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フロリダのエモバンド、Home Is Whereが新作アルバム「the whaler」の新たなシングル「floral organs」を公開しました。 「floral organs」は、アルバム『The Whaler』のエンディング・トラックです。

 

この曲は、そり鐘とハーモニカが鳴り響く、さわやかなインディーロックです。フロントウーマンのブランドン・マクドナルドは、この曲について「人生を過ごすことで和解すること、そして終わりはいつも始まりにフィットすること」を歌っていると説明しています。floral organs」の試聴は以下から。

 


エモ、スカ、パンクを得意とし、ツアーの中心人物、さらにはテレビ番組のスコア・コンポーザーでもあるJeff Rosenstock(ジェフ・ローゼンストック)が新曲「LIKED U BETTER」を発表しました。Laura Stevensonと作ったニール・ヤングのカバーの2022年のEP『Younger Still』以来の最新作です。

 
今年初め、Rosenstockはsupervioletと共にDim Wizardの「Ride the Vib」に参加しています。
 
 
そして今、「LIKED U BETTER」で、キャッチーでシニカルで野心的な曲と同様に、浮遊感とジャングリーな曲で我々の軌道上に戻ってきた。
 
 
ツアーと『クレイグ・オブ・ザ・クリーク』の撮影の合間にロサンゼルスで録音されたこの曲は、ローゼンストックがこれまでと同じように良い音を出しています。サビでは、"I liked you better / When you were out my mind "と何度も嘆いてから、フルボディのギターソロに突入する。
 
 
「LIKED U BETTE」は単独のリリースですが、ローゼンストックは北米での大規模なツアー日程を発表している。いずれにせよ、彼が戻ってきたことは素晴らしいことです。「LIKED U BETTER」のミュージック・ビデオは下記からご視聴ください。
 



今年初め、トロントのパンクバンド、Fucked Upは、全曲を24時間の間に書き上げたニューアルバム『One Day』をリリースしましたが、バンドは続いてサプライズリリースとなるEP『Cops』を発表した。


今週末、Fucked UpはHere's The Unityツアーに出発します。このツアーは、A Tribe Called Redとして知られていたオタワのダンスデュオ、Halluci Nationと共に共同ヘッドライナーを務めている。


Fucked Upのボーカリスト、Damian Abraham(ダミアン・アブラハム)は、Halluci Nationの片割れであるEhren "Bear Witness" Thomasと親交があり、長い間一緒に何かをしようと話し合っていたそうです。Here's The Unityのツアーでは、Halluci Nationと同じく、カナダ先住民のダンスアーティストであるCreeasianと、AbrahamとThomasが共通の情熱を持つプロレスのライブも行われます。 


 ツアーを目前にして、Fucked UpとHalluci Nationは新曲を録音するために集った。その第一弾が、メキシコのパンクバンド、Dangerous Rhythmが1980年にリリースした「Electroshock」のカヴァーである。


2つのグループは、このコラボにより「Electroshock」を90年代後半のビッグビートを思わせるエネルギッシュでご機嫌なダンスロックに仕上げています。ジョージア・ストレートのニュースレターによると、エイブラハムは「ファックド・アップのレコードにこれほど興奮したのは初めてだ」と語っています。「今までとは違うサウンドで、あらゆるレベルで僕らがやってきたことなんだ」


 

©︎Atiba jefferson

 

USパンクロックシーンの雄、Rancid(ランシド)が10枚目のスタジオアルバムを発表しました。『Tomorrow Never Comes』は、Hellcat/Epitaphから6月2日にリリースされる。

 

2017年の『Trouble Maker』に続く本作は、お馴染みのコラボレーターであるBad Religionのギタリストであり、Epitaphの創設者であるBrett Gurewitzが制作した。バンドはタイトル・トラックを公開し、それに付随するビデオが付属している。以下、チェックしてみてください。


「Tomorrow Never Comes」

 



Rancid 『Tomorrow Never Comes』


 

Label: Epitaph/Hellcat

Release: 2023年6月2日


Tracklist:


1. Tomorrow Never Comes


2. Mud, Blood, & Gold


3. Devil In Disguise


4. New American


5. The Bloody & Violent History


6. Don’t Make Me Do It


7. It’s a Road to Righteousness


8. Live Forever


9. Drop Dead Inn


10. Prisoners Song


11. Magnificent Rogue


12. One Way Ticket


13. Hellbound Train


14. Eddie the Butcher


15. Hear Us Out


16. When the Smoke Clears

 

©Kay Dargs


米国のエモコアバンド、Hot Mulligan(ホット・マリガン)が、新曲「Gans Media Retro Games」とミュージックビデオを公開しました。この曲は、「Shhh!Golf Is On」に続く作品で、5月12日に発売されるバンドのアルバム『Why Would I Watch』からのリード・シングルです。下記よりご覧ください。

 

「この曲は、自分が間違ったことをしていることだけを見ることについて歌っている」と、ボーカルのTades Sanvilleは声明の中で説明している。「この曲は、自分の悪いところばかりを見ている曲なんだ。音楽的には、この曲は、歪みと、私が熱狂している幽霊のようなリードの間のクールな小さなバランス演技を持っています。この曲は、僕らが今までやったことのないようなサウンドです」

 

「Gans Media Retro Games」

 


ロサンゼルスを拠点に活動するティーンネイジャーパンクバンド、ザ・リンダ・リンダズは、図書館でのバイラルなパフォーマンスで、ロック界の多くの人々の心を掴み、注目を集めました。昨年、ロサンゼルスを拠点に活動する4人組は、デビューアルバム『Growing Up』をリリース、さらにサマーソニックで来日公演を行っている。

