ブロデリックは、ロンドンのモダン・クラシカルの名門レーベル、Erased Tapesの看板アーティストである。特に「Eyes Closed and Traveling」は、ポスト・クラシカルの稀代の名曲である。今回、プロデリックはフランスのアンサンブル”Ensemble O”と組み、リアルなオーケストラ録音に着手した。彼は、アイオワのチェロ奏者、アーサー・ラッセルの隠れた録音に目を付けた。ラッセルは、チェロ奏者ではありながら、作曲家として活躍し、複数の録音を残している。ある意味、ブロデリックとラッセルには共通点があり、両者ともジャンルや形態を問わず、音楽をある種の表現の手段として考え、それを録音という形に収めてきた。ブロデリックは、ラッセルの一般的には知られていない録音に脚光を当て、この録音の一般的な普及させるという目的と合わせて、それらを洗練されたモダン・クラシカルとして再構成するべく試みている。
アーサー・ラッセルのオリジナルスコアの中には、どのような魅力が隠されていたのか? 考えるだけでワクワクするものがあるが、彼は、実際にスコアを元にして、ピアノ/木管楽器を中心としたフランスのアンサンブルと二人三脚で制作が行われた。同じたぐいの作品として、今年、フランスのル・ソールから発売されたアントワーヌ・ロワイエのアルバムがある。ベルギーのアヴァン・フォーク界隈で活躍するロワイエではあるが、クラシカルとフォークを結びつけ、壮大な作品を完成させた。Peter Broderick & Ensemble 0による『Give It To The Sky』は、ロワイエの最新作に近い音楽性があるが、純正なクラシカルや現代音楽に真っ向から勝負を挑んだ作品と称せる。
アルバムの構成は連曲か、あるいは、変奏曲の形式が並んでおり、「Tower Of Meaning」が、ⅰ〜ⅹⅱまで収録され、その合間に独立したタイトル曲や、別の曲が収録されている。録音風景を写した写真を見て驚いたのだが、実際のレコーディングは、オーケストラの編成のライブ録音のような形でホールで行われたものらしい。マリンバや木管楽器、そして、ピアノのすぐ近くに志向性のマイクを配置し、おそらくラインで録音したアルバムであると思われる。しかし、近年、教会に見られるような天井の高い音響を生かしたプロダクションを特徴とするErased Tapesの質の高いサウンドの渦中にあって、本作は単なる再構成というよりも、過去のスコアを元にし、原曲の持つ魅力を引き出し、オーケストラの演奏やコンサートの空間の醍醐味を最大限に生かそうという点に主眼が置かれている。実際、聞けば分かる通りで、複数のパートの木管楽器は美麗なハーモニーを描き、そしてその間に導入される断片的なマリンバの演奏や、ピアノのリズム性を生かした演奏のきらびやかな音の響きが空間内を動き回り、精彩なオーケストラサウンドとして昇華されている。マイクの配置の巧緻さには目を瞠るものがあり、いわば、音の粒子に至るまで、微細な動きが感じられる。クリアなプロダクションの中に変革性が込められていることは、これらの一連の連曲や変奏曲を見ると一目瞭然である。
木管楽器のアンサンブルを主体とする、ハーモニーの調和や美しさに焦点が絞られている連曲「Tower Of Meaning」は、一貫してスムーズな音の運びが重視されており、ECMのNew Seriesのマンフレッド・アイヒャーの好む精彩な音の志向性に近い。これらの木管楽器のハーモニーは、かなり古い中性の時代のヨーロッパの古楽や教会音楽が下地になっているらしく、古楽に詳しい人ならば、パレストリーナ様式の旋法を始めとする、フランスの近代音楽の下地となったヨーロッパの教会旋法の対位法の数々の断片を捉えることが出来るだろう。そして実際に、徹底してマイクの志向性と、その響きの印象性に重点が置かれた玄人好みのサウンドは、ドイツ/ロマン派以降の複雑な対位法や和音法こそ取り入れられていないが、グレゴリオの系譜にあるラッセルの単旋律を生かしたポリフォニーの形式に共感を覚えるはずである。これらの技法は、例えば、クラシックのシーンで言えば、ある指揮者がモーツアルトのオーケストラ譜を通じて、「クリアトーン」という概念で再現させようとしていたが、実際、それに似た手法が図られている。しかし、ピーター・ブロデリックとアンサンブルは、オーストリアの古典派ではなく、教会旋法を下地にしたラッセルの古楽的な手法で録音の完成系を生み出そうとしている。
