LAを拠点に活動するシンガーソングライター、SASAMIが、7月29日(金)、The Late Show With Stephen Colbertシリーズの「Late Show Me Music」に出演を果たし、シングル「Call Me Home」のパフォーマンスを披露しています。ライブパフォーマンスの模様は下記でご覧下さい。


「Call Me Home」は、今年2月に発売されたSASAMIの2ndアルバム『Squeeze』(日本の妖怪”濡女”にインスピレーションを受けて制作がなされたという)に収録されている楽曲です。彼女は先日、このアルバムのリリースを記念して行われた、HAIM、Mitskiとの大規模なツアーを終えました。


 

Joni Mitchell  Credit: Joel Bernstein


Joni Mitchellは、彼女のアーカイヴ・シリーズの次作となる『The Asylum Albums (1972-1975)』を発表した。このボックスセットはRhinoから9月23日にリリースされる予定です。


9月23日にリリースされるこのアルバムには、『For the Roses』(1972年)、『Court And Spark』(1974年)、ダブル・ライブ・アルバム『Miles Of Aisles』(1974年)、『The Hissing of Summer Lawns』(1975年)のリマスター版が収録されています。


ジョニ・ミッチェルはリプライズレコードを経て、1972年にアサイラム・レコードに入社した。アサイラムでの最後のスタジオ・アルバムは、ジャズ界の伝説的人物チャールズ・ミンガスとのコラボレーションである1979年の『ミンガス』となった。この新コレクションは、Vol.1: The Early Years (1963-1967) と Vol.2: The Reprise Years (1968-1971) に続くミッチェル・アーカイブ・シリーズの第3弾となるものです。


この週末、ミッチェルは、米国のニューポート・フォーク・フェスティバルにサプライズ出演し、数年ぶりにフル・ライブを行った。

 

彼女はブランディ・カーライルと共に、「A Case of You」や 「Both Sides Now」等のミッチェルの往年の名曲を披露、さらに、ミッチェルは「Just Like This Train」のギターソロも演奏を行っています。


 


Maggie Rogers  『Surrender』

 

 

 

 Label: UMG Recordings

 Release:  2022年7月29日

 




 Review 

 

 ニューヨークのミュージックシーンで強い存在感を放つマギー・ロジャース。最初は、ニューヨーク大学のマスタークラスに参加した際、ファレル・ウィリアムズ(ザ・ネプチューンズ、N.E.R.Dの活動で知られる米国のプロデューサー)の前で「Alaska」の音源をかけ、ウィリアムズに激賞されたことから、このシンガーソングライターのキャリアは始まった。その後、マギー・ロジャースは、順調に、急くことなく作品をコンスタントにリリースを続けた。

 

音楽ジャーナリズムの知性に裏打ちされた詩、そして、多彩で情感を損なうことのない良質なポピュラー・ソングを生み出し、デビュー・アルバム『Heard It In A Past Life』で多くの人の心を捉えることに成功した。このアルバムで、グラミー賞の最優秀新人アーティスト部門にノミネートされたロジャーは、実力派シンガーとして多くの耳の肥えたリスナーに膾炙されようとしていた。


そして、二作目のアルバム『Surrender』は、シンガーソングライターとしての成功の道のりを着実に進みつつあることを証明してみせている。本作は三つの拠点にまたがり、レコーディグが行われている。また、エンジニアには、マギー・ロジャースのほか、キッフォ・ハープーン、デルウォーター・ギャップ、ゲイブ・グッドマンという面々がこのプロダクションに参加している。

 

マギー・ロジャースは、ダイナミックで抑揚のある歌唱法、情感を押し引きを理解し、曲の中でどのようにその情感を引き出すのかを熟知している。そこがこのシンガーソングライターの最大の美点として挙げられる。 このシンガーの最大の迫力は、これまでの著名な女性シンガーのステレオタイプの性質とはおよそ異なるものであり、女性らしい特有の高音域を活かすのではなく、特に中音域をえぐるように、もしくは、うねるように歌った後にやってくるサビでの高音域のメロディーを歌い上げるとき、その本来の真価のようなものが突如発揮され、聞く人を圧倒するすさまじいパワーが引き出される。マギー・ロジャースの歌声は、ダイナミックでありながら奇妙な落ち着いた情感を兼ね備えている。つまり、このシンガーソングライターはダイナミックさを引き出す時にも冷静さを欠かさない。これまであまりいそうでいなかったようなタイプの表現力を擁している。

 