 

昨日の4月10日、ザ・リンダ・リンダズは2023年最初のシングル「Too Many Things」を公開しました。このロックな新曲は、今週土曜日のコーチェラへの出演に先駆けて発表されました。下記よりチェックしてみてください。


「Too Many Things」

 

Hüsker Dü


1979年7月から1980年9月にかけて、ミネソタ州ミネアポリスの”ロングホーン・バー”で4夜にわたって録音された未発表のHüsker Düハスカー・ドゥ)のライブ・アルバムのリリースが発表されました。


『TONITE LONGHORN』と名付けられたアルバムは、レコード・ストア・デイ(4/22)に限定版2xLPブラック・ヴァイナルでリリースされる。その後、8月25日にバンド自身のReflex Recordsからデジタル・リリースされる予定。


ファースト・シングルは、バンドの最初のデモ用にレコーディングされ、後にEverything Falls Apartbonusのトラック、Numero Groupの2017年の『Savage Young Dü』としてもリリースされた「Do You Remember? 」の初期パフォーマンスを収録。またHüsker Düは、ノルウェー語で「覚えているかい?」という意味があるように、バンドにとって意義深い曲なのだ。

 

初期の代表曲「Do You Remember?」は、スタジオ版よりもさらにガレージ的/70年代風のパンクなサウンドになっています。例えば、コアなパンクマニアなら、当時世界一速いパンクと称されたThe Middle Classの「Out of Vogue』あたりの悶絶必須のキラーチューンを思い出すことだろう。彼らが最もよく知られるようになった音楽とはかけ離れているが、バンドの形成期の魅力的なピークであり、ポップなメロディに対する彼らの才能の初期を垣間見ることができる。


このバンドの解散後に、Sugarとソロ活動を行うようになったギタリスト/ボーカルのBob Mould(ボブ・モールド)は、次のように述べている。

 

ほとんどのアーティストは、自分のヒーローにインスピレーションを求めることからキャリアを始める。


『Tonite Longhorn』は、3人のティーンエイジャーが敬意を表し、様々なジャンルを試し、そして最も重要なことは、来るべきもののための土台を築くという包括的な概要だったのです。私たちは3人とも、相性の良さ、素晴らしいメロディーとハーモニー、そして若さゆえの(そして時には愚かな)熱意を持っていることを知っていました。自分たちは他とは違うし、何か違うことをやっているんだということもわかっていたんだ。

 

他方、ベースのグレッグ・ノートンは、この音源について「オーディション」であったと語っています。「ボブは1年生を終えていて、ライブの予定もなかったんだ。彼は夏の間、マローンに帰ろうと考えていたんだ。グラントは必死になって現れ、機材を積んでロングホーンに行け、オーディションがあるんだと言ってきた」

 

私たちはランチ・サービスの時間に到着し、荷物を積み込んで演奏を始めた。マネージャーはオフィスから飛び出してきて、私たちを呼び止めた。君たちは一体何がしたいんだ?と聞いてきた。グラントが、ここで演奏したいんだ、と言った。

彼は、わかった、金曜日の夜にオープニング・セットを演奏してもいい、ただ演奏をやめてここから出て行ってくれ、と答えた。そのセットがここにある、1979年7月13日。私たちは "オーディション "に合格し、あとは歴史に残ることになりました」


このアルバムには、オリジナルのフライヤーやアートワーク(その多くは故グラント・ハートが手がけた)、そして元ソニック・ユースのThuston Moore(サーストン・ムーア)によるライナーノーツが収録されている。そこにはこのようにミネアポリスのバンドについて回想を交えて書かれています。


ハスカー・デューはハードコアを死ぬほど巧みに演奏することができたが、実は彼らはハードコアではなく、別の何かであったのさ。
「Sexual Economics」と「Do You Remember」は、ボブのメタリックで完璧なファズボックスのギターは、MC5をパンクにしたようなサウンドで、彼のリードは、ウェイン・クレイマーとフレッド・ソニック・スミスの屈折したような指板からスパッタリングしている正しいリッパーなんだ。
その勢いは馬具を外した馬のようで、音符の固有性は次の即席の動きへの過程でゴミと化し、グラントのドラムは不安と雷鳴の両方を巻き起こし、グレッグのベースは原始的でスイングする二つのメロディの手のように働く。

 

「Do You Remember?」

 


 

Be Your Own Pet


Jimina Pearl、Jonas Stein、Nathan Vasquez、John Eatherlyからなるガレージロックバンドは結成から四年後の2008年に一度解散しているが、2021年になってリユニオンを果たしている。バンドはこれまで、コーチェラ、グラストンベリー、レディング&リーズなど大規模のフェスティバルにも出演し、Arctic Monkeys,Sonic Youth,Kings Of Leonらのサポートを務めている。再結成を機に、さらなる飛躍が期待出来る。今後のバンドの活動に注目していきたいところです。
 
 
 
ニューシングル『Hand Grenade」は、元ホワイト・ストライプス、現在ソロアーティストとして活躍するJack Whiteの主宰するレーベル”Third Man Records”からリリースされた。「Hand Grenade」の試聴は以下より。
 

この曲は、Jonas Steinが手がけたBe Your Own Petのいつものギターの唸りを聴くことが出来る。また、モダンなプロダクションがこの曲に加わっている。Jemina Pearl Abeggの歌声はエフェクターにかけられ、このシングルのミュージック・ビデオにぴったりな、吹き出すようなサウンドになっています。

 


