世界的なシンガー、ビヨンセは、6年前の『レモネード』以来となるソロアルバム『ルネッサンス』を携えてカムバックを果たした。

 

先月、ビヨンセは先行シングル「Break My Soul」を発表したが、「Act I: Renaissance」は、大きなプロジェクトの序章のようで、三部作の最初の作品の位置づけとなる。アルバムのライナーノーツにおいて、ビヨンセは、「この3幕のプロジェクトは、パンデミックの間に3年かけレコーディングされた。静寂に包まれた時間、しかし、最も創造的であると感じた時間でもある」と書き綴っている。


このアルバム『Renaissance』には、A・G・クック、シド、スクリレックス、ドレイク、ブラッドポップ、ヒット・ボーイ、ナイル・ロジャーズ、ザ・ドリーム、ジェイ・Zが作曲で参加している。ドレイク、ジェイ・J等、ヒップホップアーティストが目立つことが特徴といえそうだ。

 

このアルバムには、複数の引用、及び、サンプリングが使用されているという。「Summer Renaissance"」は、Donna Summer(ドナ・サマー)の "I Feel Love" を、「Alien Superstar」は、イングランドの1990年代に活躍したバンド、Right Said Fred(ライト・セイド・フレッド) の "I'm So Sexy" からメロディーを引用している。「Energy」は、R&Bシンガーソングライター、Kelis(ケリス)の "Get Along With You "をサンプリングしている。さらに、「Energy 」にBeam、「Move」には、Grace JonesとTemsが参加している。しかしながら、アルバムのオフィシャルクレジットに示されているのは、三者のアーティストのみである。


昨日、7月28日にアルバムの発売を記念し、自身のウェブサイトに掲載された声明の中で、ビヨンセは以下のようにメッセージを添えた。

 

この3幕のプロジェクトは、パンデミック中に3年かけてレコーディングされました。この3つのプロジェクトは、パンデミック(世界的大流行)の期間中に3年間かけて録音されました。



このアルバムを作ることで、私は夢を見ることができ、世界にとって恐ろしい時期に逃げ場を見つけることができました。他の人がほとんど動かない時代に、私は自由で冒険的な気持ちになることができました。私が意図したのは、安全な場所、判断のない場所を作ることでした。完璧主義や考え過ぎから解放される場所。叫び、解放し、自由を感じるための場所。それは美しい探検の旅でした。



私に空間、創造性、インスピレーションを与えてくれたルミ、サー、ブルーに特別な感謝を捧げたいと思います。そして、スタジオで夜遅くまで私を支えてくれた美しい夫とミューズに特別な感謝を捧げます。そして、ジョニー叔父さんに感謝します。彼は私の名付け親であり、このアルバムのインスピレーションとなる多くの音楽と文化に初めて触れてくれた人です。 

文化の起源となったすべてのパイオニアたち、そしてあまりにも長い間、その貢献が認識されずにいたすべての堕天使たちに感謝します。これはあなたたちのための祝典です。私のパークウッドクルー、私のスラブ、ドリーム、そして関わった全ての才能あるプロデューサーに感謝します。ママ、私はあなたに感謝します。私の父、私のO.G.、私の最初の先生へ。私の一挙手一投足にインスピレーションを与えてくれる。愛してる。

 



ファンのみんなへ:この音楽で喜びを感じてくれたら嬉しい。この音楽が、あなたがウィグルを解放するきっかけになることを願っています。そして、自分のようにユニークで、強くて、セクシーであることを感じてほしい。

みんなを深く愛している。


また、昨日、ツイートされたメッセージの中で、アルバムの発売日の早期リークがあったことについても触れている。


だから、アルバムがリークしたんだけど、みんなは実際に適切なリリース時間まで待ったくれたから、みんなで一緒に楽しむことができたんだ。こんなの見たことない。君たちの愛と保護に感謝しきれないよ。クラブに早く潜り込もうとした人を呼び出してくれたことに感謝します。それは私に世界を意味する。あなたの揺るぎないサポートに感謝します。我慢してくれてありがとう。私たちはこれからじっくりと、そして音楽を楽しみます。これからも全力を尽くして、皆さんに喜びを与えられるように頑張ります。

 

I Love You Deep.