Maggie Rogers
 

 マギー・ロジャースは、前作のフルアルバム「Heard It in a Past Life」で起用した制作パートナー、Kid Harpoonと継続して制作を行い、両親のガレージ、ニューヨーク市のエレクトリックレディ・スタジオ、さらに、イギリスのバースにあるピーター・ガブリエル(ジェネシス)の所有するリアル・ワールド・スタジオで「Surrender」の録音を行っている。ロジャースは、2020年のはじめ、メイン州沿岸を離れた後、好評を博したデビュー・アルバムを取り巻くセンセーショナルな話題から意図的に身を遠ざけ、静かな環境で新しいレコードの制作を行った。

 

そして、最初のシングル「That's What I Am」がリリースされた際に、以下のようなマギー・ロジャースはメッセージを添えている。おそらく、ここに、この作品を読み解く鍵があるように思える。

 

「That's What I Am」は私が長年持ち歩いてきた物語であり私の人生に長年繰り広げられてきた愛の物語です。

 

近年の酷い孤独とCovid−19のソーシャルディスタンスの中で、それは私の旧来からの閉所恐怖症におけるファンタジーの背景となりました。見知らぬ人を見つめるだけで感じられる喜び、夜が展開する方法、自発的に決断を下すのではなくて、一日を中断する様々な他動的な出来事・・・。私は、誰かが私に汗を流すようなことをしてほしいと切望していた。

 

そういった街の音楽と人々の態度は、今回のレコード制作を行う上で大きなインスピレーションとなりました。これらすべての理由からMV撮影を行う場所は、一つしか考えられませんでした。

 

私は、かねてから、ニューヨークは瞬くような魅力を持った都市であると信じ込んでいたんです。今回のMVは、ラブストーリーが描かれていて、映像を通して紡がれていく物語は、友達、友人、敵という様々な登場人物を介して描かれていきます。ミュージックビデオ撮影が行われた日・・・

 

「あの日、不思議なことに、ニューヨークという街が私の味方をしてくれているように感じられました。あの日、私は、本当の春のニューヨークを味わうことが出来たんです。

 

街にいるすべての人々が半袖を着て、歩道でタバコをぷかぷかと吹かし、ジントニックを飲みながら朗らかに歩いている。その時、ダウンタウンの野性的な爆発のような強いエネルギーを感じました。今回、私のかねてからの空想は・・・デヴィッド・バーン、ザ・ウォークメンのハミルトン・リーサウザー、そして写真家のクイル・レモンなど、ニューヨークの古典的なキャラクターの登場によって、完全な形になったのです」

 

以上のロジャースのコメントからも分かる通り、この最新アルバムのレコーディングは、パンデミックにおけるロックダウンから、ニューヨーク、そして世界全体が閉じた空間「ソーシャルディスタンス」という分離感の強い時代から開放されていく、2020年代初頭の明るい気風がおおらかに表されている。それは言い換えれば、奇妙な開放感、暗澹たる時代から脱出し、”正常な世界へと少しつづ還っていく”という希望に満ちたテーマが掲げられているようにも思える。

 

数年前までは、ごく普通の町並みの風景が決して当たり前のものではなかったと気づいたときに、このアーティストは、次のアルバムに捧げるためのテーマを自然なかたちで見出したに違いない。それでも、それらの楽曲は、自信満々で作り上げられたというよりかは、いくつかの作り手としての戸惑いを交えながら、複数のプロデューサーと協力することにより、最終的に華やかな雰囲気を持つ大掛かりな舞台芸術のようなアルバムが生み出されたとも言える。これらの王道の収録曲数、12の楽曲を通じて、めるくるめく様に展開されるのは、共感覚を持つアーティストらしい色彩的な音の表現でバラエティに富んだ音楽なのである。

 

『Surrender』には、珠玉の輝きを放つ楽曲が複数見いだされる、オープニングを飾るアップテンポなナンバー「Overdrive」、インディー・フォークの色合いを感じさせる内省的な雰囲気を持つ「Horses」、ボーカルループを活かした現代的な質感を持つシンセポップのアンセムソング「Anywhere With You」というように、重層的なサウンドストーリーが綿密に、エネルギーのうねりような迫力を内に秘めながら美麗なポップソングが繰り広げられていく。

 

アルバムの中では、特に、静謐で瞑想的なオルタナティヴ・フォークの色合いを持った楽曲が上記の華やかなシンセポップを基調とする楽曲と強いコントラストをなしている。さらに、エンディングを飾る「Different Kind Of World」では、序盤のインディー・フォークの瞑想的な展開から、その最終盤にかけて、突如、曲の雰囲気が一変し、両親のガレージで録音したと思われるノイジーなギターのフレーズへと続いていき、作品の序盤からは想定できないドラマティックなクライマックスを演出する。

 

