©︎Steve Marucci
 

Jobberは、近日発売予定のEP「Hell in a Cell」から新曲「Heel Turn」を公開しました。先に公開されたシングル「Entrance Theme」、タイトル曲のフォローアップとなる。PVは下記よりご覧ください。


バンドのフロントパーソン、Kate Meizner(ケイト・マインツナー)はPaste Magazineの取材に対し、次のように説明している。


プロレスでは、ヒールターンとは、プロレスの試合の主人公が悪の衝動に屈して、ヒール、つまり悪役に変身することです。


「ヒール・ターン」は、レスラーが暗黒時代に、旧友をスチール・チェアで殴ったり、レフェリーが背を向けたときに相手の目に砂をかけたりといった凶悪な行為をするときの入場曲である。この曲は、EPに収録されている甘くファジーなポップソングとは対照的で、Failureの "Magnified "や "Fantastic Planet "の不協和音でスペイシーなリードに大きな影響を受けています。


歌詞を書くにあたっては、自分がヒール的な行動をとっていると感じるような厳しい対人関係の中で、アプローチしていきました。罪悪感にさいなまれながらも、たとえ大切な人を傷つけることになっても、自分にとってベストなことをしたんだと合理的に考えられるような状況ではなかったんだ。この歌詞は、カタルシスをもたらす告白であり、謝罪であり、自分を許すための練習でもある。


プロレスで最も悪名高いヒールが贖罪の弧を描くことができるのなら、私たちの多くもそうすることができるはずだ。


Jobberの新作「Hell in a Cel」EPは、Exploding in Soundより10月21日に発売されます。



 

©︎Matt Peers


来週、UKのプロデューサー、BibioことStephan Wilkinsonの通算10枚目となるニューアルバム『BIB10』が10月21日にWarp Recordsから発売されます。

 

昨日、Stephan Wilkinsonは、アルバムの先行シングル、プリンスへのオマージュを込めた「Potion」を発表している。シングルの発表に合わせてリリックビデオも公開されてます。下記より御覧下さい。


Bibioは、9月8日に最初の先行シングル「Off Goes The Light」をリリース済みです。Bibloの最新作スタジオ・アルバムは2020年の「Hand Cranked」となる。




UKの謎めいたバンドSAULTが、先週予告していた新作EP『ANGEL』を10/10にリリースしました。(全プラットフォームのストリーミングはこちらから)

 

Saultは、 (しばしば”SAULT”と表記される)は、リズム&ブルース、ハウス、ディスコをミックスした音楽を作るイギリスの音楽集団です。Little Simz、Michael Kiwanuka、Cleo Sol、Jungle、Adeleとの仕事で知られるプロデューサー、Infloが指揮をとっている。批評家からは絶賛されていますが、Saultはメディアとの交流を避け、無名の共同制作者を多数起用しています。

 

ストリーミングサービスでは10分10秒のシングル・トラックとして公開されているが、これは10月10日のリリースに合わせているようです。このシングルの内訳は、3曲とスポークンワードのインタールードとなっている。プロデュースはInfloが担当し、Jack PeñateとChronixxがゲスト参加しています。


SAULTは、4月に最新アルバム『AIR』をリリース済みです。


 


 NOFXのベーシスト兼リードヴォーカルのFat Mikeは月曜日、世界初の総合的なパンクロックミュージアムをラスベガスに開設すると発表した。


12,000平方フィートに展開されるギャラリーは、2023年1月13日にオープンするとSPINが報じている。

 

所蔵コレクションにはすでに、Devoのエナジードームヘルメット、Debbie Harry(デボラ・ハリー)のVulturesシャツ、Sum 41の”Does This Look Infected?”ツアーで使用された鮮やかな緑のチェーンソー、FEARのサックス、Rise Againstが最初の曲を書くのに使用したアコースティックギター、その他にも様々な展示が行われるという。




ファット・マイクは、このミュージアムを包括性の拠り所として捉えているようだ。"インドネシアから来た人たちに、自分たちのバンドのチラシが壁に貼ってあるのを見てもらいたいんだ。とマイクは言う。「彼らがどれだけ誇りに感じるかわかるだろう? 世界中のパンクバンドの誰にでも、そういう機会を持ってもらいたいんだ」


