「Sit Down,Let Me Tell Me a Story」では、「これから話すものがたり、愛と奇跡~」という歌詞で始まるが、サトミ・マツザキが紙芝居の語り手に扮し、リスナーをめくるめくワンダーランドへ招き入れる、まるでアリス・イン・ワンダーランドのように。それからは、これまでのディアフーフの作風と同じように、ジャズの影響を交えたアバンギャルドの世界が繰り広げられていく。アルバムに通底する世界観とも称すべきものは、村上春樹の文学作品のような、つかみどころのないシュールな音楽が幅広いバックグランドを通じてダイナミックに展開されるのだ。
その後、「The Poignant Melody」はSea And Cakeを彷彿とさせる、ジャズとロックの中間にある渋いポストロックとしても楽しむことが出来る。さらに、中盤で抑えておきたい曲がタイトルトラック『Miracle Level」で、ここで、ディアフーフは珍しくバラード調の曲を通じ、愛というものが何であるのかを表現しようとする。そのメロディーは、これまでのディアフーフとは異なり、何らかの日本的な郷愁をボーカリストのサトミ・マツザキが懐かしく歌い上げようという感じの曲となっている。これまでのディアフーフの中で、最もセンチメンタルな一面を捉えることが出来る。
さらに、Husker Duの最初期のデモ音源のようなオリジナルパンクの影響を感じさせる「And The Moon Laughts」で、バンドは未だに最初期のパワフルさを失っていないことを熱く宣言しようとしている。もちろんその中には、少し戯けた感じのサトミ・マツザキのボーカルフレーズが特異なグルーブとリズムをバンドサウンドに加味し、アグレッシヴなサウンドが組み上げられているのだ。
これらの遊園地のアトラクションのように絶えず移ろい変わっていくサウンドは、やがて「Phase-Out All Remaining Non-Miracle by 2028」で誰も予測がつかないような形でエキセントリックな着地点を見出す。ここでは、近年鳴りを潜めていたディアフーフの音楽が以前とは異なる形で新たなフェーズへと突入し、未来への憧憬を表現しようとしている。SFの雰囲気に包まれているこの曲には、バンドの象徴的なカラフルなサウンドの真骨頂を見出すことができよう。
ファースト・シングルは、バンドの最初のデモ用にレコーディングされ、後にEverything Falls Apartbonusのトラック、Numero Groupの2017年の『Savage Young Dü』としてもリリースされた「Do You Remember? 」の初期パフォーマンスを収録。またHüsker Düは、ノルウェー語で「覚えているかい?」という意味があるように、バンドにとって意義深い曲なのだ。
初期の代表曲「Do You Remember?」は、スタジオ版よりもさらにガレージ的/70年代風のパンクなサウンドになっています。例えば、コアなパンクマニアなら、当時世界一速いパンクと称されたThe Middle Classの「Out of Vogue』あたりの悶絶必須のキラーチューンを思い出すことだろう。彼らが最もよく知られるようになった音楽とはかけ離れているが、バンドの形成期の魅力的なピークであり、ポップなメロディに対する彼らの才能の初期を垣間見ることができる。
ブルックリンの次世代のプロデューサー兼シンガーソングライター、Yaeji(イージ)は、4月7日(金)発売予定のデビューアルバム『With a Hammer』から最終プレビューを公開しました。ぜひ、発売前にチェックしてみて下さい。この曲は「For Granted」と「Done (Let's Get It)」に続く作品です。
新曲「Passed Me By」は、バブリーハウス/ブラッシュテクノを得意とするプロデューサー兼DJとして世界に紹介された後、エレクトロニックポップアーティストとしての彼女の才能を際立たせています。同時に公開されたミュージックビデオは、EnayetとZanzieが監督を務めており、Yaejiの心理の中を旅するような、奇妙でありながら感動的な映像となっています。
当然のことながら歌手は英国でこのシングルリリースを祝福しているとばかり考えていましたが、そうではありませんでした。その頃、ピーターズは英国にはおらず、米国のテレビ番組、The Tonight Show Starring Jimmy Fallonに出演し、バックバンドを従えてお馴染みのブルーライトの脚光を浴びていたのです。
さらに、このシングルの発売とほぼ同時に、ニューシングル「Lost The Breakup」 をテレビ番組の特設スタジオで披露しています。以下より、ライブパフォーマンスの様子をご覧下さい。
Kate Stables率いるオルタナティヴロックバンド、This Is The Kitは、ニューアルバム「Careful Of Your Keepers」を携えてカムバックを果たします。また、この告知に合わせて最初のシングル「Inside Outside」がミュージックビデオとともに公開されています、以下より御覧下さい。
新作は、その特異なカタログがインディー、フォーク、ポップ、そしてその先の境界線を曖昧にする、進化し続けるプロジェクトに再挑戦する。2020年の「Off Off On」以来となるThis Is The Kitの新作アルバムは、バンドリーダーのKate Stablesがパリにしっかりと根を張っている。
スタジオには、お馴染みの顔がThis Is The Kitに加わった。Super Furry Animalsのヘッドホンを務めるGruff Rhysがプロデューサー、つまりKateの言うところの「トーンセッター」の役割を担った。
ニューアルバム「Careful Of Your Keepers」は6月9日にRough Tradeからリリースされる。Kate Stablesはこのプロジェクトを次のようにいくつかの疑問を投げかけつつ紹介しています。
1.Goodbye Bite 2.Inside Outside 3.Take You To Sleep 4,More Change 5.This is When The Sky Gets Big 6.Scabby Head and Legs 7.Careful of Your Keepers 8.Doomed Or More Doomed 9.Stuck in a Room
