Weekly Music Feature: Tommy WA


ガーナ/アクラのシンガーソングライター、Tommy WÁは、2025年新作をリリースした中で最も才能を感じさせる。トミーはコンテンポラリーなアフリカンフォーク、インディー、レトロなソウルを融合させ、アフリカ大陸の広大なサウンドスケープを通して、唯一無二の芸術的なサウンドを確立している。 彼の音楽のカクテルは、トミー・WÁのルーツであるナイジェリアを効率よく巡り、彼が拠点を置くガーナのコスモポリタン、アクラの音楽的な欲求に応えてみせる。


トミー・WÁの音楽には多彩な世界が満ち広がっている。 このアーティストの主要な音楽は、ボン・イヴェールやマイケル・キワヌカのきらびやかな雰囲気を想起させるが、そのルーツは20世紀半ばのアフリカ民謡に求められる。 原始的なフックと鮮やかなストーリーテリングによって表現される彼の音楽は、時代、スタイル、大陸を跨いでいるが、その核心には普遍性がある。 ハチミツのような魅力的な歌声と、即効性のあるフックを得意とするソングライターである。


新作EPの題名『Somewhere Only We Go』は、このシンガーと彼のコミュニティがガーナで立ち上げたフェスティバルの名前だという。シンガーソングライターは、ブライトンの「グレート・エスケープ」の名前を聞き、勘違いをして、田舎の隠れ家を想像し、このプロジェクト名を思いついた。「このイベントには逃避行というテーマがあった」と彼は説明する。奇遇にも、彼はそのフェスティバルでダーティ・ヒットに才能を見出され、2024年に契約にこぎつけた。

 

今日、10年前から彼が温めていたアイディアがようやく日の目を見ることになる。今回のEPで、彼がガーナのみならずアフリカのことを伝えようと試みている。トミー・WÁは次のように回想する。「すべては良いタイミング、つまり神のタイミングで出来事が起こる。その人生を生き抜くために十分な時間が私には与えられた。そして、もちろん、それを分かち合うことも出来た。生きていない人生を私は分かち合いたいのではない。私はアフリカが真実であることをよく知っている。それは私が偶然見つけたものではなかった。何年もかけて作り上げたものだ」

 

彼は言う。「私はいつも”自分の周りの人のこと”を音楽として書いてきた。デビュー作に向けて取り組んできたが、デビューというのを気にしないで取り組んだつもりです。内省的な曲も結構書きますが、トミー・WAという自己だけにポイントを絞った内省的な考えはまだ明らかに出来ていないという気がしています」 また、彼は、自分だけのために音楽を作っているのではない。「子供が”自分”として生まれてくるのではなく、家族の一員として生まれてくるのを思うと、自分の真実を語る以前に、家族の視点から物語を語る方が良いと感じています」トミー・WAの考えは、もちろん、コミュニティを越え、より大きい国歌的な視点に至る場合もある。アフリカの現状、それからアフリカの真実について物語るため、彼の音楽は実在する。「多くの人がアフリカやアフリカに住むことについて狭い考えしかもっていないのではないかと思う。他の現実が存在するんだということを伝えなければ、ひどく損をするような気がする」

 

ミュージシャンにとって音楽をやることはどんな意味が込められているのか。トミー・WAは次のように明かす。「ある種のストーリーを共有することです。また、人々が自由に生きたり、自分の一部を隠そうとせず、正直に生きるように動機づけすることを手助けするものであると思っています。私の友人の幾人かは、私の音楽を家やドライブのような場所で楽しんでくれています」 

 

このシンガーソングライターにとって、音楽とは、それほど非日常的なものではなく、暮らしの中にある当たり前のものとして存在してきたことを伺わせる。それを裏付けるかのように、トミー・WAは次のように語る。「たとえば、歯ブラシで歯を磨くことを異常だとは考えないでしょう? それと同じく、音楽は私にとって生活に欠かせないものだ。それについては特に深く考えもしなかった。ガーナ、ナイジェリアのフェスティバルやショーで、多くの人がアフロビートやポップソングを演奏する中、僕はギターを抱えて、ただ、ステージに突っ立って、『やあ、僕はトミー・ワー。これは普通のことだ。みんな楽しんでくれ!』なんて言っていた。それがすべて。僕の出演の後は、ハードコアなヒップホップや流行のポップソングになった。でも、それで良かった。自分はショーのスターターとしてフェスティバルに出演していた」


淡々と音楽活動を行っていたトミーだが、近年では以前に比べて音楽に対する見方が鋭くなった。「今年、私は30歳になります。時間が増え、責任も減った。生き方がより冒険的になり、リスクを冒すこともいとわなくなった。私と同じくらいの年代に至った人々は、別のプロジェクトが用意されている。次のプロジェクトは、彼らのためのもの。私達はみな異なる国に引っ越し、私自身はイギリスでのショーを行うようになり、人間関係に変化が生じた。友人や家族と過ごす時間が減ってしまった。音楽にじっくり取り組んでいた頃から今に至るまで状況が著しく変化している。このプロジェクトでは人生がどう変化したのかを強調づけたかったんだ」

 

 


Tommy WÁ  『Somewhere Only We Go』EP - Dirty Hit

 
 
植民地化された国家は長い敗戦の時代を送ることを余儀なくされる。それは時折、100年もの月日を植民地化された国家として費すことになる、という意味でもある。19世紀から20世紀にかけて、ガーナは長い植民地支配に甘んじていた。ケニア、ウガンダを始めとする地域に大英帝国の支配の手が及び、この土地全般では、一般的な市民を啓蒙するための活動が行われていた。特に、この基幹的な産業として開始されたのが、「バンドゥー映画ユニット」だった。これはアフリカの都市部に映画産業を発展させ、経済発展を成長させようという目論見であった。
 
 
20世紀を通じて、ガーナ/アクラはその映画産業の一大拠点となり、「ゴールド・コースト・フィルム・ユニット」と呼ばれる映画施設が設立された。これは「ガーナ版ハリウッド」ともいうべき、国際的な映画産業で、地元の俳優も育成された。これらの産業は一度は成長したが、結局のところ、宗主国から義務付けられたものに過ぎず、地元の人々には根付かなかった。


ガーナの市街地には、多くの映画館が建設され、一時は殷賑をきわめたものの、20世紀の末葉には、それらの商業施設は次々と閉鎖していった。結局のところ、自発的な文化を成長させぬかぎり、その文化が土地に定着したり根付くことはない。これらは、ナショナリズムのように見えるかもしれないが、実はまったく似て非なるものである。21世紀に入り、長い植民地化の時代を越え、ガーナ、ひいてはアフリカ全体は真に独立した文化を構築しようとしている。
 
