ブライトンの4人組、Lime Garden(ライム・ガーデン)は、2月16日にSo Youngからリリースされるデビューアルバム『One More Thing』からニューシングル「I Want To Be You」を発表した。ポストパンク的なアプローチを軸に置きつつも、ボーカルラインは親しみやすさがある。
I Want To Be You'について、ライム・ガーデンのクロエ・ハワードは次のように語っている。「"I Want To Be You'は、14歳の時に初めて行ったギグで、バンドの演奏を見て、"私はあなたになりたいのか、それともあなたと一緒にいたいのか、それとも両方が欲しいのか "と考えた、とても特別な記憶からインスパイアされたの。この感覚は私の人生で何度も頭をもたげ続け、時にはかなり強迫的なプロセスになった。ソーシャルメディアが発達し、常にアイドルを追いかけ、"彼らの世界 "にアクセスできるようになったことが、不健康な形でこの気持ちを加速させた」
アイスランドとアメリカを行き来しながら育ったLaufeyは、クラシックの訓練を受けたチェリスト兼ピアニストで、2020年に "Street by Street "のヒットでシーンに登場して以来、瞬く間に有名になった。
子供の頃、父親のレコード・コレクションを漁ってジャズ・スタンダードに夢中になり、今では 「Let You Break My Heart Again」のようなヒット・シングルと 『Bewitched』のような記録的なアルバムのおかげで、Spotifyで最もストリーミングされているジャズ・アーティストとなっている。
ドラマー兼バンドリーダーのフェミ・コレオソ、ベーシストのTJ・コレオソ、キーボーディストのジョー・アーモン・ジョーンズ、トランペット奏者のイフェ・オグンジョビ、テナーサックス奏者のジェイムス・モリソンからなるこのグループは昨年、志を同じくするアーティストのサンパ・ザ・グレート、コジェイ・ラディカル、エメリ・サンデ、ナオとのコラボレーションを収録した3rdアルバム『Where I'm Meant To Be』をリリースした。さらにこのアルバムでEzra Collectiveはイギリス/アイルランド圏で最も優れた作品に贈られるマーキュリー賞を受賞。Spotifyホリデー・シングルでは、クインテットが「God Rest Ye Merry Gentlemen」のカヴァーで才能を発揮。
Pater Belico-「Un Vaquero En Navidad 」
弱冠、21歳のPanter Belico(パンター・ベリコ)は、メキシカーナ・シーンをリードする存在となった。グルーポ・アリエスガドの元メンバーは、今年初めにソロ・アーティストとしてブレイクし、"LA 701 "や "Símbolo Sexual "といったヒット曲でチャートを席巻し、デビュー・アルバム『Punto Y Aparte』をリリースした。
今年のSpotify Holiday Singlesでは、新星は異なるアプローチでオリジナル曲「Un Vaquero En Navidad 」を提供。
DCハードコアの祖、Minor Threatの未発表曲を収録したEPが、唯一のフルレングス『Out Of Step』の40周年記念に合わせて発売される。
『Out of Step Outtakes』と名付けられたこの3曲入りEPには、1983年のオリジナル『Out of Step』セッションで録音された音源が収録されている。シンガーのイアン・マッケイが経営するディスコード・レコードから12月1日にリリースされる。
『Out of Step Outtakes』は、DSPでストリーミング配信されるほか、7インチのクリア・ヴァイナルも発売される。海外盤のフィジカルはDiscordで予約受付中。スケーターパンクのディスクガイドはこちらよりお読み下さい。
Minor Threat 『Out of Step Outtakes』 EP
Tracklist:
1. In My Eyes
2. Filler
3. Addams Family
オーストラリア出身のウィストラー奏者、Molly Lewis(モリー・ルイス)は、デビューアルバム『On The Lips』の制作を発表した。jagujaguwarから2月16日に発売される。アーティストはエンリオモリコーネの作曲に代表される西部劇のようなウィストラー・サウンドを特徴としている。これまで数作のシングルとEPを発表しているが、ついにフルレングスでデビューとなる。
本日発表されたリードカット「Lounge Lizard」は、1956年の映画『The Girl Can't Help It』におけるジュリー・ロンドンの幻影からインスピレーションを得たアンバー・ナヴァロ監督によるビデオと共に公開された。以下よりチェックしてみよう。
ロイヤル・アルバートホールでのキャット・パワーの公演を収録した『Cat Power Sings Bob Dylan』は、ボブ・ディランの1966年5月17日の公演を再現した内容である。このライブは、ちょうどディランのキャリアの変革期に当たり、マンチェスターのフリー・トレード・ホールで行われたディランのライブ公演のことを指している。
