Weekly Music Feature 





Benefits 


結成4年目にして、イギリス/ミドルズブラの四人組バンドであるBenefitsは大きく変化し、成長しました。ロックダウンの間、彼らはパワフルなギター主導のパンクから、圧倒的にブルータルなノイズワーカーへと変貌を遂げました。激しく、忌まわしさすらある音楽は、ほとんどのアーティストが夢見るような口コミで支持されるようになった。

Benefitsのフロントマンを務めるキングスレイ・ホールのボーカルは、分裂的で外国人嫌い、毒気に満ちた過激なレトリックを発信しましたが、結果、多くの人々によって拡散され、我々の公論を圧倒していたことに対する正当な反撃として機能したのです。

バンドの勇気づけられるような極論が届くたびに、社会に蔓延る不治の病に対する解毒剤のようにソーシャルメディア上で急速に拡散していき、ベネフィッツはやがて多くの人の支持を集めることになりました。Steve Albini、Sleaford Mods、Modeselektorのような著名なミュージシャンのファンは、最初から彼らの音楽に夢中になっていた。さらに、NME、The Quietus、Loud & Quiet、The Guardianなど、先見の明がある国内のメディアがこぞって取り上げました。

その後、Benefitsはさらにステップアップを図り、かれらが尊敬するインディーズ・インプリント”Invada Records"と契約し、4月21日に4作目のフルアルバム「NAILS」をリリースすることになりました。

「ここ数年、いつでもレコードをリリースする準備はできていたんですが、適切な人が現れるまで待ちたかったので、ずっと我慢していました」と、フロントマンのKingsly Hall(キングズリー・ホール)は述べています。
 
イギリスのインディペンデント・レーベル”Invada Records" の共同設立者であるPortisheadのGeoff Barrowは、ネットで話題になっていた音楽に惹かれた一人であり、故郷のブリストルで彼らのライブを見た時、すぐさまBenefitsの虜になったといいます。後に、彼のバンドへの信頼は報われることになり、グループの素晴らしさを再確認し、バーロウが実現可能であると思っていたことを再定義するようなレコードを制作しました。このアルバムには、彼らがイギリス国内で最もエキサイティングなアクトの一つであることを証明するかのように、鋭い怒りとアジテーションが込められています。

リード・シングル「Warhorse」は、音楽的な視野が狭いことや、バンドの "パンク "としての信頼性を疑問視する人々への遊び心のある反撃として、バンドは破砕的なドラムフィルを集め、それを本質的に踊れるエレクトロ・バンガーに変身させました。「パンクは大好きだし、カートゥーンパンクも大好きだ、素晴らしいと思っているよ」とキングズリー・ホールは言います。

「時々、お前はクソじゃないから、パンクじゃない、なんて言われることがあるんだけど、そんなの全部デタラメだ」

しかしそれでも、キングズレイはまた、彼のようなメッセージを伝える最良の方法は、人々を動かすことだと知っているのです。



Benefits 『Nails」 Invada Records




PortisheadのGeoff Barrow(ジェフ・バーロウ)が主宰するレーベル”Invada Records”から発売されたBenefits(べネフィッツ)の4作目のアルバム『Nails』は、2022年のリリースの中でも最大級の話題作です。

このアルバム『Nails』の何が凄いのかといえば、作品の持つ情報量の多さ、密度の濃さ、そしてキングズレイ・ホールが持つ暴力的な表情の裏側にときおり垣間見える聖人のような清らかさに尽きます。しかしながら、その音楽性の核心にたどり着くためには、Benefitsの表向きのブルータルな表現をいくつも潜り抜ける必要があるのです。
 
キングズレイ・ホールのリリックは、基本的に、ラップ/ヒップホップの範疇にある。それはこのジャンルが他ジャンルに対して寛容であることを示し、得意とするジャンルを全て取り入れ、それを痛快な音楽に仕立てることで知られるノーザンプトンのヒップホップ・アーティスト、Slowthaiに近い。表向きには暴力的であり、乱雑ではありますが、その中に不思議な親しみやすさが込められているという点では、ミドルスブラのキングズレイのリリック/ライムも同様です。

しかし、例えば、Slowthaiの音楽が基本的には商業主義に基づいているのに対して、キングズレイのそれはアンダーグラウンドの領域に属しています。

リリックは無節操と言えるほど、アジテーションと怒りに満ち溢れており、その表現における過激さは、ほとんど手がつけることができない。キングズレイのボーカル・スタイルは、どちらかといえば、ロサンゼルスのパンクのレジェンドであるヘンリー・ロリンズに近いエクストリームの領域に属しています。ロリンズは、例えば、『My War』を始めとするハードコアの傑作を通じて、世の不正を暴き、さらに、内的な闘争ともいえるポエティックな表現を徹底して追求しましたが、キングズレイ・ホールのリリックもまた同様に、世の中に蔓延する不治の病理を相手取り、得体の知れない概念や共同体の幻想を打ち砕き、徹底的に唾を吐きかけるのです。

あらかじめ断っておくと、これは耳障りの良いポピュラー音楽を期待するリスナーにとっては絶望すらもよおさせる凄まじい作品です。

これまで古今東西の前衛音楽を聴いてきたものの、この作品に匹敵するバンドをぱっと挙げるのは無理体といえる。それほどまでに、2000年以前のドイツで勃興したノイズ・インダストリアルのように孤絶した音楽です。Benefitsの作品は、この世のどの音楽にも似ておらず、また、どの表現とも相容れない。比較対象を設けようとも、その空しい努力はすべて無益と化すのです。
  