 


 

 



ザ・キュアーは、アルバム『ウィッシュ』の30周年を記念して、10月7日に拡張デラックスリイシューをリリースする予定です。


The CureのRobert SmithとMiles ShowellがAbbey Road Studiosでリマスターした3xCD/2xLPセットは、1992年のオリジナルアルバムと21の未発表デモを含む45曲で構成される。

 

また、1993年の通販限定カセット『Lost Wishes』から、CDやデジタルでは未発表の4曲、1992年のマナー・スタジオ・セッションからの未発表曲「A Wendy Band」、ライブで人気の「From The Edge Of The Deep Green Sea」の別ミックス、1992年の「End」の前未聴ライブバージョンも収録される。以下より、『Lost Wishes』に収録された「Uyea Sound」をご視聴出来ます。 

 

 

 

全収録曲は以下で御確認下さい。


また、10月にはザ・キュアーが22カ国44公演の大規模なイギリス/ヨーロッパ・ツアーに出発する予定です。スミスは以前、バンドが長い間制作していた新譜をリリースしたいと語っていた。





CD1 Original Album Remastered by Robert Smith and Miles Showell at Abbey Road Studios:

 

01: Open (6:51)
02: High (3:37)
03: Apart (6:38)
04: From The Edge of The Green Sea (7:44)
05: Wendy Time (5:13)
06: Doing The Unstuck (4:24)
07: Friday I’m In Love (3:38)
08: Trust (5:32)
09: A Letter To Elise (5:14)
10: Cut (5:55)
11: To Wish Impossible Things (4:43)
12: End (6:45)

CD2 Demos – All previously unreleased versions:

*Unreleased track.
 
01: The Big Hand [1990 Demo] (4:38) [final version on B-side to A Letter To Elise 7”]
02: Cut [1990 Demo] aka “Away“ (3:31) [final version appears on WISH] 
03: A Letter To Elise [1990 Demo] aka “Cut” (5:01) [final version appears on WISH] 
04: Wendy Time [1990 Demo] (5:13) [final version appears on WISH] 
05: This Twilight Garden [Instrumental Demo] (3:25) [final version on B-side to High 7”]
06: Scared As You [Instrumental Demo] (2:33) [final version on B-side to Friday I’m In Love 12“]
07: To Wish Impossible Things [Instrumental Demo] (3:33) [final version appears on WISH] 
08: Apart [Instrumental Demo] (3:38) [final version appears on WISH] 
09: T7 [Instrumental Demo] (2:40) *
10: Now Is The Time [Instrumental demo] (2:20) *
11: Miss van Gogh [Instrumental demo] (2:48) *
12: T6 [Instrumental Demo] (3:14) *
13: Play [Instrumental Demo] (2:28) [final version on B-side to High 12”]
14: A Foolish Arrangement [Instrumental Demo] (2:28) [final version on B-side to A Letter To Elise 12“]
15: Halo [Instrumental Demo] (3:06) [final version on B-side to Friday I’m In Love 7”]
16: Trust [Instrumental Demo] (4:02) [final version appears on WISH] 
17: Abetabw [Instrumental Demo] (2:26) *
18: T8 [Instrumental Demo] (2:17) *
19: Heart Attack [Instrumental Demo] (2:41) *
20: Swing Change [Instrumental Demo] (2:10) *
21: Frogfish [Instrumental Demo] (2:35) *

CD3: ’Lost Wishes’ / Studio Out-Takes / 12” Remixes / Live / Rare / Previously Unreleased:

*Unreleased track **Unreleased version

01: Uyea Sound [Dim-D Mix] (5:28 [from Lost Wishes MC 1993] 
02: Cloudberry [Dim-D Mix] (5:22) [from Lost Wishes MC 1993]
03: Off To Sleep… [Dim-D Mix] (3:47) [from Lost Wishes MC 1993]
04: The Three Sisters [Dim-D Mix] (4:12) [from Lost Wishes MC 1993]
05: A Wendy Band [Instrumental] (3:47) *
06: From The Edge Of The Deep Green Sea [Partscheckruf Mix] (7:36) **
07: Open [Fix Mix] (6:51) [B-side to High 12“]
08: High [Higher Mix] (7:15) [High 12”]
09: Doing The Unstuck [Extended 12” Mix] (5:54)
10: Friday I’m In Love [Strangelove Mix] (5:29 [Friday I’m In Love 12“]
11: A Letter To Elise [Blue Mix] (6:36) [A Letter To Elise 12”]
12: End [Paris Live 92] (8:38) **

WISH 2LP Remastered by Robert Smith and Miles Showell at Abbey Road Studios. 
Vinyl cut by Milles Showell at Abbey Road Studios:

A1: Open (6:51)
A2: High (3:37)
A3: Apart (6:38)

B1: From The Edge of The Green Sea (7:44)
B2: Wendy Time (5:13)
B3: Doing The Unstuck (4:24)

C1: Friday I’m In Love (3:38)
C2: Trust (5:32)
C3: A Letter To Elise (5:14)

D1: Cut (5:55)
D2: To Wish Impossible Things (4:43)
D3: End (6:45)

LOST WISHES
D2C Exclusive replica cassette EP 

SIDE A
01: Uyea Sound [Dim-D Mix] (5:28)
02: Cloudberry [Dim-D Mix] (5:22)