 
2025年はアフリカをルーツとするミュージシャンの活躍が目立っている。かつてのジャポニズムのように、物珍しさによる視線がアフリカに向けられたという意味ではない。これはおそらく、現時点の世界情勢を如実に反映しているのかもしれない。単一の覇権国家が世界を牛耳る支配構造は衰退し、多極主義が今後の世界の主流となりうるのではないかということは、多くの国際政治学の研究者の指摘している。アフリカ諸国はBRICSと足並みを揃えながら、今後は独立し、独自的な発展を遂げていくことが予測される。そんな中で、リリース元はイギリスのDirty Hitということで因縁を感じるが、Tommy WÁのようなミュージシャンが出てきたのは時代の要請とも言え、必然的な流れを汲んでいる。彼は、新しい時代のアフリカの体現者でもある。
 
 
ただ、彼はアフリカの負の部分に脚光を当てようというのではない。アフリカの原初的な魅力、今なお続く、他の土地から見えない魅力を、自然味に溢れた歌声で伝えるためにやってきた。Tommy WÁの素晴らしい歌声は、オーティス・レディング、サム・クック、ジェイムス・ブラウンのような偉大なソウルシンガーのように、音楽の本当の凄さを伝えるにとどまらず、それ以上の啓示的なメッセージを伝えようとしている。高度に経済化された先進国、そして、頂点に近づこうとする無数の国家の人々が散逸した原初的なスピリットと美しさを持ち合わせている。 

 
今年レビューした中で、『Somewhere Only We Go』は最も素晴らしい作品だ。アフリカの夕陽のように澄んだ輝きを持つ「Operation Guitar Boy」は、アコースティックギターの弾き語りで繰り広げられる簡素なフォークミュージックである。最初の一秒から音楽に魅了されずにはいられず、ボブ・マーレーに匹敵する劇的な歌声が披露される。イントロからヴァースを通じて短いフレーズが淡々と歌われ、繊細でセンチメンタルな歌声が披露される。一方で、コーラス(サビ)のオクターヴ上のファルセットは、どこまでも雄大だ。ジャケットのアートワークと呼応するかのように、水辺の小さな船で親しい家族や友人を目の前にして歌うアフリカ独自のフォークミュージックが展開される。親しみやすくて、崇高さがあり、大きな感動を誘う。アコースティックギターの演奏にも感嘆すべき箇所があり、スライドギターのようにフレットの間をスムースに滑るフレーズが、和音の演奏の合間に組み込まれ、それが奥行きのあるボーカルと絶妙に融和している。”Never Never Never Gonna Away”と歌われるコーラスの箇所は、まことに圧倒的であり、息を飲むような美しさが込められている。ボーカルの音量的なダイナミックな変化も大きな魅力となる。ビブラートの微細なトーンの変化を通し、勇壮さや切なさを表現する。サウンドプロダクションの方向性やプロデュースに依存しない本物のボーカルである。
 
 
一曲目は音楽そのものの自然さを体現している。二曲目「Celestial Emotions」では、エレクトロニックのサウンドをイントロに配している。アンビエント風のイントロから始まり、その後はジャック・ジャクソンのように緩やかなフォークミュージックが始まる。とりとめのないように思えるギターの演奏は、一転してアルトの音域にある歌声によって、音楽性そのものがぐっと引き締まる。その後、現代的なネオソウルの音楽に近づき、エレクトロニックとアコースティックを混在させたムーディーなフォーク・ミュージックが繰り広げられる。ドラムのリズムが心地よく響くなか、トミーは、間の取れたボーカルを披露している。この曲を聴けば、Tommy WÁの音楽が必ずしも古典性だけに焦点を絞ったものではないということをご理解いただけるはず。また、歌い方にも特徴があり、独特の巻き舌の発音が音楽に独自性を与えている。アフリカの伝統音楽には独特な発音方法があり、それを巧みに取り入れている。そして音楽的な構成にも工夫が凝らされている。途中からボンゴの演奏によって変拍子を取り入れ、音楽が一挙にアグレッシヴになり、舞踏的な音楽に接近していく。アフリカ音楽は、ポリリズムの複合的なビートが特徴であるが、それらの要素を取り入れ、華やかなコーラスが音楽を決定づける。トミーを中心とする歌声は、やはりアフリカ大陸の雄大なイメージを呼び起こす。アウトロの渋みのあるボーカルは、往年の名ポピュラー歌手の持つブルージーな感覚が存在する。

 
 
このアルバムの全5曲は、ほとんど同じような音楽形式で展開されるが、その実、実際の音楽性はまったく異なる。タイトル曲「Somewhere Only We Go」は、彼のアクラ時代の友人に向けて歌われている。それらは結局、自分を支えてくれた家族や共同体に対する大きな報恩や感謝である。ドラムで始まるこの曲は、リズムの面白さもあるが、アフロ音楽の色合いが最も強固だ。現地語の訛りのある発音を通じて、友人たちへの惜別が歌われることもある。しかし、トミーの歌声は、湿っぽくならない。友人の旅立ちを祝福し、それらを心から応援するかのような力強さに満ちている。これが友愛的な音楽性を付与し、なにかしら心温まるような音楽性を発現させる。しかし、それはセンチメタリズムの安売りに陥ってはいない。友人の存在を心強く思うたくましさがある。この曲には、ジャマイカのレゲエ音楽の要素も入っているが、それは模倣とは縁遠い。このシンガーの独自の独立した存在感を読み取ることが出来る。この音楽は、おそらくエリック・クラプトンが一時期ソロアルバムでやっていたような渋い内容であるが、それを彼は30歳くらいでやっている。驚きなどという言葉では語りつくすことが出来ない。
 
 
 
 
 「Keep On Keeping On」
 
 
 
 
近年、全般的には、ヒップホップやソウルというジャンルの棲み分けにより、ブラックミュージックそのものが矮小化されていることが多く、それが淋しい。本来ではあれば、ブラックミュージックは、一つの枠組みに収まり切るような小さなものではない。Tommy WÁの音楽は、そういった枠組みやレッテルを覆して超越するような力が内在している。アフロ・フォーク「Keep On Keeping On」は、アフリカの民謡の現代的に伝えている。ボーカルのメロディーには琴線に触れる感覚がきっと見つかるはずである。そして、そのシンプルで美しいメロディーを上手く演出するのが、オーケストラのストリングス、アフリカの独自のコーラスワークである。


ここには、地域という概念を超えた”ヨーロッパとアフリカの融合”という素晴らしい音楽の主題を発見出来る。トミーのボーカルは、録音からも声量の卓越性が感じられ、それは最近のプロデュースが優勢な音楽作品ではついぞ聴けなかったものである。中盤以降のボーカルについては、10年に一度出るか出ないかの逸材の才覚が滲み出ている。和声的にも心に訴えかける箇所があり、4分以降の転調の後、曲はサクスフォンの演奏に導かれるように、ジャジーな空気感を放つ。以降のボーカルのビブラートの美しさは比類なき水準に達し、崇高な趣を持つ。彼は音楽全体を通じて歌唱方法をそのつど変化させ、ものの見事に音楽のストーリーを作り上げていく。それはまた、明文化されることのない、音楽独自のストーリーテリングの手法なのである。
 
