カナダのミュージックビデオの優れた写真芸術性を表彰する「Prism Prize」は、20本の候補作を最終的に10本まで絞りました。


今年のファイナリストは、Tanya Tagaq(2回ノミネート)、Snotty Nose Rez Kids、Amanda Sum、Dan Mangan、MorMor、Jessie Reyez、Jean-Michel Blais、BAMBII、PUPです。以下、全リストをご覧ください。


授賞式は7月6日にトロントで行われ、大賞受賞者には20,000ドルが贈られます。また、トップ10のファイナリスト(監督とプロデューサー)には、テレフィルムカナダの提供により、カナダ映画・テレビアカデミーの無料会員権が与えられ、スティングレイの支援によるファン投票による観客賞にも登録され、その受賞者には5,000ドルが贈られます。一般の方は、6月15日まで、ここでビデオを閲覧し、投票することができます。


また、Prism Prizeは毎年、音楽業界への功績や貢献を称える特別賞(Hi-Fidelity賞、Lipsett賞、特別功労賞、Willie Dunn賞)を授与しています。これらの賞は、授賞式に先立ち発表される予定です。


プリズム賞の創設者であるルイス・カラブロは以下のように述べています。「プリズム賞の創設以来、カナダのミュージックビデオは、芸術表現の境界を常に押し広げ、わが国の音楽シーンにおける膨大な才能と多様性を紹介する重要な手段となっています。その創造性と革新性によって、トップ10のビデオは単に面白いだけでなく、他の新進アーティストがミュージック・ビデオ制作の無限の可能性に挑戦するためのインスピレーションとなるのです」


The 2023 Prism Prize Top 10のファイナリストは以下の通りです。


Tanya Tagaq - "Colonizer" (Directors: Leah Fay Goldstein & Peter Dreimanis)

Snotty Nose Rez Kids - "Damn Right" (Director: Sterling Larose)

Amanda Sum - "Different Than Before" (Director: Mayumi Yoshida)

Dan Mangan - "Fire Escape" (Director: Lester Lyons-Hookham) 

MorMor - "Here It Goes Again" (Director: Adrian Villagomez) 

Jessie Reyez - "Mutual Friend" (Director: Peter Huang)

Jean-Michel Blais - "Passepied" (Director: Adrian Villagomez) 

BAMBII - "Ride with Me" (Directors: Kit Weyman & BAMBII) 

Tanya Tagaq - "Teeth Agape" (Director: David Seitz) 

PUP - "Totally Fine" (Director: Jeremy Schaulin-Rioux)

slowthai

UKのラッパーslowthaiが、5月16日(火)、2021年9月にオックスフォードで起きたとされる2件のレイプ容疑で起訴されたとThe Guardianが報じている。


sloawthaiことTyron Framptonは、ビデオを通じてオックスフォードシャー州判事の法廷に遠隔で出廷し起訴された。Framptonは、本名、生年月日、ノーザンプトンの住所を確認のみ行った。


アダム・ヤール・カーン検事は、強姦罪は起訴可能な犯罪であり、法廷で審理される必要があると判事に語りました。slowthaiは一時保釈を認められ、6月16日、オックスフォード王冠裁判所に出廷する予定です。


この告訴が公になった直後、slowthaiはソーシャルメディアで声明を共有しました。「私について報道されている疑惑について」と彼は書いている。


「私は無実であり、私の汚名が晴れることを確信しています。それまでは、迅速かつ公正な結論が出るよう、私のエネルギーを注いでいきます。私のサポーターは、この状況についてコメントせず、この間の私の家族の過程とプライバシーを尊重してください」


2020年、slowthaiはNME Awardsの司会者Katherine Ryanに対してステージ上で性的な発言をした。slowthaiはその後、彼を "ミソジニスト "と呼んだとされる観客との口論に巻き込まれたという。


slowthaiの最新アルバム『UGLY』は3月にリリースされた。彼は最近、コーチェラの最初の週末のステージでGorillazと一緒に、2020年のコラボ曲 "Momentary Bliss "を披露している。今のところ、ロンドンのウェンブリー・スタジアムで8年ぶりに行われるバンドのヘッドライナー公演で、Blurのオープニングを務める予定だが、今回の起訴により、今後の出演状況が不透明になっている。


また、NMEが指摘しているように、グラストンベリーやレディング&リーズなど、イギリスの主要なフェスティバルの多くが、ポスターからSlowthaiの名をはずしたことが判明している。更にマンチェスターのパークライフ・フェスティバルからも、このラッパーは除外された。全てのフェスティバルの主催側もラインナップの変更に関して公式な声明は出していないとのことです。





