この曲のフィジカル・リリースである21.99ドルのCDには、「American Way 」と題されたB面が収録されていた(90年代のCDシングルはこんなに高くなかったという{日本の市場で見ると、相場は9ドルくらいか})。この曲は、7月4日にようやくストリーミング・サービスに登場した。
この曲でカサブランカスとヴォイドスは、"Well it's true what they say/ The American way/ Is built on someone's tears."(彼らが言うことは本当だろう/アメリカのやり方は/誰かの涙の上に築かれている)というような鋭い歌詞で、アメリカの歴史に狙いを定めている。しかし、文明国はすべて同じなのであり、多数の犠牲の上に国家の繁栄が構築されているわけです。
ヘイリー・ウィリアムスとのコラボ曲『Speak Now (Taylor's Version)』のリリースを目前にして、テイラー・スウィフトはパラモアが来年のThe Erasツアーのイギリスとヨーロッパ公演にスペシャルゲストとして参加することを発表した。
Really can’t contain my excitement because… we’re adding 14 new shows to The Eras Tour. And I get to travel the world doing shows with @paramore!! Hayley and I have been friends since we were teens in Nashville and now we get to frolic around the UK/Europe next summer??? I’m… pic.twitter.com/kl1aijxR2o
1. O-Wells – Nynth 2. Neewt – River Eyes 3. DJ Slyngshot – Untitled (2013) 4. Paramida – Omen (Frankfurt Mix) 5. Anna Hjalmarsson – Acid Dream 6. Kassem Mosse – How Do We End All Of This Vocal 7. Belia Winnewisser – Broken Phone Palm Tree 8. n9oc – Khi Xa 9. Adi – Deep Saudage 10. KGA – Eve Ann 11. Markus Sommer – Ultrasonic 12. Phil Evans – Fl.oat 13. Katatonic Silentio – Expository Swirling 14. Lorica – Thorn 15. luxxuryproblems – sky replacement 16. Salamanda – Hemo And Globean
*諸事情により、しばらくMusic Tribuneは更新を停止する予定です。
日本人作曲家/Rayonsが、今春リリースのシングル「Luminescence」に続くデジタル・シングル第二弾[A Fragment of Summer」を本日リリースします。配信リンク/ストリーミングは下記より。
「A Fragment of Summer」は、夏の儚くかけがえのない時間を思い起こさせるノスタルジックなピアノ・ソロ作となっています。
Predawnとのコラボレーション、大ヒット映画「ナミヤ雑貨店の奇蹟」や河野裕原作のアニメ「サクラダリセット」、新田真剣佑×北村匠海W主演が話題となった映画「サヨナラまでの30分」など話題作のサントラを手がけ、多方面で活躍するRayonsの「Luminescence」に続くデジタル・シングル・シリーズ第2弾「A Fragment of Summer」は、ピアノの独奏となっている。
Pool Kids(プール・キッズ)がスプリットEPを発表した。ハードコア・バンドPOOLとのスプリットEPで、それぞれ3曲ずつ、計6曲が収録されている。プール・キッズ側には、B面の『No Stranger』、そして『Talk To Much』と『Arm's Length』の新バージョンが収録されている。そしてPOOLのパートには、3曲の新曲がある。Cleansing、Inside A Wall、Death Sentenceだ。