この強烈なDIY精神に彩られたラストソングにこそ、マギー・ロジャースというアーティストの本質、他のシンガーソングライターが持ちえない特性が表れ出ている。そして、この劇的な雰囲気を持つラストソング「Different Kind Of World」には、傑出したアーティストの作品には必ずといっていいほど見受けられる”このフィナーレは次作の序章に過ぎない”という不敵で型破りなメッセージも、アルバムを聴き終えた後の余韻に読み解くことも出来なくないのである。

 

『Surrender』は、既出のレビューにおいて、賛否両論を巻き起こしており、様々な解釈が出来、評価が二分される作品であるように思える。もちろん、ここではそれらの双方の意見を尊重したいが、少なくとも、今回のレビューで言うことが出来るのは、掴みやすさとそれらと対極に位置する強固なDIY精神に彩られた”底しれぬ可能性を秘めた”アルバムということなのである。

 

この最新作に収録された全12曲の叙情的な物語は、ある一つの完結した世界ではなく、次なる開放された次章のストーリーへ直結しているように思えてならない。もちろん、それがおしなべて希望に満ち溢れたものとまでは現時点では断定出来ない。けれども、少なくとも、昨今の時代に象徴される、暗闇の向こうに見える明るい自由な世界への道筋がこの作品に示されているように感じられる。それらが、王道のポピュラー・ミュージック、フォーク、そして、また、時には、強固なインディー精神に裏打ちされた聴き応え十分の音楽の世界が展開されている。

 

 

Rating:

95/100 

 

 

Weekend Featured Track 「Horses」

 

 ブライアン・イーノの手掛ける「BRIAN ENO AMBIENT KYOTO」は、京都中央信用金庫 旧厚生センターを舞台に、6月3日(金)に幕を開け、主要3作品と世界初公開作品が一堂に会する大展覧会とあって、連日大盛況となっています。今回、その賑わいを受けて、当初、8月21日(日)に閉幕の予定だった会期を2週間延長し、9月3日(土)まで開催することが決定しました。まだイベントを観に行かれてていないという方は、イベントへの参加を改めてご検討してみてはいかがでしょう??

 

 会期延長期間のチケットは、8月3日(水)正午12時よりオンラインにて改めて販売が開始されます。チケットのご購入はこちらからどうぞ。

 

 

・延長後の会期:2022.6.3(金) – 2022.9.3(土) 

 

 

 

・「BRIAN ENO AMBIENT KYOTO」のイベント詳細

 

 英国出身のアンビエントの創始者でもあり、U2を始めとする数々の有名アーティストのサウンドエンジニアとして活躍してきたブライアン・イーノが、2022年6月3日(金)から、京都市下京区の京都中央信用金庫 旧厚生センターで「Brian Eno Ambient Kyoto」を開催します。

 


 

 今回、開催されるブライアン・イーノの展覧会のテーマはすばり、音と光の融合。音と光がシンクロしながら途絶えることなく変化する。イーノのインスタレーション展は、その空間、その瞬間にしか体験しえないアートであり、観客の誰もが違う体験をする事ができる参加型の空間芸術です。

 

 京都中央金庫 旧厚生センターは、築90年の由緒ある建物です。その歴史ある会場の建築の特性を活かして、ブライアン・イーノは、今回、音と光によりこの空間に色彩あふれる魔法をかけてみせる。無機質な建物に「音と光」という生命的なエネルギーを注ぐことにより、現代的であるとともに、往古から存在するような独特なモダンアートの異次元を生み出す。

 




「川のほとりに座っているような、絶え間ない変化と同時に不変の変化を体験したかったのです」

                             ブライアン・イーノ

 

 京都市下京区にて、6月から開催予定の「AMBIENT KYOTO」のインスタレーション展のコンセプトについて、ブライアン・イーノは、上記のように語っているとおり、すべての来場者は、水の流れを眺めているかのように、絶えず変化する空間の中に、不変な何かをその目に留めることでしょう。

 


 ブライアン・イーノは、コロナパンデミック以降、初めて大規模なインスタレーション展を開催します。舞台は京都ーーーー芸術家としての活動にとどまらず、環境問題、シリア空爆に対する反論を唱える等、アーティストとしてだけでなく、社会活動、平和のための運動にも率先的に取り組んできたイーノは、今回、世界的文化都市の地、京都で、どのようなメッセージを発するのでしょう??