その "シンプル "なポリシーが、複雑な議論につながるかもしれない。パンク・ロック・ミュージアムは、Sab GreyがIron Crossで着ていたレザージャケットも所蔵している。このバンドは、「ナチスが嫌いだ」と主張しているにもかかわらず、ナチスの意味合いを持つ賞から名前を取っており、そのためスキンヘッドのファンが多くなっている。ヘイトグループと密接な関係を持つパンクバンドは他にもあり、パンクロック博物館は、彼らの遺品をどう展示するかで頭を悩ませることになるだろう。




ファット・マイクがミュージアム開設にラスベガスを選んだことは、火に油を注ぐことになるかもしれない。2018年、彼とギタリストのエリック・メルヴィンは、50人以上の死者を出した2017年のラスベガス銃乱射事件に関して、下品なジョークを飛ばしたのだ。その後、NOFXは、彼らが創設したフェスティバル「Punk in Drublic」でファンからブーイングを受けている。


ファット・マイクは、10人の "パンクロック集団 "の力を借りて、「パンク・ロックの教会」を作りたいと語っている。これには、Tony Hawk、Foo FightersのPat Smear、Bad ReligionのBrett Gurewitz、Vans Warped Tourの創設者Kevin Lymanといった出資者が含まれている。




レコード会社、Fueled by RamenとPaper + Plastickの創設者であり、Less Than Jakeの元ドラマーでもあるVinnie Fiorello(ヴィニー・フィオレロ)は、「これはパンクロックへのラブレターです」と述べています。「この音楽に対する様々な人々の共通の情熱を示したいと思っています」


NOFXは2023年に解散することを暗に発表しており、ミュージアムのキュレーションはファット・マイクのキャリアの次のステージを示すものになるかもしれない。9月には、最後のアルバムとなるかもしれない「Double Album」を発表した。バンドは10月14日にニュージャージーで開催されるPunk in Drublicに出演する。このミュージアムの詳細につきましてはこちらから御覧下さい。




 


韓国のドリーム・ポップ・カルテット、Say Sue Meがバンド結成10周年を記念してカバーEPをDamnablyから10月10日にリリースしました。
 
 
Yo La Tengo、Pavement、Daniel Johnston、Silver Jews、Grandaddy、Guided By Voicesの楽曲のカバーと、彼らの楽曲の再レコーディングバージョン2曲を収録しています。EPの試聴とバンドの今後のツアー日程は以下の通りです。
 
 
また、ワールドツアーの中で、Say Sue Meは、12月8日、9日に大阪、東京での来日公演を行います。
 
 
Say Sue Meの最新アルバム『The Last Thing Left』はDamnablyから今年初めにリリース済みです。 Music Tribuneのレビューはこちらからお読み下さい。
 
 
 
 
 
 
 
 
「10」

Tracklist:
 

1. Season of The Shark (Yo La Tengo)

2. Bad Habit (Say Sue Me)

3. Elevate Me Later (Pavement)

4. True Love Will Find You in The End (Daniel Johnston)

5. Old Town (Say Sue Me)

6. Honk If You’re Lonely (Silver Jews)

7. A.M. 180 (Grandaddy)

8. Smothered in Hugs (Guided By Voices)
 
 

Say Sue Me 2022 Tour Dates:
 

Oct 20 - Singapore, SG - Mosaic Arts & Culture Festiva
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Oct 21 - Bangkok, TH - POW Fest

Oct 29 - Chicago, IL - Empty Bottle

Nov 01 - Brooklyn, NY - TV Eye

Nov 03 - Vienna, VA - Jammin’ Java

Nov 05 - Atlanta, GA - The Earl
Nov 07 - Dallas, TX - Dada Club

Nov 08 - Austin, TX - The Parish

Nov 10 - Denver, CO - Hi-Dive

Nov 11 - Ft. Collins, CO - The Coast

Nov 13 - Los Angeles, CA - The Roxy Theatre

Nov 14 - Santa Ana, CA - Constellation Room

Nov 16 - San Francisco, CA - The Independent

Nov 18 - Portland, OR - Holocene

Nov 20 - Vancouver, BC - The Fortune Sound Club

Dec 08 - Osaka, JP - Live House ANIMA

Dec 09 - Tokyo, JP - Club Quattro

Yeves Tumor




・Hyper Pop/Experimental Pop主導のミュージックシーンの未来はどうなる??

