちの存在が他と何が違うのかについて以前より深い認識を重ねた。しかし、それはよりバンドの音楽性の原点をあらためて確認することにも繋がったのだという。「私たちは、製作時に、何人かのヒーローに会い、彼らの何人かと、私たちの仕事について話をすることが出来た。そのことは良い方に転じたはずです」とTom Dowseは言う。「でも、バンドとして、仕事のやり方、お互いの関わり方、それは変わらない。今でも同じように作曲しているし、ダイナミックさも同じだよ」


セカンド・アルバムでのフローレンス・ショーの歌い方は、これまでと同様に独特だ。しかし、「Gary Ashby」と「Don't Press Me」では、繊細な歌声を聴かせる場面もあり、エモーショナルな側面を垣間みることが出来るが、「これは実は違う要素なんだ。私の歌は、少なくとも私にとっては、私の話し言葉のようなものとは少しだけ異なる質を持っています。私は、歌の才能があるわけではありませんから、その歌にはある種の特質があるのです。歌に取り入れたいものがあれば、そこに持っていきます。あるいは、もっとバカバカしい曲のために歌を使うこともある場合もある。いろいろな理由があるけれど、本当に歌っていることが楽しいんだ」


フローレンス・ショーは、「Kwenchy Kups」のようにバスで蚤の市に行ったときでも、ブリストルの街を少し歩いたときでも、一日のうちに不完全な思考の断片や、過ぎ去った内的考察を記したメモを集めておく。全体的な効果としては混乱が生じますが、日常生活の具体的なディテールがこれらの歌詞に散りばめられている。時折、現代的な感情(「何も機能せず、すべてが高価で不透明で私物化されている」と彼女は「Anna Calls From The Arctic」で述べている)が含まれるが、それでもフローレンスは、彼女の歌に広いメッセージを読み取るように私たちを誘惑する。むしろ、セカンド・アルバムでのフローレンス・ショーの切れ切れな歌詞は、現実から遠ざかるのではなく、現実に近づいており、ますます混乱する現代生活に完璧に寄り添うものとなっている。イングランド銀行の資産売却やギルト債の償還率など、理解しがたいことを理解することが求められる現代において、フローレンスの散漫で熱狂的な文章には不思議な心地よさがある。彼女の騒動のどこかに、我々が切望する答えがあると信じると、慰めにもなる。そして、さらに良いのは、現実の生活の厳しい現実とは異なり、ドライ・クリーニングでは、あなたが見つけたどんな真実も、他のものと同様に正当なものであるということなのだ。


「それはリスナー次第でしょう」と、彼女は心強く言っている。「多くの人が曲の意味について話してくれます。そして、曲には何の意味もない、あるいはランダムだと思う人もたくさんいる。でも、私はそのどれもが好きだし、どう捉えられても構わないと思っている。たまに、私が言いたいことを正確に理解してくれる人もいますが、私はあまり明確に理解してもらうために書いているわけではありません。もし、包括的なメッセージがあるとすれば、政治や人生に関することではなく、個々の心の面白さや有効性を感じてほしい、というようなことでしょうか」



この原則はバンド全体にも当てはまる。Dry Cleaningは、リスナーが自分たちの音楽に反応するときにどう感じるべきかを規定するのではなく、両者が会話に参加したときに最高のつながりが生まれると信じている。つまり、観客が参加することにより、ドライ・クリーニングの音楽性はいかようにも変化する。聞かせるという場所に据えてしまうのではなく、自由に聴くということ、幅広い考えを持って聴いてくれるということ、それをバンドは重視しているのだ。

 

「私たちのメッセージは、直接的であったり、率直であったりするものではありません。私はこう感じるから、あなたもこう感じるはずだ "というようなことを言う必要もありません。むしろ、リスナーが曲を完成させられるような演奏スタイルなんだ」


しかし、時折、物事は実際にそのように見える場合だけのときもある。「Gary Ashby」は、行方不明になった家族のカメの物語を、とてもストレートに、そして甘く歌っている。"私がいないと動けないの?"とフローレンスは歌う。この曲が、Dry Cleaningの広々とした皮肉な空想の産物であると期待していたリスナーは、Garyのテーマが実在すると聞いて驚くかもしれない。そう、このカメの迷子の話は、フローレンスが街角で実際に見たものに文学性を付け加えたのだ。「彼に何が起こったのか、私たちは知りません。ゲイリー・アシュビー "と書かれた迷子札があって、その下に小さな写真とぼったくり電話番号が書いてあった。それ以上のことはわからない。彼らが歌を聴いてくれることをちょっとだけ願うし、"彼らがこのことを気にしないことを願う」


