ベサニー・コセンティーノ(Bethany Cosentino)がソロ・デビュー・アルバムからの新曲を発表した。「Natural Disaster」は7月28日にConcord Recordsからリリースされる。ブッチ・ウォーカーのプロデュースのもと、ナッシュビルとロサンゼルスで書き下ろされたこのアルバムから「For A Moment」を公開した。
「For A Moment "のアイデアは、ある朝ナッシュヴィルへ作曲旅行に行った時に浮かんだの」とベサニーは説明する。「知人のパートナーの突然の死という悲劇的なニュースで目が覚めた後。ベッドに横たわりながら、あっという間にすべてがなくなってしまうこと、そして、ここにいる間に愛と弱さに寄り添うことがいかに大切かを考えていた。たとえそれが一瞬であったとしても。
数週間後、世界的なポップ・スーパースター、オリヴィア・ロドリゴ(Olivia
Rodrigo)が待望の2ndアルバム『Guts』をゲフィン・レコードからリリースする。前作でグラミー賞を獲得しており、PitchforkのBest
New Tracksを獲得するなど、今年最大の話題作となるのは間違いない。
2015年の『This Is What the Truth Feels Like』が最後のソロ・アルバムとなったステファニーは、先日カリフォルニア州レドンド・ビーチで開催されたビーチライフ・フェスティバルに出演した。彼女はまた、コーチのレバ・マッケンタイア、ナイア・ホーラン、ジョン・レジェンドとともに、シーズン24の『ザ・ヴォイス』に復帰することを発表した。
「Do Your Worst」は、レティシア・タムコのニューアルバム「Sorry I Haven't Called」(ノンサッチ・レコードより9月15日発売予定)の第3弾シングルとなっている。前作「Carpenter」、アルバムのオープニング曲「Can I Talk My Shit?」では、タムコがロスタム・バトマングリイとテオ・ハルム(SZA、ロザリア、FKA Twigs)と組んでプロデュースを担当した。
Vagabon-ヴァガボン(レティシア・タムコのプロジェクト)は、今週金曜日にノンサッチから3rdアルバム『Sorry I Haven't Called』をリリースする。ニューヨークの注目のシンガーです。アルバムの最終プレビュー「Lexicon」のミュージックビデオが公開された。ビデオを監督したのはキャスリーン・ダイカイコ。
『Sorry I Haven't Called』は、タムコの親友の死(2021年)にインスパイアされた。しかし、タムコはその悲しみをより高揚感のあるものに変えようとした。「このアルバムは、私が目指してきたもののように感じるわ。「このアルバムについて考えるとき、私は遊び心を思い浮かべる。完全に多幸感よ。物事が暗かったからこそ、このアルバムは生命力とエネルギーに満ちている。このアルバムは、当時私が体験していたことに対する反応であって、それを記録したものではないの」
「Lexicon」
『Sorry I Haven’t Called』は後日、アルバムレビューでご紹介しています。こちらからお読みください。
Vagabon 『Sorry I Haven’t Called』
Label: Nonesuch Records
Release: 2023/9/15
Tracklist:
1. Can I Talk My Shit?
2. Carpenter
3. You Know How
4. Lexicon
5. Passing Me By
6. Autobahn
7. Nothing To Lose
8. It’s a Crisis
9. Do Your Worst
10. Interlude
11. Made Out With Your Best Friend
12. Anti-Fuck
Vagabon 2023 Tour Dates:
Jul 12 – New York City – Hudson Yards
Jul22 – Chicago, IL – Pitchfork Music Festival
Oct 20 – Chicago, IL – Lincoln Hall
Oct 21 – Detroit, MI – El Club
Oct22 – Toronto, ON – Velvet Underground
Oct 26 – Boston, MA – Crystal Ballroom at Somerville Theatre
Oct 27 – Philadelphia, PA – Underground Arts
Oct 28 – Hamden, CT – Set Space Ballroom
Oct 29 – Washington, DC – The Atlantis Oct 31 – Barcelona, ES – Sala Apolo ^
Oct 2 – Lyon, FR – Le Transbordeur ^
Nov 3 – Milan, IT – Alcatraz ^
Nov 4 – Lausanne, CH – Les Docks ^
Nov 6 – Berlin, DE – Astra Kulturhaus ^
Nov 7 – Utrecht, NL – TivoliVredenburg – Grote Zaal ^