今年初め、トロントのパンクバンド、Fucked Upは、全曲を24時間の間に書き上げたニューアルバム『One Day』をリリースしましたが、バンドは続いてサプライズリリースとなるEP『Cops』を発表した。


今週末、Fucked UpはHere's The Unityツアーに出発します。このツアーは、A Tribe Called Redとして知られていたオタワのダンスデュオ、Halluci Nationと共に共同ヘッドライナーを務めている。


Fucked Upのボーカリスト、Damian Abraham(ダミアン・アブラハム)は、Halluci Nationの片割れであるEhren "Bear Witness" Thomasと親交があり、長い間一緒に何かをしようと話し合っていたそうです。Here's The Unityのツアーでは、Halluci Nationと同じく、カナダ先住民のダンスアーティストであるCreeasianと、AbrahamとThomasが共通の情熱を持つプロレスのライブも行われます。 


 ツアーを目前にして、Fucked UpとHalluci Nationは新曲を録音するために集った。その第一弾が、メキシコのパンクバンド、Dangerous Rhythmが1980年にリリースした「Electroshock」のカヴァーである。


2つのグループは、このコラボにより「Electroshock」を90年代後半のビッグビートを思わせるエネルギッシュでご機嫌なダンスロックに仕上げています。ジョージア・ストレートのニュースレターによると、エイブラハムは「ファックド・アップのレコードにこれほど興奮したのは初めてだ」と語っています。「今までとは違うサウンドで、あらゆるレベルで僕らがやってきたことなんだ」


©hoylze


京都出身のMC、Daichi Yamamoto(ダイチ・ヤマモト)がニューシングル「Athens」をリリースしました。同時にヤマモトは、マサト・フクダと共同で独自レーベル、Andlessを立ちあげたことも発表しています。

 

ニューシングル「Atens」のコンポーザーはJJJが担当している。これまでと同様に、英語と日本語をセンスよく融合させ、アテネへの旅に言及し、ドリルラップを通じて、独自の表現方法を追求しています。


19歳からラップやレコーディングを始め、フランク・オーシャンを敬愛してやまないというヤマモト。遅咲きではありながらリリックの言葉選びのセンスとフロウの情感の豊かさは日本のラップシーンでも傑出しています。 

 

 

 

Daichi Yamamoto

 

京都生まれのMC。日本人の父とジャマイカ人の母を持つ。2012年からロンドン芸術大学にてインタラクティブ・アートを学び、2017年10月イギリスから帰国し、Jazzy Sportに所属。

 

続く2018年には、STUTSやAi Kuwabaraらの作品へ の客演参加、MONJUから仙人掌 / PSGからGAPPERを招いたリード曲 [ All Day ]のRemixを収録したAaron ChoulaiとのジョイントEP" Window “を発表。 

 

2019年3月に発表したデジタル・シングル [ 上海バンド ] が、Apple Music「 今週のNEW ARTIST」にも選出され、Kanye WestやPharrell Williams、Jay-Z らとの作品でも知られる米国のMC・Lupe FiascoがそのMVをSNS上で取り上げるなど、国内外からも注目を集める存在となった。

 

2019年9月1st アルバム 『Andless』をリリース。12月には渋谷WWW / 京都 Metroでのリリースライブをお行い、バンドセットでのライブも披露。 そして2020年1月には、音楽ストリーミングサービスSpotifyが選ぶ、今年飛 躍が期待される注目の新進気鋭・国内アーティスト10組「Early Noise 2020」 として選出された。

 

ASIAN KUNG-FU GENERATION の後藤正文氏が主催する「Apple Vinegar Music Award 2020」では '' Andless '' が特別賞を受賞。さらに、NBAの八村塁選手出演の大正製薬「リポビタンD」TVCM や、Netflixキャンペーンへの参加が話題になるなど、今年大注目のアーティス トと言える。

  Eluvium 『(Whirring Marvels In)Consensus Reality』

 

 

Label: Temporary Residence Ltd.