 ドライ・クリーニングは常にこういったシュールな表現性を追求する。しかし、これらの話が、気まぐれな作曲とレコーディングのプロセスを指し示しているように見える一方、逆にその時期にはバンドにとって大きな悲しみもあった。


トムの祖父が亡くなり、ルイスの母スーザンも亡くなるという悲しみ。実は、スーザンの家は、初期EP「Boundary Road Snacks and Drinks」に名前を残し、彼女がいかにバンドの中心的存在であったかを物語っている。実際、2021年3月に、彼らが『Later...with Jools Holland』にデビューした時、彼女は入院していた。スーザンは「New Long Leg」のリリースからわずか1週間後に他界したというが、その目を見張るような全英アルバム・チャートの4位までの上昇を目の当たりにしたのだった。


「それがどこに出てくるか判断するのは難しいよ・・・」と、ルイスは母親スーザンの死が「Stumpwork」に与えた影響について語る。「私はいつもネガティブな状況にはポジティブに反応し、その中からベストなものを見いだそうとする。それが僕らの人生にとって大きな部分を占めているんだ」


Dry Cleaningが結束力の強いグループであることは明らかであり、同世代のバンドで最も成功に酔いしれることのないバンドである。「私たちはたくさんギグをしてきました」とドラマーのNick Buxtonは付け加える。「僕たちは皆、地に足をつけて活動することがとても重要だと考えているんだ」


4年前にバンドを結成したとき、この4人組はこのような事態を予想できなかったことは言うまでもない。しかし、このバンドが売れ筋ではないのにもかかわらず、多くの耳の肥えたファンが飛びつくのは、そこにオーバーグラウンドの音楽にはない真実性が込められていると感じるからである。体裁を度外視した本物の音楽を実は、メインストリームのファンも常に心のどこかで求めている。その渇望がこのバンドの音楽とうまく合致を果たしたというのことが言えるのではないだろうか。

 

ドライ・クリーニングは11月と12月に来日公演を控えているが、おそらく、リスナーも参加してひとつの完成した音楽が出来上がるというスタイルは、日本のファンにも好意的に迎え入れられるだろうと思われる。まだ、2つ目の階段を上ったばかりだが、ドライ・クリーニングは今後、世界的にも大きな人気を獲得していくだろう。しかし、「Stumpwork」についても予想外の好反応だったことについても、やはり、ドライ・クリーニングのメンバーは、いくらかの奥ゆかしさを持って自分たちの境遇を眺めている。「私たちのバンドをこれほどまでに気にかけてくれて、これほど時間を費やして考えてくれるなんて、特権のように感じる」とTom Dowesは言う。「僕らには本当に素晴らしいファンがいる、そのことに感謝しないわけにはいかないんだよ」

 

The xx

ロンドン出身のインディーポップバンド、オリヴァー・シムを擁するThe xxは、『Coexist』から発売10周年を記念してデジタル・デラックス・バージョンを11月21日に配信リリースしました。トリオは、2010年にマーキュリー賞の栄冠に輝き、さらに同年フジロックでも来日公演を行っています。


昨日配信されたデジタル・デラックス・エディションには、アルバム・オリジナルのトラックリストに加えて、「Angels」、「Chained」、「Reunion & Sunset」のライブ・バージョンも収録されています。また、The xxはセカンド・アルバムの10周年を記念し、限定版のクリスタル・クリア・バイナルも発売される予定です。アルバムの全曲ストリーミングはこちらからどうぞ。

 

 

  

Quasi


1989年から活動するポートランドのエレクトロ・デュオ、Quasiが、来年2月に発売される新作アルバム『Breaking The Balls Of History』からのセカンド・シングル「Doomscrollers 」を公開しました。


新作アルバム『Breaking The Balls Of History』は、シアトルのRob Lang StudiosでJohn Goodmanson(Sleater-Kinney, Bikini Kill)と共にプロデュースされた。Quasiの2013年のアルバム『Mole City』に続く作品となる。


ジャネット・ワイスは、このレコードの制作について、「人生を肯定してくれるような感じがした。その場にいて、またそのレベルで演奏できることがどれだけ幸せなことか、音楽から伝わってくるよ。私は存在することができるのです」と説明する。

