・日本のインディペンデント・レーベルの草分け  "Snuffy Smile"は、どんなレーベルなのか??

 

Snuffy Smileは、1990年代から2000年代にかけて、栄森陽一氏が主宰していた日本の伝説的なパンクロックの専門レーベルです。

 

このレーベルは、ドクロをレコード会社のトレードマークとしていて、そのマークの下には、「非転向地下活動」というコアな漢字のキャッチフレーズが書かれてます。このインディーレーベルの根本的な思想には、草の根のレコード会社としての運営方針と虚無思想「ニヒリズム」が掲げられている。 実は、スナッフィー・スマイルのレーベルの経営スタイルは、横山健氏の主催するパンク専門レーベル「Pizza Of Death」に影響を与えたものと思われます。


おそらく、日本で一番最初に「7インチ・ビニール」の形式を発売した伝説のパンクロックレーベルです。レーベルオーナーの栄森陽一氏は、現在、このインディーレーベルの新たなリリースは行っていない。2005年、スナッフィー・スマイルは、レーベル拠点を、東京の世田谷から京都に移し、「スナッフィー・スマイルズ」に改名をしたあたりが経営の最後かと思われます。

 

これまでスナッフィー・スマイルから発表された作品についても、ハイ・スタンダードは別として、その多くのカタログが廃盤、入手困難となっている。このレーベルを知る有志がアップロードしたyoutube動画、また、中古レコード店、ディスクユニオン、高円寺の中古レコード店を探るくらいしか方法がなく、入手困難な作品ばかり・・・。しかも、このレーベルの作品は他のメジャーレーベルの雰囲気とは異なり、アメリカやイギリスのアンダーグラウンドな正真正銘のインディー・レーベルの雰囲気が醸し出されまくりで、デモに近いラフな作品も積極的にリリースしています。

 

さて、この「Snuffy Smile」というレーベルの最初のリリースを行った中に、東京のRegistratorsというバンドがいて、このロックバンドは、当時、国内で人気があったWater Closet、Bloodthirsty Butchersと同じくらいカルト的な人気を誇るインディー・ロックバンドに挙げられます。

 

スナッフィー・スマイルは、日本のメジャーレーベルの傘下にあるわけではなく、本当の意味で独立した数少ないインディペンデント・レーベルの先駆的な存在。特筆すべきは、J Church、Mega City Four、Broccoliと、日本のバンドのスピリット盤を、2000年代を中心にリリースしています。

 

かつて、渋谷の「Gig-Antic」(現在は閉店・・・)、下北沢の「Shelter」、 高円寺の「20000V」、新宿の「Antiknock」といったライブハウスを中心に、パンクブームが2000年代前後に到来し、シガレットマン、ネーブル、スプレイ・ペイントを中心とし、レーベルを運営する栄森さんは、全国から魅力的なパンクロックバンドを掻き集めて、東京でイベント企画を行っていました。

 

Snuffy Smileは、商業面、興行面を度外視した自主レーベルらしいスタイルを取り、一貫して、硬派なレーベルカラーを掲げてました。唯一の例外と呼べるのが、栄森氏も最初のイベント設立に少なからず関わっている「Set You Free」という日本の比較的大規模な音楽イベントの先駆けの開催にあったわけですが、レーベルのコンセプト「非転向地下活動」にもある通り、このスナッフィー・スマイルというレーベルは、基本的に、日本のアンダーグラウンドミュージックシーンを、1990年代から2000年代にかけて支えてきた重要な存在だったわけです。

 

この時代の前に、東京ロッカーズ、関西ノーウェイブ、それに加えて、イースタン・ユース、カウパーズを輩出する伝説的な札幌のパンク・シーン、また、山塚アイを擁するハナタラシに続く、Boredoms、さらには、あぶらだこ・・・、といったきわめて異質な異分子的な存在、それから、怒髪天という、その後、オーバーグラウンドのシーンの一角をなす日本語ロックバンド。そのあたりの一連の流れの中で登場した現在も続いている「消毒ギグ」で有名な、Gauzeといった新宿のアングラなジャパニーズ・ハードコアバンド、近年も世界的に活躍するENVYといったバンドが、日本のメジャーシーンとは異なる地下のコアなミュージックシーンを長い期間を経て形成してきたのです。


それらの昭和と令和の合間にある1990-2000年近辺の平成世代、現代のポストロック勢が盛り上がりを見せる日本のインディーロックシーンの合間に登場し、君臨したのが「スナッフィー・スマイル」です。スナッフィー・スマイルは、経営的には成功しなかったものの、Hi-Standardの後に続くメロディック・パンク勢のフォロワーを台頭させ、Envy、Enzweckといったアジア圏や世界で活躍するニュースクール・ハードコア勢を生み出す素地を形作り、重要な役割を果たしている。

 

この90年代から00年代にかけて、東京の最初のインディペンデントレーベル、Snuffy Smileは、その後のポスト・ロックバンド、Toe、LITEのようなインディーロックバンドが登場するまでの流れを、アメリカやイギリスのパンク・レーベルやアーティストと連携を図り、独立レーベルというスタイルを維持しつつ、なんとか新しい風を日本国内に呼びこもうとしていたのです。  

 


・スナッフィー・スマイル関連の名盤 

 

以下で紹介していくのは、東京→京都のインディレーベル、Snuffy Smile(スナッフィー・スマイル)の活動を支えたバンドの名盤。つまり、一度はこのレーベルからリリースしたことがあるバンドのリリースです。

 

隠れた良質な日本のパンクロックバンドを探す手立て、及び、メロディック・パンクのファンの備忘録となれば幸いです。下記に掲載するMVは、あくまで、アーティストの音楽の印象を掴んでもらうためのものに過ぎません。必ずしも、付記する推薦盤の収録曲ではありませんので、ご注意下さい。



・Registrators  

 

1990年代初頭に東京で結成されたパワー・ポップ、ニューウェイブ・パンクバンド、レジストレーターズ。

The Registrators

 

スナッフィー・スマイルのレーベルの1990年代のカタログの最初期、およそ、このロックバンドなしには成立しえなかったレーベル運営。むしろこのロックバンドを送り出すために、最初のリリースが行われたといっても過言でないかもしれない。伝説的なスリーピースのロックバンド、東京発のザ・レジストレーターズを差し置いてスナッフースマイルを語ることは許されません。

 

