彼のレーベルであるBrushfire
Records とツアー・クルーは音楽業界の緑化のリーダーであり、彼が主宰するAll At
Onceというソーシャル・アクション・ネットワークはツアー各地でファンと地元の非営利団体を結び付けている。妻のキムとともに設立したコクア・ハワイ財団では地元ハワイの学校や地域コミュニティーの環境教育を支援し、ジョンソン・オハナ財団では世界中の環境、芸術、音楽教育を支援しており、アルバムやツアーの収益と個人的な慈善活動により、2001
年以来 3,700 万ドル(50億円)以上が慈善団体に寄付されています。
Roland Store Tokyoでもそのコンセプトを基本とし、ローランドの電子楽器をよりよい環境で体験してもらい、音楽を創造する楽しさを存分に味わい、末永く音楽ライフを楽しんでもらうことを目指している。店舗は地下1階〜地上2階で、最新の電子楽器を数多く取り揃え、ローランド・プロダクト・スペシャリストもスタンバイしている。
Roland Store Tokyoは、近年話題の “裏原宿” にオープン予定。このエリアは、ファッションやグルメなどトレンドの発信地で、日本だけでなく、世界中から訪れる流行に敏感な観光客にも人気のスポットとなっています。
「Roland Store Tokyo」:
●オープン予定日:2023年10月1日(日)
●住所:東京都渋谷区神宮前四丁目25番37号
●営業時間:12:00〜19:30 ※2023年10月1日(日)〜14日(土)は時短営業
●定休日:毎週火曜日
Chirsrtina Vanzou/ John Also Benett / Κλίμα (Klima)
ピアノ・アンビエントや、フィールド・レコーディングを交えた実験的なコラージュ、そして、 アフロ・ジャズ/スピリチュアル・ジャズを想起させるフルートの伸びやかな演奏、さらには、「Christina Vanzou,Michael Harrison,and John Also Benett」で見受けられたインドのラーガ音楽の微分音を取り入れたアプローチ、それに加え、構造学的な音作りやCVのアンビエントの主な性質を形成するアートへの傾倒という観点も見過ごすことは出来ない。デュオは、これまでの豊富な制作経験を通して培ってきた音楽的な美学を組み合わせて、構造的でありながら感覚的でもある、具象芸術とも抽象芸術ともつかない、アンビバレントな音像空間を造出している。
#1「Κλίμα (Klima)」、#4「Lands of Permanent Mist」の2曲は、これまでのCVの主要な音楽性の一端を担ってきたピアノ・アンビエントの形でアウトプットされている。
「Lands of Permanent Mist」は、ピアノの弦をディレイてリバーブで空間的に処理し、音像をプリペイド・ピアノのように変化させる。さらに、デチューンを掛け、ピアノの倍音の音響性の可能性を広げる。上記2曲に関しては、CVの作曲性の中に組み込まれる癒やしの質感を擁し、リスナーの五感に訴えかけようとする。まるでそれは音楽が外側に置かれたものとして見做すのではなく、人間の聴覚と直にリンクさせる試みのようでもある。
同様の手法を用いながらも、こういった従来の安らいだピアノ・アンビエントと対極に位置するのが、#3「Messengers of The Rains」となる。この曲ではCVの作風としては珍しくゴシック的な気風が取り入れられ、ミニマル・ミュージックと結びつけられる。その中に、ボーカルのコラージュを取りいれ、『Biohazard』に登場するゾンビのようなボイスを作り出すことで、ホラー映画や、フランシス・ベーコンの中後期の絵画に見られる、近寄りがたく、不気味な印象性を生み出す。
デビュー・シングル「Light My Fire」は、ドアーズの代表曲でもあり、ビルボードチャートの一位を記録し、大ヒットした。その後も、「People Are Strange」、「Hello I Love You」、「Touch Me」といったヒットシングルを次々連発した。ドアーズのブレイクの要因は、ヒット・シングルがあったことも大きいが、時代的な背景も味方した。
