©︎Michael Schmelling


予告通り、ニューヨークの人気ロックバンド、Vampire Weekend(ヴァンパイア・ウィークエンド)が5年ぶりの新曲を公開しました。

 

「Capricorn」と「Gen-X Cops」は、バンドが最近発表したアルバム『Only God Was Above Us』のリードカットで、アルバム・ジャケットの写真家スティーヴン・シーゲルによる1988年のニューヨークの映像を使ったミュージック・ビデオが収録されています。


「Capricorn」はドリュー・ピアースが監督し、「Gen-X Cops」はバンドの長年のクリエイティブ・ディレクターであるニック・ハーウッドが監督。エズラ・ケーニッヒは、アリエル・レヒトシャイドと共に「Capricorn」をプロデュース・作曲し、レヒトシャイドとクリス・トムソンと共に「Gen-X Cops」を共同プロデュースしました。


新曲発表と同時に、ヴァンパイア・ウィークエンドは4月から10月にかけての北米ツアーを発表しました。オープンナーには、LA LOM(別名ロサンゼルス・リーグ・オブ・ミュージシャン)、イングリッシュ・ビート、ヴードゥー・グロー・スカルズ、マイク・ゴードン、クリストン・"キングフィッシュ"・イングラム、プリンセス(マヤ・ルドルフとグレッチェン・リーバムをフィーチャー)、カルト、マーク・ロンソン(DJセット)、ブラザーズ・マクロヴィッチ、ビリー・ジョエルのトリビュート・バンド、ターンスタイルズらが名を連ねています。


Vampire  Weekendの新作アルバム『Only God Was Above Us』はコロンビアから4月5日にリリースされます。

 


 

 

Royel Otis




 『Sofa Kings EP』で大成功を収めたロイエル・オーティスがデビュー・アルバム『Pratts & Pain』を本日リリースする。グラミー賞受賞者のダン・キャリー(Foals, Wet Leg)がプロデュースした本作は、サウス・ロンドンのプラッツ&ペイン・パブという居心地の良い場所で丹念に制作された。デュオは、歌詞を完成させ、アルバムの方向性を前進させるために、頻繁にそこに避難した。


 『プラッツ&ペイン』は、信頼と仲間意識によって育まれたロイエル・オーティスの音楽的進化の証である。音楽的には、このアルバムはインディーとサイケデリアをシームレスに融合させ、ファンを魅惑的な旅へと誘い、自発性を謳歌している。


 ロイエル・オーティスは、その核となる2人の絆に揺るぎはない。ロイエルが言うように、「私たちは互いの仲間や創造的相乗効果に喜びを感じている」という。「オーティスの直感と行動を信じることは第二の天性であり、私はそれを心から応援している。互いに支え合うことで、偉大さが生まれる」


 プロデューサーのダン・キャリーの有名なホーム・スタジオの角を曲がったところにあるサウス・ロンドンのパブ、「プラッツ&ペイン」は、ロイエル・オーティスの歴史において重要な位置を占めている。


 2023年初頭にキャリーとデビュー・アルバムを制作する際、幼なじみのオーティス・パヴロヴィッチとロイエル・マデルというオーストラリア出身のデュオは、歌詞を完成させ、最初のLPの方向性を決めるためにパブに出かけた。


「ダンがヴォーカルを録音してくれと頼むと、"30分だけ待ってくれ、プラッツ&ペインに行くから "と言って、パブで一杯やって、ショットを数杯飲んで、歌詞を書き上げたんだ」とロイエルは回想している。


 やがて、それが二人の間でちょっとした評判となり、彼らはこのレコードに『PRATTS & PAIN』というタイトルを名付けることになった。デビューアルバム全体を通して、ロイエル・オーティスはメロディアスでポップなインディーとウージーなサイケの間を揺れ動くが、ひとつのレーンに縛られている感じはほとんどない。ひとつのスタイルやムードが飽きられるとすぐに、サイケデリックな怪しさや不協和音のノイズへとハンドブレーキがかかり、聴く者を飽きさせることがない。2枚のEPの発表を経て、『PRATTS & PAIN』ではバンドの歴史のすべてが1枚のアルバムに集約されている。


 ロイエル・オーティスの曲を作るためのオープンな方程式は、『PRATTS & PAIN』にすべて書かれている。「Velvet」と「Big Ciggie」では、キャリーの11歳になる甥のアーチーがドラムで参加している。最初のシングル「Adored」では、完璧なインディー・ポップ・ヒットを完成させ、「Sonic Blue」では、この根底にあるエネルギーを保ち、鋭いラウド性に彩られたギターをトップに据えている。


 一方、「Velvet」はトーキング・ヘッズのユニークなエネルギーを持ち、「Molly」は不穏で深い雰囲気のスロー・ジャム。しかし、音楽がどのようなサウンド・テンプレートに基づいているにせよ、ロイエル・オーティスの核心は、相互信頼という基礎となるDNAに戻ってくる。ロイエルは言う。「一緒にいて楽しいし、難しいことはない。私はオーティスの考えを信頼している。



Royel Otis 『Pratts & Pain』 /  OWNESS PTY LTD



 ロイエル・オーティスは2019年にシドニーで結成された若手バンドであるが、すでに、ロンドンとマンチェスターのメディアを中心に注目を受けている。

 