Registratorsは、名パワーポップバンドとしても聴けなくもない、痛快な音楽性を擁する。かつて、タワーレコードの日本の名ロックバンドの名盤を紹介したフリーペーパーにも以下のWater Closetと共に掲載されていた。日本のインディーシーンでは、Guitar Wolfと共に、絶大な人気を誇った。

 

私自身は、これらのバンドの後追いの世代ですので、リアルタイムでこの1990年代のシーンに通じている方ほど明確なことはいえませんが、特に、1990年代の東京のインディーズシーンの立役者に挙げられる。

 

Hi-Standardの横山健の主宰する「Pizza Of Death」とも関わりの深いバンド。まず間違いなく、The Registratorsは、Husking Bee、Water Closetと共に、1990年代の東京を中心とする日本のインディー・ロックシーンの源流を形作った貴重な存在です。既存のリリース作品は非常に入手が困難となっている。

 

下記の作品は、日本のインディペンデント・レーベル"Lastrum Music Entertainmentからのリリース。

 


 

 

 

・ Radistrators 『Verocity』 2000


 

 

・Cigaretteman


おそらく、日本で初めてメロディック・パンクを海外から持ち込んだ4ピースの名古屋出身の伝説的なロックバンド、シガレットマン。日本の歴代のインディーシーンにおいて最重要のパンクロックバンド。Husking Beeとのスピリットをリリースしていることでも知られている伝説的なグループです。

 

Cigaretteman

 

シガレットマンは、1993年に愛知県で魚住夫妻を中心に結成され、その後、栃木に活動拠点を移した。2000年に解散。

 

英サンダーランドのLeatherface、米カルフォルニアのJawbreaker、ミネアポリスのHusker Duの直系にあるパンクサウンドです。Green Dayが台頭するメロディック・パンク誕生前夜、哀愁の漂うメロディック・パンクを日本で最初に演奏した伝説的パンク・ロックバンド。上掲の写真については、おそらく、Husker Duの最初期のデモ曲等を収録した「Savage Young Du」のアートワーク写真のオマージュとなっています。

 

 Husker Du、Jawbreakerの音楽性に加えて、紅一点の女性ボーカルの親しみやすいキャラクターがキュートなイメージを添え、キャッチーで切ないパンクロック性がシガレットマンの魅力です。シンディー・ローパーの名曲「Time After Time」のカバーもYoutubeで密かな人気を呼んでいるようです。

 

現在、アメリカのインディーレーベル”Suburban Home Records”から何故かシガレットマンのベスト盤がリリースされてます。シガレットマンとしての活動六年間にリリースされたオリジナル作品はすべて現在廃盤となっていて、現在、CD,Vinyl盤については非常に入手困難です。Youtubeでバンドのフルディスコグラフィーが公開されているので、ぜひ聴いてみて下さい。

 

女性がフロントマンをつとめる日本の最初のパンク・ロックバンドとしての挑戦は素晴らしく、この点の功績についても、後の世代にも語り継がれていって欲しいですね。

                               

 


 

 

 

 Cigaretteman/Jon Couger 『Concentration Camp 7Inch』 2010



 

 

・I Excuse

 

1990年代から2000年代にかけて、メロディック・パンクとハードコアを融合した独特な日本のバンドが台頭。その筆頭格が、この伝説的なエモーショナル・ハードコアバンド、アイ・エイクスキューズです。

 

I EXCUSE

イギリスのインディーパンクシーンと関わりの深いロックバンドで、海外のバンドとのコラボ、タイアップの流れを最初に形成したバンドでもあります。それくらい海外でも通用するものを持ってました。

 

I Excuseは、京都で2000年に結成された伝説的なメロディック・ハードコアバンド、スナッフィー・スマイルの代名詞的な音楽性で、このレーベルの看板アーティストといえるでしょう。

 

「As Someones' Like」という楽曲が、後にUKのパンク・ロックバンド、Chestnut Roadによってカバーされています。

 

最近のポストハードコアバンドに引けを取らないくらいかっこいいです。Leatherfaceや最初期のSnuffに影響を受けつつ、そこのハードコアの攻撃性を加味している。苛烈でダーティーでがなり立てるようなボーカル、そして、バンドサウンドとしての凄まじい疾走感、そして狂気的なほどのパンクに対する熱気とエナジーの一体感というのは鬼気迫るものがある。加えて、メタル寄りの速弾きのギターフレーズは、The Mad Cupsule Market、Cocobatといったヘヴィ・ロック勢と共に、2000年代前後のニューメタルの誕生を日本のシーンにおいて予見していた。

 

この後、2010年代近辺には日本のニュースクールハードコア勢が台頭するようになりますが、下記の1000 Travels Of Jawaharlalと共に、その素地を形成した最重要のグループです。  

 



 

『Burn The Enpty To The Ash』  2002



 

 

 

・1000 Travels Of Jawaharlal

 

北九州出身小倉出身のスリーピース・ハードコアバンド、1000 Travels Of Jawaharlalについては説明不要。このバンドなしには日本の2000年代のハードコアシーンを語ることが出来ない。

 

1000 Travels Of Jawaharlal

 北九州の小倉出身のハードコアバンド、1000 Travels Of Jawaharlal(ワンサウザント・トラベルズ・オヴ・ジャワハルラール)は、ワシントンDCのハードコアシーンのDiscordレーベルやボストンのハードコア直系の激烈なパンク・サウンドを逸早く日本にもたらしたシーンの最重要バンドです。

 

日本のニュースクール・ハードコア/ポスト・ハードコアの先駆的な存在ともいえるトリオですが、イギリスのフランキー・スタブス率いるパンクバンド、Leatherfaceのコンピレーション「VA/The Bastards Can't Dance  A Tribute To Leatherface」に、盟友、Navel,The Urchin,Spraypaintと参加しており、Snuffy Smile(s)と少なからず関わりを持ってきた。

 

このハードコアバンドは、米国のハードコアシーンに強い触発を受けつつも、それ以前のジャパニーズ・ハードコアの系譜も受け継いでいます。日本語で歌うパンク・パンドでありながら、アメリカやイギリスのハードコアバンドに引けを取らない世界水準の実力を持つ。日本国内でも、多数の野外イベントに出演し、他にも、一度、ヨーロッパの単独ツアーを決行し、多分、日本のパンク・バンドとして初めて、イタリアの地を踏んだバンドではないでしょうか。

 