SIDE B
03: Off To Sleep… [Dim-D Mix] (3:47)
04: The Three Sisters [Dim-D Mix] (4:12)

WISH 1CD – Original Album Remastered by Robert Smith and Miles Showell at Abbey Road Studios:

01: Open (6:51)
02: High (3:37)
03: Apart (6:38)
04: From The Edge of The Green Sea (7:44)
05: Wendy Time (5:13)
06: Doing The Unstuck (4:24)
07: Friday I’m In Love (3:38)
08: Trust (5:32)
09: A Letter To Elise (5:14)
10: Cut (5:55)
11: To Wish Impossible Things (4:43)
12: End (6:45)





イギリス・オックスフォードのインディーロックバンド、Foalsが、今年初めにリリースされたニュー・アルバム『Life Is Yours』のタイトル曲のPVを公開しました。

 

Toby Lが監督したこのビデオは、Foalsがライブバンドと共に演奏している様子を映し出しており、このバンドのダイナミックな楽曲を十分楽しめる内容となっています。映像は下記よりご覧下さい。


 

 

©︎Cecily Eno


ブライアン・イーノは、世界的な気候変動の問題にインスパイアされたニューアルバム「FOREVERANDEVERNOMORE」のニュースを伝え、その発表に合わせて新曲 "There Were Bells" をリリースしました


"There Were Bells "はイーノのニュー・アルバムからの最初のアウトラインで、2021年8月にアンセンのアクロポリスで行われた彼と実弟のロジャー・イーノのパフォーマンスのためにブライアン・イーノが書き下ろしたものです。この新曲は、同コンサートからのビデオとともに公開されています。


 


『FOREVERANDEVERNOMORE』は、2005年の『Another Day On Earth』以来、イーノが大半の楽曲でボーカルを担当するアルバムとなる。


このアルバムと、気候変動問題からどのようにインスピレーションを受けたかについて、イーノは、「他のみんなと同じように-どうやら世界のほとんどの政府を除いて-、私は狭くて不安定な未来について考えてきたし、この音楽はその考えから発展したものだ」と語っています。「この音楽は、その思いから生まれたものだ。その思いを共有する私たちは、世界が超高速で変化し、その大部分が永遠に消え去ろうとしていることになんとなく気づいている...だから、このアルバム・タイトルになったんだ」


「これらは、決して、何を信じ、どう行動すべきかを伝えるためのプロパガンダの歌ではない」とブライアン・イーノは続けた。「その代わり、これは僕自身の気持ちの探求でもあるんだ。リスナーであるあなたにも、そうした経験や探求を共有してもらえるようにと願っているんだ」と続けた。


また、「私たちアーティストは、実は感情の商人であるという考えを受け入れるのに長い時間がかかりました。フィーリングはとても主観的なものです。科学は定量化や比較が難しいので、それを避けています。しかし、それでもなお"感情"は、思考の始まりであり、思考の長期的な従者でもあるのです。感覚は、体全体が反応するもので、しばしば意識的な脳が動き出す前に、そしてしばしば脳が意識している以上のものを包含する広いレンズで反応するのです」


「アートは、私たちがその感情に気づき、そこから学び、何が好きで何が嫌いかを学び、そこから行動可能な思考へと変化し始める場所です。子どもは遊びを通して学び、大人はアートを通して遊ぶ。アートは感情を持つためのスペースを与えてくれますが、そこには、オフスイッチがあります。アートは、楽しいことも辛いことも、感情を経験できる安全な場所です。その感情は、憧れのものであることもあれば、避けたいものであることもあるのです」


「生命の驚くべきありえなさに再び魅了されたり、すでに失ったものに後悔や恥ずかしさを感じたり、私たちが直面している挑戦やまだ可能かもしれないことに爽快感を感じたりするのなら。簡潔に言えば、私たちは再び恋に落ちる必要があるのです。つまり、今回で言えば、自然、文明、そして未来への希望と恋に落ちるというわけです」


Brian Enoのニューアルバム「FOREVERANDEVERNOMORE」は10月14日にUMCから発売されます。



Brian Eno   「FOREVERANDEVERNOMORE」





Tracklist:

  1. Who Gives a Thought
  2. We Let It In 
  3. Icarus or Blériot
  4. Garden of Stars
  5. Inclusion
  6. There Were Bells
  7. Sherry
  8. I’m Hardly Me
  9. These Small Noises
  10. Making Gardens Out of Silence

1957年9月15日、ジョン・コルトレーンは、ニュージャージー州ハッケンサックにあるルディ・ヴァン・ゲルダー氏のリビングルームのスタジオに入り、「ブルー・トレイン」を録音した。

 

この作品は、ジョン・コルトレーンがアルフレッド・ライオンと交わした握手契約の成果であり、伝説のサックス奏者がブルーノート・レコードのリーダーとして行った唯一のセッションとなった。

