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M(h)aol

ダブリンのポスト・パンクバンド、M(h)aolは、デビュー・アルバム『Attachment Styles』のリリースを発表した。この新作は2月3日にTULLE Collectiveからリリースされる。


新作アルバムの最新シングル「Asking For It」について、バンドのRóisín Nic Ghearailtは「2016年に最初に書いて、2020年に見直したんだ」と語る。

 

「歌詞の中にある内面的な被害者非難にショックを受けたんだ。それを書き直し、レコーディングして、2021年にウィメンズ・エイドのための資金調達のためにリリースしたんだ。アルバム・バージョンは2021年のものよりもずっと怒っていて、誰かが "それを求める "という概念がいかに滑稽であるかを強調しているという点で、ほとんど風刺的なんだ」


ベーシストのゾーエ・グリーンウェイが監督した新しいビデオも公開となった。ゾーエは「これは今までM(h)aolのために作った中で最も難しいビデオになった。Róisínの歌詞とパフォーマンスには非常に多くのパワーと感情が込められているので、彼女が伝えているこの経験を責任を持って繊細に描写し、それを正しく伝え、人々に関心を持ってもらうために一生懸命に取り組みました」


「このビデオを見て、人々に思いやりと共感を抱いてもらえたらと思います。性的暴行の被害者のトラウマ的な経験を認め、より希望的で協力的な癒しの旅への道筋を示す方法で、性的暴行に関するコミュニケーションのチャンネルを開くことが重要だと思うのです。より良い世界を作るためには、共感が最も重要だと思います」


動画は以下よりご覧ください。

 

 

 

 

M(h)aol  『Attachment Styles』

 

 

Label: TULLE Collective

Release: 2022年2月3日 


Tracklist:

1.Asking For It

2.Bored of Men

3.No One Ever Talks To Us

4.Bisexual Anxiety

5.Therapy

6.Nice Guys

7.Kim Is A Punk Type Dog

8.Cowboy Honey

9. Femme

10. Period Sex


Deadletter ©︎Joe Mulville

 

 UK/ヨークシャー出身のポストパンクバンド、DEADLETTERは、11月18日にSO RecordingsからデビューEP「Heat!」のリリースを控えている。

 

この新作EPに収録される最新シングル「Madge's Declaration」が昨日公開された。二曲の先行シングル、「Binge」「Weights」に続く作品です。PVを下記よりチェックしてみて下さい。


「僕たちは、ユーモアとダンサブルな要素を持ち、僕たちの文化的な魅力を反映した形で、本当に恐ろしいアイデアを探求するものを作りたかった」と、Deadletterのフロントマン、Zac Lawrence(ザック・ローレンス)は語る。「そして、この曲は、原始的な恍惚感の不協和音でクライマックスを迎えるのさ」

 

 

IDLES ©︎Tom Ham

 

 UKのポストパンクバンド、IDLESは、2017年のデビュー・アルバム『Brutalism』の5周年を記念したリイシューを発表した。『5 Years of Brutalism』は、代替アートワークを施したレッド・ヴァイナルでフィジカルにリリースされる予定です。


デジタル版には、今年のグラストンベリー・フェスティバルのBBC Introducing Stageに出演時のフル・パフォーマンスの全セットが収録される予定だ。12月9日にPartisanからリリースされる。


バンドは、グラストンベリーでのセットから、アルバム収録曲「1049 Gotho」のパフォーマンスを公開しています。リイシューのトラックリストとカバーアートと共に、下記をチェックしてみてください。
 

プレスリリースによると、バンドは次のように述べています。"耽溺と不安の墓石スラブとして始まったものは、美、許し、感謝の長い旅になった。それがただの墓石ではなく、愛にあふれた人間でいっぱいの家の土台を築いているのだと、私たちはほとんど知りませんでした。本当にありがとうございました。 
 
 
 
 「1049 Gotho」
 
 





 

IDLES 『5 Years of Brutalism』



 

Label: Partisan

Release: 2022年12月9日
 
 

Tracklist:

 

 

 

Disc One:

 

1. Heel / Heal
2. Well Done
3. Mother
4. Date Night
5. Faith in the City
6. 1049 Gotho
7. Divide & Conquer
8. Rachel Khoo
9. Stendhal Syndrome
10. Exeter
11. Benzocaine
12. White Privilege
13. Slow Savage

 

Disc Two:

 

1. Heel / Heal (Live From BBC Introducing at Glastonbury) 
2. Well Done (Live From BBC Introducing at Glastonbury)
3. Mother (Live From BBC Introducing at Glastonbury)
4. Date Night (Live From BBC Introducing at Glastonbury)
5. Faith in the City (Live From BBC Introducing at Glastonbury)
6. 1049 Gotho (Live From BBC Introducing at Glastonbury)
7. Divide & Conquer (Live From BBC Introducing at Glastonbury)
8. Rachel Khoo (Live From BBC Introducing at Glastonbury)
9. Stendhal Syndrome (Live From BBC Introducing at Glastonbury)
10. Exeter (Live From BBC Introducing at Glastonbury)
11. Benzocaine (Live From BBC Introducing at Glastonbury)
12. Slow Savage (Live From BBC Introducing at Glastonbury)
13. White Privilege (Live From BBC Introducing at Glastonbury)

