Weekly Music Feature


青葉市子


Ichiko Aoba


  これまでに、ソロアルバムのリリースの他、『こちらあみ子』のサウンドトラック提供や、ゲーム音楽へのサウンドトラックの提供、また、空想の物語を織り交ぜてクラシック、ポップ、ジャズという3つのジャンルの音楽を取り巻くようにして麗しい音のストーリーを展開させた前作『アダンの風』で世界的に注目されるようになった日本のシンガーソングライター/青葉市子(Aoba Ichiko)は、その後、弦楽アンサンブルを従えたライブを通じて、伸びやかで美しい清涼感のある歌声によって世界の音楽ファンを魅了しようとしています。昨年に続いて、今年3月から再び世界ツアーを敢行するシンガーは、アジア圏にもその名を響かせようとしており、Saison Des Fleurs 2023の世界ツアーの一貫としてインドネシアのジャカルタでの公演を予定しています。

 

  青葉市子は、渋谷オーチャードホールでの『アダンの風』の公演、昨年のBlue Note主宰の日本公演のほか、今年10月にはJapanese BreakfastのニューヨークのRadio City Music Hallでの公演サポートを務める予定で、今後、世界的な活躍が期待出来るシンガーです。知るかぎりでは、この歌手はデビュー当時から世界で活躍するようなシンガーになるべく野望を内に秘めていた歌手ではありませんでした。そして今でも弦楽アンサンブルとともに小規模のコンサートを開催する場合もあるように、観客との距離を大切にする、どちらかといえばささやかなフォークシンガーとして2010年の『剃刀乙女』で日本のミュージック・シーンに台頭しました。

 

  そして、デビュー当時のこのシンガーソングライターの持つ個性溢れる雰囲気、そして少なからず文学性を感じさせる幻想と現実の間を揺らめくように織りなされる抒情性の高いフォークミュージックは、当時から日本国内でも支持を得ており、口コミを介してこの歌手の素晴らしさがじわじわと広まっていった印象もあったのです。

 

  青葉市子は2010年のデビュー当時とは違い、Blue Note直系のジャズ、クラシック、メディエーション、フォークと様々な要素を織り交ぜながら自らの表現力と可能性を徐々に広げていき、今や国内にとどまらず海外にも活躍の領域を伸ばしつつある素晴らしい歌手となった。しかし、これは2010年から歌手の実力を知る人々にとっては何の不思議もないことだろうと思われます。

 

 

 

昨日発売となった『Ichiko Aoba with 12 Emsemble(Live at Milton Court)』は、昨年、ロンドンのミルトン・コートで9月3日に行われたライブを収録しています。


この日のライブでは、世界的にその知名度を引き上げた前作『アダンの風』の収録曲を中心にセットリストが組まれています。梅林太郎氏によるアレンジが新たに施され、さらにロンドンを代表する弦楽オーケストラ"12 Emsemble"と共演を行いました。近年、12 Emsembleはジャンルを問わずコラボレーションを行っており、追記としては4ADに所属するDaughterの最新アルバム「Stereo Mind Game」にもゲスト参加しています。

 

ライブ・アルバムでは、梅林氏による編曲と合わせて、ロンドンの12 emsembleの弦楽の巧緻な演奏、シンガーソングライター青葉市子の歌声の魅力、日本語歌詞のニュアンス、そして、歌手のボーカルが織りなす幻想的な雰囲気を体感することが出来ます。この日のライブのオープニングを飾る「 帆布ーEaster Lily」は、前作『アダンの風』の収録曲。イントロでは、沖縄民謡の特殊な音階を通じて、海外の音楽ファンにアジアの爽やかな南風をもたらす。島唄(沖縄民謡)の音階をはっきりと意識した不思議な音の世界は、実力派シンガーの繊細で柔らかなボーカルとアコースティックギターの演奏を通して奥行きを増していき、さらにロンドンを代表する弦楽アンサンブルの流麗なストリングスにより、その強度と迫力を増し、聴き手を圧倒するのです。

 

「Parfum d'etoiles」は、フランス和声の影響を受けた色彩的な12 Emsembleの優雅な演奏により幕を開けます。チェロが強調された重厚なストリングスの低音のハーモニーはやがて、モダンジャズの気風を反映したワルツの軽妙なリズムとして、その後の展開に受け継がれ、ムードたっぷりのボーカルが舞踏のように不可思議な世界観をきわめてナチュラルに築き上げていきます。ハミングのようなトーンが印象的なボーカルは抽象的な音像をもたしますが、ときおり導入される弦楽の繊細なニュアンスを表現するレガートとピチカートが合致し、ミルトン・コートの観客をアーティストの持つミステリアスな世界へとやさしく招きいれるのです。

 

3曲目の「霧鳴島」もオープニング・トラックと同様に、『アダンの風』に収録されていた楽曲となりますが、これは前半部と中盤部を連結する間奏曲のような意味を持っています。前の2曲であらかじめ提示しておいたファンタジックかつミステリアスな雰囲気がミルトン・コートのライブ会場に浸透した後、アーティストが思い描いた空想の物語をテーマに置いた楽曲は次第に奥行きを増していきます。確かに、「霧鳴島」は、世界のどこ地域にも存在しないわけですが、他方、弦楽アンサンブルの抑揚に富んだパッセージは、聞き手の情感に訴えかけるような哀感溢れる演奏力により、聴衆の脳裏に実在しない島の姿を呼び覚ますのです。