 もちろん、オーストラリアという土地が英国人の移民が多いことを鑑みると、イギリスのリスナーがロイエル・オーティスの音楽にちょっとした親近感を見出すのは当然なのではないだろうか。そして彼らがロンドンでレコーディングし、そして同地のパブの名をタイトルに冠することについてもである。現在は夏のオーストラリアのミュージックシーンの盛り上がりを象徴づけるようなデュオであり、南半球にいる彼らが音楽を提供することは北半球に住む人にとって、春の雪解けを見届けるようなものである。

 

 さて、シドニーのデュオ、ロイエル・オーティスは3枚のEPを発表した後、『Sofa Kings』をリリースし、着々とファンベースを拡大させてきた。とりわけ、全般的な彼らの音楽の評価を高め、そして、ダン・キャリーをプロデューサーに起用するに至った経緯として「Murder on the Dance Floor」がある。このライブセッションは、ロイエル・オーティスがウェット・レッグに近い存在と見なされる要因となった。この曲のおかげでロイエル・オーティスがどれほどクールなバンドなのか、その評判が広まったのだ。 

 

 

 

 

 当時のファンの反応は「かなりクレイジーだった」とロイエル・オーティスはauducyの取材に対して次のように述べている。「私達はそれを始める前に一日リハーサルおこないました」とパブロヴィッチ。「ライブセッションを終えるのに一時間ありましたが、まあ、それが起こるということです」とマデルは付け加えた。

 

「私達はアイディアを検討していて、かなりストレスを感じていた」バンドの最初のアルバムのタイトル曲は、彼らの知名度を上昇させる要因となり、最初のヒットシングルになった。そして、このヒットシングルがどのように生まれたのかを解き明かした。


 ロイエル・オーティスはDMA'sと親しい関係にあるというが、そもそも「友達を利用しようと思った」と言い、「彼らにぴったりな曲を書いてみようと思った」と話している。このことはデュオがコミュニティ性を重視し、自分達の感覚をリアルな音楽としてアウトプットすることを証し立てる。もうひとつ、彼らの音楽を語る上で、日本の映画と漫画の影響があることも付け加えておきたい。ジブリ映画、「AKIRA」といった作品は彼らの音楽にSFと幻想的な要素をもたらしている。他にも韓国のポップカルチャーにも、ロイエル・オーティスの二人はちょっとした親しみを感じているという。

 

 ロイエル・オーティスの『Pratts & Pain』のサウンドは、ダンキャリーがプロデュースを手掛けたということもあってか、Wet Leg(ウェット・レッグ)のオルトポップとSF的な雰囲気を持つ未来志向のポスト・パンクのクロスオーバーに近い。しかし、そこにレコーディングの場所もあいまってか、英国的な匂いのするアルバムである。そして、実際にデュオがサイケ、ローファイ、ポスト・パンク、ネオソウル、プロトパンクという複数の影響を内包させながら、英国のフットボール・スタジアムで聞かれるようなチャントのコーラスを意識していることがわかる。アルバムの冒頭「Adored」は、Nilfur Yanyaの『Pailnless』に収録されていた「stabilise」の影響下にあり、ドライブ感とフックのあるポスト・パンクをよりスタイリッシュに洗練させている。

 

 また、ロイエル・オーティスは、ディスコサウンドとジャミロクワイからの影響を公言しているが、「Fried Rice」は、ダンサンブルなポスト・パンクをイギリス的なテンションで包み込んだかのような痛快なトラックだ。ワイト島のデュオのように脱力感のあるポップセンスと曲の運び方は同様であるのだが、そこにフットボールチームのチャントのようなテンションを付加しているのがかなり新鮮である。タイトルを「Fish & Chips」にしなかったのが惜しいが、少なくともロンドンのパブでギネスかペールエールのパイントを飲み、プレミアリーグの試合を観戦する時のような、熱狂と無気力さと陽気さの中間にある奇妙なワクワクした感覚がこの曲にはわだかまっている。

 

 サイケロック・サウンドからの影響はファンクの要素と合わさり、セッションの内的な熱狂性がパッケージされている。しなるようなギターのカッティングは70、80年代のミラーボールディスコやディスコファンクの要素と融合し、ノースロンドンのGirl Rayを思わせるダンサンブルなナンバーに昇華している。ただインディーポップの要素が強いガール・レイとは対象的にロイエル・オーティスのサウンドはギター・ポップやLAのローファイやサイケロックに傾倒している。それは例えば、Miami Horror(マイアミ・ホラー)のようなスタイリッシュなディスコサウンドという形で展開される。これはまさにウェスト・コーストサウンドの現代版として楽しめるかもしれない。

 

 ロイエル・オーティスのプロトパンクからの影響、Sonic Youthの変則チューニングのギターサウンドの影響は「Sonic Blue」に見いだせる。『Bad Moon Rising』の頃のニューヨークのアヴァン・ロック/プロトパンクを一般的に聞きやすく親しみやすく昇華させ、ドライブ感のあるポストパンクによって展開させる。