 

 

*上掲致しました写真はイメージです。本展覧会の内容と異なる場合がありますので御留意下さい。

  

・「Brian Eno Ambient Kyoto」イベント詳細 公式ホームページ:

 

https://ambientkyoto.com/  

CVC  『Real To Reel』 EP

 




 

  Label: CVC Recordings

 Release:  2022年7月28日 

 

 

 

Review

 

「Real To Reel」は、ウェールズのカーディフ、ラグビー場とパブに象徴されるのどかな街から登場したインディーコレクティヴ・CVCの記念すべきデビューEPとなります。レコード盤は9月に発売となるようです。


このEPが発表される以前、 先行シングルとして「Docking Party」「Winston」の二曲が公開されていますが、このバンドは、この二作で高い潜在能力を示しており、ジャズバンドのような華やかさ、明るさ、オーディエンスを巻き込んでいくような強いエネルギーを擁しています。

 

CVCは、プレスリリースを通じて、「60−70年代のシンプルなロックンロール、ザ・ビートルズ、ニール・ヤング、ビーチ・ボーイズを始めとする古典的なロックサウンドに聴いて育った」と説明しています。それらのクラシックな大衆音楽の影響からか、ヴォーカルは、ジョージ・ハリソンを思わせるワイルドさがあり、楽曲もまたビートルズ中期のようにファンタジック。このバンドは、『サージェント・ペッパーズ・ロンリーハーツ・クラブ・バンド』のアートワークから、そっくりそのまま現実世界に飛び出てきたようなユニークなコレクティヴと言えそうです。


もちろん、実際のサウンドアプローチについても、その期待に違わず、ビートルズの楽しく華やかなリバプールサウンドを現代的なファンクやエレクトロの要素を交えて再現しています。このEPに収録された4つのシンプルで迫力満点の楽曲には、ダンスの要素の色濃い原始的なロックンロール、チェンバーポップ、ジャズ、サイケデリックソウル、ファンク、さらに、ザ・ビートルズのミュージカルのようなダイナミックな変拍子を交えたロックサウンドが提示されている。さらに、コレクティヴの生み出すダンサンブルな演奏は、鮮やかなエナジーによって強固に支えられています。

 

現代のサブスクリプション隆盛の時代の資料的に音楽を大量に聴く風潮の中にあって、ウェールズのインディーコレクティヴ・CVCは、その流れとは逆のスタンスを取り、影響を受ける音楽を最小限に絞り、さらに集中的にその音楽に取り組むことで、シャープでソリッドな楽曲を生み出しています。全4曲収録の『Reel to Real』で、彼らは自分たちのやりたい音楽を絞り、それを実際のライブセッションを通じて追求することで、わかりやすい形のアート・ロックを提示しています。そこには刺激的なノリを生み出す曲もあり、バラードのようにクールダウンをもたらす曲がバランス良く収録されています。これは、ワイト島のデュオ、Wet Legと同じように、ウェールズのカーディフという街が生み出した固有のアートロックと言えるかもしれません。

 

CVCのデビューEP『Reel To Real』に見られる、トレンドに迎合することなく、自分たちの好きな音楽を追求し、良さを引き出していこうという姿勢は、現今のミュージックシーンを見渡した際に新鮮さが感じられる。また、CVCのファンクの要素の強いダンサンブルな演奏は、心から人生を謳歌しようという楽しい雰囲気に満ち溢れています。それは、聞き手に対し、鮮やかな印象を投げかけ、同じように、聞き手の心を照らし、明るさを与え、喜びを引き出し、生きていることへの肯定感を与えるものであると思います。ウェールズから登場したクラシカルな雰囲気を持つロックバンド・CVCは、現在、最注目すべきコレクティヴであり、今後、世界的な活躍を期待していきたい。さらに、デビュー・アルバムの到着も心待ちにしたいところです

 

86/100

 

 

Featured Track 「Docking The Pay」

 


ザ・スマッシング・パンプキンズのフロントマンとして知られる、Billy Corgan(ビリー・コーガン)は、7月27日、彼の生活拠点であるイリノイ州のハイランドパークで起きた7月4日の銃乱射事件の犠牲者のためにバーチャル上で慈善コンサートを開き、この機会に、この事件に直接影響を受けて書き下ろされた新曲「Photograph」をファンの前で初披露し、犠牲者の追悼を行った。


ビリー・コーガンは、地元のジャーナリストから「銃乱射事件についての曲を書くことは考えていないか」と聞かれたのがきっかけに、その後、その目的のため取り組んでいたパンプキンズの新曲を今回のイベントで初めて演奏したと語っている。「何かを少し弾き始めて、これはいけるかもしれないと思ったんだ。ちょっと昼寝をして、目が覚めたら、頭の中で曲がぐるぐる回ってた。これは、今回起こった悲劇に対する僕の率直な反応と言えるかもしれない。これが果たして良い曲なのか悪い曲なのかはわからないけど、僕の気持ちを表現しているのは確かだよ」


