オーストラリアのロックバンドーーGirl And Girlが、デビューアルバム『Call A Doctor』から最新シングル「Oh Boy!」を配信した。「Hello」、「Mother」に続くシングルで、サーフミュージックを絡めたオルタナティブロックが展開。彼らの生み出すハーモニーにはロックのノスタルジックな魅力がある。テイラ・ローレン監督によるミュージックビデオは以下よりご覧下さい。
レコードは、頭の中に閉じこもりすぎたため、外に出ようとしている個人について描いている」とジェームズは『Call A Doctor』の全体像、クリエイターのスナップショットについて語る。
しかし、このアルバムが私たちの内面にある不安なトピックを扱っているのだとしても、Girl and Girlの音楽がいかに生命力に溢れているかを強調しすぎることはない。この作品には図太く大胆なユーモアのセンス、暗闇の中に紛れもない明るさがあり、リスナーとして惹き込まれないわけにはいかないだろう。落ち込んだ気分、実はそれはさして悪くないものだったのかも知れない。
「Oh Boy!」
ニューヨークを拠点に活動するギタリスト/ロックシンガー、Margaret Glaspy(マーガレット・グラスピー)は、明日(4月26日)にEP『The Sun Doesn't Think』をリリースする。昨年の『エコー・ザ・ダイアモンド』に続くこの作品集は、トラック「24/7′」がリードしている。
DIIVのニューアルバム『Frog in Boiling Water』は、”茹でガエル”というメタファーがやや自虐的に機能する。しかし、彼らはそれを個人だけではなく、全体的なニュアンスと捉えているらしい。終末の世界をどのように生きるべきなのか。生きるというより、サヴァイヴァルに近い。答えは見つからないが、それぞれが自力で探していくべきなのか。
彼らのサウンドにはモダンなオルトロックの文脈から、Queenのようなシアトリカルなサウンド、そしてシューゲイズを思わせる抽象的なギターサウンドと多角的なテクスチャーが作り上げられる。しかし、いかなる素晴らしい容れ物があろうとも、そこに注ぎ込む水が良質なものでなければ、まったく意味がないということになる。その点、ピロー・クイーンズの二人のボーカリストは、バンドサウンドに力強さと華やかさという長所をもたらす。そして、今回、コリン・パストーレのプロデュースによって、『Leave The Light On』よりも高水準のサウンドが構築されたと解釈出来る。そして、もうひとつ注目すべきなのは、バンドの録音の再構成がフィーチャーされ、それらがカットアップ・コラージュのように散りばめられていることだろう。
本作の序盤では外側に向かって強固なエナジーが放たれるが、他方、「Blew Up The World」では内省的なインディーロックサウンドが展開される。しかし、クイーンズは、それをニッチなサウンドにとどめておかない。それらの土台にボーカルやシンセテクスチャーが追加されると、面白いようにトラックの印象が様変わりし、フローレンス・ウェルチが書くようなダイナミックなポピュラー・ソングに変遷を辿る。これらの一曲の中で、雰囲気が徐々に変化していく点は、バンドの作曲の力量、及び、演奏力の成長と捉えることが出来る。反面、それらの曲の展開の中で、作り込みすぎたがゆえに、”鈍重な音の運び”になってしまっているという難点も挙げられる。これは、レコーディングでバンドが今後乗り越えなければならない課題となろう。
しかし、そんな中で、 ピロークイーンズが親しみやすいインディーロックソングを書いている点は注目に値する。「Friend Of Mine」は、boygeniusのインディーロックソングの延長線上にあるサウンドを展開させるが、ボーカリストとしての個性味が曲の印象を様変わりさせている。こぶしのきいたソウルフルなサングについては、従来のピロー・クイーンズにはなかった要素で、これが今後どのように変わっていくのかが楽しみだ。そのなかで、80年代のポピュラー・ソングに依拠したロックサウンドが中盤に立ち現れ、わずかなノスタルジアをもたらす。
ただ、新鮮なサウンドが提示されているからとはいえ、前作『Leave The Light On』の頃のバンドのシアトリカルなインディーロックソングが完全に鳴りを潜めたわけではない。例えば、旧来のピロー・クイーンズのファンは「Heavy Pour」を聴いた時、ひそかな優越感や達成感すら覚えるかもしれない。クイーンズを応援していたことへの喜びは、この曲の徐々に感情の抑揚を引き上げていくような、深みのあるヴィネットを聴いた瞬間、おそらく最高潮に達するものと思われる。これは間違いなく、新しいアイルランドのロックのスタンダードが生み出された瞬間だ。
アルバムの終盤は、セント・ヴィンセントや、フローレンス・ウェルチのようなダイナミックな質感を持つシンセポップソングをバンドアンサンブルの形式で探求する。「Notes On Worth」では、ネオソウルとオルタナティヴロックの融合という、本作の音楽性の核心が示されている。アイルランドのロックシーンで注目すべきは、Fountains D.C、The Murder Capitalだけにとどまらない。Pillow Queensがその一角に名乗りを挙げつつあるということを忘れてはならないだろう。