「他のいかなるソングライターの作品よりも」とマーシャルは語っている。「ディランの歌はわたしに深く語りかけてくれたし、5歳のときに、ディランを聴いて以来、私に強いインスピレーションを与えてきた。過去に”She Belongs To Me”を歌う時、私は時々それを一人称の物語に変えていた。私はアーティストだから振り返らないって」
ボブ・ディランの1966年の公演の伝説的な瞬間は、「Ballad Of a Thin Man」が始まる直前に観客が「Judah」と叫ぶ箇所にある。
オーディエンスの拍手から始まる「She Belongs To Me」は、しなやかなアコースティックギターの演奏に、キャット・パワーのブルージーな歌がうたわれる。その中におなじみのブルース・ハープがさらに哀愁のある雰囲気を生み出す。特に素晴らしいと思うのは、楽曲の演奏を通じて、米国の牧歌的な雰囲気をロイヤル・アルバート・ホール内の空間に呼び覚ましていることだろう。円熟味のあるギターの演奏、この異質なシーンに気後れしないキャット・パワーの歌声に、ぼーっと聞き惚れてしまう。そして、そのブルージーな色合いを生み出しているのは、キャット・パワーが駆け出しの頃、貧しいストリート・ミュージシャンとして活動していた人生経験である。これは、全く別の人物の歌をうたいながらも、みずからの体験を反映させ、それをカバーという形に昇華させているからこそ、こういった深さがにじみ出てくるのである。
一見したところ、ライブでは、直接的に感傷性に訴えかけるようなフレーズはそれほど多くないように思える。しかし、続く「Fourther Time Around」では、アコースティックギターのストロークを掻い潜るようにして紡がれるマーシャルのボーカルは、バラードという形式の核心にある悲哀を捉え、涙を誘う。感情をそのまま歌に転化させ、美しい流れの中に悲しみをもたらす。フォーク・バラードという形で紡がれていく歌やギターの中にはブルースに近い渋みが漂う。
続いて、ギターを持ち替えたと思われる「Visions Of Johanna」では、大きめのサウンドホールの鳴りを活かし、緩やかでくつろいだフォーク・ミュージックを奏でている。ブルージーな渋さのあるキャット・パワーのボーカルの後のブルースハープの演奏もムードたっぷりだ。
「Baby You Follow Me Down」では同じく、フォークロックに挑んでいる。さらには「Just Like Tom Thumb's Blues」ではカントリーとブルースをロック的な観点から解釈している。これらの2曲は、終盤の流れの中に意外性をもたらしており、ディランのロックミュージックの醍醐味を体感出来る。
同じように、スタンダードなブルース・ロック「Leopard」も渋いナンバーとして楽しめる。同じように、ライブ・アルバムの終盤では、リラックスした感覚を維持しながら、ロックそのものの楽しさをライブで再現している。カントリーをフォークロックとして解釈した「One Too Many Morning」でも切ない郷愁を思わせるものがあり、ゆったりした気分に浸れる。
『90 Day Men: We Blame Chicago』と題された5枚組アルバムには、ヘバ・カドリーがリマスターしたバンドの3枚のスタジオ・アルバムに加え、2001年のピール・セッション、EP、シングル、アウトテイク、レア音源や未発表音源が収録されている。発売は1月19日。公式サイトで予約可能。かなりマニアックなボックス・セットとなるが、ファンはぜひチェックしてみよう。
Sleaford Mods, storm off stage after a Palestinian flag is thrown onstage in Madrid, Celtic Board will be asking them to do the HT windfall draw soon. pic.twitter.com/RKNrEanFIi
そして6月、ザ・スマイルは『ウォール・オブ・アイズ』からのファースト・シングル「ベンディング・ヘクティック」を発表した。夏のツアーで、バンドはこの曲をライヴで演奏し、「Read the Room」や「Under Our Pillows」など、『Wall of Eyes』に収録される他の曲も披露した。
ザ・スマイルは、2020年のCOVID-19パンデミック時に結成された。2022年5月にデビュー・アルバム『A Light for Attracting Attention』を発表。昨年12月にはライヴ・アルバム『The Smile(Live at Montreux Jazz Festival, July 2022)』を発表。バンドは、ライブ・ショーでレディオヘッドのサイド・プロジェクト以上の存在であることを証明し、多くのツアーに乗り出している。今年、NPRのタイニー・デスク・シリーズ、ピッチフォークミュージックフェスティバルにも出演した。