 このアプローチは、IDLESと大きな違いはないと思うが、シンセのマテリアルのキラキラした輝き、ボーカルの鮮烈な印象は「TANGK」に匹敵する。全体的にはロサンゼルスの双子のデュオ、The Gardenのような勢いに任せたような適当さと荒削りさがあるが、適度に力の抜けたサウンドはスカッとしたカタルシスをもたらす瞬間がある。疾走感のあるポスト・パンクは炭酸ソーダを飲み終えたときのような清々しい感じに満ちている。

 

 ロイエル・オーティスのサウンドは、その後も変幻自在に基底とする音楽性を少しずつ変化させていき、「Heading For The Door」では、ネオソウルの影響を絡めたインディーポップで聞き手にエンターテイメント性をもたらし、続いて「Velvet」では、70年代のウェストコーストロックをプレミアリーグのチャントのように変化させる。

 

 これらのサウンドがそれほど安っぽくならないのは、彼らがブルース・ロックを何らかの形で間接的に聴いているから。そしてそのイメージからは想像できないような渋さは、ローリング・ストーンズのようなホンキートンクに近くなり、最終的にはSham 69のフットボールのチャントを基調とするUKのオリジナルパンクの源流に至る。言うまでもなく、ライブステージではシンガロングを誘発するはず。これらのサウンドには現在のロンドンのバンドよりもイギリス的な本質が流れているかもしれない。それはもしかすると、デュオの隠れたイギリス的なルーツに迫っているとも言える。 

 

 

「Velvet」

 


 

 6曲目までを前半部とすると、アルバムの後半では、ややこれらの変幻自在なサウンドに変化が見える。

 

 いうなれば、パイントのギネスをしばらくテーブルの上に置いておいた時のような渋い味わいに変わる。「IHYSM」は勢いのあるポストパンクで鮮烈さを感じさせ、「Molly」でもBar Italia(バー・イタリア)の三人が好むようなダウナーなスロウバーナーとして楽しめる。「Daisy Chain」ではウェット・レッグのようなアンセミックなインディーポップとニューウェイブの合間を探り、Indigo De Souzaのデビュー当時の鮮烈さを思わせる。

 

 それらのダサさとかっこよさの絶妙なバランス感覚を持ち、アルバムのその後の収録曲をリードし続けている。ただ本来、ロックやパンクはそういったアンビバレントな感覚を探るものでもあるからそれほど悪いことではない。そのあと、ギリギリの綱渡りのようなスリリングな感覚で曲が進んでいき、「Sofa King」ではダンサンブルなビートに彩られたサイケデリック・ロック、「Glory to Glory」では、The ClashのようなUKのオリジナルパンクをインディーポップから再解釈している。曲のサビの部分にはフックがあり、これらのアンセミックな展開はライブでその真価を発揮しそう。

 

 このアルバムの最も興味深い点は、終盤になればなるほど音楽的な年代が遡っていくような感覚を覚えること。


「Always Always」ではBeach Fossilsがデビュー時に試みたビンテージロックの再現性を再考する。クローズ曲では、ロンドンのHorseyのロックとミュージカルを融合したようなシアトリカルなサウンドで終わる。 そしてまだ何か残っているという気がする。

 

 正直なところ、ロイエル・オーティスの二人が作り出すサウンドは、取り立てて圧倒的なオリジナリティーがあるというわけではないけれど、アルバムの収録曲の随所から、二人の才覚の煌めきと、押さえつけがたいようなポテンシャルも感じ取れる。それはおそらく両者の信頼関係からもたらされるものなのだろうか。しかし、まだ、このアルバムで彼らのポテンシャルの全てを推し量ることは難しいかもしれません。ただ、今週のアルバムの中では、一番真新しさと楽しさがある素敵なサウンドでした。

 

 


85/100




Royel Otis 『Pratts & Pain』はロイエル・オーティスの自主レーベル、OWNESS PTY LTDから発売中。ストリーミング/ご購入はこちら

 


 

Weekend Featured Track「Sonic Blue」





先週のWEFは以下よりお読みください:

©Alison Green

 

ダニエル・ベックナーことBoeckner(ボックナー)は、3月15日にサブ・ポップからソロ・デビュー・アルバム『Boeckner!』のセカンドシングル「Euphoria」を発表した。ノイズにまみれたトラックだが、ポップのアプローチとしては、その中に爽快なイメージが含まれている。ニューヨークのシンセポップムーブメントと連動して、カルト的な人気を呼び起こしそうなシンガーだ。


ランダル・ダンがプロデュースし、エンジニアリング/ミキシングを手がけたセルフタイトルアルバムは、ニューヨークのサーキュラー・ルインでレコーディングされた。ブルックリンのヘバ・カドリーがマスタリングを担当した。ドラムにマット・チェンバレン、メディシンのブラッド・レーナー、そしてKiwi Jr.(キウイ・ジュニア)のジェレミー・ゴーデも参加している。


「10代の頃、メディシンの完璧なシューゲイザー・ノイズのレコードをカセットテープで輸入し、ブラッド・ラナーのサンドブラストでチェルノブイリのようなギターが大好きだった」


特に、彼がプロデュースした”Sunn0)))”のレコードの影響が大きいことを明らかにしている。

 