Nov 8 – Paris, FR – Pitchfork Music Festival Nov 9 – Antwerp, BE – De Roma ^
Nov 11 – Glasgow, UK – Old Fruitmarket ^
Nov 12 – Leeds, UK – O2 Academy ^
Nov 13 – London, UK – Pitchfork Music Festival
Nov 14 – Nottingham, UK – Rock City ^ Dec 6 – San Francisco, CA – The Independent
レイヴェイは、セカンドアルバム『Bewitched』のリリースを発表しました。本作は『Everything I Know About Love』に続く作品。デビューアルバム新作は9月8日に発売されます。さらに、本日、新作アルバムの2ndシングル「Promise」が公開されました。詳細は下記よりご覧下さい。
ファースト・シングル「From The Start」に続く「Promise」は、アデルの「Someone Like You」や、ザ・チックス「Not Ready to Make Nice」の共同制作を手がけ、グラミー賞にノミネートされた経験をもつ米国のソングライター、プロデューサー "Dan Wilson" とレイヴェイにより制作された。レイヴェイの深みのある歌声が最大限に生かされたナンバー。ロマンティックで大掛かりなサウンドと絶妙にマッチしたバラードは、涙を誘うような切ない情感に溢れている。
デビュー作『Everything I Know About Love』(2022年)では、ビルボードのオルタナティブ・ニューアーティスト・アルバム・チャート1位、ヒットシングル「Valentine」もSpotifyジャズチャート1位、さらに、Spotifyで最もストリーミングされたジャズ・アーティストとなり、全プラットフォームで4億2500万回再生を記録した。ポテンシャルを存分に発揮し、一気に世界中のリスナーの注目を集めたレイヴェイ。次作アルバムでも多数のファンを魅了しそうだ。
『Everything I Know About Love』は絶望的なロマンチストなアーティストの私生活の一面を表現していたが、続くセカンドアルバム『Bewitched』は、デビューアルバムの延長線上にテーマが置かれつつも、より深い側面が表されている。恋に恋している瞬間を捉えたことには変わりないものの、ミュージシャンがより成熟した人間としての展望を持つようになったことを表している。
このアルバムは、「Intro」、「Interlude」を始めとする楽曲で、実際に彼女の父親を思わせるヴォイスが文学のモノローグのように展開される。そこには、米国中西部のカンザス州の荒れた地帯で育ち、近所のいじめっ子や警察、地元当局との様々な交流を描いた「Scars」、「Circle Back Around」、18歳で結婚しベトナム戦争に入隊し、帰国すると妻には別の男がいたことを明らかにする「Heads Or Tails」、「Lonely Back In O」、ワシントンD.C.に移り住んでから、妻との結婚生活に悩まされ続けたこと。夜間のラジオDJとして副業をしていたが、1968年の人種暴動にうっかり巻き込まれてしまう時代を描いた「Blue Lights」等、彼女の父親の人生が複数の観点から緻密に描かれている。これらは例えば、ケンドリック・ラマーが昨年「Mr.Morale~』の中で自分と架空の人物をミックスして独創的な音楽のストーリーを組み上げた手法、あるいは、ラナ・デル・レイの最新作『Did You Know〜』に見られたストーリー風のポピュラーミュージックの手法に近い内容である。音楽の中に文学的な要素を取り入れること、これは最近のミュージック・シーンのトレンドとなっているのである。こと、Jayda Gの場合は、それは家族の歴史をたどりながら紡がれるルポルタージュを意味するのだ。
しかし、アルバムの最後に至ると、なんとなくアーティストが考えていることが少し理解でき、より身近に感じられる瞬間もあった。それは、ネオソウルの影響を加味した大人な雰囲気を持つ「Mean To Be」に至ると、そういった売れることへのプレッシャーがすっと消えて、また表面上の見栄や体裁が消えて、Jayda Gというシンガーの持つ本来の魅力が出てくるようになる。これらのネオソウルの影響を交えた楽曲は一聴の価値があり、時代に古びない普遍性が込められている。そして軽快なダンサンブルなナンバーである「Circle Back Around」を経た後、「When She Dance」は同じように、ソウル・ミュージックに依拠した一曲ではあるが、このあたりになると、少しだけ重苦しくかんじられたシンガーの父親の声が楽しげな印象に変化してくる。
Dirty Hit所属の注目のイギリスのシンガーソングライター、The Japanese House(ザ・ジャパニーズ・ハウス)は、ニューアルバム「In the End It Always Does」のエンディングトラック「One for sorrow, two for Joni Jones」を公開しました。サックスとヴァイオリンの演奏に合わせてアンバー・ベインがピアノの演奏をしながら弾き語りをするしとやかなポップスナンバー。