さらに、続く「Sagu Palm' Song」はアコースティックギターの繊細なアルペジオと歌手の歌声のエモーションが絶妙に溶け合うようにして昇華された一曲です。ここには以前、ゲームのサウンドトラックを提供している歌手の趣味の一端にふれることができます。例えばもし、ゲーム音楽に詳しい方ならば、歌い出しを通じて名作曲家の光田康典氏のゲーム音楽の影響を感じとることも出来るかもしれません。「クロノ・クロス」、「クロノ・トリガー」、上記2作のサウンドトラックに象徴される日本のゲーム音楽の歴代屈指の名曲の影響をかすかにとどめ、それらの幻想的なフォークミュージックの影響を受けつぎながら、青葉市子は現実と幻想の狭間をゆったりと心地よく揺蕩うかのようにうたっています。とりわけ、曲の後半部におけるハミングにも近いボーカルの情感の豊かさ、なおかつ繊細な歌声が織りなすアンビエンスの見事さに注目でしょう。


続く、「血の風」はージャズの影響を絡めたギターソングとして聴衆を聴き入らせるしたたかな説得力を持ち合わせています。それ以前の曲と同様に、幻想的な雰囲気を擁する一曲ですが、言葉とも旋律のハミングともつかない抽象的なボーカルがアコースティックギターの繊細なピッキングと絶妙に溶け合うようにし、淡いエモーショナルなアンビエンスを滑らかに形成する。曲の前半部では、フラメンコのようなスペイン音楽の哀愁を感じさせるが、中盤部からクライマックスにかけては、12 emsembleのストリングスの助力を得ることにより、映画のワンシーンのようにダイナミックな展開へと繋がっていく。静から動への切り替わりと称するべきか、曲の表情と抑揚がガラリと変化する瞬間に注目しておきたい。さらに、曲の終わりにかけて、アンニュイなボーカルがトーンダウンしフェードアウトしていく時、リスナーはライブ会場に居合わせた幸運な聴衆と同じ圧巻の雰囲気に息をのむことでしょう。

 

 

その後、「Hagupit」、「Dawn In the Adan」と、中盤ではファンタジックな物語や日本の童謡のような可愛らしい独特な雰囲気を持った曲と、オルト・フォークを融合させたシンガーソングライターらしい落ち着いた楽曲が続いていきます。歌手は「アダンの風」に象徴される架空の物語のゆるやかに奥深くに入り込んでいき、ミルトン・コートにいる聴衆に対してこれらの音楽による物語をやさしく、そして丹念に語り聞かせます。

 

中盤部では、弦楽アンサンブルとの合致が象徴的な雰囲気を持つライブの序盤とダイナミックなコントラストを形成するとともに、これらの幻想的な音の物語の中にとどまるように促す。そして、最も聴き応えがあるシーンが、「アダンの島の誕生祭」です。以前の曲と同様、ギターを通じての弾き語り曲ですが、高音部のハミングを歌った時、コンサートホールの天井、ホールの空間に反響し、独特な倍音が木霊し、これが聞き手の心に癒やしと安らぎをもたらすことでしょう。続く「守りの哥」では、再び、12 ensembleの弦楽のパッセージが前面に出てきて、ジブリ音楽のような自然味と温かみを兼ね備えたオーケストラレーションへと導かれていきます。これは、優しさと迫力を持ち合わせる青葉市子のライブの最高の瞬間を留めたと称せるはずです。

 

バッハの室内楽コンサートのような趣を持つクラシック音楽の格式高い雰囲気でイントロが始まる「海底のエデン」もまた単なるクラシック音楽のイミテーションにとどまりません。ここではモダンジャズの気風を反映させ、そこに、それまでライブの前半部と中盤部で築き上げた雰囲気を押し上げるように、青葉市子はギター/ボーカルという彼女らしい表現によって、幻想的な物語を、丹念に、そして丁重に紡ぎ出してゆく。彼女の弾き語りと歌声は、観客と同じ目線でつむがれていき、気取るわけでも、奇を衒うわけでもなく、温かな親切心を持ち、ロンドンの観客にこの曲を語り聞かせています。分けても、ジャズバラードの要素を反映させたアンニュイかつユニークなシンガーソングライターの性質を顕著な形で見い出すことが出来るでしょう。

 

コンサートの終盤に差し掛かると、序盤とは様相が変化します。観客と円滑に信頼感のあるコミニケーションを図れるようになったと実感したのか、そこまではわかりませんが、中盤部までの緊張感をいくらか緩め、フレンドリーな姿勢で、ロンドンのコンサートの終盤を迎えます。日本の古い童謡で、NHKの『みんなのうた』で最初に紹介された「赤とんぼ」は、山田耕筰の作ですが、この原曲にユニークさと淡いノスタルジアを交え、秀逸なアレンジバージョンとして演奏している。これはロンドンのコンサートホールに日本の文化及び日本語の美をもたらした最初の事例となる。アーティストらしいユニークな歌は、童謡に描かれる夕暮れの空の向こうに、トンボが飛び去ってゆく切ない情景を目の裏にまざまざと呼び覚ますことになるでしょう。

