©Sinna Nasseri

ニュージャージーのオルタナティヴロックバンド、Real Estate(リアル・エステート)はニューアルバム『Daniel』の制作を発表した。新作アルバムは2月23日にDominoからリリースされる


リード・シングル「Water Underground」は、1990年代のニコロデオンのシットコム「The Adventures of Pete & Pete」にインスパイアされたビデオと合わせて本日リリース。このクリップはエドモンド・ホーキンスが監督、同番組のダニー・タンベレリとマイケル・C・マロンナが出演している。


マーティン・コートニー、アレックス・ブリーカー、マット・カルマン、ジュリアン・リンチ、サミ・ニスによるリアル・エステイトは、2020年の『ザ・メイン・シング』に続く作品を、プロデューサーのダニエル・タシアンとナッシュビルのRCAスタジオAでレコーディングした。

 

プレスリリースによると、彼らはアルバム名を「Daniel」と名付けた。ダニエル・タシアンのため?そうかもしれない。それは、自分たち自身や自分たちの認識を深刻に考えすぎることなく、自分たちの音楽を真剣に受け止められるようになったバンドの証なのだろうか?もちろん」。


「この曲は、曲を書くことについて歌っている。"ウォーター・アンダーグラウンド "は無意識のようなもので、創造性が生まれる脳の神秘的な部分だと思う。頭の奥で常に音楽が流れている。運転中とか犬の散歩中とかにアイデアが浮かんで、それを持ち続けたいと思うんだ」


「ニュージャージーのルーツを断ち切るのは難しいよ」とタンベレッリはコメントした。「ジュリアンもアレックスもマーティンも、僕から1つ離れた町で育ったんだし、実はリッジウッド出身の友人の弟妹と友達だったんだ。私が高校生の時に、その兄姉たちと一緒に地元のバンドシェルで演奏しているのを見たこともあると言ってくれた。このビデオでは、それを一周させ、ショーで共演した親愛なる旧友たちを加えることで、すべてを結びつけることができたんだ」 

 

 

「Water Underground」

 

 

 

 

・ 「Haunted World」

 

Real Estate(リアル・エステート)は新作アルバムのセカンドシングル 「Haunted World」を公開した。


スティールギターをフィーチャーしたリラックスしたインディーフォーク風の爽快感のあるナンバー。マーティン・コートニーの甘くまったりとしたボーカルも健在である。


彼らはファンを喜ばせるため、ユニークな企画を用意しており、ダニエル(またはその名前のバリエーション)という名前の人だけが参加できる無料のアルバム・リリース・ライヴをニューヨークのユニオン・プールで開催する。「ダニエル」という名前は、ファーストネームでもミドルネームでもよく、Dan、Danielle、Danny、Daniella、Danielsonなどのバリエーションがある。ダニエルは、ダニエルという名前以外のゲストをもう1人連れてくることができるという。その日だけはニューヨークにダニエルと名乗るファンが不自然なほど急増する可能性がある。


リアル・エステートの現在のラインナップは、Martin Courtney(ヴォーカル、ギター)、Alex Bleeker(ベース、ヴォーカル)、Matt Kallman(キーボード)、Julian Lynch(ギター)、Sammi Niss(ドラム)。ダニエル・タシアン(ケイシー・マスグレイヴス)がプロデュースしたこのアルバムは、ナッシュビルのRCAスタジオAで9日間かけてレコーディングされた。


ボーカリストのマーティン・コートニーはプレスリリースで『Haunted World』について以下のように語っている。


「”Haunted World”は、90年代のシチュエーション・コムのテーマのように聞こえる。ネットワークの重役たち、この曲は入手可能であり、我々は最高額の入札者に売る用意ができている。この曲の仕上がりには、とても満足している。レコーディングのためにナッシュビルに向かう前に、いいアレンジが出来上がっていたんだけど、スタジオで本当に命が吹き込まれたんだ。時々、曲はそんな風に驚かせてくれるものなんだ」

 

 

 

 

 

 ・「Flowers」

 

今週末、Real Estateはニューアルバムのリリースを記念してブルックリンでDanielのみのリリース・ライヴを行います。本日、最後の先行シングル 「Flowers」をリリース。


「この曲は、Real Estateがシャナイア・トゥエイン・スタイルのカントリー・ロックに最も近づいた。他の人には、カントリーのレコードを作るためにナッシュビルに行ったんじゃないと言い続けてきたんだよ。でも、この曲の本質はロックなんだ。ぜひギター・ソロを聴いてみてほしい」


"Flowers "のリリースと合わせて、レディオヘッドの "Paranoid Android "のクリップを制作したスウェーデンのイラストレーター、マグナス・カールソンが監督したミュージックビデオも公開された。


「私にとって、史上最高のアニメーション・ミュージック・ビデオは、マグナス・カールソンがレディオヘッドのために制作した象徴的な "Paranoid Android "のビデオなのです」


「1997年当時、MTVで放送されていたPVは、他には観られないような貴重な内容だったんです。だから、次のシングルのためにアニメーション・ビデオを作ろうと決めたとき、ムードボードのトップにそれがあった。『Paranoid Android』のビデオのような映像を作ってみようって考えていてね。

 

マグナス・カールソン本人に自分たちの曲のビデオ制作を実際に頼めるなんて思いもよらなかったし、彼が実際にやってくれるとも考えていませんでした。もちろん想像していた以上に奇妙で美しい仕上がりになるとも思ってはいなかった。伝説のカールソン氏に心から感謝しています」



 「Flowers」

 

 

 

 

 

 

 
 

Real Estate 『Daniel』




Label: Domino

Release: 2023/2/23


Tracklist:


1. Somebody New

2. Haunted World

3. Water Underground

4. Flowers

5. Interior

6. Freeze Brain

7. Say No More

8. Airdrop

9. Victoria

10. Market Street

11. You Are Here


80年代のUKポストパンクシーンの一角を担ったKilling Jokeのギタリスト、ジョーディ・ウォーカーが64歳で死去した。

 

バンドは、ダブ、インダストリアル、メタルの音楽をミックスし、ポストパンクシーンに新風を呼び込み、Gang Of Fourと共にイギリス独自のリズムを確立した。ジョーディー・ウォーカーは変則的なビートによるリズムギターを演奏することで知られている。バンドの楽曲「The Wait」は、のちにメタリカによってカバーされ、メタルファンにもその名を知られるようになった。


バンドメンバーはインスタグラムでこのニュースを確認し、次のように書いた。「2023年11月26日午前6時30分、プラハにて、キリング・ジョークの伝説的ギタリスト、ケヴィン・ジョーディ・ウォーカーが脳梗塞で倒れ、家族に囲まれて息を引き取った。彼は家族に囲まれていた。安らかに眠ってほしい」


1958年生まれのウォーカーは、シンガーのジャズ・コールマンと共に、伝説のポスト・パンク・バンドのたった2人しかいない不変のメンバーのひとりだった。彼は、コールマンが『メロディー・メーカー』に掲載した広告に反応し、1979年にバンドに加入した。「キリング・ジョークの一員になりたい? 完全な搾取、完全な宣伝、完全な匿名。ベースとリード募集」という広告を見かけたのがきっかけだった。


「ロンドンに引っ越してきたばかりで、Melody Maker誌の広告を見た。で、その男に会いに行って、すぐに音楽の趣味とかについて彼と口論を始めた。言い争いの激しさが気に入ったんだと思うよ」


1979年に最初のEP『Turn to Red』をリリース後、キリング・ジョークは翌年にセルフタイトルのデビュー・アルバムをリリースした。


彼らの目標は「厳格な音楽形式によって音楽的ルネッサンスを起こすこと」だったと、コールマンは2018年に『Uncut』に語った。「1979年の日記にそう書いた。ギターソロなし、パロディ以外のブルースなし、アメリカニズムなし。私たちは、イギリスのリズムとは何かというようなことを延々と話し合った。私たちには伝統的なフォークがなかった。キリング・ジョークは伝統を再発見したのさ」


キリング・ジョークの1980年代のリリース活動は、1981年の『What's THIS For...!』、1982年の『Revelations』を含む7枚のスタジオ・アルバムまで及ぶ。