「ランダルと仕事をすることで、抑圧されていた音楽的衝動が解き放たれたんだ。プライベートでは楽しんでいるんだけれど、普段は自分がリリースする作品には織り込まないような、オカルト的なシンセ、疑似メタル、クラウトロック、ヘヴィ・サイケの影響などを取り入れてみたんだ」



「Euphoria」

 

 

 

 

Boeckner(ベックナー)によるデビューアルバム『Boeckner!』 は3月15日にサブ・ポップから発売される。先行シングルとして「Lose」が公開されている。

 

 

Tour Schedule:

 

Wed.  Apr. 24 - Los Angeles, CA - Lodge Room


Thu. Apr. 25 - San Francisco, CA - The Independent


Sun. Apr. 28 - Portland, OR - Polaris Hall


Mon. Apr. 29 - Seattle, WA - The Crocodile


Tue. Apr. 30 - Vancouver, BC - The Pearl on Granville


Wed. Jun. 05 - Chicago, IL - Empty Bottle


Thu. Jun. 06 - Detroit, MI - El Club


Fri. Jun. 07 - Toronto, ON - The Horseshoe Tavern


Sat. Jun. 08 - Montreal, QC - Bar Le Ritz


Mon. Jun. 10 - Boston, MA - Brighton Music Hall


Wed. Jun. 12 - Brooklyn, NY - Music Hall of Williamsburg


Thu. Jun. 13 - Philadelphia, PA - Johnny Brenda’s


Fri. Jun. 14 - Washington, DC - The Atlantis

 


 

©Lola Banet


DJ/ソングライター、Nia Archieves(ニア・アーカイヴス)は、デビューアルバム『Silence Is Loud』を発表しました。4月12日にHIJINXX/Island Recordsから発売されます。


先行シングル「Crowded Roomz」に続き、タイトル・トラックを公開しました。アルバムのジャケットとトラックリストは以下の通りです。


ニア・アーカイヴスは、FKA TwigsやDavid Byrne(デヴィッド・バーン)との仕事で知られるソングライター兼プロデューサーのイーサン・P・フリンと新譜の制作に取り組みました。「より歌に焦点を当て、ジャングルに面白いサウンドを乗せるものを作るつもりだった」と述べています。 

 

 

『Silence Is Loud』



Nia Archives 『Silence Is Loud』


Label: HIJINXX/Island Records

Release: 2024/04/12

 

Tracklist:


1. Silence Is Loud

2. Cards On The Table

3. Unfinished Business

4. Crowded Roomz

5. Forbidden Feelingz

6. Blind Devotion

7. Tell Me What It’s Like

8. Nightmares

9. F.A.M.I.L.Y

10. Out Of Options

11. Silence Is Loud (Reprise)

12. Killjoy !

13. So Tell Me…

 


フィラデルフィアのロックバンド、Sheer Mag(シア・マグ)が「Eat It and Beat It」を公開した。ビンテージソウルとロックを結びつけ、エンターテイメント性の高いロックンロールを提供するバンドである。


「Eat And Beat It』は次世代のためのアンセムなんだ。僕らが憧れて育ったレガシー・アクトは永遠に存在するわけではないんだし、そうあるべきでもないよ。21世紀のロックンロールの聖火は、新しい世代が引き継ぐべき時なんだ」

 

この曲ではSladeの「Cum On Feel The Noize」を思わせる懐かしのハードロックが展開される。 

 

 

「Eat It and Beat It」

 

Sheer Mag(シアー・マグ)の3枚目のフルレングスで、サード・マン・レコードからの初の作品となる『Playing Favorites』は3月1日にリリースされる。アルバムからは、すでに「All Lined Up」、「Moonstruck」、タイトル曲が先行シングルとして予告された。

 

先行シングルのテースターは下記よりどうぞ。

 


ロンドンのシンガーソングライター、Holly Humberstone(ホリー・ハンバーストーン)が、新曲「Dive」とともに「Work in Progress EP」の詳細を発表しました。EPは3月15日に発売されます。アーティストはつい最近、東京に滞在し、ミュージックビデオを撮影したのは記憶に新しい。

 

2023年のデビュー・アルバム『Paint My Bedroom Black』に続くこの4曲入りコレクションは、長年のコラボレーターであるロブ・ミルトン、ソングライターのベン・レフトウィッチと共に2022年に書き下ろされたもので、フライテのウィル・テイラーとプロデューサーのアンドリュー・サルロとの新たなコラボレーションをフィーチャーしています。「Dive」の試聴は以下からどうぞ。


「すべての曲は、進行中の作業として始まる。ある曲はデモやアイデアとして残り、またある曲はプロダクションによって新たな生命を見出す」ハンバーストーンは声明でこう語っています。

 

「アーカイブをさかのぼっていくと、失われた昔の自分と今の自分が混在しているのを発見したんです。デビュー・アルバムをリリースし、ツアーを再開した今年、ファンのために進行中の作品としてリリースしたかったのです。私はとても現在進行形だし、この作品群は衝動的であって、むしろ意識の流れのように感じられると思います」

 

「"Dive”は今日ドロップする最初の曲よ」とハンバーストンは続けました。「この曲は数年前、ある男性に私と関わらないように、という警告として書きました。彼を傷つけてしまうんじゃないかってとても心配でした。過去と現在の恋愛の山あり谷ありについて考えるたびに、人生は常に進化していて、予測できない形で変化していくものだ、ということを思い出させてくれました」