2008年の『Get Damaged EP』以来となるこの曲は、「最初は、私を傷つけた人たちに対して、私が苦しんだように彼らを苦しめてやるという脅しだった」とアベッグは声明で述べています。
 
 
この曲は、怒り、否定、悲しみを経て、私自身の悲しみのプロセスを映し出す鏡のように成長しました。
 
しかし、この曲は、怒り、否定、悲しみを経て、私自身の悲しみのプロセスを映し出す鏡のように成長しました。最終的に私は、暴力によってではなく、自己受容と他人が私に貼るレッテルを拒否することによって、自分の力を取り戻すことができました。他の誰でもなく、自分が自分を定義するのだ。
 


Be Your Own Petは、5月にはアトランタのShaky Kneesに出演し、その後ヨーロッパでPrimavera Soundを含む日程をこなす予定です。


「Hand Grenade」
 

 

©︎Jess Flynn


ペンシルバニアのパンクロックバンド、The Menzingersがニューシングル「Bad Actors」をリリースしました。この曲は、バンドの6枚目のアルバム、2019年の『Hello Exile』のセッションで書かれた。以下でご視聴下さい。

 

「アルバムのために書き、スタジオで仕上げた最後の曲のひとつです」とシンガー/ギタリストのトム・メイは声明で説明している。「この曲は亡くなった大切な旧友へのオードでもあるんだ」

 

The Menzingersは昨年、新作EP『On The Possible Past』をEpitaph Recordsから発表している。

 

 「Bad Actors」

 slowthai 『UGLY』

 


Label: Method Interscope

Release Date: 2023年3月3日

 


 

UGLYは、Dan Careyがサウスロンドンの自宅スタジオで、頻繁にコラボレーションを行っているKwes Darkoと共に制作した。また、Ethan P. Flynn、Fontaines D.C.、JockstrapのTaylor Skye、beabadoobeeのギタリストJacob Bugden、ドラムのLiam Toonが参加している。

 

「このアルバムは、バンドが持つ兄弟愛の精神を僕が模倣しようとしたものだ。音楽は、そこに込められた気持ちや感情が大事なんだ」とslowthaiは語っている。


「アーティストが絵を描くように、その刹那の表現なんだ。以前はラップが自分の持っているツールで表現できる唯一の方法だったのに対し、ラップはやりたくないという気持ちがすごくありました。今はもっと自由に作れるし、やれることも増えたのに、なんで変えないんだろう?」


「人にどう思われようが、誰だろうが関係ない、ただ真実であり続けること、自分を尊重することなんだ」と彼は付け加える。


「私が顔にUGLYのタトゥーを入れているのは、常に自分を卑下したり、人が持つ印象が私という人間を決めるべきだと感じるのではなく、自分自身を愛することを思い出させるためなのです。結局のところ、僕が作るアートは自分のためのものだし、僕が作る音楽も自分のためのもので、僕が楽しめればそれでいいんだ。だから、自分の生き方というのは、誰にも期待されないものでなければならない。なぜなら、誰にでも笑顔が必要だし、誰にでもちょっとした喜びが必要で、それを本当に感じるためには自分の内面を見つめる必要があるから。"誰も本当の気持ちを与えてはくれないから」 


イングランド中東部にあるノーザンプトンの労働者階級出身のラップ・アーティスト(彼は単純に「ラッパー」と呼ばれるのを嫌うという)は、これまでヒップホップの潜在的な可能性を探ってきた。


もちろん、革靴の生産(高級革靴ブランド、JOHN LOBB、Dr.Martensの別ラインの革靴メーカー、Solovairが有名)に象徴されるノーザンプトン出身という土地柄は、彼の音楽にまったく無関係であるはずがない。スロウタイの政治的主張はノッティンガムのポスト・パンク・デュオ、スリーフォード・モッズと同じくらい苛烈であり、2019年のマーキュリー賞の授賞式では、当時の首相だったボリス・ジョンソンの人形の首をぶらさげて過激なパフォーマンスを行った。これは相当、センセーショナルな印象をもたらしたものと思われる。

 

今回、上記のアートワークにも見られるように、顔に『UGLY』のタトゥーをほったスロウタイ。そこにはヒップホップアーティストのプライドとそして何らかの強い決意表明が伺えるような気もする。そして、先週末にMethodから発売となった新作アルバム『UGLY』を聴くと、あらためてスロウタイというヒップホップ・アーティスト(ラッパーではない)が自分がどのような存在であるのかをイギリス国内、あるいは海外のファンに知らしめるような内容となっている。

 

UKの独自のミュージックカテゴリーであるグライム、そしてヒップホップのトラップの要素についてはそれ以前の作風を踏襲したものであろうと思う。しかし、 そこには近年、現代的なヒップホップアーティストがそうであるようにNirvanaをはじめとするグランジ、オルタナティヴ・フォーク、ポスト・パンク、そのほかそれ以前のメロディック・パンクを織り交ぜ、ヒップホップという音楽があらためて広範なジャンルを許容するものであることを対外的に示している。

 

もちろん、スロウタイは常に健康的な表現やリリック、フロウを紡ぎ出すわけではない、時としてそれは荒々しく、乱雑な表現性を赤裸々に表現するのだ。何か心の中にわだかまる激しいいらだちや虚無感、それらを一緒くたにし、ドラッグ、セックス、そしてアルコールへの溺愛を隠しおおそうともせずすべて表側にさらけ出す。そしてそれらはフロウとして激しいアジテーションを擁している。このアルバム全編にはスロウタイの動的な迫力満点のエネルギーに充ちているのである。

 

