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Angel Olsenが昨夜(6月6日)、「Jimmy Kimmel Live!」に音楽ゲストとして出演し、ニューアルバムからのタイトルトラック「Big Time」を披露しました。その模様は以下でご覧いただけます。


最新アルバム「Big Time」は今月初めにJagjaguwarからリリースされました。エンジェル・オルセンは、このアルバムを引っ提げ、シャロン・ヴァン・エッテン、ジュリアン・ベイカーと共にワイルド・ハーツ・ツアーの一環として、7月21日にバージニア州ウィーンでキックオフし、8月21日にニューヨークで終了し、その後ヨーロッパとイギリスでのツアーを行う予定となっています。


Jeff Tweedy

 

先週の金曜日、Angel Olsenが素晴らしいニューアルバム「Big Time」をリリースしました。Wilcoのニューアルバム「Cruel Country」も先月リリースされたばかりで、Jeff TweedyがOlsenのタイトル曲をカバーしているのは、素晴らしいクロスプロモーションと言えるでしょう。


Wilcoのシンガーソングライターとして知られるジェフ・トゥイーディは、自身のサブスタックへの投稿を通じて、「今日、発売されたエンジェル・オルセンの新譜から覚えた曲だ!」と、カヴァーを紹介している。彼は、また、数年前にオルセンが彼を訪れた際に、一緒に撮った写真もアップロードしている。「いつもは、曲を有料ウォールの後ろに置くんだけど、このアルバムは、真新しくて素敵だから、耳の肥えたリスナーに是非聴いてもらいたい」と綴っている。

 

一方のエンジェル・オルセンは、ジェフ・ツイーディーのツイートを見るや、感謝の気持ちを伝え、「ジェフ!!!! 「Big Time」をカヴァー! 借りができたよ」とツイートを行っている。トゥイーディ、オルセンの間のシカゴ・コネクションの力強さを伺わせるハートウォーミングなやりとりである。

 

 

 

 Angel Olsen 「Big Time」

 

 



Label:  jagujaguwar


Release Date: 2022年6月3日

 

 

中国の古い四字熟語に、「温故知新」という言葉があります。これは、日本語でいうと、ふるきをたずね、あたらしきをしる、という意味が込められた「論語」の中に登場する言葉です。その意味は、古い時代の出来事の深い理解を交えることにより、新しい時代の意味を再発見するというもの。なぜ、このような前置きをしたのかといえば、特に、アメリカのソロアーティストの中に、温故知新の精神を追い求めるミュージシャンが数多く見受けられ、エンジェル・オルセンの新作アルバム「Big Time」にも、この古い故事がぴったり当てはまるような感があるからです。

 

私は、アメリカ文化の専門家でもないため、詳しいことまでは言及できませんが、特に、最近、ファーザー・ジョン・ミスティ、ロード・ヒューロンをはじめ、米国のアーティストの間で、20世紀の初頭や中葉の音楽や文化に脚光を浴びせようと試みるムーブメントが巻き起こっているように思えます。これは「Nostalgia-Pop」ムーブメントの密かな到来と言えるかもしれません。


シカゴを拠点に活動するシンガーソングライターのエンジェル・オルセンさんは、この最新作「Big Time」において、テネシー・ワルツを中心として、カントリー、フォーク、アメリカの音楽文化の源流に迫ろうと試みており、失われたアメリカのロマンチシズム、ノスタルジアを映画のサウンドトラックのような趣のあるバラードにより探求していきます。アルバムの世界観は、徹底して物語調であり、最初から最後までそのコンセプトが崩れることはなく一貫した表現性が通っています。複数の先行シングルとして公開されたMV,「Big Time」のショートフィルムは、この音源としてのレコードを補足し、そのストーリーを強化するような役割を果たしている。

 

これまで、シンセポップ、オルタナポップ、またパンキッシュな雰囲気のあるポップス、作品ごとにそのキャラクター性を変化させてきたオルセンは、近年、アメリカの古いカントリー、フォーク、アメリカーナといった音楽に真摯に向きあい、去年には、シャロン・ヴァン・エッテンと共同制作でシングル「Like I Used to」を制作し、対外的な環境に関わらず、音楽性をひそかに磨きをかけ続けてきた。

 