その後、雰囲気はするりと様変わりし、ストーナー・ロックのような雰囲気を持つサウンドにシフトチェンジを果たす。しかし、Kyuss、Foo Manchuに代表される米国の砂漠地帯の轟音ロックは、トゥールース・クラブの感性のフィルターを通すと、内省的なサッドコアに近いサウンドに変化してしまう。ストーナーからガレージ・ロックの部分を削ぎ落とし、それをスマートなロックサウンドにより彩ってみせている。好き嫌いの分かれるアプローチだろうし、また、ジョッシュ・ホームは、このサウンドに関してストーナーではないと言いそうであるが、しかし意外にも、近年のQueen Of The Stone Ageにも比する哀愁のあるロックサウンドの魅力が漂う。
しかし、他方、ギターやベースには、エネルギッシュな性質が反映される瞬間があり、これが現代のロックバンドとして、どのような感じでリスナーの目に映るのかという点が最重要視されるべきだろう。これらのキャッチーさとスノビズムを併せ持つ絶妙なバランス感覚を示した後、アルバムの後半部では、彼らのスロウコア/サッドコアの一面が最も色濃く表出する。「Dancing Around My Tongue」では、Bar Italiaがメインの楽曲の合間に書くようなダウナーなサウンドを反映させている。この曲には、Televisionのようなプロトパンクからの影響も伺い知ることが出来る。そして、アルバムの序盤のインディーロック・サウンドの中に見えづらい形で織り交ぜられていたThe Doorsを思わせる瞑想性は、続く、タイトル曲の前奏曲である「Chase」にて、最も痛烈な瞬間を迎える。内的な瞑想性の中に無限に漂いつづけるかのような感覚は、シンプルなギターロックサウンドと相まって、シュールレアリスティックな印象性を呼び起こす。
さらに、その雰囲気は続くタイトル曲「Running From The Chase」で最高潮を迎える。Strokesなのか、Lutaloなのか、Smileなのか、それとも、Bar Italiaなのか、Truth Clubは一見したところこのすべてに属するようでいて、反面、どこにも属することのないバンドでもある。バンドサウンドの中に見られるパンク・スピリットーー独立したバンドであるという表明、あるいは彼らがいかなる機構のコントロール下にもないという感覚ーーは、ポスト・ロックの影響を鏡の様に映し出した残りの2曲「Break The Stones」、「Is This Working?」ではっきりと示唆されている。
Slauson Malone 1の『Excelsior』でもコラージュの手法が部分的に示されている。近年、ロサンゼルスに移住したというスラウソーン・マローンによる6作目のアルバム。プレスリリースでは「エッセイのような作品として組み上げられている」と説明されている。本作は、Oneohtrix Point Neverが『AGAIN』で示された個人的な思索や、Jayda Gの『GUY』で示された父祖の時代の出来事を描いた文学的な意味を持つ構成をR&Bやハウスとして昇華させた作品に近似するものがある。上記の作品は、表向きに現れる成果がどうであれ、現代の音楽の強い触発を与え、一定の影響を及ぼす可能性が高い。未だミステリアスな印象のあるスラウソン・マローンの作品も、エレクトロニックの位置づけにありながら、本来別のリベラルアーツに属し、また、その表現方法が音楽が最適解とは言いがたいものを、あえて音楽の形式として昇華しているのである。そしてエッセイ的な叙述は断片的に組み合わせたコラージュの要素により示唆されている。
今回、曲数が多いため、Track By Trackは遠慮させていただきたいが、このアルバムには無数の音楽的な要素がひしめいていることがわかる。ヒップホップのドリルや、Caribouのようなグリッチ/ミニマル、ハウス、ネオソウル、ダブ/ダブステップ、アヴァン・ポップ、ボーカルのコラージュ、モダン・クラシカル、インディーロック/フォーク、ジャズ。広汎なマテリアルを吸収し、前衛的な音楽が作り出された。根幹にあるのは電子音楽ではありながら、多様な音楽の要素を散りばめて、一定の音楽のジャンルに規定されない前衛的なスタイルが生み出されている。
