Lushのミキ・ベレニイを擁するミキ・ベレニイ・トリオ(Miki Berenyi Trio)のデビューアルバム『Tripla』のリリースを発表した。Lushは4ADの90年代の創成期を担った最重要バンドの一つ。

 

待望のデビューアルバムはベラ・ユニオンから4月4日にリリースされる。このトリオは、ミキ・ベレニイ(Lush)、KJ 'ムース'・マキロップ、オリヴァー・チェラーの3人による新たなスタート、新たなラインアップである。

 

このニュースと共に、バンドはリード・シングル「8th Deadly Sin」のために、フランスのディジョンで撮影されたライブ映像とクリス・ビッグによるアートワークを組み合わせたセバスチャン・フェット・ディヴァースによるビデオを公開した。アルバムタイトルは、ミキの父親の母国語であるハンガリー語の「トリプル」にちなんでいる。


ミキ・ベレニイ・トリオは、インディペンデント・ヴェニュー・ウィークの一環としての英国公演、4月のラフトレード店頭公演、4月と5月のヨーロッパツアーなど、今後のライブ日程を発表している。


ベラ・ユニオンのオーナー、サイモン・レイモンドは即座にこの曲をシングルとして選び、ライブで演奏するとまもなく人気を獲得した。この曲には社会的な関心を織り交ぜられ、環境問題だけでなく、戦争や社会的不寛容にも当てはまる人類が破滅に向かって突き進むという私が共感できる哲学が込められている。


『Tripla』は、ベラ・ユニオンのレーベルメイトであるランターンズ・オン・ザ・レイク(Lanterns on The Lake)のポール・グレゴリーがミキシングを担当し、『Piroshka』のスリーブ・デザインを手がけ、ラッシュの全スリーブに貢献したクリス・ビッグがアートワークを担当した。

 

しかし、このアルバムの洗練されたサウンドのため、MB3は基本に立ち返り、自宅でのレコーディングだけでなく、機材を満載した車を運転し、自分たちで会場に出入りしている。「私たちがやっていることには、とても "草の根的 "なものがある」とミキは語る。「アルバムを発表して、ツアーをして、次のアルバムをレコーディングする "というルートをたどることに意味はない」

 

 「8th Deadly Sin」

 

 

 

・「Kinch」


 

4ADの黎明期を担ったシューゲイズ/ドリーム・ポップバンドLUSHの元シンガー/ギタリストが率いるミキ・ベレニイ・トリオは、今週金曜日にデビューアルバム『Tripla』をベラ・ユニオンからリリースする。今回、彼らは4作目のシングル「Kinch」を発表し、北米ツアーの日程も発表した。Sébastien Faits-Diversが監督を務めたこの曲のビデオは、フランスのディジョンで撮影された。


ベレニイはプレスリリースで新曲について次のように語っている。 「この歌詞は、愛と喪失、そしてその人たちが決して自分から離れないこと、そして愛の本質について考えさせられることにインスパイアされている」


LUSHの後、ベレニイはピロシカというバンドにも在籍していたが、このトリオでは、ベレニイの生涯のパートナーであるKJ "ムース "マキロップ(90年代のシューゲイザー、ムースのメンバー)とギタリストのオリヴァー・チェラーという2人のメンバーが彼女のバックを務めている。

 

ミキ・ベレニイ・トリオ(略してMB3)は、ベレニイのソロ・プロジェクトというだけでなく、3人のメンバーによる完全なコラボレーションである。Triplaはハンガリー語で「トリプル」を意味し、ベレニイのハンガリー人の父にちなんで名付けられた。


発売元のベラ・ユニオンは、元コクトー・ツインズのベーシスト、サイモン・レイモンドが設立したレーベルである。


「Kinch」

 

 

Miki Berenyi Trio 『Tripia』- Debut Album




Label: Bella Union

Release: 2025年4月4日 


Tracklist:

1.8th Deadly Sin
2.Kinch
3.Vertigo
4.Gango
5.A Different Girl
6.Big I Am
7.Hurricane
8.Manu
9.Ubique 

 

 

・Debut Single 「Vertigo」

©Vincent Arbelet

4ADに所属していたシューゲイズバンド、LUSHのフロントウーマンであるミキ・ベレニイは、ケヴィン'ムース'マキロップをギター、オリヴァー・シェラーをベースに迎えた新グループ、Miki Berenyi Trioのデビューシングルをリリースしました。「ストリーミングはこちら

 

「Vertigo」はコンソーシアム美術館で撮影されたSébastien Faits-Divers監督によるアーティスティックなミュージックビデオとともに公開されています。以下より映像をご覧ください。


デビューシングルは、ギターロック/シューゲイザー風の音楽性に加えて、打ち込みのドラムがエレクトロニック風のグルーブ感を生み出す。さらに、LUSHのボーカリスト、ミキ・ベレニイの浮遊感のある歌声が独特な世界観を作り出している。ライブセッションの妙を重視し、ギターサウンドのうねりの中で紡がれるベレニイの歌声はエンヤのような清々しさをもたらしています。



この新曲について、バンドは次のように説明しています。「”Vertigo”は不安と、崖っぷちから自分を説得する努力について歌っています。ドラマーがいないこと、プログラミングを多用することはチャレンジなんですが、音楽の本質はギターとメロディにあることに変わりはありません」

 

 

「Vertigo」

 

 


ニューヨーク/クイーンズのプロデューサー、DJ Pyton(ブライアン・ピニェイロ)はダンスホール、レゲトン、デンボウといったジャマイカ発祥のダンスミュージックをダイナミックに鳴らし、新鮮なダンスミュージックを提供する。今回、パイソンはXL Recordingsとの新たな契約を発表。さらに同レーベルから3月28日に発売されるEP「i was put on this earth」の詳細を明らかにした。

 

リードシングル「Besos Robados」は耳の早いクラバーには刺さるものがありそうだ。ホンジュラスのポップ/レゲトン歌手であるイザベラ・ラブストーリーをフィーチャリングしている。ダウンテンポ/ラヴァーズレゲトンの楽曲だが、ボーカルがトロピカル/エキゾチックな雰囲気を放っている。 

 

『i was put on this earth』はDJパイソンのXLからのデビューEPとなる。2002年以来のソロ・リリース。5つのトラックを通して、パイソン(ブライアン・ピニェイロ)はシンガー、プロデューサー、そしてコラボレーターとして、未知の領域へと緩やかに踏み込んでいる。現在ニューヨークとロンドンを行き来するパイソンは、両岸の主要アーティストとクルーアップしている。

 

ホンジュラスのポップシンガー、Isabella Lovestory(イザベラ・ラブストーリー)はPythonのEssential Mixに収録されて以来、ファンのお気に入りとなっているダウンテンポのラヴァーズ・レゲトン・トラック 「Besos Robados」に、無愛想でありながら執拗なヴォーカルを提供している。

 

Pythonは自身のレーベル”Worldwide Unlimited”から南ロンドンのラッパーJawnino(ジャウィニーノ)と分類不能なロンドンのソングライターOrgan Tapes(オルガン・テープス)の楽曲をリリースしている。UKポストロックの伝統をPythonが独自にアレンジした 「Dai Buki」には両アーティストが参加している。

 

彼自身は、ハートフルな「Marry Me Maia」で繊細かつパーソナルなヴォーカルを披露している。彼の震えるようなテナーは異色のシンセポップ曲「Coquine 」にも見いだせる。「Elio's Lived Behind My House Forever 」では、PythonがNYCの大御所Physical Therapyと組んで、先のヴォーカルチューンと同様にエモーショナルなメロディーを漂わせるダンスフロアカットを披露している。


 


米国のシンガー、トム・ウェイツがイタリアのドキュメンタリーシリーズ『Il Fattore Umano(人間の要因)』にサウンドトラックを提供した。アメリカのホームレス問題に寄り添った作品の最終回で映像に説得力をもたらす。


イタリアの公共テレビ局''RAI3''が制作したこの8部構成のシリーズは、権威主義政権、独裁政権、さらに民主主義政権ですら、人権がいかに侵害されてきたかを検分する。 最も弱い立場にある人々やマイノリティが、これらの国々でどのような抑圧に直面しているかに焦点を当て、最終エピソード(タイトルは『Ultima Fermata(最後の乗り物)』)は、アメリカの貧困について掘り下げた内容。テネシー州、アラバマ州、ミシシッピ州、ルイジアナ州の南部4州に焦点を当て、公共バスで各地を巡りながら、忘れ去られたコミュニティを発見し、セーフティネットのない制度によって疎外された状況で生きることを余儀なくされている人々の尊厳と連帯を探る。


『The Last Ride』は、アコースティック・ギターとピアノの演奏を披露しながら、自身の詩『Seeds on Hard Ground』を朗読するウェイツの声と、こうした人々の物語が対になっている。 このエピソードの予告編は、1996年の『Dead Man Walking』のサウンドトラックに収録された「The Fall of Troy」を演奏するウェイツのサウンドトラックで流れる。


トム・ウェイツは声明の中で述べている。「私は、私たち全員がそうであるように、不公平を深く憂慮する個人であるが、そのいずれかを解決する能力はない。 私は、私が知っている唯一の方法、音楽を通して世界に伝える。 私は政治や法律を扱わないし、私たち全員に関わる大きな問題に対する答えも持っていない。 私にできることは、歌や詩を通して、誰かを鼓舞することなんだ。 私は窓を開け、私たちの目を開くためにここにいるんだ。 できることなら、少しでもね」


『The Last Ride』は、アンジェロ・ロイ、マルティーノ・マッツォーニス、ルイジ・モンテベッロがRAIイタリア放送の『Il Fattore Umano』のために脚本と監督を手がけた。 このエピソードは、RAIのストリーミング・プラットフォームRaiPlayを通じて、2月26日(水)に全世界でストリーミング配信される。