 
Tommy WÁの人生観は、様々な価値観が錯綜する現代社会とは対象的に、シンプルに人の生き様に焦点が当てられている。個人が成長し、友人や家族を作り、そして、老いて死んでいく。そして、それらを本質的に縁取るものは一体なんなのだろう。この本質的な事実から目を背けさせるため、あまりに多くの物事が実相を曇らせている。そして、もちろん、自己という観点からしばし離れてみて、トミーが言うように、大きな家族という視点から物事を見れば、その実相はもっとよくはっきりと見えてくるかもしれない。家族という考えを持てば、戦争はおろか侵略など起きようはずもない。なぜなら、それらはすべて同じ源から発生しているからである。


このミニアルバムは、音楽的な天才性に恵まれた詩人がガーナから登場したことを印象づける。「God Loves When You're Dancing」は、大きな地球的な視点から人間社会を見つめている。どのような階級の人も喜ばしく踊ることこそ、大いなる存在が望むことだろう。それはもちろん、どのような小さな存在も軽視されるべきではなく、すべての存在が平らなのである。そのことを象徴づけるかのように、圧巻のエンディングを成している。音楽的には、ボブ・ディラン、トム・ウェイツ、ジプシー・キングスの作風を想起させ、ミュージカルのように楽しく動きのある音楽に支えられている。ボーカルは、全体的に淡々としているが、愛に包まれている。個人的にはすごく好きな曲だ。もちろん、彼の音楽が時代を超えた普遍性を持つことは言うまでもない。このようなすばらしいシンガーソングライターが発掘されたことに大きな感動を覚えた。
 
 
 
 
96/100 
 
 
 「God Loves When You're Dancing」
 
 
▪Tommy WÁ -『Somewhere Only We Go』はDirty Hitから本日発売。ストリーミングはこちら


ベルリン発!注目の次世代ジャズ・コレクティヴ、モーゼズ・ユーフィー・トリオ。デビュー作『エムワイティー』を携え待望の初来日!


ベルリン発の次世代ジャズ・コレクティヴ、モーゼズ・ユーフィー・トリオが、デビュー・アルバム『myt』を携えて待望の初来日公演を開催します。

 

ピアニスト/プロデューサーのモーゼズ・ユーフィー、ベーシストのロマン・クロベ=バランガ、ドラマーのノア・フュルブリンガーによって2020年に結成され、「エモーションズ、モーメンツ、バンガーズ」を掲げ活動を展開しました。


ヒップホップ、アフロビート、アートロックなどを自在に取り込み、ジャンルを超えたパフォーマンスで注目を集め、2024年度のドイツ・ジャズ・プライズ「ライヴ・アクト・オブ・ザ・イヤー」を受賞。北ヨーロッパ特有の洗練された空気感、流麗で優美なメロディ、人力ドラムンベースが織りなす熱狂と静謐。

 


MOSES YOOFEE TRIO(モーゼズ・ユーフィー・トリオ)    Live at Cotton Club



日程: 2025 10.22 wed(水),10.23 thu(木). 

会場: 東京・丸の内Cotton Club (公式サイト)
 

会場/開演:

[1st.show] open 5:00pm / start 6:00pm
[2nd.show] open 7:45pm / start 8:30pm


・予約受付開始日


【Web先行受付】 8/13(水) 12:00pm~

【電話受付】8/15(金) 12:00pm~




MEMBER

Moses Yoofee (p)
Roman Klobe (b)
Noah Fürbringer (ds)



MOSES YOOFEE TRIO(モーゼズ・ユーフィー・トリオ):


モーゼス・ユーフィー・トリオは、高い評価を得ているピアニスト&プロデューサー、モーゼス・ユーフィーの最新プロジェクトであり、アンサンブルである。 ユフィーは、ジャズとプロダクションの分野で驚異的な才能を発揮することで知られている。 


このトリオは、ジャズ、ヒップホップ、R&B、ソウル・ミュージックの分野から影響を受け、爆発的なサウンドを生み出している。 


ドイツのトップ・ドラマー、ノア・フュルブリンガーとソウルフルなロマン・クロベをベースに従えたこのトリオは、スタジオ・レコーディングで卓越したパフォーマンスを披露する一方、才能あるミュージシャンシップと活気に満ちたエネルギーに溢れたライブ・パフォーマンスもこなす。 
 
 
スタジオからのライブ・レコーディングのスニークピークでソーシャルメディアの注目を集め、メンバーは、世界各地から彼らの音楽を聴くことを求める新しいフォロワーを獲得。世界的なミュージシャンやプロデューサーからも注目されている。




Lexie ©︎ Bubbasellers


Lexie(レクシー)がニューシングル「Plane Jane」を発表した。問答無用の今週のベストトラックが登場。ニューシングルを聴けば、ソウルシンガーとしての実力のほどが明らかとなるだろう。現在この曲はストリーミングだけで配信されている。

 

ニューシングル「Plane Jane」はステイプル・シスターズの「I'll Take You There」にインスパイアされたという。そして旅の疲れと失恋の後に生まれた。 レクシーは次のように語っている。

 

家(ホーム)という言葉は、常に移動しているのなら、場所ではなく感覚だけに過ぎないのです。 私はスーツケース1つで生活するようになって、自分のいる場所で平穏を見つけねばならなくなった。 この曲は、旅先での瞬間、思い出、感情を集め、ポップ、ソウル、ストーリーテリングの完璧なカクテルを作るべく組み合わせた。


エモーショナルなギターリフ、そしてきらびやかなホーンセクション(テナーサクソフォン)で幕を開けるこの曲は、爽やかなリズムとファンクを煽るベースラインに乗せ、レクシーのソウルを湛えた蜜のようなヴォーカルを導く。 彼女はただ歌うだけでなく、その中に生きている。おのずと音楽がいきいきとしはじめる。

 

ジョス・ストーンのサックス奏者、ジョヴァン・クアロが重ねた華やかなホーンは聴き逃がせない。レトロ・ソウルの威厳を漂わせ、紛れもないフィール・グッド・バップの魅力を増幅させる。


モータウンソウルとカントリーの詩的なストーリーテリングに触発されたレクシーは、時代を超越しながらも爽やかで新しい独自のスタイルを確立している。 彼女の音楽は、SpotifyNew Music Fridayで紹介されるなど成功を収め、プリマヴェーラ・サウンド(バルセロナ、マドリード)、フジロック(日本)、メルト・フェスティバル(ドイツ)などの主要フェスティバルに出演し、世界で最も象徴的なステージでダイナミックなヴォーカルを披露している。


レクシーは、英国生まれのポップソウルアーティストで、カントリーの香りを漂わせ、正直な語り口と荒々しいトーン、ステージの内外でカリスマ的なエネルギーを発揮する。ジョス・ストーンのような生々しいソウルフルさと、初期のテイラー・スウィフトのような叙情的なウィットを融合させ、深く個人的で、お気に入りの日記のような親近感を感じさせる音楽を創り出す。