 

 

「Dive」



12月、ホリー・ハンバーストーンはMUNAと組み、「Into Your Room」の新バージョンを発表した。



Holly Humberstone 『Work in Progress』


Tracklist:


1. Dive

2. Work In Progress

3. Down Swinging

4. Easy Tiger

 

Tour Schedule:


FEBRUARY


13 Trabendo, Paris
14 Melkweg MAX, Amsterdam
16 DR Studie 2, Copenhagen
17 Fryshuset (Klubben), Stockholm
18 Knust, Hamburg
20 Hole44, Berlin
21 MeetFactory, Prague
22 Simmcity, Vienna
24 Strom, Munich
25 Mascotte, Zurich
27 Rockhal, Luxembourg
28 Gebäude 9, Cologne
29 Trix Hall, Antwerp

MARCH


8 Albert Hall, Manchester
9 Queen’s Hall, Edinburgh
10 The Engine Shed, Lincoln
12 O2 Academy, Leicester
13 Eventim Apollo, London
15 Beacon, Bristol
16 Academy, Dublin

 

©Shervin Lainez


ポストシューゲイザー、DIIVが4枚目のアルバムを発表した。『Frog in Boiling Water』は5月24日にファンタジー・レコードからリリースされる。本日、アンドリュー・ベイリー、コリン・コールフィールド、ベン・ニューマン、ザッカリー・コール・スミスの4人は、ニュー・シングル「Brown Paper Bag」を発表した。アルバムのジャケットとトラックリストは以下を参照のこと。


2019年の『Deceiver』に続くこの作品は、クリス・コーディがプロデュースした。プレスリリースによると、アルバム完成までの4年間のプロセスはバンドを壊しかけたという。「この旅は、家族、友情、経済という多くの複雑な力学が絡み合い、疑惑、憤り、傷ついたエゴ、不安な疑問と相まって、互いの関係にほころびを残した。」


アルバム・タイトルは、ダニエル・クインの1996年の小説『Bの物語』にちなんでいる。「しかし、ぬるま湯の鍋にそっと入れ、弱火にすると、カエルは、まさに熱い風呂に入った私たちのように、静かな昏睡状態に沈み、やがて、微笑みを浮かべながら、抵抗することなく、茹で殺されるのを許すだろう。


「私たちは、この比喩を、末期の資本主義の下での、ゆっくりとした、病的な、そして圧倒的に平凡な社会の崩壊についてのものだと理解している。それは沸騰したお湯で、僕らはゆでカエルみたいなものなんだ」

 

「Brown Paper Bag」




DIIV 『Frog in Boiling Water』

Label: Fantasy

Release: 2024/05/24



Tracklist:


1. In Amber

2. Brown Paper Bag

3. Raining On Your Pillow

4. Frog In Boiling Water

5. Everyone Out

6. Reflected

7. Somber the Drums

8. Little Birds

9. Soul-net

10. Fender on the Freeway

 

 

Pre-order(INT):

 

https://found.ee/FrogInBoilingWater/ 

 



伝説のブリティッシュ・シューゲイザー、ライドが3月29日にウィチタとPIASからニュー・アルバム『Interplay』をリリースする。今回、彼らはセカンド・シングル「Last Frontier」を発表し、今年5月の北米ツアーを含む新しいツアー日程を発表した。曲とツアー日程は以下をチェック。


ライドは1988年に結成され、現在もギタリスト/ヴォーカリストのアンディ・ベルとマーク・ガーデナー、ドラマーのローレンス・"ロズ"・コルバート、ベーシストのスティーヴ・ケラルトが在籍している。


ベルはプレスリリースで『ラスト・フロンティア』についてこう語っている:「この曲は、マークのOX4スタジオで行われた最初のジャム・セッションの中で一番小さい曲だった。この曲の可能性を見出したのは、プロデューサーのリッチー・ケネディだった。バッキング・トラックとアレンジの全面的な見直しが必要だったので、基本に立ち返り、ジョイ・ディヴィジョンのようなドキドキするフィーリングに近づけた。


「トップラインは、マイクで即興的に歌ってみたり、いろいろな歌い方をしてみたり、その場で新しいパートを思いついたりした。でも、友達の中にいるんだから、新しい書き方を試すのはいいことだ "って自分に言い聞かせたんだ。今までやってきたどのボーカルとも違う感じ。僕にとってはまだ新しいやり方だけど、より良いヴォーカル・ラインになると思うから、これからも試していきたい。書いたものと即興のいいとこ取りだ」

 

「Last Frontier」


 

Ride Tour Dates:


5/11 - Boston, MA @ Big Night Live

5/13 - Montreal, QB @ Theatre Fairmount

5/14 - Toronto, ON @ Concert Hall

5/15 - Detroit, MI @ Majestic Theatre

5/16 - Chicago, IL @ Metro

5/17 - Minneapolis, MN @ Fine Line

5/19 - Denver, Colorado @ Gothic Theater

5/22 - Vancouver, BC @ Commodore Ballroom

5/23 - Portland, OR @ Mission Theater

5/25 - Seattle, WA @ Showbox

9/2 - Belfast, UK @ Limelight

9/3 - Dublin, Ireland @ Olympia 

9/4 - Cork, Ireland @ Cyprus Avenue 

9/6 - Sheffield, UK @ Leadmill

9/7 - Newcastle, UK @ Boilershop

9/8 - Glasgow, UK @ SWG 3 TV Studio

9/10 - Liverpool, UK @ Invisible Wind Factory

9/12 - Leeds, UK @ Stylus

9/13 - Manchester, UK @ New Century 

9/14 - Bristol, UK @ SWX

9/16 - Falmouth, UK @ Princess Pavilions

9/17 - Portsmouth, UK @ Guildhall 

9/18 - Brighton, UK @ Chalk 

9/20 - London, UK @ Roundhouse

9/21 - Wolverhampton, UK @ Wulfrun Halls 

9/22 - Cambridge, UK @ Junction


 

©︎Denmarc Creary


リーズのバンド、イングリッシュ・ティーチャーがニュー・シングル「R&B」をリリースした。これは、4月12日にアイランドからリリースされるデビューアルバム『This Could Be Texas』からの最新曲である。以下よりチェックして欲しい。


このグループのリリー・フォンテーンは声明の中で、「私が初期に受けた判断はたくさんある。「有色人種の女性がバンドの前座を務めるということは、話題にすべきではないという内容だった」と述べた。


「彼と一緒にいたとき、私は作家のブロックがあり、皮肉なことに、私が持っていた唯一のアイデアはR&Bのトップ・ラインでした。彼が曲を終えるとすぐに、私はそのトップ・ラインを『R&B』の歌詞とリフに変換し、3人の親友のところに持っていった」


「パートナーに注ぎ込めるかもしれない努力を、自分自身とキャリアに注ぎ込むことは、クールでセクシーだし、アイランド・レコードと契約して、オランダのツアー・バンの中でプレスの引用文を書いたり、ジュールズ・ホランドに会えたりするんだ。ありがとう」


「R&B」

 


Ethel Cain(エセル・カイン)がパレスチナのための9分に及ぶ新曲「من النهر」(直訳すると「川から」)をSouncloudで発表した。以下よりご視聴ください。


デビューアルバム『Preacher's Daughter』は2022年にリリースされた。昨年、彼女はヴィヴァ・メリンコリヤの「222」にバッキング・ヴォーカルで参加。


エセル・カインはインスタグラムで、次のようにコメントを記している。


「2023年10月以来、イスラエルの占領下、3万人のパレスチナ人が殺され、そして、75年前に占領が始まって以来、数え切れないほど多くのパレスチナ人が殺戮された。その3分の1以上が子どもたちだった。何百万人ものアメリカ人がスーパーボウルを観戦する中、我々の政府は、ガザのパレスチナ人にとって最後の避難所となるはずだったラファ(ガザ)への攻撃に資金を供与したのだ」


「アメリカ政府は大量虐殺に加担している。これを人道に対する罪としない方法はない。私たちが個人としてできることは、パレスチナ人が私たちに心から求めていること、つまり、見て見ぬふりをせず、パレスチナの人々に何が起こったのか、そして、現在なにが起こり続けているのかを正確に記憶することなのだ。この歌は、彼らのための祈りである。神はすべてのパレスチナ人男性、女性、子供とともにおられる」


 


歌手/女優のマヤ・ホークがニューアルバム『Chaos Angel』を発表し、そのファーストシングル「Missing Out」のミュージックビデオを公開した。Chaos Angel』は5月31日にMom + Popからリリースされる。Missing Out」のビデオはアレックス・ロス・ペリーが監督した。


Chaos Angel』は、2022年の『MOSS』に続くアルバムである。同アルバムと同様、ホークはクリスチャン・リー・ハトソンと共作しており、クリスチャン・リー・ハトソンは同アルバムのプロデュースを担当している。


『Chaos Angel』にはホークの常連であるベンジャミン・ラザール・デイヴィスとウィル・グレイフが参加している。


25歳のホークはプレスリリースの中で "Missing Out "について次のように語っている。「弟が通っているブラウン大学に通っている女の子がいたんだけど、みんなで自分の願い事を言って回ったんだ。」


「彼女は『次の偉大なアメリカ小説を書きたい』と言った。大笑いして、みんなより年上だと感じた瞬間だった。あなたは道を間違えている!』って思ったわ。小説を書きたい。それは奇跡だ。次の偉大なアメリカ小説を書きたいとは思わないでください!そのおかげで、私は自分の周りにいた人たちとは違う場所にいるような気がしたんだ。それがこの曲全体のインスピレーションになったんだ。」


俳優イーサン・ホークとユマ・サーマンの娘であるホークは、Netflixのヒット番組『ストレンジャー・シングス』でその名を知られるように。昨年、彼女は評価の高い映画『アステロイド・シティ』と『マエストロ』に出演。ホークの今後のプロジェクトには、『Wildcat』(父イーサンが監督・共同脚本)のフラナリー・オコナー役、『インサイド・アウト2』の新エモーション「Anxiety」の声優、『ストレンジャー・シングス』第5シーズン(来年公開予定)などがある。




Maya Hawke 『Chaos Angel』


Tracklist:


01 Black Ice 

02 Dark

03 Missing Out

04 Wrong Again

05 Okay

06 Better

07 Big Idea

08 Hang in There

09 Promise

10 Chaos Angel


Pre-order:


https://mayahawke.lnk.to/chaosangel



ニューヨーク生まれの25歳、マヤ・ホークは女優、歌手、作詞家である。ホークはNetflixの『ストレンジャー・シングス』での発言役で有名で、クエンティン・タランティーノ監督の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』、アマンダ・クレイマー監督の『レディワールド』、Netflixの映画『ドゥ・リベンジ』に出演している。


2019年に自主制作でリリースしたA面シングルとB面シングルの評判を受け、彼女は深くパーソナルなフルアルバム『Blush』をリリースした。作詞作曲を担当したホークは、グラミー賞受賞ソングライターのジェシー・ハリスとのコラボレーションを継続した。


ストレンジャー・シングス』の新たなシーズンを迎え、これまで以上にインスピレーションを感じているホークは、2ndアルバム『MOSS』をリリース。ホークは、ジミー・ファロンと向かい合ってソファに座り、アルバムを世界に紹介した。ホークは、ドリーミーで挑発的なアナウンス・シングルに続き、甘くのびやかな「Sweet Tooth」、そして哀愁漂う「Luna Moth」を発表した。


そして2024年、マヤ・ホークは新曲 "Missing Out "とビデオを公開し、3枚目のLP『Chaos Angel』を発表する。

 

©︎Richard Ramirez Jr.

バンド結成20周年を迎えた Warpaint(ウォーペイント)が、ニューシングル「Common Blue」をリリースした。B面に「Underneath」をフィーチャーした7inchレコードは、3月22日にラフ・トレードからレコードでリリースされる。「Common Blue」の試聴は以下から。


「ラフ・トレードの友人や家族とのコラボレーションでリリースできることは、僕らを笑顔にしてくれる。すべてが始まった場所に完璧に戻るような気分だ! これらの新曲で、私たちは人生のこの時期、そして長年にわたって分かち合ってきた経験や曲のすべてを結びつけた。それは信じられないような旅で、美しい人々と楽しい時間を共有するために世界中を旅してきた。私たちの心は満たされている」


「コモン・ブルー」について、彼らはこう付け加えた。


「ギターのコード進行から始まったんだ。ジェンと私はエコー・パークの彼女のリビングルームでジャムって、それが曲になった。それを家々(ステラとエミリーの家)に送ったところ、すべての要素に命が吹き込まれた。自由を鼓舞する曲。コモン・ブルー 何度も何度も立ち上がり、空への梯子を登り、蝶のように景色を捉える! すべては可能だ...終わるまでは終わらない!」


 


カナダのパンクバンド、METZが4年ぶりとなるアルバム『Up On Gravity Hill』を発表し、「99」と「Entwined (Street Light Buzz)」の2枚のニューシングルを発表した。アルバムは4月12日にSub Popから発売。

 

今度のアルバムは2020年の『Atlas Vending』に続く作品で、ブラック・マウンテンのアンバー・ウェバーと作曲家/ストリング・アレンジャーのオーウェン・パレットがゲスト参加している。


メッツのフロントマン、アレックス・エドキンスは次のようにこの曲について説明している。

 

「この2曲は、スタイル的にもテーマ的についてもこれ以上ないほど似ていないと思う。"Entwined(街灯バズ)"は、人間が互いに育むことのできる深い繋がりと、死後も永遠に人を持ち続けることについて歌っている。"99 "は、現代社会に蔓延する企業の貪欲さと底辺の考え方の弊害について歌っている。金のためなら何でもする、それが若い世代に送られたメッセージなんだ」

 

 

「Entwined」



METZ 『Up On Gravity Hill』

 


 

Label: Sub Pop

Release: 2024/ 04/12

 

Tracklist:


No Reservation / Love Comes Crashing

Glass Eye

Entwined (Street Light Buzz)

99

Superior Mirage

Wound Tight

Never Still Again

Light Your Way Home


Pre-order(INT):


https://music.subpop.com/metz_upongravityhill



「99」

 

©Amy Gwatkin


デンマーク/コペンハーゲンを拠点に活動する作曲家、ヴォーカリスト、マルチ・インストゥルメンタリストのClarissa Connelly(クラリッサ・コネリー)で、ワープ・レコード・デビュー作となる『World Of Work』を発表した。

 

アルバム『World Of Work』の1stシングルとして公開された「An Embroidery」について、コネリーは次のように説明している。「"An Embroidery”は、”ワールド・オブ・ワーク”のために書いた最初の曲。この曲は、全ての糸を集めて刺繍を作ること、アルバムを作ることを歌っている」

 

次いで、アルバムのリリース発表に合わせて、作曲家/パフォーマーのクラリッサ・コネリーは、ワープ・レコードからの初リリースとなるニューシングル「Wee Rosebud」のお披露目に合わせて、最近、アーティスト、音楽学者、アメリカン・パラミュージック学博物館の館長である、マット・マーブルと対談を行った。この対談のなかで、コネリーは次のように述べている。

 