若い時代には、エミネム、ノートリアス、BIG、2Pacといったアーティストに親しんでいたスロウタイ。それらのラップミュージックの影響をベースに、ポストパンクのようなドライブ感のあるビートを交え、痛快な音楽を展開させていく、オープニングトラック「Yum」を聴くと分かる通り、表向きには危なっかしく、どこへいくのかわからないような感じに充ちている。


しかし、これらの乱雑かつ過激なアジテーションに充ちた音楽、その裏側にはこのアーティストの実像、実は気の優しいフレンドリーな姿も伺う事ができる。表向きには近づきがたい、しかし少し打ち解けると、誰よりも真正直な笑顔を覗かせる。そのような温和さをこの音楽の中に垣間見ることができる。それはスロウタイというアーティストが言うように、誰もがインターネットや表向きの情報を通して、そうであると決めつけているその人物の印象、その裏側には一般的なイメージとは全然別のその人物の本当の姿があると思う。どのような有名な人物でさえも。


その全面的なイメージをその人と決めつけることの危険性、そしてそれはその人物の幻想にすぎないことをスロウタイは知り尽くしていて、それらをあらためてこれらの楽曲を通じて表明していくのである。


そして、これまでのスロウタイのイメージとは異なる、またこのラップアーティストの親しみやすい姿を伺わせる楽曲もこのアルバムにはいくつか収録されている。その筆頭となるのが「Feel Good」となるだろうか。


2000年代のメロディック・パンクやエレクトロニックの影響を織り交ぜて彼はこのアルバムの楽曲の中で比較的爽やかなボーカルを披露している。  この楽曲こそ、スロウタイのアーティストとしての成長を伺わせるものであり、今作のアルバムがより革新的な音楽として組み込まれる理由で、より多くのファンを獲得しそうな気配もある。

 

その他、全体的に過激なイメージの中にあって、爽やかな印象を持つ曲も数多く収録されている。「Never Again」も聴き逃がせない。ここでトラップを始めとするヒップホップをグライムと織り交ぜ、繊細なフロウを披露する。また、エミネムの時代を彷彿とさせる「Fuck It Puppet」もヒップホップファンにとって痛快な感覚を与えるだろう。


そのほか表題曲「UGLY」は普通のインディーロックとしても楽しむことができる。これらのバリエーション豊かな楽曲は、依然としてスロウタイがイギリスのミュージックシーンのトップランナーである事を示している。




90/100

 

 

Featured Track 「Feel Good」

 


Label:P-Vine/Good Charamel Records

Release: 2023/2/15
 
 
 




Review
 
 
1981年に大阪で結成されたロックバンド、少年ナイフは日本ではそこまで知名度を誇るわけではありませんが、NirvanaのKurt Cobainを始め、ロックアーティストからカルト的な支持を得ていた時代もありました。日本ではJTのCM「飲茶楼でめちゃうまかろう」でお馴染みのロックバンドです。
 
 
最新アルバム『Our Best Place』は、トリオにとって原点回帰を果たしたかのような痛快な作風となっています。プレスリリースでは、ポール・ウェラー擁するThe Jam、BUZZCOCKSに近い作風と説明されている。


確かにザ・ジャムのモッズ時代を彷彿とさせるアート・ロック、バズコックスのメロディック・パンク以前のパワー・ポップ性も魅力ではありながら、少年ナイフの音楽性の核心にあるのはビーチ・ボーイズの軽快なコーラスワークとラモーンズの痛快なロックンロール性にある。基本的にはパワーコードのシンプルな8ビートの楽曲にトリオの最大の魅力は求められる。
 
 
今回の新作アルバム『Our Best Place』は、まさに結成40年目のオルタナティヴロックバンドがわが居場所を見つけたり、と言わんばかりの痛快なロックンロールが満載となっています。アルバムは英語と日本語の両方で歌われ、日本のリスナーだけでなく、海外のロックファンにとっても親しみやすく、そして作品としても全体的にバランスの取れた内容となってます。
 
 
オープニングを飾る「MUJINTO Rock」はジョーイ・ラモーンのソングライティングを彷彿とさせる痛快かつエバーグリーンなポップ・パンクを提示し、そこにザ・ジャムのような旧来のロックンロール性を加味し、ノスタルジアをいとわず全快で突っ走っていく。他にも、日本の古い歌謡曲のようなユニーク性を交えた「バウムクーヘン」ではドゥワップ・コーラスを交えてユニークな世界観を提示している。並み居るバンドをなぎ倒していくかのような迫力と存在感は圧巻です。
 
 
その他にも、ラモーンズのセルフタイトルのデビュー・アルバムを彷彿とさせる「Spicy Veggie Curry」では、ガールズバンドらしいキュートさを押し出し、キャッチーなコーラスワークを展開させ、このバンドの全盛期を現代に呼び覚ましています。シンプルなパワーコードとブルース・ハープの掛け合いがいい味を出しています。また、「Girls Rock」では甲本ヒロト率いるザ・ブルーハーツを彷彿とさせるような懐かしさ満点の日本語パンクの世界を開拓しており、さらに、そこにガールズ・バンドのカラフルな色合いを加味しています。シンガロングせずにはいられない曲を書くことにかけては少年ナイフの右に出るバンドは見つかりません。
 
アルバムの終盤に差し掛かってもフル・エンジン。ギター・ウルフのようなブギーを主体にしたドライブ感満載のロックンロール・ナンバー「Ocean Sunfish」でさらに気分を盛り上げる。続く「Better」はバズコックスのパワーポップ性を受け継いだ甘く切ないナンバーで、最近のインディー・ロックファンの好みにもマッチする音楽性となっています。さらに英語で歌われたラストナンバー「Just A Smile」は、かなり切ないパワーポップ・ソングで、Monkeesの「Daydream Believer」や、The Replacementsの同曲のライブカバーを彷彿とさせます。
 