1000 Travels Of Jawaharlalの魅力を端的に挙げると、何か、ふと考えさせられる思索的、思弁的な歌詞が激烈に紡ぎ出されるスタイルにある。Minor ThreatやNegative Approachのように、核心のみを叩きつけていくリリックは、ギャングスタ・ラップにも比するクールさが込められている。このバンドが唯一のフルアルバムとしてリリースした『Owari Wa Konai』は、凄まじいアジテーションに満ち、重戦車のような破壊力/マシンビートのような手数の多さをもち、バンドサウンドを牽引していく敏腕ドラムの迫力を体感することが出来る。伝説的なジャパニーズ・ハードコアバンドです。

  

 

 

『Owari Wa Konai』 2003 

 





・Off With Their Heads

 

Snuffy Smile(s)のカタログには、日本のバンドの他にも、J Chruch 、Bloccoという海外のメロディックパンクバンドを含んでおり、このレーベルからデビューした後にパンクシーンで有名になったのが、米国、ミネアポリスのメロディックパンクバンド、Off With Their Heads(オフ・ウィズ・ゼア・ヘッズ)です。
 
 

Off With Their Heads

 

後に、バッド・レリジョンの主宰する「エピタフ・レコード」から作品のリリースを行うようになり、アメリカでも著名なメロディック・パンクバンドになりました。

 

実は、このバンドが売れる以前から逸早く目をつけていたのが、日本のスナッフィー・スマイルでした。7インチのシングル「Off With Their Heads Split7”」で逸早くこのメロディクパンクバンドを世に送り出し、2007年、スナッフィースマイルズ主催の単独日本ツアーを敢行しています。

 

Leatherface、Hot Water Musicにも比する、激渋のパンクロックバンドという触れ込みで、当時、ディスクユニオンでは宣伝されていたような記憶がある。そのキャッチフレーズに違わず、実に、男らしい激渋のメロディック・パンクというのは、レザー・フェイス好きにはたまらないものがあるはず。もちろん、入手しやすい作品をまず聴きつつ、レア盤をあさってみるのがお勧めですよ。

 

特に、最初期の名盤「All Thing Moves Towards Their End」2007は、ハイ・スタンダードをはじめとするメロディックパンク好きは必聴の一枚。サッドパンクと称される哀愁漂う痛快なパンクロックサウンド、誇張抜きにカッコいい作品。 後のこのアルバムに収録されている「Big Mouth」は、LAのティーンネイジャーパンクバンド、The Linda Lindasがカバーしてますね。




 

『All Is Not Well』 2007

 

 

 

 

・Hi-Standard


ご存知、「Pizza of Death」を主宰する横山健のメロディック・パンクパンド、ハイ・スタンダードです。日本の歌謡的な雰囲気と英語の歌詞を擁するメロディック・パンクで一世を風靡しました。

 

Hi-Standard

 

Pizza of Deathからリリースされたスタジオ・アルバム『Growing Up』、続く『Making The Road』(Fat Wreck Chords Editonも後に発売されている)については、既にファンの間で知らない人はいない名盤扱いになると思いますが、それ以前のスナッフィー・スマイルから1994年リリースされたHi-Standardの幻の「In the Bright Moonlight」こそ、実質的なデビュー作となる。実際、その存在こそ、マニアの間で知られていながら、正直、これまで一回も聴いたことないです。どれくらいプレスされたのかもわからず、サブスクリプションでも公開されていない。

 

そもそも、スナッフィー・スマイルは、顧客から注文が来てからCDなりレコードなりを生産するレーベルスタイルをとり、余剰在庫をレーベル内に一切置かなかったため、現在、バックカタログの全作品が廃盤となってます。特に、この作品についても同じように、非常に入手な困難なレア作品となっていますので、お探しの方は、辛抱強くネットショップ関連を探すか、もしくは高円寺のレコード店やディスク・ユニオンのパンク館等で廃盤の中古を探してみて下さい。

 

 

 

Hi-Standard 『In The Bright Moonlight』 1994

 



 


・Snuffy Smile(s) コンピレーション作品についての補足

 
 
この他にも様々な隠れたメロディックパンクバンドがこのレーベルを通じて活躍した。徳島のMinority Blues Band、中京のNavel、東北のSpraypaint、福岡のPear Of The West、東京のThree Minute Movie、というように、素晴らしいバンドがこのレーベルから魅力的な作品をリリースしています。
 
 
これらのレーベルを象徴するバンドの有名曲を網羅したコンピレーションも発売されています。
 
 
下掲のコンピレーションは、レーベルの過渡期にリリースされたもので、京都に本拠を移した後にリリースされています。ライナーノーツには、歌詞、及び栄森氏のレーベル運営に関してのメッセージが記されてます。
 
 
 
『I Hope The End Is Always The Beginning V.A.』 2002


 

M(h)aol

ダブリンのポスト・パンクバンド、M(h)aolは、デビュー・アルバム『Attachment Styles』のリリースを発表した。この新作は2月3日にTULLE Collectiveからリリースされる。


新作アルバムの最新シングル「Asking For It」について、バンドのRóisín Nic Ghearailtは「2016年に最初に書いて、2020年に見直したんだ」と語る。

 

「歌詞の中にある内面的な被害者非難にショックを受けたんだ。それを書き直し、レコーディングして、2021年にウィメンズ・エイドのための資金調達のためにリリースしたんだ。アルバム・バージョンは2021年のものよりもずっと怒っていて、誰かが "それを求める "という概念がいかに滑稽であるかを強調しているという点で、ほとんど風刺的なんだ」


ベーシストのゾーエ・グリーンウェイが監督した新しいビデオも公開となった。ゾーエは「これは今までM(h)aolのために作った中で最も難しいビデオになった。Róisínの歌詞とパフォーマンスには非常に多くのパワーと感情が込められているので、彼女が伝えているこの経験を責任を持って繊細に描写し、それを正しく伝え、人々に関心を持ってもらうために一生懸命に取り組みました」


「このビデオを見て、人々に思いやりと共感を抱いてもらえたらと思います。性的暴行の被害者のトラウマ的な経験を認め、より希望的で協力的な癒しの旅への道筋を示す方法で、性的暴行に関するコミュニケーションのチャンネルを開くことが重要だと思うのです。より良い世界を作るためには、共感が最も重要だと思います」


動画は以下よりご覧ください。

 

 

 

 

M(h)aol  『Attachment Styles』

 

 

Label: TULLE Collective

Release: 2022年2月3日 


Tracklist:

1.Asking For It

2.Bored of Men

3.No One Ever Talks To Us

4.Bisexual Anxiety

5.Therapy

6.Nice Guys

7.Kim Is A Punk Type Dog

8.Cowboy Honey

9. Femme

10. Period Sex


 