 

そして、この後に9月のロンドンのコンサートは感動的なクライマックスを迎えます。赤とんぼの雰囲気を受け継いだ素朴なポピュラー・ミュージック「もしもし」で、それ以前にロンドンの現地の観客と築き上げてきた親しげな雰囲気を大切にし、やさしく語りかけるようなフォーク・ミュージックによって、この日のミルトンコートでのライブを締めくくります。クライマックスでは、ロンドンの観客の温かな拍手、美しい歌声と現地のアンサンブルの演奏に対する称賛を聴くこともできます。

 

ライブコンサートの全体を通じ、幻想的な物語の世界をロンドンの名アンサンブルとの共演という、またとない瞬間を音源として記録した『Ichiko Aoba with 12 Emsemble(Live at Milton Court)』は、多くの人の記憶に残るであろう名演といっても差し支えないかもしれません。



100/100



Weekend Featured Track 「Sagu Palm's Song」

 

 

 

 

『Ichiko Aoba with 12 Emsemble(Live at Milton Court)』はIchiko Aobaの自主レーベルHermeから3月31日より発売中です。

 

Swelt

 イギリス/ブリストルで結成された四人組のスロウコア/アルト・フォークバンド、Sweltがライブ映像シリーズ『DUG IT OUT』を3回に分けてリリースします。

 

Sweltは、ロンドンのDeathcrashと共にイギリスのスロウコアシーンの有望株に挙げられる。彼らはフォーク、アメリカーナ、ポストロックの影響を融合させ、スパースでメランコリックなコンポジションのタペストリーを紡ぐ。TalonsとIceman Furniss Quartetのメンバーからなる4人組は2020年にブリストルで結成された。その後2年間を、作曲と市内各地での小規模のライブに費やしている。

『DUG IT OUT』はウェイクフィールドのプロモーター/BodysのためにThe Establishmentで行われた最近のライブを録画した貴重な映像で、彼らの新旧の曲のライブカットを収録している。

 

第一回目の公開は本日(3月17日)、そして第二回目の公開は3月24日、第3回目は3月31日に公開される予定です。

 

Sweltのギタリスト、クリス・ヒックスは、最初の映像について次のように述べています。


「ライブでは、できる限りダイナミックでミニマルな演奏をして、静かで蠢くメロディとリズムにロックすることで、激しい雰囲気を伝えようとしています。”DUG IT OUT”は、これらの曲の現在の形のスナップショットである」

 

本日公開されるライブシリーズは、デビュー作『Red Mountain EP』から「Billy」のライブ演奏を収録。ビジュアルが限定公開されているので、下記より御覧下さい。

 

Sweltは、2022年10月に3684935 Recordsから『Red Mountain』EPをリリースしています。こちらはbandcampからご視聴/ご購入出来ます。

 

 

「Billy」

 

 

 

 さらに、3月24日、Sweltはライブ映像シリーズ『Dug It Out』の第二弾「Red Mountain」を公開しました。

 

この曲はバンドの2022年に発表された最新EP『Red Mountain EP』にタイトル曲として収録されています。スロウコアの代表格であるRed House Paintersの音楽性を彷彿とさせる内省的かつロマンチックなスロウコアとなっている。また、この曲で、バンドは美麗な弦楽器を交えつつ、曲の中盤では、ワイドでダイナミックな展開力を見せ、波打つような情感を引き出している。


ブリストルのバンドの高いポテンシャルを決定づける渾身の一作です。マンチェスター/ロンドンのアートロックバンド、Carolineが好きな方にも強くお薦めします。

 

 

「Red Mountain」 

 

 


 3月上旬から3回にわたってライブ映像シリーズ『Dug It Out」を公開してきたイギリスのインディーロックバンドSweltは、いよいよ第三弾となる「Ready To Moon」を公開して、3月31日にシリーズを完結させました。この曲では、フロントマンのクリスがエレアコギターに持ち替え、前2曲よりもソフトで優しげなオルトフォークをライブで披露しています。また、この曲は既存のEPやシングルには収録されていない未発表曲となっています。



「Ready The  Moon」

 



 Swelt, a four-piece slowcore/alt-folk band formed in Bristol, is releasing a three-part live video series, "DUG IT OUT".
 
Swelt weaves a tapestry of sparse, melancholic compositions, blending folk, Americana, and post-rock influences. swelt, made up of members of Talons and the Iceman Furniss Quartet, formed in Bristol in 2020. They spent the next two years writing and playing intimate gigs around the city.
 
"DUG IT OUT" is a rare video recording of a recent show at The Establishment for Wakefield promoter/Bodys, and is part of a series of live cuts of new and old Swelt songs.
 
The first installment will be released today (March 17), followed by the second on March 24 and the third on March 31.
 
Swelt guitarist Chris had this to say about the first video. 

"Live, we try to convey an intense atmosphere by playing as dynamic and minimalistic as possible and locking into quiet, stirring melodies and rhythms." "DUG IT OUT" is a snapshot of these songs in their current form."

The live series being released today features a live performance of "Billy" from the band's debut Red Mountain EP. The live video is available for limited release.