 

Special Interest

 ニューオリンズのダンスパンクバンド、Special Interest(スペシャル・インタレスト)は、今週金曜日(11月4日)にRough Tradeからリリースされる『Endure』からの最新シングル「Cherry Blue Intention」をリリースした。
 
 
前作「Foul」、「Midnight Legend」(Mykki Blancoが参加)、「(Herman's) House」に続き、この曲にはバンドが夏のツアー中に撮影したHi-8映像をPerry Hohlsteinが編集したミュージックビデオが同時に公開されています。下記よりご覧ください。
 

この曲について、バンドは次のように語っている。「"Cherry Blue Intention "は、速い友情と湿度の高い夜を通り抜ける、ねじれたオデッセイにあなたを誘います。こんなに赤い味がするものが、どうしてこんなに青いんだろう?」

 

©︎ Ebru Yildiz


アトランタ出身のポストパンクバンド、Algiers(アルジェ)がニューアルバムのリリースを発表しました。


『Shook』は来年2月24日にMatadorから発売予定。2020年の『There Is No Year』に続く本作には、先にリリースされたシングル「Bite Back」(billy woodsとBackxwashが参加)と、Rage Against The MachineのZack de la Rocha(ザック・デ・ラ・ロッチャ)が参加した新曲「Irreversible Damage」が収録される。このニューシングルのPVは下記より御覧下さい。

 

「あの曲の終わりは喜びの音だ」とフロントマンのフランクリン・ジェイムズ・フィッシャーは声明で述べている。「2022年、全てが崩壊している時の希望の音なんだ」

 

アルバムのカバーアートワークとトラックリストにつきましては、下記よりご確認ください。


17曲に及ぶこのLPには、Big Rube (The Dungeon Family)、Samuel T. Herring (Future Islands)、Jae Matthews (Boy Harsher)、LaToya Kent (Mourning [A] BLKstar), Nadah El Shazly, DeForrest Brown Jr. (Speaker Music), Patrick Shiroishi, Lee Bains III, Mark Cisneros (Hammered Hulls, The Make-Up, Kid Congo Powers) とのコラボレートも収められています。


「このレコードは、私たちが家を見つけたようなものだと思う」とベーシストのライアン・メイハンは述べる。

 

一方のフランクリン・ジェイムス・フィッシャーは、「自分たちの出身地である街との関係を新たにし、それに誇りを持つという、まったく新しいポジティブな経験だった。このレコードは君を航海に連れて行ったけど、アトランタで始まってアトランタで終わるという考え方が好きなんだ"と説明している。



「Irreversible Damage」


バンドは上記の最初のシングルに加え、「I Can't Stand It」「73%」をリリースしている。




Algiers 『Shook』 
 




Tracklist:

1. Everybody Shatter [feat. Big Rube]
2. Irreversible Damage
3. 73%
4. Cleanse Your Guilt Here
5. As It Resounds [feat. Big Rube]
6. Bite Back [feat. billy woods & Backxwash]
7. Out of Style Tragedy [feat. Mark Cisneros]
8. Comment #2
9. A Good Man
10. I Can’t Stand It! [feat. Samuel T. Herring & Jae Matthews]
11. All You See Is
12. Green Iris
13. Born [feat. LaToya Kent]
14. Cold World [feat. Nadah El Shazly]
15. Something Wrong
16. An Echophonic Soul [feat. DeForrest Brown Jr. & Patrick Shiroishi]
17. Momentary [feat. Lee Bains III]




・Algiers 2023  Tour Dates:
 

Thu Feb 9 – Ireland, Dublin, Workman’s
Wed Feb 15 – Belgium, Brussels, Botanique Rotonde
Thu Feb 16 – Switzerland, Winterthur Salzhaus
Fri Feb 17 – Italy, Ravenna, Bronson
Sat Feb 18 – Italy, Pordenone, Capitol
Mon Feb 20 – Slovenia, Ljubljana, Kino Šiška
Tue Feb 21 – Austria, Vienna, Flex
Wed Feb 22 – Austria, Linz, Posthof
Fri Feb 24 – Czech Republic, Prague, Lucerna Music Bar
Sat Feb 25 – Poland, Warsaw, Niebo
Wed Mar 1 – Germany, Dresden, Beatpol
Thu Mar 2 – Germany, Berlin, Hole44
Fri Mar 3 – Germany, Bielefeld, Forum
Sat Mar 4 – Germany, Schorndorf, Manufaktur
Sun Mar 5 – Germany, Cologne, Club Volta
Tue Mar 7 – France, Paris, Petit Bain
Wed 8 Mar – UK London, The Dome

©︎Joshua  Erkman


Ty Segallと妻であるDenée Segall、Cairo GangのEmmett Kellyからなるバンド”The C.I.A.”が、最新アルバム『Surgery Channel』のリリースを発表しました。1月20日にIn the Redからリリースされる予定。

 

リード・シングル「Impersonator」は、Joshua ErkmanとDenée Segallが共同で監督したミュージック・ビデオとともに公開されています。下記よりご覧ください。