「私は新しいメロディーやコードを書きながら、こうした無意識の状態に陥るようにしている。長いメロディーを書き続けて、調性が変わるところに出てきて、また戻ってくることがよくある。そして、その輪が終わったとき、輪が短すぎたり、曲の中で新しいパートを導入したいと思ったりすると、夢うつつの状態に陥ることがよくあるんだ。そして、それが私に与えられる」


音楽学者のマット・マーブルはこの対談のなかで、コネリーの音楽について次のように話している。

 

「クラリッサが初めて私に自分の「思考の下の聴取」について語ったとき、私はロシアの詩人オシップ・マンデルスタムを思い出さずにはいられなかった。マンデルスタムは自分の実践を 『秘密の聴覚』と呼びならわし、それを彼は 『聞く行為と言葉を伝える行為の間にある中間的な活動』と表現したことがある」

 

「聴くことをある哲学的な雰囲気を通してフィルターにかける一般的なクレアウディエントの伝統と同様に、クラリッサは、『自分のプロセスを、特に願望的な静寂に導かれている』と述べたんだ。これは、祈りと静寂に満ちた傾聴が効果的でインスピレーションを与えてくれることを証明し、セルフケアのための内なる必要性から発展したものでもある。いずれにせよ、クラリッサの音楽の多くは、この静謐な雰囲気の中で、まるで夢の中にいるかのように生まれる」

 

 

 「An Embroidery」


 

 

『World of Work』

Label: Warp

Release: 2024/ 04/12


Tracklist:


1. Into This, Called Loneliness

2. The Bell Tower

3. An Embroidery

4. Life of The Forbidden

5. The Excess of Sorrow, Laughs

6. Turn to Stone

7. Tenderfoot

8. Crucifer

9. S.O.S. Song of the Sword

 

Pre-order(INT):

 

https://clarissaconnelly.ffm.to/anembroidery 

 

Hana Vu(ハナ・ヴー)は、新進気鋭のソロインディーロックシンガー、おのがセンスで人を引き付けるソングライティング法を持つ。Pitchforkをはじめ、このシンガーに注目するメディアは多い。ベッドルームポップ主体のアプローチであるが、その中には奇妙な棘とディストーションが内在している。

 

シンガーソングライターは、セカンドアルバム『Romanticism』とリードシングル「Care」を発表した。『ロマンティシズム』はゴーストリー・インターナショナルより5月3日発売される。

 

2021年のデビュー作『Public Storage』に続くアルバムは、ハナ・ヴーの瞑想的な青春インディー・ポップを発展させたもので、青春の無常を悼む内容となっている。


「この曲は、窓の外を見つめながら、みんなが私と同じように、あるいはそれ以上に、あるいはそれ以下に物事を考えているのだろうかと考えながら書いた。また、それが重要かどうかについても反芻していた。思考や感情は永遠に個人的な経験かもしれない」とヴーは説明する。

 

メーガン・ホウアンが監督したこの曲のビデオは、アルバムのロマンティックな時代にインスパイアされたビジュアルをさらに発展させている。アルテミジア・ジェンティレスキの絵画 "Judith Beheading Holofernes" と "Judith, Her Maid and Holofernes Head" を引用している。


「ロマンティックであることと、ロマンティストであることは違う」とハナ・ヴーは明言する。「このアルバムの核心は、このような悲しい感情に耽溺し、感覚に耽溺することなのだ。悲しみや傷心を感じることの美しさに価値を見出すことができる人は、社会にはあまりいない」


*下記の映像には一部グロテスクな表現があります。ご視聴の際は充分ご留意下さい。

 



「Care」



 

Hana Vu 『Romanticism』


Label: Ghostly International

Release: 2024/05/03


Tracklist:


Look Alive

Hammer

Alone

22

Care

How it Goes

Dreams

Find Me Under Wilted Trees

Airplane

Play

I Draw a Heart

Love


Pre-order(INT):


https://ghostly.ffm.to/hana-vu-romanticism

 


ラナ・デル・レイが、アーヴィング・バーリンのスタンダード曲「Blue Skies」のカヴァーを公開した。

 

アーヴィング・バーリン(1888-1989)は、ベラルーシ(ロシア帝国)出身の作詞/作曲家で、ガーシュウィンをして、「アメリカのシューベルト」と言わしめた。グラミーの生涯賞を受賞したほか、「エド・サリヴァン・ショー」でもお馴染みの人物である。

 

この曲は、ジャック・アントノフが手がけるアップルTV+の新ドラマシリーズ『The New Look』のサウンドトラックの収録曲である。これまでにフローレンス+ザ・マシーンの「The White Cliffs of Dover」、  The 1975の「Now Is the Hour」がプレビューとして公開されている。


「ザ・ニュールック」のサントラには、beabadoobee、Nick Cave、Perfume Geniusなども参加している。クリスチャン・ディオール役のベン・メンデルソーンとココ・シャネル役のジュリエット・ビノシュが出演するこの番組の最初の3エピソードは、現在ストリーミング配信中。


数週間前、デル・レイは2023年の『Did You Know That There's a Tunnel Under Ocean Blvd』でグラミー賞を受賞した。当日のレセプションで新作カントリー・アルバム『Lasso』の制作を公表した。

 

また、デル・レイは先日、NFLのスーパーボウルの会場にも姿を現し、一般のファンと交流する姿が確認されている。

 


「Blue Skies」