 

近年のライブ活動を通じて、レクシーは急速に世界的な存在になりつつある。 2024年だけでもティム・ギャラガーのヨーロッパツアーをサポートし、アブダビのエティハド・パーク野外スタジアムでテイク・ザットの前座を務め、3万人以上を動員した。


ワーナー・ミュージック/アイランド・レコードと契約していたレクシーは、チャート上位のガールズ・グループ、ザ・サタデーズのUKアリーナ・ツアーのサポートで音楽シーンに登場した。 以来、彼女は自身のスポットライトを浴びるようになり、本物の歌声と魅力的なステージを持つヘッドラインパフォーマーへと進化した。 現在はドバイを拠点とし、コカ・コーラ・アリーナからドバイ・オペラ、エキスポ・シティまで、ドバイの一流ステージの大黒柱となっている。


2024年、レクシーは告白的なデビューアルバム『Diary of a Disastrous Dating Life』をリリースした。生々しく親近感のある恋愛の不運を綴り、その傷つきやすさと鋭いユーモアが聴衆の共感を呼んだ。 このプロジェクトは、静かな部分を明らかにすることを恐れない大胆不敵なソングライターを紹介し、彼女の正直さと芸術性の両方に惹かれる忠実なファン層を獲得した。


最新シングル「Plane Jane」は、自信、感謝、感情の自由という新たな時代の到来を告げる。 この曲は、海外旅行中に書き下ろされた。「家」が目的地ではなく感覚となるような、絶え間ない移動の精神を表現している。 

 

高揚感と放浪欲を刺激する『Plane Jane』は、夢見る人、引っ越しする人、国境を越え目的を追い求める人たちのためのフィール・グッド・アンセム。ケルシー・バレリーニ、テスキー・ブラザーズ、メイジー・ピーターズのファンにとって、レクシーはついリピートしたくなる次の声である。

 



Lexie has released her new single, “Plane Jane.” It's undoubtedly the best track of the week. Listen to the new single and you'll see just how talented she is as a soul singer. The song is currently available for streaming only.

 

Lexie is a UK-born pop-soul artist with a hint of country, known for her honest storytelling, raspy tone, and charismatic energy both on and off stage. Blending the raw soulfulness of Joss Stone with the lyrical wit of early Taylor Swift, Lexie creates music that feels deeply personal yet universally relatable—like your favourite journal entry.


Lexie is quickly becoming a global force. In the past year alone, she supported Tim Gallagher on his European tour and opened for Take That at the Etihad Park outdoor stadium in Abu Dhabi, playing to over 30,000 people. She also fronted the live show for acclaimed electronic artist TSHA on her world tour, performing at major international festivals including Primavera Sound (Barcelona and Madrid), Fuji Rock (Japan), London Field Day, and Melt Festival (Germany), bringing her dynamic vocal presence to some of the world’s most iconic stages.


Lexie’s music has been featured on major Spotify playlists including New Music Friday and New Country, further proving her ability to connect across genres and geographies.


Formerly signed to Warner Music and Island Records, Lexie first broke onto the music scene supporting chart-topping girl group The Saturdays on a UK arena tour. Since then, she’s stepped fully into her own spotlight, evolving into a headline performer with an unmistakable voice and magnetic stage presence. Now based in Dubai, she has become a mainstay on the city’s premier stages—from the Coca-Cola Arena to Dubai Opera and Expo City—where her dynamic live performances have earned her a reputation as one of the region’s most exciting breakout talents.


In 2024, Lexie released her confessional debut album Diaries of a Disastrous Dating Life, a raw and relatable chronicle of romantic misadventures that resonated with audiences for its vulnerability and sharp humor. The project introduced a fearless songwriter unafraid to say the quiet parts out loud—earning her a loyal fanbase drawn to both her honesty and artistry.


Her latest single, ‘Plane Jane’, ushers in a fresh era of confidence, gratitude, and emotional freedom. Written during a whirlwind period of international travel, the track captures the spirit of constant motion—where “home” becomes a feeling, not a destination. Uplifting and wanderlust-fueled, Plane Jane is a feel-good anthem for the dreamers, the movers, and anyone chasing purpose across borders.


For fans of Kelsea Ballerini, The Teskey Brothers, and Maisie Peters—Lexie is the next voice you’ll want to keep on repeat.



Wisp 『If Not Winter』


Label: Interscope

Release: 2025年8月1日

 

Review

 

カルフォルニアのWispは次世代のシューゲイズアーティストで、すでにコーチェラ・フェスティバルに出演し、過度な注目を浴びている。昨年、たぬきちゃんのEPにもゲスト参加していた覚えがある。いわば今最も注目されるシューゲイズアーティスト。待望のデビュー・アルバムは、冬にイメージに縁取られ、そしてアーティストのキャラクターのイメージを押し出した内容だ。

 

サウンドは全般的には、Wispが信奉するというMBV、Whirrといったシューゲイズバンドの影響が押し出されている。さらにサウンドプロダクションとしては、MogwaiやExplosions In The Skyのような音響派に近く、全般的にはダンスビートやエレクトロニックの性質が強く、ボワボワとした抽象的なロックサウンドが敷き詰められている。このアルバムはインタースコープからの発売ということで、それ相応の売れ行きは予測出来るかもしれないが、シューゲイズアルバムとしてはやや期待はずれと言える。バイラルヒットが見込める曲が用意されているが、内容が少し薄い気がする。インクを水で薄めたようなアルバムで、太鼓判を押すほどではないだろう。

 

その全般的なサウンドは、Y2KやK-POPとシューゲイズやダークウェイヴの融合である。その意図は斬新で、才気煥発なメロディーセンスが発揮される場合もある。しかし、まだそれは瞬間的に過ぎず、クリエイティビティは線香花火のように立ち消えになってしまう。あまり持続しない。そして、ロンドンのYEULEのような甘いポップセンスが漂い、その点は、オープニング「Sword」のような曲で聴くことが出来る。悲哀に満ちたメロディセンスが轟音のフィードバックギターやポストロックのアンビエンスがからみあい、Wispの持つ独自の世界観が垣間見える。そしてそれはシューゲイズというよりも、ユーロビートやレイブのようなサウンドに傾倒する。このアルバムは、どちらかと言えば、インディーポップに属するダークウェイヴのような音楽性が顕著である。また、それらは、ヘヴィメタル/ニューメタルに近いテイストを持つケースもある。「Breath onto Me」は、Wispの持ち味であるペーソスに満ち溢れたメロディーとメタリックなサウンドが融合している。これらはシューゲイズの第一世代というより、Amusement Parks on Fire、The Radio Dept.のようなミレニアム世代以降の第二世代のシューゲイズを参考にしているような印象がある。シューゲイズの甘美的な雰囲気を活かしたサウンド。しかし、2020年代のシューゲイズとして聴くと、既に形骸化していて、物新しさに欠けるように思える。