 


ハイパーポップ/エクスペリメンタルポップは、近年、特に注目を浴びるようになった音楽ジャンルの一です。サブスクリプションサービスの台頭もあってか、最近はアーティスト自体も以前に比べて、大量の音楽を聴き、そのバックグラウンドも幅広くなっています。今や、一国の音楽文化はその国だけのものにとどまらず、ワールドワイドなものとなっている。米国のアーティストたちは英国の音楽に強い影響を受け、英国のアーティストたちが米国の音楽に強い影響を受ける。そのようなことはごく当たり前の風潮となっている。それはインターネットという情報網を通して、どのような地域の音楽も、さらにどの時代の音楽にもたやすくアクセス出来るようになったからこそなのでしょう。

 

この音楽自体の多様化と情報量の著しいまでの増大は、当初、アンダーグラウンドシーンのアーティストに強い触発を与えていたが、今日では最早、オーバーグラウンド、メインストリームのポップスを基調とするアーティストにも全然無関係ではなくなりつつある。彼ら(彼女ら)は、純粋な王道のポピュラー音楽だけをそのまま提示することに飽き始めているのかもしれません。それは、言い換えれば、すでに単純なポップスでは、リスナーを市場に取り込むことが困難になってきたからなのです。今日のポピュラーアーティストたちは、本来相容れないジャンルまでをも取り込み、これまでになかった前衛的なポップスを生み出す時代の要請に答える必要があったのです。

 

そういった時代/聴衆の要請に応えて出現した音楽制作の新たなスタイルが、アーティスト自身でソングライティングからプロデュースまでを一人で完遂する”Bedroom Pop”だったのです。彼らは、それ以前まで膨大な制作費用を必要としていたような音楽を、その費用の十分の一、いや、それ以上に低い割合で、以前のヒット・ソングと同じクオリティーの作品をベッドルームで作り上げるようになりました。この最初のウェイヴを巻き起こしたひとりが、イギリスのエド・シーランだった。作品の最終的な段階ではこの限りではないが、彼はそれまでプロデューサーが行っていたようなことを、自分のアイディアで欠点を賄おうと試みたアーティストの一人に挙げられます。

 

そして、このベッドルームポップと並んで、ここ数年で台頭してきた音楽が、ハイパーポップ/エクスペリメンタルポップです。

 

では、これらのポップスは一体以前のポップスと何が異なるのでしょう。これは一見、判別が難しいかもしれないが、長年、米国の音楽メディア、Pitchforkの編集長を十数年にわたり務め、ウォール・ストリート・ジャーナルでも評論を行ってきたMark Richardson(マーク・リチャードソン)氏は、この”Hyper Pop”という新ジャンルについて、「キャッチーな曲と記憶に残るフックを取り入れたコミカルなノイズの壁」というように表現しています。つまり、リチャードソン氏の言葉を引き継ぐと、ポピュラー音楽の根本的な要素のひとつである楽曲自体の掴みやすさ/わかりやすさに加えて、本来アンダーグラウンドの領域に位置するノイズ・ミュージックの要素があることや、コミカルな雰囲気を要する音楽というように定義づけることが可能となる。それに加えて、ハイパーポップやエクスペリメンタルポップは他のジャンルとのクロスオーバー、IDMを始め、ハウス、ロック、メタル、オルタナティヴロック、現代音楽というように、これまでポピュラー音楽とは相容れなかったジャンルまでを無節操に内包するようになってきています。このことは、アイスランドのビョークの最新作「Fossora」にも顕著に見られる特徴です。

 

このアルバムでは、エレクトロ・ポップの要素に加えて、映画音楽、現代音楽、メタル、民族音楽、ノルウェーのミュージック・シーンの中心のジャズ/フォークトロニカ、そして、アイスランドの電子音楽をすべての飲み尽くそうとこのアーティストが試みたアルバムである。つまり、これらの音楽は、ヘヴィ・メタルから、ダンス・ミュージック、旧来のエレクトロ・ポップまで何から何まで”モンスターのごとく”取り入れてしまおうというわけなのです。

 