2018年、バンドはシカゴに拠点を移した。『Big Day EP』の大半を書き、レコーディングした。ステージやスタジオで時間を費やしながら、彼らは作品に磨きをかけ、2019年までには、Alex Gとツアーを行い、デビュー・フルレングス・レコード『Moveys』の制作に取り掛かった。マッシーのライム病と慢性モノラルの診断、そして、彼女の両親を巻き込んだ重大な交通事故により、バンドは孤立した状態で『Moveys』を完成させた。エミリーは一時的に家に戻り、病院に通い介護をしながら、父親のマイケルの小さな自宅スタジオでヴォーカルを録音した。紆余曲折あったが、バンドは『Yard』で再びマイケルとヴォーカルを録音することを選んだ。
「Doubt」は、Slow Pulpがポップ・パンク/メロディックパンクのフォロワーであることの表明代わりとなる。Blink-182の若々しい感性と青春を彩るメロディーラインがスリーコードとAlex Gのごときテクニカルなミックスと結びつく。ポップ・パンク最盛期のメロディーラインやビートの影響を巧みに反映させ、それらをベッドルーム・ポップの感性と結びつけ、最終的には複数の音楽性を吸収し、全般的にカナダのAlvvaysの様なフォーク・パンクとして昇華させる。バンドサウンドとしての完成度もずば抜けて高い。この曲の緻密に作り込まれた精巧なプロダクションは一秒もずれることがない精密機器のようである。さらに、マッシーのボーカルには、Fall Out Boyのようなオーバーグラウンドのエモコア・バンドの旋律に加え、ダイナミックさと繊細さが内包されている。ここに2020年代のポップ・パンクの珠玉の名曲が誕生している。
前作アルバムで構築したディストーション・サウンドの妙は「Cramps」において引き継がれている。イントロの華麗なタム回しの後に始まる痛快なメロディック・パンクは、多くのファンが待ち望んでいたものであり、未知なるリスナーの心を鷲掴みにするに違いない。キム・ディール擁するThe Breedersのオルト・ロックとフォークの融合性を継承し、パンキッシュなグルーブを散りばめている。上記2曲に比べ、グランジの影響が強く、ギターサウンドの尖り具合は、Dinosaur Jr.のJ Mascisが『You're Living All Over Me』においてもたらした、ワウとファズの融合に匹敵する。彼等はそれを誰にでも分かりやすく親しみやすいサウンドへと昇華する。これらのパンクとロックの中間にあるアプローチは、エモコア・サウンドに変貌を遂げる瞬間もある。
「Slugs」は、前曲と同様に、彼らのライブのアンセムとなっても違和感がないように思える。この曲では、Phoebe Bridgersのソロでのベッドルーム・ポップやインディー・フォークの音楽性を上手く吸収し、それを親しみやすく、まったりとしたサウンドへと落とし込んでいる。そしてエバーグリーンな感性がリリックやボーカルに巧みに転化されている。これらは、大学生時代のモラトリアムのような感覚を鋭く捉え、内省的で感覚的な波が揺らめくような切ないポップという形でアプトプットしている。そのポップネスにスパイスをもたらしているのがファズを徹底して突き出した歪んだギターだ。これは、マット・シャープのThe Rentalsが『Friend Of P』で実験していたサウンドである。決してパブリーではなく、ナードであるかもしれないが、何れにしても、それは心地よいインディーロックソングに落着していることは言うまでもない。
「Yard」も前曲と同様にプレビューとして公開された。 ここでは、彼らが信奉するAndy Shaufのインディーフォーク性を受け継ぎ、古めかしいピアノの音色を交えて、オルタネイトなソングライティングの方向性を選んでいる。コード進行に関しては、Weezerの「Undone- The Sweater Song」とほぼ同じである。しかし、普遍的なアメリカン・ポップスの影響も見受けられ、フィービー・ブリジャーズのベッドルーム・ポップとビリー・ジョエルの往年のクラシック・ポップが合体し、さらに、それがPixiesの「Where Is My Mind」と融合し、ある種の化学反応を起こしたかのようである。難しい例えになってしまったが、普遍的なUSポップスのスタイルを巧みに踏襲し、オルタネイトなポップとして昇華させている点に醍醐味がある。少なくともこの曲は、アンディ・シャウフのような幻想性は乏しいものの、良質なポップソングとして楽しめる。