 

ブルージーなタイトル曲に象徴される歴史的傑作は、トランペットのリー・モーガン、トロンボーンのカーティス・フラー、ピアノのケニー・ドリュー、ベースのポール・チャンバース、ドラムのフィリー・ジョー・ジョーンズというダイナミックなセクステットが参加して5曲を収録した。『ブルー・トレイン』は、ジョン・コルトレーンを自然なる力の存在として確立し、史上最も尊敬され、影響力のあるジャズ・アーティストの一人になるための道筋を示したのである。

 

このオリジナルアルバムの録音から65周年を記念し、ブルーノートのTone Poet Audiophile Vinyl Reissue Seriesの一環として、「Blue Train」は2種類の特別版で9月16日にリリースされる。

 

オリジナル・アルバムの1LPモノラル盤は、豪華なゲートフォールド・チップオン・ジャケットに収められる。2LPステレオ盤、『Blue Train: The Complete Masters』には、7つの未発表テイクが収録される。そのうち、4つが未発表音源となる。また、コンプリート・マスターズ・バージョンには、フランシス・ウルフによる未公開のセッション写真、ジョン・コルトレーンの専門家であるアシュレイ・カーンによるエッセイが掲載されたブックレットが特典として付属している。

 

”Tone Poet Vinyl Edition”は、いずれもJoe Harleyがプロデュースし、Kevin Grayがオリジナルのアナログ・マスターテープからマスタリング、RTIで180gのビニールとしてプレスされる。『Blue Train: The Complete Masters』は、2枚組CDとデジタルコレクションとしてもリリースされる予定だ。


『ブルー・トレイン』のオリジナル・マスターテープ(モノラル、ステレオ、別テイク)を聴くことのスリルに匹敵するスタジオ体験は他では得ることが出来ない」とジョー・ハーレイは話している。「私はこの2つの新バージョンを、ジョン・コルトレーンのこの名演の決定版であると考えています」

 

『ブルー・トレイン』は、ジョン・コルトレーンのキャリアにおいてきわめて重要な瞬間に誕生した。1957年、ヘロイン中毒のため、マイルス・デイヴィス・クインテットを解雇され、ジョン・コルトレーンは精神的などん底にあった。しかし、その後、セロニアス・モンクとファイブ・スポット・カフェで夏の長期滞在をしたことを契機に、ヘロインをすっぱり断ち切ったコルトレーンは劇的な復活を遂げ、再び、情熱的で、神がかりの演奏をするようになったのである。

 

1957年の終わり、ジョン・コルトレーンは、マイルス・デイヴィスのカルテットに再雇用され、最初の代表作、本人も深く誇りに思うアルバムを制作した。この作品を自身のカタログの中で、コルトレーンはどのように位置づけているのか、それは、コルトレーンの専門家であるアシュレイ・カーンが自らのエッセイで次のように語っていることからもわかる。「ブルー・トレインは、常に、自己批判的で控えめなコルトレーンが最も高く評価する録音であった。1960年、マイルス・デイヴィスとの最後のツアー中、スウェーデンのDJがコルトレーンに、彼のカタログの中でどの作品が一番好きかという質問に対して、コルトレーンは即座に答えた。『ああ、自分はブルートレインが好きだよ。いいバンドが入ってるんだもの。いい録音だったな」と。



 



John Coltrane – Blue Train: The Complete Masters

 

 


Label:  Blue Note

Release:  2022年9月16日


Side A

Blue Train (Coltrane) – 10:43

Moment’s Notice (Coltrane) – 9:10

Side B

Locomotion (Coltrane) – 7:14

I’m Old Fashioned (Kern-Mercer) – 7:58

Lazy Bird (Coltrane) – 7:07

Side C

Blue Train false start * – 0:21

Blue Train alternate take 7 * – 7:09

Moment’s Notice alternate take 4 * – 7:19

Side D

Lazy Bird alternate take 1 – 9:22

Blue Train alternate take 8 – 10:27

Moment’s Notice alternate take 5A (incomplete) * – 5:08

Lazy Bird alternate take 2 – 7:29

*previously unreleased

 

 

John Coltrane, tenor saxophone

Lee Morgan, trumpet

Curtis Fuller, trombone

Kenny Drew, piano

Paul Chambers, bass

Philly Joe Jones, drums

 

 

Original Session Produced by ALFRED LION

Recorded on September 15, 1957, at Van Gelder Studios, Hackensack, New Jersey

Recording Engineer RUDY VAN GELDER

Cover Design by REID MILES

Photography FRANCIS WOLFF

LP Supervision by JOE HARLEY

LP Mastering by KEVIN GRAY, Cohearent Audio



 