ノイズ/アヴァンギャルドの代表格であるMerzbowの秋田昌美、ドイツのクラウトロックバンド、Faustとリリース日が重なったのは因果なのでしょうか、オープニング・トラック「Malboro Hundrets」から、凄まじいノイズの海とカオティック・ハードコアの応酬に面食らうことになるはずです。最早、心地良い音楽がこの世の常であると考えるリスナーの期待をキングズレイ・ホールは最初の段階で打ち砕き、その幻想が予定調和の世界で覆いかくされていることを暴こうとします。細かなリリックのニュアンスまではわからないものの、初っ端からキングズレイの詩は鋭いアジテーションと怒りに充ちており、まるで目の前で罵倒されているようにも思える。

しかし、フロントマンのリリック/ライムは、単なるブラフなのではなく、良く耳を澄ましていると、世の中の現実を鋭く捉えた表現性が反映されている。その過激なリリックをさらに印象深くしているのが、”ストップ・アンド・ゴー”を多用したカオティック・ハードコアの要素ーーさらにいえば、グラインドコアやデスメタルに近い怒涛のブラスト・ビートの連打です。ドラムフィルを断片的に組み合わせて、極限までBPMを早め、リズムという概念すら崩壊させる痛撃なハードコア・パンク/メタルによって、『Nails』の世界が展開されていくことになります。
 
続く「Empire」においても、フロントパーソンのキングズレイ・ホールの怒号とアジテーションに充ちた凄まじいテンション、狂気的なノイズの音楽性が引き継がれていきます。いや、その前衛的な感覚は、かつてのポストパンクバンド、Crassのように次第に表現力の鋭さを増していくのです。

そして、キングズレイ・ホールは、英国のポスト・ブレクジットの時代の社会の迷走、インターネット社会に蔓延する毒気、また、さらに、人間の心の中に巣食う闇の部分を洗いざらい毒を持って暴き出そうとしている。キングズレイの前のめりのフロウは迫力満点であり、そして扇動的で、挑発的です。そして彼は、”偽りの愛国者”の欺瞞を徹底的に風刺しようとするのです。

真摯なブラックジョークを交えたセックス・ピストルズの現代版ともいえる歌詞のなかで、

"神よ、女王を救い、そして、私のパイント(編注: ビールグラスのこと)をEmpire(編注: 王国の威信の暗示)で満たして下さい!!"

と、無茶苦茶にやりこめる。

瞬間、彼と同じように国家に対して、いささかの疑念と不信感を抱く人々にとって、乱雑な罵詈雑言と鋭い怒りに充ちたキングズレイのリリックの意味が転化し、快哉を叫びたくなるような感覚が最高潮に達する。それは緊縮財政や、弱者に向けたキリストのような叫びへと変化するのです。
 
さて、果たして、キングズレイ・ホールは、現代社会の民衆の中に現れた救世主なのでしょうか? 

その答えはこの際、棚上げしておくとしても、これらのエクストリームな音楽は、その後も弱まるどころか鋭さを増していきます。

今作の中では聴きやすいラップとして楽しめる「Shit Britain」では、ノリの良いライムを通じて、人々が内心では思っているものの、人前では言いづらい言葉を赤裸々に紡ぎ出す。そしてロンドンのロイル・カーナー、ノーザンプトンのスロウタイにも通じる内省的なトリップ・ホップのフレーズを交え、

"アナーキーはかつてのようなものではない、イングランドが燃えている時、あなたはどこにいるのか??"

と、最近のフランス・パリで起きている、年金の支給年齢を引き上げる法案に対する民衆の暴動を念頭に置きながら、キングズリーはシンプルに歌っています。

そして、曲の時間が進むごとに、彼のリズミカルなライムと対比される「Shit Britain」というフレーズは、最初は奇妙な繰り言のように思えますが、何度も繰り返されるうちに、その意味が変容し、最後には、ある種のバンガーやアンセミックな響きすら持ち合わせるようになる。そして、「Shit Britain」という言葉は最初こそ胡散臭く思えるものの、曲の終わりになると、異質なほど現実味を帯び、聞き手を頷かせるような論理性が込められていることに気がつくのです。



「Shit  Britain」

 
 
 
その後も、ボーカルのキングズレイ・ホールの怒りとアジテーションは止まることを知りません。

「What More Do You Want」では、"あなたは、さらに何を望むのか?"というフレーズを四度連呼し、聞き手を震え上がらせた後、ノイズ・インダストリアルとフリージャズの融合を通じて空前絶後のアバンギャルドな領域に踏み入れる。これらのノイズは、魔術的な音響を曲の中盤から終盤にかけて生み出すことに成功し、ジャーマン・プログレッシヴの最深部のソロアーティスト、Klaus Schulze(クラウス・シュルツェ)のようなアーティスティックな世界へと突入していきます。
 
ドラムのビートとDJセットのカオティックな融合は、主にビートやリズムを破壊するための役割を果たし、キングズレイのボーカル/スポークンワードの威力を高めさえします。このあたりで、リスナーの五感の深くにそれらの言葉がマインドセットのように刷り込まれ、全身が総毛立つような奇異な感覚が満ちはじめる。そう、リスナーは、この時、これまで一度も聴いた事がないアヴァンギャルド・ミュージックの極北を、「What More Do You Want」に見出すことになるのです。
 
その後、「Meat Teeth」では、過激なリリックを連発しながら、ヘンリー・ロリンズに比する内的な闘争の世界へと歩みを進める。キングズレイは、80年代にロリンズがそうだったように、世界における闘争と内面の闘争を結びつけ、それらをカオティック・ハードコアという形で結実させます。

