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今月、ナッシュビルのフォーク/カントリーロック・シンガーソングライター、Caitlin Rose(ケイトリン・ローズ)は、約10年ぶりの新作アルバム『CAZIMI』を11月18日にリリースする予定です。

 

今回、ケイトリン・ローズは、先行シングル「Black Obsidian」に続く、ニューシングル 「Getting It Right 」を公開した。

 

このシングルは、先月、ニューアルバム『Loose Future』をFat PossumからリリースしたCourtney Marie Andrews(コットニー・マリー・アンドリュース:アリゾナ州フェニックス出身のシンガーソングライター)と共に作曲された。

 

この曲について、ケイトリン・ローズは次のように語っている。

 

「数年前、私は、コートニーのファースト・アルバムに惚れ込んだ。しばらく共同作曲をしていたんだけど、本当にコラボレーションしたい作家やアーティストに焦点を当て始める必要があることに気付いた。

 

その欲求を満たすようなことはあまりしていなかったので、彼女のDMに忍び込んで、彼女が街にいるときはいつでも書きたいと提案したんです。幸運にも彼女はすでに街にいて、とても暑い午後をパティオで占星術や音楽の話をして過ごし、私がいつも思っているようなちょっとしたバンガーのようなものを作って帰りました。

 

 このアルバムのアンセムは、過ぎ去ったすべての時間と、数年間私が陥っていた穴の中にあるような気がします。何一つまともなことができないような失望感。しかし、自分自身の素晴らしい旅の瀬戸際にいる人と話をしたり、何かを作ったりすることは、本当に新鮮でした。その日、私自身の皮肉も少し解消され、私が実際にこの分野に再突入するまでにはあと数年かかりますが、この曲は私を正しい方向へ導いてくれたのは間違いありません」


新曲のMVと同時に、ケイトリン・ローズはスタジオライブの映像も公開している。映像では、ローズ、アンドリュースと共同プロデューサーであるジョーダン・レーニングが、"Getting It Right"の美しいアコースティックバージョンを歌っています。これらの映像は以下にてご覧下さい。


 

 

 

 


 Aoife Nessa Frances  『Protector』

 


 

Label: Partisan

Release: 2022年10月28日


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Review

 

2020年、デビュー・アルバム『Land of No Junction』をリリースした後、イーファ・ネッサ・フランシスは、パンデミックに直面し、父親とともに、出身地である首都ダブリンから西に向かい、クレア州へと向かいました。

 

その後、イーファ・ネッサ・フランシスは、日記を記したり、散歩をしたり、また独学でタロットを学び、天体の運行にも興味を持つようになったという。これらの新たな習慣と合わせて、彼女の若い時代のヒーローたち、ゲンスブール、ニルヴァーナ、ホワイト・ストライプス、カニエ、そして、アイリッシュ・フォークからテクノミュージックまで広範な音楽の背景に思いを馳せることは決して、このセカンド・アルバムを生み出す上で何ら無関係であるとは言いがたい。


このセカンド・アルバムは、ニコ、ブロードキャスト、オルダス・ハーディングといった古い時代から現代にかけての個性的な女性シンガーソングライターの作品を彷彿とさせます。それらのマテリアルは、常に、上記のクレア州の風光明媚な海岸、牧歌的な風景、そして幻想的な情景と分かちがたく結びついている。これらの楽曲を父親の家の裏にある小屋でアイルランドの歌手、イーファ・ネッサ・フランシスは、ゆっくりと時間をかけて書き上げていったのです。

 

『Protector』は、アイリッシュ・フォーク、それも古い時代の民謡からの影響も感じさせる。その点では、アイルランドの固有言語のコーニッシュ語で歌われているわけではないけれども、今年マーキュリー賞にノミネートされたGwennoの『Tresor』音楽性にも近い性質を持つ。そして、これらの楽曲は親しみやすく、メロディー・エコーズ・チャンバーのようにドリーミーであり、ハーディングの不条理ポップの興趣もある。さらにネッサ・フランシスの歌声は常に瞑想的であり、身近な日常の風景、生活を寿ぐかのような雰囲気に彩られている。

 

そして、これらのフォークミュージックのアプローチをより個性的にしているのが、サイケデリックの要素です。古めかしいオルガン、フランジャーをかけたエレクトリックギター、落ち着いたアコースティックギター、曲調に反してダイナミックなドラム、そして対旋律的なアプローチをとるベースライン、オーケストラ楽器のハープ、 ホルン、これらの楽器が緻密に組み合わされることによって、『Protector』持つ世界観は構成されていく。このアルバムは全般的に、内省的な響きを感じさせるが、それは同時に外向きな心地よさにも焦点が当てられています。