Patrick Wolf ©Kim Jacobsen-To


 サウスロンドンのシンガーソングライターのPatrick Wolfが、2012年の2枚組アルバム『Sundark and Riverlight』以来となるニューシングル「Enter the Day」を発表した。ウルフは2022年のNMEアワードの複数部門を獲得しており、イギリスの新進アーティストの筆頭格に挙げられる。

 

この新曲は、来年に新レーベル”Apport”からリリースされる新作EP『Night Safari』の発表と同時に発表された。「Enter the Day」の試聴は以下からどうぞ。


「Enter the Day」についての声明の中で、パトリック・ウルフは次のように語っている。「海辺に住むために引っ越した時、新しい家の周りの土地を探索するために初めて散歩をした時、スズメや鷹が湾の入り口で静かに私の上を飛んでいた」

 

「その日の午後、私は家に帰り、アップライトピアノに向かってこの曲を書き始め、結局、The Night Safari e. p. の物語へのエピローグとなった。 プロデューサーとして、私はこの曲をSundark & Riverlightの悲しげなプロダクションから、新しいE.P.がリスナーをサファリに連れて行く場所への橋渡しとして作り上げました」


The Courtesy Of Apple Music

 

 カナダの伝説的な歌手、ジョニ・ミッチェルが11月12日(土)、Apple Music 1の番組『Elton John's Rocket Hour』でエルトン・ジョンと貴重な対談を行った。(対談の全編の模様はApple Musicに登録する必要がございますが、こちらからご試聴になることが出来ます。)
 
 
その会話の中でジョニ・ミッチェルは、今夏のニューポート・フォーク・フェスティバルでのサプライズ・パフォーマンスを記録したライヴ盤のリリースに取り組んでいることを明かした。

「音楽を通してあなたを見てきたし、もちろんあなたの信じられないようなリハビリもだけど、音楽はあなたをとても助けてきたし、あなたが進化していくのを見るのは美しいね」とジョンは語った。
 
 
「そしてそこにいる人たち、まだニューポート・フォーク・フェスティバルのものを聞いてないだろうけど、そこからアルバムが出ると思うんだけど?」するとミッチェルはこう答えた。「ええ、それをリリースしようとしてるんです」


続けて彼女は、公演に先立つリハーサルは「特に何もしていない」と明かした。ジョンが、彼女がギターを弾くために立ち上がったことを指摘すると、ミッチェルは「ええ、私が何をしたのか考えなければならなかったこと。それに、私の声はアルトになっちゃって、もうソプラノじゃないから、キーが歌えなかったの。で、ギターパートだけ弾いたら軽く思われるかなと思って、でもあの曲はギターパートが好きなんです。だからとにかく、とても好評で、とても嬉しかったのよ」
 

ジョニ・ミッチェルは来年、2023年7月10日にワシントン州ジョージのゴージ・アンフィシアターでブランディ・カーライルと共に「ジョニ・ジャム」コンサートを行い、ステージに復帰する予定だそうです。
 

Weekly Recommendation

 

Smut 『How The Light Felt』



 Label: Bayonet

 Release: 2022年11月11日


 

 


Review


 オハイオ州、シンシナティで2017年に活動を開始した5人組のインディーロックバンド、Smutは、Tay Roebuck,Bell Conower、Andrew Mins、Sum Ruschman、Aidan O' Connerからなる。Smutは、2017年の結成以来、Bully、Swirlies、Nothing、WAVVESとともに全国ツアーを制覇して来た。

 

 2020年にリリースされた『Power Fantasy』EPは、どちらかというと実験的な内容だったが、シンガーTay Roebuck(テイ・ローバック)を中心としたバンドは、現在、90年代の影響を受けた巨大なプールに真っ先に飛び込み、その過程でサウンドを刺激的な高みへと持ち上げている。

 

最新アルバム『How The Light Felt」では、OASISの作曲センスとCOCTEAU TWINSのボーカル、GORILLAZのパーカッシブなグルーヴとMASSIVE ATTACKの官能性を融合させている。


2017年に妹を亡くした後、ボーカルのテイ・ローバックは執筆活動に専心した。"このアルバムは、2017年に高校卒業の数週間前に自殺した妹の死について非常によく描かれている。 私の人生が永久に破壊された瞬間で、それは準備できないものだ "と。

 

こういった悲惨な状況にもかかわらず、ローバックは「How the Light Felt」で前を向き、痛みをほろ苦いカタルシスに変える厳格な誠実さを示している。最初のリードシングル「After Silver Leaves」は、たまらなく耳に残る曲で、他のアルバムと同様、"私たちを支えてくれる人たちへのラブレター "である。現在、バンドはオハイオからシカゴを拠点に移して活動している。

 

Smut


 シカゴのインディー・ロックバンド、Smutの新作『How The Light Felt』は、Beach Fossilsのダスティン・ペイザーが(当時のガールフレンドであり現在の妻)ケイシー・ガルシアとともに立ち上げた、ブルックリンのインディペンデント・レーベル、Bayonet Recordsからリリースされている。


元来、Smutは、シューゲイズの要素を強いギターロックをバンドの音楽性の主なバックボーンとしていたが、徐々にポップスの要素を突き出しいき、2020年のEP『Power Fantasy』ではドリーム・ポップ/オルト・ポップの心地よい音楽性に舵取りを進めた。セカンドアルバムとなる『How The Light Felt』は前作の延長線上にある作品で、ドリーミーでファンシーな雰囲気が満ちている。


バンドは、オルタナティヴ・ロック/シューゲイザーに留まらず、90年代のヒップホップやトリップ・ホップに影響を受けていると公言する。それらはリズムのトラックメイクの面で何らかの形で反映されている。このバンドの主要な音楽的なキャラクターは、コクトー・ツインズを彷彿とさせる暗鬱さ、恍惚に充ちたドリーム・ポップ性にある。そもそも、コクトー・ツインズもマンチェスターのクラブムーブメントの後にシーンに登場したバンドで、表向きには、掴みやすいメロディーを打ち出したドリーム・ポップが音楽性のメインではあるものの、少なからずダンサンブルな要素、強いグルーブ感を擁していた。Smutも同じように、ドリーム・ポップ/オルトポップの王道にある楽曲を提示しつつ、時折、エレクトロの要素、トリップ・ホップの要素を織り交ぜて実験的な作風を確立している。ハイエンドのポップスかと思いきや、重低音のグルーブがバンドの骨格を形成するのである。