Swelt released the "Red Mountain" EP last October on 3684935 Records. 
 
 
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 Additionally, on March 24, Swelt released "Red Mountain," the second installment in their "Dug It Out" live video series.

The song appears as the title track on the band's latest EP, the Red Mountain EP, released in 2022. It is an introspective and romantic slowcore that is reminiscent of the musical style of Red House Painters.In this song, the band also shows a wide, dynamic developmental ability in the middle of the song, with beautiful strings, bringing out the rippling emotions.

This is a work that defines the high potential of the Bristol band. Highly recommended for those who like the Manchester/London art-rock band Caroline.
 
 
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 After releasing the live video series "Dug It Out" three times since early March, British indie rock band Swelt finally released the third installment, "Ready To Moon," on March 31. 
 
In this song, frontman Chris switches to an electric acoustic guitar and delivers a softer, gentler live slowcore than the previous two tracks. This song is also an unreleased track that has not been included on any existing EP or single. It will be interesting to see what the band does in the future.
 

boygenius  『the record』

 

 

Label: Interscope

Release: 2023年3月31日



Review


今週最大の話題作であり、また、ソロアーティストとしても活動するフィービー・ブリジャーズ、ルーシー・デイカス、ジュリアン・ベイカーのスーパーグループ、boygeniusの待望のデビュー・アルバムは非常に高いクオリティーを擁する聴き応えのあるロックアルバムとなっている。


昨年、いまだ記憶に新しいが、boygeniusのトリオはロサンゼルスに突如姿を現し、撮影を行っていたことがメディアの間で話題に上った。さらにファンの間ではデビュー・アルバムのリリースが間近なのではないかという噂が流れた後、遂に公式にインタースコープから『The Record』のリリースが発表された。その後、boygeniusのメンバーはカート・コバーンが死去する直前のローリング・ストーン誌で特集が組まれた際、コバーン、ノヴォセリック、グロールを模したスーツ姿で撮影に臨み、表紙を華々しく飾った。これはトリオの大胆不敵なメッセージ代わりとなり、多くの音楽ファンに鮮烈な印象を与えたことだろうと思われる。


既に、今作は、Pitchfork,Stereogum、DIYといった世界の著名な音楽メディアに好意的に迎え入れられており、その音楽性の良さに関しては既に疑いないものとなっていることは事実である。特に、このアルバムが聴き応えがあるのは、トリオが単なる趣味のバンドとしてboygeniusを立ち上げたわけではなくて、実際に曲作りやレコーディングに関して本気度の高さが感じられることによる。他のメディアも指摘しているとおり、三者の結束がもたらす友情性の魅力もさることながら、時々、ライブセッションの節々からはギターロックとして熱狂性すら感じられる。これまで本格的なガールズロックバンドは数少なかったが、その歴史を今まさにboygeniusは塗り替えようとしているわけなのだ。いや、それはニルヴァーナを模していることからも分かる通り、ロック史を塗り替えたいというboygeniusの声明代わりとなるようなアルバムと言えるのである。もはやロックは男性だけのものではない、というメッセージがこのアルバムから読み取ることも出来る。

 

そういった意味において、プレスリーの時代、またのちのビートルズ、オアシスやニルヴァーナの時代、また、その後に続く時代を経て、『The Record』はロックの一つの転換点にあるような作品と呼べる。そして、ポストロック、カントリー、グランジ、ポップス、R&Bというように、楽曲ごとに音楽性が切り替わっていく。そして、ソロアーティストとしても活動するフィービー、ルーシー、ジュリアンのボーカルは曲ごとに分たれているのではなく、一曲の中で、メインボーカルが切り替わり、常に流動的な流れを形作り、聞き手をほとんど飽きさせることがない。何より、ポップネスが何たるかを熟知するフィービー、そしてカントリーの影響をポップスとして落とし込むダカス、さらにはフォーク寄りの音楽的なルーツを持つベイカーの三者三様の個性がセッションを通じてスパークする場合もある。つまり、ソロアーティストの寄せ集めではなく、トリオの本気のロックセッションがクールな形で繰り広げられていくのである。

 

アカペラでオープニングを温和な雰囲気で彩る「Without You Without Them」で気持ちが和むが、続くポスト・ロックの影響を受けた乾いた質感を持つ「$20」でboygeniusは自分たちが最高のロックバンドであると世界に対して勇敢に主張する。さらに続くフィービーを中心に書かれたという話である「Emily,I'm Sorry」は個人的な記憶にまつわる悔悟のような意味が見出せ、そこに切なさすら感じる。


「True Blue」は新時代のロックアンセムといえ、特にアルバムの中で最もコーラスが絶妙に溶け合っており、ときに凛とした美しさすら感じられる。その他、爽やかなミュージック風のイントロからロックアンセムへと様変わりする「Not Strong Enough」もアルバムのハイライトとなる一曲である。ギターのバッキングの心地よさと、メイン・ボーカルのクールさがきらりと光る。またアルバムの後半に収録されている「Leonard Cohen」は偉大なカナダのフォーク/ロックの影響下にある最も渋さのあるブルージーなナンバーとしてリスナーを聴き入らせる力を持っている。

 