特筆すべきなのは、その中にもこのアーティストの無類の音楽ファンとして表情を見せ、時折、オルガンの音色は、ザ・ドアーズの名曲のように、サイケデリックな色合いを帯びる。しかしながら、それらは極彩色のサイケではなく、常に落ち着いたイーファ・ネッサ・フランシスの抑制の聴いた歌声に中和されることで、全編にわたって温和な響きが絶妙に維持されているのです。

 

この作品は、細やかな日々にまつわる感情や出来事を丹念にしるした日記のようでもある。それは叙事的な響きを持ち合わせており、抒情的でもある。そして、それらは改めて混乱していた時代の中で、フォーク音楽を介し、みずからの内面に起こった出来事をひとつずつ解き明かしていくかのようでもある。言い換えれば、絡まった糸を手作業でひとつずつ解いていくような作業でもあるのです。本作のサイケ・フォークは、タロット的な天体と人体における関連性にもとづいた考えから導かれるミステリアスな趣を持っていますが、それらの中には、アイルランドという土地と関連を持たぬ人々にも共鳴する一般的な何かが込められているように思える。それは平らかで心温まる情景に接したいという渇望にも似た感覚である。それらの内的な省察を踏まえ生み出された本作は、常に、このシンガーが2020年のアイルランドのクレア州の美しい海際の風景と接し、デジタルが氾濫する世界と一定の距離を置いたからこそ生み出されたレコードであるのかもしれません。

 

このセカンドアルバム『Protector』の楽曲は、情報過多になりがちな現代人の心にちょっとした束の間の休息や治癒を与えてくれるでしょう。いわば無数の混沌の中の東屋、退避場ともなる作品であると共に、隙間のない空間に、心地よい余地、ほどよい空白をもたらしてくれる音楽となるはずです。

 

 

78/100

 

 

Featured Track「Emptiness Follows」


 

Old Fire & Bill Callahan


11月4日(金)にリリースされるアルバム『Voids』に先駆け、Old FireはBill Callahanと再びタッグを組み、4枚目のシングル「Corpus」を発表しました。

 

Bill Callahanをフィーチャーした "Corpus "は、Julia Holterをフィーチャーした "Window Without a World"、Adam Torresをフィーチャーした "Dreamless"、Bill Callahanとのコラボレーション "Don't You Go "と共にVoidsに収録されており、John Mark LaphamことOld Fireは、「10年以上前から非常に異なるバージョンのこのトラックを持っていました」と語っています。



Laphamは、「この曲は、歪んだエレキギターのループとトライバルドラムが入った、暗くて湿地のようなダージとして始まったんだ」と説明する。

 

「ビル・キャラハンが参加したとき、状況はかなり変わった。最初は "Mephisto "というタイトルで、背中を離さない悪魔のことを歌詞にしたものだった。ビルが全く違うイメージを持ってきたので、トラック全体が別のものに変化していきました。デヴィッド・リンチがプロデュースしたTalk Talkはどんな音だろうと想像してみたら、こんな感じになりました」


Voidsは5年の歳月をかけて制作され、Emily Crossをはじめとするゲストボーカルを迎えているほか、アルバムの他の部分は完全なインストゥルメンタルとなっています。

 

 

©︎Meadow Florence Marks

 UK/ブリストルのシンガーソングライター、Clara Mannが新曲「Travelling Clothes」を公開しました。

 

この曲は、シンガーソングライターのインディーフォークの特性を活かし、ギターとストリングスのシンプルな伴奏によりゴージャスに彩られています。クラシックミュージックへの傾倒性は、曲に奥行きと高らかな気品をもたらす。クララ・マンの伸びやかなビブラートの特性が最大限に発揮された一曲となっています。

 

この曲「Travelling Clothes」は、先に公開された「Go Steady」と「Thread」と合わせて、彼女の近日発売予定のEP『Stay Open』に収録されます。クララ・マンの新作EP『Stay Open』は11月1日に"7476"からリリースされる予定です。2021年のEP『Consolations』に続く作品となります。

 

  


 

米国のシンガーソングライター、Julien Baker(ジュリアン・ベイカー)が3枚目のLP『Little Oblivions』のレコーディング・セッションから未発表の3曲を収録した『B-Sides EP』をリリースしました。 


Matador Recordsからリリースされたこの3曲入りEPには、Bakerが6月にドロップした "Guthrie "が収録されている。他の2曲は "Vanishing Point" と "Mental Math "である。

 

Bakerは昨年『Little Oblivions』をリリースし、そのアルバムからHelios、Half Waif、Gori、Jesuといったアーティストがリミックスやリワークした曲を集めたEP『Little Oblivions Remixes』を発表している。


ミュージシャンは、Sharon Van EttenとAngel Olsenと共に北米で共同ヘッドライナーを務めるThe Wild Hearts Tourの一員として、この夏ツアーを行っています。