数えきれない音楽性の中には、Alva Notoを思わせる精彩な電子音楽も「Undercommons」に見いだせる。他にも、モダンジャズと電子音楽を絡めた「Olde Joy」では、ヒップホップやネオソウルを風味をまぶし、前衛的な形式に昇華している。また、「New Joy」では、ジェフ・パーカーが好むようなジャズと電子音楽の融合を探求している。Gaster Del Solのようなアヴァン・フォークをネオソウルから捉え直した「Arms, Armor」も個性的な印象を残す。ボーカルをコラージュ的な手法で昇華した「Fission For Drums, Pianos & Voice」は、アヴァン・ジャズの性質を部分的に織り交ぜている。「Love Letter zzz」も同じように、チェロの演奏とスポークンワードを掛け合わせ、画期的な作風を生み出している。これらの無尽蔵な音楽性には白旗を振るよりほかない。
『Excelsior』の中盤の収録曲には冗長さがあるものの、 終盤に至ると、静謐な印象に彩られた作風がクールな雰囲気を醸し出している。「Destroyer x」は、エヴァンスのような高級感のある古典的なジャズ・ピアノの雰囲気を留めている。「Voyager」は、インディーフォークと電子音楽を掛け合せ、安らいだイメージが漂う。「Decades,Castle Romeo」では、ジェフ・パーカー、ジム・オルークに近い、先鋭的な作風を示している。クローズ曲「Us(Towar of Love)」では、アコースティックギターの弾き語りによって、インディーフォークの進化系を示している。この曲のスラウソン・マローンのアンニュイなボーカルは、バイオリンの演奏に溶け込むようにし、メロウな瞬間を呼び起こし、アルバムを聞き終えた後、じんわりとした余韻を残す。
カナダのインディーロックバンド、Alvvaysは先週末、CBS サタデー・モーニングに出演し、『Blue Rev』発売1周年を記念して、アルバムから「After The Earthquake」、「Easy on Your Own?」「Belinda Says」を披露しました。ライブパフォーマンスの模様は以下からご覧下さい。
日本の音楽と世界の音楽の双方の影響を織り交ぜた新たなクロスオーバーの手法は、その後も続き、「no cherry no deal」では、ミッシェル・ガン・エレファント、ブランキー・ジェット・シティ、ギター・ウルフを思わせる、硬派で直情的なシンプルなガレージ・ロックへと変貌し、更に「In Your Life」では、Sebadoh、Guded By Voices、Pavementに象徴される90/00年代の米国のオルト・ロックの影響を反映させたコアなアプローチへと変遷を辿る。また、クローズで示される「aleha」における、ニック・ドレイク、ジャック・ジャクソンを思わせるオーガニックなフォーク音楽へのアプローチもまた、彼らが音楽に真正面から向き合い、それをいかなる形で日本の音楽にもたらすべきか、数しれない試行錯誤を重ねてきたことを明かし立てている。
アーティストやバンドは、よくデビューして数年が旬であり、華であるように言われる。しかし、アメリカやイギリスの例を見ていて、最近つくづく感じるのは、デビューから30年目前後に一つの大きな節目がやって来るということである。音楽家としての研鑽を重ねた結果、十年後、二十年後、時には、三十年後になって、最大の報酬が巡ってくる場合もある。今回のQurulliの新作アルバム『感覚は道標(Driven By Impulse)』には心底から驚かされるものがあった。
「I Believe In You」について彼女はこう語っている。「彼らはやがて麻薬と手を切りましたが、断酒中も彼らの精神衛生は軽視され、私も、彼らと同じ運命からは逃れられないという物語が私の観念に植え付けられた。この曲は、自己成就的予言に挑戦し、変えていくこと、そして、自分の人生にポジティブなことが起きる権利があると自らに信じさせる気概を奮い立たせることについて歌っている」
「On My Line」は、ジョニ・ミッチェルの「Car On A Hill」にインスパイアされた。拒絶されることを悲しく、クールに受け入れ、その中で解放される感覚を表現している。
「As Many Birds Flying」でも同じように、ソフト・ロック/AORに近い音楽を下地にして、感覚的なポップスを作り上げる。イントロのギターラインとシンセの組み合わせは、The Policeの80年代のMTV時代の全盛期の音楽の影響をわずかに留めているが、カーリー・ボンドのボーカルが独特な抑揚を交え、それらのバックバンドの演奏をミューズさながらにリードすると、その印象は、立ちどころにAOR/ソフト・ロックとは別の何かに変貌する。