1日がかりのセッションの間、彼らは長いレコーディングを曲に分解し、パーツを組み立て直すという、一種のフランケンシュタインのような作業を行っていた。そして、この怪物性-心の痛み、喪失と痛みの肉体性-は、特にアルバムのサウンドにおいて理にかなっている。パメラ曰く、「最初は静かに始めて、後からラウドさが出てきた」そうで、より内省的な雰囲気を持つ「Blew Up the World」や「Notes on Worth」、荒々しいギターの「Gone」や「One Night」などに顕著に表れている。
新たな実験、心に響く歌詞、静寂とラウドを行き来するサウンドが組み合わさった結果、一種のカタルシスがもたられる。破片の中から希望のかけらを探し出す。これまでバンドは、新曲をライブで試聴し、観客に聴かせ、観客の反応を見て作り直してきた。今回は、すでに曲が完全に出来上がっていると感じられるため、そのようなことはしていない。アイルランドのバンドはまた、曲が「ピロークイーンズの曲」に聴こえるかどうかを疑うプロセスを学び直さなければならなかった。前2作とのリンクは確かにあるが、『Name Your Sorrow』は別の方向への勝利の一歩のように感じられる。
イギリスのノイズ・ロックの先駆者である”The Telescopes”は、Fuzz Club Recordsから2曲収録のニューシングル「Strange Waves」をリリースした。ソニック・ユースのプロトパンクを彷彿とさせる音源だ。主要なストリーミングでは一曲が配信、Bandcamp限定で2曲が配信されている。
ギタリスト/ボーカリストのスティーブン・ロウリーという比類なき原動力を中心に、ザ・テレスコープスは1988年に最初のリリース(ループとのスプリット・フレキシー盤「Forever Close Your Eyes」)を出して以来、たえず進化を続けている。
ローリーのアイデアを補完するミュージシャンの顔ぶれは常に変化し続けており、ザ・テレスコープスは立ち止まる暇も休む暇もない。バンドは今年2月に同レーベルからフルレングス『The Growing Eyes Become Strings』をリリースし、センセーショナルなインパクトを与えている。
ニューヨークのオルトロックの新星、Been Steller(ビーン・ステラ)は、デビューアルバム『Scream From New York, NY』からニューシングル「Sweet」をリリースした。このシングルは、先行カット「Passing Judgment」と「All in One」に続く。以下よりチェックしてみてください。
「”How Will I Live Without A Body?"は、ローリー・アンダーソンに触発され、彼女の作品のトレーニングを受けたAIと仕事をするチャンスを与えられた。マイバーグが2枚の写真を送ると、アンダーソンのAIが2つの詩を返信してきた。私たちはこれらの詩の断片を『How It Starts』と『Affinity』に使用しました」と彼は説明した。
バンドはまた、"I want more, but I'm not man enough. "というセリフでジェンダーや一般的な誤解に触れている。ヴォーカル、ギタリスト、ベーシストのサラ・コーコランは、このセリフに関する話が、ジェンダー、特に男らしさと勇敢さを同一視する傾向についての会話を呼び起こしたと述べている。
オブ・モントリオールは、ニューアルバム『Lady on the Cusp』からニューシングル「Rude Girl on Rotation」をリリースした。このシングルは、リード曲「Yung Hearts Bleed Free」に続く。以下よりチェック。
「Rude Girl On Rotation」は、ジョージア州アテネからバーモントの新居への引っ越しを間近に控えていることからインスピレーションを得た曲だ。「ギターは、ニック・ドレイクが彼のジャマーでよく使っていたオープン・チューニングを使ったんだ。ベースラインは、キャンド・ヒートの'Poor Moon'に影響された60年代後期のウェストコースト・ロッカースタイルだ。この曲はルーズでアンダー・プロデュースなサウンドにしたかった。アルバムの全曲の中で、レコーディングに一番時間がかからなかった。気に入ってもらえるといいな。
2022年の『Freewave Lucifer f<ck f^ck f>ck』に続く『Lady on the Cusp』は、ポリビニル・レコードから5月17日にリリースされる。
「最初は「Driving on the motorway」しか歌詞がなくて、繰り返し歌ってみんなを困らせていた。それがとてもキャッチーなリフになり、この曲のオープニング・ラインとして、そしてもちろんメイン・テーマとして定着した。車の後部座席に座っている子供のような、どこに向かっているのかわからないけれど満足感を感じているような、あるいは新しい街で過ごすつかの間の瞬間のような、目的地よりもむしろ旅が主な要素のように感じられることがあるような、そんな気持ちを思い起こさせた」
「一緒に作曲しているうちに、自然とエレクトロニックなサウンドに惹かれるようになり、それがこの曲のポップなスタイルに合っていた。バンドとして、私たちは90年代のポップ・ミュージックへの愛を共有しており、Kid Cudiの'Pursuit of Happiness'や'Day n Ni'のようなトラックを参考にしている」