しかし、終始、彼の絶えまない内面に満ちる怒りや疑問は、他者への問いという形で投げかけられます。

その表現は「Where were you be?」という形で、この曲の中で印象的に幾度も繰り返され、それはまた、日頃、私たちがその真偽すら疑わない政治的なプロパガンダのように連続する。次いで、これらの言葉は、マイクロフォンを通じ録音という形で放たれた途端、聞き手側の心に刻みこまれ、その問いに対して無関心を装うことが出来なくなってしまう。そして自分のなかに、その問いに対する答えが見つからないことに絶句してしまう。 これはとても恐ろしいことなのです。

前曲と地続きにあるのが「Mindset」です。彼は、この曲の中で、腐敗したニュース報道、メディアが支配するものが、どれほど上辺の内容にまみれているのか、さらに”羊たちへの洗脳”についても言及し、そして、鋭い舌鋒の矛先は、やがて人種差別に対する怒りへと向かう。

しかし、リリックの側面では、過激なニュアンスを擁する曲であるものの、曲風はそれとは対象的に、アシッド・ハウス、モダンなUKヒップホップという形をとって展開される。さらに、心にわだかまった怒りは、続く「Flag」で、遂に最高潮に達します。まさに、キングズレイは、この段階に来ると、個人的な怒りではなく、公憤という形を取り、スピーカーの向こうにいる大衆にむけて、ノイズまみれの叫びと怒号、そしてアジテーションを本能的にぶちまけるのです。

この段階でも、『Nails』が現代のミュージック・シーンにおける革命であることはほとんど疑いがありませんが、Benefitsは、さらに前代未聞の領域へと足を踏み入れていきます。アルバムの終盤に収録されている「Traitors」において、アバンギャルド・ノイズ、カオティック・ハードコアの今まで誰も到達しえなかった領域へと突入し、鳥肌の立つような凄みのある表現性を確立しています。ここでは、怒りを超えた狂気を孕むキングズレイ・ホールの前のめりで挑発的なリリックの叫びが、その場でのたうち回るかのように炸裂します。次いで、その異質な感覚は、苦悶と絶望という双方の概念を具象化したノイズによって極限まで高められていくのです。
 
これ以前に、リスナーを呆然とさせた後、アルバムの最後は、誰も想像しないような展開で締めくくられます。それまでは徹底して、ラップ/ノイズ/ポストパンクという三種の神器を駆使して来たBenefitsですが、神々しさのあるノイズ・アンビエント/ドローンという形を通じて、かれらのアルバム『Nails』は完結を迎えます。それまで忌まわしさすらあったキングズレイ・ホールのスポークンワードのイメージは、最後の最後で、あっけなく覆されることになる。かれの言葉は、それまでの曲とは正反対に、紳士的であり、冷静で、温かみに満ちあふれているのです。
 
そして、表向きの狂気に塗れた世界は、作品の最後に至ると、それとは対極にある神々しくうるわしい世界へと繋がっていく。

抽象的なシンセ、ストリングスの伸びやかなレガート・・・、涙ぐませるような清々しい世界・・・、クライマックスで到来するノイズ・・・。これらが渾然一体となり、Benefitsの『Nails』はほとんど想像を絶する凄まじいエンディングを迎えるのです。
 
 
 
100/100(Masterpiece)



Weekend Featured Track 「Council Rust」




Beneftsの4thアルバム『Nails』はInvada Recordsより発売中です。

 Josiah Steinbrick 『For Anyone That Knows You』

 

 

Label: Unseen Words/Classic Anecdote

Release: 2023/4/21

 

 

Review


残念なことに、先日、坂本龍一さんがこの世を去ってしまったが、彼の音楽の系譜を引き継ぐようなアーティストが今後出てこないとも限らない。彼のファンとしてはそのことを一番に期待してきたいところなのだ。

 

さて、これまでJosiah Steinbrickという音楽家については、一度もその音楽を聴いたことがなく、また前情報もほとんどないのだが、奇異なことに、その音楽性は少しだけ坂本龍一さんが志向するところに近いように思える。 現在、ジョサイア・スタインブリックはカルフォルニアを拠点に活動しているようだ。またスタインブリックはこれまでに三作のアルバムを発表している。

 

ジョサイア・スタインブリックのピアノソロを中心としたアルバム『For Anyone That Knows You』の収録曲にはサム・ゲンデルが参加している。基本的には、ポスト・クラシカル/モダンクラシカルに属する作品ではあるが、スタインブリックのピアノ音楽は、モダンジャズの影響を多分に受けている。細やかなアーティスト自身のピアノのプレイに加え、ゲンデルのサックスは、簡素なポスト・クラシカルの爽やかな雰囲気にジャジーで大人びた要素を付け加えている。

 

スタインブリックのピアノは終始淡々としているが、これらの演奏は単なる旋律の良さだけを引き出そうというのではなく、内的に豊かな感情をムードたっぷりの上品なピアノ曲として仕立てようというのである。ジャズのアンサンブルのようにそつなく加わるゲンデルのサックスもシンプルな演奏で、ピアノの爽やかなフレーズにそっと華を添えている。それほどかしこまらずに、インテリアのように聞けるアルバムで、またBGMとしてもおしゃれな雰囲気を醸し出すのではないだろうか。

 