ネオソウルなのか、ニューロマンティックなのか、それとも……? いかなる音楽がその背後にあるかは定かではないが、官能的な雰囲気を擁するボンドのボーカルは、ドリーム・ポップのようなアンニュイな空気感を帯びる。それらの夢見心地の雰囲気はやがて、ロサンゼルスのAriel Pink(アリエル・ピンク)のようなローファイ/サイケを下地にしたプロダクションと結びつき、最終的に先鋭的な印象を及ぼすに至る。これらの1980年代から2010年代にひとっ飛びするような感覚は、『Back To The Future』とまではいかないが、SFに近い快感や爽快味を覚えさせる。
その後も、多彩な音楽性はその奥行きを敷衍していく。「I Believe In You」では、シンプルなマシンビートと、「Hum〜」というフレーズを通じて、甘酸っぱく、メロウなムードを反映させたAOR/ソフト・ロックの音楽性を楔にし、彼女の音楽の重要なルーツであるホイットニー・ヒューストンの1985年のセルフタイトル・アルバムの懐かしいR&Bを基調にしたポップスを展開させる。
アルバムのタイトル曲「So Far So Good」は、レトロな感覚を持つテクノを主体として繰り広げられる、少しユニークな感覚を持つポップミュージックである。それほど真新しい手法ではないにも関わらず、インディーロックに触発されたギターライン、そして、やはり一貫して飄々とした印象のあるボンドのボーカルに好印象を覚えない人はいないはず。
これらのコアなポップスのアプローチは最終的に、クローズを飾る「Love Is Good」という答えに導かれる。トライアングルを織り交ぜたパーカッシヴな手法は、ベースラインとシンセの緊張感のあと、ドラムのロールにより劇的な導入部となって、カール・ボンドの歌の存在感を引き立てる。その期待感に違わず、ネオ・ソウルやモダン・ポップの王道にあるフレーズを丹念に紡いでいく。
さらに、バンドアンサンブルの妙は、この曲の中盤から後半にかけて最高潮に達し、Jeff Beckの『Blue Wind』、Eric Claptonを擁するCreamの「Sunshine Of Your Love」で示されたような、ロックンロールの真髄である玄人好みのロックサウンドへと瞬間的に変化していく様は圧巻と言える。
オープニング「Secant」では、ピアノの演奏を通じて、ミニマリズムの極致を表現し、そしてさらに、このアルバム全体のコンセプトでもあるスティーヴ・ライヒへのオマージュをパスカル・ビドーは示そうとしている。ピアノとクラリネット、アルトサックスという組み合わせは、既にECMから発表されたライヒの『Octet Music For A Large Ensemble」で示された前衛音楽の作風である。しかし、これらのオマージュは、アルトサックスのリズムと、クラリネットのレガートという微細な点まで網羅しているが、その中にマニュエル・ゲッチングのような電子音楽の要素が加わることで、新鮮な印象をもたらす瞬間もある。そしてこの電子音の要素は、やがてパルス音のような形式へと変化する。現代音楽としても電子音楽としても楽しめる。
ヴァイナル・バージョンには続いて2曲が収録されている。「Oblique」の長尺バージョンである「Oblique (Exclusive)」に加えて、「Longing For Tomorrow」が収録されている。そしてこのアルバムの中では最も着想性と想像性に溢れる一曲として聞き逃すことが出来ない。特に、後者の楽曲は、笙のような音色と、マニュエル・ゲッチングの前衛的な響きを重ね、独特な音響性を生み出している。さらに曲調はやがて中盤では、ロンドンのエレクトロニック・デュオであるMarmoの音楽を彷彿とさせるアヴァンギャルドなテクノへと転化する瞬間が留められている。最終的に、この曲はIDMの領域を離れて、EDMのライブセットを思わせるフロアのダンスミュージックへと劇的に変化する。『Lines』は、ミニマリズムを中心として作風では有りながら、同時に、電子音楽家のファンの好奇心を十分に掻き立てる素晴らしい内容となっている。
88/100
In English--
We were recently contacted by the owner of a London-based label and asked us to do a review for them. As a start, we would like to introduce to our readers the new album "Lines" by Akumi (Pascal Bideau), a French-born experimental musician currently based in London.