 


 Jack Whiteが週末のツアーでNirvanaの「Heart Shaped Box」をカバーした。ホワイトは2022年に2枚のアルバムをリリースし、その過程でRough TradeのAlbum Of The Yearを受賞している。彼のSupply Chain Issues Tourは世界中を回っており、イギリス公演は息を呑むような評価を得ているという。

マレーシアでは、11月16日(水)夜、2,500人収容のZepp Kuala Lumpurでライブを行いました。

 

この公演では、ジャック・ホワイトが常にセットを見直し、いくつかのサプライズを用意しました。マレーシアのファンは、1993年のニルヴァーナの名曲「Heart Shaped Box」をスローダウンさせ、超ブルージーにアレンジした特別なカバーでもてなされました。

 

 

Stage+でライブストリーミングを予定しているヴィキングル・オラフソン


ドイツ・グラモフォンは、ライブストリーミング、ビデオ・アーカイブ、新しいオーディオ・リリースを提供するクラシック音楽の定額制サービス「Stage+」を開始しました。このサービスは月額1,990円、年額としては19,990円で楽しむことが出来ます。


本サービスの加入者は、独占ライブ初演、コンサートやオペラの長編プログラム、ミュージックビデオ、ドキュメンタリーや舞台裏のインタビュー、新しいオーディオ・リリース、そしてドイツ・グラモフォンとデッカのカタログのアルバムにアクセスすることができるようになります。これらのコンテンツはすべて、ハイレゾやドルビーアトモスなど、可能な限り最高の品質で提供されます。


Stage+は、世界の主要なオペラ・カンパニー、オーケストラ、コンサートホール、フェスティバルとのパートナーシップにより、毎週新しい公演を紹介することが可能です。バイロイトもその一つで、2022年の「リング」シリーズから「百年目のリング」まで、数十年にわたる公演を網羅的に紹介します。


また、最初の数週間は、ロンドンのセント・マーティン・イン・ザ・フィールズで演奏されたバッハのクリスマス・オラトリオ、人権デーにハンブルクのエルブフィルハーモニーで演奏されたマックス・リヒターのヴォイス、ウィーンの楽友協会のマーラー・サイクルなどのコンテンツが配信される予定です。


また、ドイツ・グラモフォンのYellow Loungeクラシック・クラブ・ナイト、Rising Starsシリーズ、紫禁城、システィーナ礼拝堂、フランスのカルナック新石器時代の集落などの世界遺産での演奏も、ライブとビデオ・オンデマンドの配信でキュレートされる予定です。


ユニバーサルミュージックグループは、このプラットフォームを「クラシック音楽のオンラインオーディオビジュアル表現における一歩進んだ変化」と表現しています。


ドイツ・グラモフォンのコンシューマー・ビジネス担当副社長Robert Zimmermann氏は、「クラシック音楽のストリーム配信において、我々はエキサイティングな新時代を迎えようとしている」と述べています。


「Stage+は、デジタル技術が提供するクリエイティブとキュレーションの無限の可能性を追求し、DGのアーティストやそれ以外の人々のクリエイティブな作品をより身近に感じていただけるようにします」


Global Classics & JazzとVerve Label Groupの社長兼CEOであるDickon Stainerは、次のように述べています。


「Stage+は、我々のパートナーのサービスで提供される幅広いレパートリーを補完し、最高品質のクラシック専用多次元体験にファンを没頭させるユニークなものです。Stage+は、アーティストのライブや映像のパフォーマンスをスタジオ録音と直接並べる場所を提供し、このジャンルの熱心なファンによるクラシック・アーティスト発掘のための統合的な体験を可能にします」

 



 
今回のグラモフォンの試みは、所属アーティストの音源のアーカイブ化にある。最適化されたメタデータにより、クラシックファンはタイトルで検索し、個々の作品、楽章、オペラシーンにアクセスすることができ、検索ごとに、特定のアーティスト、作曲家、作品、会場、パートナー団体の関連オーディオ・ビデオコンテンツすべてにリンクされます。ユーザーは、お気に入りを保存したり、コンテンツをモバイル機器にダウンロードしてオフラインで視聴したりすることができます。