その頃、ウォーカーはコールマンと共に、黙示録への懸念からアイスランドの首都レイキャビクに移住した。1985年、バンドはヒット・シングル'Love Like Blood'と'Eighties'をフィーチャーした『Night Time』をリリース。ギャング・オブ・フォーのアンディ・ギルは、デイヴ・グロールをドラムに迎えた2003年のセルフタイトル・アルバムをプロデュースした。バンドの最新作は昨年の『Lord of Chaos EP』で、3月にはシングル「Full Spectrum Dominance」をリリースした。


「世界中の何百万人もの人々にとって、ジョーディは伝説的なロックバンド、キリング・ジョークのギタリストであり、メイン・ソングライターだった」と、彼の親友ルカ・シニョレッリはウォーカーへの弔辞に書いている。


「メタリカが1980年のKJの曲 "The Wait "をカヴァーしたことで、バンドとジョーディーのギター・ワークは少なくとも2つの新しい世代に紹介された。ジミー・ペイジ(レッド・ツェッペリンで有名なあのジミー・ペイジ)は、ジョーディを史上最高のギタリストの一人と考えていた」


「しかし、彼が "ギタリストのギタリスト "であったからという理由でジョーディを称えたくはないね。彼が40年に及ぶ成功と危機の中で陣頭指揮を執ったバンド、キリング・ジョークは、今でも史上最も影響力のあるバンドのひとつなんだ。でも、ジョーディの音楽的記録については、私が語るよりも、他の人たちがよりよく語ってくれるはずさ。今となっては、そんなことはどうでもいいよ。私が覚えておきたいのは、ジョーディが40年間、家族以外で最も親しい友人であり、最も大切な人だったということなんだよ」



キリング・ジョークのセルフタイトルアルバムが紹介されているポストパンク名盤ガイドも参照してみて下さい。

 


ピーター・ガブリエルが、12月1日にリリースされるニューアルバム『i/o』の最終曲「Live and Let Live」を公開した。これまで満月に合わせて神秘主義的なリリースをおこなってきたガブリエル。新作アルバムのラストプレビューだ。


このアルバムは、ジェネシスのボーカリスト、ピーター・ガブリエルにとって21年ぶりとなるオリジナル曲集である。「ライブ・アンド・レット・ライブ」ブライト・サイド・ミックスとダーク・サイド・ミックスと合わせて以下をチェックしてみよう。


このシングルについて、ガブリエルは声明を通じて、人種隔離政策(アパルトヘイト)、ウクライナ戦争、中東戦争と彼が関心を持つあらゆる現象に由来することを解き明かした。そしてロックアーティストとして考える平和とは何か、赦しとは何かについて重要な弁明を行なっている。


「リバーブレーション・プロジェクトの多くの作業は、そのようなアイデアに焦点を当てている。赦しについて書くのはどうかと提案されたとき、最初は『私には面白くないな』と思ったが、2つのことを思い出した。デズモンド・ツツ大主教は、エルダーズの議長であり、私の真の師でもある。南アフリカで真実和解委員会を率い、アパルトヘイト時代の恐怖の一部を暴露し、報告し、そしてまた感じることができた。彼がいつも言っていたのは、『耳を傾けることが大きな違いを生む』ということだった。そして時には、それが赦しの空間を生み出すこともあった。


 また、ネルソン・マンデラが27年間の獄中生活を終えて出所し、南アフリカの大統領になろうとしたとき、自分を牢獄に閉じ込めていた責任者たちの隣に立っていたというエピソードもある。彼は、古い恐怖と憎しみが自分の中で膨らんでいくのを感じたという。しかし、よく考えてみると、彼はこれらの人々と協力し、彼が『虹の連合』と呼ぶものを構築する方法を見つける必要があることに気づいた。彼らの人間性を感じ、最終的には彼らを許す方法を見つける必要があった。もし彼らを許せず、彼らと協力する方法を見つけられなければ、自分は一生彼らの囚人のままであると確信していたのだ。


 現在、中東やウクライナなど、暴力と残忍さが残る世界中のあらゆる場所で起きていることを見れば、花束を持ち、赦しを説いて歩くことは、陳腐で哀れなことのように思えるかもしれない。でも、長い目で見れば、人々は道を見つけなければならないと思う。『平和は他人の権利を尊重するときにのみ起こる』というのは、コスタリカの平和大学の言葉ですが、これは私にとって、そして私の人生にとって本当に重要なメッセージだと思いました。その傷に従属するか、自分自身を解放するかのどちらかであり、赦すことは明らかに自分自身を解放する超効果的な方法なんだ」



海外ではその名をよく知られる”Yoshi Wada”の愛称で親しまれる和田義正は、音楽家としてだけでなく、楽器開発者として見ても本物の天才である。和田は、ラ・モンテ・ヤングと並んでドローンミュージックの重要なファクターに挙げられる。「Nue」を始めとする代表作があるが、ストリーミングではほとんど視聴出来ない。フィジカル盤のみ彼の作品に触れることが可能である。

 

和田はドローンミュージックの重要な構成要素である止まった音、すなわちオーケストラでいうところの持続音や保続音に徹底してこだわった。彼は、77年の生涯の中で、インド声楽やスコットランドのパグパイプの持続音に取り憑かれ、その人生を前衛音楽の追求に費やした。


和田義正は1943年に京都に生まれた。建築家を務めた彼の父は第二次世界大戦で亡くなっている。子供時代は、そのほとんどが上記の理由により、苦難に満ち溢れていたというのが通説となっている。彼が音楽に目覚めたのは10代の頃。サックスフォンを演奏しはじめ、ジャズに傾倒した。

 

オーネット・コールマン、ソニー・ロリンズ等、ジャズの巨匠の音楽に触れ、特にこの音楽に強く傾倒したという。1967年には、京都美術大学で彫刻を学習し、彼はニューヨークへと旅立った。その後、ジョージ・マチューナスが住むアパートへと転居する。フルクサス(1960年代から1970代にかけて発生した、芸術家、作曲家、デザイナー、詩人らによる前衛芸術運動。リトアニア出身のデザイナー、建築家 ジョージ・マチューナスが提唱したと言われている)のマチューナスは、和田義正をオノ・ヨーコ、久保田成子(クボタ・シゲコ)に紹介し、当時使用されていなかったニューヨークのソーホーのロフトをアーティストの空間にリノベートするために彼を雇った。


彼の中頃の人生の中心にはニューヨークのダウンタウンがあった。当時、活気のある実験音楽のシーンが発生した後、和田はミニマリストの作曲家、ラ・モンテ・ヤングと電子音楽を学び、さらに北インドの声楽家であるパンディット・プラン・ナートと歌唱法の勉強に取り組んだ。以後、ナンシー・クラッチャ―からバクパイプの演奏法を学び、即興音楽を制作しはじめた。彼は音響工学の中に、インド、スコットランド、マケドニア等、複数の地域にある独自の民謡や土着の音楽を取り入れた。


以降、彼は独自の管楽器の制作に着手し、「ハイプホーン」という楽器を開発している。別名「アースホーン」とも称されるこの楽器が、実制作として陽の目を見ることになったのが1974年である。さらに、彼はパグパイプとインド楽器に触発を受けた新式の楽器を開発する。これらは、空気を圧縮したパグパイプのような構造を持ち、1982年の作品「Lament for the Rise and Fall of the Elepantine Crocodile」に反映されることになった。


その後、「Off The Wall」を制作に取り掛かった。D.A.A.Dのフェローシップを得て、1983年から一年間、ベルリンに滞在し録音した。 教会の本式のパイプオルガンの構造と製作法を学び、『ラメント・フォー』で試した「改良共鳴バグパイプ」を発展させた小型パイプオルガンを新たに開発している。滞在先のスタジオ隣室から騒音苦情が出るほど研究に専念し、まるで実際的な大きさと質量を持つかのような構造物的な存在感のある音を構築した。こうした一年間の制作成果として1984年に録音されたのが『Off The Wall』(※「壁にはね返る」というニュアンス)だった。和田の作品としてはグループ編成の演奏であるため、比較的分かりやすい内容になっている。

 

和田のライブのほとんどは即興演奏であり、自作自演も行った。しかし、同時に一般的に演奏できる作品やインスタレーションも多数制作した。この類の作品のカタログは1991年から翌年にかけて見出すことが出来る。その時代から和田はニューヨークでグループショーを開催するようになったが、この作品について当時、アート・フォーラムの記者であるキース・スワードは以下のように評した。「ワダの仕事は、コーヒー・グラインダー、フロントガラスのワイパー、ドラムキット、スチールパンをハンマーで打つ等、楽器の可能性を切り開くアプローチを行うことで、機械的なオーケストラを形成し、指揮することを可能とした。そのアイディアに関しては本質的には面白いものはないように思える。感情的な価値を求めるとしたら、それは音の生成のメカニズムや、リスナー、それからコンテクストの融合や結合に依存すると思われる」