ただ、これらの心地よいBGMのように緩やかに流れていくポスト・クラシカル/モダン・ジャズの最中にあって、いくつかの収録曲では、ジョサイア・スタインブリックの音楽家としてのペダンチックな興味がしめされている。二曲目の「Green Glass」では、ケチュア族の民族音楽家、レアンドロ・アパザ・ロマス/ベンジャミン・クララ・キスペによる無題の録音の再解釈が行われている。これらの音楽家の名を聴いたことがなく、ケチュア族がどの地域の民族なのかも寡聞にして知らないが、スタインブリックはここで、ポーランドのポルカのようなスタイルの舞踏音楽をジャズ風の音楽としてセンスよくアレンジしているのに着目したい。

 

その他にも、 「Elyne Road」では、マリアン・コラ(Kora: 西アフリカのリュート楽器)の巨匠であるトゥマニ・ドゥアバテの原曲の再構成を行い、ソロピアノではありながら、民謡/フォークソングのような面白い編曲に取り組んでいる。加えて、終盤に収録されている「Lullaby」では、ハイチ系アメリカ人であるフランツ・カセウスという人物が1954年に記録したクレオールの伝統歌を編曲している。ララバイというのは、ケルト民謡が発祥の形式だったかと思うが、もしかすると、スコットランド近辺からフランスのクレオール諸島に、この音楽形式が伝播したのではないかとも推測出来る。つまり、これらの作曲家による再編成は音楽史のロマンが多分に含まれているため、そういった音楽史のミステリーを楽しむという聞き方もできそうである。

 

もうひとつ面白いなと思うのが、アルバムのラストトラック「Lullaby」において、ジェサイア・スタインブリックはクロード・ドビュッシーを彷彿とさせるフランス近代和声の色彩的な分散和音を、ジャズのように少し崩して、ピアノの音階の中に導入していることだろう。この曲は、部分的に見ると、民謡とジャズとクラシックを融合させた作品であると解釈することが出来る。

 

『For Anyone That Knows You』は、人気演奏家のサム・ゲンデルの参加により一定の評判を呼びそうである。また、追記として、スタインブリックは、作曲家/編曲家/ピアニストとしても現代の音楽家として素晴らしい才覚を感じさせる。今作については、その印象は少しだけ曇りがちではあるけれど、今後、どういった作品をリリースするのかに注目していきたいところでしょう。

 

Josiah Steinbrick 『For Anyone That Knows You』は4月21日より発売。また、ディスクユニオンNewton RecordsTobira Recordsで販売中です。

 

 82/100

 

 

©︎Parker Love Bowling

 

Alaska Reidが、近日発売の新作アルバム『Disenchanter』から2ndシングル「She Wonders」を公開しました。この曲の人称は”She”となっているものの、アーティスト自身の内面の苦悩について歌われている。音楽ほど楽しいものはないが、一方、そのことが重荷となり、プレッシャーにもなりえることを表現しようとしています。以下よりチェックしてみて下さい。


「ツアー・アーティストの人格は、いわば入れ子の人形のようなものです。Reidはプレスリリースで「She Wonders」について次のように語っています。「私は、ギターだけで、ダイブバーで遊んで育ったのです」

 

この曲は、それがいかに心理的に疲れるかを反映させたかった。インディー音楽のライブがいかに孤独でクールじゃないと感じるか、コーラスを追い詰められた内なる独白のように扱っています。

 

Alaska Reidの新作アルバム『Disenchanter』はLuminelle Recordingsから7月14日に発売されます。


「She Wonders」

 

©Wolfgang Tillmans


Kae Tempestが、Dan CareyがプロデュースしたRecord Store Dayの限定盤としてUKで発売される『Nice Idea』EPから、新曲「Love Harder」を公開しました。以下よりお聴きください。


この曲について、Tempestは声明の中で次のように述べています。「明るく燃え上がるとき、私のような恋人はファイターになることを学びます」。

 

暗くなると、私のようなファイターは、より強く愛することを学ぶ。私の新しいEPからの楽しい曲で、ここ数ヶ月のツアーでこの曲をライブで演奏するのが大好きだったんだ。このEPは、私が今いる場所からの、人生の小さなスライスです。感じてもらえると嬉しいな。


2月にTempestはNice Ideaのタイトル曲をリリースしました。昨年、最新アルバム『The Line Is a Curve』を発表しています。

 

 「Love Harder」

 

Florence + the Machine

Florence + the Machine(フローレンス・ウェルチ)は、2022年に発表した『Dance Fever』の「完全版」と称される作品に収録されている新曲「Mermaids」を公開しました。


昨年10月には、IDLESがリミックスを手掛けた「Heaven Is Here」をリリース、12月には、フローレンス・ウェルチがEthe Cain(エセル・カイン)とコラボレーションし、ダンス・フィーバーの楽曲「Morning Elvis」の新バージョンを発表しています。今年の初めには、Showtimeのシリーズ「Yellowjackets」のためにNo Doubtの「Just a Girl」をカバーしています。

 

また、フローレンス・ウェルチは以前から自らの意志で断酒をしており、この習慣は続いているようです。さらに、昨年、ウェルチは公演中に足を怪我をしていますが、幸いにも、それほど深刻な事態にはならなかったようで、現在、アーティスト活動に復帰しています。

 

「Mermaids」

 

©Wunmi Onibudo


Bloc Party(ブロック・パーティ)が久しぶりのニューシングル「High Life」を公開しました。以下、チェックしてみてください。


フロントマンのKele Okerekeは、「『High Life』は、再度恋に落ちるような、絡み合う新しい恋の始まりのようなサウンドにしたかったんだ。私は本当にそれを祝福するようにしたいと思いました」