 

一方で、Y2K、aespaのようなサウンドに傾倒した曲の方がむしろ良い印象を放っている。 「Save Me Now」はWispの甘いメロディセンスがこれらの現代的なカルチャーと融合し、瞬発力を見せる。そして同じようにヴァースからコーラスというシンプルな構成の中で、ロックやメタルのパワフルな効力を持つことがある。この曲もまたYEULEのサウンドに近い雰囲気がある。


ダークウェイブのサウンドを参考にして、抽象的なロックサウンドで縁取った「After Dark」は、たしかに夏の暑さを和らげる清涼効果があり、冬のアトモスフィアに彩られている。それらは情景的な印象を呼び覚まし、アーティストが表現しようとする冬の息吹のようなものを感じとられる。一方で、どうしても曲全般は依然として薄められすぎているという印象を抱いてしまう。苛烈なシューゲイズサウンドをメタリックなノイズで表現した「Guide Light」も意図は明瞭で期待させるが、本物のヘヴィネスを体現出来ていない。ヘヴィネスとは、表層のラウドネスではなく、内面から自然に滲み出て来る何かなのだ。K-POPのようなサウンドに依拠しすぎていることが足かせになり、独自のオリジナリティ示すには至っていない。この点では、商業性とアンダーグラウンドの音楽の間で迷っているという気がする。もう少し、吹っ切れたようなサウンドがあれば、迫力が出ただろうし、より多くのリスナーに支持されたかもしれない。

 

対象的に、ヘヴィネスを削ぎ落としたY2K風のポップソングの曲に活路が見いだせる気がする。ニュージーランドのFazerdazeのようなドリームポップの範疇にあるタイトル曲「If Not Winter」はアルバムのハイライトであり、Wispのメロディーセンスがキラリと光る瞬間でもある。過激さよりも軽やかさを重視したほうが、良さが出てくるのではないかと思った。この曲では少なくとも、Wispのダークなメロディーセンスと切ないような感情が上手く合致している。 そしてこの曲でも、アーティストの冬のイメージが上手く導き出されていることが分かる。 

 

アルバムとしてはもう一声。ただ、難しいのは、シューゲイズとしてもセンスの良い曲があること。「Mesmerized」はニュージェネレーションのシューゲイズソングで、ハイパーポップのメタルの要素がヨーロッパのEDMの要素が巧みに結びつき、このジャンルの特徴である超大な音像を作り出す。さらに、グランジ風のギターロックの要素がこの曲の大きな魅力となっている。しかし、以降の収録曲は、アルバムのために収録した間に合わせのものに過ぎず、Wispの本領発揮には至っていないような気がして残念であった。他方、アルバムの最後に収録されている「All I Need」は良い雰囲気が漂っている。デモ風のラフな曲であるが、なにかこのアーティストのことを少し理解出来るような気がした。最もストレートな感情を示したフォークミュージックによるこの曲は、激しいシューゲイズサウンドの中において異彩を放ってやまない。

 

 

 

75/100 

 

 

 

Best Track 「If Not Winter」


 

レモンヘッズが、約20年ぶりとなるアルバム『Love Chant』の最新プレビューとして「The Key of Victory」を公開した。

 

エヴァン・ダンドは「The Key of Victory」についてこう語っている。「静かで、ビッチだ。 静かで、ビッチで、かわいくて、モード。 ストリート・ハッスルのような雰囲気を出そうとした」


エヴァン・ダンドの回顧録『Rumours Of My Demise』と同時にリリースされるアルバム『Love Chant』は、ブラジルのマルチ・インストゥルメンタリスト、アポロ・ノーヴェがプロデュースし、旧友と新しい盟友を引き合わせた。

 

 J・マスシス(ダイナソーJr)、ジュリアナ・ハットフィールド、トム・モーガンが、プロデューサーのブライス・ゴギン、ナッシュヴィルのエリン・ライ、ブレイク・ベイビーズのジョン・ストローム、ザ・ベヴィス・フロンドのニック・サロマン、ニューヨークのカルト的人気バンド、ザ・モルディ・ピーチのアダム・グリーンらとともに、再び参加した。


Love Chant』は10月24日にファイヤー・レコードからリリースされ、現在予約受付中である。 Rumours Of My Demise』は11月6日にFaberからリリースされる。

 

 「The Key of Victory」


アイルランドのパンクバンドAdoreが、ニューシングル「Sweet Keith」のリリースと同時に、デビューEP『BITER』を発表した。Big Scary Monstersが送り出す期待のパンクバンドだ。

 

Adoreはどちらかと言えば、オールドスクールの衝動性が特徴のパンクバンド。ポップネスとストレイトエッジに比するパンクエナジーを混在させる。その中には、ガレージロック的なセンスもちらつく。ロックの要素とアイルランド音楽を融合させ、見事なパンクチューンを導き出す。

 

Adoreのヴォーカルのララ・ミンチンはニューシングルについて次のように説明する。

 

とても正直でわかりやすい曲だ。 私の親友の一人が、私の友人の多くが遠く離れた目をしていることに気づき、この特徴は動物の世界における「獲物」の目と同じだという結論に達した。 彼女はさらに、私の友達の多くは目が離れていて、それが私の猿の脳の中で、通常顔の正面に目がある肉食動物とは対照的に、穏やかで安全であると変換されると信じていると言った。

 

スウィート・キースは、私の友人への愛と、彼らがいつもありのままの姿でいてくれること、彼らのエネルギーと物語への愛を歌っている。 ライブで演奏するのが好きな曲のひとつで、EPの中では、アドアにとってこれから始まることの始まりでもある。 スウィート・キースは、私の大好きな人たちを1つの名前にまとめたもので、ライブで演奏する時、大好きな人たちが観客の中にいると、彼らのための曲だと感じている。


ダブリンのノイズパンクの雄、ギラ・バンド(Gilla Band)のダニエル・フォックスによりプロデュースされたデビューEPは、ホラー映画、ヴァンパイアの伝承、そして生きてきた経験から導き出されたもので、私たちが馴染むために自分を歪めてしまう静かな方法を探求している。


"BITER "は、Adore結成の前後に書かれた曲のコレクションで、うるささや食い下がりの長いレッスンを記録している。 ここ数年、私は人々の幼少期の作法に取りつかれ、それが大人になってからも受け継がれ、発展していくのかどうか考えてきた。 その結果、たいていの子どもはこれらの悪癖のうちの1つ以上を身につけるという結論に達した。


バイター、バーナー(火をつける)、ポーカー、くすぐり。 これらの幼少期の小さな悪行は、子供が大きな感情を感じたときに実行される。それがポジティブなものであれネガティブなものであれ、愛であれ憎しみであれ、何年もかけて、私は自分の中に閉じこもり、沈黙を自己防衛の一形態として使うことが、いかに自分の感覚に影響を及ぼしているかを知った。