「Satanist」はboygeniusのグランジへの讃歌代わりとなるナンバーで、このトリオの音楽的なルーツを探ることが出来る。特にシンプルでありながら、ひねりの聴いたコード進行を打ち出そうという点は、2020年代において最も勇気を必要とすることなのである。またアルバムの最後に収録されている「ある年老いた詩人への手紙」は意味深なニュアンスを読み取る事ができるが、エンディングにふさわしい繊細なバラードソングだ。アルバムの最初と同じように、アカペラ風のモチーフが最後になって美しいエンディングへと繋がっていることがわかる。

 

『The Record』は、他の媒体のクリティックにおいてboygeniusの友情ばかりが重要視されているが、もちろん魅力はそれだけにとどまらない。これは、フィービー・ブリジャーズ、ルーシー・デイカス、ジュリアン・ベイカーという秀逸な音楽家の勇気が美しい結晶となったデビュー作でもある。

 

 

 

94/100

 

 

「True Blue」


Lana Del Reyは、6枚目の全英アルバムNo.1を獲得し、これまでで最大の週間売上を達成しました。


オフィシャル・チャート・カンパニーによると、『Did You Know That There's A Tunnel Under Ocean Blvd』は、41,925枚の売上で首位に輝いた。(Reviewを読む)


その過程で、デル・レイの9枚目のスタジオ・アルバムは、これまでのところ2023年の最速セールスとなった。CD9,717枚、ビニール・アルバム20,809枚、カセット2,582枚、デジタル・ダウンロード998枚を売り上げ、さらに売上等価ストリームから7,819枚を売り上げました。また、同アルバムはヴァイナル・チャートでも1位を獲得しています。


ラナ・デル・レイはこれまで、『ボーン・トゥ・ダイ』(2012年)、『ウルトラヴァイオレンス』(2014年)、『ラスト・フォー・ライフ』(2017年)、『ノーマン・ファッキング・ロックウェル』(2019)、『Chemtrails Over The Country Club』(2021)で一位を獲得している。


重要なのは、『Did You Know That There's A Tunnel Under Ocean Blvd』が9年前に48,028枚を売り上げ、『Ultraviolence』が1位にデビューして以来最大のオープニング週を達成したことです。この作品は、ラナ・デル・レイが最近リリースした作品の中で、2021年の『Blue Banisters』が、『Chemtrails Over The Country Club』の1位(初週売上40,111枚)からわずか7ヶ月後に2位にチャートインしたことで、売上が増加するパターンを踏襲しています。


ポリドール社長のベン・モーティマーは、次のように述べています。「私は2022年10月にこのアルバムのプレビューを手に入れることができて幸運でした。ラナがカリフォルニアの自宅で演奏してくれたのですが、想像通り、絶対的なキャリア・ハイライトでした。私は驚かされました。それ以来、私たちはアルバムの準備を続けています。彼女は世界で最も偉大なソングライターの一人であり、私たちは彼女をサポートできることをとても幸運に思っています」


タップ・ミュージックのベン・モーソンとエド・ミレットは、次のように述べています。「ラナは、自分自身に忠実であることで、記録と期待を破り続けています。

 

彼女は自分のレーンに立ち、決して揺らぐことなく、意図と芸術的な目的を持ってすべてを行い、偉大なアーティスト、長寿のアーティストは、その創造的な直感に突き動かされているものであることを思い出させてくれるのです。TikTokがカタログの発見を促し、素晴らしい新曲が生まれたことで、彼女のファン層はこれまで以上に広くなり、まったく新しい若いオーディエンスも増えています。


ラナのアルバムのリリースで重要なのは、彼女のアルバムの物語に入り込み、アルバムに生命を吹き込むことです。従来のメディアやソーシャル・メディアが他のアーティストと同じようなドライバーにならない場合、セットアップからリリースまで、こうしたイベント化された瞬間を作り出すことが、ファンベースを活気づけ、口コミで広めるための鍵となります。私たちは、この13年間、ラナの旅の一部であったことを誇りに思うと同時に、次のステップにワクワクしています。


3月24日(金)は、デル・レイのSpotifyにおける史上最大の1日で、全世界で3300万ストリーミングを記録しました。Did You Know...は、彼女のアルバムの中で最大のSpotify初日を迎え、世界中で1800万ストリーミングを記録しました。


Lana Del Reyは、Arctic Monkeys、Radiohead、Blurと並んで、最も多くのUK No.1を獲得したアーティストとなった。マドンナ(12枚)、テイラー・スウィフト(9枚)、カイリー・ミノーグ(8枚)、バーブラ・ストライサンド(7枚)に続く。


オフィシャル・チャート・カンパニーのチーフ・エグゼクティブであるマーティン・タルボットは、次のように述べています。 「ラナ・デル・レイがわずか11年の間に6枚のNo.1アルバムを獲得したことは、非常に素晴らしいことであり、特に彼女が今年のどのアルバムよりも大きな初週の数字を記録したことを考えると、その功績は大きい。彼女は、この時代の真のスーパースターです」

 


The Eras Tourがテキサス州アーリントンにて開催されるのを記念し、テイラー・スウィフトがミッドナイツの楽曲「Lavender Haze」のアコースティックバージョンを配信しました。