Maria Somerville(マリア・サマーヴィル)が『Luster』で4ADから画期的なレーベルデビューを果たす。本作は4月25日にリリースされる。


アイルランドのミュージシャン、マリア・サマーヴィルが4ADからの記念すべきレーベル・デビュー作『Luster』を書き始めるまでに、彼女は故郷コネマラから離れて暮らしていた。 ゴールウェイ西海岸の荒涼とした山岳地帯で育った彼女は、その後ダブリンに移り住み、青春時代の風景にインスパイアされた雰囲気のあるドリーム・ポップを辛抱強く作り上げた。 2019年、これはリバーブ、ノスタルジア、故郷への憧れに彩られた自主制作LP『All My People』に結実し、目の肥えたプレスやリスナーから賞賛を浴びた。


コネマラに戻り、この国で最も大きな湖のひとつであるコリブ湖を見下ろす、彼女が育った家の近くで、最終的に『Luster』となる楽曲の制作を開始した。 『All My People(オール・マイ・ピープル)』では、思い出やメランコリックな憧れを霧のようなスローコア・バラードで表現していたが、この12曲では、自分の人生が歩んできた道、そしてその過程で彼女がどのような人間になったかを、より確信したアーティストが表現されている。「Trip」で彼女が歌っているように、「以前よりもはっきりと見えるようになった。 自分にとって何が真実なのかがわかった」


周囲の環境から元気をもらい、コミュニティから勇気づけられたサマーヴィルは、故郷に戻ったときに新たな創造的エネルギーの感覚を見出した。 小さなリビングルームのスタジオで、彼女は自由奔放なレコーディング・セッションのための「肥沃な大地」を提供し、そこで彼女はデモをつなぎ合わせ、それを友人やコラボレーターと練り上げ、後にニューヨークを拠点とする有名なエンジニア、ガブリエル・シューマンがミックスした。


 プロデューサーのJ. Colleran、Brendan Jenkinson、Diego Herrera (aka Suzanne Kraft)のほか、「Violet」で聴けるウイリアンパイプのドローンを奏でるLankumのIan Lynch、「Flutter」のアンビエントな靄の中でヴァイオリンの弓が反響するMargie Jean Lewisが参加した。 ミュージシャンのヘンリー・アーネストとフィン・キャラハー・マクドナルド(別名ナッシュペインツ)とのセッションは「すべてをひとつにまとめる」のに役立ち、友人のロイシン・バークリーとオーラン・モンクの参加は、サマーヴィルがコネマラに戻って以来、彼らが共有してきた仲間との絆を表現している。 


リスナーは2021年以来、毎週月曜日と火曜日の朝、NTS Radioのアーリーバード・ショーを通してサマーヴィルの世界に触れることができる。 同年に4ADと契約して以来、サマーヴィルはレーベルメイトのドライ・クリーニングとツアーを行い、レーベル40周年記念としてナンシー・シナトラの「Kinky Love」とエア・マイアミの「Sea Bird」のカヴァーをリリースした。 『Luster』のリリースにより、彼女は2025年にライブ・バンドを従えて世界各地で演奏する新時代の到来を告げた。


 しかし、サマーヴィルがどこへ行こうとも、彼女は故郷の一部を携えていくことだろう。それは、コリブ川のほとりの空気のように澄んだ、すべての音から感じ取れる、生きていて、呼吸していて、時代を超えたエッセンスだ。



「Garden」



Maria Somerville 『Luster』


Label: 4AD

Release:2025年4月25日


Tracklist:

1.Réalt

2.Projections

3.Garden

4.Corrib

5.Halo

6.Spring

7.Stonefly

8.Flutter

9.Trip

10.Violet

11.Up

12.October Moon



アイルランドのミュージシャン、マリア・サマーヴィルが4ADからデビュー作『Luster』を書き始めるまでに、彼女は故郷コネマラからしばらく離れて暮らしていた。 ゴールウェイ西海岸の荒涼とした山岳地帯で育った彼女は、その後ダブリンに移り住み、青春時代の風景にインスパイアされた雰囲気のあるドリーム・ポップを辛抱強く作り上げた。


彼女の最初のアルバム『オール・マイ・ピープル』では、思い出やメランコリックな憧れを霧のようなスローコア・バラードで表現していたが、この12曲では、自分の人生が歩んできた道、そしてその過程で彼女がどのような人間になったかをより確信したアーティストを見せている。 

Sam Fender 『People Watching』


Label: Polydor

Release: 2025年2月21日

 


Review

 

才能というものの正体が何なのか、本作を聴くとよりよく理解できる。『Seventeen Going Under』で大きな成功を掴んだ後、サム・フェンダーは地元ニューカッスルのセント・ジェームス・パークで公演を行う予定だったが、精神的な披露を理由にキャンセル。しばらくシンガーはお休みを取っていた模様であるが、ライブも再開し、徐々に本来の調子を取り戻しつつある。

 

前作ではメンタルヘルスなどの危機にある若者に対する応援ソングを中心に発表し、イギリス国内で不動の人気を獲得したサム・フェンダー。二作目のアルバムも良盤と言っても良いのではないか。スティングのような音域の広いボーカルは前作から引き継がれ、そしてそれらがドン・ヘンリーのような軽快なAORと巧みに合致している。こういった音楽を倦厭する人は少ないのではないか。ソングライターというのは、毎回のように何らかのテーマを探さねばならないので非常に大変であるが、どうやら傑出した歌手のもとには主題が向こうからあらわれるらしい。テーマというのは探すのではなく、すでに日常のどこかに偏在するものである。今回、サム・フェンダーは家族の問題、分けても彼にとって代理母のような存在をテーマにしている。

 

「タイトル曲『People Watching』は、僕にとって代理母のような存在で、昨年11月に亡くなった人のことを歌っています。私はその最期、彼女の側にいて、彼女の隣の椅子で眠っていたんだ。この曲は、その場所と家への往復で、私の頭の中をよぎっていたことを歌っている。彼女は僕にステージに上がる自信を与えてくれた人だし、いつも『なんで受賞スピーチで名前を出さないんだ』って言われていた。でも今は、曲(とアルバム)全体が彼女につながっている。彼女が今どこにいようと、『そろそろ坊や』と言って見守ってくれていることを願っている」

 

身近な人の死というのはかなり重い主題のように思えるが、生と同じく誰もが通らざるをえない扉である。ここでフェンダーは愛する人の彼岸への旅立ちを悲嘆で包むのではなく、温かい慈しみの心で送り出そうとしている。死とは今生から見た悲しみであるが、もちろん、そのなかに肯定の意味も見出すことが出来る。そこには現世的な概念からの魂の開放という前向きな考えも込められている。そして、それらの考えがアルバムのオープナーからほの見える気がしてならない。おそらく、タイトル曲を聴けば、本作が十分にポピュラーとして応力を持ち、多くの人々にとって普遍的な内容であることが理解していただけるだろう。それは死というレンズを通して生きる人が何をするべきなのかが暗示されている。軽やかに前進し、走り出すような感覚を持ったライトなロックソングは、彼が暗闇から立ち上がり、そして明るい方へ向かってゆっくりと歩き出す様子を捉えている。つまり、それが何らかの明るい感覚に縁取られている理由なのだろう。彼のポップ/ロックソングからは、走馬灯のように愛する人との記憶が立ち上ってくる。それがつまり、音楽として説得力を持ち、何らかの意義深さがある要因でもある。

 

 

特にサム・フェンダーのボーカルは、中音域から高音域に切り替わる時に、最も感動的な瞬間が訪れる。これはライブではすでにおなじみと言えるが、そういったボーカリストとしての素晴らしさを続く「Nostalgia's Lie」で確認することが出来る。ビリー・ジョエルを彷彿とさせるクラシカルなバラードソングは、サム・フェンダーの手にかかると、モダンなポピュラーへと変容する。それらがアコースティック/エレクトリックのギターの多重録音という、スコットランドのネオ・アコースティックなどでの象徴的なギターロックの要素と結び付けられる。サビの部分では、郷愁的な感覚が生み出され、やはりそこには温和な感覚がにじみ出ているのである。

 

前回のアルバムでは''懐古主義''と書いた覚えがあるが、それはフェンダーの楽曲に80年代から90年代のポピュラーの影響が感じられたからである。そして、二作目では2020年代にふさわしいポピュラーソングを書いたという印象を抱く。ただ、それもやはり オアシスのようなブリットポップの象徴的な音楽、そしてヴァーヴのようなポスト・ブリット・ポップの世代からの色濃い影響をうかがわせる。「Chin Up」はオアシスのヒット曲「Woderwall」を彷彿とさせるギターワークが光る。一方でボーカルの方はヴァーヴのリチャード・アシュクロフトのソングスタイルを彷彿とさせる。これらの組み合わせに、彼の音楽的な背景の一端を確認することも出来る。そして、何らかの影響こそ受けているが、それらをフェンダーらしいソングライティングや歌唱に昇華している。つまり、彼の歌は、やはり2020年代の象徴とも言えるのだ。2ndアルバムでは少し風変わりな音楽も含まれている。アコースティックギターの演奏をフィーチャーし、起伏に富んだ音楽を擁する「Wild Long Lie」はシンガーソングライターの新しい方向性を象徴づける楽曲といえるかもしれない。ゆったりしたテンポに戯れるように歌うフェンダーだが、この曲は途中シンセサイザーのアレンジを通して、ダイナミックな変遷を描く。

 

「Arm's Length」はオープニングと同様に、80年代のAORやニューウェイブのサウンドを活用し、シンプルなコード進行のロックソングに昇華している。近年、複雑化しすぎた音楽をより省略したり簡素化する一派が出てきている。昨年のファビアーナ・パラディーノのようにゆったりとしたスケールの進行やシンプルな曲作りは、POLICEのヒットソングのソングライティングのスタイルと組み合わされ、2020年代のUKロックのベースになったという気がしている。これはスティングだけではなく、The Alan Person's Project、Tears For Fearsのヒットソングの系譜に属している。これはもちろん類似性を指摘したいというのではなく、ヒットソングには必ずステレオタイプが存在し、過去の事例を活かすことが大切だということである。もちろん、それを現代の歌手としてどのように表現するのかが、2020年代に生きる人々の課題なのである。そして何かに似すぎることを恐れずに、自分なりの表現をつきつめていくのが最善であろう。