ビリー・コーガンは、この曲の冒頭に繰り広げられる映像的なシーンについて、「この恐ろしいことが起こったまさにその場所に立っている僕らの写真を見つけた、と僕は誰かに説明するんだ。突然、写真を見て、突然、それが重要な意味を持つようになる。『私たちは確かにあの場所にいたんだ』というように。このようなことが起こってしまうのが現実なんです。すべてをひっくり返してしまう。良いことが、悪くなり、悪いことが、良いことになる。単純なことが複雑になる。そして複雑なことは、突然、意味を持たなくなり、最後には心に響かなくなるんだ」と説明する。


"Photograph "では、ビリー・コーガンが見た夢を直接的に反映しているという。「ある夜、僕は、若い女性が一人でダンスしている夢で見た。彼女は、明らかに、私たちが失った人たちのために、夢の中で踊ってた。夢に中での僕の反応は、不思議なことに、彼女に説明しようとしたり、何かを求めたりするんだ。面白いことに、もし、彼女が死者や負傷者を悼んでいる時に、なぜ、僕は、彼女から何らかのリアクションを必要とするんだろう?? でも、なんらかの思いを共有したい。そういう反応は誰にだってあるのではないでしょうか。このことが私たちに何をもたらしたのか、と。こんなことを考えるなんて、とても利己的だとも言える。また集中力がないとも言えるかもしれない。でも、それが、この曲のほとんどの部分を構成しているんだ」


今回の慈善コンサートは、ビリー・コーガンが過去に演奏したことがあるイリノイ州ハイランドパークのカフェ「Madame ZuZu's」で開催された。「Photograph」は、このイベントのウェブキャストのアーカイブで97分の辺りから聴くことができます。

 

NEU Michael Rother,Klaus Dinger


NEU!は、近日発売予定のボックスセットから2曲を新たに公開しました。このシングルには、UKのシンガーソングライター・Finkによる「Weissensee」のリワーク、Guerilla TossによるNEU!にインスパイアされたオリジナルトラック「Zum Herz」が収録されています。ぜひ、下記より視聴してみて下さい。


Finkは、このリワークについて次のように説明しています。

 

ヴァイセンゼーはベルリンの荒れた場所にある小さな湖で、凍結している時は特に美しいんだ。そして、私はこれを試してみなければなりませんでした。NEU!にステップアップし、彼らのデビューの記念日は、名誉であり、挑戦であり、喜びでした。


さらに、NYのノーウェーヴグループ・Guerilla Tossは「Zum Herz」についてこうコメントしています。

 

NEU!は20世紀で最も重要なバンドの一つであり、GTの個人的なお気に入りでもあります。サイケ、ロック、パンク、エレクトロニック・ミュージックに与えた彼らの影響は計り知れないものがあります。

 

多くの偉大なバンドの系譜は、NEU!に遡ることができる。このコンピレーションに参加できることに感激しています。

 

私たちの曲「Zum Herz」は、反復するKlaus Dinger MoterikのビートとMichael Rotherスタイルのマルチレイヤーのギタープロダクションなど、NEU!の美学から多大な影響を受けています。アメリカやイギリスはロックを作ったが、ドイツはそれを永遠に奇妙なものにしたんだと思う。

 

ありがとう、NEU!


トリビュート・ボックスセットはGrönland Recordsから9月23日にリリースされる予定です。また、The National、IDLES、Hot ChipのAlexis Taylor、Mogwai、New OrderのStephen Morrisなどが参加している。 

 

 

 ・「Weissensee」 NEU! Rework

 

 

 

 

 ・Guerilla Toss 「Zum Herz」 New Original Track

 

   

 

 

「NEU! 50! Box Set」



 
「NEU! 50! Box Set」 IS OUT 9/23  ON Grönland 
 

 
 
Neu! Tribute Album 
 


1. Im Glück (The National Remix)
2. Weissensee (Fink Version)
3. Super (Mogwai Remix)
4. 4+1=5 - Alexis Taylor
5. Hallogallo (Stephen Morris and Gabe Gurnsey Remix)
6. Lieber Honig (Yann Tiersen Remix)
7. Super (Man Man Remix)
8. Negativland (Idles Negative Space Rework)
9. Zum Herz - Guerilla Toss
10. After Eight (They Hate Change Cover)

 

 

Neu! 50 Vinyl Boxset

 


1. LPGRONI / NEU! / NEU!
2. LPGRONII / NEU! / NEU! 2
3. LPGRONIII / NEU! / NEU! 75
4. LPGRONTI / NEU! / Tribute album
5. LPGRONTII / NEU! / Tribute album
6. Stencil
7. Booklet