Bloc Partyは、1年前に6年ぶりのアルバム『Alpha Games』をリリースしました。先月、フロントマン/ボーカリストのKeleは最新のソロアルバム『The Flames pt.2』を発表したばかり。

 

「High Life」


 

Mac Demarco


カナダ出身で、現在はLAに拠点を置くシンガーソングライター、Mac DeMarco(マック・デマルコ)が驚くべきことに、199曲収録のデモ・コレクション『One Wayne G』をサプライズでリリースしました。

 

近年、マック・デマルコは、Captured Tracksから移籍し、自主レーベルを立ち上げ、作品のリリースを行っています。今回、発表されたアルバムは、2018年から2023年初頭にかけて録音した素材のデモやスケッチを中心に構成され、制作日がトラックタイトルになっている。前作に続いてインストゥルメンタルのアルバムです。

 

『One Wayne G』の全曲は下記でストリーミング可能です。デマルコは昨年7月に『Rock And Roll Club』を再発し、今年1月に最新アルバム『Five Easy Hot Dogs』(レビューはこちらからご一読下さい)を発表しています。この最新作は5月12日にヴァイナルで発売される。更にマック・デマルコはこの夏、このアルバム発売を記念した一連のライブを開催します。

 

 

 

2007年に米国で発足したレコード会社が協力し、限定版をリリースし、各レコード店で独自イベントを開催する「レコード・ストア・デイ」が本日い店舗で開催されます。

 

本イベントでは、毎年、アンバサダーが選ばれ、このイベントを盛り上げてくれています。


今年のレコード・ストア・デイ・ジャパンのミューズには満島ひかりさんが選ばれ、さらに公式サイトを通じてメインビジュアルが公開となりました。


ビジュアルは、国内外に多くのファンを持つ”ELLA RECORDS”(幡ヶ谷)にて、アナログレコード愛好家、写真家の平間至氏によって撮影。幡ヶ谷のショップ、ELLA RECORDSは、個性的なレコードを多数販売、さらに地元商店街と連携し地域貢献を行っています。以前、テレビ東京の土曜日の夜に放映される番組「アド街ック天国」で紹介されたことがあります。

 

当日、旧作のレコードを中心に限定盤の69タイトルが販売されます。今年のレコード・ストア・デイのイチオシは、NHKの朝ドラ『ちむどんどん』の主題歌でお馴染みの日本の実力派シンガーソングライター、三浦大知さんの「ひかりとだいち love Soil&"Pimp" Sessions」となります。


日本のジャズバンド、SOIL&”PIMP”SESSIONSが盟友の三浦大知さんと共に歌唱し、作曲/アレンジを手掛け、さらに作詞は満島ひかりさんご本人によるという超豪華シングル「ひかりとだいち love SOIL&”PIMP”SESSIONS」 が、RSD限定盤として12インチサイズでリリースされます。B面に収録されているSOIL社長によるAmapiano Remixも必聴ですよ。 (詳細はコチラ


他にも、新旧の名盤のレコード再発が目白押しとなっています。邦楽では、Big Yukiの『Neon Chapter』、De De Mouse/YonYonの『Step in Step in』、Lindbergの『今すぐKiss Me/Little Wing ~spirit of Lindberg』、渥美マリの『夜のためいき』、佐藤千亜妃の『Time Leap』、三木道三のジャパニーズ・レゲエの傑作「Lifetime Respect』、Jun Sky Walkerの『Start/白いクリスマス』と、懐メロも充実のラインアップ。さらに、洋楽では、Mr Bigの鮮烈なデビュー・アルバム『Mr Big』、NirvanaのSub Pop時代のグランジの傑作『Bleach』、Al Greenの『I'm Glad You're Mine(ORIGINAL)/I'm Glad You're Mine(Cut Creator$ EDIT)』の再発も見逃すことができません。

 

これらのレコードの再発イベントは、全国のタワー・レコード/ディスクユニオンの一部店舗を始め、個人レコード店舗を中心に開催されます。限定版のラインアップはこちらから確認出来ます。全国のイベント実施店舗の詳細についてはこちら。また、タワーレコード/ディスクユニオン全店舗でRSDのイベントが開催されるわけではありませんので、くれぐれもご注意下さい!!

 

Bully

 

Alicia Bognannoのソロ名義であるBullyは、最新シングル「Hard To Love」を公開しました。

 

このニューシングルは、新作アルバム『Lucky For You』からの3番目のカットで、Soccer Mommyをフィーチャーした前シングル「Days Move Slow」「Lose You」に続いてのリリースとなります。

 

この曲について、彼女は次のように語っています。「社会が作り上げたジェンダー・ステレオタイプや期待に沿えないまま成長した私は、しばしば”違う=悪い、間違っている”と感じていました」

 

自分の居場所がわからず、特定のジェンダーやセクシュアリティに完全に帰属できないでいた。
恥ずかしくて、自分を責めました。自分のアイデンティティを理解し、受け入れる過程はまだ続きますが、着る服や他人が私を定義するために使うラベルに関係なく、ありのままの私を愛し、受け入れてくれる人たちに囲まれていることがうれしいです。

 

 

 Bullyの新作アルバム『Hard To Love』は6月2日にSub Popからリリースされる。

 

「Hard To Love」

 

©Sarah Doyle


アイルランド/ダブリン拠点のインディーポップ・アーティスト、CMATは、ニューシングル「Whatever's Inconvenient」を発表しました。1月の「Mayday」に続くこの曲は、Bonny Light HorsemanのJosh Kaufmanと共に制作されました。また、ギリシャのコス島でCollective Filmが撮影したミュージック・ビデオも公開されています。下記よりご覧ください。