彼女のデビューEP『Bury Your Horses』が人と人とのつながりの定点と謎を縫い合わせたのに対し、『Long Is The Tunnel』(Winspearからの1作目)は、出会った人々がどのように自分の進む道に影響を与えるかを考察している。ベッカーマンはずっとニューヨークに住んでいるが、彼女のアーティスト名(そして本当のミドルネーム)はロシア系ユダヤ人の曾祖母に由来する。『ロング・イズ・ザ・トンネル』を構成する曲を書いている最中に、彼女の祖父母は2人とも他界した。祖母(詩人であり教師でもあった)に関する話は、「過去の自分の姿」のように感じられると同時に、ベッカーマンがどこから来たのかという線に色をつけたいという燃えるような好奇心に火をつけた。
ベッカーマンは祖母の手紙を頻繁に読み返したが、その手紙は「憧れを繊細かつ満足のいくリアルな方法で伝えていた」という。痛烈な「Somewhere in the Middle」のような曲は、彼女の人生に残された人々を不滅のものとし(「もう二度と会うことはないだろう」)、過去を再現することで、しばしば暗い真実が表面化する。殺伐とした現実にもかかわらず、このEPは伝統的なソングライティングと現代的な言い回しの間の独特のコラージュを描いており、自己発見の純粋な輝きに魅せられる。
『Bury Your Horses』と『Long Is The Tunnel』のタイトルはどちらも特定のカーゲームにちなんだもので、後者はトンネルが何秒続くかを当てる内容だ。ベッカーマンは、それぞれの曲を通して建築的な注意深さを維持し、彼女の視点を越えてゆっくりと世界を構築していく。「海が出会う場所がある/その下には暗闇がある」と彼女は「Challenger Deep」の軽やかさの中で歌いながら夢想する。誰かを理解しようと近づけば近づくほど、その人の欠点が明らかになることがある。しかしながら、結局のところ、愛とは、目的のための手段にすぎないのかもしれない。
アルバムは、幻想的な雰囲気に充ちており、安らかさが主要なサウンドのイメージを形成している。全般的に、おとぎ話のようなファンタジー性で紡がれていくのが幸いである。ダネシェフスカヤは、自分の日頃の暮らしとリンクさせるように、子供向けの絵本を読み聞かせるかのように、雨の涼やかな音を背後に、懐深さのある歌を歌い始める。ニューヨークのフォークグループ、Floristは、昨年のセルフタイトルのアルバムにおいて、フォーク・ミュージックにフィールドレコーディングやアンビエントの要素をかけ合わせて、画期的な作風で音楽ファンを驚かせたが、『Long Is A Tunnel』のオープニング「Challenger Deep」も同様に『Florist』に近い志向性で始まる。ナチュラルかつオーガニックな感覚のあるギターのイントロに続き、ダネシェフスカヤのボーカルは、それらの音色や空気感を柔らかく包み込む。童話的な雰囲気を重んじ、和やかな空気感を大切にし、優しげなボーカルを紡ぐ。デモソングは、ほとんどGaragebandで制作されたため、ループサウンドが基礎になっているというが、その中に安息的な箇所を設け、バイオリンのレガートやハモンド・オルガンの神妙な音色を交え、賛美歌のような美しい瞬間を呼び覚ます。驚くべきことに、シンガーとして広い音域を持つわけでも、劇的な旋律の跳躍や、華美なプロデュースの演出が用意されているわけではない。ところが、ダネシェフスカヤのゆるやかに上昇する旋律は、なにかしら琴線に触れるものがあり、ほろ苦い悲しみを誘う瞬間がある。
「Somewhere in The Middle」は「Challenger Deep」の空気感を引き継ぐような感じで始まる。同じようにアコースティックギターのループサウンドを起点として、インディーロック的な曲風へと移行していく。
メロトロン、淑やかなピアノ、ダネシェフスカヤのボーカルが掛け合わされる「Roy G Biv」は、60、70年代のヴィンテージ・レコードやジューク・ボックスの時代へ優しくみちびかれていく。夢想的な歌詞を元にし、同じようにフォーク音楽とポピュラー音楽を融合を図り、緩急ある展開を交えて、ビートルズのアート・ポップの魅力を呼び覚ます。後半にかけてのアンセミックなフレーズは、オーケストラのストリングスと融合し、すべては完璧な順序で/降りていく最中なのだとダネシェフスカヤは歌い、美麗なハーモニーを生み出す。最後の2曲は、ソロの時代のジョン・レノンのソングライティング性を継承していると思えるが、こういった至福的な気分と柔らかさに充ちた雰囲気は、「Ice Pigeon」において更に魅力的な形で表される。
シンプルなピアノの弾き語りの形で歌われる「Ice Pigeon」では、「Now And Then」に託けるわけではないけれど、ジョン・レノンのソングライティングのメロディーが、リアルに蘇ったかのようでもある。この曲に見受けられる、ほろ苦さ、さみしさ、人生の側面を力強く反映させたような深みのある感覚は、他のシンガーソングライターの曲には容易に見出しがたいものである。考えられる中で、最もシンプルであり、最も素朴であるがゆえ、深く胸を打つ。ダネシェフスカヤのボーカルは、ときに信頼をしたがゆえの人生における失望とやるせなさを表している。最後の曲の中で、ダネシェフスカヤは、現実に対する愛着と冷厳の間にある複雑な感情性を交えながら、次のように歌い、アルバムを締めくくっている。「信じてるのは私じゃない/やってくるもの全部が私には役に立たない/なぜならそれが何を意味するのか知っているから」