 

 

前作を聴いたかぎりでは、フェンダーの音楽が何年か経つと形骸化するのではないかという不安要素もあった。しかし、このアルバムではそういった心配は無用である。彼は、依然として80年代のディスコやダンスミュージック、華やかなMTV時代のポピュラー音楽に背を支えられ、軽妙で味のある2020年代の音楽を作り上げている。よく個性とは何かと言われることもあるが、それは端的に言えば、他者とは相異なる性質を示すことである。そして、それが意外なものであればあるほど、多くの人に受け入れられる可能性がある。音楽にちなんで言えば、他の一般的な人々とは異なる音楽的な背景がその人物の個性をはっきりと浮かび上がらせる。


例えば、一般的な音楽と相容れない性質を示すことを恐れていると、だんだんと音楽は無個性になり、均一化せざるを得ない。そして、一般的な要素を肯定しながらも、何かしら特異点を設けることが重要になってくる。それは音楽を演奏したり歌う人にとっては、その人が育った土地、環境、人生そのものを意味する。その点では、サム・フェンダーは本当の意味での他者が持たないスペシャリティを示しつつ、それをマイルドな方法で提示することに長けている。そしてそれこそが、ポピュラーミュージックでの大きな成功を掴むための秘訣でもあると思う。「Crumbing Empire」は、今多くの人が求めているタイプのポピュラーソングだと思う。それは聞きやすく、そして口ずさみやすいという商業音楽の基礎をしっかりと踏まえたものである。

 

『People Watching』は文句のつけようのない完成度だと思う。これらの楽曲の中では、苛烈なライブツアーの中で掴んだ手応え、大多数のオーディエンスとの共鳴する瞬間など、実際の体験者しかわからない感覚を踏まえて、的確なポピュラー/ロックソングとして昇華させているのが素晴らしい。

 

中盤ではビートルズのアートロックからの影響を感じさせる「Rein Me In」など、前作にはなかった実験的な音楽の方向性が選ばれている曲もあり、今後の制作にも期待したい。また、本作の中で最も力強くパワフルな「TV Dinner」は、フェンダーの新しいアンセム曲が誕生したと言えるかも知れない。この曲は、アリーナのスタジアムのライブパフォーマンスのために書かれた曲ではないかという推測も出来る。少なくともライブで素晴らしい効果を発揮しそうなトラックだ。


きわめつけは、クローズを飾る「Remember My Name」となるだろう。シンガーとしての圧倒的なスケールの大きさを感じさせるし、彼はこの曲で内側に秘めるタレントを惜しみなく発揮している。これまでで最もドラマティックなバラードソングである。ホーンセクションとサム・フェンダーのボーカル融合は新たな「ウォール・オブ・サウンド」が台頭したことを印象付ける。

 


 

95/100

 

 

 Best Track 「Remember My Name」

▪Moshimossの海や水にインスパイアされた4曲からなる楽曲集。マレーシアのmü-nestレーベルより2/24(月)デジタル・リリース。
 

山梨在住の音楽家Kosuke AnamizuのプロジェクトMoshimossはアンビエントとポスト・クラシックを比類なき感性で折衷する。儚い美しさをとらえ、純粋な感情を伝える繊細な彼のサウンドは、Spotifyで170万以上の再生回数を記録し、シアトルのラジオ局KEXPやポスト・クラシカルの巨匠オーラブル・アルナルズのBBCのラジオ番組などでも取り上げるなど高い評価を受けている。



また、ソロ活動にとどまらず、Issey Miyake、SK-II、OPPOなどの国際的なブランドのCM音楽、直近では映画『死に損なった男』(監督 田中征爾)の音楽を手掛け、映像に感情や美の深層を吹き込むサウンド・デザインの才能で芸術表現の幅広い可能性を示している。


本EPは、新曲 「Water's Edge」と既発曲 「Sunset on the Boat」「Repeating」「Ocean in the Palm 」の水や海にインスパイアされた4曲からなる楽曲集。ギターを中心とした控えめなメロディーにローファイなテクスチャーを融合させたMoshimoss独自のミニマルなアプローチで、束の間の儚い美しさをタイムレスなサウンドスケープへと昇華させている。 



 本作を通して、Moshimossはリスナーを静謐で内省的な音空間へと誘い、ゆっくりとした時の流れや人生の細部に宿る静かな重みに浸らせてくれる。
 






【Mini Review】

 

四曲収録のEP「Reminiscence」はエレクトリックギターで生成されたアンビエントテクスチャーを中心に構成される。豊かなフィーリングとエモーションを兼ね備えた音の運びはTychoのサウンドにも親和性がある。

 

曲の中には、ダイナミックなパーカッションが導入され、ナラティヴな音の運びを楽しむことが出来る。アルバムの陰影に富んだアートワークに呼応する形で、美しい風景のサウンドスケープを呼び覚ます。

 

Moshimossのエレクトロニカの楽曲に耳を傾けると、おのずと波の音や夕景が思い浮かんでくる。最近、都市圏から少し離れた地域から傑出したミュージシャンが出てくるのは偶然だろうか。それは地方の人々が音楽を通じて発信するべき何かを持っているということではないか。いずれにせよ、注目のエレクトロニックプロデューサーが山梨から登場した。--Music Tribune--




Moshimoss   「Reminiscence」 EP





発売日: 2025年2月24日(月)
アーティスト : Moshimoss
タイトル : Reminiscence
フォーマット:デジタル配信
レーベル:mü-nest
Tracklist:
1. Water's Edge
2. Sunset on the Boat
3. Repeating
4. Ocean in the Palm


◆音楽配信ストアリンクまとめ
 


 ジギー・スターダストに象徴されるように、よくデヴィッド・ボウイは架空のキャラクターを矢面に押し出したイメージ先行のアーティストと言われる。一理あるが、しかしそれがすべてだとも言いがたい。デヴィッド・ボウイは1976年から1978年まで西ベルリンに住んでいたが、この3年間は彼がミュージシャンとしてヒューマニスティックな暮らしを送った期間だ。この時代、『Low』、『Heroes』、『Lodger』など名作群を世に輩出した。いわゆるベルリン三部作と言われ、ブライアンイーノがプロデュースした。そのなかではかのオブリーク・ストラテジーズも使用された。ここではボウイが旧ドイツでどんな暮らしを送っていったのかを探索する。


 ボウイがベルリンを訪れたとき、1960年代の激動と熱気に包まれたこの都市は、東西分裂の時代とあってか、やや荒廃していた。 しかし、ベルリンという都市は、戦後もなお、その名を知られることのなかった、独自の発展を遂げた都市でもあった。 戦争の後、この都市は、常にその名を知られるようになったのである。 しかし、市庁舎センターは、戦争と社会主義的な市街地計画の結果であるような、激しい対立の場でもあった。 その結果、オスト・ベルリンは滅亡の危機に瀕したのである。 その結果、わずか数メートルの距離で、すべての市街地が破壊された。


 西ベルリンは当時、ドイツ連邦共和国からの補助金のみによって運営されている非常に活気のある都市であった。拡大された街並みと、それに付随する街の魅力が、多くの人々の関心を引きつけていた。


 四半世紀前に大成功を収めた後、米国で活躍するミュージシャンは大きな転機を迎えた。 彼は、ある時はファンから激しく非難され、ある時はファシスム・シンパシーを強く意識するようになった。 ボウイは世界主義の人間として再出発しようとしていた。 西ベルリンは、まさにうってつけの世界都市であった。ここでのデヴィッド・ボウイは、世界での数年を経て、再びエルデ星に降り立ったのである。 しかし、ボウイは1970年代のドイツ・キノに興味を持ち、クラフトワーク、ノイ、カンといった、新しい音楽性を追求するクラウトロックにも興味を持った。


「LAでの生活は、私に圧倒的な予感を残していた。 薬物による災難の瀬戸際に何度も近づいたし、何らかの前向きな行動を起こすことが不可欠だった。 長年、ベルリンは私にとってある種の聖域のような魅力があった。 事実上、匿名で動き回れる数少ない都市のひとつだった。 私は危うく一文無しになりそうだった」


「私は10代の頃から、とくに表現者たち(芸術家も映画製作者も)の怒りに満ちた感情的な作品に夢中になっていた。 ベルリンは、ディ・ブルッケ運動、マックス・ラインハルト、ブレヒト、そして『メトロポリス』や『カリガリ』の発祥の地だった。 それは、出来事によってではなく、''気分によって人生を映し出す芸術''だった。 これが私の仕事の方向性だった。 1974年にリリースされたクラフトワークの『アウトバーン』によって、私の関心はヨーロッパに戻った。 電子楽器が圧倒的に多かったので、この分野はもう少し調べなければいけないと確信したんだ」


「クラフトワークが私たちのベルリンのアルバムに与えた影響については、多くのことが語られてきた。 でも、そのほとんどは、少しいい加減な分析だろう。 クラフトワークの音楽へのアプローチは、私の構想には入っていなかった。 彼らの音楽は、管理され、ロボット的で、注意深く、ミニマリズムのパロディに近いものだった。 フローリアンとラルフは、自分たちの環境を完全に管理しており、彼らの作曲はスタジオに入る前に十分に準備され、研ぎ澄まされているという感じがした。 私の作品は表現主義的なムード・ピースの傾向があり、主人公(私自身)は自分の人生をほとんど、あるいはまったくコントロールすることなく、''時代精神''(当時の流行語)に身を任せていた。 音楽はほとんど自然発生的なもので、スタジオで作られた」