 

 セカンド・アルバム『How The Light Felt』は、表向きには、聞きやすいドリーム・ポップであると思われるが、一方で、一度聴いただけで、その作品の全貌を解き明かすことは困難である。それは、ソングライターを務めるテイ・ローバックの妹の自殺をきっかけにして、これらの曲を書いていったというが、その都度、自分の感情にしっかりと向き合い、それを音楽、あるいは感覚的な詩として紡ぎ出している。


論理よりも感覚の方が明らかに理解するのに時間を必要とする。それらは目に見えず、明確な言葉にするわけにもいかず、そして、曰く言いがたい、よく分からない何かであるのだ。それでも、音楽は、常に、言葉に出来ない内的な思いから生ずる。そして、テイ・ローバックは、妹の死を、どのように受け止めるべきか、作曲や詩を書く行為を通じて、探求していったように思える。

 

このレビューをするに際して、最初は「明るいイメージに彩られている」と書こうとしたが、肉親の死をどのような感覚で捉えるのか。それは明るいだとか暗いだとか、二元的な概念だけでこの作品を定義づけるのは、甚だこのアーティストや故人に対し、礼を失しているかもしれないと考えた。


死は、常に、明るい面と暗い面を持ち合わせており、そのほか様々な感慨をこの世に残された人に与えるものだ。作品を生み出しても結果や結論は出るとは限らない。気持ちに区切りがつくかどうさえわからない。それでも、このアルバム制作の夢迷の音楽の旅において、このアーティストは、Smutのメンバーと足並みを揃えて、うやむやだった感情の落とし所を見つけるために、その時々の感情や自分の思いとしっかりと向き合い、故人との記憶、出来事といった感覚を探っていこうとしたのだ。

 

勿論、これらの音楽は必ずしも一通りの形で繰り広げられるというわけではない。もし、そうだとするなら、何も音楽という複雑で難しい表現を選ぶ必要がない。まるで、これらの複数の楽曲は、ある人物の人生の側面を、音楽表現として刻印したものであるかのように、明るい感覚や暗い感覚、両側面を持ち合わせた楽曲が展開されていくのだ。


「Soft Engine」では、比較的エネルギーの強いエレクトロポップのアプローチを取り、ダンサンブルなビートとオルト・ロックの熱量を掛け合わせ、そこにコクトー・ツインズのように清涼感のあるボーカル、そしてアクの強いファンキーなビートを加味している。

 

「After Silver Leaves」では、Pavement、Guided By Voicesを始めとする90年代のUSオルト・ロックに根差した乾いた感覚を追求する。そして、次の「Let Me Hate」では、いくらかの自責の念を交え、モチーフである妹の死の意味を探し求めようとしているが、そこには、暗さもあるが、温かな優しさが充ちている。夢の狭間を漂うようなボーカルや曲調は、このボーカリストの人生に起きた未だ信じがたいような出来事を暗示しているとも言える。曲の終盤には、ボーカルの間に導入される語りについても、それらの悲しみに満ちた自分にやさしく、勇ましく語りかけるようにも思える。

 

これらの序盤で、暗い感情や明るい感情の狭間をさまよいながら、「Believe You Me」ではよりセンチメンタルな感覚に向き合おうとしている。それらはドリーミーな感覚ではあるが、現実的な感覚に根ざしている。ギターのアルペジオとブレイクコアの要素を交えたベースラインがそれらの浮遊感のあるボーカルの基盤を築き上げ、そのボーカルの持つ情感を引き上げていく。


「Believe You Me」


 



 しかし、必ずしも、感情に惑溺するかぎりではないのは、アウトロのブレイクコアのようにタイトな幕引きを見れば理解出来、この曲では、感覚的な要素と理知的な要素のバランスが図られているのである。1990年代のギターロックを彷彿とさせる「お約束」ともいえる定型フレーズからパワフルなポップスへと劇的な変化を見せる「Supersolar」は、このアルバムの中で最も叙情性あふれるカラフルな質感を持った一曲となっている。しかし、それは、夕景の微細な色彩の変化のように、ボーカルとともに予測しがたい変化をしていき、現代的な雰囲気と、懐古的な雰囲気の間を常に彷徨うかのようである。新しくもあり、古めかしくもある、このアンビバレントな曲が、近年、稀に見る素晴らしい出来映えのポップスであることは間違いない。これは、メロディーやコード、理知的な楽曲進行に重点を置き過ぎず、その瞬間にしか存在しえない内的な微細な感覚を捉え、それを秀逸でダンサンブルなポピュラー・ミュージックとして完成させているからなのである。

 

その後は、このバンドらしいシューゲイズ/ドリーム・ポップ/オルト・フォークの方向性へと転じていく。「Janeway」ではシューゲイズに近いエッジの聴いたギターとこれまでと同様に夢見がちなボーカルを楽しむことが出来る。これらは、序盤から中盤にかけてのパワフルな楽曲とは正反対の内向的な雰囲気を持ったトラックである。この後のタイトルトラック「How The Light Felt」に訪れる一種の沈静は、内的な虚しさや悲しさと向き合い、それらを清涼感のあるオルト・ポップとして昇華している。その他、Joy Divisionのようなインダストリアル・テクノの雰囲気を漂わせる「Morningstar」やブレイクコアをオルタナティヴ・フォークのほどよい心地よさで彩った「Unbroken Thought」と、アルバムのクライマックスまで良曲が途切れることはない。

 

このアルバムは、人間の感覚がいかに多彩な色合いを持つのかが表されている。悲しみや明るさ、昂じた面や落ち着いた面、そのほか様々な感情が刻み込まれている。そして、本作が、ニッチなジャンルでありながら、聴き応えがあり、長く聴けるような作品となったのは、きっとバンドメンバー全員が自分たちの感情を大切にし、それを飾らない形で表現しようとしたからなのだろうか?