 

彼は機械工学を用いたロボット的な音楽も制作した。これがドローン音楽のオリジネーターと目されることに加えて、彼が電子音楽やアンビエントの領域で語りつがれる理由でもある。一例では、航海の緊急使用の信号として用いられるタイプの「聴覚フレア」の信号を中心に機械工学的な知識に基づいた楽器、あるいはシステム構造を構築している。特に、この楽器は、「ハンディ・ホーン」とも称されるようで、「信号の開発」とも説明されることがある。それ以後、実験音楽という領域ではありながら、和田は知名度を高めていき、90年代半ばには、ピッツバーグにあるカーネギーメロンでの講義を終えてから、6名の学生に作品を演奏させた。 彼の音楽性はあまりに前衛的すぎたため、まだ一般的に受けいられるための時間を擁する必要があった。

 

和田義正は全生涯にわたり、商業的成功を手に収めることはなく、そのほとんどが資金不足に陥っていた。数少ない商業での成功例といえる「Lament for the Rise and Fall of the Elepantine Crocodile」ですら、印税のロイヤリティは数ドルという範疇に収まっていた。(このアルバムはニューヨークの実験音楽のレーベルである”RVNG”から発売されている。)しかし、以後、彼は電子音楽家である息子と協力し、晩年にかけて創作意欲を発揮しつづけた。2008年にWireのジム・ヘインズに対して、和田義正は、以下のように自らの音楽について言及している。「基本的に私は自由奔放なんです。私は自分のために面白い音楽を制作しようとしている。実は私はチェスをするためにアートをやめたマルセル・ドゥシャンはあまり好きではないのです」

 

 Spector 『Here Come The Early Nights』 

 


Label: Moth Noise

Release: 2023/11/24



Review

 

ロンドンのSpectorの『Here Come The Early Nights』は、現在、ストリーミングとLPヴァージョンで発売中。ディミトリ・ティコヴォイ(ゴースト、ザ・ホラーズ、マリアンヌ・フェイスフル、プラシーボ)と彼らの地元であるロンドンで13日間かけてレコーディングされた。

 

フレッド・マクファーソン、ジェド・カレン、ニコラス・パイ、ジェニファー・サニンの現在のツアー・ラインナップをフルにフィーチャーしたアルバムで、モス・ボーイズとのコラボレーター、ブラッド・オレンジこと、デヴ・ハインズが5曲で楽器演奏を担当している。ミックスはキャサリン・マークス(ボーイジニアス、ウルフ・アリス、アラニス・モリセット)が担当し、ニューヨークを拠点に活動するアーティスト、サラ・シュミットによる見事なダイカットLPパッケージが施されている。ヴァイナル・バージョンの本体には目がデザインされている。

 

ロンドンの大多数のインディーロックバンドは、新鮮な音楽や野心的な音源を制作することで知られている。一方、スペクターはそれとは対象的に、ノスタルジア溢れる作風を展開させている。

 

フロントマンのフレッド・マクファーソンの胸中には、仕事と家庭を両立させつつ、どのように音楽を制作するかという思いがあった。それはむしろこのアルバムで、安心感と安定感のあるアプローチという形で現れている。ブリット・ポップの一角を担ったASHの90年代の作風にも近い空気感が感じられる。ASHほどパンキッシュではないものの、オルタナティヴロックのアプローチの中には良質なメロディー、そしてシンガロングを誘うコーラスワークの妙が光る。


現在のレコーディングの過剰な演出やマスタリングが優勢な中、スペクターのアルバムは、むしろ90年代や00年代のインディーロックと同様に、素朴なミックスが施されている。派手なミックスはたしかに人目を惹くものの、他方、長く聴いていると聴覚が疲れるという難点もある。そういった観点から見るかぎり、『Here Come The Early Nights』は前2作のようなパンチこそないが、安心感があるのは事実のようである。 90年代のブリット・ポップに親しむリスナーであれば、何かの親近感を覚えるようなアルバム。これはまたフロントマンを始め、四人組がイギリスのロックの普遍的な良さを追求した作品ともいえる。夜に、ディズニープラスを子供と一緒に見ているような快適さをフロントマンのフレッド・マクファーソンは求めたというのだ。

 

2020年に発表された「No Fiction」、及び昨年の「Now or Whenever」ではインディーロックやダンスロック的な要素があり、また、特に2作目では、シンセサイザーを駆使して実験的なアート・ロックにも挑んでいたスペクターであるが、この三作目のLPではより親しみやすいブリットポップに傾倒しているように感じられる。それは前の2作を通じて提示されたインディーロックのバンドアンサンブルと深みのあるボーカルと相まって、オープニングを飾る「The Notion」のような初期のColdplayのような渋さと哀愁を兼ね備えたロックソングを生み出す契機となった。

 

その一方、ダンス・ロックへの親しみはこの最新アルバムにも受け継がれている。それは「Some People」に見出せる。The KIllersほどにはアリーナ級の観客の期待に応えるバンガーではないかもしれないが、一方、ボーカルラインに含まれるマクファーソンの人格的に円熟した感情性は、イントロからサビにかけて盛り上がりを見せ、80年代から90年代初頭のUKロックのノスタルジアへと続く。曲にはディスコサウンドの反映が留められ、それは現行のネオ・ソウル勢とは一線を画している。どちらかと言えば、MTV時代の懐古的な時代へと飛び込むかのようだ。

 

 

中盤に収録されている「Never Have More」は、前の2作で構築してきたSpectorサウンドをより親しみやすいロックとしてアウトプットしている。この曲も性急さや過剰さを避けながら、緩やかなインディーロックのアプローチを図っている。マクファーソンはサビの部分では渋さと円熟味のあるボーカルを披露しているが、それらを支えているのが繊細さとダイナミックス性を兼ね備えたギターライン、そしてメロディーやビートを損ねないドラム、もちろん、その補佐役となるベースラインである。これらのアンサンブルが渾然一体となり、ブリット・ポップ全盛期の思わせる一曲が生み出されることになった。BlurやAshといった名バンドを彷彿とさせる。


アルバムの中盤から終盤にかけて、人生を生きる上での必要性とアーティストとして生きる上での必要のある2つ、あるいは3つの側面を秤に掛けるような音楽性が続いている。それは足元の土を均すか、踏みしめる感覚にもよく似ている。


「Not Another Weekend」は、バンドの2020年の頃の回想とも取れるし、以後の「Pressure」では、家庭と仕事との合間にある緊張感が示されていると解釈出来る。一方、前作までとは異なり、信頼感と安定感のあるロックバンドとしての貫禄も表れている。「Another Life」は、2020年頃とは異なる人生の側面に焦点を絞っている。シンガロングを誘発する緩やかなサビを制作したのは、リスナーとの歩みと協調性を重視した結果とも考えられる。さらにシンプルなバラード「Room With a Different View」では三年でバンドやフロントマンの人生が変化したことが伺える。

 

スペクターのバンドとしての緩やかな変化や成長は、タイトル曲『Here Come The Early Nights』に特にわかりやすい形で反映されている。さらに、グルーブ感を意識したダンスポップソング「All of The World is Changing」は、デビュー時からスペクターが追求してきたスタイルの集大成と言える。スペクターはひとつずつ階段を上り続けている。今後のさらなる飛躍に期待しよう。

 

 

76/100

 

 

 Featured Track-「Driving Home For Halloween」

 


ブリストル発のポストパンクバンド、Mould(モールド)が「Birdsong」を発表し、鮮烈なデビューを飾った。


この曲は、バンドの底しれぬポテンシャルを体現している。ポスト・パンク的な勢いに加え、彼らは70年代のオリジナルのUKパンク、クラフトヴェルクの系譜にあるジャーマン・テクノの要素を追加している。若さゆえのアグレッシブさもバンドの強み。


「"Birdsong "は、僕らが初めて一緒に作った曲なんだ」とフロントマンでギタリストのジョー・シェリンは説明する。

 

「この曲は、楽観的であろうとすることがいかに疲れるかを歌っている。ある人に、僕は前向きで、いつも良いことを見ようとしていると言われたんだけど、この曲はその個人的な代償について歌っているんだ」