 

 

Neu! 50 CD Boxset



1. CDGRONI / NEU! / NEU!
2. CDGRONII / NEU! / NEU! 2
3. CDGRONIII / NEU! / NEU! 75
4. CDGRONIV / NEU! / NEU! `86
5. CDGRONT / NEU! / Tribute album
6. Stencil
7. Booklet

 

 


ノルウェーのシンガーソングライター、Auroraが7月29日に新曲「A Potion For Love」を発表しました。このニューシングルは、台湾のアーティスト、呉青峰とのコラボレーション曲「Storm」、さらに今月初めに公開された「The Devil Is Human」に続くリリースとなります。


元々は「Cure For Me」のレコード盤にのみ収録されていた曲が改めてシングルカットされたもので、彼女は次のように説明しています。

 

私たちの中にある愛を祝福する『Exist For Love』を書いたとき、『Potion For Love』も書いた。

この曲を愛を心から失ってしまった人たちに何か贈りたかったんです。いつ消えてしまうか分からない愛情を、私たちは今でも勇気を出して与えたり受け取ったりしていることが、とても美しいことであると思います。それは愚かしくも美しい。痛々しいほどうるわしい。心や理屈とは無縁のものだから、私の小さな心は張り裂けそう。

 


Auroraのニューシングル「A Potion For Love」は、以下からチェックしてみてください。


 

The Comet Is Coming. Portraits by Bourgelle; edit and graphics by Veil Projects


Danalogue(ダン・リーヴァース)、Shabaka(シャバカ・ハッチングス)、Betamax(マックス・ハレット)からなるロンドン拠点のジャズレイヴ・トリオ、The Comet Is Comingが、次作『Hyper-Dimensional Expansion Beam』を発表し、この告知と同時にニューシングル「CODE」を公開しています

 

2019年の『The Afterlife』に続くこの作品は、9月23日に、Impulse!からリリースされる。公開解禁となったアルバム・ジャケット、「CODE」のヴィジュアルを以下でチェックしてみて下さい。


『Hyper-Dimensional Expansion Beam』は、Genesisのピーター・ガブリエルの”Real World Stidio”で、The Comet Is Comingの共同エンジニア、クリスティアン・クレイグの協力のもとレコーディングが行われた。4日間にわたるレコーディング後、DanalogueとBetamaxは、素材をサンプリングし、アレンジを行った。

 

プレスリリースによると、次作アルバムは、「テクノロジー、人類、霊性、そして、宇宙のつながりの未来についての音楽的メッセージ」を表現しているそうです。





The Comet Is Coming『Hyper-Dimensional Expansion Beam』

 

Artwork


 

©︎Dan Medhurst

 

Rival Consoles(Nils Frahm,Jon Hopkinsの流れを組むアーティスト)として知られるRyan Lee West(ライアン・リー・ウェスト)が、Erased Tapesからニューアルバムのリリースを発表しました。


7月27日に公開されたタイトルトラック『Now Is』は、常に洗練と進化を求め続けるロンドンの気鋭アーティストの新たな章を告げるものとなる。前作よりも「より遊び心があり、メロディック」な作品に仕上がっている」とのこと。


収録される全11曲の新曲を通して、Ryan Lee Westはシンセサイザーを人間の聴覚に合わせて、ドライブ感のある実験的なエレクトロニックミュージックを制作しています。これはシンセサイザーとアコースティック楽器を巧みに融合させた、ミニマルな曲作りの実験となっている。


「この時代の孤独や不安に強く影響された作品もある」「もっと楽観的で活気のある作品もある。でも、これは、アートが人生の様々な側面を表現したいと思う私のレコードの一貫した姿勢が表れ出たものになったと思う」と、Ryan Lee Westはこのアルバムについて説明しています。


昨年、Ryan Lee Westは、進歩するソーシャルメディアに囲まれた生活の人間的・感情的な結末をテーマにした『Overflow』を発表した。彼の一貫した願いは、マシンの背後にあるソングライティングの感覚を捉えた作品を形成することで、より有機的で生きたサウンドを生み出すことです。 

 

『Now Is LP』は10月14日にリリース予定です。





Rival Console 『Now Is』

 


Label:  Erased Tapes

Release: 2022年10月14日




Tracklisting
 
1. Beginnings 
2. World Turns 
3. Eventually 
4. Frontiers 
5. Vision of Self 
6. Now Is 
7. Echoes 
8. Running 
9. The Fade
10. A Warning
11. Quiet Home

 


 

ニューヨークのインディーロックバンド、Wild Pinkは、 2021年の『A Billion Little Lights』に続くニュー・アルバム『ILYSM』の制作を発表した。