フランスのポップ・スター、Christine And The Queensは今週金曜日に3部構成のアルバム『PARANOÏA, ANGELS, TRUE LOVE』をリリースし、ロンドンで開催される「Meltdown Festival」のエディションをスタートさせる予定です。クリスティーンはメガ・プロデューサーのマイク・ディーンと『PARANOÏA, ANGELS, TRUE LOVE』を録音し、マドンナも出演しています。
次いで、クリスティーンはアルバムから最終プレビュー「A Day in the Water」を公開しました。プレスリリースを通じて、「この曲は、世界がもう自分に触れられないと感じたとき、水の中に深く入っていく感覚について歌っている。自分のメランコリアというガラスの向こう側で、でもその深く潜った弱さの中に、うまくいけば光がやってくる。正直さという光だ」と説明しています。
この曲のスタジオバージョンと、Vevoのライブセッションを公開しています。どちらも下記よりご覧ください。ニューアルバム『PARANOÏA, ANGELS, TRUE LOVE』は、Because Musicより6月9日に発売されます。「True Love」、「To Be Honest」、「Tears Can Be So Soft」が先行シングルとして公開されています。発売日を前にチェックしてみて下さい。
バーンのささやくようなウィスパー・ヴォイスと、それと対極にあるダイナミックな高音の伸びやかなビブラートのコントラストは一聴の価値あり。バックトラックのオーケストラ・ストリングスのハーモニーは、バーンの繊細な歌声の情感を引き立て、この曲のテーマである海岸の広々とした風景を目に浮かばせるような換気力に満ちている。聴いていて、うっとりするような美しいバラード・ソングです。途中、カモメの鳴き声が入っているのにも注目です。今週のWeekly Hot New Singleとして皆様にご紹介します。下記よりリリックビデオをご覧ください。
この曲はブライアン・イーノとの共同プロデュースで、バースのReal World Studios、ロンドンのBeehiveとBritish Grove、南アフリカ・ヨハネスブルグのHigh Seas Studiosで録音されました。ソウェト・ゴスペル・クワイア、ジョン・メトカーフのストリングス・アレンジ、ガブリエルのツアー・バンドのメンバーであるベーシストのトニー・レヴィン、ギタリストのデヴィッド・ローズ、ドラマーのマヌ・カッチェをフィーチャー。Road to Joy [Bright-Side Mix]」は下記よりご視聴ください。
アルバムのオープニングを飾る「I'm Not Giving Up Tonight」を通じてわかることがある。今作において、ノエル・ギャラガーはスタンダードなフォーク・ミュージックとカントリーの要素を交えつつも、ポピュラー・ミュージックの形にこだわっている。微細なギターのピッキングの手法やニュアンスの変化に到るまで、お手本のような演奏が展開されている。言い換えれば、音楽に対する深い理解を交えた作曲はもちろん、アコースティック/エレクトリックギターのこと細かな技法に至るまで徹底して研ぎ澄まされていることもわかる。どれほどの凄まじい練習量や試行錯誤がこのプロダクションの背後にあったのか、それは想像を絶するほどである。このアルバムは原型となるアイディアをその原型がなくなるまで徹底してストイックに磨き上げていった成果でもある。そのストイックぶりはプロのミュージシャンの最高峰に位置している。
#2「Pretty Boy」もこのアーティストらしい哀愁と悲哀を交えたお馴染みのトラックであるが、旧来のオアシス時代のファンに媚びようとしているわけでもなく、もちろん楽曲自体も時代に遅れをとってはいるわけでもない。最新鋭のエレクトロやダンスミュージックの影響を交えながら、やはりノエル・ギャラガーは自分なりのアーティストとしての美学を貫き通すのだ。そして必ずといっていいほど、メロに対比する楽曲のピークとなるサビを設けている。これはアーティスト自身が言うように、かつてジョン・ピールがホスト役を務めたBBCのTop Of The Popsの時代の「夢のある音楽」を再び現代の世界のミュージックシーンに復刻したいという切なる思いがあるからこそ、こういったスタンダードな作曲スタイルを取り入れているのかもしれない。
#3「Dead To World」はタイトルこそドキッとするが、繊細な情感を少しも失うことなく、良質なフォークミュージックの見本を示している。繊細なストロークから織りなされるアコースティック・ギターの巧みな演奏は、時代を忘れさせるとともに、音楽そのものに没入させる力を持っている。そしてそのギターの上に乗せられるギャラガーの歌声はやさしく、慈しみがあり、さらに情感たっぷり。もちろん、トラックの上に重ねられるオーケストラのストリングスの重厚なハーモニーは、彼のボーカルの抑揚が強まるとともに、そのドラマティック性を連動するように引き出している。高揚したテンションと落ち着いたテンションを絶えず行き来するノエル・ギャラガーの老練とも称するべき巧みなボーカルは、潤沢な音楽経験と深い知識に裏打ちされたもので、そしてそれは一つの方法論であるのとどまらず、ポピュラーミュージックとして多くの音楽ファンの心を魅了する力をそなえている。音楽のパワーをノエル・ギャラガーは誰よりも信じている。実際、それは本当の意味で人の心を変える偉大な力を持っているのだ。