 

日頃、私達は、自分の感情をないがしろにしてしまうことはよくある。けれども、その内的な得難い感覚をじっくり見つめ直す機会を蔑ろにしてはならない。そして、それこそアーティストが良作を生み出す上で欠かせない要素でもある。Smutの最新作『How The Light Felt』は、きっと、人生について漠然と悩んでいる人や、悲しみに暮れている人に、前進のきっかけを与えてくれるような意義深い作品になるかもしれない。

 

 

90/100

 

 

Weekend  Featured Track「Supersolar」





昨日、米国のシンガーソングライター、Sharon Van Etten(シャロン・ヴァン・エッテン)は最新アルバム『We've Been Going About This All Wrong』のデラックス・エディションをリリースしました。アルバムのレビューは下記よりお読み下さい。

 

リリースに合わせて、このアルバムの収録曲「When I Die」のリリックビデオが公開されました。この曲のリリック・ビデオも公開されています。


Sharon Van Ettenは以前のプレスリリースで、リスナーがアルバム全体を一度に聴くことを望むことについて、次のように語っている。

 

「最初から最後まで、このアルバムは、私たちがそれぞれの方法で経験したこの2年間のジェットコースターを記録した感情の旅です。その旅に一緒に乗っていただければと思います。私の側にいてくれてありがとう」


以前、ヴァン・エッテンがアルバムの予告編を公開していた。このアルバムには彼女の2022年のシングル「Used to It」は収録されておらず、またデラックス・エディションにも収録されていない。


『We've Been Going About This All Wrong』は、Jagjaguwarから2019年にリリースされた『Remind Me Tomorrow』に続く作品である。


ヴァン・エッテンは『We've Been Going About This All Wrong』をダニエル・ノウルズと共同制作し、ロサンゼルスの実家に新設した特注スタジオでそのほとんどを自らレコーディング、エンジニアリングしている。Van Ettenはこのアルバムでギター、シンセサイザー、ピアノ、ドラムマシン、ウーリッツァー、鍵盤などを演奏していますが、ドラムにJorge Balbi、ベースにDevon Hoff、シンセサイザーとギターにライブ音楽監督のCharley Damskiという彼女の通常のツアー・バンドが参加しています。


ヴァン・エッテンは、前回のプレスリリースで、「今回のリリースでは、アルバム全体をひとつの作品として提示するために、これまでとは異なるアプローチで、意図的にファンを巻き込みたかった」と語っています。「この10曲は、希望、喪失、憧れ、回復力といったより大きな物語が語られるように、順番に、一度に聴くことができるように設計されている」


アルバム・ジャケットについて、ヴァン・エッテンはこう語っている。「必ずしも勇敢ではなく、必ずしも悲しくもなく、必ずしも幸せでもない、全てから立にち去る私をイメージして、それを伝えたかった」

 

 

 

 

 

 Sharon Van Etten  『We've Been Going About This All Wrong』 deluxe edition



 

Label: jagujaguwar

 

Release: 2022年11月11日

 


Review 

 

オリジナル盤は5月に発売され、軒並み、海外のレビューは概ね好評であったものの、傑作以上の評価まで到達したわけではなかった。この作品のレビューを飛ばしたのは、その週に多くの注目作がリリースされたことがあったのが1つ、そして音楽性の本質を掴むことが出来なかったという理由である。

 

アルバムは、ロックダウン中、LAの自宅のスタジオでレコーディングされた。5月に聴いた際には、オープンニングトラック「Darkness Fades」を始め、重苦しい雰囲気に充ちた楽曲が印象的であった。これは、シャロン・ヴァン・エッテンが、この作品に、家族との生活を通して見る、内面の探求というものがテーマに掲げられているからだと思う。このアルバムは非常に感覚的であり、抽象的な音楽性であるためか、第一印象としては影の薄い作品の一つだった。


ところが、このアルバムは聴いてすぐ分かるタイプの作品ではないのかもしれないが、少し時間を置いて改めて聞き返したとき、他のアルバムより遥かに優れた作品であることが理解出来る。アルバムの出足は鈍さと重々しさに満ちているが、徐々に作品の終盤にかけて、このシンガーの存在感が表側に出てきて、クライマックスでは、このアーティストらしい深い情緒が出てきて、その歌声に、神々しい雰囲気すら感じられるようになるのである。特に、オリジナル盤の収録曲として、#7「come back」と#8「Darkish」が際立っている。この2曲は、このアーティストのキャリアにおける最高傑作の1つと言っても差し支えなく、ダイナミックさと繊細さを兼ね備えた傑出したポップミュージックであるため、ぜひとも聞き逃さないでいただきたい。

 

しかし、全般的に高評価を与えられたにも関わらず、傑作に近い評価が出なかったのには原因があり、全体的に素晴らしい作品ではあるものの、オリジナル盤は、展開が盛り上がった来た時に、作品の世界が閉じてしまうというような、いくらか寂しさをリスナーにもたらしたのも事実だったのだろうと思われる。これらは5月の始めに聴いた時も思ったことで、オリジナル・バージョンについては作品自体が未完成品という感もあり、聞き手が、この音楽の世界にもっと浸っていたいと思わせた瞬間に、作品の世界が終わり、突如として遠ざかっていってしまったのである。つまり、この聞き手の物足りなさや寂しさを補足する役目を果たすのが、今回、4曲を新たに追加収録して同レーベルからリリースされたデラックスバージョンなのではないかと思う。

 

オリジナルアルバム発売の直前に公開された、Covid-19のロックダウン中の閉塞した精神状態からの回復について歌った「Porta」や、同じく発売以前に公開された「I Used To」といったスタイリッシュな現代的なシンセ・ポップが追加収録されている。二曲目は、曲名が似ているが、昨年リリースされたエンジェル・オルセンとのフォーク・デュエット曲「Like I Used To」とは別作品となっている。これらの曲については、アーティスト本人が、この最新アルバムの収録曲にふさわしくないと考えたかもしれない。


しかし、改めてこのデラックス・バージョンを聴くと、作品の印象が一転しているのに気がつく。不思議なことに、オリジナルバージョンでなくて、今回発売されたデラックスバージョンこそが完成品なのではないかと思えてくる。デラックスバージョンとして見ると、名盤に近い、傑出した作品である。

 


95/100

 

 

Feature Track 『Come Back』

 



 

Slaney Bay ©︎Henry Arger

 ロンドンの新鋭インディーロックデュオ、Slaney Bay(スレイニー・ベイ)が、5曲収録のデビューEP「A Life Worth Living」を発表しました。
 

このプロジェクトに先立ち、「Take Your Time」、「I Could Love You Better」、「LS6」の3枚のシングルがリリースされました。残りのアルバム2曲は、本日11月11日に自主リリースされました。
 