 

今年10月にRoyal Mountainからリリースされるこのアルバムは、ジョン・ロスの過去2年間の癌の診断と治療を扱ったもので、それゆえ既に発表された単発のシングル『Q. Degraw』に関する彼の発言には重いトーンと「健康問題」への言及がある(このアルバムには収録されない)。


プレスリリースを通じて、Wild Pinkのフロントマンのジョン・ロスは、「すでにアルバム制作を開始していたにもかかわらず、ガンの診断を受けてからすべてが新たな意味を持つようになったんだ」と説明しています。「私は、私の人生の中で感じた人々-特に妻-からの愛とサポートを含めて、その経験全体を理解しようと曲を書き始めた。つまり、これがタイトルの由来なんだ」

 

ロスは、ジャスティン・ピゾフェラートとアントラーズのピーター・シルバーマンと共同で『ILYSM』をプロデュースを手掛けた。また、Julien Baker、J Mascis、Yasmin Williams、Ryley Walker、Samantha Crainといった豪華なゲストを迎えています。Wild Pinkは、数日前に、期待に違わぬ痛々しいほど美しいタイトルトラックを公開しました。試聴は、下記よりどうぞ。


 




Wild Pink 『ILYSM』



Label:   Royal Mountain


Release:   2022年10月14日



Tracklist:

 

1Cahooting The Multiverse

2.Hell Is Cold

3.Hold My Hand

4. ILYSM

5. St. Beater Camry

6.Abdaucted At The Grief Retreat

7.War On Terror

8.Simple Glyphs

9.See You Better Now

10.Sucking On The Birdshot

11.The Grass Widow In The Grass Window

12.ICLYM

 


幾何学模様のファイナル・ショーが12月3日(土)に東京・めぐろパーシモンホールにて開催される。


東京出身ながらこれまで10年にわたり海外を中心に活動してきた幾何学模様。KhruangbinやKing Gizzard & the Lizard Wizardといったアーティストたちとも親交が深く、世界各国でソールドアウト公演を連発。

バンドは2022年をもって無期限の活動休止を発表しており、5月にはラスト・アルバム『クモヨ島』をリリース。今年6月には世界最大級のロック・フェス『Glastonbury Festival』に、そして本日7月29日(金)には『FUJI ROCK FESTIVAL’22』への出演も果たした。


これまでに11回の欧州ツアーを成功させ、今年の秋には12回目となる北米最後で最大級のツアーを開催予定。その多くはチケットが完売している。そんな彼らの10年を締めくくる公演は豊かな響きに定評のあるパーシモンホールにて開催。チケットは7月29日(金)15時より最速先行がスタートした。


『KIKAGAKU MOYO FINAL SHOW』


日時:2022年12月3日(土) OPEN 16:30 / START 17:30

会場:東京 めぐろパーシモンホール 大ホール

料金:ADV. ¥6,000(全席指定)

出演:

幾何学模様 / Kikagaku Moyo
チケット(e+)

最速先行予約(抽選):7月29日(金)15:00〜8月7日(日)23:59

一般発売:8月27日(土)

問い合わせ:WWW Presents www.info@www-shibuya.jp

Show Visual designed by Kendra Ahimsa


 



本日、前作『Sleepwalker』に続き、John Tejadaが3曲入りの新作『Nocturama』をリリースしました。前作ではマイクロエディット的なアプローチをとっていたが、Nocturamaではハードウェアシンセとクラシックドラムマシンを重ね、よりピュアなアプローチに回帰している。


リードトラックのNocturamaは、安定したリズムにテハダのクラシックなコードを重ね、ピークタイムのクラブプレイに戻ったような曲です。Wave Acid Sunでは、Tejadaはエモーショナルなコードとクラシックな909でアシッドを表現している。Hadal Zoneは90年代のパッドとクラシックなRolandのリズムセクションで構成されている。


ジョン・テハダはこのアルバムについて、「セットでプレイするのにワクワクするような新曲が欲しかったんだ。制作面では、ハードウェアの繊細さをもう一度とらえたいと思った。本物の808と909を一緒に使うことで、サンプルでは得られない生き生きとしたグルーヴが生まれました。それと、古いシンセサイザーも使っている。微妙に変化することで、不完全でありながらも生命力を感じさせることができるんだ。今回は楽器のエミュレーションを使うのではなく、楽器を使うことに戻りました」と説明している。



John Tejada 『Nocturama EP」




release date: July 29, 2022


tracks:


1. Nocturama
2. Wave Acid Sun
3. Hadal Zone



 



THUS LOVEが、Captured Tracksよりデビュー・アルバム「Memorial」を10月7日にリリースします。バンドのニュー・シングル「In Tandem」が最初に公開されている。