 

12月には、さらなるツアーが予定されている。来年には、リチュアル・ユニオンと2000treesでのセットも予定されている。

 


「Birdsong」

Weekly Music Feature


C'mon Tigre 『Habitat』 


 

 

・アフロジャズ、ロック、南米音楽で世界をつなぐ


約10年のキャリアを持ち、3枚のアルバムで高評価を得ているC'mon Tigreが、「Habitat」で音楽シーンに戻ってくる。9曲は、音楽とビジュアル・アートが常に影響し合い、未踏の実験的高みに到達するという、国際的な広がりを持つデュオ・プロジェクトの本質を余すところなく表現している。


この新しいディスコグラフィーの章は、特定のジャンルに属することを拒み、地球上のあらゆる場所からの影響を組み合わせ、前作に典型的なアフリカン・ジャズやエレクトロニック・スタイルの要素に、南米音楽からの新しいサウンドを加えている。


ジャンクなアンサンブルの中に、サウンドスケープとして浮かび上がるパノラマは、色とりどりの明瞭な生態系であり、動物も植物も、さまざまな形の生命が繁栄し共存する場所である。


レコーディングのコラボレーターも豪華だ。フェラ・クティの後継者であるセウン・クティのアフロビートから、サンパウロ出身の優れたブラジル人アーティスト、ゼニア・フランサの歌声、国際的な実験音楽の第一人者であるアルト・リンゼイ、イタリアのオルタナティヴ・シーンで最も興味深いシンガーソングライターのひとりであるジョヴァンニ・トゥルッピまで。


リスナーをエキゾチックで驚きに満ちた巡礼の旅へと誘う音楽の旅は、パオロ・ペッレグリン、ジャンルイジ・トッカフォンド、ハッリ・ペッチノッティ、ブギー、ジュール・ゲラン、エリカイルカネ、マウリツィオ・アンツェリといった作家やアーティストとともに、ビジュアル・アートの領域にもそのイメージを広げてきたグループのキャリアにおける基本的なステップだ。


録音には、他にも、ダニイェル・ジェジェリ、ドナート・サンソーネ(後者は「Twist Into Any Shape」のビデオクリップでLIAFロンドン国際アニメーションフェスティバル2022の最優秀ミュージック・ビデオ賞を受賞)、マルコ・モリネッリ(「Behold the Man」のビデオでLAFAロサンゼルス・フィルム・アワードやラスベガスのベガス・ムービー・アワードなど数々の国際映画祭で受賞)が参加。

 



 C'mon Tigre 『Habitat』/Intersuoni(Distrubute:Believe)


 

イタリアを拠点とするデュオ、C'mon Tigreによる最新作『Habitat』は、アフロジャズ、カリブ音楽、南米音楽、エレクトロ、ロックをリンクする一作。

 

このアルバムについて、C'mon Tigreは次のように説明している。「Habitatは、一見離れた世界をひとつにまとめ、それらの間に存在する緊密な相互関係を示す、音楽結合の力の証である」

 

アルバムはブラジル音楽に強く触発を受けており、リズミカルなルーツは、サンバやフォロにあるという。

 

アフロ・フューチャリズムの祖/フェラ・クティの子孫であるセウン・クティの参加は、彼らがロンドンのジャズ・コレクティブ、Ezra Collecctiveに近い指針を持ち、ジャンルそのものにとらわれずに活動していることを証立てている。これらのコラボレーターは、実際、地理的なギャップを橋渡しし、広大で広く離れたように思える世界が、実際は一つに繋がっていることを示している。

 

一昔前、米国にBuena Vista Social Club(ブエナ・ヴィスタ・ソシアル・クラブ)というバンドがいたが、キューバーにルーツを持つメンバーがいたこともあり、陽気なカリブ音楽で一世を風靡した。このバンドは、JFKの時代から冷え込んでいた米国とキューバの関係を音楽的な側面で繋げる重要な役割を担った。

 

同じように、C'mon Tigreも又、そういった政治的な緊張を緩め、そして音楽の力でヨーロッパ、アフリカ、南米を繋げる役割を担っているといえる。

 

例えば、イギリスならイギリスらしい音楽、アメリカならアメリカらしい音楽、オーストラリアならオーストラリア、そして、日本なら日本らしい音楽というのが存在するが、カモン・ティグルの音楽はそのいずれにも属さず、徹底してコスモポリタニズムに根ざした音楽を奏でる。


このサード・アルバムでは、アフロジャズを中心に変拍子とブレイクを活用した音楽性が際立っている。そして、彼らがアフロ・ビートを基調とした脱西洋的な音楽観を重点においていることを踏まえると、その向こうにアフロ・フューチャリズムの継承者という重要なファクターが浮かび上がってくる。

 

アルバムは「Odiam」を除けば、すべてカモン・ティグルにより作曲/編曲が行われた。ジャズコレクティヴというよりもニューオリンズのジャズのビックバンドのような大掛かりの編成で録音が行われ、ダブル編成のドラム、トロンボーン/フレンチホルン、四人のボーカル、ダブルのアルトサックス、ヴァイオリン、木琴、チェロ/ビオラ、バリトンサックス、フルート、バスクラリネットという豪華な編成になっている。これらの楽団のような編成は、曲そのものが冗長になる場合もあるが、アルバムの録音全般にアンサンブルの妙をもたらしている。同時にライブ・アルバムのような強烈なエナジーに彩られた精細感のある秀作を生み出す契機ともなった。

 


1. 「Goodbye Reality」 

 

フレンチホルンとトロンボーンが足並みを揃え、この曲全体にカラフルな音響性をもたらしている。曲のベースにエレクトロを加え、アフロビートという礎に、ブラジル音楽に触発を受けた艶やかな女性ボーカルが加わる。この曲には、無数のアフリカ/南米音楽の要素が内在しており、目の眩むような多彩性に満ち溢れている。サルサ/サンバの陽気なリズムが途中から加わり、さらにマリンバ等の楽器が加わることで、音楽のお祭りのような様相を呈する。

 

リズムの転がり方も意外性に富んでいるが、何より南米音楽の気風が強く反映されているためか、ファニーな雰囲気が漂う。それでも、陽気さばかりが能ではない。そこには南米の孤独と哀愁も加味されている。まさにコロンビアのガルシア・マルケスに影響を与えたオラシオ・キローガの短編小説、あるいは『失われた足跡』で知られるカルペンティエルのような密林を想起させる。

 

鳥が海を泳ぎ、魚が空を飛ぶ奇妙な世界、すべてが見事に逆さまになっている生息地を想像しながら、耳を傾け、わたしたちが慣れ親しんでいる現実の概念を放棄することへのインヴィテーションとなるでしょう。

 

 

 

 

2.「The Botanist」 

 

アフロビートやアフロジャズを元に、ブラジル音楽を雰囲気を加え、サイケデリックロックふうにアレンジした一曲である。この曲では、セウン・クティがアルトサックスを吹きながら歌う。セウン・クティの声も渋さがあるが、その周りを取り巻くようにし、女性コーラスが華やかな雰囲気を与える。

 

序盤は、ミニマルなギターが70年代のハードロック/ファンクロック/サイケロックを想起させるが、そのソングライティングが予定調和に陥ることはないのが驚き。中盤からは、サルサ風のリズム、フレンチホルンとトロンボーンのハーモニー、それからマリンバが加わることで、渋さとしなやかさをもたらす。

 

女性コーラスワークの後のサイケロック風の乾いた質感を持つギター・ソロも奇妙な艶気があり、実際、失われたハードロックやサイケロックの最たる魅力の再発掘とも言えるかもしれない。


 

この曲は成長の本質のテーマを捉えており、カモン・ティグルの音楽はしばしば自己発見、変容、時間の経過というテーマを探し、無垢から経験への変容の旅を強調します。

 

人生の刻々と変化する局面に直面したときの受け入れと回復力を示しています。これは私達自身が緑豊かな庭園の一部であるかのように、自分の魂や心を大切にしようという誘い。

 

 

3. 「Teenage Age Kingdom」 

 

カモン・ティグルのエレクトロからの影響が色濃く出た一曲で、彼らはそれらをファンクやサイケの観点から処理している。分厚いベースラインに加え、ポリフォニー的に加わるドラムの組み合わせの妙が光る。

 