 
最新作『Our Best Place』で、少年ナイフは、キャリア40年のバンドとしての実力を対外的に示し、さらに新時代のロックンロール・アンセムを多数生み出しています。現代のトレンドからは一定の距離をおいた作風ですが、間違いなく日本の良い時代を思い起こさせるような良質なアルバム。ラモーンズやブルーハーツが好きな方はぜひチェックしてもらいたい。また、リミックス含む3曲のボーナス・トラックが追加収録された日本盤がP-Vineから発売となっています。
 
 
80/100
 
 

 

©︎Alice Baxleymain

カリフォルニア州の港湾都市/サンタクルーズの五人組パンクバンド、ScowlがニューEP『Psychic Dance Routine』を発表した。この新作アルバムは4月7日にFlatspot Recordsから発売されます。

 

このバンドは紅一点の女性ボーカリスト、Kat Mossのキュートなキャラクターを武器に、ガールズ・ロックとパンクを融合させている。一般的にハードコアバンドという紹介がなされてますが、ポスト・パンクに近いひねりがあります。雰囲気としてはUKのニューウェイブのパンクバンドの佇まいに近いが、Scowlにはポップ・バンガーという秘密兵器があり、これから活躍が予想されます。おそらくマンチェスターのPale Wavesのライバル的な存在になりそうですね。

 

新作EP『Psychic Dance Routine』は、中国系アメリカ人のプロデューサー、Will Yip(ウィル・イップ)がレコーディングとミックスを担当。リードシングル「Opening Night」も合わせて収録されています。ギタリストのMalachi Greeneが監督したこの曲のビデオは以下をご覧ください。


"「Opening Night」は、バンドの男の子たちとこの曲に真面目に取り組んだから、特にエキサイティングな曲となった"とボーカルのKat Mossは声明で説明しています。「The StrokesやVampire Weekendといったバンドが書いた2000年代初期のインディー・ロック・ソングからインスピレーションを受けた感じよ」


「この曲は、毎晩ステージからバンまで、そして、またバンまで、揺さぶられるように感じていた私の経験の核心をついていると思う」とKat Mossは付け加えた。「また、ツアー中に観客の中に自分の過去の人たちの顔が見えて、かなり衝撃を受けた経験もあったんだ」

 

「Opening Night」

 

 

 

 Scowl 『Psychic Dance Routine』

 

 

Label:  Flatspot Records

Release Date: 2023年4月7日


Tracklist:


1. Shot Down

2. Psychic Dance Routine

3. Wired

4. Opening Night

5. Sold Out


 

Syounen Knife

大阪のパンク/インディー界の伝説、(カート・コヴァーンも影響の大きさを公言したことのある)少年ナイフがニューアルバム『Our Best Place』を2月15日にP-VINE/Good Charamel Recordsからリリースします。4年ぶりのアルバムとなる本作は、彼らのホームである大阪で制作されたそうです。またP-VINEから発売となる国内盤にはボーナス・トラックが三曲収録されます。

少年ナイフは、ラモーンズとザ・ジャムの中間的を行く少年ナイフらしさが満載のオープニング・トラック「MUJINTO Rock(無人島ロック)」を初公開しました。Rocco Canvasが監督したストップモーション・アニメーションビデオは、無人島での生活における楽しいパーティーが描かれています。

 

 

新作アルバム『Our Best Place』のプレスリリースの説明は以下の通りです。

 

本作においては、初期4作品にも通じるちょっぴりストレンジなポップ・パンク風味が復活!原点回帰とも言える、とりわけ長年のファンにはたまらない仕上がりになっています。 


ザ・ジャム+バスコックスなリード・トラック「Nice Day」や「MUJINTO Rock」といったポップ・パンク・チューン。



 

まさに原点回帰なストレンジ・ポップ「バウムクーヘンの話」、とはいえ、やはり外せないハード・ロック・ナンバー「Ocean Sunfish」といった新曲に加え、2003年にロフト・レコードのコンピレーション『Girls L.T.D - Girls Like To Dance』に提供・収録され、ガールズ・バンドのアンセムともなっていた「Girl's Rock」の再録ヴァージョン。

 



なおこが敬愛するバンド、パイロット(初期ベイ・シティ・ローラーズのメンバー二人によって結成されたスコットランドのバンド)の「Just A Smile」のカヴァーの全10曲!

 さらに、「Girl's Rock」の新たな英語ヴァージョン、「Nice Day」の60’sミックス、「バウムクーヘンの話」の英語ヴァージョン「The Story Of Baumkuchen」の3曲をCDのみのボーナス・トラックとして収録しています。


 

 

「MUJINTO Rock」



少年ナイフ 『Our Best Place』

 


 
Label:P-Vine/Good Charamel Records

Release: 2023/2/15


Tracklist:

1. MUJINTO Rock
2. Nice Day
3. The Story of Baumkuchen
4. Vamos Taquitos
5. Spicy Veggie Curry
6. Girl's Rock (2023 Version)
7. Afternoon Tea
8. Ocean Sunfish
9. Better
10. Just a Smile
 
+
 
11. Nice Day (60's Mix)*
12. The Story Of Baumkuchen*
13. Girl's Rock (English Version)*
 

*Bonus Tracks for CD(国内盤のみボーナストラックが収録)
 
 