「実質的にも、私たちは両極端だった。 クラフトワークのパーカッション・サウンドは電子的に作られたもので、テンポが硬く、動かない。 他方、私たちのサウンドは、力強くエモーショナルなドラマー、デニス・デイヴィスによる揶揄されるような処理だった。 テンポは「動く」だけでなく、「人間」以上に表現されていた。 クラフトワークは、その屈強な機械的ビートを、すべて合成音の発生源で支えていた。 私たちはよくR&Bバンドを使った。『Station To Station』以来、R&Bとエレクトロニクスのハイブリッド化が私の目標だった。 実際、70年代のブライアン・イーノのインタビューによれば、彼はこの点に惹かれて私と仕事をするようになった」


 ベルリンでの時代については、多くの出来事が伝説化している。ボウイは、シェーネベルガー通り155番地の大きなアパートで暮らしていた。また、157番通りにある "Anderes Ufer "というバーにも出入りした。それ以前は、ニュルンベルガー通り53の「Dschungel」、フッガー通り33の「Chez Romy Haag」、パウル・リンケ・ウーファーの「Exil」、カント通りの「Paris Bar」で活動していた。 ボウイの音楽は、ポツダム広場にある有名なハンザ・スタジオで演奏された。 


デヴィッドボウイが暮らしていたアパートメント


 ボウイが文化に興味を持ったとき、彼はブリュッケ・ミュージアムに入った。 WGの仲間であるイギー・ポップの歴史は半ば伝説化して語り継がれている。パンク界のレジェンドは、ボウイの部屋の中に入ってからまもなくアパートを去った。原因は冷蔵庫の食材を勝手に食べたのが理由だったとか……。ボウイがロミー・ハーグと親交を深めたのも、ベルリン時代の思い出のひとつ。そして当然、彼のアシスタントのココ・シュワブもいた。 イギー・ポップの友人であるエスター・フリードマンも、この小さなグループに加わった。 スタジオでは、プロデューサーであるトニー・ヴィスコンティとトーン奏者のエドゥアルド・マイヤーが重要な役割を果たした。


 ベルリンでは、デヴィッド・ボウイは創作活動に没頭した。 この時期に発表された3枚のアルバム、いわゆるベルリン三部作は、ベルリンで最も重要な時代的出来事である。 ボウイは『Low』『Heroes』をドイツ語とフランス語でも発表した。 しかし、それは極限の状態で書かれた。


「私にとっては危険な時期だった。 肉体的にも精神的にも限界だったし、自分の正気について深刻な疑問を抱いていた。 でも、これはフランスでの話……。全体的に、私は''ロー''から絶望のベールを通した本当の楽観主義を感じる。 自分自身が本当に元気になろうと必死になっているのが聞こえてくる。ベルリンは数年ぶりに生きる喜びを感じ、大きな解放感と癒しを与えてくれた。 パリを思い出すよりも8倍も大きな都市で、迷いやすく、自分自身を見つけるのも簡単だった」



 この街では、ボウイはさらに多くのことを学んだ。 そして彼は、西ベルリンが、その昔もそうであったように、きわめて異質なものであったが、その末期には郷愁的であったことを知った。一般的には彼は1978年にこの地を去り、以来ベルリンには戻らなかった。しかし、デヴィッドボウイにとってベルリンは住みやすい街で離れるつもりはなかった。その後ニューヨークに行ったのは行きがかりとも言うべき理由だった。当時のことについてボウイは回想している。


「ベルリン離れるつもりはなかった。たぶん、うまくいっていたんだと思う。 かけがえのない、見逃せない経験だったし、それまでの人生で一番幸せな時期だったかもしれない。 ココもジムも私も、とても素晴らしい時を過ごした。 でも、あそこで感じた自由な感覚は言葉では言い表せない。 私たち3人が車に飛び乗り、東ドイツを狂ったようにドライブして黒い森に向かい、目に留まった小さな村に立ち寄った日……。何日もかけて。 冬の日にはヴァンゼーで午後の長い昼食をとったりしたんだ。そこはガラス張りの屋根があり、木々に囲まれていて、はるか昔の1920年代のベルリンの雰囲気がかなり残っていた。 夜はクロイツベルクにあるレストラン「エグザイル」、インテリやビートとつるんだりもした。奥にはビリヤード台がある煙の充満した部屋があり、いつも仲間が入れ替わる以外は、もうひとつのリビングルームのようだった」



「西ベルリンの中心部にある巨大なデパート、''Ka De We''で買い物をすることもあった。このデパートには、誰もが想像できるような巨大な食品売り場があり、一時期深刻な食糧難に陥った国か、単に食べることが好きな国民しか想像できないような陳列がされていた。 私たちは、チョコレートやキャビアの小さな缶など、当時は贅沢品と感じられるものを時々買い込んでいた。ある日、私たちが出かけている間にジムがやってきて、私たちが朝から買い物に費やした冷蔵庫の中のものを全部食べてしまった。 私たち夫婦がジムの心から怒った数少ない出来事だった」


「ジムは、ベルリンで知り合った女性と結婚し、私たちのアパートの隣に自分のアパートを建てたので、もうしばらくベルリンに残ることにした。 それからエレファント・マンの話が持ち上がり、私はかなりの期間アメリカに滞在することになった。 それからベルリンを離れたんだ」


 


アイルランド/ダブリン出身の5人組ロックバンド、Fontaines D.C.は昨年8月にXLからニューアルバム『Romance(ロマンス)』をリリースしました。(レビューを読む)また、このアルバムは昨年のベストアルバムに選出しています。


そして今回、映画的な7分半のミュージックビデオで、新曲「It's Amazing to Be Young」を発表した。曲自体は3分半しかないですが、ビデオには台詞や筋書きの場面もある。以下からご覧ください。


ニューシングル「It's Amazing to Be Young 」はロマンスと同様、ジェームス・フォードがプロデュースしました。この曲は、新B面 「Before You I Just Forget」をフィーチャーした限定7インチレコードでリリースされます。


フォンテーヌD.C.のメンバーは、グリアン・チャッテン(ヴォーカル)、カルロス・オコネル(ギター)、コナー・カーリー(ギター)、コナー・ディーガン(ベース)、トム・コル(ドラム)。


ギタリストのコナー・ディーガンはプレスリリースで新曲についてこう語っています。


「イッツ・アメージング・トゥ・ビー・ヤング」は、カルロスの生まれたばかりの子供の前で書いた曲なんだ。当時は子守唄かオルゴールのように聞こえたが、歌詞は同じ。子供が与えてくれる希望の感覚は、特に私たちのような若者にとっては深く、感動的なものだ。子供たちが幸せに成長できるような世界を作りたいという感覚でもある。


それは、現代社会でしばしば私たちを覆いかねないシニシズムと闘う感情なんだ。だから私たちは、自分たちがどちらの側にいるのかを宣言したかった。私たちはまだ自由だし、その感覚を広めたい。私たちの周りの人たちのためにこの気持ちを守りたい。


ミュージックビデオの監督を務めたルナ・カルムーンは、新しいビデオの制作について次のように語っています。


この新曲は、フォンテーヌが手がけた曲の中でも特に気に入っているし、この曲のビデオ3部作を完成させることができたのも嬉しい。この新曲はフォンテーヌが手がけた中でもお気に入りの曲だし、この曲のビデオ3部作を完成させることができたのも嬉しい。素晴らしいチームと仕事ができたし、音楽を聴いたときに自動的に思い浮かんだ世界を創り出すための空間と息吹を与えてもらった。


私たちは今、ロマンチックな愛が脇に追いやられ、セックスや愛は美徳ではなく、人々が見たいものではなくなっている奇妙な時代に生きているような気がする。私はそんなことはまったく思っていない。


私はこの2人が自分自身と恋に落ちたというエピソードが大好きだし、そして2人が恋に落ちるところを見たかったんだ。カージツのビデオ(『In the Modern World』)を撮った後に種をまいて、それから2、3日で『It's Amazing to Be Young』のビデオを制作したんだ。サンタ・サングレへのオードがたくさんある。また、僕の最初の短編映画『Shagbands』を思い出させる。

 


「It's Amaging To Be Young」

 

公式ホームページより

フジロック・フェスティバルの2025年のラインナップの第一弾が発表されました。今年は日程別に出演者が発表されました。フレッド・アゲイン、エズラ・コレクティブ、イングリッシュ・ティーチャー、Tycho、ヴァンパイア・ウィークエンド、Suchmos、Vaundyなどの出演が決定しています。下記より詳細を確認してみて下さい。


フジロックフェスティバル2025は苗場スキー場で、7月25日から三日間にわたって開催されます。


7/25(金)


スクリレックス、アンダーソンパーク、ブライアン・イーノなど名だたるアーティストとのコラボで知られる、現在のダンスミュージックシーンの最重要アーティスト、フレッド・アゲイン。 が、初来日にしてフジロック初登場!


そして、現在の音楽シーンに多大なる影響を与え、2021年の活動休止からついに再始動を果たしたSuchmos、今年1月のさいたまスーパーアリーナ公演は2日間で76000人を動員した、令和時代の象徴的存在とも言えるアーティストVaundyの出演が決定!


ジャズ・アーティストとして初めてマーキュリー・ミュージック・プライズを受賞したエズラコレクティブ、それぞれ韓国、台湾の音楽シーンを牽引してきたバンドのコラボレーション、ヒュウコー&サンセットジェットコースター、クリエイティビティに溢れるmvで、ミュージック・ビデオのYoutube時代を切り開いてきたOK GO、今年1月に8年ぶりの来日公演を大いに盛り上げた、エレクトロニカ/ポストロックを代表するアーティストTYCHO。


7、今年結成30周年、待望のフルアルバム『viraha』をリリースするBRAHMAN、世界でミュージックラヴァーに注目を受け続けている坂本慎太郎、初日17組のラインナップが決定!"