このプラットフォームは、テレビ、モバイル、ウェブアプリとしてStage+加入者に提供され、多くの映像は4K解像度とDolby Atmosで提供される予定です。音声コンテンツは、オリジナルのスタジオ録音とほとんど区別のつかないハイレゾ・ロスレス形式となります。


このイノベーションは、蓄音機の発明者であるエミール・ベルリナーが1898年にハノーバーで設立した世界最古のレコードレーベルとして、レーベルの歴史に新たな章を刻むものです。テクノロジー企業のシーメンスとそのアートプログラムは、Stage+のパートナーであり、サポーターとなります。


ドイツ・グラモフォンの社長であるクレメンス・トラウトマン博士は、次のように述べています。「私たちは、人々がクラシック音楽にアクセスする方法を変革し、私たちの素晴らしいパートナーや音楽家たちと協力して、芸術が提供する最高のものを届けたいと考えています。Stage+は、アーティストの舞台生活やメディア活動を一箇所で総合的に紹介する初めてのサービスであり、アーティストからの最初のフィードバックは非常にポジティブなものでした。2023年にDGは125周年を迎えますが、Stage+は創業以来のレーベルの特徴である創造的で革新的な考えを示す最新の例となります」


「Universal Music Central Europe & Deutsche Grammophonの会長兼CEOであるFrank Briegmann氏は、次のように説明しています。「オンライン上の優れたクラシック音楽コンテンツには大きな欲求があります。「約2年前にDG Stageを立ち上げて以来、ライブストリーミングによるコンサートやオペラ公演の需要が大幅に伸びています。Stage+は、オンライン・クラシック音楽の世界を一変させるでしょう。我々の素晴らしいチームとパートナー企業のStage+に対する努力と献身に感謝したいと思います。彼らは、世界中のクラシック音楽の聴衆を喜ばせ、感動させる特別なものを作り上げたのです」

 

 Florence WelchのO2アリーナでの公演 Photo: Jim Dyson


先週金曜日(18日)にロンドンのO2アリーナで公演を行ったフローレンス+ザ・マシーンは、「ホワット・カインド・オブ・マン」の最中にフローレンス・ウェルチが足を骨折し、今後の英国ツアーの延期を余儀なくされた。


フローレンス・ウェルチはインスタグラムに「X線の結果、昨夜は骨折した足で踊っていたようで、とても残念です。ショーを延期することは私の性格上できないし、確かにイギリスツアーもできないけど、私は痛みがあるし、ダンサーなら知っての通り、怪我の上で踊ることは良い考えではないわ。そして、これ以上のダメージを避けるために、公演をしないように言われている」


"どうかチケットにしがみついていてください。来年にこの日程を変更するために懸命に働いているので、できるだけ早くお知らせします」とウェルチは続けた。「ダンス・フィーバー・ツアーは、これまで行ってきたショーの中で最も好きなものだっただけに、心が痛みます。あなたたちとの交感。君たちの美しい顔が輝いている」


さらに、「私はあなたをとても愛しています。そして、がっかりしている人には本当に申し訳なく思っています。心が痛むよ。早く立ち直って、あなたの腕の中に戻りたいわ。X x」

 

 

 

Elon Musk/Jack White


 ジャック・ホワイトは、今年、ソロアーティストとして二枚のアルバムをリリースし、アーティストとして最盛期を迎えています。そして、ホワイト・ストライプス時代については定かではありませんが、近年、ホワイト氏は、政治的な発言を積極的に行っています。2022年前半には、レーベルオーナーとしてレコード生産の遅滞について、その後、連邦最高裁が「ロー対ウェイド裁判」の判例を覆した中絶禁止についても活発な発言を行っています。今年、ジャック・ホワイトはサマーソニックで来日公演を行い、日本テレビにも出演し、パフォーマンスを行い、サービス精神旺盛な気前の良いプロアーティストらしい姿を見せてくれました。しかし、ホワイトは、少なくとも、アメリカ国内での問題については思想的な一面を持ち、その発言は過激な様相を呈する場合もあるようです。

 

今回、ジャック・ホワイトは、世界的な関心事となっているTwitter買収騒動に際し、CEOのイーロン・マスクに厳しい言葉を投げかけたことで、大きな話題をもたらしています。

 

ホワイトは、特に、1月6日の議会襲撃事件後に停止されたドナルド・トランプの公式アカウントを投票を通じて復活させるというイーロン・マスクの決定に怒りを示しており、抗議代わりの内容のコメントを公開し、同時に、ホワイトは、自身が主宰するサードマン・レコーズの公式Twitterアカウントも停止させるという行動に出たのです。