 

私はもはや、生き延びるために従順である必要はない。 子供の頃は噛む方ではなかったが、噛まれたいと思うようになった。 友人たちが小さい頃に耽溺していた大きな感情の解放に憧れ、成長するにつれ、私も噛むようになった」とミンチン。

 

 

「Sweet Keith」

 

 

 

 Adore 『Bitter』EP



 

Label: Big Scary Monsters

Release: 2025年9月26日

 

Tracklist: 

1. Fragile
2. Stay Free Old Stranger
3. Can We Talk
4. Show Me Your Teeth
5. Hello Darling
6. papercutnight
7. Sweet Keith
8. Supermum! (Bonus Track)

 

アイルランドの3人組ガレージパンクバンド、アドアがデビューEP『BITER』をリリースする。パンクの感性を融合させ、ザクザクとしたギターと力強いドラムとベースの組み合わせで支えられた本作は、バンド結成前後の楽曲を収録した作品。大声で叫び、反撃する長い道のりを記録しつつ、幼少期の仕草が大人になっても引き継がれる obsession を描いたトラック群となっている。 

 

イギリスのインディーポップトリオ、セイント・エティエンヌが、最後のアルバムとなるニュー・アルバム『International』を9月5日にヘブンリーからリリースする。

 

そのセカンドシングル「Take Me to the Pilot」のミュージックビデオが公開された。この曲は、オービタルのポール・ハートノルが共同作曲とプロデュースを担当。アラスデア・マクレランが監督したこの曲のビデオは、ダンサーのジェットが出演し、イギリスのドンカスターとイタリアのローマで撮影された。


スタンリーはプレスリリースでニューシングルについてこう語っている。「”Take Me to the Pilot”はダーク・ミステリーであり、どこか新しい場所への飛行であり、心臓の鼓動が速くなるような場所だ。逃避、消失、再発明をテーマにしている。パイロットは誰?それが謎であり、楽しみなのだ。OrbitalのPaul HartnollとXenomaniaのTim Powellが一緒に作ってくれたんだけど、今までリリースした中で最高のベースラインができたと思う」


ウィッグスはこう付け加えた。「1990年、ボブがオービタルについての記事を書いた後、ハートノール兄弟が親切にも彼らのステージ・セットアップを見せてくれた。私たちはまだ何もライブをやったことがなかったので、少し不思議に思った。それから数年後、今ではずっと賢くなった私は、今住んでいるホーブのパーティーでポールを再び紹介された。海辺で何度もバッタリ会って、おしゃべりに花が咲き、彼がイエスと言うかどうか確信が持てなかったけれど、私たちと一緒に曲を書いてくれないかと頼んだ。彼はOKしてくれた。


マクレーランは、この曲のビデオの監督について次のように語っている。「ボブはサン・テティエンヌのビデオについて連絡をくれた。僕が育ったドンカスター近郊の村、ティックヒルのバンガローの外でジェットがブレイクするところを撮影したんだ。ボブがアルバムのタイトルが『International』だと言ったとき、私はアイデアを広げてローマで第2部を撮影することにした。ちょうどバチカンが次期ローマ法王を選ぶ日と重なったので、ピアッツァやサンタンジェロ橋の天使の彫刻をバックに、ジェットが街中で踊るというのはどうだろうと思ったんだ。街中を移動しながら、ビデオはバチカンのサン・ピエトロ寺院への巡礼の旅へと展開した。


「Take Me to the Pilot」



Emily Yachina(エミリー・ヤシナ)がニューアルバム『Veilfall』のニュースを携えて戻ってきた。 本作は自主レーベルから9月26日にリリースされる。

 

2019年の『Remember the Silver』、2022年のコンピレーションアルバム『All the Things』に続くこのアルバムは、愛らしく、心を奪うニューシングル「Talk Me Down」に導かれている。 ニューシングルはグリッチ風のダンスビートとインディーポップを結びつけた清涼感のあるトラックだ。


「”Talk Me Down”は、私の親愛なる友人、トリッシュ・マクゴーワンのビートから生まれた。 数年前、彼女が作ったインストゥルメンタルやビートを集めたサウンドクラウドのプレイリストを送ってくれたんだ。 この曲はすぐに特別な曲だと感じた。 歌詞もメロディーもすんなり入ってきた。 この曲は、アルバム全体の大きなテーマである弱さの恐ろしさを歌った楽しい曲です」


ヤシナは、プロデューサーのチャーリー・ブランド(ミニチュア・タイガース)、ジョニー・ベイカー(フローリスト)と共に『Veilfall』に取り組んだ。 ジア・マーガレット、オリヴァー・ヒル(ココ)、キャメロン・ウィッシュ(ポーチズ)もアルバムの制作に参加している。

 

 

 「Talk Me Down」




Emily Yachina 『Veilfall』

 

Label: Emily Yachina & Trissss

Release: 2025年9月26日

 

Tracklist:


1. Battle

2. WIP

3. Holy For a Moment

4. Clarity

5. Shine

6. Meteor

7. The Clearing

8. Free / Forgotten

9. The Dream

10. Rust

11. Signal

12. Talk Me Down

13. Blanket

 

 

Emily Yachina: 

 

カルフォルニアを拠点とするシンガーソングライター、エミリー・ヤシーナは、2011年に10代の少女としてアコースティックギターと基本的な録音機材しか持たない状態で、魅力的なインディ・ポップのコレクションを次々と発表し続けてきた。

 

その後、彼女はBandcampページに無造作にアップロードした断片的なリリースごとに、キャット・パワーの初期の哀愁漂う曲やKレコードのレーベルに所属するより暗く静かなアーティストたちから受け継がれた、静かながらも力強いソングライティングのスタイルを確立している。これまでに『Overflow』(2017年)、『Heart Sky』(2017年)、『Remember The Silver』(2019年)の3作のフルアルバムを発表している。


Rhett Miller(レット・ミラー)が10枚目のアルバム『A lifetime of riding by night』をATOから10月10日にリリースすると発表した。 これまでミラーは数多くの良質なアルバムを発表してきた。有名な作品としては、2002年のフルアルバム『The Instigator』などが挙げられる。

 

三年ぶりのニューアルバム『A lifetime of riding by night』は、オールド97'sのバンドメイトであるマリー・ハモンド(彼のソロ・デビュー作をプロデュース)がプロデュースし、ターンパイク・トラバドゥアーズのエヴァン・フェルカー、ケイトリン・ローズ、ニコール・アトキンス、ジン・ブロッサムズのジェシー・ヴァレンズエラが共作した曲を収録している。


「何十年も前に最初のレコードを作った時、マリーは私のメンターだった。 「彼がどの曲を使うことになるのか、完成したヴァージョンがどんな音になるのかも知らずに。 私はただ身を任せて、マリーを完全に信頼したんだ」


アルバムからのファーストシングルは、フェルカーと共作した「Come As You Are」である。 

 