オアシスの名前は出さない予定であったが、続くアルバムの最終の先行シングルとして公開された#4「Open The Door,See What You Find」では明らかにオアシスに象徴される90年代のブリット・ポップの音楽の核心に迫ろうとしている。この時代、宣伝文句ばかりが先行し、ブリット・ポップという言葉が独り歩きしていた印象を後追いの世代としては覚えるのだが、しかし、その本質をあらためて考えなおしみると、ポスト・ビートルズということが言えると思う。そしてこの曲を聴いて分かる通り、90年代のリアルタイムに多くのリスナーがインスパイラル・カーペッツ(ノエル・ギャラガーはデビュー前にバンドのローディーをしていたと思う)やハッピー・マンデーズやザ・ストーン・ローゼズの後の時代の奇妙な熱に浮かされていたために、聴きこぼしていたもの、その本質を曲解していたものをあらためてノエル・ギャラガーは2020年代に抽出し、その本質を真摯に捉えようとしている。ノエル・ギャラガーは、オーケストラのベルやストリングスを効果的に用い、ビートルズの時代のチェンバーポップやバロックポップへの傾倒をみせながら、晴れやかなポピュラー・ミュージックをこのトラックで示そうとしている。アルバムタイトルには混乱した次の時代への道標ともなるべき伝言が込められているが、それは聞き手に対し一定の考えを押し付け、その考えに縛りつけつおこうとするのではなく、最後はその目で見届けなさい、というメッセージが込められているのである。
さらにノエル・ギャラガーは表向きの音楽の軽薄さにとどまることなく奥深い感情表現の領域へと足を踏み入れていく。つづく「Easy Now」は、このアルバムの収録曲の中で最もビートルズの影響下にあり、イントロダクションでは、マッカートニー/レノンの音楽性の最も見過ごし難い部分である瞑想性を再現させようとしている。苦悩や憂いといった感覚が先立つようにして、うねるような感覚が内面にうずまき、それが外交的とも内省的とつかない、すれすれの部分でせめぎ合いながら、後の展開へと引き継がれる。これまでアーティストが書いてきた曲の中で最も感情的なこのトラックは、近年それほど感情をあらわにしてこなかった印象のあるフライング・バーズのイメージを完全に払拭するものとなっているが、しかしながら、サビに至るや否や、アーティストらしさが出て来て、「Standing On The Shoulders Of Giants」の「Sunday Morning Call」のようなアンセミックなフレーズに繋がっていく。その後には哀愁に充ちたこれまでとは一風変わった展開へと続いている。これはアーティストが自身のソングライティングの癖を捉えつつ、旧来のイメージから脱却しようと試みた瞬間であるとも解釈出来るかもしれない。
続く、#8「There She Blows!」は90年代のUKポップのファンをニヤリとさせる曲で、明らかにThe La'sの傑作「There Shes Goes」に因んでいる。(以前、アーティストは、オアシスとして日本で公演を行った時、ちょうど偶然、同時期に来日していたThe La'sの公演を仲良く兄弟で見ていたと記憶している)無類のUKポップスファンとしての矜持と遊び心が感じられるナンバーである。また、旧来のオアシスファン心を安堵させるものがあるとおもう。ノエル・ギャラガーはリー・メイヴァースに対するリスペクトを示した上で、渋さのあるメイヴァーズのリバプール・サウンドをこの時代に復刻させようと試みている。ミュージシャンとしてではなく、音楽ファンとしての親しみやすいノエル・ギャラガーの姿をこのトラックに垣間見ることが出来るはずだ。
以上のように、ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライングバーズは、近年の作風の中で最も多彩味あふれるアプローチを展開させていくが、アーティストのロックンロールに対する一方ならぬ愛着もこの曲に感じとられる。「Love Is a Rich Man」ではスタンダードなロックの核心に迫り、Sladeの「Com On The Feel The Noise」(以前、オアシスとしてもカバーしている)グリッターロックの要素を交え、ポピュラー音楽の理想的な形を示そうとしている。ロックはテクニックを必要とせず、純粋に叫びさえすれば良いということは、スレイドの名曲を見ると分かるが、ノエル・ギャラガーはロックの本質をあらためて示そうとしているのかもしれない。
「Think Of A Number」では渋みのある硬派なアーティストとしての矜持を示した上で、アルバムのクライマックスを飾る「We're Gonna Get There In The End」は、ホーンセクションを交えた陽気で晴れやかでダイナミックな曲調で締めくくられる。そこには新しい音楽の形式を示しながら、アーティストが登場したブリット・ポップの時代に対する憧れも感じ取ることも出来る。
「リリックの前提は、人生のある時点で鏡を見ると、今までの自分とこれからの自分の全てがよく見えるというものなのです」ギャラガーは声明の中で「Open the Door, See What You Find」について語っています。「この曲は満足することを歌っている。人生において自分がいる場所、自分が誰であるか、そして、自分がどこへ行こうとしているのかに満足することだよ。人生はいいものなんだ!」