これらのミュージックシーンの台頭はもちろん、ソーシャルメディアの主流化や、それまでサブカルチャーという、メインストリームの下層にあるいかがわしいところのある文化とみなされてきた概念が若者たちの文化にごく自然に根差していったことによって、日頃普通に鑑賞しているドラマやアニメーションからの影響や、それ以外にも、SNSのスラングをごく自然に音楽として昇華したことで生み出された音楽と言える。これらのポピュラー音楽は、InstagramやTiktok、TwitterといったSNSで起きることと何ら無関係とは言いがたいです。それが理由なのか、これらの音楽は、どことなくSF的であるとともにメタ的な構造を持ち、そして、仮想空間に氾濫している音楽をポピュラー・ミュージックとして体現したような印象を聞き手に与えることでしょう。


音楽的な観点からのハイパーポップ、エクスペリメンタルの定義は以上のようなものであるが、一人のアーティストとしてのコマーシャリズムにもこれらのシーンに属するミュージシャンたちには変化が生じているとも付け加えておかねばなりません。つまり、アーティスト写真や、アーティストの佇まいの変化について。一例では、FKA Twigs,Willow,Rina Sawayama,Bjorkに至るまで、近年のアルバム・ジャケット、及び、アーティストの宣伝写真に著しい変化が見られることに、すでに多くの読者諸賢はお気づきになられていることでしょう。

 

アートワークに映し出されるアーティストの姿は人間離れしており、SFに登場するキャラクター化している場合もあれば、映画「アバター」に登場するような仮想的なモンスターの場合もある。これらはこのアートワーク/アーティストという音源に付随する一種の芸術作品に接した鑑賞者にいくらかセンセーショナルな印象を与え、そのアーティスト写真やアートワークを見た瞬間に一発で、そのことを記憶に残させるという効果がある。今や、これらの宣伝方法を見るに、アーティストは時に人間から離れ、SF化され、人間ではない他のなにかになぞらえられたり、変身したりするような時代になっています。それは全時代から続いていたミュージシャンのスター・システムがより先鋭化した表現性がこれらの文化、音楽が見いだされるとも換言出来るわけです。


これら、以下に掲載するハイパーポップ/エクスペリメンタルポップのアーティストの入門編は、新世代の音楽の門扉を率先して開いてみせた、画期的かつ前衛的なアルバムばかりです。


しかし、これらの最新の音楽に最大の賛美を送るとともに、警鐘を鳴らしておく必要もありそうです。これらの音楽が未来によりスタンダードとなり、それらが消費される意味しか持たぬ音楽に堕するとするならば、決してこれらの音楽は、必ずしも人間にとっての良薬となりえない可能性もある。オートチューン、オートメーション、過度なノイズ加工や過剰なコンプレッション、それらは音楽をロボットにすることであり、また、音楽をAI化することでもある。このハイパーポップ/エクスペリメンタルポップは、2022年代の象徴的な音楽であることに変わりはありませんが、音楽をオートメーション化しないということを念頭におかないで、先鋭化しつづけるならば、必ずや、どこかの年代において飽和状態を迎える時期が到来すると思われます。


とにかく、2022年の今、どのような音楽が次に到来するのか全く予測することができません。未だ知られていないだけで現在も私たちがしらないどこかで、すでに新たな音楽が誕生しようとしているのかも知れませんね。

 



・Hyper Pop/Experimental pop ー入門編ー

 

今回、読者の皆様にご紹介するのは、「ベスト10」を始めとするような網羅的なセレクションではなく、そのごく一部であり、単なる入門編に過ぎません。他にも素晴らしいアーティストは数多く活躍していますので、ぜひ、以下のリストを参考にしていただき、皆さんそれぞれのオンリーワンと呼べるような作品を探してみてください。

 

 

 

 Yeves Tumor 「Heaven To A Futured Mind」 

 


Yves Tumorが2020年にリリースした「Heaven To A Futured Mind」 は、ポピュラー・ミュージックの定義そのものを覆してしまったセンセーショナルなアルバムです。

 

今作において、Yves Tumorは、IDM、ヒップホップ、ソウルなどのクロスオーバーミュージックを企図している。

 

オープニングトラック「A Gospel For A New Country」で、Yves Tumorは新世代のポピュラー・ミュージックの到来を告げており、ブレイクビーツを多様し、唯一無二の世界観を確立しています。このアーティストは、 インタビューを一切受け付けていないらしく、いまだ多くの謎に包まれている。

 


 


Charli XCX 「Crash」


Hyper Popというジャンルを知るためにこれ以上はないというくらい最適なのが、UKの大人気シンガーソングライター、チャーリー・XCXの2022年の最新作「Crash」でしょう。

 

ノイズ性の強いポップ、コミカルな雰囲気、ボーカルに施されたオートチューン等、ハイパーポップのジャンルを構成する基本的な要素を今作に見出すことが出来る。内郭にある音楽としてはチルアウトの要素が強く、ゆったりとした感じを楽しむことが出来るアルバムです。ソーシャルメディア文化の気風を体現した作品で、スマッシュヒットを記録したのも頷ける話ですね。






Rina Sawayama   「Hold The Girl」

 

 

UKの主要な音楽メディアを騒然とさせたリナ・サワヤマの最新作「Hold The Girl」。主な英国内のメディアが殆ど満点評価を与えたにとどまらず、日本人としてUKチャートの歴代最高位を記録するなど、素晴らしい功績をサワヤマはこのアルバムで残しています。

 

制作時、サワヤマは、エルトン・ジョンから幾つか有益なアドバイスを貰ったとのことで、相当、プロダクションからも相当苦心の跡が窺え、真摯に聞き入ってしまうアルバムです。ハイパーポップの要素に加え、ヘヴィ・メタルなど幅広いジャンルが含まれている。タイトルトラック、及び「This Hell」を始め、ポップ・バンガーが勢揃いしており、国内の気鋭メディアが総じて絶賛しているのも納得の内容。ポピュラー・ミュージックとしても名盤にあげておきたい作品。

 

 



 

 

Willow  「Ardipithecus」

 


アメリカ出身のシンガーソングライター、ウィローもまたジャンルにとらわれない幅広い音楽性を生み出しています。ウィローは、10月7日に新作アルバム「COPINGMECHANISM」を発表したばかりです。

 

最初期は、R&B色の強い音楽を制作していたウィローですが、2021年の「lately I Feel Everything」では、ロックミュージックにも挑戦している。ハイパーポップの音楽性の雰囲気が感じられる作品としては、2015年のアルバム「Ardipithecus」を挙げておきたい。この作品で、ウィローは時代に先んじて、ハイパーポップ、モダンソウル、IDMの融合に挑戦しています。他にも、ハープやシロフォンといったオーケストラ楽器を取り入れたアヴァンギャルドな作風。 


 


 

Sophie 「Oil of Every Pearl's Un-Insides」

 


今回、これらのハイパーポップの入門編として幾つか作品を挙げる中で、最も音楽的に異彩を放っているのがギリシャ・アテネを拠点にするSopieというシンガーソングライターです。

 

他のアーティストがIDMなど、メインストリームのダンスミュージック/エレクトロニカを取り入れているのに対して、 このアーティストは、アンビエントやドローンとアンダーグラウンドに属する音楽を本来、メインストリームにあるポピュラー・ミュージックとして昇華しようと試みています。

 

ここに取り上げる2018年に発表された「Oil of Every Pearl's Un Insides」は、アヴァンギャルドな領域に属する音楽であり、ポップス=シンプルな音楽という旧来の文脈を書き換えようとした画期的な作品にあげられます。アンビエントドローンとボーカルトラックの融合は幻想的な雰囲気すら感じられる。

 

 


 

 

Bjork  「Fossora」

 


 

ビョークの「Fossora」は、エクスペリメンタルポップとハイパーポップの中間点に位置するような作品です。今年のポピュラー・ミュージック作品の中では最も洗練された作品と言えるでしょう。

 

キノコを主題に置いたという「Fossora」は、モダンクラシカル/北欧フォークトロニカと旧来のポピュラー音楽との融合を試みた作品として位置づけられるかもしれません。オーケストラのストリングスの重厚感のある重奏、スティーヴ・ライヒのミニマリズムに象徴される木管楽器を、どのように既存/現在のポップスの枠組みの中に組み込むかを模索したようにも見受けられる。もちろん、その他にもメタル、ノイズなど、幅広い要素がこの作品の中に見出すことが出来る。

 

アルバムの評価自体は差し置いて、質の高いアヴァンギャルドポップであることに変わりはありませんが、その真価がよりはっきりと発揮される瞬間があるとするなら、ライブパフォーマンスにおける舞台芸術とのこの「Fossora」の収録曲の劇的な融合性にあるかもしれません。これらの楽曲はステージ演出において実際の演奏とどのように同期されるのかに注目していきたいところです。もちろん、ビョークの息子がヴォーカルに参加したというクローズド・トラック「Her Mothers's Voice」など、アート性の高い最新鋭のアヴァン・ポップスに挙げられるでしょう。



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HYPER POP TRENDS : ハイパーポップの注目のアーティストをピックアップ!!!!


ブライトンのシンガーソングライター、Nancyは、10月28日にBlame Recordingsからリリースされるデビュー・アルバム「English Leather」に先駆けて、アルバムのタイトル・トラックを公開しました。


「会場の満員の観客に対して目を伏せ、ショーが始まろうとしている」とナンシーは語る。「”English Leather "はマニフェストであり、指紋であり、第一幕となる。原始的で恐ろしいサウンドにしたかった。”The Idiot meets The Sweet”をプリントしたビニールを日なたにそのまま放置して反り返らせたようなもの」

 

 

Masie Peters


エド・シーランの主宰するレーベルと契約を交わしたことで話題を呼んだMaisie Petersは、8月のシングル「Good Enough」に続く最新シングル「Not Another Rockstar」を公開しています。Ines Dunn (Mimi Webb, Griff)とプロデューサーのJoe Rubelと共に書き上げたシングルです。


「”Not Another Rockstar "は、私の男性に対する議論の余地のある実績について書いたの」とピータースは言う。

 

「この曲は、私と私の決断、そして、彼らと彼らのギターを揶揄することを目的としている。私の親友であるイネスと一緒に書いたのは正しいと思う。この曲を聴いて、真のロックスターは実は私だった、ということに気づいてもらえたらと思います。明らかにね。もはや私達はロックスターのガールフレンドじゃなくて、最近のロックスターはみんな私たちなのよ、女の子たち・・・」


ニューシングル「Not Another Rockstar」は9月7日に発売されている。ピータースのデビュー・アルバム『You Signed Up For This』は2021年8月にリリース済みである。

 

 

 Credit: Karolina Pajak, FSF



2018年のセカンドアルバム「Plunge」のリリースから約4年、Karin DreijerことFever Rayが先週、10月5日にPiasから発表された新曲「What They Call Us」で長い沈黙を破っている。

 

スウェーデンの先鋭的なエレクトロニック・デュオ、ザ・ナイフの一人でもあるカリン・ドレイヤーは、「Plunge」でエレクトロ・ポップの未来を切り開いてみせた先鋭的なアーティストである。


元The KnifeのOlof Dreijerと共同プロデュースしたこのニューシングル「What They Call Us」のミュージックビデオは、長年のコラボレーターであるMartin Falckが脚本と監督を担当している。


Willow on Saturday Night Live


一昨日の夜、米国のNBCのテレビ番組「サタデー・ナイト・ライブ」に音楽ゲストとして出演したウィローは、同番組でソロデビューを果たしました。

 

先週金曜日に発売されたニューアルバム「<COPINGMECHANISM>」から2曲をウィローは披露しています。その模様は以下でご覧ください。


昨年、Willow SmithはサプライズゲストとしてSNLに出演し、Camila Cabelloと共に「Psychofreak」を披露している。

 

カミラと一緒にいると、本当に本当に良い友達なんだけど、ステージの向こう側を見て、『女の子、私たちは一緒にやっているんだ』というような安心感があるのよ。私たちはこれをやっているんだ』ってね」スミスは、今週初め、Apple Music 1のZane Loweにこう語っている。「私はステージで一人で魂をさらけ出しているわけではありません。でも、これからは私がステージで一人で魂をさらけ出すことになるんだから、本当に感謝しているし、とても興奮している。  

 

 

 

 

 

Carly Rae Jepsen&Rufus Wainwright


 Carly Rae JepsenがRufus Wainwrightとタッグを組んだ最新シングル「The Loneliest Time」を先週に公開しました。10月21日発売予定のアルバムからのタイトルトラックとなります。

 

ェプセンは、2019年の『Dedicated』と『Side B』に続く新作アルバムで、ロスタム・バトマングリイ(シングル「Western Wind」を制作)、タヴィッシュ・クロー、ブリオン、キャプテン・カッツ、ジョン・ヒル、カイル・シェアラー、アレックス・ホープとコラボレーションしている。

 

「私は孤独にかなり魅了されています。裏返して見ると本当に美しくなることもある」とジェプセンはレコードを発表したSNSの投稿に書いている。「愛と同じように、それは人間の極端な反応を引き起こすことができる」と。

 

最新シングル「The Loneliest Time」は、先行シングル、「Talking to Yourself」、「Beach House」、「Western Wind」に続き、カイル・シアラーがプロデュース、ジェプセン、シアラー、ネイト・シファートと共同作曲した楽曲です。以下より、チェックしてみてください。


METZ


カナダ・トロントのパンクロックバンド、METZは、 2012年10月9日にリリースされたセルフタイトル・デビューアルバムの発売から10周年を記念して、デラックス・エクスパンデッド・バージョン『METZ (Deluxe Edition)』を10月6日にSub Pop Recordsからリリースしました。

 

『METZ (Deluxe Edition)』には、3曲のボーナストラックが追加収録されている。"Wet Blanket", "Wasted", "Get Off "は、バンドが、BBC Radio 1のMaida Vale Studiosで行ったライブセッションの録音となる。これは、Huw Stephensの番組で2013年にオンエアされたものです。


さらに、METZは、この記念すべき十周年のリリースに合わせて、メタリック箔にプリントされた24×36インチの10周年記念ポスター(ジェフ・クラインスミスのデザイン、リック・フロバーグの新しいイラストを使用、125枚限定)など、限定版のマーチャンダイズやバンドルも発表している。『Metz」のデラックス・エディションのアートワークと収録曲は下記にてご覧下さい。


10月下旬に、バンドは北米でのアニバーサリーツアーに出発し、カナダ唯一の公演地であるトロントでのライブを筆頭にツアーを開始する予定です。また、最近、IDLESのJoe Talbotと新曲「Come on Down」で共演しています。 

 

 

 

Metz 『Metz: Deluxe Edition


 

Label: Sub Pop

 

Release: 2022年10月6日


Tracklist:

 

1. Headache
2. Get Off
3. Sad Pricks
4. Rats
5. Knife in the Water
6. Nausea
7. Wet Blanket
8. Wasted
9. The Mule
10. Negative Space
11. Wet Blanket (BBC Maida Vale Session)
12. Wasted (BBC Maida Vale Session)
13. Get Off (BBC Maida Vale Session)

 

 

Official-order:


 



ロサンゼルスを拠点とするバンド、Militarie Gunが”Loma Vista Recordings”と契約を交わし、2021年にリリースされたEP『All Roads Lead to the Gun』のデラックス・エディションのリリースを発表しました。


10月20日にリリースされるデラックス・エディションには、既発されたオリジナルEPの4曲に加え、4曲の未発表曲が追加収録される予定です。

 

そのうちの1曲「Let Me Be Normal」は、フロントマンのIan Sheltonが監督、ギタリストのWilliam Acuñaがアニメーションを担当したビデオと同時公開されています。PVは下記よりご覧ください。







Militarie Gun 『All Roads Lead to the Gun (Deluxe)」
 





Tracklist:

1. Ain’t No Flowers
2. Don’t Pick Up The Phone
3. Fell On My Head
4. Stuck In A Spin
5. Big Disappointment
6. Disposable Plastic Trash
7. Background Kids
8. All Roads Lead To The Gun
9. Let Me Be Normal
10. Can’t Get None [feat. MSPAINT]
11. I Can’t Stand Busy People [feat. Woolworm]
12. Pull It Out [feat. Woolworm]


 Their / They're / Thereは、今年初めに2013年のEP以来、PacemakerとのスプリットEPで静かに復活を遂げている。以前、マイク・キンセラが在籍していたことで知られるシカゴのマスロックバンドです。

 

今回、T/T/Tは、エヴァンのStorm Chasers Ltdからポリビニールと提携し、初のフルアルバム『Their / Their're / Three』を10/21にリリースすると発表しました。現時点では、日本国内での販売が行われるかは未定。Storm Chasers Ltdの公式サイトから先行予約が可能となっております。


バンドのオリジナル・ドラマー、Mike Kinsella(マイク・キンセラ)の後任として、今回新たに、Jared Karns (Kiss Kiss, Hidden Hospitals, Djunah)を迎えてレコーディングが行われている。

 

新作アルバム『Their / Their're / Three』のファースト・シングルとして 、「Living Will Or Living Well」が公開されています。エヴァンの紛れもない叫びのメロディーと、マニアックなギター・ワークからは、T/T/Tの絶好調ぶりがうかがえる。このシングルは下記よりご試聴下さい。

 

 

 「Living Will Or Living Well」

 

 

 

 

Their / They're / There   『Their / Their're / Three』 

 



Tracklist:

 

 
A1: A Symphony Of Sparrows
A2: All In All We All
A3: A Patient (Cured) Is A Customer (Lost)
A4: Their / They're / Three
A5: Living Will Or Living Well
B1: Enemies Of Every Feather
B2: The Ultimate Ideas
B3: We're Moving Pictures
B4: A Kingdom Of (Y)our Own
B5: The Meaning & The Meadow 

 

©︎J Leiby

 フィラデルフィアのバンド、Gladieは、ニューアルバム『Don't Know What You're In Until You're Out』のリリースを発表しました。この新作は、11月18日にPlum Recordsから発売されます。

 

この発表と同時に、リード・シングル「Nothing」がリリースされています。下記よりチェックしてみて下さい。


バンドのフロントパーソン、元CayetanaのヴォーカリストAugusta Koch(オーガスタ・コッチ)は声明を通じて、ニューアルバムについて次のように語っている。


「この最初の曲を共有し、新譜『Don't Know What You're In Until You're Out』を発表することにとても興奮しています。私たちはこのレコードにしばらく取り組んできましたが、ついにその中から1曲を共有することができ、爽快な気分です。


 この最初の曲「nothing」は、曲のサビの部分である "What would it feel like to want Nothing? "に基づいた思考実験から生まれたものです。

 

 基本的に、人生のあらゆる側面において、人間関係であれ、消費主義であれ、その他の恒常的な欲求であれ、常に外部と内部の力から「もっと、もっと、もっと」と押し付けられるが、それは本当に健全な生き方なのだろうか? 

 

 しかし、それは本当に健康的な生き方なのでしょうか? もしかしたら、より少ない欲望で、今持っているものが見かけより大きいことに感謝する方が実りあることなのかもしれません」


 次作アルバムは、11月18日にPlum Recordsからリリースされる。(レコードは、サプライチェーンの問題で春先に発送される予定ですが、アルバムが発売と同時にデジタルリリースを入手することが可能です。

 


 

 

 『Don't Know What You're In Until You're Out』は、2022年の初めにThe Bunkでマット・シメルフェニグ(ギター、キーボード、ボーカル)、パット・コナボイ(ギター)、デニス・ミシュコ(ベース)、マイルス・ジスカインド(ドラム)とミー・ガス(ボーカル、ギター)で録音されました。

 

マット・シメルフェニグはレコーディングとミキシングも担当し、ライアン・シュワーベがマスタリングを担当しました。マーク・グリック(チェロ)、マイク・パーク(サックス)、ブライアン・ロッカーム(トランペット)がアルバムの4曲でゲスト参加しています。



このアルバムを親友に送ったところ、「あなたのルーツと枝葉の音が聞こえる」と言われました。音楽を共有する限り、私は新しい枝を伸ばすことができると願っています。私たちは、皆、成長する価値がある。そして私たちの音楽を聴いてくれて心から感謝しています。

 

Augusta




Gladie 『Don’t Know What You’re In Until You’re Out』

 

 



Tracklist:

1. Purple Year
2. Born Yesterday
3. Mud
4. Hit the Ground Running
5. Nothing
6. Soda
7. Heaven, Someday
8. Fixer
9. Smoking
10. For a Friend
11. Something Fragile


 



 ”新世代パリ・シーンの代表格”とも称される、フランス・ヴェルサイユのロックバンド、Phoenixが、先週10月5日(水)に、米国のトーク番組”Jimmy Kimmel Live”に出演し、次作アルバムのタイトルトラック「Alpha Zulu」を披露しました。ライブパフォーマンスは下記よりご覧いただけます。


Phoenixは、新作アルバム『Alpha Zulu』を、Loyaute/Glassnote Recordsより11月4日にリリースする予定です。バンドは、先月、Stephan Colbertで披露したEzra Koenigをフィーチャーした「Tonight」で、この新作アルバムのプレビューを行っています。