「この曲は、エヴァンと私が、ツアーに出るために愛する人を置き去りにすることの難しさと格闘していた時に生まれたんだ。 甘い曲なんだけど、悲しさがあって、人間の本当の状態を反映しているように感じるんだ」とリットは言う。 

 

エヴァンのバンド、ターンパイク・トラバドゥアーズがこの曲のヴァージョンをシングルとして数年前にレコーディングしているんだけど、自分のヴァージョンをレコーディングしたいという思いがずっとあった。 共作であるにもかかわらず、「Come As You Are」は本当に個人的な瞬間のように感じる。 とはいえ、エヴァンのハーモニーを聴くとゾクゾクしてしまう。

 

 

「Come As You Are」




Rhett Miller 『A lifetime of riding by night』


Label:ATO

Release: 2025年10月10日 

 

Tracklist: 

1.A Little Song (Prologue)

2.All For You

3.Ellie On The Wharf

4.Come As You Are

5.Be Mine

6.People Are Lifted

7.A Little Song (Interlude)

8.The Bells of St. Mike’s

9.All Over Again

10.Time Again

11.A Lifetime of Riding by Night

12. A Little Song

13.Brand New Heart

 

 

 

Rhett Miller: 

 

レット・ミラーは、人気ロックバンドOld 97’sのフロントマンとして30年以上にわたり活躍し、尊敬される受賞歴のあるテキサス州出身のシンガーソングライター。

 

2枚のインディーズ作品を発表した後、ミラーと97’sはエレクトラ・レコードと契約し、批評家から高い評価を受けた『Too Far to Care』をリリース。彼らの13作目のスタジオ・アルバム『American Primitive』は、2024年春にATOレコードからリリース。オールド・97’sのプロジェクトの合間を縫って、ミラーは8枚のソロ・アルバムをリリースしており、最新作は2022年の『The Misfit』。  


作曲活動に加え、ミラーは文学活動にも熱心で、小説とノンフィクションの執筆にも取り組む。彼は『ローリング・ストーン』『ブックフォーラム』『スポーツ・イラストレイテッド』『マクスイニー』『ザ・アトランティック』『サロン』などに掲載された短編小説、エッセイ、記事の著者であり、リトル・ブラウン・ヤング・リーダーズから2冊の児童書も出版しています。 



レットのポッドキャスト『Wheels Off: Conversations about Creativity』は、芸術のあらゆる分野から著名なゲストを招き、200エピソードを達成しました。レットは映画にも出演しており、最近では『Guardians of the Galaxy Vol. 3』と『Guardians of the Galaxy Holiday Special』に出演し、監督ジェームズ・ガンと共作した曲を披露している。彼の曲は数多くの映画、テレビ番組、CMで使用されている。


ルイヴィルのフォークシンガー、Joan Shelly(ジョーン・シェリー)は、昨年の素晴らしい『Mood Ring EP』に続き、10枚目のソロアルバム『Real Warmth』を9月19日にNo Quarterからリリースする。 

 

このアルバムは、ベン・ホワイトリー(ザ・ウェザー・ステーション)とジェイク・ゼルクセス・ファッセルがエンジニアを務め、トロントで制作された。 このアルバムには、ザ・ウェザー・ステーションのタマラ・リンデマン、カレン・ン、ネイサン・サルスバーグ、マット・ケリー、フィリップ・メランソン、ダグ・ペイズリー、ケン・ホワイトリー、テイラ・ブルーム・サルスバーグも参加している。


「真冬の数日間、この曲、パフォーマンス、関係者、そして政治的な背景で、ある瞬間をとらえなければならないという切迫感があった」とベン・ホワイトリーは言う。 「このアルバムは、綿密に構成されたものではなく、本当に捕らえたもののように感じられる。 ジョーンのコンセプトのひとつは、ある場所に行くだけでなく、その場所のミュージシャンのコミュニティを利用することだった。


アルバムからのファースト・シングルは、素敵な "Everybody "で、ジョーン曰く、"実際の身体の暖かさ、つまり、私たちが直接、また生気のないオンラインの世界でもお互いに見せる見せかけとは対照的な、繋がりと帰属意識 "について歌っている。 試聴は以下から。



 

Joan Shelly 『Real Warmth』


Label: No Quarter

Release: 2025年9月19日

 

Tracklist:

1.Here in the High and Low
2.On the Silver and Gold
3.Field Guide to Wild Life
4.Wooden Boat
5.For When You Can't Sleep
6.Everybody 03:32 
7.New Anthem
8.Heaven Knows
9.Ever Entwine
10.Give It Up, It's Too Much
11.The Orchard
12.Who Do You Want Checking in on You
13.The Hum

 

 

Joan Shelly:

ジョーン・シェリーは、ケンタッキー州ルイビル出身のソングライター兼シンガーです。ギタリストのネイサン・サルズバーグとよく共演し、ジェイク・クセルクセス・ファッセル、ボニー・プリンス・ビリー、リチャード・トンプソン、ウィルコ、マリサ・アンダーソン、ダニエル・マーティン・ムーア、ザ・アザー・イヤーズ、マイケル・ハーレーなどのアーティストと共演しています。


オリヴィア・ロドリゴはロラパルーザ(シカゴ)のヘッドライナーセットで、ロックンロールの巨人ウィーザーをステージに招き、数曲の名曲を披露して観客を驚かせた。パフォーマンスの終盤、彼女はバンドをステージに招き、ウィーザーが彼女が初めて生で観たバンドであることに触れた。


「初めてのコンサートはいつだって覚えているもの。 とても、とても特別な瞬間なのよ」とロドリゴは言った。 「私は初めてのコンサートのことを覚えている。 とても忘れられない夜だった。 この信じられないようなバンドを観て、とても感激しています。その信じられないようなバンドが、実は今夜ここで数曲演奏するのですから。 ウィーザーに挨拶してくれる?」


続いてウィーザーがステージに登場し、ロドリゴと一緒に1994年のセルフタイトルアルバムからの大ヒットシングル「Buddy Holly」と「Say It Ain't So」を歌った。 彼女はリヴァース・クオモと共にギターを弾いて歌った。


ロドリゴはソーシャルメディアでこのイベントを振り返り、特大の耳あてをし、ウィーザーのシャツを着て、このコンサートに参加した子供の頃の写真をシェアした。 ロドリゴはその投稿の中で、「初めてのコンサート、そして、GUTSツアー最後の週末。来てくれたみんな、そして何年も経った今でもこんなに興奮させてくれるweezerにありがとう!!みんなと一緒にこのようなライブができることがどれだけラッキーなことか信じられないよ!」 一方のウィーザーはコメントでこう付け加えた。 「フル・サークルの瞬間、そして絶対的な名誉だ、ありがとう」