7/26(土)


インディペンデントな活動を貫き、2019年にはメジャーレーベルの支援を受けることなく、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンを満員に快挙を成し遂げた現代最高峰のファンクバンド、ヴルフペックがフジロックのヘッドライナーとして待望の初来日!!」7/26(土)


エイフェックス・ツイン、レディオヘッド など、錚々たるアーティスト達が魅了して止まないエレクトロニック・ミュージック・シーン唯一無二の存在 FOUR TET、さらに1970年代から現在まで日本の音楽シーンを支え続けるレジェンド山下達郎がフジロックに初登場!


デビュー・アルバムでいきなりマーキュリー賞ノミネートを果たした新鋭プロデューサー、バリーは泳げない、様々な音楽のジャンルの壁を乗り越え、聴き手を魅了してきたエゴラッピン、自作での評価は言わずもがな、21世紀に影響力のある数々のアルバム。支えてきたジェームス・ブレイク、ひたむきロックンロールを愛し続けてきた男たち サンボマスターが出演!、


さらに、2日目を盛り上げる強力な布陣として、繊細な表現と超絶技巧を兼ね備え、1月のラインキューブホール公演を完売させた君島大空合奏形態、昨年10月の初来日公演で大好評を博したアイルランドの新鋭ニューダッドなど、23組が決定!


7/27(日)


昨年5年ぶりにリリースしたアルバム『オンリー・ゴッド・ワズ・アバヴ・アス』が世界中で高い評価を受け、3年ぶりにヴァンパイア・ウィークエンドが最終日のヘッドライナーとしてフジロックにカムバック!


2021年にはグラミー賞にもノミネートされ、エネルギッシュなライブパフォーマンスが魅力のカリフォルニア出身、三姉妹ポップロックバンド・ハイム、2023〜2024年、世界40都市に渡り220,000人を動員するワールドツアーを実施し、2025年11月にはメジャーデビュー20周年を迎えるRADWIMPSが苗場に登場!


テレビアニメ『呪術廻戦』ed主題歌が国内ストリーミング1億再生を突破、4月よりツアーで更なる飛躍を目指す羊文学、「地球上で最高のライヴ・バンド」も称され世界中にその存在を認める蜂の巣が登場!今月行われた東京ドーム公演。


月行われた東京ドーム公演で5万人を動員、ラッパー・R-指定とDJ松永によるHIP HOPユニットCreepy Nuts、昨年8月の日比谷野外音楽堂公演にてバンドとして改めて始動し国内外で活動するkanekoayano、ロックシーンを牽引し続けて40年、今なお第一線で活躍を続けている佐野元春など、最終日は20組のラインナップが発表!大自然の中で音楽と共に過ごす3日間。


大自然の中で音楽と共に過ごす3日間、いよいよ7月の苗場に向けてスタートです。今後の展開もお楽しみに。


イベント情報の詳細は公式サイトをご覧ください。





Photo: Fabrice Bourgelle


Dominic J Marshall(ドミニク・J・マーシャル)は、ロンドンを拠点に活動するUKジャズシーンを担う音楽家です。ピアノやシンセの演奏を得意とし、電子音楽とジャズの融合を図るニュージャズ/クロスオーバージャズの演奏家として知られています。音楽性もきわめて幅広い。スタンダードジャズから電子音楽、ネオソウル、ヒップホップをしなやかなジャズに仕上げています。

 

今年2月7日に発売されたニューアルバム『Fire-breathing Lion』は、完全なインディペンデントの作品として制作されました。ニュージャズの範疇にあるアルバムでJaga Jazzistを彷彿とさせる曲もある。音質は粗いですが、ミュージシャンのマルチタレントの才覚が全編に迸っています。


「私がすべての楽器を演奏したソロアルバムです」とマーシャルは説明しています。「このアルバムは、全曲を私が作曲し、セルフ・プロデュースした。アコースティック・ピアノ、エレクトロニック・ドラム、シンセ・ベース、ムーグ・メロディ、ベース・ギター、フェンダー・ローズがパレットの大部分を占めている」 

 

これまで、ドミニク・J・マーシャルの音楽は、ロンドンのジャズ専門誌やBBCを中心に称賛を受けてきた。2013年のアルバム『Spirit Speech』は彼の出世作の一つであり、「繰り返し聴く価値のある、想像力豊かで個性的な素晴らしいアルバム」(LondonJazzNews)と評されたほか、ジェイミー・カラム、ジル・ピーターソン、ジェズ・ネルソンによって満場一致で賞賛されました。その年のBBC Introducing Live、マンチェスター・ジャズ・フェスティバルに出演しました。


2015年、ドミニクは、イギリスのニュージャズ・グループ、”The Cinematic Orchestra(ザ・シネマティック・オーケストラ)のピアニストとして活動を始めた。モントルー・ジャズ・フェスティバル(スイス)、グラストンベリー・フェスティバル、サマー・ソニック、ブリクストン・ジャズ・フェスティバル、ブリクストン・アカデミー、ロイヤル・フェスティバル・ホール、ロサンゼルスのウォルト・ディズニー・コンサートホールなど、世界的なフェスティバルや会場で演奏しています。

 

高い評価を得たアルバム『To Believe』のヒットナンバー「Lessons」は彼の代表曲でもある。さらに、ドミニクのヒップホップ・カヴァー・アルバム『Cave Art』は、KMHDの2015年ジャズ・アルバム・トップ10に選出されています。''UK Vibe''は、2016年の『The Triolithic』について、「高い評価に値する、とても愉快で爽やかなオリジナル・アルバム」と評しています。2017年のビートテープ『Silence's Garden』は、Acorn Tapesで完売し、Bringing Down The Bandは次のように振り返っています。「これらのトラックには素晴らしいヴィンテージ感が込められている」


今回、アーティストから貴重なお話を伺うことが出来ました。また、その中では、日本文化についてのご意見を簡単に伺っています。お忙しい中、お答えいただき本当にありがとうございました。

 

 

Music Tribune:   今回のアルバム『Fire Breathing Lion』は、前作に比べると、エレクトロニックとジャズの融合に重点を置いているようで、スタイルが大きく変わりました。なぜこのような音楽の方向性を選んだのでしょう? 


ドミニク・J・マーシャル:作曲するときにスタイルについてあまり考えていないことは認めるけれど、君の言う通り、『Fire-breathing Lion』と前作との間には大きな変化がある。 新しい作品は、より神話に関連しているんだ。

 

僕が音楽の好きなところのひとつは、意味を伝えるのに言葉を必要としないことだ。 おそらく、言葉がないほうが多くのことを伝えられる。 アルバムを制作しているうちに、そのテーマが意識的というよりも "無意識的 "であることに気づき始めた。 できるだけ深く泳ぎたかったし、歌詞は空気でできているから、いつも表面に浮いてくる。 歌詞と神秘主義は親友ではないと思う。


ーーこのアルバムの制作過程について教えてください。どのように録音しましたか。また、作曲、レコーディング、演奏全般で最も重要な点は何でしたか?

 

マーシャル: 制作においては決まりのようなものは作らなかった。 ドラム・パートのほとんどは、ポケットに入るような小さなドラム・マシンを使って、街をぶらぶらしながら作ったんだ。 「メフィストフェレス」は夜中にラップトップで書いた。 

 

「Fairy Business(フェアリー・ビジネス)」はピアノの即興曲で、ライブの後、朝一番に書いた。 まだ半分眠っていた。 「Cross the Dell(クロス・ザ・デル)」はベースを手に入れたときに書いた。 最初に弾いたのがこのベースラインだったから、あのエキサイティングな感じが生まれたんだ。 

 

「Lysianassa(リシアナッサ)」は、好きだった女の子に好きになってもらえなかった話だ......。ものすごくありふれた話なんだけど、アルバムを書くには少なくとも1つはそういうものが必要になってくる。 いくつかのグランドピアノのパートを除いて、レコーディングはすべてロンドンの僕のアパートで行った。 私は自宅で8本の植物を育てているので、私が作ったものが良いものかどうかは、彼らが成長し、健康に見えかどうかでよくわかるんだ。 

 

ーーアルバムのためにハービー・ハンコック、モーリス・ラヴェル、デヴィッド・リンチからインスピレーションを得たそうですね。具体的に彼らからどのような影響を受けましたか?

 

マーシャル:ハービーの70年代のアルバムは私の人生を変えたんだ。 もろんチック・コリアもそうだよ。 この2人のおかげで、学生時代にはすでにミュージシャンになろうと心に決めていた。


ラヴェルについては思い入れがかなり深い。つい1年前、私は音楽を「諦めて」普通の仕事に就こうとしたことがあった。 何年も前に手に入れたラヴェルのピアノ曲集を夜な夜な弾く以外、あまり幸せは訪れなかった。 その本を開くたびに、音楽が私を呼び戻してくれるのを感じた。 プレッシャーを与えるような感じではなくて、「必然」のような感じだったよ。 ラヴェルが "呼吸を諦めるのと同じように、音楽を諦めることはできない "と言っているように聞こえたんだ。

 

デヴィッド・リンチの作品には、答えのない問いがたくさんあった。 多くの監督は彼の真似をしようとするが、すべての疑問に答えることができず、挫折してしまう。


例えば、 私は『ツイン・ピークス』に登場するクーパー捜査官が大好きだ。 私にとって、デイル・クーパーは、生きとし生けるものすべてが人生を通じて謎の軌跡をたどることを象徴している。本当に決心すれば、実際にいくつか解決することもできるが、常に事実よりも謎の方がはるかに多い。 それが宇宙の法則でもある。 事実が謎を上回った日には、宇宙は崩壊するだろうね。 


ーー自分もピアノを弾いていて、ラヴェルもよく演奏します。こういった曲を何も考えずに弾いていると、日常の細かいことを忘れて本来の自分に戻れる。そういう経験ができるのは本当に素晴らしい。偉大なミュージシャンの多くは、音楽を人生そのものにしていると思います。 


マーシャル: ラヴェルを演奏するのはすごい。ラヴェルの曲は簡単じゃない。 それでも、たった1ページから学ぶことがたくさんある。彼はグランドマスターだ。そうだね、君の言うように、音楽は生き方なんだ。 人生とは別の独自のルールがある。 そう考えるとちょっと怖いね。 あまり考えないようにしているよ!!