The C.I.Aのセルフ・タイトルのデビュー・アルバムは2018年にリリース済みです。次の作品は2021年に書かれ、セガール自身のハーモナイザースタジオでマイク・クリーベルと共にレコーディングされた。タイ・セガールは7月に最新のソロ・アルバム『Hello, Hi』をリリースしている。

 





The C.I.A  『Surgery Channel』
 


 Label: In the Red
 
 Release:  2023年1月20日

 
 
Tracklist:

1. Introduction
2. Better
3. Inhale Exhale
4. Impersonator
5. Surgery Channel Pt. I
6. Surgery Channel Pt. II
7. Bubble
8. You Can Be Here
9. The Wait
10. Construct
11. Under
12. Over

 Dry Cleaning 『Stumpwork』

 


 

 

 Label: 4AD Ltd

 Release: 2022年10月21日

 


 

 

Review

 

 デビュー作「New Long Leg」で全英チャート4位を獲得したドライ・クリーニングの2ndアルバム『Stumpwork』は、サウス・ロンドンのミュージックシーンの気風を色濃く反映した作品といえるでしょうか。バンドメンバーのルイス・メイナード、ニック・バクストンの二人は別のバンド、元々は、La Sharkとして活動を行っていたそうなんですが、2017年にパーティーで出会ったというトム・ダウズが参加している。

 

以後、トム・ダウズと同じく、ロイヤル・カレッジ・オブ・アートで、絵画の研究を行っていたフローレンス・ショーが参加、結成当初は、インストバンドとして活動していたものの、フローレンス・ショーがボーカルを取るようになる。フローレンス・ショーのボーカルはパティ・スミスのように、ポエトリー・リーディングに近いクールなスタイルが取り入れられていますが、これは、フローレンス・ショーが、人前で歌うのが恥ずかしいという理由で、ほかのメンバーが、演奏に合わせて喋るようにとアドバイスし、スポークンワードの手法で行くようになったのだそう。つまり、アートの学術論文の発表に慣れ親しんでいると思われるボーカリスト、フローレンス・ショーにとっては、スポークンワードという手法が理にかなっていたのかもしれません。


Dry Cleaning

 ドライ・クリーニングのセカンド・アルバム『Stumpwork』は、UKの70年代のアートパンクのオリジナル世代、そしてNYの同年代のアンダーグラウンドミュージックの影響が色濃いように感じられる。音程を極力排したスポークンワード/ポエトリー・リーディング、The Jamのようなアートパンクに象徴されるような硬質なギターロックの瞬発性、さらに、ソニック・ユースの1985年の『Bad Moon Rising』の時代を彷彿とさせる変則チューニングを駆使したアバンギャルド/サイケデリックなギターのアプローチが絶妙な合致を果たし、見事にスパークしている。このセカンドアルバムは、内的な抒情性を漂わせつつも、外向きの強いパンチ力やフックも兼ね備えています。

 

さらに、ドライ・クリーニングの音楽のアプローチは、ソニック・ユースの最初期のアートロックの強い影響を感じさせるとともに、今年劇的なデビューを果たしたYard Actに近い雰囲気もあり、ヒップホップの性質を削ぎ落とし、ポスト・パンク/ノーウェイヴの要素である語りの技法を取り入れようという作風です。そして、ソニック・ユースのサーストン・ムーアのトレモロを活かしたギターのトーンのゆらぎを再現し、うねるようなギターリフの合間にフローレンス・ショーの、ダウナーでアンニュイなスポークンワードが取り入れられています。

 

バックバンドとしては、激情的な雰囲気も背後に滲んでいますが、ショーのボーカルは常に冷静な語り口で昂ずるところは殆どなく、一見、相容れないと思われる要素をとことんまでバンドサウンドとして前面に突き出しており、この対極性の中にかっこよさを感じるかどうかが、このアルバムを気に入るかの分かれ目となるかもしれませんね。しかし、フローレンス・ショーのボーカルスタイルというのは、音程自体は、殆ど一定で変わらないものの、その中にはハミングに近い歌の旋律が隠れている。歌いたいけれども、歌いたくもない、というようなシニカルな相反する精神性が、おそらくフローレンス・ショーのボーカルの特色なのかもしれません。この特異なボーカルが、ファンクのようにしなりのある図太いベースライン、そして、ファズ・ギターのうねりの向こうから不意に立ち現れたとき、ほのかな心情的な温かさを通わせるようになる。つまり、音楽そのものが生きた生命体さながらに鮮やかにいきいきとしはじめるのです。そして、あらかじめ意図したものでなく、アンサンブルやセッションを通じて偶然に生じたエモーションが序盤から中盤にかけて増幅されていく。この中盤の盛り上がり、徹底してコントロールの効いた内省的な激情性こそ、このセカンドアルバムの傑出した要素として指摘しておきたい。

 