EVE ALPERT


米国・フィラデルフィア出身のアート・ロックバンドPalmがニューアルバム『Nicks and Grazes』の制作を発表しました。Palmは、ドラマー、Hugo Stanley(ヒューゴ・スタンレー)、ベーシスト、Gerasimos Livitsanos(ゲラシモス・リヴィツァノス)、ギタリスト・ボーカル、Eve Alpert(イヴ・アルパート)とKasra Kurt(カスラ・カート)で構成されている。

 

2018年の前作アルバム『Rock Island』のフォローアップとなる『Nicks and Grazes』は、Saddle Creekから10月14日にリリースされる予定です。今回の発表では、ニュー・シングル「Feathers」がリリースされ、Daniel Brennanが監督したミュージックビデオも同時に公開されている。また、アルバムのカバーアートワークとトラックリストについては、下記で御確認下さい。


『Nicks and Grazes』は、Palmがプロデューサー、Matt Andereggと初めてタッグを組んだ作品となります。バンドのベーシスト、ゲラシモス・リヴィツァノスは、次のように説明しています。

 

「"Feathers "は何度かボツになった草稿ともいうべきアイディアの下書きがあったんだ。レコーディング当初は、ベースギターでのんびりしたラインを弾いてたんだけど、アレンジがうまくいかなかった。その後、ベース・シンセに変えて初めて、無調のギターとシンセ・パッドが意味をなすような強い芯が出来上がった。スタジオで最初にトラックした'Feathers'は、最後の最後で素晴らしいダンス・ソングに変化したんだ」


 

さらに、ドラマーのヒューゴ・スタンレーは次作アルバムについて以下のように説明している。

 

「このアルバムでは、私たちはゆっくりとレンガで家を建てていると思われるかもしれませんが、むしろ、最初の数年間は様々な種類の材料を集めて実験していたようなもので、その後はやや早く、急ピッチで家の骨格が出来上がっていった。すべてをまとめてくれたプロデューサーのマットの役割は大きく、過小評価することができません」


 

 




Palm 『Nicks and Grazes』

 


Label: Saddle Creek

Release:   2022年10月14日


 Tracklist:


1. Touch and Go

2. Feathers

3. Parable Lickers

4. Eager Copy

5. Brille

6. On the Sly

7. And Chairs

8. Away Kit

9. Suffer Dragon

10. Mirror Mirror

11. Glenn Beige

12. Tumbleboy

13. Nicks and Grazes


 

©Matt Welch

Militarie Gunがジョン・レノンの1971年の曲「Gimme Some Truth」のカバーで帰ってきた。2021年のEP『All Roads Lead to the Gun』と『All Roads Lead to the Gun II』、そしてDazyとのコラボレーション曲「Pressure Cooker」以来の新曲となります。以下、試聴してみてください。


「Gimme Some Truth」は、Militarie Gunのジョン・レノン演奏とGulchがPixiesをカバーしたスプリット7インチを含む、Image Comicの『What's The Furthest Place From Here Deluxe Issue 6』に収録されています。

 

ボーカルのIan Sheltonは、「この曲にはずっと思い入れがあったのですが、これまであまり意識したことがありませんでした。「このカバーを友人に送り始めたら、彼が歌っていることは僕がいつも話していることと同じだと指摘された。僕の人生の最大の不満は、政治家であれ同業者であれ、矛盾や偽善があることなんだ。口先だけで、行動が正反対な人を見るのは嫌だね」


 

今年9月に、米国の名インディー・ロックバンド、Ben Gibbard(ベン・ギバート)を要するDeath Cab For Cutieは、通算10枚目のスタジオ・アルバム『Asphalt Meadows』をリリースを予定しています。

 

彼らは数ヶ月前に最初の先行シングル "Roman Candles "でリリースを告知し、その後 "Here To Forever "という2つ目の楽曲をシングルとして発表しました。さらに、今週の初め、フロントマンのBen Gibbardとバンドメンバーは、二曲目のシングルを米国のトーク番組「The Late Show With Stephen Colbert」に持ち込み、「Here To Forever」ソリッドなパフォーマンスを披露している。彼らのファンタスティックなライブパフォーマンスは下記よりご覧ください!!