ボーカルは、アークティック・モンキーズ/QOTSA(Queen of The Stone Age)のボーカリスト、アレックス・ターナー、ジョッシュ・ホーミの哀愁を想起させる。しかし、これらのロック的なアプローチに意外性を与えているのが、シャッフルを多用したジャズ・ドラムのリズム、ファンクに触発されたベースライン、女性コーラスワーク、そして、ノイズを加味したエレクトロニクスである。

 

これらの複雑性は十代の青年の苦悩を表しているという。そしてハードロック/サイケロック風に思えた曲は中盤から、サルサ/フォロのリズムを取り入れ、南米のポップスへと変化していく。南米のエキゾチズム、そして、そこから匂い立つ雰囲気が十分に堪能出来る。 


 

自分のアイデンティティを見つけるティーンエイジャーの普遍的な課題に取り組んだ一曲です。

 

現代ブラジル音楽を代表するサンパウロ出身の傑出した、クセニアフランカとのコラボにより、この曲は若者が達成不可能なモデルに適応しようとする際に直面せざるを得ないプレッシャーについても言及している。

  


4.「Sixty Four Seasons」 

 

アルバムの序盤の重要なハイライトとなりえる。同じようにアフロビート/アフロジャズの影響を取り入れ、それらをロックとして処理した一曲である。


ここでもループ/ミニマルの構造を持つ細かなギターラインを緻密に重ねていき、流動的なドラムのシャッフルのリズムを取り入れることで、ファンクロック/ハードロックからプログレッシヴ・ロックに近いアヴァンギャルドな音楽へと移行していく。

 

前曲と同じように、ボーカルがフレンチ・ホルンやトロンボーンと組み合わさり、ジャズロック風の画期的な音響性を生み出す。もうひとつ注目しておきたいのは、カモン・ティグレは極力洗練性を避け、ジャンク・ロック風の荒削りなグルーブを重視していること。この曲では、失望から立ち直ろうとする際の不思議な力について歌われているという。


すべてが崩れ落ちそうになったときに立ち上がる能力について語る曲です。

 

彼は心を高くもち、欠けている部分を集めることの重要性について語る。なぜなら私達が帰る場所、私達を安心させ、バランスを再構築する避難所がそこにあるから。ジェームス・ブラウンのスタイルにインスピレーションを得た、パンチの効いたリズムとファンクの要素がこの曲に付与されています。

 

この曲のドラムは、DRBとして、知られるダニー・レイ・バラガンに託されました。サンディエゴ出身のドラマーであり、1990年代のファンク/ソウルの特徴的なダーティーなドラミングを継承することに情熱を注いでいます。

 

 

 

 

 

5.「Nomad At Home」

 

アラビア風のエキゾチックなボーカルで始まり、その後、アフロジャズの王道のアプローチへと移行していく。

 

マリンバのリズムや音階の楽しさ、そして、ホーンセクションやシャッフルのドラム、ウッドベースのようなジャズのベース、そしてアラビア風のボーカルが組み合わされることで、千夜一夜物語の音楽版とも言うべき摩訶不思議な音像空間が構築されていく。エレクトロニックの効果はもちろん、マリンバ、フレンチホルン/トロンボーンの華やかさが光る。

 

「Nomad At Home」は自分の場所で外国人のように感じるというコンセプトを追求しました。ダークな雰囲気のあるエレクトロニックソングです。

 

ボコーダーを通して声は距離と疎外感を与え、どこにも帰属しえないという経験を増幅させる。ジャズの影響と中東のサウンドが絡み合い、勇気と絶望を反映する正確無比の軌跡を描く。日々、命の危険を冒してまで移動しつづける人々……。「Nomad At Home」は、現実の感情的な重さを描写し、我々全員に深く影響を与える問題に注意を向けようとしています。

 

 

6.「Odiame」

 

アルバムの収録曲の中で唯一、カバー曲である。エレクトロニックと南米音楽の哀愁が絶妙に溶け合い、映画的なモノローグ風のボーカルがフィルム・ノワールの世界に近い音楽観を生み出している。

 

そこにジャズのドラミングが加わることで、ライブのような雰囲気を帯びる。スペイン語の語感の持つ美しさ、そしてそのパトスが十二分に感じられる。


この曲はエクアドルの歌手、フリオ・ハラミージョによって彼の母国で有名になりました。私達はよりフォークロア的な伝統性を重んじ、それを別の場所に渡し、より普遍的なものにしたいと考えました。



7.「Sento Un Morso Dolce」

 

スペイン語で「甘い噛みつきを感じる」の意。アルバムの中で最もダンサンブルでアップテンポなナンバーによりリスナーに快感と刺激を与える。


ベースラインやイタロ・ディスコのような分厚いビートを背に、プエルトリコのラッパー、Bad Bunnyのようにスペイン語のラップ/スポークンワードが乗せられる。そのビートをサルサやサンバのリズムが強化している。ときに、その中にジャングルにまつわるフォークロアや、民族音楽のパーカッションが取り入れられる。

 

「Sento Un Morso Dolce」は、イタリアが誇る輝かしい現代作家、ジョヴァンニ・トゥルッピの言葉に託された詳細な精神分析のセッションです。騒がしく非友好的な電子機器を伴い、無意識への小さな旅へとあなたを連れて行く。繰り返しを理解することが鍵となるでしょう。

 


8. 「Na Danca Das Flores」

 

アフロビートの雑多性やアフリカ音楽の開放的な空気感に満ちあふれている。特にアフロジャズのアンサンブルに欠かすことのできないフルートの演奏が他の曲よりも押し出されている。フルートのソロの魅力を引き立てるのは、マリンバやドラム、ベースのリズム、そして断片的なコーラスワークである。

 

この曲も他の収録曲と同様に、アフロジャズの基礎的なアプローチを軸に置いているが、新鮮な印象をリスナーに与える。チルウェイブ/チルアウトの要素を加味することで、新鮮な音楽が誕生している。曲の終盤ではよりサンバへの傾倒を見せ、南米の気風を強く反映させていることにも注目しておきたい。

 

 

この曲は、わたしたちの家ではなく、誰かの家への招待状です。それは世界共通言語でのもてなしの祭典であり、世界の扉を開く優しさのジェスチャーでもある。自分の世界に他の人もアクセス出来るようにする手だてでもあるでしょう。この音楽はブラジルのルーツとエレクトロ・ポップを融合させ、リスナーを予期せぬ場所へと連れて行く。

 

9. 「Keep Watching Me」

 

アルバムのクローズを飾るのは、アート・リンゼイが参加した「Keep Watching Me」。リンゼイは、大貫妙子や坂本龍一の作品、さらに、当初、ブライアン・イーノがプロデュースを行った『No New York』にDNAとして参加し、その後、実験音楽の重要人物として知られるようになった。


この曲で、アート・リンゼイは、奇妙な緊張感と集中性のあるギターラインに、ボーカルという形で参加している。曲の中に満ち渡る空虚感、及び虚脱したかのような感覚は、かなりシュールである。

 

私達が敬愛してやまないアート・リンゼイの声がフィーチャーされています。彼はここに甘さと儚さをもたらしている。

 

私達が最も気に入っているのは、現代社会では、あらゆる些細なことを常に監視されているなど、冷酷で残酷なテーマについて、優しく驚きを持って話すことができたことです。

 

私達が日頃対処しなければいけない醜さのすべてにまだ汚染されていないのが、人類の目です。音楽的にはこのアルバムを最後を飾るにふさわしいエンディングと考えています。



 86/100


 

 


 C'mon Tigreのニューアルバム『Habitat』はIntersuoniから現在発売中です。ご購入、ストリーミングはこちら

 


リーズのオルタナティヴロックバンド、English Teacher(イングリッシュ・ティーチャー)がニューシングル「Mastermind Specialism」をリリースしました。バンドは今年、テキサスの音楽フェス、SXSWに出演し、12月にはロンドンのザ・レキシントンでのライブを予定している。


フロントウーマンのリリー・フォンテーンは、この曲についてこう語っている。「自分の神学、セクシュアリティ、キャリアに疑問を抱き、小さなフェンスに座っている間に私の中でつぶやいた痛みについて書かれた」

 

「ジャコ・ヴァン・ドルマールのSFファンタジー『Mr. Nobody』を観たとき、この問題の原因と結果が見えてきた。私の人生は一貫して”一貫していない”。全国に12軒の異なる家があり、人種は混在しているが、私はいつもその中間にいる。この曲や今後リリースする曲の多くはそこから生まれていると思う」