 各々の楽曲についての説明は省略しますが、デビュー・アルバムの延長線上にある音楽性が引き継がれており、それがさらに先鋭的な気風すら帯びている。例えば、ソニック・ユースの最初期(「Goo」以前)を彷彿とさせる#2「Kwenchy Kups」、The Jam、The Fallのような硬質な精神性と抒情性を兼ねそなえた#3「Gary Ashby」、#4「Driver's Stroy」を始めとする、繊細性と力強さを併せ持つソフトな楽曲がこの作品の世界観を引っ張っていきますが、その中に、それほど肩肘をはらず、一貫したテンションで紡がれるフローレンス・ショーのスポークンワードが、これらのアート・パンクの流れの中にほのかな情感をもたらしています。フローレンス・ショーのボーカルは、さほど派手さがない性質がゆえ、主役を演じたかと思えば、コアなバンドサウンドの脇役を演じたりと、その立ち回りが一瞬で変化する。それは、このバンドサウンド、ひいては、アルバム全編に流動的な力を与え、 内包される空間が進むごとに押し広げられていくようにも感じられるのです。

 

アルバムの中盤に差し掛かっても、彼らの求心力が衰えることはありません。いや、それどころかむしろ、このアルバムの凄さは中盤部にこそ込められていると言える。それは外向きの力ではなく、内向きな想念がひたひたと渦巻いているようにも感じられる。前半部の世界観ーートレモロを活かしたサイケデリックなギターのフレーズ、そして、タイトでありながらダイナミックなリズムが、フローレンス・ショーのシュールな詩を湧きたて、音楽/バンドサウンドの持つ力を徐々に拡大していく。嘯くかのような力の抜けたフローレンス・ショーの語り口は、#7「No Decent Shoes For Rain」で最高潮に達する。テンションを一定に保ったまま、奇妙な熱を帯びていくのです。

 

また、The Jamのポール・ウェラーの若い時代の楽曲を彷彿とさせる、ポストパンク/モッズの影響を感じさせる#8「Don' t Press Me」では、現代社会に対する反駁のような考えを暗示しているように感じられます。そして、ひねりの効いたポスト・パンクのアプローチには、Wire,The Wedding Presentsといったバンドの系譜にある、強固な反骨精神すら見出す事も出来るはずです。

 

 このセカンド・アルバムで、 ドライ・クリーニングは、デビュー作のセールス面での大成功が偶然ではなく必然であったこと、そして、前作で表現しきれなかった真の実力を対外的に示すことに成功しています。『Stumpwork』は、2022年のインディーロック/ポスト・パンクのリリースの中では傑出した作品に位置付けられるでしょう。



 

94/100

 

 

 Weekend Featured Track 「No Decent Shoes For Rain」



 Sport Team 『Gulp!』


 

Label: Universal Music

 

Release: 2022年9月23日 


Listen/Buy


 

Review

 

2020年のマーキュリー賞にノミネートされ、ヒット作となったデビュー・アルバム「Deep Down Happy」から二年、Sports Teamは、このセカンド・アルバム「Gulp! 」で想像だにできないような進化を遂げています。

 

スポーツチームはこのアルバムを前作のリリースからすぐに制作を開始した。というよりもこれは、どうやらロックダウン等の理由により、ライブギグをやるわけにも行かず、スタジオ入りせざるをえなかったという。結果的には、それが良い方に転じたとスポーツチームのメンバーは話しています。

 

このセカンド・アルバムは、ラウンドハウスでギグを行った後、デヴォンの人里離れた小屋でレコーディングが行われた。アルバムで最も派手な印象を持つ「Entertainent R」、その他、「Dig!」に代表されるように、ポストパンクバンドとしての勢いとパンクサウンドの痛快さを刻印したものとなっています。いかなる暗い時代においても、エンターテインメントを追究しようとするバンドの強いエネルギーがアルバム全体の印象を明るく照らし出しているように思えます。

 

これらのポスト・パンクサウンドには、ギャング・オブ・フォーのような感覚の鋭いファンクパンクのサウンド、さらに、イアン・デューリーに象徴されるパブ・ロックの渋い雰囲気が漂い、これがこのセカンド・アルバム「GULP!」のサウンドの核となっています。また、実際のライブパフォーマンスで強い存在感を放つアレックス・ライスのボーカルはストラングラーズのヒュー・コーンウェルを彷彿とさせる。そしてときには、オーストラリアのセインツのようにR&Bを吸収した派手なポスト・パンクサウンドの影響もこのアルバムの端々に見受けられる。それは流動的で精細感のあるサウンドであるため、聴いていて気持ちが良いばかりでなく、聞き手の活力をみなぎらせるような強い扇動力も持ち合わせています。

 

とにかく、このセカンド・アルバム「Gulp !」は、このメンバーがライブを想定してレコーディングに取り掛かっているような気配もあり、それはまた、ロックダウン中に思うようにライブギグが行えなかったフラストレーションが明るく前向きなエネルギーに変換されています。さらに、このアルバムを聴くと、実際のライブで収録曲を聴いてみたいと強く希求させる何かがあるのです。

 

この作品のテーマは人間について描かれていて、さらにいえば、喜び、悲しみ、憎しみ、様々な人間の感情を多角的な視点を経て、パワフルなポスト・パンクサウンドとして巧みに昇華させている。このアルバムには、そのほか、彼らの出身のバックグランドを思わせるシニカルな政治的な風刺、他にも、ソーシャルメディアの弊害についての言及など、現代ミュージシャンとしての多くの提言、メッセージも含まれています。そして、彼らのように忌憚のない意見を言ってのけることに関しては、IDLESと同様、ロックミュージシャンとしてあるべき姿。そして、さらに、Sport Teamのクールきわまりない提言は、国内の人々だけではなく、ヨーロッパ、その他の地域の人の心にも共鳴する感覚が込められています。「Gulp !」は、サウンド自体が楽しみに溢れていることも一つの大きな魅力ではありながら、自発的な思考を促すようなメッセージ性を持ち合わせているのもまた事実でしょう。

 

 

82/100


 

Featured Track 『Dig!』

 

 KEG  「Girders」


 

 Label: BMG/Alcopop!