このシングルについてTHUS LOVEはこう語っている。「感情の混乱を消化するために12時間かけて書いた "In Tandem "は、根本的な真実である "我々は星屑に過ぎない "という認識を持つための音の約束だ」


THUS LOVEは、バンドであると同時に、それ以上の存在である。バーモント州ブラトルボロの3人組は、アウトサイダーとしての経験によって固められた絆で結ばれている。THUS LOVEにとってDIYは、彼らの音楽的ビジョンだけでなく、トランスアーティストとして自認する3人の存在そのものを反映している。

 

バンド結成当初から、Echo Mars(彼女/彼)、Lu Racine(彼/彼女)、Nathaniel van Osdol(彼ら/彼女)は同じ屋根の下で暮らし、自分たちの商品をデザイン・制作し、さらには自分たちのレコーディングスタジオをゼロから作り上げました。


「ほとんどのアーティストがこのような生活をしていないことは分かっています」とマーズは言います。


「でも、僕らにとっては、決して選択の余地はなかったんだ。僕らが作るアートは、僕ら自身や僕らが所属するコミュニティと密接に結びついているから、これが僕らにできる唯一の方法なんだ" とマーズは言う。


 

 

THUS LOVEは、2018年に地元のプリントショップでマーズとラシーンが偶然出会い、マルチ・インストゥルメンタリストが新しい音楽プロジェクトでコラボレーションすることに同意したことが始まりとなる。

 

THUS LOVEのラインナップが決まったのは、2019年にMarsとRacineがルームメイトのvan Osdolにベースで参加するようようやく説得できたときだった。バンドは地元の有名な会場The Stone Churchで定期的にヘッドライナーを務めるようになったところで、すべてが突然、急停止した。


"パンデミックは誰にでも大きな打撃を与えたが、特に我々のようなライブに頼って情報を発信している新人アーティストにとっては大変だったと思う "とラシーンは言う。


「その時点では、デモが数曲あっただけで、先が見えなかったんだ」。


漫然と良い出来事を待つのではなく、バンドは自分たちの手で未来を切り開くことを決意した。YouTubeのビデオと持ち前の好奇心だけで、ブラトルボロのダウンタウンに借りたアパートの一室に即席のスタジオを作り、隣人が出かけている隙を狙ってレコーディングを行った。


今振り返ってみると、マースはバンドが前進することに決めたことを嬉しく思っている。


「パンデミックはもう二度と経験したくないけど、このアルバムは、もしかりに強制的なダウンタイムがなければ、2022年にリリースされることはなかったと確信している」


その結果、彼らのデビュー作『Memorial』は、特にその制作を取り巻く状況を考慮すると、驚くほど完成度の高いアルバムに仕上がっている。その特徴は、インディーやポストパンクの始祖たちの名作LPに夢中になったことがある人なら、間違いなく理解できるはずだ。しかし、それ以上に印象的でエキサイティングなのは、THUS LOVEがこの名高い系譜を利用して、彼ら独自の声を見つけ、彼ら自身の物語を語ることに成功していることだ。


THUS LOVEのデビューアルバムMemorialは10月7日にリリースされる。現在ニューシングル「In Tandem」がリリースされている。


 


先月、シカゴのインディー・スターのホイットニー(ジュリアン・エーリッヒとマックス・カカチェクのデュオ)がニュー・アルバム『SPARK』の制作を発表した。そして、昨日、ホイットニーは最初のリード・シングル「REAL LOVE」に続く "TWIRL "と "BLUE "という二曲のシングルを公開している。

 

ホイットニーは、この2つの新曲について次のように語っています。

 

「TWIRL」では、John CongletonとBrad Cookが、私たちが新しいパレットを探求するためのフレームワークを作ってくれました。シンプルなラブソングとして始まったこの曲は、人と人とのつながりをより広く表現するものへと成長し、私たちはこの曲を作ることができて幸運だと感じています。 

 

 

 

 

「BLUE」については、こう付け加えている。

「BLUE」は、2021年初頭の、今でいう「孤立のピーク」の時に書いたんだ。今にして思えば、私たちは愛というファンタジーを通じて、異なる状況を現出させようとしていたことは明らかです。

 






Whitney「Spark」




 Label: Secretly Canadian

Release: 2022.9.16



Tracklist

 
1. NOTHING REMAINS
2. BACK THEN
3. BLUE
4. TWIRL
5. REAL LOVE
6. MEMORY
7. SELF
8. NEVER CROSSED MY MIND
9. TERMINAL
10. HEART WILL BEAT
11. LOST CONTROL
12. COUNTY LINES