インディーロックトリオの5曲入りEPは、圧倒的な世界で自分らしさを発見するために避けられない苦悩を受け入れ、栄光と絶望の中にあるバンドの青春を探求しています。
 

"それぞれの曲は、私たちの成長という包括的な物語の異なる章を表しています "と彼らは詳しく説明しています。「親から自立することへの罪悪感から、初恋の人へのドラマチックな憧れ、そして最高の友情の喪失まで、私たちの人生をありのままに映し出したレコードです。この激しい感情の渦と人格形成の経験が、あなたの人生を生きる価値あるものにするのです」と語っています。
 

Slaney Bayの「A Life Worth Living」はこちらで試聴できます。トラックリストは以下の通りです。
 
 
 
 
 
Slaney Bay 『A Life Worth Living』




 
Label: Slaney Bay

Release: 2022年11月11日
 

Tracklist:

1. I Could Love You Better
2. Hot Glue
3. Take Your Time
4. LS6
5. What If?

 

The Regrettes

LAのポップバンド、The Regrettesは、昨日、最新アルバム「Further Joy」のデラックス盤のリリースした。更に、3曲のリリックビデオを公開している。


この12曲収録のオリジナル・アルバムは4月にワーナー・レコードから発売され、Dorkの4つ星レビューでは「正直であることを恐れないアルバムだが、だからといって将来への希望を排除すべきとは考えていない」と評されている。シンガーのリディア・ナイトは、サード・アルバムのリリースは「恐怖と解放が同居している」と、最近のDorkの特集で認めており、この特集はオンラインで読むことができます。


本日発売となった「Further Joy (Deluxe)」にはオリジナル盤の収録曲に加えて、「Dummy」「Shapeshifter」「Answer」の3曲が収録されており、LAのカルテットは、「皆さんと共有することにとても興奮していた、本当に特別な曲ばかり」だと述べている。

 

 

 「Answer」  Lyric Video 

 

 

 

「Dummy」Lyric Video


 

 

「Shapeshifter」 Lyric Video

 

 

 

The Regrettesの「Further Joy (Deluxe)」の全曲ストリーミングはこちらで聴くことができます。




The Regrettes  「Further Joy (Deluxe)」

 

 

Label: Warner

Release:2022年11月11日

 

 

Tracklist:

 

1. Anxieties (Out of Time)
2. Monday
3. That’s What Makes Me Love You
4. Barely on My Mind
5. Subtleties (Never Giving Up On You)
6. La Di Da
7. Homesick
8. Better Now
9. Rosy
10. You’re So Fucking Pretty
11. Step 9
12. Nowhere
13. Show Me You Want Me
14. Dummy
15. Shapeshifter
16. Answer




Listen/Stream:



https://theregrettes.lnk.to/FurtherJoyDeluxe

Låpsley
 

 イギリスのシンガーソングライターLåpsleyが、3rdアルバム『Cautionary Tales Of Youth』の4thシングル「Hotel Corridors」を発表しました。


「Hotel Corridors(ホテル・コリドー)」は、20代のキャリアや友人関係、激しい恋愛関係における予期せぬ紆余曲折のメタファーである」とLåpsleyは説明している。

 

「あるドアは新しいポジティブな経験につながり、あるドアはあなたをスタート地点に連れて行き、あるドアはあなたが想像するよりもずっと後ろに後退させる。部屋へと続く果てしない廊下の地雷原で、無数のキーカードを渡され、どうにかして大人になってからどうすればいいのか考えることになるんだ!」と説明しています。


「このトラックは、私とコラボレーターであるジョー・ブラウンのトッテナムのシェアスタジオでロックダウン中に”Smoke and Fire”と同じ週に作られました」と彼女は付け加えます。「彼がUKサウンドのガレージ・ビートをセッションに持ち込んで、私たちはピアノでジャムって、すぐにこのトラックを完成させたの。ロックダウンのアイソレーションは思いがけない内省の時間であり、最終的には現代生活のカオスを受け入れるためのポジティブな触媒になったと思う」

 

「今後数ヶ月の間に、このレコードの様々な物語を案内する」と、Låpsleyは今後発表される更なる作品について約束している。「私は自分の芸術性の中で、これほどまでに本当の自分らしさを感じたことはありません」


「Hotel Corridors」のストリーミング試聴はこちらから、オフィシャルミュージックビデオは以下からご覧いただけます。

 


 

The 1975 /The Tonight Show Starring Jimmy Fallon


The 1975が11月10日(木)、米国のトーク番組”The Tonight Show Starring Jimmy Fallon”に出演し、シングル「I'm in Love With You」を披露しました。その模様は下記でご覧いただけます。


The 1975は現在、最新アルバム『Being Funny in a Foreign Language』を引っさげてのアメリカでのツアーを行っています。本作には「I'm in Love With You」に加え、先行シングル「All I Need to Hear」、「Happiness」、「Part of the Band」が収録。先月、バンドは、BBC Radio 1の”Live Lounge”に出演し、Take Thatの「A Million Love Songs」のカヴァーを披露しています。

 

 

Yazmin Lacey

イースト・ロンドンを拠点とするネオ・ソウル・シンガー、Yazmin Lacey(ヤズミン・レイシー)が、待望のデビュー・アルバム『Voice Notes』を2023年3月3日にOwn Your Own Records/Believeよりリリースすると発表しました。(先行予約はこちらから)

 

Dave Okumuがエグゼクティブプロデューサーを務めるこのアルバムは、2年の歳月をかけて書き上げられたものです。

 

今回、公開された先行シングル「Bad Company」は、「Pieces」に続く作品。レイシーの内なる悪魔との関係について歌っています。「私は彼女をプリシラと呼ぶのが好きで、私たちは愛憎関係にあるけれど、何年もの間、私は彼女/私と和解するようになったわ」と彼女は声明で説明しています。
 
「私たちはしばしば自分自身の醜い部分を無視したいと思うけれど、それを認めることには何か力強さと謙虚さがあるのよ、結局のところ彼女はどこにも行かないんだから!」と彼女は説明しています。


 


Yazmin Laceyの新作アルバム『Voice Notes』はMUSIC TRIBUNEの3月3日の記事で特集しています。詳細はこちらから。

 

Machester Orchestra


 アトランタのインディーロックバンド、Manchester Orchestra(マンチェスター・オーケストラ)がニュー・シングル「No Rule」をリリースした。

 

2021年のアルバム『The Million Masks of God』のレコーディング・セッションから生まれたこの曲は、バンドのリード・ソングライター・デュオ、Andy HullとRobert McDow、そしてCatherine MarksとEthan Gruskaによって制作された。

 