 

この「Lavender Haze」のアコースティック・バージョンは、3月初旬に届いたJungle、Snakehipsなどによる「Lavender Haze」リミックスに続き、昨年11月に上陸した「Anti-Hero (Acoustic) 」に続く、ミッドナイツの楽曲のアコースティック演奏のリリースとなる。


3月31日、スウィフトは、テキサス州アーリントン市でのThe Erasツアー3公演のうち最初の公演に先立ち、同市の記念品を贈呈される予定です。


スウィフトはまた、今月初めにアリゾナ州グレンデールから始まったこのツアーで、公演のために一時的にスウィフト・シティと改名された都市のフードバンクに「寛大な」寄付を行っているそうです。

 

 「Lavender Haze」 Acoustic Version

 

©︎Alice Moitie

先月来日公演も行ったブライトンのシンガー、Maisie Peters(メイジー・ピーターズ)が6月16日にGingerbread Man Records/Asylumからリリースされるニューアルバム『The Good Witch』の最新シングル「Lost The Breakup」を公開しました。この曲は先日公開された「Body Butter」に続く作品となる。


"ボディ・ベター "が最低の状態の私だとしたら、"ロスト・ザ・ブレイクアップ "は立ち直るために爪を立てている私なのよ "とメイジーは話しています。

 

スパンコールでドレスアップして、親友とパーティに行くような気分。安いシャンパンと汚れた口紅、夜中の3時に床に置かれたハンバーガーのような感じ。これはマニフェストソングで、歌えば叶うかもしれない(私の場合はそうだった)。


「Lost Break Up」

 

©︎Patrick O'brien Smith

Kassa Overallは、5月26日にWarpからリリースされるニューアルバム『ANIMALS』を発表しました。


このアルバムには初期シングル「Ready to Ball」をはじめ、Danny Brown、Wiki、Vijay Iyer、Shabazz Palaces、Lil B、Laura Mvula、Francis and the Lightsなどが参加している。新曲「Make My Way Back Home」は、Nick HakimとTheo Crokerが参加しており、付属のビデオも公開されています。下記をご覧ください。


アルバムのタイトルについて、Overallは次のように語っています。「僕たちは自分たちを人間と呼んでいるよね? でも、お互いに動物的なことをやっているのではないか。人間らしさを奪うことで、不道徳を正当化する。動物だから、そのように扱うことができる。この曲の中に出てくるさまざまな種類の小さな疑問は、すべて人間性に関する疑問を指しています。それとも、私はサーカスの動物なのだろうか? いや、これらの問いは、私が人種について考える方法と交差しているんだ」

 

「Make My Way Back Home」





Kassa Overall 『ANIMALS』


 
 
Label: Warp
Release: 2023年5月26日
 
Tracklist: 
 
1. Anxious Anthony [feat. Anthony Ware]

2. Ready To Ball

3. Clock Ticking [feat. Danny Brown & Wiki]

4. Still Ain’t Find Me [feat. Tomoki Sanders, Bendji Allonce, Mike King & Ian Finklestein]

5. Make My Way Back Home [feat. Nick Hakim & Theo Croker]

6. The Lava Is Calm [feat. Theo Croker]

7. No It Ain’t [feat. Andrae Murchison]

8. So Happy [feat. Laura Mvula & Francis and the Lights]

9. It’s Animals

10. Maybe We Can Stay [feat. J. Hoard]

11. The Score Was Made [feat. Vijay Iyer]

12. Going Up [feat. Lil B, Shabazz Palaces & Francis and the Lights] 
 



WEYES BLOODは、The Late Showに立ち寄り、自身の曲「God Turn Me Into a Flower」を披露しました。広大なライブバンドと数人のバックシンガーと共に登場したミュージシャン、ナタリー・メリングは、このエモーショナルな楽曲に、太陽の光を浴びたような幽玄な雰囲気を与えてくれました。


昨年リリースされた "God Turn Me Into a Flower "は、Weyes Bloodの5枚目のアルバム『And in the Darkness, Hearts Aglow』に収録されています。このアルバムは、Weyes Bloodが2019年に発表した名作LP『Titanic Rising』に続くもので、この2枚は普遍的な絶望と気候変動というテーマに取り組んだ3部作の一部となっている。シンガーは、このアルバムが希望を扱っていると指摘する。


 


boygeniusは、リリースされたばかりのデビューアルバム「the record」をサポートする新しいショートフィルム「the film」をリリースしました。14分強のこのフィルムには、先行シングル「$20」、「Emily I'm Sorry」、「True Blue」がサウンドトラックとして収録されています。以下、ご覧ください。


映画は、ジュリアン・ベイカーがレースカーのベッドで目を覚ます前に、各メンバーとルーシー・デイカスがアルバムのオープニング曲 "Without You Without Them "をハミングするスプリット・スクリーンで始まります。


"Emily I'm Sorry "では、トラックが通り過ぎるスタジアムにモンスター・ブリッジスが立っている。ベイカーとブリッジスはデイカスが壁を青く塗るのを手伝い、ビジュアルは全員がイチャイチャするところで終わります。まさにアルバムの音楽性を体現したようなフイルムです。



 