 

ジャック・ホワイト氏の意見では、Twitter社が虚偽のコメントに対して以前のような検閲を行わないこと、虚偽を野放しにしておくこと、ほかにも、巨額の投資をしておきながら、現時点では、その投資金に見合うプラットフォームの水準に達していないことに、激しい嫌悪感と怒りを示しています。

 

Instagramのコメントを見るかぎりでは、ジャック・ホワイトは、未だ1月6日の議会襲撃事件に対し、激しい嫌悪を示している。元来、上記の写真を見ても瞭然ですが、テスラ社の時代、両者は友好関係にあった。しかし、その怒りの矛先が、今回、Twitterを買収しマキャベリストとも言える社内の大刷新を行うマスク氏に向かい、両者の良好であった関係に亀裂が入り始めているようです。ジャック・ホワイトは、今回のトランプ氏のアカウント復活について、政治的な介入であると断定づけたにとどまらず、アメリカ合衆国の「デモクラシーの危機」と警鐘を鳴らしているのです。

 

また、ジャック・ホワイトは、メッセージの中で、Twitter社が政治的資金を獲得するため、経営方針を転換させたと指摘、さらにアメリカの秘密結社の”KKK”を支援を受けていると暗示的に揶揄している点は、様々な憶測を呼ぶことになるかもしれません。


Twitterの公式アカウント復活に関して、現時点で、当事者のドナルド・トランプ氏は、自身のソーシャルメディア「Truth Social」を保有していることもあってか、この復活騒動とは距離を取り、「Twitterに興味はない」とコメントしています。イーロン・マスク氏が、Twitter社のCEOに就任し、大規模なレイオフを断行した直後、複数の世界的な企業がこのプラットフォームに広告掲載を取りやめたことは周知の通りですが、今後も引き続き、イーロン氏の企業方針に対する反論が強まる可能性が出てきました。

 

ジャック・ホワイトがイーロン・マスクに宛てた抗議のInstagramのメッセージの全文は以下の通りです。


「トランプにツイッターのプラットフォームを返したのか。まったくうんざりだ、イーロン。これは公式に愚かな行動です。なぜ本当のことを正直に言わないのでしょう?

 

 あなたやジョー・ローガン(アレックス・ジョーンズのような嘘つきにプラットフォームを提供する)のような人々は、大金を手に入れ、税金の請求書を見て、公平に支払うことを軽蔑し、そして、テキサスに引っ越して、どんな共和党でも支持すれば、富を維持できると考えているのでしょう。(トランプは、何度も暴力を煽り、彼の嘘とエゴの結果、人々が死んだり怪我をしたりし、ツイッターから削除された。民主主義と国会議事堂を破壊しようとするクーデターはさておき・・・

 

 それは「言論の自由」でも「世論が決めたこと」でもなく、あなたが主張するようなナンセンスなことでもないはずです。つまり、民主主義そのものを危険にさらしてまで、あと何億円必要なのでしょう?

 

 あなたはテスラで多くの素晴らしいことを成し遂げてきました。イーロン、あなたはその部門で多くの賞賛に値します(私は、個人的にそのベンチャーの革新性をこれまで支持していました)。


しかし、あなたは行き過ぎた、恐ろしい、暴力を誘発する虚偽、国家や世界を後退させると、最初の場所であなたを豊かにして成功した民主主義を危険にさらす行為を後押しするためだけに、自らの権限を行使しているように思えます。私は、言論の自由を信じていますが、たとえば、私たちのレコード会社の公演ステージで、KKKに集会を開かせるわけにはいかないのです。

 

 それは、私たちがコントロールし、発言権を持つプラットフォームのひとつで、政府が運営するタウンスクエアではないんです。(同じように)仮に、私がガソリンスタンドを経営していたとしても、KKKに十字架を燃やすためのガソリンを売ったりはしないし、憎しみを助長することに手を貸さなかったかのように手を洗ったりもしない。あなたが購入したものは社会に対する大きな責任を負っており、「言論の自由」はそのことからあなたを守る傘とはなりえません」

 

 

 

 Nakhane ©Alex de Mora

Nakhaneは、12月16日にBMGからリリースされる『Leading Lines EP』を発表しました。この発表と同時に、南アフリカのアーティストはニューシングル「My Ma Was Good」を公開しました。