UKのシンガーソングライター、Wallice(ウォリス)が2023年最初のリリースとなる「Best Friend 」を携えて帰ってきました。このシングルは次作EP『My Big Shot』の収録曲となります。
昨年、日本にルーツを持つウォリスは日本でミュージックビデオを撮影した「Japan」Hot Nをリリースして話題を呼びました。このシングルは12月第一週のWeekly Hot New Singlesとして紹介しています。
The
Strokesのギタリストとしても知られるアルバート・ハモンドJr.は、近日発売予定のアルバム「Melodies On
Hiatus」から一気に8曲の新曲を発表しました。アルバムは6月23日にRed Bull
Recordsからリリースされる予定です。ソロ名義の作品はバンドよりもさらにパンキッシュで、ロックやフォーク等、ミュージシャンの間口の広いバックグランドが反映されています。
ハモンドJrは過去に4枚のソロアルバムをリリースしており、直近では2018年に「Francis
Trouble」をリリースしています。「Melodies on
Hiatus」には、GoldLinkを中心として、アークティック・モンキーズのドラマー、マット・ヘルダースなどのアーティストが参加する予定です。
Albert Hammond Jr.「Melodies on Hiatus」
Label: Ren Bull Recorns
Release: 2023年6月23日
Tracklist:
1. 100-99 feat. GoldLink
2. Downtown Fred
3. Old Man
4. Darlin’
5. Thoughtful Distress (ft. Matt Helders & Steve Stevens)
6. Libertude
7. Memo of Hate
8. Home Again
9. I Got You
10. Caught by Night
11. Dead Air
12. One Chance
13. Remember feat. Rainsford
14. 818
15. Fast Kitten
16. I’d Never Leave
17. Never Stop
18. False Alarm
19. Alright Tomorrow (ft. Rainsford)
The New Pornographers 『Continue As A Guest』
Label: Merge Records
Release: 2023/3/31
Review
ご存知の方も少ないないと思われますが、Merge Recordsは、Superchunkのマック・マコーン氏が主宰するレーベルなわけで、少なからず、このバンドのユニークな気風のようなものは、ジャンルを問わず所属するアーティストに受け継がれているようです。スーパー・チャンクについては、Yo La Tengoや、Pixiesとならんで、USインディーの伝説的なバンドで80年代から活動する長いキャリアを持つロックバンドです。
一方、The New Pornographersを単なるスーパー・チャンクやヨ・ラ・テンゴの後継者として見做すことは惜しい。6人組のバンドのアプローチには、明らかにシンセ・ポップの影響が反映されており、以前のUSオルタナとは少し違った風味をもたらしている。「Cat and Mouse With The Light」では、Superchunkの可愛らしい音楽性の影響をとどめつつ、そこにコンテンポラリーフォークの要素を加えて新鮮味をもたらそうとしている。
その他、TOTOの「Africa」のようなポップネスを受けついだ「Last and Beautiful」もアフリカの民族音楽を彷彿とさせ、先行のオルトロックっぽくはないし、タイトル曲「Continue As a Gurest」もネオソウル/ラップ、シンセポップの影響を絡めた上で新時代のオルトロックへと歩みを進めようとしている。これはどういうことかと言うと、USオルトの良い部分を受け継いだ上で、何かしら現代的な新しい解釈を加えようというバンドのチャレンジ精神を読み解くことが出来るわけなのです。
また、そうかと思えば、「Bottle Episode」ではSuperchunkのノスタルジックな雰囲気に舞い戻り、「Detroit Has A Skyline」を彷彿とさせる和やかなオルトロックで楽しませてくれる。「Marie and the undersea」では一転して先鋭的なアプローチを展開させ、ダイナミックなシンセポップを通して清新な解釈を付け加えようとしている。これらの新旧の音楽の影響をジグザグに織り交ぜた曲の流れは、行けども行けどもゴールが見えない曲がりくねった坂道のような印象を与える。
その後にも、バンドはある一つの地点に留まるのを極力避けるかのように、バリエーション溢れる展開力を見せることに驚きを覚える。「Angelcover」では、ビートルズを思い起こさせるバロック・ポップへと転じ、音の核心に迫ったかと思えば、すっとかわされてしまうようなユニークな感覚に満ちている。次いで、「Firework in the Falling Show」に関しては、Tears For Fearsを想起させるニュー・ロマンティックやソフトロックの名曲の雰囲気を受け継いだナンバーとして楽しめる。
全体的にみれば、『Continue As A Guest』はSuperchunkやGalaxie 500、R.E.Mの音楽性に触発された音楽として位置付けられる。しかし、オルトロックという固定観点から距離をおいて聴いてみると、AOR/ソフトロックのようにも聞こえるし、その他、オアシス/ブラーのような良質なブリット・ポップにも聞こえる。音楽の核心に迫るほど聞こえるものが変化する。ジャンルを問わず、洋楽ファンにチェックしてみてもらいたい作品です。
The Drumsの2ndアルバム『Portamento』に初めて収録された "Money "は、リリースから10年以上経った今年初めにバイラル・センセーションへと変貌し、Spotifyだけで2億3000万以上のストリームを突破、RIAAゴールド認定され、オルタナティブ・グローバル・シャザム・チャートの1位、TikTokグローバル・ハッシュタグの2位を獲得している。