ーーさて、あなたのアルバム『Fire Breathing Lion』を聴くとき、リスナーに気をつけてほしいことはありますか?

 

マーシャル:理想的なのは、彼らが自分の内面を見つめることだろうね。 でも、もし彼らが外に耳を傾けたければ、鍵を探すことになるのでは......? そのためのヒントはたくさんあるはずだから。


ーーこれまであなたはモントルー・ジャズ・フェスティバルやグラストンベリー、サマーソニックなど、世界的な音楽フェスティバルに出演してきました。今後出演してみたいイベントはありますか?

 

マーシャル: 自分のバンドで日本でライヴをやってみたいと思っているよ。 


間違っているかもしれないけど、日本はとても文化的な場所のように思える。 僕は小さい頃から日本の文化に興味があった。昔、家に留学生が英語を習いに来ていたことがあった。 その留学生が僕と弟にゲームボーイを持ってきてくれた。 その瞬間から、私は熱狂的な任天堂ファンになったんだ。


ーーゲームボーイはなんのソフトをやったの?


マーシャル:  その留学生はゲームボーイと一緒にスーパーマリオブラザーズ3を持ってきた。 あのゲームは難しすぎた! クリアしたことはなかったと思うけど、ラスボスまでは行ったよ。 特にゼルダは音楽と寺がたくさんあったからね。 その後、ゼルダの伝説、ディディー・コング・レーシング、コンカーのバッド・ファー・デイ、大乱闘 スマッシュブラザーズがお気に入りだった。 


ーー今後のアクティビティの予定について聞かせて下さい。

 

マーシャル:実のところ、今のところはまったくわからない......。 すべてを売り払ってヒマラヤに引っ越したいと思う日もあれば、道行く人に気まずい質問をするテレビ番組を始めたいと思う日もある....... (笑)。 

 

でも、しばらくはロンドンでギグをこなす予定だ。というのも、音楽をやっているときが一番生きているように感じられる。 幸いなことに僕の周りには一緒に演奏できる素晴らしいミュージシャンがたくさんいるからね。

 

Photo: Sahil Kotwani

 

 


 最新アルバム『Fire-breathing Lion』のご視聴はこちらから。

 

 



・メディアや著名人からの反応


 ''陽光を呼び起こすビート''-テレグラフ紙


"彼は過去の偉大な遺産と同時に、とても新鮮で新しいものをもたらしている"-ジェイミー・カラム


"マーシャルは不気味の谷に飛び込み、その中で戯れ、不遜なウィットと神聖な優美さでこのジャンルに新鮮な道を開く"-オーケープレイヤー


''彼はピアノのヴィルトゥオーゾと呼ぶにふさわしい'' -ジャムズ・スーパーノヴァ



【Episode In English】

 

--This album, Fire Breathing Lion, seemed to focus more on the fusion of electronic and jazz, compared to the previous album, the style has changed significantly. Why did you choose this kind of musical direction?


Dominic J Marshall:  I admit I don’t give much thought to style when I’m composing, but you’re right, there is a big change between Fire-breathing Lion and my last album. The new pieces are more related to mythology. 

 One of the things I love about music is that it doesn’t require words to convey meaning. 

 Arguably, you can say more without words. As I was producing the album, I started to realise its themes were more “unconscious” than conscious, so I would have to keep it instrumental. I wanted to swim as deep as possible, and lyrics always float to the surface, because they are made of air. I guess lyrics and mysticism are not best friends.


--Can you tell us about the production process of this album? How did you record it? And what were the most important aspects of your compositions, recordings and performances in general??


Marshall: There’s definitely no formula. I made most of the drum parts when I was out and about in the city, on a little drum-machine that fits in your pocket. 

 “Mephistopheles” I wrote on my laptop in the middle of the night. “Fairy Business” was a piano improvisation, first thing in the morning after a gig. I was still half asleep. 

 “Cross the Dell” I wrote when I got my bass guitar. The first thing I played on it was that bassline, which is why it has that excitable feel. 

 “Lysianassa” was about a girl I liked who didn’t like me back - kind of cliché but you need to have at least one of those to write an album.

 Except for a few grand piano parts, all the recording was done at my flat in London. I have 8 plants, so I can tell if what I’m making is good because they grow and look healthier. 



--You drew inspiration from Herbie Hancock, Maurice Ravel and David Lynch for this album, what specific impacts have they had?


Marshall: Herbie’s 70s albums changed my life. The same goes for Chick Corea. Between those two, I already knew I was going to be a musician when I was at school.
 

 Ravel: A year ago I had attempted to “give up” music and get a normal job. It didn’t bring me much happiness, except sometimes in the evening I’d play this Ravel piano book I got years and years ago. 

 Whenever I opened that book, I felt music calling me back. Not in a pressurising way, but more in an ‘inevitable’ kind of way. It sounded like Ravel was saying “you can’t give up music anymore than you can give up breathing.” 

 David Lynch had a lot of unanswered questions in his work. Directors try to imitate him, but they fall short because they can’t help answering all the questions. I love Twin Peaks, especially Agent Cooper. 

 To me, Dale Cooper symbolises how all living beings follow a trail of mysteries through our lives. If we’re really determined, we can actually solve a few, but there will always be more mysteries than facts. It’s just the law of the universe. The day facts outnumber mysteries, the universe will collapse. 

 

-- I play the piano myself on a daily basis, and I also play Ravel a lot. When I play these pieces without thinking, I can forget the details of everyday life and return to my true self. It's really wonderful to have that kind of experience. I think great musicians make music their very way of life. 



Marshall: That’s awesome you’ve been playing some Ravel. His music is not the easiest, as you probably noticed. But there is so much to learn from just one page. He was a grandmaster...

 Yeah, you’re right about music being a way of life. It has all its own rules separate from life. Kind of scary when you think about it. I try not to think about it too much!!



--What would you like listeners to look out for when listening to this album?
 

Marshall: Ideally, they will look inside themselves. But if they want to listen out, I guess listen out for the keys… ? There’s quite a bit of keys.



--So far you have performed at world-class music festivals such as the Montreal Jazz Festival, Glastonbury. Are there any other events you would like to perform at in the future?

 
Marshall: I would love to do some shows in Japan with my own band. I might be wrong but it seems like a very civilised place. I’ve been into Japanese culture since I was really young. 

 We used to have foreign students staying in our house who came over to learn English. They were my favourite foreign students because one brought me and my brother a Gameboy. From that moment on I was a diehard Nintendo fan. 


- What software did the Game Boy do?


Marshall: About the games, they brought "Super Mario Bros 3" with the Game Boy. That game was way too hard! I don’t think we ever completed it, but we definitely got to the final boss. Then later my favourites were "Zelda Ocarina of Time", "Diddy Kong Racing", "Conker’s Bad Fur Day", "Super Smash Bros". Especially Zelda because of the music and all the temples. 


-What are your plans for future activities? 


Marshall: To tell the truth I have absolutely no idea. Some days I wake up wanting to sell everything and move to the Himalayas, others I want to start a TV show asking people awkward questions in the street. In all likelihood though, 

 I’ll be in London doing my gigs, because making music is when I feel most alive. There are so many great musicians to play with here.


・Reactions from the media and celebrities


“Sunshine-evoking beats”-The Telegraph


“He brings together a great heritage of the past, but also something very fresh and new.”-Jamie Cullum


“Marshall plunges into the uncanny valley and frolics in it, investing a fresh path for the genre with irreverent wit and divine grace.”-Okayplayer


“He’s what you would call a piano virtuoso”-Jamz Supernova





NaoはロンドンのR&Bシンガー。かつてバックアップ・ヴォーカリストだった彼女はBBCの革新的な新人ミュージシャンを選ぶ「サウンド・オブ・2016」に選出されている。


ネオ・ジェシカ・ジョシュア、イギリスのノッティンガムで育ったナオは、イギリス中を旅した後、最終的にイースト・ロンドンに落ち着いた。彼女は、ナス、ミッシー・エリオット、ブランディが大好きで育ち、ゴスペルが特に好きになった。「ゴスペルをいつも聴いていた。アレサ・フランクリンは、ゴスペル・シンガーでありながらメインストリームになった人の良い例です。彼女は自分の声を完全に解放した。あんなことができる人はあまりいない」


「18歳ぐらいになると、たいていの人は自分のやりたいことを決めたがる。大学に入り、科目を選択しなければならない」と彼女は言う。 法律の授業に退屈していたナオは、音楽に没頭し、ジャズの作曲を学んだ。


2014年、あるマネージャーがナイトクラブで彼女が歌っているのを見つけ、なぜまだ彼女のことを知らないのかと尋ねた。 その後すぐに、彼女は教師業やバック・シンガーの仕事を辞め、デモ・レコーディングを始めた。 その年の10月に最初のトラック「So Good」がリリースされ、2015年5月にはEP『February 15』がリリースされた。


「舞台裏から表舞台に出るというのは、実に美しい瞬間でした」と彼女は言う。「 バック・シンガーだったとき、これが私だったらいいのにと思ったことは一度もなかった。 私はその役でとても幸せだった。 でも、初めて自分として表舞台に立つ瞬間が来たとき、それまで経験したことのない、まったく違うエネルギーに包まれたし、観客の人たちが自分の歌を知っているというのは本当に特別なことだった。 観客が自分の歌を知っているというのは本当に特別なことだった」