「我々は、世界に我々の新曲「No Rule」をリリースすることを非常に誇りに思っている」とアンディ・ハルはプレスリリースで述べている。

 

「"Million Masks "のセッションで書かれ、作業されたこの勇敢な魂は、他の曲よりも調理に少し時間がかかりました。楽しんでいただければ幸いです。オール・ラヴ。M.O.」


 

The Coutesy Of Artist


NYの声楽家/パフォーマー/演出家として世界的に活躍する、Meredit Monk(メレディス・モンク)が、本日、11月11日、ドイツのECMから13枚組のボックスセットをリリースした。このリイシューはこれまでのキャリアを総括する作品となり、アーティストの80歳の誕生日を記念して発売される。



作品紹介


モンクは、芸術の歴史において決して存在しなかった世界を描き出した。内臓と幽玄、生と歓喜が同居する彼女の作品は、都市生活の偽りの複雑さを追い払い、地下文明の一種を明らかにする。"時代を超えた力を歌い、踊り、瞑想する。

 

アレックス・ロス、『ニューヨーカー』誌


『ザ・レコーディングス』は、メレディス・モンクの80歳の誕生日に、これまでのECMニューシリーズの全ディスクをまとめたボックスセット・エディションである。ベルリンの壁崩壊以前のドイツで録音された1981年の『ドルメン・ミュージック』で、メレディスはECMの録音で初めて女性ボーカルのフロント・パーソンとなった。

 

本作に収録されているのは、「ドルメン・ミュージック」「タートル・ドリームス」「ドゥ・ユー・ビー」「ブック・オブ・デイズ」「フェイシング・ノース」「ATLAS」「ボルケーノ・ソングス」「慈悲、無常、ソングス・オブ・アセンション」「ピアノ・ソングス」「オン・ビハーフ・オブ・ネイチャー」といった名作アルバムである。どの作品も深い啓示に満ちています。

 

この美しいデザインのボックスセットには、オリジナルのライナーノーツに加え、新しいテキストやインタビューが300ページに及ぶブックレットとして収録されています。さらに、フランク・J・オテリによる紹介エッセイ「メレディス・モンクの世界」、メレディスの自伝的文章「魂の使者」、マンフレッド・アイヒャーによる序文が併録されています。


 



Meredith Monk 『The Recordings』




Label: ECM

Release: 2022年11月11日



 Official-order:


https://ecm.lnk.to/MeredithMonkTheRecordingsID




Meredith Monk  -Biography-



 作曲家であり歌手でもあるメレディス・モンクの作品は、常にカテゴライズされることを拒んできた。


 1964年に始まったプロとしてのキャリアを通じて、彼女は音楽やダンスだけでなく、映画、インスタレーション、サイトスペシフィック作品など、さまざまな分野で実験を行うだけでなく、頻繁に新しい道を切り開いてきた。特に、現在では学際的なパフォーマンスや拡張された声楽技法のパイオニアであり、「声の魔術師」と賞賛されている。

 

 メレディス・モンクは1942年にニューヨークで生まれ、サラ・ローレンス大学で学んだ。1960年代初頭、彼女は多面的な楽器としての声の探求を始め、ドローンを作り出し、モードを探求し、言葉を使わない発声をする能力を身につけた。その後、無伴奏の声や声とキーボードのためのソロ作品を数多く作曲し、演奏している。1968年、モンクは学際的なパフォーマンスを目的としたカンパニー、ザ・ハウスを設立し、その10年後、彼女の音楽のテクスチャーとフォームの幅をさらに広げるためにメレディス・モンク&ボーカル・アンサンブルを設立しました。

 

 『ドルメン・ミュージック』(1981年)以来、モンクはECMのニューシリーズで12枚以上の録音を行い、2008年のグラミー賞にノミネートされた『impermanence』や、モンクの初期の作品には珍しく声と楽器を組み合わせた高い評価を得た『Songs of Ascension』(2011年)などがあります。『ブック・オブ・デイズ』(1990)はECMのプロデューサー、マンフレッド・アイヒャーによって「耳のための映画」と評され、同名の映画に起源を持つ。『ピアノ・ソングス』(2014)は、ニューミュージックの最も優れた解釈者であるアメリカのピアニスト、ウルスラ・オペンスとブルース・ブルーベイカーの2人が演奏し、彼女の楽器による作品の、同時に直接的、特殊、想像的であまり知られていない側面に光を当てるものである。

 

 トム・サービスは、モンクの「並外れた叫び声や呪文のような言葉なきアクロバット」を賞賛し、彼女の偉大な功績はそれらを「完全に、自然で、中心的で、本質的な」ものにすることだと付け加えている。ワシントン・ポスト紙の言葉を借りれば 「独創性、範囲、深さにおいて、彼女に匹敵する者はほとんどいない。メレディス・モンクは、1995年のマッカーサー財団「ジーニアス」賞をはじめ、数多くの国際的な賞を受賞している。2015年にはホワイトハウスでオバマ大統領から米国の国家芸術勲章を授与された。


ECM 公式サイトより抜粋

 


slowthaiが新曲「I Know Nothing」を公開しました。この曲はBeats By Dreのサッカー広告キャンペーンのサウンドトラックとなっています。この曲はUK出身のラッパー、Dan Careyと共同プロデュースしたもので、下記からチェックできます。


昨年、セカンドアルバム『Tyron』をリリースしたslowthai。今週、彼はソーシャルメディアを通じて、すでに次のアルバムのレコーディングを終えたと発表しました。


 


BROCKHAMPTONがファイナル・アルバム『The Family』からの新たなシングルを公開した。先週の「Big Pussy」に続き、「The Ending」はBoylifeがプロデュースし、再びKevin Abstractがリードしている。この曲には、Joshuah Melnickが監督したビデオも収録されており、以下で確認することができます。


The Familyは、Question Everything/RCA Recordsから11月17日にリリースされる予定です。


The Arcs ©︎Alysse Gafkjen


 米国のガレージロックバンド、The Arcsが、新作アルバムElectrophonic Chronic』からの第2弾として「Heaven Is a Place」を公開した。リードトラック「Keep On Dreamin」に続き、Robert "Roboshobo" Schober監督によるビジュアルが公開された。以下よりご覧ください。


『Electrophonic Chronic』は、Dan Auerbach率いるグループの2015年のデビュー作『Yours, Dreamily』に続く作品で、バンドメイトのRichard Swiftが亡くなってから初のアルバムとなる。アウアーバックのイージーアイ・サウンドから1月27日にリリースされる予定となっている。