ニューヨークパンクバンド、Televisionのフロントマン、Tom Verlain(トム・ヴァーレイン)が73歳で死去した。報道発表によると、Verlaineは、短い闘病生活の後、ニューヨークの自宅で亡くなったという。最初期のニューヨーク・パンクシーンの渦中にあって、彼は最も個性的なボーカルとして知られる。ニヒリズムとインテリジェンスを兼ね備えたボーカルは、ルー・リード、パティ・スミスとならんでニューヨークパンクの代表格と称しても過言ではない。代表曲は「Marquee Moon」。近年、この曲のエディット・バージョンもリリースされていた。


また、バーレインの友人で同世代のパティ・スミスの娘であるジェシー・パリス・スミスも、ニューヨーク・タイムズ紙にこのニュースを確認した。パティ・スミスは自身の声明で、「すべてが可能に思えた時です。さらばトム、オメガの上空へ」と述べた。

 


トーマス・ミラーとして生まれたこの新進気鋭の才能は、ニュージャージー州で育ち、そこで初めてサックスとピアノを学んだ。同時代の多くの若者と同様、ローリング・ストーンズの音楽に触発され、ギターに転向した。


10代の頃、同じ東海岸の寄宿学校に通っていた将来のバンドメイト、リチャード・ヘルと出会い、音楽と詩で心を通わせた(バーレインは、フランスの詩人ポール・バーレインから芸名を借りたと言われている)。2人はやがてニューヨークに逃れ、ドラマーのビリー・フィッカとともに短命に終わったグループ、ネオン・ボーイズを結成した。


1973年には、ギタリストのリチャード・ロイドを加えてテレビジョンとして再結成し、ニューヨークのイースト・ヴィレッジで急成長していたパンクやアンダーグラウンド・シーンの一翼を担った。そこでは、パティ・スミス、ブロンディ、トーキング・ヘッズといった同業者が出現し、CBGB'sやマックス・カンサス・シティといったスポットで混ざり合っていたのである。


リチャード・ヘルがグループから脱退した後、1975年にフレッド・スミスがベースとしてテレビジョンに加わり、後のポストパンクやインディーロックバンドに大きな影響を与えたと言われるラインアップを固めた。


1977年、テレビジョンはデビュー・アルバム『マーキー・ムーン』を発表し、大好評を博した。ヴァーレインのユニークな歌唱スタイルと、ロイドとの目くるめく2本のギター・アタックは、当時最も注目されたロック・アルバムのひとつとなった。その後、1978年に『Adventure』を発表したが、バンドは険悪な雰囲気のまま解散し、ヴァーレインは1979年にセルフタイトルのデビュー作、1981年に『Dreamline』を発表するなど、ソロ活動に移行する。


「私のように、ロックが美化されることに不満を持つ人たちの対抗運動があった」と、スミスは2008年のインタビューで70年代のニューヨーク・ロック革命について語っている。「トム・ヴァーレインやリチャード・ヘル、デビー・ハリーや私のような人々は、MC5やジェファーソン・エアプレインのようなバンドの努力を引き継ぎたかったんだ。ジャズや政治、詩、さまざまなパフォーマンスを融合させたんだ。文化的な革命だったんだ」


10年以上の活動休止の後、テレビジョンは1991年に思いがけず再結成し、翌年には驚くほど強力なセルフ・タイトル・アルバムをリリースした。2007年にロイドが脱退した後も、グループは近年まで断続的に活動しており、ヴァーレインは新曲が準備中だと主張していたが、実現はしなかった。


ヴァーレインはそのキャリアにおいて、パティ・スミスのレコーディングにも参加し、ジェフ・バックリィの2枚目のアルバムのオリジナル・プロデューサーを務めたが、1997年、ジェフがアルバム制作中に溺死してしまった。このアルバムは、最終的に翌年「Sketches for My Sweetheart the Drunk」としてリリースされた。


また、ソニック・ユースとウィルコのメンバーが参加したスーパーグループ、ミリオンダラー・バッシャーズの一員でもある。

 


MSPAINTがデビュー・アルバム『Post-American』をConvulse Recordsより3月10日にリリースすることを発表しました。

 

また、昨年の「Acid」に続くニュー・シングル「Delete It」も同時公開された。この曲にはMilitarie Gun(ミリタリー・ガン)のIan Sheltonがゲストボーカルとして参加しており、両者は『All Roads Lead to the Gun』(Deluxe)の「Can't Get None」でコラボレートしている。Sheltonは、エンジニアのTaylor Young (God's Hate, Nails, Full of Hell)と共に、このアルバムの共同プロデュースも行っています。「Delete It」の試聴とPost-Americanの詳細は以下をご参照ください。 

 

 「Delete It」

 


MSPAINT 『Post-American』



Label: Convulse

Release Date: 2023年3月10日

 

Tracklist:


1. Information

2. Think It Through

3. Acid

4. Hardwired

5. Delete It

6. S3

7. Decapitated Reality

8. Post-American

9. Free From The Sun

10. Titan of Hope

11. Flowers From Concrete



NOFX
 

NOFXは、正真正銘のファイナル・ツアー、”40 Years,40 Cities、40 Songs Per Day”の詳細を発表した。昨年、Fat Mikeは、今年のライブツアーがNOFXとしての最後の活動になることを公表していた。





世界40都市を巡るこの大規模なファイナル・ツアーは、4月22日にテキサス州オースティンから始まり、途中の日程に、スペイン・バルセロナ等のヨーロッパ公演を挟んで、2024年10月に米国に帰国し、カリフォルニア州ロサンゼルスで六ヶ月間に及ぶ公演の幕を閉じる。NOFXは、このツアー期間中のライブにおいて、フルアルバムやレア曲を含む一晩につき40曲を演奏し、さらに、ショーがユニークになるように、同じセットリストを繰り返すことはありません。