©︎Aria Shahrokhshahi


本日、UK/サウスロンドンのシンガーソングライター、Matt Malteseが新曲「Florence」をデジタルでリリースします。配信リンクは以下より。

 

ニューシングル「Florence」はアーティストが10代の頃に書かれた曲で、”自分の人生を変えたライブ”について表現しているという。マット・マルチーズ持ち前のシルキーでスイートな歌声を堪能出来るナンバーとなっている。

 

サウスロンドン出身のマット・マルチーズは、UKポップシーンの次世代を担うシンガーソングライター。これまでにリリースしたシングル・アルバム楽曲の累計再生回数はすでに10億回越えを記録。さらに、4/28(金)にリリース予定の最新アルバム『Driving Just To Drive』は、先行シングル3曲のみで累計500万回以上の再生回数を記録している。


また、BTSのメンバー、テテこと”V”がマット・マルチーズの楽曲「Less and Less」、「Curl & Die」を自身のインスタグラムでシェアしている。BTSのファンにも是非チェックしてもらいたいアーティストです。 

 


 

 Matt Maltese 「Florence」 New Single

 



発売日:2023.3.31(fri.)

レーベル:ASTERI ENTERTAINMENT (アステリ・エンタテインメント)

形態:ストリーミング&ダウンロード

 

配信リンク:

https://asteri.lnk.to/florence

 

 

-Matt Maltese(マット・マルチーズ-

シンガーソングライター。

次々と新しい才能が登場するサウス・ロンドンから登場した25歳の若きシンガーソングライター。その楽曲は "日常の物語をロマンチックに描く” と称される。


2018年、アルバム『Bad Contestant』によってデビュー。収録曲「As The World Caves In」は、TikTokで8万本以上のビデオに使用され、Spotifyで約3億回の再生回数を記録している。


2019年には自身のベッドルームですべてレコーディングを行った2ndアルバム『Krystal』をリリース。プロデュース能力も開花した同アルバムは翌年日本でのみCD盤が制作され、日本のリスナーを魅了した。


2021年には、ロマンスに満ちた3rdアルバム『Good Morning, It's Now Tomorrow』をリリース。NME、DIY、Under The Radar、Dork、Pasteなど各メディアから絶賛された。コロナ禍での葛藤を経て、2023年4月には4thアルバム『Driving Just To Drive』をリリースする。


 


6月9日にNinja Tuneからリリースされるニューアルバム『Guy』に先駆けて、Jayda Gが最新シングル「Blue Lights」を公開しました。このアルバムはレーベルの次なる大作になる可能性が極めて高い。

 

次作アルバム『Guy』の中において、Jayda Gは父親のルーツについて、ラップやソウルという観点から解きほぐそうとしている。


1968年のワシントン人種暴動に巻き込まれた「父の非常識な話」にインスパイアされたJayda Gは、過去から現代に通じる普遍的な考えを学び取っている。「父にとって、とても大きな転機だったと思うんです。当時は誰にとってもターニングポイントだったと思います」と彼女は述べている。

 

ベトナム戦争があって、人々はなぜ、そこに人を送るのかさえわからず、国内では黒人のコミュニティ内で恐ろしいことが起こり、人々はそれにうんざりしていたのです。黒人であること、男性であること、貧困であること、人種差別への対応、警察への対応、警察の横暴など、この社会が抱える問題を改めて考えさせられたよ。

 


「Blue Lights」

 

ロンドンのインディーポップシーンの新星、bb swayは、5月26日に7476からリリースされる新作EP「How Will I Get There?」収録の最新シングル「Everything You've Always Wanted」でプレビューを行っている。


カラフルで軽快なインディーポップソングがエバーグリーンな感覚と劇的にマッチしたニューシングルとなっている。bb swayはこのシングルに現実的な悲しみを込めつつも、それを愛することの重要性を歌っている。


「”Everything You've Always Wanted”は、長い間待ち望んでいた、避けられない結論の、しばしばほろ苦い到着について歌っている "とbb swayは説明する。

 

自分自身と自分の旅を受け入れることは、愛することであり、また悲しむことでもある。成長することは成長しないことであり、私たちは前進するために残さなければならないものを悲しむことが多い。


「Everything You've Always Wanted」

 

3月4日、ザ・ナショナルはニューヨーク州ウッドストックのベアーズヴィル・シアターで500人の観客を集めて親密なライヴを行った。そこで彼らは、発売予定のアルバム『First Two Pages of Frankenstein』の多くを初披露した。ライブパフォーマンスの模様は以下より御覧下さい。

 

ザ・ナショナルの待望の新作アルバム9枚目のスタジオ・アルバム『First Two Pages of Frankenstein』を2023年4月28日に4ADからリリースされる。


 


カナダ/オンタリオ州のエレクトリック・プロデューサー、Jessy Lanza(ジェシー・ランザ)がニューシングル「Don't Leave Me Now」で帰ってきました。この曲は、プロデューサーがロサンゼルスに移住してから初めて書いた曲で、リリースされました。Winston H. Caseによるこの曲のビデオは下記よりご覧いただけます。また、Lanzaは、Yaejiとの今後のツアーに出る予定です。

 