The 1975の代表曲を彷彿とさせる楽曲もあるが、他にももう少しバラードに近いしんみりとした曲もある。「Sad To Breath」はタイトルが示すとおり、ミュージシャンの人生の中にある別離やその後の切ない感情が素直に歌われている。それほど大きな起伏や抑揚はないけれども、その内的な感覚における哀しみをじっくりと噛みしめるような深い感慨が歌われている。現代的なバラードとも乖離していない曲なので、この曲に親近感を覚える人も少なくないはずだ。
中盤までは、本作がある程度の力作であることを証明づけている。また、アルバムの後半にかけても野心的な手法がいくつも見られ、中には、オルト・フォーク、エレクトロニックを絡め、よりエクスペリメンタル・ポップに近い実験的な手法も見られる。これは、アブストラクト・ポップとも称せる新時代の音楽の台頭も伺わせるが、だんだんと曲そのものの印象が散漫になってくるのが難点だ。「Indexical reminder of a morning well spent」は聞きやすさがあるが、「Friends」以降は、トレンドを意識しすぎ、情感が弱まり、無個性になっていく。その後、「Sunshine Baby」は、エレクトロニック、シンセ・ポップの手法を取り入れているが、アルバムの前半に比べ印象が薄まってしまっている。その後の収録曲は、Bon Iverのオマージュの域を出ることがない。これではBon Iverの曲を聞けば良いのではないかという気もする。
本作は、ある一定のシンパシーを呼び覚ませるものとなっている。しかし、一方で、前半や中盤には良い曲が多いにもかかわらず、終盤に差し掛かったとたん、別のアルバムのように聴こえるのに違和感を覚える。ピアノの弾き語り曲である「One for Sorrow, Two For Joni Jones」においてハイライトを設けようとしているが、この点は残念ながら不発に終わってしまった印象もある。
『Chrome Dreams』に収録されている12曲は、別の時期に別の形で存在していたかもしれないし、それも創作過程の一部である。これらの多くはオリジナルで、ヤングが最初に認識したとおりの形で今、命を吹き込まれている。アルバムには、「Pocahontas」、「Like a Hurricane」、「Powderfinger」、「Homegrown」、「Stringman」、「Look Out for My Love」が収録されている。
Pixiesの代表作『Surfer Rosa』に比べると、比較的知名度の低いアルバム『Trompe Le Monde』に収録されている。
ジョーイ・サンティアゴの名ギタリストとしての才覚が光り、轟音のディストーションギターとトリルが劇的に炸裂する。ボーカルバージョンと、インストバージョンがリリースされている。後者は、コンピレーション・アルバムで、B面のベストアルバム『Complete B Sides』に収録されている。ピクシーズのオルタナティヴ性に迫るためにはうってつけのトラックの一つ。
この曲はブラック・フランシスがチャック・ベリーの曲「Memphis, Tennessee」をアレンジした。1991年12月号のSpin誌の評論家のアイヴァン・クライルカンプは、「メンフィスへの手紙」についてこう評価している。「ピクシーズのキッチュでフロウな感性の中で、"trying to get you "のような一節は、無味乾燥な絵葉書の裏に隠された純粋な気持ちのかけらのように心に残る・・・」
「Here Comes Your Man」は穿った見方かもしれないが、4ADのコクトー・ツインズのようなドリーム・ポップとは別のこのレーベルの後世の象徴的なサウンドの素地となったと言えるかもしれない。The Velvet Undergroundのようなローファイ性とオルト・ポップが融合し、バンドの曲の中ではかなり聞きやすい部類に入る。メインボーカルは、キム・ディールが担当している。
「Here Comes Your Man」は、ブラック・フランシスが10代の頃に書き、1987年にデモ音源が制作されたが、リリースに対して消極的だったという。1987年に発売されたEP『Come On Pilgrim』、1988年に発売された『Surfer Rosa』には未収録となっていた。アメリカのビルボード誌が発表したModern Rock Tracksチャートでは最高位3位を獲得した。