そして、それらの表面的な音楽とは別に、精神的な研鑽をまったく怠らなかったことがこの作品には表れ出ています。ポピュラー音楽の内在する複数のテーマ、若い時代の思い出、家族、そして、愛情などなど、様々な文学的な表現を掲げ、それを良質な音楽としてアルバムに刻印しようと努めている。アコースティックギター、ペダルスティール、といったアメリカンカントリーを象徴するような楽器で表現しようとしており、それらが見事な形で花開いたのが、オープニングトラック「All The Good Time」、タイトルトラック「Big Time」であり、また、トム・ウェイツの最初期の作品「Closing Time」のロマンチシズムを彷彿とさせるような「Ghost Town」といった秀逸なアンセムソングです。これらはミズーリ州出身のオルセンとしてのアメリカ南部の美麗なロマンチシズムに対する憧憬のようなものが余韻として表れ出ています。

 

特に、オルセンは、この南部のカウボーイ映画のようなワイルドさの漂うアルバムの中、これまで様々な方向性を模索してきたシンガーとしての才質を余さず駆使し、複数の歌い方、正統派のシンガー、おどけたような歌い方、コケティッシュな歌い方、ウイスパーボイスと、複数のシンガーが曲ごとに歌い分けているように、作品で、ころころと自分のキャラクター性を変化させており、その辺りがエンジェル・オルセンというシンガーらしさが引き継がれていると言うべきか、正統派の歌手の大きな成長とともに、歌手としての大きな真価が伺え、特に、この七変化する歌唱法を聴くために、この作品を聴いたとしても大きな感動がもたらされるでしょう。

 

エンジェル・オルセンは、このアルバムが発表される直前のタイトルトラック「Big Time」のリリースにおいて、「この曲を母親に聞かせたかった。もし、母親がこの曲を聴いてくれたら素晴らしいといってくれただろうに・・・」というコメントを添えていたのを覚えています。この言葉はアルバムの確かな手応えを象徴していたと思いますが、間違いなく、もし、彼女の母親が生きていたら多分そのように言ったはずです。

 

そして、以上のコメントは、このアメリカ国内でも、シャロン・ヴァン・エッテンに比する実力を持つシンガーソングライターのこの作品に込められた万感の思いで、この作品がオルセンさんにとって、どれほど大切なものであるかを示しています。この作品は、これまでのエンジェル・オルセンのキャリアの中で記念碑的なアルバムでありながら、このシンガーソングライターの音楽の物語の序章ーオープニングに過ぎない。それは、ジャズを下地に独特なポピュラー音楽として昇華された名曲「Chasing The Sunー陽を追う」の劇的でドラマティック、さらに、オーケストラ・ストリングスのアレンジが、ゆるやかに、深い情感を伴いながら、徐々にフェイド・アウトしていくとき、言い換えれば、作品そのものの持つ世界が閉じていくまさにその瞬間、多くの聞き手は「この音楽の物語はまだまだ終わりではなく、これからも続いていく・・・」という、このシンガーからの素敵で勇敢なメッセージの残映を捉えるはずなのです。

 

Critical Rating:

96/100 



Weekend Featured Track 「Big Time」

 

 



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アメリカのシンガーソングライター、エンジェル・オルセンはApple TV+シリーズ「Shining Girls」のサウンドトラックの一部として、ボブ・ディランの「One Too Many Mornings」のカバーを新たにリリースしました。

 

シングルの収益は、先日のテキサスの小学校で起きた事件を受けて、今後のアメリカの銃規制に賛同を示すため、エブリタウンに寄付される予定です。エブリタウンは、銃規制を提唱する非営利団体であり、アメリカ国内最大の銃暴力防止組織として運営されています。

 

今回リリースされたオルセンの新曲は、「Shing Girls」のサウンドトラックに収録される予定ですが、ジョナサン・ウィルソン(ラナ・デル・レイ、ファーザー・ジョン・ミスティなどの作品を手掛けている)がプロデュースを手掛けた今後発売予定の「Big Time」には収録されませんのでご注意下さい。

 

オルセンのボブ・ディランのカバー曲はリリースと同時に、ミュージックビデオも公開されています。このMVはClaudio Sarneが監督を手掛けています。 「One Too Many Mornings」はボブ・ディランの1964年のアルバム「The Times They Are A Changing」に収録されており、彼の歴代カタログの中で、最もカバーされている曲として知られている。オルセンの他にも、Bon Iver,Joan Brez,David Gray,Jonny Cashといった錚々たるミュージシャンがカバーしています。


 

 

 

