エイドリアン・レンカーはまた、ソロアルバムを「2024年にリリース予定」と発表しているが、現時点ではそれ以上の詳細は不明。彼女のファースト・ソロ・アルバム『ステージズ・オブ・ザ・サン』は、ビッグ・シーフの10年前の2006年にリリースされた。彼女の最新のソロ・プロジェクトである共同リリース『Songs and Instrumentals』は2020年10月にドロップされた。ここだけの話、エイドリアン・レンカーはソロアーティストとしても活躍が期待出来る。
「Ruined」
Sonic Youth(ソニック・ユース)が伝説のブートレグ「Walls Have Ears」を2月9日に正式リリースすることを明らかにした。アルバムの予約はこちらより。
2月9日に発売される「Walls Have Ears」は、様々なブートレグで長期間入手困難だったライヴ音源を、原音に忠実に再現している。ソニック・ユースのドラマー、スティーヴ・シェリーがテープの入手に協力し、完全な形でリリースされることになった。
「Walls Have Ears」は、二枚組のヴァイナル、CD、カセット、デジタル・ダウンロードで入手可能。ファンに人気の「Expressway To Yr.Skull'が収録されている。長らくソニック・ユースのライヴ・セットで戦力となってきたこのヴァージョンは、荒々しく、縛られておらず、完全に直接的だ。
Cat Power(キャット・パワー)ことチャン・マーシャルとIggy Pop(イギー・ポップ)が、マリアンヌ・フェイスフルの「Working Class Hero」のカヴァーで共演した。このニューシングルは、『A Tribute to Marianne Faithfull』(マリアンヌ・フェイスフルへのトリビュート)として収録される予定。
発売元である”In The Q Records & BANDBOX”は、Women of Rock Oral History Projectと共に、近日発売予定のトリビュート・アルバムには、シャーリー・マンソン、ピーチズ、リディア・ランチ、ターニャ・ドネリー、キャット・パワー、イギー・ポップ、ブッシュ・テトラ、ドニータ・スパークスなど、19組のアーティストのカバー曲が収録されることを明らかにしている。
Women Of Rock Oral History Projectのファウンダーであるターニャ・ピアソンはこう付け加える。「アイコンやミューズでありつづけるためには、たとえ50枚以上のレコードを持っていたとしても、それをお金に代えないということです。たとえあなたが60年代のイット・ガールだったとしても。たとえマリアンヌ・フェイスフルであっても」
「Working Class Hero」Cat Power& Iggy Pop (Marianne Faithful Tribute)
ベルギー/ゲントを拠点に活動するプロデューサー、シンガーソングライターのBolis Pupul(ボリス・ププル)が、リードシングル「Completely Half」の公開と併せてデビューアルバム『Letter To Yu』の詳細を発表した。新作アルバムは3月8日にDEEWEE/Becauseから発売される。
シンガーソングライターというのは、単に良い曲を歌いたいがために存在するわけではない。彼らは時に、おのが心にあるモヤモヤと折り合いをつけるため歌をうたう。Bolis Pupulの『Letter To Yu』は、2008年に交通事故で他界したボリスの亡き母へのラブレターでもある。ベルギー人の父と中国人の母の間に生まれ、ゲントで育ったボリスは、母が香港生まれであったこともあり、自身のルーツの中国を否定していたわけではなかったにせよ、それを受け入れていたわけでもなかった。しかし、母親の死をきっかけに、彼は自分の血統と折り合いをつけ始めたのだ。
『Letter To Yu』の制作は、ボリスにとって重要で解放的な体験となった。「この旅はとても感情的で、時には悲しいこともあったけど、本当に幸せな時間を過ごすこともできた。その結果、自分の人生をどうにかできると思えるような、とても高揚感のあるメロディーが生まれました」
「Completely Half」
Bolis Pupul 『Letter To Yu』
Label: DEEWEE/Because
Release: 2024/3/8
Tracklist:
Letter To Yu
Completely Half
Goodnight Mr Yi
Frogs
Doctor Says
Spicy Crab
Ma Tau Wai Road
Causeway Bae
Cantonese
Kowloon
Cosmic Rendez-Vous
ジェイソン・ライトル率いる米国のインディー・ロック・バンド、Grandaddyが、近日発売のアルバム『Blu Wav』のニューシングル「Cabin in My Mind」を公開した。『Blu Wav』は2024年2月16日にDangerbird Recordsよりリリースされる。ニューアルバムの予約はこちら。
その他にも安心感のあるソングライターの実力が「Playing For Time」にうかがえる。ピアノやストリングス、ベースを中心とするバラードのような楽曲で、音のクリアさに関しては澄明ともいうべき水準に達している。これはソングライター/プロデュースの双方で潤沢な経験を持つガブリエルさんの実力が現れたと言える。曲の立ち上がりは、R&B/ブルースの雰囲気のあるエリック・クラプトンが書くような渋いバラードのように思えるが、後半にハイライトとも称すべき瞬間が現れる。この曲では予めのダークなイメージが覆され、それと立ち代わりに清涼な音楽のイメージが立ち現れる。渋さのあるバラードから曲は少しロック寄りに移行し、最終的には、ビリー・ジョエルのような黄金期のポピュラー・ソングに変化していく。
「Four KInd of Horses」では、現代のシンセポップの音楽性の中で、ガブリエルは自分自身のボーカルがどのように活きるのかというような試作を行っている。最近のイギリスのポピュラー音楽を踏襲し、それをMTVの時代のシンセ・ポップと掛け合せたかのような一曲である。この試みが成功したかは別として、この曲にはピーター・ガブリエルの野心がはっきりと表れ出ている。