「自分の家族の構成や家族のダイナミズムが、自分が存在している空間とは大きく異なっていることを実感していました。両親は一緒にいなかったし、異母兄弟なんて聞いたこともなかったという感じだった。ちょっと控えめで、自分に自信がないのは、そういうところから来ているのかもしれない」


2016年のデビュー作『For All We Know』では、ボイスノートとシルキーでシンセの効いたファンクで埋め尽くし、謎めいたジャイ・ポールとその兄弟AKポールと仕事をした。 絶え間ないアウトプットに執着する業界の異端児であるジャイ・ポールの遺産は、2007年のマイスペースのデモ曲『BTSTU』という、大きな影響力を持つ1曲によって大きく後押しされている。


ナオは多作であり、『Jupiter』は4枚目のフルアルバムであるが、彼女は創作意欲を削ぐ同世代のアーティストたちから学び、初期の誇大広告を凌駕する安定したキャリアを培ってきた。 アルゴリズムがまだ定着していなかった時代に登場したナオは、アーティストにとって状況は難しくなっているという。基本的に、多くの場合、音楽業界そのものはバイラルヒットを待っている。 伝統的なプロモーション方法よりもソーシャルメディアやバイラルが優勢になっているため、業界自体も流動的な状態にあると彼女は付け加えた。


2021年以来の4作目となる最新アルバム『Jupiter』は、発売元のSony Musicによると、精神的なテーマを掘り下げ、新しい一面が表現されているという。「土星は教訓の惑星であり、非常に変革的なタフな惑星です。そして木星は、喜びと豊かさと愛、幸運と幸運の惑星です。それはとても魔法の惑星です。私は人生で本当に良い場所にいると感じています、そして私はそれを祝い、それを私のリスナーと共有したかったので、彼らも彼らの木星を少し持つことができるでしょう」

 

「今作を聴いて、自己の喜びの波動が美しく変化するのを感じてもらえたら嬉しい」と彼女は語っている。

 


NAO 『Jupiter』- Sony Music

 

ナオは2016年に「サウンド・オブ・2016」に選出されてから、燃え尽き症候群のようになり、しばらくツアーを中断していた。高度な資本主義社会では、ある意味、社会全体が刺激的なものが氾濫している。また、同時に便利になりすぎていることから、人々の多くは心が疲れきっている。それはたぶん自分らしく生きることが日に日に難しくなっているからだと思われる。


例えば、成果主義に翻弄された人々がどこかで大きな壁に直面するように、過度な名声や重圧がのしかかることもある。同様に、歌手もこの現象に遭遇せざるを得なかった。結果的にそれはミュージシャンとして活動するのを妨げる難病として現れた。しかし、現在は、ツアーも再開され、回復の途上にあるようだ。ニューアルバムは燃え尽き症候群からの立ち直り、ミュージシャンとしての再生を意味している。その象徴となるのがジュピター、ーー希望の星ーーなのである。

 

アルバムの制作期間は、一個人としての変革期に当たった。母親として妊娠中であり、その多くはかなり疲れていたという。それにもかかわらず、『Jupiter』は明るい気分とエネルギーに満ちている。そして歌手の人生から汲み出された慈愛の精神がこのアルバムの一つのテーマである。それらが、彼女が信奉するボーイズⅡメン、アッシャー、ミッシー・エリオット、ブランディ、さらにはリトル・ドラゴン、ジェイムス・ブレイク、SBTRKTの影響下にあるダンスミュージックとR&Bの中間域にある音楽性がめくるめく様に展開されていく。30分半あまりの簡潔なアルバムとなっているが、これはまちがいなくミュージシャンにとっての人生の重要なスナップショットでもある。このアルバムの期間を後に思い返した時、重要な意味を持つことだろう。

 

『Jupiter』は音楽業界に携わってきた人間として何らかの折り合いをつけるためのアルバムと言えるか。肯定的に見ると、様々な内側の感情が渦巻く中、自分の歩んできた道のりを容認し、誇りに思うということである。分けても、多くの場合、有名アーティストはソーシャルメディアとの付き合いに翻弄され、プレイベートを尊重する人々にとって長い時間そこに滞在することは大きなストレスとなる。そこには生きることへの不安を増長させるもので溢れかえっているからである。こういった情報を上手く活用する人々もいるが、もちろん、そういったたぐいの人たちばかりではない。時々、そういった情報の波に飲み込まれてしまう人もいる。無数に氾濫する情報は、多くの場合、ノイズになることも多く、自分の考えを阻害するものなのである。

 

そして、Naoの場合、そういった存在を容認しつつも、ほどよい付き合い方を考えていた。結果的に現れたのが、アルバムの''希望''という道筋だった。商業を肯定的に捉えた上で、自分なりのやり方を築くことである。もう一つは、彼女の母親のルーツであるジャマイカやロンドンのコミュニティやカルチャーのあり方を再確認し、それらを音楽として具現化しようということである。


結末としては、UKベースライン、ディープ・ハウス、バレアリック、ダンスフロアの音楽に付随するチルアウト、つまりクールダウンのためのダンスミュージックを中心にポピュラーの世界が繰り広げられる。それらがオートチューンやピッチシフターのような機械的な効果を及ぼすボーカルと合致し、トレンドの音楽が構築される。これらは考え方によっては、資本主義社会や現代的なテクノロジー、そして、無数の情報が氾濫する社会の中でどのように生きるべきかを探り、そしてそれを楽観的に乗り切ろうというアーティストなりの考えが音楽に通底している。

 

ナオの歌は驚くほど楽観的であり開放的な感覚に充ちている。これは年代の壁を越えたということでもある。かつて歌手は、若さを手放すことが難しくなるという悩みを持っていたが、概念上の架空のものに過ぎなかった。そういった何歳までに天職に就くというような考えに距離を置くことに決めたのである。それがある意味では吹っ切れたような感覚を生み出し、ベースラインを基調にしたディープハウスと掛け合わされ、驚くべきことに若々しい印象すら生み出している。これは年齢上の老いや若さではなく、人生に対する手応えが溌剌とした印象を生み出し、人生を生きているという実感が乗り移り、軽快なダンスポップナンバー「Wild Flowers」が作り出されたというわけである。しかも、それらがキャッチーでダイナミックな印象を放っている。

 

 

 「Wild Flower」

 

 

 

「Elevate」は、アーバン・コンテンポラリーを意識したトラックで、クインシーやマーヴィンといった80年代のきらびやかなR&Bを下地にして、その後に現代的なソウルナンバーを提供している。そういった中で「Happy People」は、ギターの録音を介して王道のポップソングに挑む。どちらかといえば、これは遠目から幸福な人々を歌っていて、歌手の幸福という概念が徐々に変化していくプロセスが捉えられている。プエルトリコやラテンアメリカの情熱と哀愁の合間にある音楽、そしてそれらが市井の人々の声を反映させたサンプリングと交互に繰り広げられる。ディープハウスはもとより、レゲトンの要素をからめた爽快な楽曲として楽しめる。

 

「Light Years」はマリブ・ステートやプールサイドを彷彿とさせる西海岸風のチルアウトである。ヨットロック風のギターで始まり、 まったりとしていて安らいだ感覚を持つバラード風のR&Bへと変遷する。ベースを起点として、リバーブを印象づける空間的なギターのアルペジオ、ナオのボーカルが合わさり、音楽の印象が決定づけられる。その後、この曲はドラマティックな雰囲気を帯びはじめ、シンセストリングスで雰囲気づけをし、豊かな情感を帯び始める。その後、ピアノの録音を交え、ボーカルは美麗な瞬間を象る。夕日を砂浜からぼんやりと眺めるときのあの美しい感覚だ。そしてサビではドラムフィルが入り、この曲はダイナミックな変遷を辿っていく。ボーカルも素晴らしく、華麗なビブラートが曲の雰囲気を盛り上げる。


続く「We All Win」ではイビサ島のバレアリックのサウンドを踏襲し、EDMの高らかな感覚を表現する。ユーロビート、レイヴ、ハウスを合致させ、ハリのあるサウンドを生み出す。この曲でもリゾートのダンスフロアの音楽性が維持され、リラックスした空気感を放っている。続いて、「Poolside」も同じ系譜に属するが、この曲ではよりポピュラーソングの側面が生かされ、サビでのアンセミックな響きが強調される。踊ることも聞き入ることも出来る絶妙な一曲である。

 

 

「30 Something」は、新しい世代のゴスペルソングのような趣を持つ。精妙なハモンド・オルガンをかたどったシンセの伴奏のイントロのあと、ベッドルームポップを系譜にあるバラードが続く。王道のポピュラーソングの構成をもとに、ギターの演奏のサンプリングの導入などを通じて構造に変化をもたらす。そしてサビでは、わかりやすいシンプルなフレーズが登場する。ここでは、旧来のバックボーカリストとしての役割を離れ、メインボーカリストとして活躍するに至った人生の流れが描かれている。それはまた本来の姿に生まれ変わったような瞬間が立ちあらわれる。この瞬間、聞き手としては歌手に少しだけ近づけたというような実感を持つ。これらはライブを通して歌手が培ってきた手応えが含まれている。それはアーティスト側と聞き手という本来であれば遠くに離れた空間を繋げるような役割を持つ。続く「Just Drive」では、同じような精妙な感覚をもとに、ダンサンブルな重力を持つナンバーを作り上げている。ベースラインの強いローエンドの出力に加え、グリッチの組み合わせが迫力をもたらしている。

 

たいてい、制作された順番に沿って曲が収録されることは多くはないと思われる。しかし、このアルバムは、面白いことに、 アーティストとしての人生のスナップショットやワンカットが曲ごとに順繰りに流れていくような気がする。部分的に何らかの情景としてぼんやりと伝わることもあるし、また、感覚的なものとして心に伝わってくることも。一見したところ、フルレングスとしては分散的であるように思えなくもない。しかし、しっかりと聞き進めていくと、何らかの一連の流れのようなものが備わっているのがわかる。それは音楽的なディレイクションとしてではなく、人生の流れや意識の流れのような感覚をどこかに併せ持っているのである。