Recorded entirely at his home studio in London, "Pascal Bideau", aka "Akumi", describes the album as follows: "It's a bit more horizontal, more ambient. I wanted it to be a little more horizontal and ambient, with layers of lines that I don't know if they are dotted lines or straight lines, and I wanted to let them unfold and see where they would take me."
The album is thoroughly minimalist and pointillist, with alto saxophone, clarinet, and piano playing at its core. Also, as the artwork suggests, the concept of pattern art is scattered throughout the work, creating a stylish music with the quaintness of an interior.
In the opening track, "Secant," Pascal Bideau attempts to pay homage to Steve Reich through the piano, the ultimate expression of minimalism, and also the concept of the entire album. The combination of piano, clarinet, and alto saxophone is in the style of the avant-garde music already presented in Reich's "Octet:Music For A Large Ensemble," released on ECM Records. However, while these homages cover the minute details of alto saxophone rhythm and clarinet legato, there are moments when the addition of electronic music elements, such as Manuel Göttsching, bring a fresh impression. And this electronic sound element eventually transforms into a pulsing form of sound. It can be enjoyed as both contemporary music and electronic music.
The second track, "Oblique," which similarly emphasizes the alto saxophone rhythmic element, continues Steve Reich's minimalism, but Pascal Bideau pursues a fresh style by reflecting elements of jazz that were overlooked by later minimal music. Then, as in the first track, he combines the pulsing sounds of Göttsching,' techno and transforms it into a micro electronic music. The pulsing sound eventually changes its sound image like a clustered sound, and the listener can capture the process of the interesting change of impression in the short piece. Eventually, in the latter part of the piece, the piano adds depth to the piece, and this experimental music emerges as a kind of beautiful moment.
Although Pascal Bideau expresses a consistent minimalism in the above two pieces, the third piece, "Oblique," which is a series of the previous pieces, has a slightly different style and pursues the interest of improvisation, which is different from pattern art. It skillfully utilizes the lingering pulse/cluster sounds of the previous piece to present music with an almost ambient impression in a variant manner. The addition of woodwind trills, which add an Avant-jazz influence, moves the piece into the techno/ambient realm of space art. With its multiple instruments and electronic sound sequences behind it, the clarinet's resonance brings a soloist-like function to the piece, creating an avant-garde sonic space. Like the previous two pieces, there is no doubt that the focus is on intermittent sonic changes, but it can be understood that the music has a freer and more relaxed impression.
The fourth track, "Parallel," also continues with a soothing and restful, almost ambient impression. It is then interspersed with elegant piano and clarinet playing, creating a warm and welcoming soundscape. The orchestral instruments play with some avant-garde techniques, but these avant-garde elements are enveloped by the gentle sounds of the piano, which seems to be at ease. This is a piece that makes one want to lose oneself in the soundscape created by the multiple instruments. At times, the clarinet's performance is not limited to abstract concepts, but it skillfully projects something concrete, a comforting landscape or a warm scene in its sound, capturing the listener's heart. While taking an avant-garde direction, there is a humanistic warmth in the music.
The fifth track, "Tangent," once again returns to the minimalist approach of Steve Reich and others. Unlike the first two tracks, it follows the compositional techniques of "Electric Counterpoint," Reich's groundbreaking exploration of minimalism from the perspective of the electric guitar. Microscopic sound elements are laid down in many places, but it is the bass sound that changes the patterned impressionistic nature of the music. The superficial phrases are merely repetitive, but the powerful sound of the bass part, introduced in contrast to the treble part, creates a completely different impression. What this piece demonstrates is the unknown technique of counterpoint in contemporary music, which has been inherited from Bach to Reich, Glass, and Riley.
The vinyl version includes two more pieces. The vinyl version is followed by two more songs: "Oblique (Exclusive)," a longer version of "Oblique," and "Longing For Tomorrow. And it is one of the most imaginative and imaginative songs on the album that cannot be missed. The latter piece, in particular, layers sho-like tones with Manuel Göttsching avant-garde sound, creating a unique acoustic quality. Furthermore, there are moments in the middle of the song where the tune eventually turns into avant-garde techno, reminiscent of the music of London electronic duo "Marmo". Ultimately, the song leaves the realm of IDM and dramatically transforms into dance music for the floor, reminiscent of a live EDM set. ''Lines" is an excellent listen, with a style centered on minimalism, but at the same time, enough to pique the curiosity of fans of electronic music.