このアルバムの音楽の中にはユニーク性というべきか、あまりシリアスになりすぎないで、その直前で留めておくというような制作者の思いが込められているような気がする。それはユニークな観点がそれが束の間であるとしても心の平穏をもたらすことを彼は知っているからであるのだ。「Road To Joy」は、ザ・スミスの名曲「How Soon Is Now?」のオマージュだと思うが、ここに、何らかの音楽の本来の面白さやユニークさがある。そして、その後、スミスの曲と思えた曲が、レトロなテクノに移行していく点に、この曲のいちばんの醍醐味がある。ループ構造を持つ展開をどのように変化させていくのか、制作のプロセスの全容が示されていると思う。
アルバムはミックス面でのブライトサイド/ダークサイドという重要なコンセプトに加えて、曲の収録順に関しても、明るい感覚と暗い感覚が交互に立ち現れるような摩訶不思議な感覚がある。そして、全体の収録曲を通じて流れのようなものが構築されている。例えば、「Oliver Tree」は映画のサウンドトラックを思わせるような軽快な曲として楽しめるだろうし、続く「Love Can Heal」では80年代のポピュラーミュージックにあったようなダークな曲調へと転じている。その後、「This Is Home」では、再び現代的なシンセポップの音楽性へと移行し、「And Still」では、母親の死が歌われており、アーティストはそれを温かな想いで包み込もうとしている。クローズ曲でも才気煥発な音楽性を発揮し、「Live and Let Live」では前の曲とは異なるアグレッシブなポップスへ転じ、より明るい方へと進んでいこうとしていることが分かる。
特に今作『Cave Dog』のオープニングを飾る「Vardo」では、従来のクラークの複数作品よりもはるかに強いキックが出ており、そこに新たに複数のボーカルが加わることで、ユーロビートのような乗りやすさ、つまりコアなグルーブを付与している。アウトロの静謐なピアノも余韻十分で、「Playground In a Lake」でのモダン・クラシカルへの挑戦が次の展開に繋がったとも解せる。
「Vardo」
今一つ着目すべき点は、クラークがシンセサイザーの音色の聴覚的なユニークさをトラックの中に音階的に組み込んでいること。二曲目「Silver Pet Crank」では、ミニマル・テクノの中に音階構造をもたらし、その中にトム・ヨークのボーカル・トラックを組み込んでいる。わけても興味を惹かれるのは、ヨークのメインプロジェクト、The Smile、Radioheadでは、彼の声はどうしてもシリアスに聞こえてしまうが、CLARKの作品の中に組み込まれると、意外にもユニークな印象に変化する。これは旧来のトム・ヨークのファンにとって「目から鱗」とも称すべき現象だ。
「Domes of Pearl」については、レトロな音色を使用し、エレクトロニックのビートの未知の魅力に焦点を当てようとしている。テック・ハウスをベースにして、その上にチップ・チューンの影響を交え、ファミリー・コンピューターのゲーム音楽のようなユニークさを追求している。Aphex Twinが使用するような音色を駆使し、ベースラインのような変則的なビートを作り上げていく。この曲は「Ted」をレトロにした感じで、プロデューサーの遊び心が凝縮されている。
続く、「Doamz Ov Pirl」は、クラークの代名詞的なサウンド、アシッド・ハウスの作風をもとにして、そこにボーカル・トラックを加えることで、どのような音楽上のイノベーションがもたらせるかという試行錯誤でもある。実際、前作アルバム『Sus Dog』よりもボーカル曲として洗練されたような印象を受ける。前曲と同じように、別のジャンルの音楽からの影響があり、それはアシッド・ジャズからラップのドリルに至るまで、新奇なリズムを追求していることが分かる。ボーカルやコーラスの部分に関しては、ブラジル音楽からの影響があるように思える。これが奇妙な清涼感をもたらしている。何より聴いていると、気分が爽やかになる一曲だ。
ここまでをアルバムの前半部としておくと、後半部の導入となる「Unladder」は、『Playground In A Lake』における映画音楽やモダン・クラシカルへの挑戦が次なる形になった瞬間と呼べるだろう。ピアノの演奏をモチーフにした「Unladder」は骨休みのような意味があり、重要なポイントを形成している。ピアノ曲という側面では、Aphex Twinの「April 15th」を彷彿とさせるが、この曲はエレクトロニックの範疇にあるというよりも、ポスト・クラシカルに属している。エレクトロニックの高揚感や多幸感とは対極にあるサイレンスの美しさを凝縮した曲である。制作者は、現行のポスト・クラシカルの曲と同様、ハンマーに深いリバーブを掛け、叙情的な空気感を生み出す。中盤からアウトロにかけての余韻については静かに耳を傾けたくなる。
続く、「Oblivious/Portal」に関しては、『Playground In A Lake』を制作しなければ作り得なかった形式と言える。オーケストラ・ストリングスをドローン音楽として処理し、前衛的な作風を確立している。壮大なハリウッド映画のようなシネマティックな音像はもちろん、作曲家としての傑出した才覚を窺い知れる曲である。アンビエント/ドローンという二つの音楽技法を通して、ベテラン・プロデューサーは音楽により、見事なサウンドスケープの変遷を描いている。中盤からクライマックスにかけての鋭い音像の変化がどのような結末を迎えるのかに注目したい。
11月29日水曜日、スポティファイは、テイラー・スウィフトが2022年のアルバム『Midnights』、2023年の再リリース『Speak Now (Taylor's Version)』と『1989 (Taylor's Version)』、そして現在進行中の "Eras Tour "のリリースの影響もあってか、1年間で261億ストリーミングを記録したと発表した。2022年、バッド・バニーがそれまでの年間最多ストリーミング記録を塗り替えたが、彼のストリーミング数は約185億に過ぎなかった。