 

 Release: 2022年9月2日


Listen/Buy




Review

 


イギリスの港町、ブライトンの海岸で結成された七人組のポスト・パンク/アートパンクバンド、KEGは、デビュー当時からユニークな音楽性でリスナーを惹きつけることに成功しています。

 

バンド・アンサンブルの基本的な編成に加えて、シンセサイザー、トロンボーンを始めとするジャズやクラシックの素養のあるメンバーを擁する。バンドは、自分たちの音楽について、「ファインアート」もしくは「ファイン...アート」と説明しているようですが、まさに商業主義とは異なる実験性を擁するバンドとして注目です。

 

昨年リリースされたデビューEP「Assembly」ではディーヴォに触発された分厚いバンドアンサンブルを展開し、凄まじいハイテンションを擁するポストパンクの楽曲により、ロックダウン下の暗い社会に一筋の光を与えてくれました。

 

2ndEP「Girders」においても、KEGの明るいユニーク性は引き継がれています。独特な不協和音を擁する楽曲は、現代の世界の縮図のようでもある。楽曲のあちらこちらに、シンセサイザーやトロンボーンの現代音楽のような不協和音が世界の軋轢のようなものを暗示的に込められている。それはオープニングトラック「5/4」で始まり、分厚いアンサンブル、ディーヴォを彷彿とさせるシニカルボーカル、対比的な激したスクリームがアルバムの世界観を牽引していく。


UKポスト・パンクの流れを汲んだ表題曲は、そういった苛烈な部分と繊細性が綯い交ぜとなって、ユニークな世界観が展開されていきます。KEGは、シリアスになることを極力避け、それらを独特なユーモアによって彩ってみせている。これらは、彼らが常に社会的に置かれるポジション、あるいは一般的な立場から見るイギリス社会全体を、ファインアート、もしくはファイン...アートとして刻印したものとなっています。ポスト・パンクバンドとしてのエクストリーム性を主体に置きつつも、その中には、ギターのディストーションに対比的に配置されるクリーントーンの流麗なアルペジオには、黎明期の米国のポスト・ロックバンドのような繊細性が漂っている。つまり、外向きのエネルギーと内向きのエネルギー、これらの二律背反の要素を、時に変拍子を交え綿密に組み合せることにより、このアルバムの印象を強固にしています。

 

全体的には、デビューEP「Assembly」に比べると、掴みやすさの要素は少なくなったように思えるものの、これらのサウンドの中には、KEGしか生み出せない強かなユーモアが込められているように伺えます。それは尖ったギターサウンド、ディーヴォよりもさらにハイテンションのボーカルによってKEGらしい音楽、心の表現が汲み出される。パンクバンドとしての先鋭性を保持しつつも、ブライトン流の特異な抒情性が僅かに漂う。このアルバムのブロックを1つずつ積み上げるようにして繰り広げられる実験性は、クライマックスの「NPC」で最高潮を迎える。

 

ここには、ブラック・ミディのデビュー当時を彷彿とさせるアバンギャルド性の強い、捻くれた感のあるポスト・ロックサウンドが展開される。先述したように、「Girders」は、商業主義の音楽とは決して言い難い。でも、商業主義の音楽しかこの世に存在しなくなったら、それは「芸術表現の死」であり、音楽をはじめとする芸術全般の存在意義が衰退する原因ともなりかねない。


日々接する生活における実感を、自分達にしかなしえない方法で何らかの表現にさまざまな形で込めようとする。そして、それこそが、KEGの言うように、ファインアートの本質でもあると思せい

 

 

68/100

 

 

 

Featured Track 「Grinders」


 

©︎James  Edson

ロンドン出身、気鋭のポスト・パンクバンド、High Visがニューシングル「0151」をリリースしました。

 

9月30日にDais Recordsからリリースされるセカンドアルバム『Blending』からのシングルで、フロントマンのGraham Sayleは、この最新曲について次のように語っています。「緊縮財政と無視された10年間を背景に、”0151”は集団的アイデンティティの力について歌った曲なんだ」

 

「私の叔父がパンデミック中に亡くなった後に書かれたこのニューシングルは、イングランド北部の船大工としての生活と、その後の産業の衰退の話からインスピレーションを受けたもので、私の人生の形成期の風景やコミュニティと現在の社会経済状況についての曲でもあるんだ」

 

また、ベーシストのRob Mossは、「リバプールは悪い知らせを受けることに慣れ親しんでいる都市だ」と説明する。

 

「イギリス北西部の古い悲しみは、最も穏やかな形で、権威に対する懐疑的な考え方を受け継いでいる。外に向かっては破壊的であり、内に向かってはきわめて繊細である、というスケーラブルな要求がある。そして、さらに、地域的な忍耐によって築かれた控えめなつながりが存在している。この曲は、社会的・経済的放棄の政策に対する闘争と回復力について歌われている」