 

「”Whatever's Inconvenient”は私にとって(そして私のセカンドアルバムにとって)ちょっとしたミッションステートメントです」とCMATは声明で説明しています。

 

なぜ私は恋愛関係に入るのも維持するのも果てしなく苦手なのか "という大きな疑問符がつくものです。この質問には答えられないし、おそらくこれからも答えることはないだろうけど、自分のダメさ加減を認めることは常に役に立つ(と思う)

 

CMATは、デビューフルレングス『If My Wife New I'd Be Dead』を昨年発表しています。

 

 

「Whatever's Inconvenient」

JVKE☓Fujii Kaze ©Brandon Pugsley


米国の若きシンガーソングライター、JVKE(ジェイク)が、日本のミュージックシーンを牽引するシンガーソングライター、藤井風とのコラボレーション・シングル「Golden Hour」を本日(4/12)にリリースします。

 

JVKEは、クランストン出身のシンガーソングライターで、昨年、デビュー・アルバムを発表している。一方、藤井風は、岡山県出身のシンガーソングライターであり、昨年、NHKの紅白歌合戦に出場し、日本国内でセンセーションを巻き起こしている。超豪華コラボシングルの概要は以下の通り。

 

彗星のごとく現れ、2022年9月にデビューアルバム『this is what ____ feels like (Vol. 1-4)』をリリース、一気に世界のトップアーティストと肩を並べるミュージシャンへと変貌を遂げた、米国出身22歳の気鋭シンガーソングライター、JVKE(ジェイク)。


最新アルバムの重要な鍵を握るのが、7億5千万回越えという驚異の再生回数を記録し、間違いなくJVKEの名刺代わりとなったリード曲「golden hour」。この楽曲は、Ruel(オーストラリア)、Jungle(ロンドン)、Shirley Setia(ニュージーランド、インド)、ILLENIUM & NURKO(アメリカ)といった世界各国のアーティストが参加し、恒例のコラボシリーズとなっていった。



 「golden hour」original version



そんな中、日本からのシリーズ参加アーティストとして、昨年、"海外で最も再生された日本の楽曲"に選出された藤井 風が決定した。

 

藤井 風が自身以外の作品に加わるのはめったにないことだが、JVKEが直接、藤井 風にラブコールを送り、互いのクラシック音楽を通過した音楽性に共感し、今回のコラボレーションに至ったという。(ファンの間では密かに二人のコラボが待望されており、まさにその夢が叶うような形となった。)


JVKEがドラマティックに歌い上げるワンコーラス目とはきわめて対照的に、まるで静寂のなか、川のように美しく流れていく藤井 風の歌声に注目したい。印象的なピアノのイントロに呼応するかのようにポエティックな言葉が転がり、どことなく日本の繊細さと情緒感を感じさせる艶やかな「golden hour」のニューバージョンが誕生した。


掲載時にタイトルに誤りがありました。訂正とお詫びを申し上げます。



JVKE × Fujii Kaze 「golden hour (Fujii Kaze Remix)」(ゴールデン・アワー・フジイ・カゼ・リミックス)

 




リリース日:2023年4月21日(金)

 

レーベル:ASTERI ENTERTAINMENT

 

形態:ストリーミング&ダウンロード

 

ストリーミングはこちら:

 

https://asteri.lnk.to/fujiikaze

 

 

 JVKE (ジェイク)   -Profile-


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アメリカ合衆国ロードアイランド州クランストン出身の22歳シンガーソングライター&プロデューサー。母はパブリック・スクールの音楽教師、父は牧師という、音楽家系に育つ。


JVKEは3歳からピアノ、ギター、ドラムなどの楽器をはじめ、7歳には週一で行われていた地元の教会の音楽隊をまとめるほどになっていた。

 

14歳にて音楽制作を本格的にスタート、18歳のときにカレッジを中退し、初めてパブでの演奏契約を結ぶ。

 

2020年6月、JVKEはTikTokをはじめ、彼の制作する音楽のクオリティの高さが徐々に話題となり、僅か2カ月間あまりでのべ300万人のフォロワーを獲得。

 

しばしば実母とのマッシュアップ・ビデオをポストし、その投稿が著名TikTokerの間で使用されたりと更なる話題を呼んだ。

 

そしてTikTokにて火が付いた楽曲「Upside Down」は、失恋の思い出を歌ったエモーショナル・ポップ・ソングで、累計1,500万以上の再生回数を記録。

 

チャーリー・プースをフィーチャリングしたヴァージョン「Upside Down (feat. Charlie Puth)」を発表し、今、大きな話題を呼ぶアーティストである。

 

 

藤井 風 (フジイカゼ)   -Profile-

 
Website



1997年6月14日生まれ。 幼少期より父の影響でクラシックピアノを始め、12歳の時に実家の喫茶店で撮影したピアノカヴァー動画をYouTubeに投稿したことが、 後に音楽の世界へ飛び込むきっかけとなる。



2020年5月、1st Album「HELP EVER HURT NEVER」(ー常に助け、決して傷つけないー)リリース。 2022年3月、2nd Album「LOVE ALL SERVE ALL」(ー全てを愛し、全てに仕えよー)リリース。



藤井 風が大切にしているコアメッセージを掲げた2作品は、共にBillboard Japan総合アルバムチャート"HOT Albums"並びに オリコン週間アルバムランキングにて1位を獲得した。