ロドリゴは、フェスティバルのヘッドライナーとして出演する際、アーティストを招いて曲を披露してもらう習慣がある。 


今年の6月末にイギリスで開催されたグラストンベリー・フェスティバルでも、ロドリゴはヘッドライナーを務めたさい、ザ・キュアーのロバート・スミスをステージに招き、同バンドの "Just Like Heaven "を演奏した。 同月初めにニューヨークで開催されたガバナーズ・ボールでは、トーキング・ヘッズの "Burning Down the House "を同バンドのデヴィッド・バーンと演奏した。



 



オレンジ・カウンティのシンガーソングライター、Levi Robin(リーバイ・ロビン)の新曲「When The Sun Comes Out」 は、「闇と欺瞞に別れを告げ、真実と平和、そして優しさの癒しの力を受け入れる」という内容である。 

 

「When The Sun Comes Out」 は、ボブ・ディラン、サイモン&ガーファンクル、カーペンターズの系譜にある牧歌的なフォークミュージックに加え、ロビンの美しい口笛が登場する。カルフォルニアの広大な土地を想起させる。そして、レヴィ・ロビンのジプシー的な性質も滲み出ている。


この歌は、闇と欺瞞に別れを告げ、真実と平和、そして優しさの癒しの力を受け入れる。 それは、混乱と矛盾の雲が分かれ、正直さが自由に流れ、私たちのハートがオープンに歌う世界が現れる時である。  


リーバイ・ロビンの探求と好奇心の旅は、多くの道を歩んできた。 魂を剥き出しにするフォーク・アーティストの独特の音楽スタイルは、深く個人的で変容的な歌詞と、感情を揺さぶるヴォーカルを組み合わせ、意味とつながりに満ちたサウンドを生み出している。


カリフォルニア州オレンジ郡で育ったリーヴァイは、10代の頃、彼や多くの人が "ベルトコンベアー式の学校システム "と表現するものに深い不満を抱くようになった。 背中のシャツとギターしかなかった彼は、別の道、つまり音楽の道に踏み出した。 家出から東洋のスピリチュアリティとの出会い、サイケデリアから自分自身の古代ユダヤ教的なルーツの発掘にいたるまで、ソングライティングはユニークに統合する不変のものだった」とリーヴァイは打ち明ける。  


ソングライティングは、彼の心の奥底にある感情をメロディと詩へと変換する力強い方法となった。 バッハ、ストラヴィンスキー、ミンガス、ヘンドリックス、ディラン、ベック、ゲイ、ディアンジェロ、レディオヘッドなど、多彩なアーティストからインスピレーションを受け、リーバイ・ロビンは独自のマインドフルでジャンルを超えた音楽作品を生み出している。 


このアーティストが最初に注目を集めたのは2014年で、セルフタイトルのデビューEPのリリースと、それに続くマティスヤフとのツアーだった。 以来、シングルやアルバムを次々と発表し、100万回以上のストリーミングを記録、世界中にファンを獲得した。 2023年、LeviはあるコンサートでプロデューサーのYoel Kreisler、通称'FRAYMES'と出会い、セレンディピティな瞬間を経験した。 


すぐにクリエイティブなつながりと友情が生まれ、ふたりはスタジオに入った。 私たちは音楽と影響を交換し始め、この新しい音楽をレコーディングするための新しい方法を構想し始めた。 この新しいコラボレーションの結果であり、最初の試みがシングル「Whole As A Broken Heart」である。 


シングル「Healing Is Coming」は、降伏と勇気の歌であり、あらゆる障害に立ち向かい、人生の計り知れない真実に立ち向かい、暗闇に立ち向かい、私たちのユニークな魂の光をもたらし、蛇の目を見据える歌です」とリーヴァイは語っている。 


「When The Walls Fall」は、アンセミックなフックとムードたっぷりのサウンドが特徴だ。 「このシングルは、良心の叫びを歌っている。 壁が崩れ落ち、すべてが壊れたように見えるとき、それは魂の深い眠りから目覚めるためのアラームなのです」とリーヴァイは宣言している。 


リーヴァイのニューシングル「When The Sun Comes Out」は、「闇と欺瞞に決別し、真実と平和、そして優しさの癒しの力を受け入れる」ものだ。 それは、混乱と矛盾の雲が分かれ、正直さが自由に流れ、私たちのハートがオープンに歌う世界が現れる時である。  "When The Sun Comes Out "は、美しく魂を揺さぶるストリップダウンのインディーフォークソングである。

 

 

「When The Sun Comes Out」




This song is a triumphant farewell to darkness and deceit, embracing truth, peace, and the healing power of kindness. It speaks of a brighter future—a time when the clouds of confusion and contradiction will part, revealing a world where honesty flows freely and our hearts sing openly.  

Levi Robin's journey of exploration and curiosity has taken him down many roads. The soul-baring folk artist’s distinctive musical style combines deeply personal and transformative lyrics with emotive stirring vocals, creating a sound that is filled with meaning and connection.

Growing up in Orange County, California, as a teenager Levi became deeply dissatisfied with what he and many describe as “the conveyor belt trajectory of the school system.” With nothing but a shirt on his back and guitar in hand, he took a chance on a different path - a musical one. Levi confides, “From being a runaway to encountering eastern spirituality, from psychedelia to unearthing my own ancient Judaic roots, songwriting has been a uniquely integrating constant.”  Songwriting became a powerful way to translate his deepest feelings into melody and verse. Taking inspiration from an eclectic array of artists including Bach, Stravinski, Mingus, Hendrix, Dylan, Beck, Gaye, D'Angelo and Radiohead, and more, Levi Robin creates his own mindful and genre-defying musical releases. 

The artist first attracted attention in 2014, with the release of his debut self-titled EP as well as his subsequent tour with Matisyahu. Since then, he has shared a series of singles and albums, racking up over a million streams, garnering him a fanbase worldwide. In 2023, Levi experienced a serendipitous moment when he met producer Yoel Kreisler, aka 'FRAYMES', at one of his concerts. Sparking up an instant and immediate creative connection and friendship, the duo entered the studio. He shares, “We started trading music and influences, and began conceptualizing new ways of approaching recording this new music.” The result and first taste of this new collaboration is the single “Whole As A Broken Heart”. 

His single "Healing Is Coming", "is a song of surrender and courage, to face all obstacles, to face the ineffable truth of life, to face the darkness, to bring forth the light of our unique souls and look the serpent in the eyes," shares Levi. 

The track "When the Walls Fall" features an anthemic hook over mood-drenched sonics. "The single sings of an uproaring from the voice of conscience. When the walls fall and all seems broken, it's an alarm to wake up from the deep slumber of the soul," proclaims Levi. 

Levi's new single "When The Sun Comes Out" "is a triumphant farewell to darkness and deceit, embracing truth, peace, and the healing power of kindness." He further confides, "It speaks of a brighter future—a time when the clouds of confusion and contradiction will part, revealing a world where honesty flows freely and our hearts sing openly."  "When The Sun Comes Out" is a beautiful and soul-stirring stripped down indie folk embrace.