 


 

Algiers(アルジェ)が、billy woodsとBackxwashとタッグを組み、新曲「Bite Back」を発表しました。Algiersは、ジョージア州アトランタ出身のポストパンクバンドで、マタドールレコードと契約を結んでおり、最新アルバムとして「There Is No Year」をリリースしています。

 

今回発表されたニューシングル「Bite Back」は、ニューヨークのラッパー/Billy Woods、カナダのラッパー/Backxwashとのコラボレーションソングとなっています。

 

このトラックは、Murat Gökmenが監督したミュージックビデオも併せて公開されておりますので、下記よりご覧下さい。


「ここ数年、あまりにリアルすぎることばかり起こってたから、コラボレーターのコミュニティを増やして、特に、ラップ・ヘッドと、常々感じている絆をより強固にする必要があったんだ」マルチ・インストゥルメンタリスト兼プロデューサーのライアン・メイハンは声明で語っている。

 

「Billy WoodsとBackxwashという2人の最高のラッパーがAlgiersのトラックに参加することになるとは。ピンチだよな、マジで!!」


アルジェのボーカリストのフランクリン・ジェイムズ・フィッシャーは、次のように語る。「ライアンはある日、いきなり、この美しく壮大なインストゥルメンタルを持って俺たちの前に現れて、『こんな曲があるんだけど、『バイトバック』って曲だなんて言うんだ。その時、なぜ自分がこのバンドに加入したのかを思い出すことが出来た。残りは自分の力で書いたようなものだった。これは、僕らのレーニン=マッカートニー・ダイナミクスの典型的な事例と言えるだろう」


「これは、まさしく革命的闘争のサウンドトラックのように感じる」とBackxwashは続いてコメントしている。

 

また、もうひとりのコラボレーター、ビリー・ウッズは次のように説明しています。「Algiersとの仕事は、様々な面でドープな経験でしたね。彼らがビデオを撮ると言った時、もの凄く興奮したよ。さらに、Backxwashが関わっていると知ったら、『もう、やるっきゃない!』と思ったんだ」


 

©︎Matt Morino

ブルックリン出身のポストパンクバンド、S.C.A.B.が、セルフタイトルのアルバムを11月11日にGrind Selectよりリリースすることを発表した。リード・シングルは本日リリースされ、Matthew Marinoが監督したビデオも公開されています。このビデオは、Matthew Marinoが監督したものです。


バンドのSean Camargoは、「"Tuesday "は、意味のあるつながりを築こうとすることへの幻滅と、価値のあるものをあてもなく探すことについて歌った曲だ」とコメントしています。

 

「"サインフェルド "でニューマンが言うシーンがある。"火曜日には感覚がない。月曜日には感触があり、金曜日には感触がある...”と言うシーンがあるが、そういう具体的でない、特定しにくい雰囲気を歌詞で表現したかったんだ...。1週間を乗り切ろうとして、しがみつくために少しでも幸せを見つけて(太陽の下に座り、肌が燃えるのを感じる)、何かを探しているが見つからないという内容なんだ」

 

 

 

 

 

 

S.C.A.B 『S.C.A.B』


 

 

Tracklist

 

1.Why Do I Dream Of You

2.MTA LUX

3.Small Talk

4.Tuesday

5.C86

6.Six Songs Into Your Spotify Playlist

7.Beige and Green

8.Myrtle-Wyckoff

9.Rockefeller  Pleather

10.Pink Tire

 

 

Photo: Lauren Maccabee

 

ケンブリッジ大学で結成されたポストパンクバンド、Sports TeamがIsland Recordsからリリースされる2ndアルバム「Gulp!」に先駆けて、先週末にニューシングル「Dig」を発表しました。

 

バンドは、この曲について「今日のポップカルチャーの薄い粥に必要な塩のピンチ」と表現している。

 

新作「Gulp!」は、10曲収録のアルバムとなり、9月23日にアイランドレコードからリリースが決定している。スポーツ・チームは、最初の先行シングル「R Enterainment」において、ファンに、この新作アルバムの雰囲気を伝えようとしている。パンクであり、ローファイであり、ポップであり、ディスコでもあり、SFチックでもある。このなんともカオスにまみれた音楽性については、全てこの六人組が意図的に計画したものであり、これは、まさに現代の文化、デジタル文化についての痛撃な皮肉、イングリッシュージョークが込められているのだ。もちろんそれをユーモアのセンスで否定的ではなく肯定的に捉えているのがこのバンドなのである。

 

「Gulp!」には、現代のSNS文化等に対するシニカルな風刺が込められている。多彩化する情報、増加しすぎた情報の限界性のようなものが、現実の社会、人々にどのような影響を及ぼすのかに着目している。

 

この六人組のポストパンクバンドは、現代の問題を的確に把握し、その問題を軽やかに我々の前に提示する。この先、さらに時代が進み、デジタル情報の供給が限界に達すれば、その先にはSFの世界しか存在しえないとの暗示を込めている。2000年以後から、世界中の人々は、多くの情報、多くの考え、多くの快楽を求め、デジタルの無限の海の中を行くあてもなく漂ってきたが、このオックスフォードの六人組、スポーツ・チームはそのことが既に限界点に達していることを教唆し、警鐘を鳴らしている。デジタル社会を生き抜かねばならぬ私たち現代人にとって、ほんとうに大切なものはなんなのか・・・、今一度、再確認するべき時機が到来しているのだ。