「ちょっとしたエッセイ」と彼女は付け加えた。「だから代わりに私が[シュラッグの絵文字]で答えたと言うこともできるわけ」


「Mastermind Specialism」

Ty Dolla Sign& Kanye West
 

「Vultures」は、タイ・ダラー・サインとカニエ・ウェストのコラボ・アルバムからの初の公式シングルという噂がある。少なくとも、ヒップホップ・ファンなら誰もが待ち望んでいたカムバック作だ。


先日、DJ PharrisがシカゴのWPWX Powerの伝統的なラジオ番組でオンエア中に、Bump Jをフィーチャーしたカニエ・ウェストとタイ・ダラー・サインによるこの新曲「Vultures」を初披露した。


また、タイ・ダラー・サインはアルバムが間もなくリリースされるとの情報をリークしているという噂だ。予定通りであれば、アルバムは全11曲、約40分に及び、トラヴィス・スコット、クァーヴォ、プレイボイ・カルティ、フィヴィオ・フォーリン、前述のバンプ・Jとのコラボが収録されるため、インスタントな名作となることが約束されている。以上はゴシップ情報となる。


Yeことカニエ・ウェストは1、2年前、(デザイン関連の)仕事のために渋谷にお忍びで来日しており、歩道橋の上でくつろいでいる姿が確認された。また、その際、東京都内の料理店で食事をとり、付き人と店から出てくる姿も目撃されている。その後、コラボレーターとトラック制作をしているのが確認されたが、以降、ミュージシャンとしての公式の動向は明らかとなっていない。

 


 

©︎Jay Seba

ロンドンのシンガーソングライター、The Japanese HouseはEP「ITEIAD Sessions」をリリースした。

 

The Japanese HouseはDirty Hitに所属。今年、セカンドアルバムをリリースした。アルバム発売前には、マッテイー・ヒーリーとライブセッションを行った。


「ITEIAD Sessions」はアルバムのシングルカット「Sad to Breathe」、「Touching Yourself」、「Sunshine Baby」、「One for sorrow, two for Joni Jones」の既発ライヴ音源を集めた6曲を収録。「Boyhood」の新しいライブ・バージョンも併録。セッションでは、The 1975の女性シンガーソングライター版とも称すべきソフト・ロック寄りのポップスを堪能出来る。


このEPはABBAのダンスフロア・アンセム「Super Trouper」のカヴァーで締めくくられている。


The Japanese House(ザ・ジャパニーズ・ハウス)は、北米ツアーで今年のライブを締めくくる。2024年初頭にはカムデン(ロンドン)のラウンドハウスでの過去最大のヘッドライナーを含む公演のため英国に戻る。

 

 

The National/ The Late Show with Stephen Colbert

The Nationalは、デヴィッド・レターマンを7年ぶりにエド・サリヴァン・シアターに迎えた『The Late Show with Stephen Colbert』で最新作の収録曲「Space Invader」を披露した。


今年初め、デイヴィッド・レターマンはナショナルへの尽きせぬ愛を語り、「あなたの最も悲しい友人の好きなバンド」と呼んだ。「マット・バーニンガーほどクールなバンドはいないし、殿堂入りするべきだ」


「レターマンが番組出演を提案したとき、ザ・ナショナルはアジア・ツアー中だったが、彼らはレターマンの復帰のために特別にムンバイから飛行機で戻ってきた。私は "ナショナルはどうだ?"と言った。というのも、最近彼らと一緒に時間を過ごしたばかりで、最近ライヴを観に行ったんだけど、彼らの音楽に惚れ込んでしまった。昨夜はムンバイで2公演やったけど、彼らはここにいる」


「Space Invader」は、『First Two Pages of Frankenstein』に続くナショナルの2023年第2弾アルバム『Laugh Track』に収録されている。パフォーマンスの模様は以下よりご覧ください。

 

 

©Space Shower Music

日本のオルタナティヴロックバンド、Luby Sparks(ルービー・スパークス)がインドネシアでのライブ日程を新たに追加しました。ジャカルタでの公演を目前に控え、Luby Sparksのオフィシャルトレイラーが公開となった。フェスティバルのフライヤーと合わせて下記よりご覧ください。 

 
2023年3月に「US Tour」、9月に「China Tour」、さらに10月には韓国公演、同じく10月に東京にて、Pretty Sick(Dirty Hitに所属)を迎えた自主企画ライブを開催する等、海外での活動を精力的にこなすLuby Sparksが、初のインドネシア公演を11月25日、26日に実現させる。


11月25日には、ジャカルタで行われる「Joyland Festival」(Official HP)に出演。フェスには、Interpol、Fleet Foxes、Alvvays、Bloc Party、Mewほか欧米のバンドも多数出演する大型フェスとなっている。

 

26日には、ジャワ州バンドンで「Acid Reflux Music」に出演。ローカルのバンド10バンドと出演予定。また、インドネシア・バンドンのインディ・レーベル”Lisdia Records”より限定Tシャツやカセットテープも発売が決定している。

 

 

 Official Trailer

 

 

Joyland Festivalには、京都のパンクバンド、Otoboke Beaver、日本のラッパー、 Canpanella、ロンドンの気鋭のポストパンクバンド、Squid、さらに、オーストラリアのインディーロックバンド、Last Dinasours(Okamoto’sと交友が深い)の出演も予定されています。

 

 

・Luby Sparks‐ Indonesia Shows

 




・2023 November 25 [Sat]


Jakarta, Indonesia
Joyland Festival

 

GBK Baseball Stadium Senayan, Jakarta

 

Detail(詳細):


[ https://joylandfest.com ]


[ https://www.instagram.com/joylandfest]



・2023 November 26 [Sun]


Bandung, Indonesia


Acid Reflux Music


Baraga Sky 1957, Bandung

 

Detail(詳細):


[ https://www.instagram.com/bragasky1957 ]


[ https://www.instagram.com/lisdia.records ]

 

 

Luby Sparks(ルービー・スパークス):


Natsuki (ba/vo)  Erika (vo)  Sunao (gt)  Tamio (gt)  Shin (dr)により、2016年3月結成された。

 

2018年1月、Max Bloom (Yuck) と全編ロンドンで制作したデビューアルバム「Luby Sparks」を発売した。

 

2019年9月に発表したシングル「Somewhere」では、Cocteau TwinsのRobin Guthrieによるリミックスもリリースされた。

 

2022年2月には、DYGLを迎えての自主企画「One Last Night」(WWW X) をソールドアウトさせ、2022年5月11日にMy Bloody Valentine、Rina Sawayamaのプロデュース/エンジニアを手掛けるAndy Savoursを共同プロデューサーに迎えて、セカンド・アルバム「Search + Destroy」をリリースした。

 

同年6月には、初のワンマンライブ「Search + Destroy Live」(WWW X) もソールドアウトとなった。

 

10月にはタイ・バンコクでの海外公演を行い、2023年3月17日より、NY、ボストン、フィラデルフィア、サンフランシスコ、シアトル、サンディエゴ、LAの全7都市にて「US Tour 2023」、9月には中国「Strawberry Music Festival 2023」を含む「China Tour 2023」、10月には韓国のストリートカルチャー・コンベンション「FLOPPY 1.0 - Let’s FLOPPY」、11月にはインドネシア「Joyland Festival」へ出演が決定。海外での展開も積極的に行なっている。

 

詳細はSpace Showerの公式サイトをご参照ください。

 

 

 

Luby Sparks: 

 

Formed in March 2016 by Natsuki (ba/vo) Erika (vo) Sunao (gt) Tamio (gt) Shin (dr).

In January 2018, they released their debut album "Luby Sparks", produced entirely in London with Max Bloom (Yuck).

The single "Somewhere" was released in September 2019, with a remix by Robin Guthrie of Cocteau Twins.

In February 2022, the band sold out their independent project "One Last Night" (WWW X) with DYGL, and on May 11, 2022, they co-produced their second album with Andy Savours, who has produced and engineered for My Bloody Valentine and Rina Sawayama. 


In June of the same year, their first one-man live concert "Search + Destroy Live" (WWW X) was also sold out.
 