NOFXのフロントマンとして知られ、Fat Wreck Chordsの主宰者でもあるFat Mike(ファット・マイク)は、「これは、MÖTLEY CRÜEやBLACK SABBATHのような(偽物の)ファイナル・ツアーではない... 。NOFXが演奏するまさに正真正銘の最後のショーなんだ。俺たちは心を込めてプレイするつもりだ...。全ての喜びを込めて...、そして、俺たちは終わるんだ。俺達は終わりだ」





NOFXのファイナル・ツアーは、4月22日と23日にテキサス州オースティンのカーソン・クリーク・ランチで行われる大規模なパンクロックとビールの週末キャンプ・フェスティバルから始まり、特別ゲストとして、PENNYWISE、CIRCLE JERKS、FACE TO FACE、RIVERBOAT GAMBLERS、CODEFENDANTS、GET DEAD、BAD COP BAD COP、The Bombpops、PEARS、PIÑATA PROTEST、その他の出演者が登場することになっている。



公演のチケットは、今週金曜日、1月13日午前10時(日本時間)より、公式サイトwww.PunkInDrublicFest.com で販売開始されます。チケットは、1日券、Bro Bundle、VIPなどのオプションがあり、チケット購入者には各公演のデジタル・ダウンロードが提供されます。


最初に公表されたツアー日程は以下のとおり、ヨーロッパでの日程、会場、ラインナップは近日中に発表される予定です。





・4月22日~23日:テキサス州オースティン、カーソンクリーク・ランチ(キャンプアウト)
・5月13日 カリフォルニア州サンディエゴ
・5月19日~20日 スペイン・バルセロナ
・6月02日 - オーストリア、リンツ
・6月24-25日 - オハイオ州コロンバス(キャンプアウト)
・7月22日〜23日:ワシントン州タコマ
・9月16日 - カリフォルニア州サンフランシスコ
・9月30日:フロリダ州セント・ピーターズバーグ



1983年、ロサンゼルスでマイクを中心に結成されたNOFX。BAD RELIGION、SUICIDAL TENDENCIES、THE GERMS、DESCENDENTSを輩出したLAパンク・シーンと同じ熱狂の中で彼らが登場したのは必然だった。




NOFXは、1989年にパンクの名門レーベル”Epitaph Records”と契約を交わすまで、騒がしい才能を磨き、重要なスケート・パンクのアルバムを次々とリリースしていった。1990年にリリースされた "Ribbed "は今でもファンの間で人気があり、その後 "White Trash, Two Heebs And A Bean "と "Punk In Drublic "は100万枚以上のセールスを記録、最初のブレイクとなった。この10年間は、NOFXにとって大成功の期間となり、バンドはWarped Tourを普及させ、1990年代のスケート/サーフィン/スノーカルチャーの押しも押されぬトレンド・バンドに上り詰める。その後、2000年代初頭、NOFXはサマー・ソニックで来日公演を果たし、素晴らしい演奏を行った。


NOFXは、活動中期から、米国の政治に対する強いアンチテーゼを楽曲の中に取り入れるようになった。当時、ブッシュ政権に対する反対意見を積極的に共有し、イラク侵攻に反対意見を表明しようとしたため、反体制派とみなされ、キャリアを通じて、主流派のプレスやメディアで宣伝を行なうことを禁じられていた。



しかし、ひとたび、その門が開かれると、NOFXと彼らの「ブッシュに反対するロック」運動は、あらゆるところで見られるようになった。ひとつだけここではっきりと伝えておきたいのは、ファット・マイクほどアメリカの国民を愛し、そして、アメリカという国家をこよなく愛するパンク・ロッカーは、これまで存在しえなかったこと。その後、バンドは、Newsweek、Rolling Stone、New York Times、Howard Stern、さらにネットワーク・テレビを通じて宣伝を行うようになった。こうした注目度の高い関心と広告は、2003年のレコード「The War On Errorism」の成功に反映されており、発売当時、全米インディーズ・チャートで1位、ビルボードのインディー・チャートでも上位にランクされた。



 

Public Image Ltd.
 

パブリック・イメージ・リミテッドは、2023年のユーロビジョンにアイルランド代表として出場することを発表しました。 


元セックス・ピストルのジョン・ライドンとル・エドモンズ、スコット・ファース、ブルース・スミスからなるポストパンク・レジェンドは、第67回ユーロビジョン・ソング・コンテスト出場のため、未発表曲Hawaiiを提出する予定です。


また、この曲は、本日デジタルプラットフォームで公開されるとともに、来月2月3日午後9時30分からアイルランドのThe Late Late Showでライブ演奏される予定です。


この曲の意味について、ジョン・ライドンは次のように説明しています。「この曲は、人生の旅路において、最も大切な人と共に辛い時を過ごす全ての人に捧げます。また、最終的には愛がすべてを克服するという希望のメッセージでもある」


Iggy Pop(Via Atlantic)

1月6日、デトロイトが生んだ強靭かつ偉大なロックスター、Iggy Popが最新アルバム『Every Loser』をAtlantic/Gold Tooth Recordsからリリースしました。(各種ストリーミングはこちら