 

Nakhaneは南アフリカ・ポップ・シーンの象徴的な存在で、ネオ・ソウル,エレクトロニックをシームレスにクロスオーバーする。音楽家としてだけではなく、南アフリカ国内で俳優や小説家としても活動している。


「芸術の世界では、主題を指し示すために構図に先行線が使われます」とNakhaneはプレスリリースで説明しています。「このEPはまさにそれをやっているんだ。これはバトンです。前に来たものと次に来るものを繋ぐもの。


My Ma Was Good」は、「Fog」と「The Plague」に続く、Nakhaneと彼らの母親との関係から着想を得た3部作の3曲目である。"彼女はおっとりした壁の花ではないが、それでも問題のある男らしさに犯されていた "と彼らは言う。ここで私は自分自身に問いかけていました。「もし私の母が良い人で、それでも生ぬるい扱いを受けたのなら、なぜ私は良い人でなければならないのか?と自問していました。これは、私の人生の中で、私の中の悪役をもてあそんでいた時期でした"。


『Leading Lines』には、先行リリースされた楽曲「Tell Me Your Politik」(Moonchild SanellyとNile Rodgersが参加)、「Do You Well」(Perfume Geniusが参加)が収録される予定。

 

 



Nakhane  『Leading Lines』 EP

 

 

Label: BMG

Release:  2022年12月6日



 Tracklist:


1. Tell Me Your Politik [feat. Moonchild Sanelly and Nile Rodgers]

2. Do You Well [feat. Perfume Genius]

3. My Ma Was Good

3. You’ve Got Me Living


 

Laraaji


Numero Groupは、Laraajiの初期のリリースを集めた4枚組LPボックスセット、『Segue To Infinity』を発表しました。シカゴのNumero Groupは、90年代のUSインディーロックバンドの再結成イベントや、個性的なミュージシャンのバックカタログを中心にリリースするレーベルです。


『Segue To Infinity』には、Laraajiの1978年のデビュー作Celestial Vibration、3枚の未発表音源、ララージの新しい写真、Living ColourのギタリストVernon Reid(ヴァーノン・リード)によるライナーノーツが収録されています。この音源は、ある大学生が、ララージの出生名であるエドワード・ラリー・ゴードンを記した倉庫ロッカーのアセテートをeBayで購入し、未発表の音源を発見したことからリリースされるに至った。

 

ララージは、ブライアン・イーノと共にアンビエントの黎明期を担った音楽家。ZitherやDulcimerなどを始めとする複数のインド民族楽器、他にも、ピアノやシンセ、クレスタといった鍵盤楽器を演奏するマルチインストゥルメンタリストだ。若い時代から東洋神秘主義に傾倒し、エキゾチックなアプローチに癒やしのエネルギーが加わる。大学を卒業後、タイムズ・スクエアの公演で大道芸として演奏を行っていた頃、ブライアン・イーノに才能を認められ、イーノのソロアーティストのアンビエント・シリーズ『Ambient:3』にも参加。近年は、ミュージシャンの活動に留まらず、人間の「笑い」を重要視しており、ワークショップも度々開催している 。


『Segue To Infinity』はNumero Groupから来年1月に発売される。また、4LPボックス・セットと同時にデジタルでも発売される。収録曲の1つ「Ocean」は下記からお聴きいただけます。

 

 

「Ocean」 

 




Laraaji 『Segue To Infinity』 Reissue

 



Tracklist:

Disc A (Celestial Vibration)
1. Bethlehem
2. All Prevading

Disc 2 (Edward Larry Gordon recordings)
1. Ocean
2. Koto

Disc 3 (Edward Larry Gordon recordings)
1. Kalimba 1
2. Segue To Infinity

Disc 4 (Edward Larry Gordon recordings)
1. Kalimba 2
2. Kalimba 4


zakkubalan ©︎Kab Inc.