 

スポーツ・チームは、今月下旬にリリースされるニューアルバム『Gulp!』について以下のように語っている。

 

「ソーシャル・フィードの無限スクロール・・・、毎日検索した後にヒットする画像の無形性に突き動かされた全ての人間の経験を、ある種のエンターテインメントとしてパッケージすることを私達は試みている。それらは、例えば、ボディーガードのシーズン17の広告で中断されるグラフィック・ニュース・・・、野次馬そのものでしかない実に空虚なニュースのようなものだ・・・」

 


「Dig」

 

Photo: Alexis Gross

 ニューオリンズのダンスパンクバンドSpecial Interestが、Rough Tradeから11月4日に発売される1stアルバム『Endure』を発表しました。バンドはこのアルバムの制作過程を「逆転の発想」と表現し、普段はライブで曲を練り上げるが、パンデミックによって新たなサウンドの実験につながった。


このアルバムには、今年初めにリリースされた「Herman's House」が収録され、ニューシングルは、バンドがこれまでで最も即戦力でダンサブルな曲のひとつ「Midnight Legend」です。Mykki Blancoをフィーチャーしており、シンガーのAlli Logoutは、この曲を「朝の6時にクラブを出る女の子たち、自分の周りに愛がない人たちみんなへのラブソング」と表現しています。

 

「私たちが孤立感や孤独感から自分自身を麻痺させたり、リスクの高い行動に走ったりするのも、クラブや施設、パーティーの「仲間」によって可能にされている部分が非常に大きいのです。この曲は、実際には決して聞かれることのない人々の声に耳を傾けることを歌っています」


フロントマンのAlli Logoutはミュージックビデオの監督も兼任し、この曲をダイジェティック・サウンドとして使用し、クラブでの語りの中に漂ったり消えたりしています。その映像は以下でご覧いただけます。

 


Special Interestは、12月8日のBowery BallroomでのNY公演を含む、この秋のツアーを予定しています。





Special Interest  『Endure』


 

Tracklist:

  

01) Cherry Blue Intention
02) (Herman’s) House
03) Foul
04) Midnight Legend
05) Love Scene
06) Kurdish Radio
07) My Displeasure
08) Impulse Control
09) Concerning Peace
10) Interlude
11) LA Blues

 

Photo: Simon Wellington


9月9日にセカンド・アルバム「Blending」を"Dais"からリリースするロンドンの気鋭のポストパンクバンド、High Visが新曲「Trauma Bonds」を公開しました。High Visはブリット・ポップの影響にありながら、1つのジャンルにとらわれない幅広いアプローチを図るバンドです。2019年にはファースト・アルバム『No Sense No Feeling』をリリースしてデビューしています。



「"Trauma Bonds"は、またしても友人の一人が立てこもり中に自殺するという悲劇的なニュースの後に書かれた曲だ」とバンドのフロントパーソンのGraham Sayleは説明している。

 

「僕らの仲間内では、若者の死が当たり前になってしまっていて、それに対して無感覚になってしまっていたことを反省せざるを得なかった。友情はトラウマの絆となり、このような状況の深刻さは、有害な対処療法によって抑圧されていたのです。この曲は、より良いコミュニケーションと集団的な共感を通じてお互いをサポートしようとする、これらの感情に対する希望に満ちた探求です」

 

 


High Vis 『Blending』

 


 

 

Tracklist


1. Talk For Hours
2. 0151
3. Out Cold
4. Blending
5. Trauma Bonds
6. Fever Dream
7. Morality Test
8. Join Hands
9. Shame

KEG


 9月2日にアルコポップ!レコード/BMGからリリースされるニューEP「Girders」に先駆けて、ブライトンのポストパンクバンド、KEGが最新シングル「NPC」を公開しました。


"音波の拷問を受け、身も心も忘れてしまった人の視点で書かれた”という奇妙なブラックユーモアを感じさせるこの曲について、バンドは声明を通じて次のように語っている。


「あらゆる種類の拷問は、多くの政府によって広く採用されている恐ろしい技術であり、70年代後半のトラブルの際、イギリス軍が音波を使用したことについて読んだ後にこれを書いたんだ」

 

 

 

 

KEG 「Girders」 EP



 

Label:   Alcopop!