In October, they performed overseas in Bangkok, Thailand, and from March 17, 2023, they will be on "US Tour 2023" in 7 cities including NY, Boston, Philadelphia, San Francisco, Seattle, San Diego, and LA, and in September, "

China Tour 2023" including "Strawberry Music Festival 2023" in China. In October, they will perform at "FLOPPY 1.0 - Let's FLOPPY", a street culture convention in South Korea, and in November, they will perform at "Joyland Festival" in Indonesia. The group is also actively expanding overseas.

筒美京平
 

 

稀代の名作曲家、筒美京平の遺作を盟友・橋本淳が作詞、そして筒美京平に愛された平山みきと野宮真貴がデュエットした新曲第2弾配信シングル「ホットな地球よ」が明日リリースされる。

 

本作が配信される11月23日(木)には、本作品や第1弾シングル「アーティスト」の制作過程を追った「ザ・ヒューマン『さらば友よ 作詞家・橋本淳 作曲家・筒美京平』」(NHK BS1にて21:00~21:49)が放送される予定。こちらの放送もお楽しみに!!

 

 

10月3日に平山みきと野宮真貴がデュエットした「アーティスト」(作詞・橋本淳/作曲・筒美京平)が配信リリースされた。

 

同日、NHK「うたコン」の『筒美京平特集』にて平山と野宮が歌唱して大きな話題を呼んだが、その第2弾となる配信シングル「ホットな地球よ」が11月23日(木)にリリースされる運びとなった。


本作は、筒美京平が作曲、長年の盟友・橋本淳作詞を手がけた作品。10年ほど前に筒美が制作し、橋本に託された譜面を紐解きながら、親友・筒美への思いを歌に託した作品。

 

アレンジは、トリビュートアルバム『筒美京平SONG BOOK』(2021年3月24日発売)へプロデューサーとしても参加し、2008年にヒットした中川翔子「綺麗ア・ラ・モード」等で近年の筒美作品の編曲を担当していた本間昭光。

 

歌唱は、筒美が愛した唯一無二の歌声の持ち主、”秘蔵っ子”と呼ばれる平山みきと、60年代の洋楽、そして70〜80年代のはっぴいえんど人脈やシティポップなどをルーツとする渋谷系のピチカート・ファイヴで時代を作った野宮真貴による、この為だけの新しいユニット"平山みき & 野宮真貴"。


参加アーティストたちの筒美京平に対する限りない愛情が結実した、ポップでカラフルな新しい筒美京平作品が完成した。 

 

 

野宮真貴&平山みき


 

 

 

●コメント from 平山みき●


「アーティスト」「ホットな地球よ」は深い絆の橋本淳先生、筒美京平先生のコンビだから今リリース出来た楽曲です。


京平先生が盟友の橋本先生に残した曲があるなんて
そして平山みきが歌えるなんて


53年 一緒に歩んで来たご褒美だと思います。


橋本先生から今回はデュエットしてみないと提案されて、野宮真貴さんとのコラボが実現しました。


今回のレコーディングで野宮真貴さんも平山みきもこの曲にチャレンジ出来た事で歌への情熱に火がつきました。

 



●コメント from 野宮真貴●


前作の「アーティスト」に続き、二作続けて筒美京平さんの新曲「ホットな地球よ」を歌える喜びを感じています。筒美さんから作品を託された橋本淳さんは、何度も歌詞を書き直し、新曲を完成させてくれました。アレンジは筒美京平さんを深く敬愛する本間昭光さん。レコーディング・スタッフ全員の「京平先生への愛」が結実した素敵な作品になりました。平山みきさんと私で心込めてデュエットした筒美京平&橋本淳のゴールデン・コンビの最新曲お届けします。



●コメント from 本間昭光●


最初にオファーをいただいた時には、ただただ驚きしかありませんでした。このタイミングで京平先生の新曲を編曲することができるなんて、まさに夢を見ている気持ちでした。


そして橋本淳先生とのファーストセッションでもあります。平山みきさんと野宮真貴さんとも、もちろん初めてのセッションです。この歳になってこれ程までに初めて尽くしのプロジェクトに関われることは、至福の極みです。


遺された楽曲を天国にいる京平先生に叱られないように、先生だったらきっとこんなことをリクエストされたのではないかなと想像しながら編曲しました。
是非ともお聴きください。 



平山みき&野宮真貴「ホットな地球よ」 New Single



平山みき&野宮真貴「ホットな地球よ」


Digital | 2023.11.23 Release | DDCB-12985_2 | Released by SPACE SHOWER MUSIC


作詞| 橋本淳(ハシモト ジュン|Jyn Hashimoto)
作曲| 筒美京平(ツツミ キョウヘイ|Kyohei Tsutsumi)
編曲| 本間昭光(ホンマ アキミツ|Akimitsu Honma)


アルバム『New Beautiful』、ポータブル・ロック結成40周年アルバム『PAST & FUTURE 〜My Favorite Portable Rock』が好評発売中。


配信リンク:

https://ssm.lnk.to/HNCY 

 

 

ーNHK BS1 ザ・ヒューマンー

 
「さらば友よ 作詞家・橋本淳 作曲家・筒美京平」


稀代のヒット曲を生んだ筒美京平。彼の遺した最後の譜面がある。その曲を完成させようと立ち上がったのが作詞家の橋本淳。亡き親友と対話しながら、苦難の活動を2年間密着。


初回放送日: 2023年11月23日

 

番組の詳細:

https://www.nhk.jp/p/ts/6GLVG6Q9P4/episode/te/VW9QN6NX7G/



平山みき&野宮真貴:

 
筒美京平が愛した唯一無二の歌声の持ち主、秘蔵っ子と呼ばれる平山みきと、60年代の洋楽、そして70〜80年代のはっぴいえんど人脈やシティポップなどをルーツとする渋谷系のピチカート・ファイヴで時代を作った野宮真貴による、「筒美京平・橋本淳プロジェクト」のために結成された新しいユニット"平山みき & 野宮真貴"。

 

 

平山みき

 
東京生まれ 1970年「ビューティフル・ヨコハマ」でデビュー。


「筒美京平の秘蔵っ子」的存在として1971年に2作目の「真夏の出来事」をリリースし一躍注目される歌手となり、現在も独特の歌声は変わらず、ライブやショーに出演している。


1989年から京都に移住。自称「滞在型観光客」と自身のことを呼ぶ程の京都愛好家である。
2020年他界された作曲家/筒美京平の遺作を、作詞家/橋本淳と平山みきが3人の絆としてセレクトしたアルバム「トライアングル」(全22曲収録)と同時に新曲「jazz伯母さん」を筒美京平を偲んだメモリアルアルバムとして2022年にリリースされている。



平山みき公式ホームページ: 

http://yellowlion.jp/event.html



YouTube: 

mikisanta tv

 


野宮真貴

 
1960年生まれ。1981年「ピンクの心」でソロ・デビュー。1982年結成のポータブル・ロックを経て、1990年ピチカート・ファイヴに加入。

 

元祖“渋谷系の女王”として「渋谷系」ムーブメントを世界各国で巻き起こし、以来、音楽・ファッションアイコンとしてワールドワイドに活躍。現在は“渋谷系とそのルーツの名曲を歌い継ぐ”音楽プロジェクト「野宮真貴、渋谷系を歌う。」を行うなど、ソロアーティストとして活動。現在、デビュー40周年を迎え、音楽、ファッションやヘルス&ビューティーのプロデュース、エッセイストなど多方面で活躍している。40周年記念アルバム『New Beautiful』、ポータブル・ロック結成40周年アルバム『PAST & FUTURE 〜My Favorite Portable Rock』が好評発売中。

 

日本のシンガーソングライター、柴田聡子がニューアルバム『Your Favorite Things』の制作を発表しました。アルバムは来年2月24日に発売される。

 

また、早期予約特典として、新作アルバムを11月22日から来年1月21日に対象店でご予約頂いた方に、柴田聡子さん自身が監督した「台湾周遊記 (DVD)」がプレゼントされます。詳細は下記より。

 

ニューアルバムの制作発表と同時に、新曲「白い椅子」が本日よりデジタルで配信されました。この作品にはなんと、岡田拓郎さんがバンド及びミックス/プロデュースで参加しています。ぜひこちらのインタビューもあわせてご一読下さい。

 

ニューアルバム『My Favorite Things』について、柴田聡子さんはファンに向けてメッセージを添えています。

 

2024年2月28日に新しいアルバムが出ます! タイトルは「Your Favorite Things」です。

 

実はまだまだ制作中です。みんなで色々試しながら作っていてすごく楽しいです。前作までともまた一味違う作品になる予感です。こうしてまた一枚アルバムを作る機会に恵まれたこと、ほんとうにうれしく、感謝ばかりです。一緒に作っている皆さま、聴いて下さっている皆さま、いつもありがとうございます。どうぞお楽しみに!