2022年10月、2ndアルバムリリースを記念した「LOVE ALL SERVE ALL STADIUM LIVE」と題したスタジアムライブを、 音楽ライブの開催は史上初となる大阪府吹田市のPanasonic Stadium Suitaにて開催し、二日間で7万人を動員した。 この模様は、2023年3月10日よりNetflixにて全世界配信されている。

 

beabadoobee

beabadoobeeが2023年の最初のリリースとなる「Glue Song」の新バージョンを公開しました。

 

両者のファン・コミュニティから、いつか2人のアーティストがコラボレーションする日が来るという話が何年もオンラインで語られてきたこの曲では、2019年に一緒にアメリカをツアーした後、beabadooobeeとClairoが再度リンクアップしている。


Beaは次のように今回のコラボレーションについて語っている。「クレアは、彼女のファースト・アルバムのリリースの頃に彼女のツアーに連れてきてくれたので、良い友達なんだ。あれは超楽しかった」

 

"Glue Song"のヴァースのパートに彼女が挑戦してくれて、それがとてもスイートなサウンドになった。彼女のメロディーにはいつもインスパイアされてきたし、ついに2人の声が一緒になったトラックは本当にハッピーだよ。この曲はわたしにとって特別な曲で、ハートフルなラブソングなんだけど、わたしたちはその正直さに共感したんです。

 

「Glue Song」 Clairo Version

 


Killer Mike(キラー・マイク)は、本日、ソロ・アルバム「Michael」の詳細を発表し、自身の誕生日を盛大に祝いました。


このアルバムは6月16日にリリースされ、2012年の「R.A.P. Music」以来、10年以上ぶりのソロ作品となり、Run The Jewelsの最新アルバム「RTJ4」は2020年にリリースされました。この新譜について簡潔な洞察を与えたマイクは、次のように説明している: 「RTJはX-MENで、これは僕のローガンだ」。


彼はまた、「Michael」の最初のプレビューとして、新曲「Don't Let The Devil」を公開しました。この曲にはRun The JewelsのパートナーであるEl-Pとthankugoodsirが参加しており、No I.D., El-P, Little Shalimarによってプロデュースされました。


「Don't Let The Devil」




Killer Mike 『Michael』



Tracklist

1. Down By Law
2. Shed Tears
3. RUN
4. N Rich
5. Talkin Dat SHIT!
6. Slummer
7. Scientists & Engineers
8. Two Days
9. Spaceship Views
10. Exit 9
11. Something For Junkies
12. Motherless
13. Don’t Let The Devil
14. High And Holy

 Shannon Lay 『Covers Vol.1』

 

 

Label: SUB POP

Release: 2023/4/14




Review



2018年からコンスタントに作品をリリースしている、ロサンゼルスのフォークシンガー/シャノン・レイは昨年、サブ・ポップと契約し、哲学的なテーマを込めたドイツ語で"概念"を意味する『Geist』を発表している。昨年のアルバムもコンテンポラリーフォークとして聴き応えのある作品であったが、今回、初のカバー集となる『Covers Vol.1』も同様に素敵な快作となっている。

 

元々はロックバンドのメンバーとして活動を行い、ソロ活動を始めた当初はカルフォルニアのレドンドビーチを題材にしたサウンドスケープを髣髴とさせる繊細なフォーク/カントリーを書いてきたシャノン・レイではあるが、キャリア初となるカバー集『Vol.1』もまたこのシンガーソングライターらしい叙情性が引き出されているように思える。もちろん、今回、シャノン・レイがカバーに取り組んだのは、純粋なフォーク・ミュージックのジャンルだけにとどまらない。ざっと名を挙げると、Nick Drake、Arthur Russell、Sibylle Baier、Vashti Bunyan、Ty Segallの曲を演奏しており、なかにはラップもある。それを彼女の得意とするアコースティック・ギター、ピアノ、ボーカルというシンプルな構成を通じて再構成に取り組んでいる。そう、これは単なるカバー集というより、他のアーティストの作品の再構成とも称すべき作品集なのである。

 

これまでと同様、開放的な自然味を感じさせるレイのボーカルにそれほど大きな差異はないが、以前よりも感覚や感情の共有に重点を置いているように思える。そして、デビュー当時の内省的な雰囲気に加え、コミュニケーションを重視しているため、これらのカバーソングは親和性に満ちている。さらに、原曲に細やかなリスペクトを込め、しっかりとアコースティックギターのサウンドホール内の共鳴を意識するかのように、慎ましく繊細なピッキングにより伴奏やフレーズが紡がれていき、それらが和やかなフォークシンガーの世界観と合致を果たす。淡々としているが、ときに、ボブ・ディランのようなノスタルジアも「Close My Eyes」には感じ取ることが出来るはずだ。

 

近年では、わりと明るい雰囲気に彩られたフォークソングを中心に書きあげてきたシャノン・レイではあるが、デビュー当時のようなサウンドスケープを思わせる内省的なフォークソングのカバーにも取り組んでいる。「Glow Worms」は、フォークソングという一貫したスタイルを図ってきたミュージシャンの集大成を為す楽曲である。あらためてレイは、フォークミュージックの親しみやすさとオリジナルの楽曲が持つ旋律の輝きをこのトラックで呼び覚まそうとしている。

 

このカバー集は、必ずしもコンテンポラリーフォークのカバーのみにとどまらないところに興味を惹かれる。そして、明るい感じの曲から、最初期の憂鬱さを感じさせる曲まで幅広い感情を込めた曲風に取り組んでいる。カバーとはいえども、ギターの演奏やボーカルの合致から汲み出される深い感情性は胸に迫るものがある。シャノン・レイは、このカバー集の中であらためて新旧のフォークミュージックが感情の表出であることを明示し、それらの感覚を温かく包み込むかのように歌っている。今回のカバー集はじっくりと聴く価値がある。それは歌手がハンドクラフトのように真心を込めてカバーに取り組み、歌を大切にうたっているからなのである。