今年6月に待望のニューアルバム「Big Time」のリリースを控えているシンガーソングタイターのAngel Olsenが、「All The Good Time」に続く、二曲目のシングル「Big Time」をリリースしました。同時に、昨日、ミュージックビデオが公開されています。ファーストシングルはハートランドロックの影響を取り入れていたエンジェル・オルセンは、今回のシングルでは、カントリー調の曲風に挑んでいます。派手な印象を放つペダルスティール、エンジェルオルセンのソウルフルなボーカルが取り入れられ、アメリカの古典的な雰囲気が取り入れられた一曲。

 

今度のシングル作「Big Time」には、ステージ上で登場人物に扮し、マイクを前に歌うオルセンと共に、ペアでダンスをする演者たちがフューチャーされたミュージックビデオについてこの映像を手掛けたキンバリー・スタックウィッシュ監督は、この作品について以下のように説明しています。

 

 

「ビッグ・タイム」で、振り付けや、色彩、ワードロープを通して、人間がどのように時代を措定し、過去の昔ながらの二元性と社会的/内面化された性別を覆すためのコンセプトに着手しました。社会に存在する厳密な定義の外に出ることは、非常に難しく、映画という芸術的な分野ですら、その居場所を与えられない場合があります。これは、映像中に空間性を設けることに、前向きな視点を持ち、自分が自分よりも遥かに自分そのものであるということを、世界に対して示す機会を今回設けたわけです。

 

「ビッグ・タイム」は、 私達が本当のアイデンティティを表現しない影から抜け出して、最も本物の自分を見出す時、また真の自由を見出した時に起こる素敵なことです」と、キンバリー・スタックウィッシュ監督はさらに付け加えています。単色、ダンスは単調そのものです...性別適合の役割がそこには存在する。でも、くるくるとステップを踏んで、回転するたびに、何らかの素敵な不思議な出来事が起こり、キャストとエンジェルの双方が自由に生き始めます。スポットライトとは関係なしに、服装が明るくなり、踊りが高まり、感情を失っていたバーという空間に、登場人物のそれぞれのキャラクターが収まりきっていく。私達のキャストの80%とクルーの50%が非バイナリーで構成されていますことを、私は何より誇りに思っています。

 

Angel Olsenは、今年6月3日にJagujguwarから新作アルバム「Big Time」をリリースすると発表しました。



今回の作品については、彼女自身がはじめて、この世界に生まれ出たときのこと、あるいは、両親と始めた会話を交わしたとき、そういった生命の原初的な瞬間に音楽や詩を通して迫ろうと試みているようです。これは、オルセンだからこそ意義深い試みといえるかもしれません。エンジェル・オルセンは、以下のように述べています。

 

「経験によっては、自分がどんなに賢くても、また、精神的に成熟していたとしても、時に自分が五歳であるように感じる時があります。ついに、私は34歳になろうとしますが、ようやく私自身は自由になれたような気がします」

 

今回、公式に共有された先行シングル「All The Good Time」のMVは、画期的な宣伝がおこなわれ、昨夜、プレミアム配信という形で全世界に配信された。動画公開前には、カウントダウンが始まり、カウントダウンが終了した瞬間、プロモーションビデオが視聴可能になりました。

 

このシングル作「All The Good Time」でエンジェル・オルセンは、幼少期の痛み、またそれとは正反対の生きる喜びを表現しています。音楽性としては、2019年の「All Mirrors」でのオーケストラをフューチャーしたアレンジから離れ、以前のオルタナティヴ路線に原点回帰し、さらに、直近のカレン・ダルトンのカバーを見ての通り、アメリカの古典的なフォーク音楽に強い傾倒を見せています。電子オルガンの雄大で瞑想的なフレーズ、ペダル・スティール・ギターの流麗な駆け下がりといった旋律上の効果は、この楽曲に深遠な物語性を付加し、曲のクライマックスに向けて、彼女が語ろうとするシナリオ「明るく幸せな未来への導き」を果たしています。


「All The Good Time」のミュージックビデオでは、エンジェル・オルセンと彼女のパートナーが出演し、キンバリー・スタックウィッシュが監督を務めています。スタックウィッシュ監督は、以下のように、映画のような深い興趣を持つミュージックビデオについて語っています。

 

「エンジェルの紡ぎ出す物語は、多くの人にとって素敵なプレゼントになるはずです。それは私が、愛、喪失、そして、重要なことは、私たちが本来の自分を実現することを妨げようとするものについての普遍的なテーマを、視覚的に探求可能にしたと言えるかもしれません」

 

 

 

 

 

・ Angel Olsen  「Big Time」 jagujaguwar  Release Date:2022 6/3