Release: September 2th,2022


Tracklisting


1.5/4

2.Girders

3.Sing Again

4.Elephant

5.Kids

6.NPC

 

 

 

Sports Team

 

セカンド・アルバム『Gulp!』のリリースを来月に控えるロックバンド、スポーツ・チームは、英国内のメディアが大きく期待するバンドに挙げられます。

 

2016年、オックスフォード大学で結成されたSpot Teamは、Pavement、The Family Catを始めとする、1990年代のインディーロックからの影響を公言しており、Foalsに続いて、新世代のポストパンクバンドとして、今後世界的に大きな注目を浴びることは必至でしょう。

 

彼らは、昨日、9月23日の発売されるアルバム『Gulp』に収録される軽快なシングル「The Drop」を発表しました。 プレス・ステートメントによると、この曲は国内の社会問題について、暗喩的なアンチテーゼを込めたものであり、「労働文化の容赦ない本質を浮き彫りにしている」という。「これは、常に達成しようと努力し、その瞬間を心から楽しむことはなく、”引退のタイミングを待っているケイティが死んでしまう”ことを問うているんだ。今日、インターネットが”人間が快適に生活し、働ける月の穴”を見つけたと教えてくれたよ、なんとも素晴らしいじゃないか」


スポーツ・チームは、監督、映画制作者、建築家のA.T. Mannと協力して「The Drop」のビデオを制作し、イギリスのノーフォーク公爵の週末の別荘で2日間にわたって撮影を行われたそうです。


このミュージック・ビデオについて、撮影監督を務めたA.T.Mannは、次のように詩のメタファーを交えて説明しています。

 

「”The Drop "の音の旅に足を踏み入れた折り、私は、ある都会の光の網にかかった詩人を夢見た。すべての無意味な境界線を捨てさり、躍動する内的な魂が空に羽ばたこうとするのごとく、あるいは、地に落ちていくかのごとく、未知の世界へと一歩ずつ踏み出していく・・・。これは、Laurence Ferenghettiの 『Constantly Risking Absurdity』というビートニクの詩を思い出させるものとなるはずだ」



Luke Hallet

 UKの四人組ポストパンクバンド、LIFEが8月19日発売のニューアルバム『North East Coastal Town』収録のプレビューシングル「Duck Egg Blue」を公開。この曲はダブ風のサウンドアプローチが図られた渋さのある楽曲です。


「”Duck Egg Blue”は、リアリストのラブソングなんだ」と、バンドのフロントマンのMez Green(メッツ・グリーン)は説明する。「お互いの気持ちや感情をナビゲートしようとする旅、小さなフラットに閉じ込められた密室の緊張、日常生活の些細なこと。何が起こっても、すべてが終わった後、私たちはお互いを愛しており、お互いのために存在しているという包括的な感情だ」





Life  『North East Coastal Town』

 


 



Tracklisting:

 

 
1. Friends Without Names
2. Big Moon Lake
3. Incomplete
4. Almost Home
5. Duck Egg Blue
6. Shipping Forecast
7. Poison
8. Self Portrait
9. The Drug
10. Our Love Is Growing
11. All You Are


 


サウスロンドンのポストパンクバンド、Dry Cleaningが新曲「Anna Calls From the Arctic」を公開しました。この新曲は、次作『Stumpwork』からの先行シングルです。新曲のビデオは以下でご覧ください。


"この歌詞は、北極に住んで仕事をしている友人との電話からインスパイアされた部分がある "と、バンドは声明を通じて説明しています。

 

「この曲は、キーボード、ベース、クラリネットのジャムから発展したものだ。イギリスのブリストルでのジョン・パリッシュとジョー・ジョーンズとのレコーディング前のセッションでようやく形になり、1ヶ月後にロックフィールド・スタジオで最終的に完成させたもので、ジョン・バリーのドラマチックな音楽から強いインスピレーションを得ている。この曲は観察的で官能的なものなんだ」


Dry Cleaningの次作アルバム『Stumpwork』は10月21日に4ADからリリースされる予定です。


 

The Murder Capital  
 


 The Murder Capitalがニューシングル「Only Good Things」を発表しました。ザ・マーダー・キャピタルは、2015年に結成されたアイルランド/ダブリンを拠点とする5人組。ポストパンクの要素を取り入れたシャープなインディーロックを特徴とする今後の活躍に期待が持てるグループです。

 

The Murder Capitalは、2019年のデビューアルバム「When I Have Fears」が各メディアから高い評価を受け、18ヶ月に及ぶ大西洋横断のライブでは熱狂的な観客を集めました。その後、レコーディングスタジオに戻ったThe Murder Capitalのメンバーは、ニューシングル「Only Good Things」で帰ってきた。ハイドパークで、パール・ジャムのオープニングを務めたバンドは、この曲でそのライブのエネルギーを存分に発揮し、活気に満ちた演奏を披露している。


ザ・マーダー・キャピタルのフロントマン、James McGovern(ジェームス・マクガバン)はこの新曲について次のように語っている。

 

この曲は、バンドにとってエキサイティングな進化を遂げた曲なんだ。とても明るい。とてもカラフルだ。これはレコード全体の物語の一部で、内なる静けさ、内なる平和の本当の場所に到達していると感じるが、その核心はラブソングでもある。この曲の歌詞に登場する主人公は、相手の邪魔な考えや、肩にのしかかる悪魔を取り除き、本当に弱くなることを懇願するのではなく、ただ喜んで相手に求めているんだ。

 

私達は、このような、まだ見ぬ場所に行くことにとても興奮しています、なぜならそれは、私たちに期待されていないものだからです。このレコードは近くにいる友人たちのことについて書かれていて、人間関係のつながりを祝福し、人生や多くの季節を恐れない表現が際立っている。このアルバムの中で「Only Good Things」は、特に、音と歌詞の物語を介して私達が新しい喜びを発見した瞬間に根ざしている。