イギー・ポップの通算19枚目のスタジオ・アルバムは、2022年のプロデューサー・オブ・ザ・イヤーに選ばれたアンドリュー・ワットが監督を務めた。その他、共同制作のミュージシャンとしては、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのチャド・スミス、ジェーンズ・アディクションのデイヴ・ナヴァロ、エリック・エイブリー、クリス・チェイニー、ガンズ・アンド・ローゼズのダフ・マッケイガン、そして、何と言っても、昨年急遽したフー・ファイターズのドラム、テイラー・ホーキンスも参加しているのに注目。さらに、ワット、トラヴィス・バーカー、パール・ジャムのストーン・ゴッサード、元、チリペッパーズのギタリストでパール・ジャムのツアーメンバーでもあるジョシュ・クリングホッファーもセットに参加しています。


一方、レーベルのトップであるアンドリュー・ワットは、イギー・ポップを「アイコン」と呼び、「光栄だ」「彼とレコードを作らせてくれるなんて信じられない」と喜びを分かち合っています。


本作『Every Loser』は、シングル「Frenzy」と「Strung Out Johnny」が先行リリースされており、ポップの2019年のソロ作品『Free』に続く作品となる。近年の作品の中でも、パンクの性格が最も強い作品で、75歳とは思えないエネルギッシュさに充ちており、ハードコア・パンクやシンセ・ポップに挑戦している曲も収録されています。ポップは、年老いても丸くならず、今もなお尖り続ける。改めて、偉大なロックスターのチャレンジ精神に大きな称賛を送りたい。 

 

 

Lead Cut -「New Atlantis」 

 

 

2022年初めに、イギー・ポップは、レナード・コーエンの「You Want It Darker」のカバーを発表し、最近では密かに、かつてAC/DCへの参加を求められたことがあることを明かしている。

 


1970年代のイギリスのパンクムーブメントに欠かせない存在であったファッションデザイナーで活動家のVivienne Westwoodが死去しました。81歳でした。


「ヴィヴィアン・ウエストウッドは今日、南ロンドンのクラパムで家族に囲まれながら安らかに息を引き取りました」とウエストウッドの公式ツイッターには投稿された。「世界はヴィヴィアンのような、より良い変化をもたらす人を必要としています」


ヴィヴィアン・ウエストウッドは、1941年4月8日にイギリスの中部、チェッシャー州で、ヴィヴィアン・イザベル・スワイヤーとして生まれ、労働者階級の家庭で育ちました。ウェストミンスター大学(当時はハロー・アート・スクール)で銀細工を学ぶが1学期で退学、その後小学校の教師となり、副業としてジュエリーを作り、ロンドンのポートベロ・ロードで販売するようになる。


1960年代半ば、ウエストウッドは、セックス・ピストルズのマネージャーとなるアーティストのマルコム・マクラーレンと出会う。

 

彼女は、マクラーレンとともにキングスロード、430番地に、ブティック「Let It Rock」を開業した後、自分たちがデザインした服を販売する店「SEX」をオープンした。SEXは、当初、ジョン・ライドンとシド・ヴィシャスが出入りしていたことで有名で、セックス・ピストルズがウエストウッドとマクラーレンのデザインした服を着ていたことから人気が高まり、ロンドンのパンクシーンの重要な拠点となった。彼女はSMの要素をファンションに取り入れ、パンクの女王と呼ばれるに至る。ウェストウッドは、パンクを「システムにスポークを打ち込むことができるかどうかを見る」方法として捉え、反体制のテーマをそのファッションの製品に込めていた。


ウエストウッドは、パンクムーブメントを主流に押し上げた功績にとどまらず、ファッションと音楽業界を統合させたという点で大きく評価された。彼女の名を冠したブランドは、大胆なチェック柄、ボリュームのあるチュールやタフタ、伝統的なヴィクトリア朝のモチーフの再創造といった要素で認知されるに至る。また、ウエストウッドは、気候変動問題など、さまざまな問題や運動に積極的に取り組み、その政治的活動をデザインに取り入れることもしばしばあった。


2006年にはファッションデザイナーとしての功績が讃えられ、DAME(デイム)の称号を得ている。後に資産家となってもなおその反体制の思想は引き継がれ、2015年にはシェールガス採掘に反対を示すため、キャメロン首相に対して戦車による抗議デモを行った。晩年まで反体制の精神は衰えを見せることはなかった。


 

 

Metz、Mission of Burmaは、2016年のRecord Store Dayのスプリット・シングルを初めてデジタル・プラットフォームで共有した。

 

Metzは、2008年に結成されたカナダ・トロントのハードコア/ノイズロックバンド、2012年の『Metz』が代表作。一方のMission Of Burmaは、ボストンのポストパンクバンド、変拍子を多用したパンクサウンドが特徴、1981年の『Signals,Calls and Marches』が代表作に挙げられる。

 

この両バンドのスプリット・シングルは、元来、2016年のRecord Store Dayに合わせてリリースされたが、昨日、12月20日、初めてデジタル・プラットフォームでサブ・ポップから再リリースとなった。メッツは、ミッション・オブ・ビルマの「Good, Not Great」をカバー、ミッション・オブ・ビルマは、メッツの「Get Off」をカバーし、互いのバンドへのリスペクトを示しています。パンク・ファンは要チェックのニューシングルです。下記のBandcampから購入可能。

 

今年、9月、Metzは、イギリスの人気ポスト・パンクバンド、IDLES(アイドルズ)のJoe Talbot(ジョー・タルボット)をフィーチャーした 「Come On Down」と、Cyberpunk 2077(ポーランドのゲーム会社が開発したRPG)のサウンドトラック "Heaven's Gate "をリリースした。10月に、Metzは、セルフタイトルのデビュー・アルバム発売10周年を記念し、デラックス・バージョンをリリースしています。上記のリリースも合わせてチェックしてみて下さい。

 

 

 

 


「Good, Not Great」

 

 

 「Get Off」