 

カバーの女王といえば、ロイヤル・アルバート・ホールでボブ・ディランの伝説的なコンサートの再現を行ったキャット・パワー(シャーン・マーシャル)が思い浮かぶ。だが必ずしも本作は、キャット・パワーのような形でのカバーを意図しているわけではないと思う。シャノン・レイは自分なりの"概念"を凝らすことで、原曲の隠れた魅力を伝えようとしている。そういった意味では『Geist』と無関係ではなく、前作と組み合わせて聴くとより楽しみも増えるかも知れない。



85/100

 

 

 Featured Track 「Glow Worms」

 

©︎Michelle Helena Janssen

名門Warp Recordsに所属するポストパンクバンド、Squid(スクウィッド)は、近日発売予定のニューアルバム『O Monolith』に収録される最新シングル「Undergrowth」をリリースしました。

 

この曲は、バンドのLouis Borlaiseが監督したビジュアルと、Frank Forceが作った独自のビデオゲーム付きで公開されています。ビジュアライザーは下記よりご視聴ください。


"私はアニミズム、つまり無生物に霊が宿るという考え方にとても興味を持ちました。"とボーカル兼ドラマーのOllie Judgeは声明でこう説明しています。

 

ツイン・ピークス "を見ていたら、ジョシー・パッカードの霊がタンスの中に入っていくエピソードがあった。

だから "Undergrowth "は、私があの世でベッドサイドテーブルに生まれ変わるという視点から書かれたもので、無生物に生まれ変わるということがいかに恐ろしいことか...

私は決して宗教家ではないのですが、宗教家ではない人が「くそっ、もしあの世があるのならどうしよう」と一瞬考えたことがないほど自信があるとは思えません。地獄に落ちるかもしれないと思ったことが一度もない人はいないと思う。

ゲームとアニメーションが音楽とシンクロし、曲の進行に合わせて変化し、さまざまなフェーズに移行していくインタラクティブなミュージックビデオのようなものだと想像してください。


Squidのニューアルバム『O Monolith』は、Warp Recordsから6月9日に発売されます。最初の先行シングルとして「Swinging(In a Dream)」が公開されています。


 

「Undergroth」

 

 

 

米ジョージア州アトランタ出身のヒップホップ・アーティスト、J.I.Dの待望の初来日公演が今夏に決定しました。本公演は、2023年8月15日(火)に東京のduo MUSIC EXCHANGEにて開催されます。

 

公演詳細、アーティストのプロフィール、及びフライヤーにつきましては、以下よりご確認下さい。




【東京公演】


日時: 2023/8/15(火)


会場: duo MUSIC EXCHANGE


19:00開演 (18:30開場)


料金: スタンディング:6,500円


(入場時ドリンク代別途必要 / 入場整理番号付)


お問合せ: キョードー東京  0570-550-799  オペレータ受付時間(平日11:00〜18:00/土日祝10:00〜18:00)


※ 未就学児童入場不可


チケット販売スケジュール


先行販売: 4/20(木)18:00 〜 5/8(月) 【先着】


https://tickets.kyodotokyo.com/jid2023/
https://w.pia.jp/t/jid-t/
https://l-tike.com/jid/        (Lコード:71671)
https://eplus.jp/jid-2023/

 

チケット一般発売: 2023年5月13日(土)10:00



J.I.D   最新アルバム『The Forever Story』



試聴/購入はこちら:


https://umj.lnk.to/JID_TheForeverStory

 

発売元:ユニバーサル ミュージック合同会社 



日本公演情報HP:

 

https://kyodotokyo.com/pr/jid2023.html

 

 
アーティストHP:  

 

https://www.jidsv.com/#/

 
 

レーベルHP: 

 

 https://www.universal-music.co.jp/jid/ 

 


JID  -Profile-


米ジョージア州のイースト・アトランタ出身のヒップホップ・アーティスト、J.I.D。
両親が集めていたクラシック・ファンクやソウル系のレコードを聴いて音楽に触れて育つ。
J・コールのInterscope Recordsのベンチャー「Dreamville Records」と契約し、2017年にメジャーレーベル・デビューを果たした。


2018年にはデンゼル・カリーの「Sirens」にフィーチャーされるなど、自身の創作活動以外の場でも大きく活躍。その年の自身の誕生日である10月31日に待望の2ndアルバム『Dicaprio 2』をリリース。同アルバムは数多くの音楽誌から高評価を受け、アルバムのジャケット写真が若かりし頃のレオナルド・ディカプリオに似ている役者を起用したことが話題となり、大きな注目を集めた。


2022年、イマジン・ドラゴンズとの「Enemy」にフィーチャリングされ世界的な特大級ヒットを記録、さらなる大成功を収める。


この大ヒットを受けて、3枚目のスタジオアルバム『The Forever Story』を発表、リル・ウェイン、ヤシイン・ベイ、ジェイムス・ブレイク、リル・ダークなど、多数のゲストアーティストを迎え、ローリングストーン誌、コンプレックス誌、GQ誌、XXL誌、ピッチフォーク誌など、多くの「ベスト・オブ・2022」リストにランクイン。さらにNPRのタイニー・デスク・コンサートにも出演し素晴らしいライブを披露した。急成長真っ只中での初来日公演が決定!!