Release: 2023/5/12


 

Review


米国オレゴン州ポートランドの電子音楽家/現代音楽家、Eluvium(マシュー・ロバート・クーパー)は、2020年と翌年のロックダウン中に、アメリカ・コンテンポラリー・ミュージック・アンサンブル、ゴールデン・レトリバー、ブダペスト・スコアリング・オーケストラのメンバーを集め、リモート会議を通じて、このアルバムのために各楽団のオーケストラを録音した。

 

『Consensus Reality』の制作中、マシュー・ロバート・クーパーは肩と腕の痛みに悩まされ、左腕の運動に支障をきたしていたという。そのため、何年もかけて書き留めておいた思考、詩、考察、陰謀、科学的な観念、自己存在の哲学的な思考といった事柄が記されたノートから、アルゴリズムにより、それらの内容を抽出し、電子的なオートメーションや旧来のソングライティングを駆使し、電子音楽とオーケストラレーションを合致させた作風にチャレンジしたというのである。

 

この数年、マシュー・クーパーは、アンビエントの連作『Virgla』の立て続けに二作発表しており、三作目が来るものと考えていたが、予想に反して本作は新規のオリジナル音源であり、連作のアンビエントとは明らかに作風が異なる。これまでシンセサイザーを基調としたエレクトロニカ、オーケストラ音楽に根ざしたピアノ音楽、果てはドローンまで多角的にエレクトロを追求してきた音楽家は、むしろ都市の閉鎖という現実性に抵抗を示すかのように、人や演奏家とのコミュニティに重点を置き、時代の要請する奇妙な虚偽に争ってみせる。オーケストラストリングスの芳醇な響きを持つ「Escapement」を筆頭にして、音楽家が当時、どのような状況に置かれていたのか、そしてその暗澹たる状況に対する反駁のような考えが示されている。神秘的な鐘の音を交えたイントロから続くストリングスのハーモニーは聞き手を現実性から遠ざけ、それと正反対に創造性豊かな領域へと導き入れる。終盤にかけてベルを取り入れているのを見ると、現実性を追求した作品というよりも、理想主義的な側面を取り入れたアルバムと推察することが出来る。実際に、そのベルの音色は、高らかな天上の啓示とも解釈できるわけである。


それからアルバムは、二曲目の「Swift Automations」を通じてオーケストラの音源を駆使した反復的な弦楽の格調高いパッセージを交え、爽やかな雰囲気へと導かれていく。マシュー・クーパーは弦楽器のサンプルをオートメーション化し、それを電子音楽の反復的な要素として導入している。そしてこのストリングスのパッセージに加え、ピアノのフレーズを組み込み、それらを構造的な音楽として解釈しようとしている。曲は、ヴァイオリンの繊細なトレモロにより、高揚感のある雰囲気へと引き継がれていくが、しかし、それは一貫して清涼感に富んでいる。


続く3曲目のタイトル曲では、いわゆるフルオケのような形で、電子音楽とオーケストラレーションを融合させている。マシュー・クーパーは、指揮台の上でタクトを振るうコンダクターのさながらに、それらのノートを一つずつ吟味し、慎重に配置している。曲の中盤では、グロッケンシュピールの音色を交えつつ、ダイナミックな起伏を作り、低音部を強調するチェロを始めとする弦楽器の厚みがその神秘性を支え、アルヴォ・ペルトの「Fratress」に代表される弦楽器の短いパッセージの反復の技法を駆使することで、中盤から終盤部にかけて、タイトル曲は宇宙的な壮大さ、及び、それにまつわるロマンチズムを表した曲調へと変化をたどるのである。

 

アルバムの中盤部では、木管楽器(オーボエ)のレガートのたおやかな演奏ではじまり、まさにその後の展開の呼び水のような役割を果たしている。その後、和音を重んじて挿入される弦楽器の複数の調和は聞き手を陶然とした境地に誘い、低/中音域を強調した重厚な和音が物語性を引き出し、音楽家の哲学的な思考を鮮明にする。微細なパッセージの強弱の変化、及び、繊細な抑揚の変化は、およそリモートを通じて録音されたとは思えず、実際のコンサートホールで聴くようなリアリティとエモーションを兼ね備えており、深い情感を聞き手に授けてくれるはずだ。


さらに続く、「Phantasia Telephonics」では電子音楽のミニマル・ミュージックに方向性を転じる。サウンドトラックとしても聴くことが可能であるこのトラックは、アルバム全体の連結部のような効果を及ぼしている。


中盤からは、ドローンやノイズの要素を強烈に押し出すが、対象的にクライマックスではアルバムの冒頭部のように、クラシカルへと転じていき、モーリス・ラヴェルの色彩的な管弦楽法のように精妙な弦楽器のフレーズを短くつなげている。曲の終盤部の木管楽器と弦楽器のダイナミックなオーケストラレーションは、イタリアの作曲家、オットリーノ・レスピーギの『ローマの松」に比するファンタジックな領域に踏み入れる。電子音楽とオーケストラによる交響詩のような緻密な構造性が、この音楽家の豊かな創造性を通じて繰り広げられていくのである。