 


 

Credit: M.C. Schmidt


アメリカの電子音楽デュオ”Matmos”のメンバーとして知られるThe Soft Pink Truth(ドリュー・ダニエル)が新作LP『Is It Going to Get Any Deeper Than This?』の制作を発表しました。

 

この新作は10月21日にThrill Jockeyからリリースされる予定で、Jenn Wasner (Wye Oak, Flock of Dimes)がゲストボーカルとして参加しているリードシングル「Wanna Know」は本日リリースされた。アルバムのカバーアートワークとトラックリストと共に、以下でチェックしてみてください。


"数年前、友人がクラブでDJをしていた時、ある女性がDJブースに入ってきて、"これ以上深くなることはない?"と尋ねたんだ。「このフレーズは、僕らのマントラのようなものになったんだ。彼女が本当に望んでいたことは何だったのか?このアルバムは、彼女の質問に対する可能な音楽的反応を想像する試みとして制作されたんだ"。


 

また、ドリュー・ダニエルは、8月19日にニューミニアルバム『Was It Ever Real?』をリリースする。これは、ザ・ソフト・ピンク・トゥルースの2020年の『Shall We Go On Sinning So That Grace May Increase?"』に続く作品となる。




The Soft Pink Truth 『Is It Going to Get Any Deeper Than This?』


 

Label: Thrill Jocky

Release:2022年10月21日


 

 Tracklist:

 

1. Deeper

2. La Joie Devant la Mort

3. Wanna Know

4. Trocadero

5. Moodswing

6. Sunwash

7. Joybreath

8. Deeper Than This

9. Toot Sweet

10. Now That It’s All Over


https://thesoftpinktruth.bandcamp.com/album/is-it-going-to-get-any-deeper-than-this


Photo by Kiss Diawara, Rob Williamson, Donovan Smallwood and Riot Muse


テキサスのソウル/ファンクグループ、クルアンビン、そしてアフリカ・マリのギタリストヴィユー・アルカ・トゥーレが、ヴィユーの亡き父、Ali Farka Touréを称えるコラボレーションアルバム『Ali』を、9月23日にDead Oceansから発売する。このアルバム発売の告知と同時に、最初のリードシングルとして 「Savanne」を発表した。



プレスリリースによると、「ヴィユーは、亡き父・アリの人生を回想し、カタログからハイライトとB面を紹介し、このカルテットがアリ・ファルカトゥーレの音楽の自然な即興を維持し、彼ら自身の音楽を込めている」とあります。 


マリのギタリスト、ヴィユー・アルカ・トゥーレは、クルアンビンとののコラボレーションアルバムの制作について、「このアルバムは愛を伝えたいんだ。アリがこの世にもたらした愛について。私が彼に抱く愛、そしてクルアンビンが彼の音楽に抱く愛。古いものに愛情を注ぎ、それを再び新しくすることを目的としている」と説明しています。
 
 
さらに、クルアンビンは、「 私たちは、アリ・ファルカ・トゥーレの人生と作品群に最大の敬意を表してこのアルバムを作りました。このコラボレーションによって、より多くの人がアリの音楽的遺産を知るきっかけになることを願っています」と付け加えています。
 
 
 

 
 
 
 Vieux Farka Touré&Khruangbin 『Ali』


 
 
 
Label: Dead Oceans 
 
Release: 2022年9月23日

 
 Tracklist
 
1.Savanne
2.Lobbo
3.Diarabi
4.Tongo Barra
5.Tamella
6.Mahine Me
7.All Hala Abada
8.Alakarra






また、テキサスのファンクトリオ、クルアンビンは11月に来日公演が決定しています。詳細は下記の通り。
 
 
 
 
 
"FIRST CLASS TOUR"

KHRUANGBIN
 

・2022年11月16日(水)東京ZEPP HANEDA
・2022年11月17日(木)大阪NAMBA HATCH

問:SMASH(smash-jpn.com)
 
 
 
 

Khruangbin  Biography



『The Universe Smiles On You』(2015)、『Con Todo El Mundo』(2018)と60~70年代のタイ・ファンクに強く影響を受けた2枚のアルバムをリリースし、メロウでエキゾなソウル~ファンク・サウンドが瞬く間に評判を呼び2019年に行われた初来日は即完売。同年のフジロックにも出演、そのエキゾチックなライブ・パフォーマンスでここ日本でも絶大な人気を得ている。その後セカンド・アルバムのダブ盤、リオン・ブリッジズとのコラボEPを経て、最新作『モルデカイ』を発表した。
 
 
これまでの音楽性から更に西アフリカ、インド、パキスタン、韓国など古今東西、様々な土地の音楽的要素を吸収しながらもほぼ全編にボーカルという楽器を取り入れ大胆な深化を遂げた。クルアンビン=タイ語で”空飛ぶエンジン/飛行機”というその名の通り、時代と国境を飛び越える唯一無二の存在である。約3年ぶりの待望の来日公演が決定!!