Yo La Tengoの『This Stupid World』の発売日、Polyvinylのスタッフの方が仰っていた記憶があるが(レーベルのスタッフが他のレーベルの作品について言及することはきわめて稀である)、時代を問わず、優れた音楽とは、必ずしも一般的な規則やルールにより束縛されるものではないのである。
6. Doggerel -『Doggerel」
昨年、リリースされた最新作『Doggerel』のエンディング曲。立ち上がりの遅いイメージのあるこのアルバムだが、バンドの円熟味を感じさせる曲も複数収録されている。「Pegan Man」、「You're Such A Sadducee」といった曲は全盛期にも劣らない。そして、このエンディング曲ではファンクやダブのリズムをもとに新たなステップへと歩みを進めようとしている。
ピクシーズにとってスペースが適していただけでなく、バンドのマインドセットも適していた。セッションに臨むにあたり、ベーシストのパズ・レンチャンティンは、フランシスがピクシーズの2019年の『Beneath
the Eyrie』から数年の間に、通常よりもはるかに大量のデモを蓄積していたことを指摘している。そして、ギタリストのジョーイ・サンティアゴが言うように、「今作では、常に音楽モード全開だった。ヘッドスペースがずっと良かったんだ」とのことである。
"Gigantic "はメジャーチャートでランクインすることはなく、サーファー・ローザからの唯一のシングルカット。しかし、ピクシーズの最初のヒット曲として成功を収め、今日に至るまでラジオでプレイされ続けている。シングル・ヴァージョンは、ピクシーズの2004年のベスト盤『Wave of Mutilation』に収録されている。
4. 「Wave Of Mutalition(UK Surf)」ー『Complete B Sides』/『Doolittle 25: B-sides Peel Sessions And Demos』
このあたりから神がかりの曲が中心となっていき、常人にはまず作り得ないような音楽が続く。「Wave Of Mutilation」は、2ndアルバム『Doolittle』の収録曲。ベスト・アルバムのタイトルにもなった。ピクシーズの苛烈なロックバンドのイメージとは別のセンチメンタルなイメージを形成している。オリジナル・バージョンはロック調ではあるが、UK Surfのバージョンはアコースティック・ギターを基調にしており、優しげで切なげな雰囲気を醸し出している。
イントロのジョーイ・サンティアゴのディストーション・ギターから転じ、「Ride Ride Ride」というブラック・フランシスとキム・ディールのユニゾンのコーラスも奇妙なのだが、スタンダードなロックの通常のスケールとはまったく異なる展開へと続く。サビにも似た「ride a tire down river euphrates」というアンセミックなボーカルには奇妙な中毒性があり、イントロのコーラスと共に口ずさみたくなる。
こちらも『Surfer Rosa』の収録曲。ブラック・フランシスのバラードにおける才能が開花し、それが霊的なキムディールのコーラスと劇的なスパークを発生させ、ピクシーズの代名詞が出来上がることに。「Where Is My Mind?」は、デビューアルバム『Surfer Rosa』の7曲目に収録されている。バンドの代表曲のひとつで、数多くのカヴァー曲がある。この曲はローリングストーン誌の2021年版「500 Greatest Songs of All Time」で493位にランクインした。
デビューアルバムは、軒並み高評価だった。そして複数の現地のメディアは、この二作目をデビュー作とは別の方向性を探ったものであると位置付けている。 アルバムのオープナーを飾る「Alps」は、彼らを見初めたモグワイとのツアー中に書かれたといい、事実、スイスのアルプスで書かれた楽曲である。イントロは、Board Of Canadaのようなエレクトロニックを下地にして、ドイツのNEU!のような電子的なパーカッシヴの要素を加えている。以降は、グラスやライヒのようなミニマリズムに根ざした展開へと引き継がれる。曲の構成自体はミニマルビートの性質が強く、旧来のケミカル・ブラザーズに近いものが感じられる。bdrmmの音楽はロックサウンドとクラブビートの中間点にあり、ある意味では、Squidのようにバンドの音楽という観点とは別のエレクトロニックの要素を追求した楽曲で、シューゲイズやドリーム・ポップという先入観を抱え、このアルバムに触れるリスナーに意外性を与えるようなオープニングとなっている。