昨年の4月のデビューからリリース毎に”J-WAVE TOKIO HOT 100”にランクインするなど、注目度が高まるピアニストで作曲家の壷阪健登とベーシストでボーカリストの石川紅奈によるユニット、soraya(ソラヤ)が11月22日(水)に新曲「ゆうとぴあ」を配信にてリリースする。1950-60年代にアメリカの音楽家/ピアニスト、マーティン•デニーらによって生み出され、細野晴臣氏も大きく影響を受けたとされる、ムード音楽”エキゾチカ”を再解釈した一曲となる。
今年の夏、LOVE SUPREME JAZZ FESTIVAL JAPAN 2023、日比谷音楽祭2023などのフェスへも出演したsoraya。各メンバーのソロ活動も活発化している。石川紅奈は今年春にJAZZの名門レーベル”Verve”よりメジャーデビューを果たし、壷阪健登も国内での単独公演を成功させ、スペインのサンセバスチャン国際ジャズ・フェスティバルへの出演を果たすなど、ミュージシャンとして世界への拡がりを見せる。
2023年夏はLOVE SUPREME JAZZ FESTIVAL JAPAN 2023や日比谷音楽祭2023などのフェスへも出演。各メンバーのソロ活動も活発化しており、石川紅奈は今年春にJAZZの名門レーベルVerveよりメジャーデビューを果たし、また壷阪健登も国内での単独公演を成功させ、サンセバスチャン国際ジャズ・フェスティバルへの出演、ミュージシャンとして世界への拡がりを見せる。
在学中からプロ活動を始め、卒業後は小曽根真と女優の神野三鈴が主宰する次世代を担う若手音楽家のプロジェクト「From OZONE till Dawn」のメンバーとしても活動。2021年8月 東京・丸の内コットンクラブで行われた『小曽根真 “OZONE 60 in Club” New Project “From OZONE till Dawn” Live from Cotton Club』にて収録された『Off The Wall』(by マイケル・ジャクソン)の映像がYouTubeで200万回以上再生され、一躍注目を浴びる。
慶應義塾大学を卒業後に渡米。2017年、オーディションを経て、Danilo Perezが音楽監督を務める音楽家育成コースのBerklee Global Jazz Instituteに選抜される。 これまでにPaquito D’Rivera, Miguel Zenon, John Patitucci, Catherine Russellらと共演。2019年にバークリー音楽院を首席で卒業。
2023年7月にはソロピアノでサン・セバスティアン国際ジャズフェスティバル(スペイン)に出演。 11月には銀座ヤマハホールにてピアノ・リサイタルを催行する。2022年より世界的ジャズピアニスト小曽根真が主宰する若手アーティスト育成プロジェクト、From Ozone till Dawnに参加。小曽根真とも共演を重ね、ジャンルを超えた多彩な才能で、次世代を担う逸材と注目を集めている。
Central Ceeが参加した「Nice To Meet You」はピンクパンサレスからの初見のリスナーに送られた挨拶状、グリーティングカード代りである。実際にキュートなポップスとは何かを知るのには最適なトラックであり、タブラの打楽器を加えることで、その中にインド的なエキゾチズムをもたらす。エスニック・ポップとも称すべき新味なポップサウンドを探求している最中であることがわかる。トラックの後半で登場するCentral Ceeのラップは爽やかな感覚に満ちている。ドリルのリズム対し繰り広げられるCeeのスポークンワードのテクニックにも注目。曲のリズムは最後にドリルからドラムンベースに変わり、ボーカルのサンプリングを遊びのような感じで付け加えている。
アルバムの終盤にも良曲が並んでいて聴き逃がせない。それは考えようによっては、これまでに定着したTikTok発のアーティストというイメージを十分に払拭し、彼女が次のメガスターの階段をひとつずつ上り詰めていくためのプロセスを示しているとも考えられる。「Blue」におけるダンス・ミュージック、ポップ・ミュージックの痛快なクロスオーバーも素晴らしく、ドラムンベースのリズムを発展させた「Feelings」も、UKのフロアシーンのリアルな空間をレコーディングとして絶妙に反映させている。「Capable of love」では、ブレイクビーツを元にして、コアなポップスを生み出している。Ice Spiceが参加したアルバムのクローズ「Boy's a Liar Pt.2」でもチップ・チューンを元にして、キラキラと輝くようなエレクトロポップを制作している。