Plains Credit: Molly Matalon

Waxahatchee(ワクサハッチー) の Katie Crutchfield(ケイティ・クラッチフィールド)とJess Williamson(ジェス・ウィリアムソン) による新たなプロジェクトPlainsは9月30日にファースト・アルバム『I Walked with You a Ways』をANTI-Recordからリリースすると発表しました。アルバム発表告知に併せて、Plainsは先行シングル「Problem With It」をリリースした。


「この新しいプロジェクトとアルバムを発表できて感激しています。何年も前に出会って以来、ジェスのソングライティングには縁を感じ、親近感を持っていました」とケイティ・クラッチフィールドは声明で述べています。

 

私たち二人が育った音楽の影響に寄り添いながら、私にとってとても現代的で新鮮に感じられるものを作ることができたのは素晴らしい経験で、ついにそれを共有することができてとても嬉しい。

 

「ケイティとこのレコードを作ることは、ソングライターとしての私にとって深く広がる経験だった」とジェス・ウィリアムソンは語り、こう続けた。

 

私は彼女の耳と感性を本当に信頼しているし、彼女は私が過去に尻込みしていた曲作りの側面を探求するよう促してくれました。ケイティのサポートは、このアルバムを書く上でとても重要でした。私たちは、自分たちを育ててくれた音楽に寄り添い、私たち二人が一緒に歌って育ったような、時代を超えたクラシックな曲を書く許可を得たのです。私にとっては、ザ・チックスやドリー・パートンがそうで、そのような影響を受けられる場所を持てたことは、本当に素晴らしいことでした。『Plains』で私が望んでいたのは、何か普遍的なものを取り入れることでした。私たちが作ったアルバムはとても気に入っていますし、ライブで演奏するのがとても楽しみです。

 

ワクサハッチーの最新アルバムは2020年の『Saint Cloud』、ウィリアムの最新作『Sorceress』も同年に発売されている。「Problem With It」の試聴とPlainsのアルバムについては下記にて。

 




Plains 『I Walked with You a Ways』

 


Label: ANTI- Records

Release: 2022年10月14日


Tracklist:


1.Summer Sun
2.Problem With It
3.Line of Sight
4.Abilene
5.Hurricane
6.Bellafatima
7.Last 2 On Earth
8.Easy – 2:35
9.No Record of Wrongs
10.I Walked With You A Ways

 

Official-Order:


 

Seanne Bryan


ロサンゼルスを拠点に活動するアーティスト、A.O.ガーバーが2ndアルバム『Meet Me At the Gloaming』の詳細について明らかにしました。2020年の『Another Place To Need』に続く本作は、Father/Daughter Records(US)とHand In Hive(UK)から10月14日にリリースされる。本日ガーバーは、新曲「Hunger」をヴィヴィアン・ウォルフソン監督によるミュージック・ビデオと同時に公開した。また、アルバムのカバーアートとトラックリストは以下の通りです。


この曲は、LAで起きた大火災の最中に制作したものです」と、ガーバーはプレスリリースで語っている。

 

「欲望と否定という相反する力について、個人として、文化として、消費と制限の両方のさまざまな方法について、ずっと考えていたんだ。私は人生の多くの時間を、この両極の間で揺れ動きながら、肉体的にも精神的にも自分を小さくしてきました。自分の中にあるその衝動を批判する能力がいつもあるわけではなかったけど、ここでそれをするのはいい気分だったよ。


この曲は歌詞が重たいので、ビデオは自分自身を少しからかうようなものにしたいとわかっていました。ヴィヴィアン(監督、撮影後1ヶ月足らずで高校を卒業)には、「ケーキを顔に押し付けられるシーンが欲しい」とだけ伝えたんだ。そこから、彼女はこのとんでもなく素晴らしいセットデザインとコンセプトを思いついたのです。スタッフ全員が心を込めて作りました。撮影現場であんなに笑ったのは初めてだった。






A.O Gerber 『Meet Me At the Gloaming』

 







Tracklist:

1. Disciple Song
2. Walk In The Dark
3. Looking For The Right Things
4. You Got It Right
5. Mount Washington Phone Company
6. Hunger
7. For
8. Just As A Child
9. Noon Of Love
10. PFS
11. What Are You Reading?
12. Only Myster

 



カナダ、カルガリーのポスト・パンクバンド、Preoccupationsは、夏の終わりにニューアルバム「Arrangements」をリリースを控えています。

 

バンドリーダーのMatthew Flegel(マシュー・フリーゲル)は、この新作アルバム『Arrangements』について「基本的に世界が爆発して、誰もそのことを気にしなくなること」をテーマに置いていると語っている。Preoccupationsは、シングル 「Ricochet」を公開していますが、今回「Death Of Melody」という新作を発表しました。この曲は、ダウンビートで、タイトルが示すように、それほどメロディアスなものではありません。


Matthew Flegelはプレスリリースを通じて「Death Of Melody」について次のように説明している。

この作品は、ある曲が頭の中にこびりついていて、それが何であるかが分からず、それが何であるかを理解しようとするあまり、自分自身を追い詰めてしまうというもの。それは、知ることと忘れること、永久的なものと一時的なものとの間の中間に存在することについてでもある。