ベルリンを拠点に活動する日本人アーティスト、Tetsumasaが新作EP『Lots of Questions』のリリースを発表しました。MVや先行シングルは発売日当日解禁とのことです。下記よりアートワークと収録曲をチェックしてみて下さい。
Tetsumasaは名古屋市出身の日本のエレクトロニック・プロデューサー、DJ、シンガー/ラッパー。Downtempo、Hip Hop、House、Dub、Bass Music全般に深い影響を受け、2016年よりベルリンを拠点に活動中。類似アーティストは、Yaeji, 박혜진 Park Hye Jin, BABii, Sassy009, Moderat.が挙げられている。
Tetsumasaは、2000年代には別名義の”Dececly Bitte”としてU-cover、Sublime Porte、AUN Muteや+MUS等、ヨーロッパ/日本のレーベルから、ダブ/テクノ/アンビエント等の音響作品を発表してきた。その後、”Tetsumasa”名義で活動を開始し、実験的な電子音楽の作品 『ASA EP (vinyl)”』、『Obake EP (cassette)』をリリースしました。Urban Spree for Libel Null Berlin、Griessmühle (Berlin)、OHM Berlin、ATOM Festival (ウクライナ) などでもライブセットでプレイしている。
Tetsumasaの新作『Lots Of Questions』は、2023年11月2日木曜日に発売予定。神秘的な音の迷宮に足を踏み入れ、Tetsumasaは幅広い影響力を活かした電子サウンドの折衷的な融合を提供する。
「Moment in Berlin」で始まるこのトラックは、暗く謎めいた低音と突き刺すような明快な瞬間を融合させた実験的なサウンドスケープにリスナーを引き込む。それはベルリンの霧の夜の感覚を呼び起こし、そこでは何でも可能であるように見えるが、実のところは明確なものは何もない。
より内省的な「Lots Of Questions」は、ミニマリズムの痕跡を呼び起こしながらも、親しみやすくも独特なTetsumasaの雰囲気を醸し出している。 あたかもアーティストがあなたを、ささやき声の会話と反響する思考で満たされた薄暗い部屋に招待したかのようである。
一瞬、親近感を覚える瞬間もあるが、『Lots Of Questions』は本質的には自己探求の旅。それはすべて音楽の曖昧さによる美しさ。 Tetsumasaの世界では、答えよりも質問が強力で、目的地よりも旅が重要である。
Tetsumasa's new release, "Lots Of Questions," is set to land on Thursday, November 2, 2023. Venturing into the mysterious labyrinth of sound, Tetsumasa offers an eclectic fusion of electronic sounds, drawing on a broad spectrum of influences.
Starting off with "Moment In Berlin", the track immerses listeners in an experimental soundscape, blending dark, enigmatic undertones with moments of piercing clarity. It evokes the feeling of a foggy night in Berlin, where anything seems possible but nothing is quite clear.
The more introspective "Lots Of Questions" beckons with traces of minimalism yet exuding a familiar yet uniquely Tetsumasa vibe. It's as if the artist has invited you into a dimly lit room, filled with whispered conversations and echoing thoughts.
Finally, "Leave Now" is the deepest plunge into Tetsumasa's mind. A track that delves into the depths of abstract synth combinations, combining elements that may remind listeners of the otherworldly soundscapes.
While there are fleeting moments of familiarity, "Lots Of Questions" is, at its core, a journey of self-exploration. it is all about the beauty of musical ambiguity. Let Tetsumasa guide you through his universe - one where questions are more potent than answers, and the journey is more important than the destination.
Tetsumasa 『Lots Of Questions』 EP
Tracklist:
1. Moment In Berlin 2. Lots Of Questions 3. Leave Now
ラモーンズが復活!? と思ったら・・・、blink-182だった・・・。彼らは今回、ラモーンズへのリスペクトとオマージュを示したニューシングル「Dance With Me」をリリースし、ファンを楽しませてくれています。
この曲は、最近リリースされた「One More Time」と「More Than You Know」に続くシングル。これらの曲は、2011年以来マーク・ホッパス、トム・デロンゲ、トラヴィス・バーカーが参加した彼らの復活作『One More Time...』からのシングル・カット。ニューアルバムは10月20日にリリースされる。