1995年、自主制作盤の発表後、シカゴのTouch & Goと契約を交わし、『In an Expression of the Inexpressive』ではプロト・パンクの影響を絡めた前衛的なロックの集大成を成し、バロック・ポップを推進したメロディアスな印象を擁する『Misery Is A Butterfly』も象徴的なアルバムである。その後、比較的、ダンス・ポップのアプローチを前面に打ち出すようになり、4ADと契約を結んで発表されたNINのトレント・レズナーのプロデュース作『Penny Sparkle』では、時代に先んじてアヴァン・ポップの新境地を切り開いた。その過程では、フジロック・フェスティバルにも出演したことは記憶に新しい。
『Sit Down for
Dinner』は、ニューヨーク、ニューヨーク北部、ミラノ、トスカーナで5年間かけてじっくりと作曲・録音された。完璧な構成であり、繊細さと明瞭さ、ただならぬ決意が込められたアルバムが制作された。全体を通して、控えめでありながら直感的なメロディーが避けがたい葛藤を描いた歌詞に印象深さをもたらす。2021年の時代の永続的な関係におけるコミュニケーションの断絶、どちらに向かえばいいのか悩むなど、夢を持ち続けることの困難について描かれている。
2020年春のこと、カズ・マキノは、アルバム制作の過程で、ジョーン・ディディオンが2005年に発表した悲嘆の回想録『The Year of Magical Thinking』の一節に出会い、食卓で夫の急死を目撃した衝撃的な体験を振り返っている。パンデミック初期に起こった深刻な不安が世界に蔓延するなか、マキノは遠く離れた日本にいる自分の両親のこと、当時、不意に失われた家族と夕食を共にする儀式、私たちの誰もが一瞬にして人生が変わってしまうという重々しく遍在する感覚に思いを馳せざるを得なかった。そういった複雑な思いや、アーティストの人生観にまつわる感覚が渦巻く、従来のブロンド・レッドヘッドのカタログの中で最も意義深いアルバムとなっている。
Blonde Redheadは、ベースなしの編成で作品制作に取り組んできた経緯があり、バンドとしては特異なトリオであることは相違ない。ただ、ベースレスのバンドであるからといえ、彼らの音楽が軽薄であったことはなかった。それは、バンドの中期の代表作『Misery Is A Butterfly』でのバロック・ポップの手法を選んでもなお、最初期のノーウェイヴに触発された前衛性やパンク性は、彼らの音楽性の一端を担っていたのだ。パーチェ兄弟の悲哀を織り交ぜたソングライティング、プロト・パンクやダンス・ポップに触発されたマキノのメロディー性が合わさることで、ブロンド・レッドヘッドは唯一無二の存在として名を馳せてきたのだったが、今作においても、それらの音楽性は不変であり、ダブル・ボーカルというアプローチにも変更はない。
例えば、「I Thought You Should Know」でのニューヨークのブルックリンを中心に隆盛をみせるシンセ・ポップのアプローチ、「Before」でのヨーロッパのアヴァン・ポップに対する親和性という形を通じて、現行のウェイブの影響を巧緻に取り入れている。しかし、これらの現代的な手法は、独自のポップセンスや、パーカッシブな音楽的な技法、そして卓越したメロディーセンスにより、バンドしか持ち得ない持ち味が追求され、代名詞となるサウンドとして昇華される。他のアーティストからの影響を断片的に取り入れようとも、オリジナリティー溢れるサウンドになるのは不思議でならない。カズ・マキノ、パーチェ兄弟の持つ深いペーソスが楽曲の構成や旋律、そして、スケール、リズム全般に乗り移り、バンドの象徴的な音楽性が生み出されるのだ。