 

 

 

 

 

Preoccuptions 『Arrangements』

 

 


 

Label: Flemish Eye Records


Release: 2022年9月9日


Tracklist:


1. Fix Bayonets!

2. Ricochet

3. Death Of Melody

4. Slowly

5. Advisor

6. Recalibrate

7. Tearing Up The Grass

 

 

 

©︎Thustan Redding

ロンドン在住の日本人シンガーソングライター、リナ・サワヤマは、9月16日に2ndアルバム『Hold The Girl』をリリースします。すでに "This Hell "と続く "Catch Me In The Air "など、いくつかの先行シングルを既に発表しています。そして、ようやく本日、次作アルバムのタイトル曲「Hold The Girl」が発表されました。


BBC Radio 1のClara Amfoと "Hold The Girl "について話し合った際、リナ・サワヤマは、「2020年末にレコードのために書いた最初の曲で、セラピーに行って天啓を受けたから、この曲を書こうと思った...それがスタートだったんだ。スタジオに入る前に泣きながら書いていました」と説明しています。



The Ratel 「Scan」

Label: Fresh Lettuce

Release :2022年6月29日

 

 

Review

 

The Ratelは、池田若菜、内藤彩を中心に2018年に結成された。現在、東京都内を中心に活動するオルタナティヴ・ロックバンド。近日、東京、秋葉原グッドマンにて灰野敬二とのツーマンライブを控えています。

 

『The Scan」は、このバンドの記念すべきデビューアルバムであり、浅草のツバメスタジオでレコーディングが行われている。コアなサイケデリックロックマニアは、このツバメスタジオで幾何学模様の現時点でのラストアルバムのレコーディングも行われていることをご存知ではないでしょうか。




 

このアルバムは、奇妙な静寂性とアバンギャルド性が見事な融合を果たした作品です。ボーカルは、常に冷静でありながら、バンドサウンドとの緊密な距離感を持ち、そのサウンドの中に巧みに溶け込んでいくような調和性を持っています。Codeineのような暗鬱かつミドルテンポのスロウコアを基調とし、フルート、ファゴットを始めとするオーケストラの木管楽器、ダブ、アンビエント的なエフェクトが取り入れられているのが独特で、アフロファンクのようなコアな雰囲気さえ滲んでいる。そして、ポストロックのように、テクニカルでありながら、内省的な展開を見せつつ、時折、そこに対極的な激しいディストーションサウンドが折り重なることにより、曲の進行やグルーヴに強いうねりをもたらしている。



 

全体的には、フルート、ファゴットといった管楽器を取り入れたポストロック/アバンギャルドロックという印象で、表向きにはつかみやすいものの、変拍子と無調を交えたかなり高度な演奏力を擁しているバンドです。例えば、ボーカルの旋律進行をあえて王道からずらし、サイケデリックに近い雰囲気を醸し出していたり、また、突如として、スティールパンが導入されたり、さらにはトロピカルサウンドにも挑戦していたりと、めいめいのメンバーの音楽に対する情熱と深い理解、そして多彩なバックグラウンドを感じさせる玄人好みのサウンドです。特に、一般的には相容れないと思われる、強烈なディストーションギターと木管楽器のブレスの組み合わせというのはかなり前衛的で、そこにダブ風のディレイエフェクト処理さえ組み込んでいるのはほぼ圧巻というよりほかなし。聴けば聴くほど、果てない迷宮に入り込んでいくかのようで、相当奥深い世界観を持つアルバムです。



 

もちろん、マニアックなサウンドだけでなく、ふしぎな親しみやすさがあるのがこのバンドの魅力。そのあたりは坂本慎太郎、ニューヨークのSteve Gunnに比する雰囲気を持っている。おそらく、このデビューアルバム「Scan」の中では#7の「淡くない」が、最も聞きやすい部類に入る一曲になるでしょうか。スロウコア、サイケデリック、ロック、ジャズ、ファンク、ソウルを変幻自在にクロスオーバーし、これまでにありそうでなかったアンニュイで摩訶不思議なサウンドをThe Ratelは生み出しています。

 

そして、歌詞の世界もまた演奏と同じように抽象的でシュールな雰囲気が醸し出されていて、それが直接的な表現よりもはるかに濃密なエモーションを感じさせる。多分、もっと踏み込めば、よりマニアックなバンドアプローチを図れる実力があるのではないかと思われますが、そのあたり、ギリギリのところでバンドアンサンブルのバランスを保っているのが見事。調性が崩れる一歩手前のところで、旋律や和音を絶妙に保ちながら、アバンギャルドとメインストリームの境界の限界を彷徨う特異なサウンド。何度も繰り返し聴きたくなるようなミステリアスな魅力を持ったアルバムです。


 

 90/100