坂本龍一が「async」」以来、約6年ぶりとなるオリジナルアルバム「12」を発表しました。この新作アルバムは坂本龍一の誕生日に合わせて、2023年1月27日にcommonsから発売されます。また、本作はCD/ヴァイナル/デジタルの三形式で同時発売となる。アートワーク、トラックリストは下記より。




いまだ続く闘病生活の中、日記を書くように制作した音楽のスケッチから、12曲を選び1枚のアルバムにまとめた作品集。アートワークは「もの派」を代表する国際的な美術家、李禹煥(リ・ウファン)氏の描き下ろしとなる。収録曲はすべて坂本氏が曲を書き下ろした日付がタイトルになっている。公式サイトでは順次、commonsのスタッフのインタビューの模様が公開されるようです。




坂本龍一氏のコメントは以下の通り。



2021年3月初旬、大きな手術をして長い入院の末、新しい仮住まいの家に「帰って」きた。少し体が回復してきた月末のこと、ふとシンセサイザーに手を触れてみた。何を作ろうなどという意識はなく、ただ「音」を浴びたかった。それによって体と心のダメージが少し癒される気がしたのだ。

それまでは音を出すどころか音楽を聴く体力もなかったが、その日以降、折々に、何とはなしにシンセサイザーやピアノの鍵盤に触れ、日記を書くようにスケッチを録音していった。


スケッチを選びアルバムとしてみた。何も施さず、あえて生のまま提示してみる。今後も体力が尽きるまで、このような「日記」を続けていくだろう。 



坂本龍一



2022年に入り、坂本龍一は、盟友、アルヴァ・ノトとの共作アルバムのリイシューを行っている。この再編集は、アルヴァ・ノトの主宰するレーベル、Notonから発売され「v.i.r.u.s」リリースプロジェクトとして現在も続いている。


    




Ryuici Sakamoto 「12」





Label: Commons

Release: 2023/1/27



Tracklist:


01 20210310

02 20211130

03 20211201

04 20220123

05 20220202

06 20220207

07 20220214

08 20220302 - sarabande

09 20220302

10 20220307

11 20220404

12 20220304


 



今週初め、テイラー・スウィフトの「2023 The Eras Tour」の一般発売は、前代未聞の需要によりチケットマスターがクラッシュし、ファンが憤慨する事態となり、販売がキャンセルされた。昨日(11月18日)、スウィフトは自身のインスタグラム・ストーリーへの投稿を通じて、ファンが自分のツアーのチケットを手に入れるのに苦労しているのを見るのは「耐え難い」ことだと述べた。


「このような需要に対応できるかどうか何度も尋ねたところ、対応できると断言されたので、私は誰にも言い訳をするつもりはない」と彼女は書いている。「240万人がチケットを手に入れようとしたのは本当にすごいことだけど、その多くがチケットを手に入れるために熊の襲撃を何度も受けたように感じているのは本当に腹が立つわ」と書いている。





現在、Ticketmasterはウェブサイトで謝罪文を発表しています。


バラエティ誌が指摘するように、この声明の多くは、同社が木曜日に発表し、その後削除したものと同じであり、謝罪の言葉がないため、ファンをさらにいらだたせることになった。(オリジナルは、Music Business Worldwideに掲載されている)。今回の長い声明は、「テイラーと彼女のすべてのファン、特にチケットを購入しようとしてひどい経験をした人たち」に謝罪することから始まっています。そして、なぜそのシステム構築が失敗したのかを説明するため、いくつかの統計を引用しています。


チケットマスター側は、「最大の会場やアーティストは、私たちが世界をリードするチケット販売技術を持っているからこそ、私たちを頼りにしているのです。「しかし、私たちは常にチケット購入体験を向上させるために努力しています。特に需要の高いオンセールについては、新たな限界を試し続けています」と説明しています。「技術的な観点から、高需要のオンセールが完璧に行われたとしても、多くのファンは手ぶらで帰らされます。例えば、私たちのサイトへのトラフィック量に基づくと、テイラーは900回以上のスタジアム公演を行う必要があります(彼女が行っている公演数のほぼ20倍)...これは、今後2年半の間、毎晩スタジアム公演を行うことになります。誰もがこれらのショーのチケットを手に入れることは不可能ですが、私たちは経験を向上させるためにもっとできることがあることを知ってますし、それに集中しています」


さらに、昨夜、アメリカ司法省が、チケットマスターを所有するライブネイション社に対して独占禁止法の調査を開始したと報じられた。


The New York Timesによると、この調査は "Live Nation Entertainmentが数十億ドル規模のライブ音楽産業に対する権力を乱用したかどうかに焦点を当てた"とのこと。また、司法省の反トラスト部門は、"同社が業界を独占しているかどうか "を判断するため、"音楽会場やチケット市場のプレーヤーに、Live Nation社のやり方や業界の広い力関係について質問している "と報じています。