 

本作はNaoがバックコーラスとしての音楽家のキャリアを歩み始め、いくつかの逡巡に直面し、そして、一つずつ克服していくような過程が刻みこまれ、最終的にはソロボーカリスト(個人)としての地位の確立というテーマに直結している。要するに、音楽作品が人生の一部分を反映していると称せるかもしれない。そして、それは、泣きたいような瞬間、心から快哉を叫びたくなるような素晴らしい時間をすべて内包している。シンガーは、バックボーカリストとして働いていた時代も、メインボーカリストに憧れることはあまりなかったというが、アルバムの終盤の曲を聴くかぎりでは、心の中でソロで活動することにようやく踏ん切りがついたという印象を抱く。そして、それは実に、2016年にBBCが取り上げた時点からおよそ九年目のことだった。

 

ソロシンガーとしての威風堂々たる雰囲気を捉えることも出来るのがアルバムの表題曲「Jupiiter」。おそらく、これは前作まではなかったオーラのようなものが身についた瞬間ではないか。アルバムの終盤はどうだろうか。グリッチを突き出したダンストラック「All of Me」ではチャペル・ローンのような2020年代のトレンドの歌手に引けを取らない実力を発揮する。アルバムのクローズはアコースティックギターをフィーチャーしたR&Bソングだ。前衛的なアプローチを図ったオルタネイトなR&Bも大きな魅力を感じるけれど、むしろ、こういったストレートな曲こそが、現代のUKソウルの最前線を象徴づけるといっても過言ではないでしょう。


 

 

 

90/100

 

 

Naoのニューアルバム『Jupiter』はソニーミュージックより2月21日に発売。詳細はこちら。 


 

「Elevate」

 


LAのインディーロックバンド、Mamalarky(ママラーキー)が3作目のアルバム『Hex Key』を発表した。 本作はエピタフから4月11日にリリースされる。このアルバムには、先にリリースされたシングル「Nothing Lasts Forever」と 「Feels So Wrong」が収録されている。

 

さらに、アルバムの発表と合わせて、爽快でハーモニーに満ちたグルーヴィーな「#1 Best of All Time」が配信された。この新曲は西海岸のサイケポップ、フラワームーブメント、ベッドルームポップ、エレクトロニックをすべてトランクに詰め込んだLAの最新鋭のオルタナティヴロックだ。

 

同レーベル(Epitaph)からの初のリリースとなるこのアルバムは、彼らのホームスタジオで制作された。 

 

「このアルバムの多くは、怒りと和解すること、怒りと何か有用なものを創り出す方法を見つけることをテーマにしている」とボーカルのリヴィー・ベネットは言う。「感情から自分自身を説得することはできないけれど、それを置くのに良い場所は常にある」


 ボーカルのベネットは次のように続ける。

 

たくさんのUNOゲームを通して、私は実はかなり負けず嫌いだとわかった。 そしてどういうわけか、負けたときの感覚がモチベーションを高めてくれるんだ。 いつも自分自身と競争しているような気分で、自分がやろうとしたことなら何でも、最後の挑戦でベストを尽くそうとしているんだ。

 

史上最高にはなれないかもしれないけれど、史上最高の自分であることに変わりはない。 私は、力強さを感じさせながらも、笑いを誘うような、疑念を笑い飛ばすようなものを書きたかった。 なぜなら、負け馬のように感じるときでも自分に賭けることで、大きな収穫があるからだ! 失敗した瞬間に自分が勝っていると感じることができ、自分のバロメーターだけで自分を測ることができれば、もっと幸せになれるはず。

 

 

「#1 Best of All Time」




Mamalarky 『Hex Key』


Label: Epitaph

Release: 2025年4月11日

 

Tracklst:

1. Broken Bones

2. Won’t Give Up

3. The Quiet

4. Hex Key

5. Anhedonia

6. #1 Best of All Time

7. Take Me

8. MF

9. Blow Up

10. Blush

11. Nothing Lasts Forever

12. Feels So Wrong

13. Here’s Everything



Pre-save: https://mamalarky.ffm.to/hexkey

 


パフューム・ジーニアスがオルダス・ハーディング(Aldous Harding)と組んだ「No Front Teeth」は、次作アルバム「Glory」に収録される壮大なセカンド・シングルである。


ハーディングは、フロントマンのマイク・ハドレアス、長年のPerfume Geniusのバンド・メンバーで共同作曲者のアラン・ワイフェルスと共に、この曲のミュージック・ビデオにも出演している。Perfume Geniusの象徴的な「Queen」のビデオを監督したCody Critcheloeがこのクリップを監督した。以下から視聴できる。


先月、Perfume Geniusはニューアルバム『Glory』を長年のレーベルであるMatador Recordsから3月28日にリリースすることを発表した。 『Glory』はブレイク・ミルズのプロデュースによるもので、ハドリアスの7枚目のスタジオアルバムとなる。 この発表と同時に、彼はファースト・シングル「It's a Mirror」をリリースした。


この曲は、ほぼ満場一致で批評家から賞賛を受け、ピッチフォークの「ベスト・ニュー・トラック」に選ばれた。 "ハドレアスは、2022年の『アグリー・シーズン』の拡散的な雰囲気から決定的に揺り戻されたような、筋肉質で直接的なサウンドの到来を告げる。 ハドレアス自身、フロントマンとしてこれほどセクシーで自信に満ちたサウンドを聴かせたことはない。Perfume Geniusが初めてツァングに挑戦した作品ではないが、「It's a Mirror」は、アウトローの本拠地でありながら、しばしば膿んだ近視眼を生み出しかねない音楽の伝統の中で、その主張を貫いている。"


パフューム・ジーニアスの待望のニューアルバム『Glory』は3月28日にマタドールからリリースされる。


「No Front Teeth」 



 


ニューヨークを拠点に活動するミュージシャン、Maia Friedman(マイア・フリードマン)がニューアルバム『Goodbye Long Winter Shadow』をラスト・ギャング・レコードから5月9日にリリースすると発表した。 

 

シングル「New Flowers」を筆頭に、自己慈愛に満ちた作品となっている。 フリードマンによれば、この曲は「失われた愛、そして自分自身を失い、再び自分自身を見つけるという必然的なプロセス」について歌っている。

 

「親愛なる友人ハンナ・コーエンにハーモニーを歌ってもらい、エンディングのギターソロはマディ・バルターと私が並んでデュエルしたんだ。 「控えめに言っても楽しかった。 この曲にはドラムが必要だとわかっていたので、伝説的なケニー・ウォーレセンを呼んだら、彼は最初のテイクでドラムを叩いてくれた。 オリバー・ヒルが私のデモを木管楽器と弦楽器のための美しいアレンジに解釈してくれたのが気に入った。


フリードマンの2022年のデビュー作『アンダー・ザ・ニュー・ライト』に続く新作は、フィリップ・ワインローブ(エイドリアン・レンカー、フローリスト)とオリヴァー・ヒル(マグダレナ・ベイ、ヘラド・ネグロ)とともに制作された。 歌詞は、ユング派の分析家であり神話研究家でもあるフリードマンの母親の影響を受けている。 

 

「彼女は芸術作品、夢、神話について書き、似たような物語を異なる方法で語るイメージ、原型、文化のつながりを描く」とフリードマンは説明する。 「神話とおとぎ話について語り、探求する、とても総合的なアプローチなのです」


「New Flowers」 



Maia Friedman 『Goodbye Long Winter Shadow』


Label: Last Gang

Release: 2025年5月9日


Tracklist:


1. Happy

2. New Flowers

3. In A Dream It Could Happen

4. Iapetus Crater

5. Russian Blue

6. Suppersup

7. A Long Straight Path

8. On Passing

9. Foggy

10. Vessel

11. A Heavenly Body

12. Open Book

12. Soft Pall Soft Hue

13. Shape Is Your Own

14. Witness

 

Pre-save: https://maiafriedman.ffm.to/newflowers

 

©Athena Merry

 

Wishyは、4月25日にWinspearからリリースされる新作EP『Planet Popstar』を発表した。 このEPは、デビューアルバム『Triple Seven』のセッションで録音されたB面曲のコンピレーションである。 (レビューはこちら)新曲「Fly」で、ニーナ・ピッチカイトはこう歌っている。"I found a way/ To be grateful every day/ Even when I sit and wait/ Knowing I gotta fly." 以下からチェックしてほしい。


「この曲は、現在を楽しむこと、愛に包まれること、そして自分自身を深刻に捉えすぎないこと、という一般的なテーマを伝えている」とピッチカイツはプレスリリースで語っている。 

 

「わたしとケヴィンとスティーヴ・マリーノがこの曲を共作したのは、『Triple Seven(トリプル・セブン)』という曲を書いたのと同じ頃だった。 この曲は、スティーヴが私達のために持ってきてくれたデモのうちのひとつなんだ」


EPのヴァイナル盤は、これまでフィジカルリリースされることのなかったWishyのデビューEP『Paradise』と合わせて、『Paradise on Planet Popstar』として両面12インチで発売される。 シンガー/ギタリストでバンドの発足者であるケヴィン・クラウターは次のように説明している。「ハイ・プロダクション・スタイルに傾倒したかったし、より洗練されたアダルト・コンテンポラリー・フィールを探求する機会として、これらの曲を使ってスタジオでとても楽しんだ」

 

 

「Fly」

 



Wishy 「Paradise』/「Planet Popstar」 EP


 Label: Winspear

Release: 2025年4月25日

 

Tracklist:


Paradise


1. Paradise

2. Donut

3. Spinning

4. Blank Time

5. Too True


Planet Popstar


6. Fly

7. Planet Popstar

8. Over and Over

9. Chaser

10. Portal

11. Slide

 

 

Pre-save: https://lnk.to/planet-popstar