 

 

また、柴田聡子は恒例のひとりぼっち公演の開催を発表しました。大手町三井ホールで11月25日から2 Days開催。一日目は友人、二日目は外出とテーマが銘打たれています。下記より詳細をチェックしてみよう。

 



岡田拓郎/ 柴田聡子/まきやまはる菜/浜公氣

 

柴田聡子 『Your Favorite Things』


タイトル| Your Favorite Things
発売日 | 2024年2月28日(水)
品 番 | DDCB-12121
定 価 | ¥3,300(税抜価格 ¥3,000)
形 態 | CD



早期予約購入者特典| 柴田聡子の台湾周遊記 [DVD]


対象期間|      2023年11月22日(水)~2024年1月21日(日)各店舗閉店時まで
対象店舗|      TOWER RECORDS/HMV/diskunion/楽天BOOKS/COCONUTS DISK
           詳しくは各店・ECショップにお問い合わせください。


特典内容|      前作「ぼちぼち銀河」の特典DVD「柴田聡子の四万十周遊記」、SSTVで放送された「柴田聡子の鯖江周遊記」に続く、柴田聡子の「周遊記」初の海外編。


注意事項|      ・2024年1月21日(日)の予約終了時間は各店の閉店時間となり、各ECショップについては同日23:59までとなります。


           ・特典物は商品お受け取り時にお渡しいたします。
           ・早期予約特典の付いていないカートで商品を購入された方は対象外となりますのでお気をつけください。

 

 

 オンラインでのご予約:

 https://ssm.lnk.to/YFT




「白い椅子」 New Single

Label:  AWDR/LR2

Release: 2023/11/22


リリース詳細; 

 

2022年5月に発表した「ぼちぼち銀河」にて新境地ともいえそうな変化を遂げた「柴田聡子」。

 

9月にリリースした「Synergy」に続くリリースは「柴田聡子」によるBLACK MUSIC ERA!重心低めのR&B・ファンクが炸裂する「白い椅子」。

 

浜公氣、まきやまはる菜、岡田拓郎による新バンド。ミックス・共同プロデュースに岡田拓郎を迎え、マスタリングは、J Dilla「Donuts」をはじめとする名作に関わったLAの巨匠エンジニア、Dave  Cooley。アートワークは、坂脇慶。



また、みんなで曲を作りました! 録った時から、早く聴いて欲しいな!という一曲でした。先のシングル「Synergy」に続き、岡田拓郎さん、まきやまはる菜さん、浜公氣さん、谷口雄さん、副田整歩さん、宮﨑洋一さんとの録音を経て、またまた岡田さんの絶品ミックスを頂き、Dave Cooleyさんにばちっと仕上げて頂きました。

 

格好良くてプリティなアートワークも引き続き坂脇慶さんです。「Synergy」と並ぶとまた素敵です。またリリースを出来た幸せを噛み締めています。みなさま、ほんとうにありがとうございます。ぜひ聴いてください!


この曲に出てくる白い椅子は実際に自宅近くにあるものです。おおげさに車を回す花屋も実在しています。私はその花屋の店主との相性がものすごく悪いんですよね……。嫌いということではなく、行動や思惑が何もかもすれ違う感じです。少し落ち込んでいます。一番近い花屋はそこですが、ちょっと先の花屋まで買いに行っています……。 ー柴田聡子



配信リンク:

https://satokoshibata.lnk.to/Sitting 

 

 

 

・柴田聡子のひとりぼっち’23 (Event)

 

 柴田聡子、今年もひとりぼっちホール公演決定! 大手町三井ホールにて(しかも2days!)11月25日(土)、26日(日)に開催! 


ーDay1 友人ー


2023年11月25日(土)
OPEN 17:00 / START 18:00
全席指定 4,500円 [+1D]



ーDay2 外出ー


2023年11月26日(日)
OPEN 16:00 / START 17:00
全席指定 4,500円 [+1D]



会場: 東京都・大手町三井ホール
〒100-0004
東京都千代田区大手町1丁目2-1
Otemachi One 3F



大手町三井ホールのHP:

https://otemachi-hall.jp/

 


 

柴田聡子(SATOKO SHIBATA):



シンガー・ソングライター/詩人。北海道札幌市出身。武蔵野美術大学卒業、東京藝術大学大学院修了。


2010年、大学時代の恩師の一言をきっかけに活動を始める。


2012年、三沢洋紀プロデュース多重録音による1stアルバム「しばたさとこ島」でアルバムデビュー。以来、演劇の祭典、フェスティバル/トーキョー13では1時間に及ぶ独白のような作品「たのもしいむすめ」を発表するなど、歌うことを中心に活動の幅を広げ、2022年、6枚目のオリジナルアルバム「ぼちぼち銀河」をリリース。


2016年には第一詩集「さばーく」を上梓。同年、第5回エルスール財団新人賞<現代詩部門>を受賞。詩やエッセイ、絵本の物語などの寄稿も多数。2023年、足掛け7年にわたる文芸誌「文學界」での連載をまとめたエッセイ集「きれぎれのダイアリー」を上梓。


自身の作品発表以外にも、楽曲提供、映画やドラマへの出演、ミュージックビデオの撮影・編集を含めた完全単独制作など、その表現は形態を選ばない。

 


 

Sleaford Mods(スリーフォード・モッズ)はPet Shop Boysの名曲「West End Girls」をカヴァーした。昨年、デュオはYazooの曲をカバーしている。「West End Girls」のヴァイナル・シングルは12月15日に発売される。


この12インチには、"クリーン "と "ダーティー "のミックス、ペット・ショップ・ボーイズ自身によるリミックス、そしてHiFiショーンによるリワークが収録される。「West End Girls」は、スリーフォード・モッズの硬質な雰囲気にマッチしており、PSBのリミックスも素晴らしい。


「『West End Girl』は僕の心にとても近い曲で、いろんな意味で青春の曲なんだ」とモッズのビートメイカー、アンドリュー・ファーンは言う。

 

フロントマンのジェイソン・ウィリアムソンは、「ペット・ショップ・ボーイズのアルバム『Please』と『Actually』をよく聴いているよ。アンドリューが "West End Girls "のカヴァーを提案したとき、この曲の素晴らしさを尊重することが重要だった。だから、ニールとクリスがこの曲を認めてくれたとき、私たちのちっぽけな心は吹き飛んだよね」


一方、ニール・テナントとクリス・ロウは、「スリーフォード・モッズは、大義のためにイースト・エンドの少年たちをウエスト・エンドのストリートに呼び戻してくれた」と語っている。


Sleaford Modsによる「West End Girls」のカヴァー、PSBのリミックス、そしてEPの他の曲のビデオ、さらにオリジナルのビデオは以下から見ることができる。

 

 

 「West End Girls」





スペイン/バルセロナの世界最大級の音楽フェスティバル、プリマヴェーラ・サウンドが2024年版のラインナップを発表しました。今年も豪華ラインナップが組まれています。


ラナ・デル・レイ、パルプ、ヴァンパイア・ウィークエンド、ミツキ、SZA、FKAツイッグス、ディスクロージャー、ジャスティス、フェニックス、PJハーヴェイらがヘッドライナーを務める。


このフェスティバルは、来夏5月30日から6月1日までバルセロナのパルク・デル・フォラムで再び開催される。また、エセル・カイン、トロイ・シヴァン、チャーリーXCX、ジェイ・ポール、アンマーラエ、アルカ、ビキニ・キル、ヨ・ラ・テンゴ、ラットボーイズ、アミル・アンド・ザ・スニッファーズ、デフトーンズ、オマー・アポロ、キム・ペトラス、ペギー・グー、ロミー、チェルシー・ウルフ、スロー・パルプら、アメリカン・フットボールが出演する予定。


前売りチケットは、プリマヴェーラのウェブサイトに登録したファンを対象に、11月23日(木)午前11時(現地時間)から11月22日(水)午後11時59分(現地時間)まで発売される。


昨年のプリマベーラ・サウンドのヘッドライナーは、ブラー、ケンドリック・ラマー、ロザリアが務めた。





Primavera Sound 2024 Flyer: