メルボルン発のポストパンクバンド、RVGがニューアルバム『Brain Worms』のリリースを発表しました。この新作は6月2日にFire Recordsから発売されます。この発表に合わせて際しのテースター「Nothing Really Changes」が公開されている。ミュージックビデオは下記よりご覧下さい。

 

バンドはソングライターの Romy Vager 率いる、Angus Bell、Reuben Bloxham、Marc Nolte による4人組として活動している。


新作アルバム『Brain Worms』全体を通して、このバンドが非常に好調であることを示している。オープニングを飾る「Common Ground」は、これから始まる曲の方向性を示し、RVGの愛する特徴をすべて備えた、スリリングでパンチの効いたアルバム。ロミー・ヴェイジャーの声は、彼女の巧妙で皮肉な歌詞を伝える時、これまで通り無垢で堂々としているが、このアルバムでは、その歌詞は憧れに対する諦めを感じさせず、より反抗的で喜びに満ちたものとなっている。


「Tambourine」は、ベイガーが「コヴィッドの曲を書かないようにしていた」ときに書いた唯一の曲で、孤立の中で悲嘆にくれる様子を痛々しいほど正直に描いたものである。『Brain Worms』は、インターネット上のウサギの穴に落ちた人が陰謀に慰めを見出すというあまりにもよくある話。Nothing Really Changes'は鍵盤を多用したニューウェーブ的なもので、クローズの'Tropic of Cancer'はVagerの自信に満ちた新しいマニフェストで輝きを放っています。


ブロックスハム、ノルテ、ウォレスの3人は、ベイジャーのソングライティングに命を吹き込んでいる。Nick Cave & Warren Ellis、PJ HarveyのJames Trevascusと共にロンドンのSnap Studiosで録音された10曲は、豊かなサウンドと意図、そしてかつてKate Bushが所有し、Tears for Fearsから贈られた(伝説では、ギターで「Everybody Wants to Rule the World」を書き上げた)アコギのマジックで盛り上がったものである。


リード・シンガー兼ギタリストのベイガー、ギタリストのルーベン・ブロックスハム、ドラマーのマーク・ノルテ、ベーシストのイサベール・ウォレスというバンドメンバーは、RVGでこれまでで最も自信を感じている。彼らは、影響を受けた出来事を乗り越え、自分たちを押し出し、新しいことに挑戦してきた。そして、自分たちのベストと呼べるレコードを制作したのだ。


『Brain Worms』は、ポスト・パンデミックのレコードが容易になり得るものに対するアンチテーゼのように感じられる。「最初の2枚のアルバムでは、鬱で外に出なかった」と言うように、すでにロックダウンについて音楽を書いていたバンドにとって強制的な孤立と考える時間は、Vagerが望むものについて書くスペースを与えた。そして、彼女は受け入れについて書く準備ができていることがわかった。「もう1枚だけアルバムを作れるとしたら、それはこの1枚だ」とヴェイガーは言う。 

 

 

 

RVG 『『Brain Worms』

 

Label: Fire Records

Release Date: 2023年6月2日


Tracklist:


1 Common Ground

2 Midnight Sun

3 It's Not Easy

4 Tambourine

5 Brain Worms

6 You're The Reason

7 Squid

8 Giant Snake

9 Nothing Really Changes

10 Tropic of Cancer

 


Frankie Rose(フランキー・ローズ)は近日発売予定のアルバム『Love As Projection』のサード・シングル「Come Back」を発表した。この曲は「Sixteen Ways」と「Anything」に続く作品である。


2017年の『Cage Tropical』以来となるフランキー・ローズのスタジオ・アルバム『Love As Projection』は、3月10日にSlumberlandからリリースされる。


 

Masakatsu Takagi

ピアニスト、作曲家、プロデューサーとして活躍する高木正勝がピアノの演奏を基調としたささやかなボーカルトラックを発売しました。「Marginalia #122」は木々のせせらぎや鳥のさえずりのコラージュが施されており、このアーティストならではのナチュラルかつ癒しあふれる一曲となっている。


2017年の第一弾プロジェクトから122作目となるニューシングルについて、アーティストは以下のようにプレスリリースで説明しています。


兵庫県の山々に囲まれた私のプライベート・スタジオで録音された、日々のピアノ・レコーディング。窓を開け放ち、自然の音を聞きながら、オーバーダビング、作曲、編集、修正など、何の準備もなく、ありのままにピアノを弾きました。


今、みなさんが聴いているのは、自然の音と音楽が織りなす生の即興ピアノ録音です。自然の音と音符が同時に録音され、何の差別もなくハーモニーを奏でています。自然も私のピアノを聴いているかもしれないと思うのが好きなんです。自然がメロディーで、ピアノはハーモニー。

 


2月18日(土)に開催されたアイルランドのオルタナティヴロックバンド、Fontaines D.Cの東京公演で、BOARDのRyo Muramatsuが「Boys In The Better Land」に参加するという嬉しいサプライズが起こった。

 

フォンテーヌDCは昨年の夏、レディング・フェスティバルで16歳のギター少年をステージに上げて、「Boys In The Better Land」を共演した。さらに、今回、東京のSpotify O-EASTで行われた彼らのライブで、また新たなファンがステージに登場したというのです。このファンをステージに上げるパフォーマンスは今後、フォンテーヌD.Cのライブのお約束となりそうな感じです。


この日、リード・ヴォーカルのグリアン・チャッテンは、「Boys In The Better Land」のギターを弾きたい、というサインを持ったファンを観客席で見つけ、ステージの隅に誘導させた。その後、ステージに上がったファンはバンドとともにアンコール曲を演奏した。実は、その飛び入り参加した人物がBOARDのギタリストであるRyo Muramatsuだったという。日本のポストパンク・バンド、BOARDはパンデミックの前に短期間ロンドンを拠点に活動しており、先月に最新シングル「Cast A Shadow」をリリースしている。 

 

 

 

今回のステージの飛び入り参加については予め決められていたサプライズであったようです。また、今回のライブでは、オリジナル・メンバーのギタリストがツアーから一時的に離脱していた。

 

昨年、フォンテーヌD.Cのフジロックの来日がメンバーの体調不良によりキャンセルとなってしまって残念でしたが、再来日してくれたバンドには感謝しかありません。さらにバンドのメンバーは四人揃って、ライブの翌日、渋谷のタワー・ヴァイナルに登場し、サイン会を開催しました。

 


日々、進化しつづけるAI技術は空想的な分野にも影響力を拡大し、人々の欲求を満たそうとしている。これには良い側面もあれば悪い側面もあるものの、ただ、これが人間の想像力を膨らますために使用されるなら素晴らしい活用法となるに違いない。とりわけ、既に亡くなった人物の姿がもし生きていたらどのような風貌になっていたのか、というのは多くの人が一度くらいは考えることでもある。そして、この試みに取り組んだのが、写真家で弁護士のアルパー・イェシルタスさんなのです。

 

今回、アルパー・イェシルタスさんは、既に亡くなっている複数の伝説的なミュージシャンの表情の復元を行っている。AI技術をフル活用し、写真として再現させたのは、人生なかばで多くのファンに惜しまれつつ亡くなった大物ミュージシャンばかり。カート・コバーン、ジョン・レノン、フレディ・マーキュリー、ジャニス・ジョプリン、トゥパック、ヒース・レジャーといった著名人のポートレートをAI技術で作成し、長きにわたる謎に迫ろうとしています。


アルパー・イエシルタスは、最近、"As If Nothing Happened "と題したプロジェクトの第1集を公開した。このシリーズの他のAI生成画像には、フレディ・マーキュリー、ジミ・ヘンドリックス、マイケル・ジャクソン、エルビス・プレスリー、ブルース・リーが含まれている。このプロジェクトの目的について「AI技術の発展により、想像できるものは何でも現実に見せることができると考え、しばらく興奮していた」とイシルタスさんはこのプロジェクトについて述べている。

 

「テクノロジーをいじり始めたとき、何ができるかを見て、何が人々にとって一番幸せなのかを考えました。懐かしい人たちをもう一度目の前で見たいと思い、このプロジェクトが生まれたのです」さらに、アルパー・イエシルタスさんは続けて、「僕にとって創作活動で一番難しいのは、イメージを "リアル "に感じるようにすることなんだよ。一番好きな瞬間は、目の前にある画像が、まるで写真家が撮ったかのようにとてもリアルに見えるときです」と語っています。


今回の画像を作成するために、AIフォトエンハンサーReminiやAdobe LightroomやVSCOなどの写真編集ソフトを使用したという。今回行われた写真の復元作業の目的は実証にあるのではなく、どちらかといえばロマンの範疇に属するわけですが、空想を補完するためにお楽しみください。以下より写真の一部をご覧いただけます。

 

さらに、コバーンとヘンドリックスにAI技術が使用されたのは、実は今回が初めてではないんだそうです。グーグルのAIプログラム「マジェンタ」を通じ、27歳で亡くなったミュージシャンのスタイルで曲を作る「Lost Tapes of the 27 Club」というプロジェクトが2021年に開始された。

 

 


1.Freddie Mercury


 

2.Hearth Ledger



3.Janis Joplin



4.Michael Jackson



5.Kurt Cobain



6.Jimi Hendrix



7.John Lennon



 


Lickdは、DecentralandのVegas Cityのために彼らの音楽カタログをライセンスするEmpireとKobalt Music Groupの両方と契約を締結しました。両社のライセンス契約によって実際のオーディオ体験とバーチャルのオーディオ体験をリンクさせる画期的なプロジェクトが推進される予定です。

 

昨年のVegas Cityパートナーシップ提携に続き、ライセンス会社のLickdはメタバース対応のプレーヤーを構築し、EmpireとKobaltの両方のカタログなどを活用し、BGMやフィーチャー音楽のキュレーションに専念している。


この音楽プレーヤーは「コーラス」と呼ばれ、ベガスシティ地区のすべての会場や公共スペースで利用でき、何百ものジャンルやムードに合わせたプレイリストを街のアトラクションに配信しています。


Lickdは、今後、ベガスシティーの”LaLigaLand”の会場からスタート、音楽とスポーツという両エンターテインメントの架け橋となることを目指す予定。


企業のCEOであるPaul Sampson(ポール・サンプソン)氏は、今後の事業計画のビジョンについて次のように述べています。「私たちは、Empire社及びKobalt社と正式に契約し、Vegas City、Decentralandに音楽を提供することができ、とても嬉しく思っています。私たちがLickdで行うすべてのことの中心にあるのは革新であり、Empire、Kobaltのすべてがメタバースにおける音楽のスケーラブルな機会であると想定していたことの相乗効果は明らかでした。そして、業界はその機会を生かすため、迅速かつ果敢に行動する必要があり、今日発表するものはその証拠となるでしょう」


「メタバースの人気が高まるのは必然であり、私たちは率先して行動し、パートナー、顧客、メタバースユーザーに新しいサービスを提供し続けています。


Lickdは、マイクロライセンスと音楽ソリューション・ビジネスを展開しており、すでに独立系及びメジャーレーベルや出版社から100万曲以上を事前クリアリングした上で、ユーザー生成コンテンツとして13万人のソーシャル・ビデオ・コンテンツ・クリエーターのデータベースに提供しており、その利用者数は年々増加し続けています。近年では、ワーナー・ミュージック・グループ、マーリン、ユニバーサル・ミュージック・グループとライセンス契約を締結しています。


Lickd社の新製品である「Chorus」は、メタバースにおけるクリエイターに対して、同様のレベルの音楽へのアクセスを提供することを目的としています。


Kobalt Music Groupのグローバル・デジタル・パートナーシップ&エマージング・メディア担当副社長であるDerek Cournoyer氏は、次のように述べています。「コミュニティーの構築が物理的な境界をさらに超えていく中、音楽は共有された体験を形成する上で重要な役割を果たし続ける。私たちは、Lickdと協力し、ソングライター、パブリッシング・クライアント、そして彼らの音楽が、この急成長する創造と経験のデジタル世界において成功するのを確実にすることを喜ばしく思います」

©Rachel Lipsitz


David WrenchとEvangeline Lingによるロンドンのエレクトロ・デュオ、audiobooksは、新作EP『Gulliver』を発表した。Heavenly Recordingsから4月12日にリリースされる本作には、既にリリースされているシングル「Tryna Tryna Take Control」に加え、OneDaをフィーチャーした新曲「Burnt Pictures」が収録されています。この曲のビデオは以下よりご覧ください。


「"Burnt Pictures”は今まで書いた作風とは異なる」とオーディオ・ブックは声明を通じて述べている。

 

「"Astro Tough "のツアーの時、複数のショーのオープニングに素晴らしいOneDaを連れて行った。Burnt Pictures "をセットの一部として演奏し、様々な構造を探ろうとし、Onedaを招いてフリースタイルをしてもらったんだけど、それはまさにこのトラックに欠けていたものでもあったんだ」と述べている。


David Wrenchは「このトラックのインスピレーションは60年代のチェコ・ニューウェーブ・シネマの名作「Daises」から得ている。スタジオのスクリーンに無音で流し、Evangelineがそれに即興で歌詞をつけた」と付け加えた。 

 

「Burnt Pictures」

 

 

audiobooks 『Gulliver』 EP


Label: Heavenly Recordings

Release Date: 2023年4月12日

 


Tracklist:


1. Burnt Pictures

2. Beekeeper

3. Tryna Tryna Take Control

4. Milan Fashion Week


 



The WAEVEが、セルフタイトルのデビュー・アルバムをリリースし、LPカットと最新シングル「Sleepwalking」のPVを公開しました。The Waeveは、ブラーのグレアム・コクソンとローズ・エリノア・ドゥーガルによるプロジェクトです。


デビュー・アルバム『The Waeve』は、James Ford(クラクソンズ、フローレンス・アンド・ザ・マシーン、フォールズ、ゴリラズ、アークティック・モンキーズ等、英国内の著名なアーティスト、グループの作品を数多く手掛けている)をプロデューサーに招き、2022年初めにロンドンでレコーディングされた。Graham Coxon(グラハム・コクソン)はサックスお奏者としても参加している。

 

今作はイギリス国内のメディアを中心に好評価を受けている。(レビューはこちらからお読み下さい)

 

「Sleepwalking」

 

©︎Elliot Willcox 

 

UKのポップ・デュオ、Let's Eat Grandmaのメンバーとして知られるRose Waltonがソロ・ニューシングル「Turning Up the Flowers」を発表した。この曲は、3Dアニメアクションゲーム「Honkai Impact 3rd」のために制作された。ニューシングルの各種ストリーミング再生はこちらから。


"「Turning Up the Flowers」は、世界がとても明るく生きていると感じ、愛する人がそれを通して地に足をつけ、また、それを見ることができるように高揚させるための歌です"とRose Waltonは声明の中で説明しています。


「この曲は、自然、光、そして人と人とのつながり、これらすべてが絡み合っていて、根底にはほとんど同じものがあるという考えから、並列に描かれています。自然を見ることと、愛する人を身近に感じること、そして彼らのおかげで自然がより美しく見えることの両方がテーマになっているんだ」


「Turning Up the Flowers」は、Netflixシリーズ『Cyberpunk: Edgerunners』に登場した「I Really Want to Stay at Your House」に続く、ローズ・ウォルトンのソロ名義の2曲目となる。Let's Eat Grandmaは昨年、サード・アルバム『Two Ribbons』をリリースしています。

 

アクションRPG「Honkai Impact 3rd(崩壊 3rd)」は、現在、iOSアプリで提供されている。株式会社miHoYoから配信されているAndroid/iOS用ゲームアプリ。開発は中国miHoYoが行った。Android/iOS用日本版は2017年2月16日にサービス開始。Steam版は2021年10月21日に配信開始。

 


「Turning Up the Flowers」


1983年にアポロ月面着陸のドキュメンタリー映画『For All Mankind』のサウンドトラックでダニエル・ラノワとコラボレーションしたのを筆頭に、長年にわたっていくつかのプロジェクトで一緒に仕事をしてきたブライアンとロジャー・イーノ兄弟はついに2021年8月に同じステージに立つことになった。


イーノ兄弟の特別なパフォーマンスは、アテネのユネスコ世界遺産アクロポリスの一部であるヘロデス・アッティコス円形競技場のオデオン座で行われました。コンサートの模様は、今年3月2日に英国内の映画館で公開される予定ですが、今回、イーノ兄弟の2020年のアルバム『ミキシング・カラーズ』の収録曲「セレステ」の演奏が公開され、その一部を味わうことができます。


 


このコンサートでは、同アルバムからの他の曲も披露され、ソロ曲やファンのお気に入り曲と、最終的にブライアン・イーノの『FOREVERANDEVERNOMORE』とロジャー・イーノのドイツ・グラモフォンでのソロデビュー作『The Turning Year』に登場する新曲が2022年にリリースされた。アルバムにはロジャーの娘でブライアンの姪にあたるセシリー・イーノの歌とウクレレ、マンドリン、ギターのレオ・エイブラハムズ、キーボードのピーター・チルヴァースなどが参加しています。


「私はあまりライブをしないのですが、西洋文明の発祥の地にある世界最古ともいえる劇場で演奏する機会を逃すことはできませんでした」とブライアン・イーノは言います。「この貴重な機会を作ってくれたRoger、Cecily、Leo、Peter、そしてこのイベント全体を美しく記録してくれた偉大なフィルムメーカーTilo Krauseに感謝しています」


「彼らはヘロデス・アティコスのオデオンの古い壁に描かれたブライアンの素晴らしい映像を見たが、我々は頭上に、夜の暗闇の中に浮かぶようにライトアップされたパルテノン神殿を見た」とロジャー・イーノは回想する。「このような場所で演奏できたことは、非常に光栄なことだった。この映画は、その瞬間を正確かつ繊細にとらえていると思う。しかし、このフィルムは単なる記念品や記録ではなく、それ自体が美しい作品であり、今や世界中で共有することができるのです」


 

Hiroshi Yoshimura

 横浜出身の吉村弘(Hiroshi Yoshimura 1940-2003)は、近年、海外でも知名度が高まっている音楽家で、日本の環境音楽のパイオニアです。厳密にいえば、環境音楽とは、工業デザインの音楽版ともいえ、美術館内の音楽や、信号機の音楽、電車が駅構内に乗り入れる際の音楽など、実用的な用途で制作される場合がほとんどです。

 

 彼の歴代の作品を見ると、釧路市立博物館の館内環境音、松本市のピレネ・ビルの時報音、営団地下鉄の南北線の発車サイン音/接近音、王子線の駅構内、第一ホテル東京シーフォート、横浜国立総合競技場、大阪空港国際ターミナル展望デッキ、ヴィーナス・フォート、神戸市営地下鉄海岸線のサウンド・ピクトグラム、福岡の三越百貨店、神奈川県立近代美術館と多種多様な施設で彼の音楽が使用されてきました。

 

 吉村弘は、音楽大学の出身ではなく、早稲田大学の夜間である第2文学部の美術科の出身です。俗にいう戸山キャンパスと呼ばれる二文は他にも、名コメディアンの森田一義などを輩出している。体系的な音楽教育を受けたのではないにも関わらず、アナログ・シンセサイザーの電子音楽を通じて環境音からバッハのような正調の音楽まで幅広い作品に取り組んできました。特に、環境音についてはそれ以前に作例がなかったため、かの作曲家の功績はきわめて大きなものでもある。

 

 特に、この環境音を制作する際、吉村は実際の環境中に実存する音をテーマにとり、それを自らのイマジネーションを通じ、機械的な、あるいは機能的な音楽に落とし込むことで知られていました。例えば、1991年の東京メトロ(営団地下鉄)の南北線の環境音が制作された時に以下のようなエピソードがあったのです。そしてまた、複数箇所の駅に環境音が取り入れられたことに関しては、日本の駅という気忙しい印象を与えかねない空間に相対する際、利用者の心に癒やしと安らぎ、潤いをもたらす意味合いが込められていたのです。

 

 南北線では、1991年に接近・発車案内にメロディー(サイン音)を採用しました。これまでの営団地下鉄の発車合図は単なるブザーだっただけに当時は画期的な試みとして注目されました。メロディーは東京都の音楽制作会社「サウンドプロセスデザイン」のプロデュースにより、環境音楽家、吉村弘が制作。この際、吉村は王子駅付近を流れる音無川(石神井川)や滝からイメージを膨らませて「水」をテーマに、接近メロディーは「水滴や波紋」、一方の発車メロディーは「水の流動的な流れ」をモチーフにしていました。抽象的な実際の自然音に触発を受け、それらを彼の得意とするシンセサイザーを用い、環境音を制作したのです。


 実際に環境音の使用が開始されると、予想以上に彼の作曲した音の評判は良く、その後、目黒線、都営三田線、2001年に開業した埼玉高速鉄道線でも採用された。さらに鉄道会社の枠組みを越えた直通運転共通のメロディーとして幅広いエリアで使用されるようになった。2015年から、南北線、目黒線と三田線でも、吉村弘の環境音から次の新しいメロディーに移行されたため、現在、彼の環境音はほとんど使用されていないと思われます。しかし、彼の環境音は長いあいだ、鉄道利用者の心を癒やし、そして安らぎを与え続けたのです。

 

 吉村弘の音楽家としての功績は環境音楽の分野だけにとどまりません。年にはNHK邦楽の委託作品「アルマの雲」を作曲したほか、日本の黎明期のエレクトロニカの名盤として知られる『Green』(1986)、と、実質的なデビュー作でありながらアンビエントの作風を完全に確立した『Music For Nine Post Cards』(1982)といった傑作を世に残しています。さらに、吉村弘は、TV・ラジオにも80年代と90年代に出演しており、「環境音楽への旅」(NHK-FM)、「光のコンサート '90」(NHK-BShi)「列島リレードキュメント 都会の”音”」(NHK総合)にも出演しています。 

 

 これらのそれほど数は多くないにせよ、音源という枠組みにはとどまらない空間のための音楽をキャリアの中で数多く生み出し続けた作曲家、吉村弘のインスピレーションは、どこからやってきたのでしょうか?? 生前、多くのメディアの取材に応じたわけではなかった吉村は、自らのインスピレーションや制作における目的を「Music For Nine Post Cards-9枚のハガキのための音楽」のライナーノーツで解き明かしています。

 

そして、どうやら、彼の言葉の中に、環境音楽やサウンド・デザインにおける制作の秘訣が隠されているようです。特定の空間のため、また、その空間を利用する人々のために制作される「環境音」とはどうあるべきなのか。そのことについて吉村弘は、まだ無名の作曲家であった80年代の終わりに以下のように話しています。

 


 

 この音楽は、「気軽に聴けるオブジェや音の風景」とも言えるもので、興奮したり別世界に誘ったりする音楽ではなく、煙のように漂い、聴く人の活動を取り巻く環境の一部となるものである。

 

 エリック・サティ(1866-1925)の「家具の音楽」やロック・ミュージシャンのブライアン・イーノの「アンビエント・シリーズ」など、まだ珍しい音楽ではあるが、俗に言う「オブジェクト・サウンド」は自己表現でも完成された作品でもなく、重なり、ずれることで、空間や物、人の性格や意味を変えてしまう音楽である。


 音楽はただ存在するだけではないので、私がやろうとしていることは、総合的に「サウンドデザイン」と言えると思います。


 「サウンドデザイン」とは、単に音を飾ることではなく、「できれば、デザインとして、音でないもの、つまり静寂を作り出すこと」ができれば素晴らしい。目は自由に閉じることができるが、耳は常に開いている。

 

 目は自由に焦点を合わせて向けることができるが、耳はあらゆる方向の音を音響の地平線まで拾い上げる。音響環境における音源が増えれば増えるほど(そして、それは今日も確実に増えている)、耳はそれらに鈍感になり、本当に重要なものに完全に集中するために、無神経で邪魔な音を止めるよう要求する個人主義的権利を行使できなくなると考えるのは妥当なように思われます。


 現在、環境中の音や音楽のレベルは人間の能力を明らかに超えており、オーディオの生態系は崩壊し始めている。

 

 「雰囲気」を作るはずのBGMがあまりにも過剰で、ある地域や空間では、ビジュアルデザインは十分に考慮されているが、他方、サウンドデザインは完全に無視されている現状がある。いずれにせよ、建築やインテリア、食べ物や空気と同じように、音や音楽も日常的に必要なものとして扱わなければならない。

 

 雲の動き、夏の木陰、雨の音、町の雪、そんな静かな音のイメージに、水墨画のような音色を加えたいと思い作曲しました。


 前作「アルマのための雲-二台の琴のための」(1978)のミニマルな音楽性とは異なり、9枚の葉書に記された音の断片をもとに、雲や波のように少しずつ形を変えながら短いリフレインを何度も演奏する音楽。


 実は、この曲を作っていたある日、北品川にある新しい現代美術館を訪れたんです。雪のように白いアールデコ調の外観のうつくしさもさることながら、美術館の大きな窓から見える中庭の木々に深い感銘を受けて、そこで自分の作ったアルバムを演奏したらどんな音がするのだろう? そして、いざ、ミキシングを終えて、カセットテープに録音した後、再びこの美術館を訪ねたところ、無名作曲家の依頼を快く引き受けてくださり、「よし、美術館でこの音楽をかけてみよう」ということになり、とてもうれしく、励まされました。      

 

Metallica


メタリカの基金「All Without Our Hands」は、2月6日にトルコ南部とシリア北部で発生し、41,000人が死亡、数万人が家を失った地震の被災者を支援するため、25万ドル以上を寄付しました。


「トルコ南部とシリア北部の惨状を説明する言葉を失っています。マグニチュード7.8の地震により、地域全体が瓦礫と化しています。死者数は増え続け、悲劇にも36,000人を超えました」と、バンドは医療支援と食事を届けるためのダイレクト・リリーフとワールド・セントラル・キッチンへの寄付を発表するツイートに書いています。


「AWMHFoundationのパートナーである@DirectReliefと@WCKitchenの2団体は、現地で被災者に医療支援と食料を提供しています。#AWMHはそれぞれの団体に12万5千ドルを提供し、さらにその活動を支援しています」とメタリカは付け加えている。


6日の大地震と一連の余震により、数万人が死亡、11万4千人が負傷、200万人が避難し、6500棟の建物が倒壊し、その多くは早朝に地震が起きたときに寝ていた被災者を押しつぶすという惨劇が発生した。さらに、トルコやシリアでは、連日、夜になると気温が下がり、日々、数多くの被災者がきわめて困難な状況に直面している最中です。


メタリカは以前にも寄付活動を行なっています。昨年12月16日にロサンゼルスのマイクロソフト・シアターで開催されたコンサート「Helping Hands」では300万ドル以上の寄付金が集まり、資金は労働者教育の支援や飢餓撲滅、災害救済に充てられました。


深夜のジミー・キンメルが司会を務めたこのコンサートはParamount+でライブ配信され、グレタ・ヴァン・フリートのセット、セント・ヴィンセントのサプライズ出演、ロバート・ダウニー・ジュニアによるヘッドライナーの紹介が行われた。Helping Hands コンサートと並行して開催されたオークションでは、Baby2Baby、First Star、Feeding America、World Central Kitchen、mikeroweWorks Foundation、The Skatepark Projectなどの地元団体を表彰しています。


メタリカの公式ツイートは以下の通りです。 


New Pegans 『Making Circles of Our Own』

 

 

 

Label: Big Scary Monsters

Release Date: 2023年2月17日

 

 

 

 

Review 


アイルランドの五人組のインディー・ロックバンド、ニュー・ペガンズのセカンド・アルバム『Making Circles of Our Own』は、バンドメンバーのCahir O' Doherty、Allan McGrrevyが、アイルランドのGlens of AntrimにあるBadlands Studioでレコーディングを行った。

 

インディーロック/オルタナティヴ・ロックバンドとは言っても、ニュー・ペガンズの音楽性はどちらかといえばポスト・パンク寄りの硬質なギターサウンドを特徴とする。メインボーカルのフレージングが独特で、メロディーもほのかな哀愁を帯びている。このバンドはパンキッシュなパンチ力が持ち味で、さらにはブリストル・サウンドのような独特なクールさを漂わせています。

 

UKでのセカンド・アルバムの売上が好調な同郷アイルランドのThe Murder Capitalと同じように、New Pegansのサウンドは、かなり綿密な計算の上に構築されていることに気づく。ギター・サウンドがフェーザーなどのエフェクターにより緻密に作り込まれていて、スタジオで相当な試行錯誤を重ねた痕跡がとどめられている。テクニカルな変拍子をそつなく織り交ぜつつ、バラードとオルタナティヴ・ロック、ポスト・パンクの激情性をかけ合わせた個性的なロックサンドを探求している。彼らはドリーム・ポップのような陶酔的な哀愁を表向きなキャラクターとしていますが、また時には、歪んだディストーションによってシューゲイズのような陶酔的な轟音サウンドを部分的に持ち合わす。相反する要素が複雑怪奇に絡み合っているのです。

 

轟音性の強いディストーション・サウンドは、ボーカルが歌われる間は、引き立て役に徹しているものの、間奏に移った瞬間、シューゲイズのような轟音サウンドをガツンと押し出す。アンサンブルとしての役割分担がとれたメリハリの利いたサウンドを擁する。つまり、ニュー・ペガンズは、チャプター・ハウス、ジーザス&メリー・チェイン周辺の80年代のドリーム・ポップ/シューゲイズの源流に当たるサウンドを、よりモダンなポスト・パンクをひとつのファクターとして通過した上、かなり新鮮味あふれるサウンドをこのセカンドアルバムで提示している。

 

全般的には、分厚いベースライン、スネアのダイナミクスが押し出されたドラム、リバーヴ/ディレイを強く噛ませたディストーションギターの掛け合いについては迫力満点で、ケリー・オケレケ擁するブロック・パーティーの2005年のデビュー作「Silent Alarm」のアート性の強い音作りを彷彿とさせるものがある。ただ、ニュー・ペガンズのセカンド・アルバムは、ブロック・パーティーが内的な孤独に焦点を絞っていたのとは対照的に、どちらかといえば他者とのコミニティーにおける共感性に重点を置いている。鮮烈な印象を与えるオープニング「Better People」、二曲目の「Find Fault with Me」を聴くと分かる通り、セカンド・アルバムの楽曲では、聞き手の感情に対して訴えかけ、自分たちの位置取る特異なフィールドに誘引していくパワーを持つ。


ボーカルについては、直情的でありながら少しセンチメンタルな感じがするので、とても好感が持てます。それでも、セカンドアルバムの曲は飽くまでParamoreやAlvveysのようなロックバンガーやステージでの観客とのシンガロング性を志向して作られている。さらに、バンドの音楽の中に一貫して感じられるのは純粋で真摯な姿勢であり、茶化したり、ごまかしたりするような夾雑物が感じられない。今あるものをレコーディング・スタジオにそのまま持ち込み、全部出しきったという感じである。この点がザ・マーダー・キャピタルと同様、取っつきやすいサウンドとは言えないにもかかわらず、聞き手に大きな共感と熱量を与えそうな理由なのである。

 

ニュー・ペガンズはこのセカンドアルバムで自らの作風を確立したといえば誇張になってしまいますが、少なくともバンドとしての完成形にむけて着実に歩みを進めています。オルト・ロック/ポスト・パンク/シューゲイズの怒涛の展開を潜り抜けた後のアイリッシュ・バラード「The State of My Love's Desires」に辿り着いた瞬間、リスナーは何らかの爽快感すら覚えるかもしれません。

 


84/100

 

 

Featured Track 「Better People」

©︎Ebru Yildiz

カナダ/バンクーバーのインディーロックバンド、ザ・ニュー・ポルノグラファーズは、3月31日にMergeから初のアルバム『Continue as a Guest』をリリースします。そのセカンドシングル 「Angelcover」が公開されました。


フロントマンのカール・ニューマン(別名A.C.ニューマン)はプレスリリースで、「この作品はジョージ・サンダースのような奇妙で小さなスケッチ、スナップショットのようなものだと考えていた」と語っている。

 

「より良いパフォーマンスを得るためにメロディやフレーズを変え、自分が書いたオリジナルのメロディや歌詞をあまり重要視せず、パフォーマンスやデリバリーに気を遣っている自分に気付いたんだ。そんな中、「メロディーはデリバリーには関係ない」というメッセージとともに、夜な夜な天使が訪ねてくるというアイデアを思いつきました。フィーバードリームのようなもので、感情が自分の個性や形になるんだとね」


ニュー・ポルノグラファーズの前作は、コンコードと提携し、バンド自身のCollected Workインプリントからリリースされた2019年の『In the Morse Code of Brake Lights』であった。そのアルバムのツアーが終了した後、ニューマンはニューヨーク州ウッドストックの自宅で新作の執筆を開始した。このアルバムのラインナップは、Newman、Neko Case、Kathryn Calder、John Collins、Todd Fancey、Joe Seidersに加え、サックス奏者のZach Djanikianが参加したものであった。Sadie Dupuis (Speedy Ortiz, Sad13) は "Firework in the Falling Snow" という曲を共同作曲しています。


以前のプレスリリースでは、Continue as a Guestは、"孤立と崩壊をテーマに、パンデミック中の日常生活の両義性とオンライン生活の果てしない落とし穴に続く "とされていたが、タイトルトラックは "長くバンドにいることで生じる継続的に転がる懸念にも対処する "とされている。


"ゲストとして続けるというアイデアは、時代にとてもマッチしていると感じた "とニューマンは説明している。「文化や社会の中で居場所がないように感じ、時代精神の一部であるかのように感じ、しかし分離して自分のシンプルな人生、長いフェードアウトを生きることに満足している。自分だけの小さな場所を見つけ、バラバラになるためのスペースを見つけ、客人として続けるのだ。

 

「Angelcover」

 


UKのSSW,Anna of the Northは昨年発売されたアルバム『Crazy Life』のデラックス・エディションを発表し、そのニュースに合わせて「Swirl」というタイトルの新曲を公開しました。

『Crazy Life』は昨年11月にPIASから発売され、本日Anna of the Northはそのデラックス・エディションを発表し、本日のシングル "Swirl "を含む3つの新曲を収録することを明らかにした。


「"Swirl "は、悲しい感情にインスパイアされたかなりハッピーな曲よ」とAnna of the Northは語っている。「この曲は、大きな疑問について歌ったものなの。私はこの地球上で本当に何をしているのだろう? 私はいつも、歳をとれば人生が楽になると思っていた。でも、明らかに間違っていた」


Anna Of The Northの『Crazy Life』のデラックス・バージョンは、4月28日にプレイ・イット・アゲイン・サム(PIAS)からリリースされる。

「Swirl」

 


元ソニック・ユースのギタリスト、Thurston Moore(サーストン・ムーア)がニューシングル「Hypnogram」を自身のレーベル、the Daydream Library Seriesから発表した。

 

この曲は、ベーシストのDeb Googe、ギタリストのJames Sedwards、パーカッショニストのJem Doulton、電子音楽家のJon Leideckerが参加し、詩人のRadieux Radioが歌詞を担当しています。ミキシングはロンドンを拠点とするプロデューサー、マーゴ・ブルームが担当しています。以下、試聴してみてください。


プレスリリースによると、「Hypnogram」はサーストンが2022年にセドワーズと共にアレンジした次作アルバムの最初のテイスト。また、ムーアがヨーロッパ・ツアーに出る前にこの春にデジタルでリリースする予定の2曲のうちの1曲目でもある。


サーストン・ムーアは昨年、2020年の夏に録音されたインストゥルメンタル・ギター作品集『Screen Time』を発表している。


「Hypnogram」