アルバムの3曲目でこのバンドの目指す音楽性の断片的なものがわずかながら見えてくるようになる。実際に、トム・ヨークのボーカルを意識したという「It's Just a Bit of Blood」では、「Hail To Thief」時代のレディオ・ヘッドのようなサウンドが貫かれている。そしてようやくディストーションとリバーヴをかけ合わせたシューゲイズ/ドリームポップらしいサウンドが全開となる。ギターサウンドやその雰囲気を盛り上げるドラムは、スローダイヴに近いものがあるが、サビにかけてはモダンな雰囲気を帯びるようになり、Deerhunter、Beach Fossils、Wild Nothingに象徴される米国のポストシューゲイズを織り込んでいる。
「We Fall Apart」は、bdrmmが必ずしもシューゲイズ/ドリーム・ポップに執着していないことを示しており、ポスト・パンクやオルトロックに近い前衛性も取り入れようとしている様子が伺える。ローファイやプロトパンクの影響を残すこの曲では、Sonic Youthの最初期のアヴァンギャルドなアプローチを再現し、『Daydream Nation』の収録曲「Teen Age Riot」に近いUSインディーのハードコアな世界を探求する。これらの瞑想的なギターの反復性は、ソニック・ユースがこの後の時代に商業的な成功を収めるうち、サーストン・ムーアが急進的に失っていった要素だった。この時代の前には、サーストン・ムーアは変則チューニングを始め、ギターの演奏に革新性をもたらしたが、それらの前衛的な手法を、bdrmmはイギリスのバンドとして受け継ごうというのである。それは冒頭にも述べたように、商業主義に対する疑念の発露がこういったアート・ロックのサウンドの中にイデアとして織り込まれていると見るのが妥当なのだろう。
アルバムの最後に収録されている「A Final Moment」は、 作品全体で提示してきたロックミュージックへの新たな挑戦のひとつの区切りを意味するのだろうか。バンドが影響を指摘するボーズ・オブ・カナダのようなワープ・レコーズの主要なエレクトロニカサウンドを下地にし、大掛かりなシネマティックなサウンドを彼らは生み出している。アルバムを聞き終えようとする瞬間、何かこのアルバムが次なる希望に溢れた瞬間に続いている気がした。それは単なるイメージに過ぎなかったのだが、何か一筋の狭い道が続いた後、その道がある瞬間にぱっと大きく開けていき、理想的な領域へと続くのが思い浮かんできたような気がした。
小瀬村晶のピアノ曲には、日頃、わたしたちが見過ごしてしまいそうな日常のささやかな風景が描写的な音楽として紡がれている。パンデミックの時から、その後の時代に到るまで、そういったささやかな日常にある喜びを賛美し、それらを音楽家みずからの持つ美的なセンスで表現しようとしている。四季おりおりの風景や、日常の細やかな観察の成果は「Niji No Kanata」のなかにはっきりと現れていて、わたしたちが見過ごすことの多い、ささやかな喜びをこの曲は思い出させてくれる。また一般的な幸福とは異なる別の解釈による心の潤いを、美麗なピアノ曲を通じて、繊細なる鍵盤のタッチ、指が鍵盤から離された瞬間、束の間に消えるノート、その間が持つ休符という、既存のキャリアで培われた技法を通じて表現されている。十数年をかけて小瀬村晶が培ってきたもの、それは、フランツリストの超絶的な技法とは対極にある、ドビュッシーの作風の中にある感性の豊かさと安らぎでもある。
アルバムの収録曲の中には、清々しく爽やかな雰囲気を持った繊細なピアノ曲も際立つものの、中盤から終盤にかけては哀感に充ちた単調の楽曲が主要なイメージを占めるようになっていく。そのプロセスでは、「Vega」、「Left Behind」、「Towerds The Dawn」といったアーティストが深い森の情景を描写した「In The Dark Wood」の作風を受け継いだ楽曲がじんわりと余韻を残す。一方で、「Gentle Voice」、「Zoetrope」といった主要な楽曲では、個人的な感覚を率直に表現しようしている。以前の作品を見るかぎり、これほど虚心坦懐に書かれたピアノ曲はそれほど多くはなかったように感じられる。もちろん、それは淡々とした情景や個人的な感覚を、ピアノの繊細な旋律で細やかに描写するという小瀬村晶らしい形式で書かれている。そしてこれまでと異なり、あえて演奏時のミスタッチもそのまま粗として音源に残しているのを見ると分かる通り、瞬間瞬間のアコースティックのレコーディングにこだわったという印象も受ける。