Jessy Lanza(ジェシー・ランザ)は、Kode9主宰のロンドンのエレクトロニック、ダブステップの名門レーベル、Hyperdubと契約し、2013年『Pull My Hair Back』でデビューを飾った。

 

インディR&B~エレクトロニックポップの領域にあるが、ヴィンテージシンセやドラムマシーンを効果的に活用し、Hyperdubらしいマニアックな世界観で注目され、続く2016年『Oh No』も同様にThe Guardian、New York Times、Pitchforkなど各メディアでも高い評価を受けている。


ジャネット・ジャクソンやポーラ・アブドゥル、ティンバランドらのファンク・R&Bの影響とイエローマジックオーケストラなどの1970年代と1980年代の日本のシンセポップからの影響、そしてジャズを学んだ背景によるポストモダンなアプローチも非常にユニークです。2020年7月に最新アルバム『All The Time』をリリースしています。


「Don't Leave Me Now」

 

Be Your Own Pet


Jimina Pearl、Jonas Stein、Nathan Vasquez、John Eatherlyからなるガレージロックバンドは結成から四年後の2008年に一度解散しているが、2021年になってリユニオンを果たしている。バンドはこれまで、コーチェラ、グラストンベリー、レディング&リーズなど大規模のフェスティバルにも出演し、Arctic Monkeys,Sonic Youth,Kings Of Leonらのサポートを務めている。再結成を機に、さらなる飛躍が期待出来る。今後のバンドの活動に注目していきたいところです。
 
 
 
ニューシングル『Hand Grenade」は、元ホワイト・ストライプス、現在ソロアーティストとして活躍するJack Whiteの主宰するレーベル”Third Man Records”からリリースされた。「Hand Grenade」の試聴は以下より。
 

この曲は、Jonas Steinが手がけたBe Your Own Petのいつものギターの唸りを聴くことが出来る。また、モダンなプロダクションがこの曲に加わっている。Jemina Pearl Abeggの歌声はエフェクターにかけられ、このシングルのミュージック・ビデオにぴったりな、吹き出すようなサウンドになっています。

 


2008年の『Get Damaged EP』以来となるこの曲は、「最初は、私を傷つけた人たちに対して、私が苦しんだように彼らを苦しめてやるという脅しだった」とアベッグは声明で述べています。
 
 
この曲は、怒り、否定、悲しみを経て、私自身の悲しみのプロセスを映し出す鏡のように成長しました。
 
しかし、この曲は、怒り、否定、悲しみを経て、私自身の悲しみのプロセスを映し出す鏡のように成長しました。最終的に私は、暴力によってではなく、自己受容と他人が私に貼るレッテルを拒否することによって、自分の力を取り戻すことができました。他の誰でもなく、自分が自分を定義するのだ。
 


Be Your Own Petは、5月にはアトランタのShaky Kneesに出演し、その後ヨーロッパでPrimavera Soundを含む日程をこなす予定です。


「Hand Grenade」
 

 

©Bobby Rich

Jenny Lewis(ジェニー・ルイス)が4年ぶりのニューアルバムを発表しました。『On the Line』に続くアルバムは『Joy'all』と題され、6月9日にBlue Note/Capitalから発売されます。このニュースに合わせて、Lewisは新曲「Psychos」を公開しました。以下より視聴してみて下さい。

 

5枚目のソロアルバム『Joy'all』はアーティストがルーティンの形式で少しずつ曲を書き足しながら、じっくりと完成に導かれた作品となる。

 

ジョニー・ルイスは次のように語っている。「パンデミック前の旅先でこれらの曲のいくつかを書き始め...、世界が停止するにつれてそれを脇に置き、2021年の初めにナッシュビルの自宅から、ベックが主催する一握りの素晴らしいアーティストたちとの1週間の仮想ソングライティング・ワークショップに参加しました」

 

課題は、ベックからのガイドラインをもとに、7日間毎日1曲ずつ書くことでした。ガイドラインは、「1-4-5のコード進行の曲を書く」、「決まり文句だけの曲を書く」、「フリーフォームのスタイルで書く」といったプロンプトになる。私が最初に提出した曲は『Puppy and a Truck』でした。

 

プレスリリースによると、もう一つの収録曲「Puppy and a Truck」は、その「かなりの部分」がそのワークショップで書かれることになった。Dave Cobbがプロデュースし、Greg Kollerがエンジニアとミキシングを担当した。

 

「Daveは仕事が早く、彼の素晴らしいハウスバンド(ギターはNate Smith、Brian Allen、Cobb、アコースティックギターとボーカルは私が担当した)と共に、2週間ほどでフロアでライブを行い、レコードの大部分をカットしました」とルイスは説明しています。

 

ジェス・ウルフはレコードのバック・ボーカルを担当するためにスタジオに戻り、グレッグ・ライツとジョン・ブリオンはLAに戻り、それぞれペダル・スティール、B-Benderギター、チェンバリンを加えた

 

「Psycos」



Jenny Lewis 『Joy’all』



Label: Blue Note/Capital

Release:2023/6/9

 

Tracklist:


1. Psychos


2. Joy’All


3. Puppy and a Truck


4. Apples and Oranges


5. Essence of Life


6. Giddy Up


7. Cherry Baby


8. Love Feel


9. Balcony


10. Chain of Tears