特に、人生の中での考えさせられるような体験は、「Kiss Her Kiss Her」の中に反映されているという気がする。それらは貴重な何かが失われた時に感じる悲哀をもとに、カズ・マキノなりの愛情という観念を探し求めているように思える。その核心に触れられたかどうかは別としても、この曲に満ちる感情の流れは、水のゆらめきのように、繊細な感覚を作りだす。最初期は、ライオットガールという観念にがんじがらめになっていた印象もあったにせよ、それらは今や労りや慈しみという観念に変化し、感情をやさしく包み込む。この曲を聴くかぎりでは、ことさらジャンルという観念にもこだわっていないという気がするし、普遍的な影響力を持つロックバンドとしての風格も随所に感じられるようになった。
これは、今や、アヴァンギャルドや前衛主義という印象を一面的に示唆する必要性がなくなった、つまり、衒学性を表向きに示す必要がなくなったとも解釈できる。それは以前からバンドを知るファンにとってはある種の安心感をもたらし、肩の荷が下りたような感覚を覚えさせる。ただ、普遍的なロックの手法の中にも、トリオらしい実験的な音楽の趣向が見いだせることも事実だろう。特に「melody experiment」では、裏拍を強調したギターラインを、ドリーム・ポップに近いボーカルのメロディーと結びつけている。これらは、Touch & Go所属時代のバンドの夢想的な感覚の復刻であるとともに、「This is Not」に代表されるポップネスの進化系を示したとも解釈出来よう。ダンス・ポップという切り口は、この曲でも健在だが、終盤にかけて、ライブ・セッションでしか発生しえないアグレッシヴな瞬間も見出せる。
この28年間において、バンドは連曲という形式を通して、アヴァンギャルドの精髄を探求してきた経緯があるが、旧来の形式を捨て去ったというわけではない。ブロンド・レッドヘッドの独自の美学は「Sit down for Dinner 1/2」に見出せる。しかし、その手法は以前とは若干異なる。前者ではフレンチ・ポップの踏襲という形で、後者においては、ニューヨークのプロト・パンクを形成するSuicide、Silver Apples、DNAを始めとするノーウェイヴの復刻という形で現れる。そう、たとえ制作やレコーディングの拠点が、ニューヨーク、ミラノ、トスカーナ、複数の国家に跨ったとしても、やはりブロンド・レッドヘッドはブロンド・レッドヘッド。ニューヨークの象徴的なロックバンドであり、同地のカルチャーの重要な継承者であることに変わりはないのだ。
beabadoobee(ビーバドゥービー)がニューアルバム「Live In London」をリリースした。これは、2022年10月19日にロンドンの象徴的なブリクストン・アカデミーで行われた、彼女のソールドアウトとなった地元でのライヴを完全収録した特別なライヴ・レコーディングだ。ステージ登場時には、観客から鳴り止まぬ「bee!!」のコールが沸き起こった。このことは、Dirty Hit所属のシンガーのイギリスでの不動の人気を象徴付けている。このライブのテースターを下記よりチェックしてみよう。
昨年、シンガーはセカンド・スタジオ・アルバム「Beatopia」をリリースした。それ以来、彼女は単独シングル「Glue」を発表し、4月にはゲスト・ヴォーカルにClairoを迎えた同曲のスペシャル・ヴァージョンをリリースした。さらに最近では「the way things go」を公開している。
Sofia Kourtesis(ソフィア・クルテシス)は、デビューアルバム『Madres』の最終シングル「How Music Makes You Feel Better」を公開した。「どんな嵐の中でも、どんな浮き沈みの中でも、痛みや悲しみの中でも、音楽はいつもあなたを元気にしてくれる最も美しいものです」
Sofia Kourtesis(ソフィア・クルテシス)の『Madres』はニンジャ・チューンから今週金曜日に発売される。