それに続く「The Violet Light」は、ミニマルの構造性を持つ一曲であるが、ピアノと木管楽器の音響性をうまく踏まえて、それを作曲家の得意とする抽象的な音楽形式に落とし込んでいる。ピアノと木管楽器の合奏のような形式を取るが、少なくとも、持続音の後に訪れる減退音をディレイやリバーブの加工をほどこして、楽器の持つ音響の可能性を拡張するようなトラックである。特に音が響いている瞬間ではなく、音が消えた後の瞬間に重点が置かれるという点にも着目したい。


続く「Void Manifest」は、アルバムで唯一ボーカルのサンプリングを交え、オーケストラレーションと融合させている。しかし、そのボーカルのサンプリングは飽くまで器楽的な音響性を重視しているので、聞き入らせる力を持つ。中盤からは電子音楽のオペラの形に転ずるが、その後、アンビエントやドローン、ノイズというマシュー・クーパーの旧来のキャリアの中で蓄積してきた技量を遺憾なく発揮することによって、前衛的な音楽が終盤部において完成するのである。

 

ここまでのストリングスとエレクトロの融合性を重視した楽曲群が第二部であると解釈すると、以後の第三部の収録曲は、旧来よりマシュー・クーパーが得意としてきた静謐なピアノ曲の印象が際立っている。「Clockwork Fables」は、モダンクラシカル/ポスト・クラシカルの主流の曲であり、Goldmund(キース・ケニフ)が書いたとしても、それほど不思議ではない。ピアノのフレーズは一貫してシンプルであり、とても落ち着いているが、シューベルトをはじめとするオーストリアのロマン派の作曲家の書いたささやかな小品に近い淡い叙情性を漂わせている。


それ以前の収録曲と同様、オーケストラと電子音楽の融合を図った「Mass Lossless Interbeing」を挟み、「A Floating World of Dreams」では、ピアノとシンセを基調とするポスト・クラシカルに舞い戻り、このアルバムな安らかな境地へと導かれる。クローズトラック「Endless Flower」でも、シンプルなピアノの楽節の構成を通じ、平らかではあるが劇的な音楽性を完成させている。


今回のアルバムを通じて、アーティストは様々な概念や領域を経巡るが、最後にはストリングスのトレモロの効果により、晴れやかな地点へと落着し、クライマックスは、クラシックの交響詩に匹敵する晴れやかなワンシーンが用意されている。最後の曲を聞くかぎりでは、オーケストラ作品としてはかなり仰々しさがあるにしても、マシュー・クーパーが作り出そうと試みる音楽性には好感が持てるし、この音楽が以後どのように完成するのか大いに期待させるものがある。

 

 

78/100

 




5月16日(火)、Apple Musicは、ユーザーを世界各地のライブに案内することを目的とする新しいライブ音楽発見ツールの導入を発表しました。この二つのツールは、ライブ情報及び都市ガイドをアプリケーションに掲載することで、ユーザビリティの向上を図る目的で導入されました。より詳しい情報につきましては、Apple Musicのニュースルームのページをご参照下さい。

 

最初のツール、Apple Music GuideはApple Maps上にあり、シカゴ、デトロイト、ロサンゼルス、ナッシュビル、ニューヨーク、サンフランシスコ、ベルリン、ロンドン、パリ、ウィーン、東京、メルボルン、シドニー、メキシコシティの世界14都市のガイドを開始しました。


Apple Musicのエディターが監修したこの都市ガイドは、夜のお出かけ情報を提供することを目的としており、Appleが所有するShazamテクノロジーやBandsintownの情報を活用し、マップ経由で各会場のコンサートカレンダーを閲覧できる機能を備えています。ウィーンのシンフォニーから東京のテクノまで、さまざまなシーンやジャンルにフォーカスしたガイドとなります。


Apple Musicが新たに発表した2つ目のツールはSet Listsと呼ばれ、大規模なツアーのコレクションに焦点を当て、ショーの制作に関する情報を提供し、これらのツアーの最近のセットリストに基づくプレイリストによるストリームを生成します。ユーザーは、Shazamのコンサートディスカバリーモジュールを通じて、自分の地域で開催される予定のショーを閲覧することもできます。


この2つの機能の開始により、Apple MusicはAppleが所有する他の技術を活用し、ライブの分野に進出することになりました。

 

一方のスウェーデン企業のSpotifyは昨年6月、アーティストの今後のツアー日程をアプリで簡単に検索できるようにすることを目的とした一連の新機能を発表し、ツアーやライブ音楽に足を踏み入れました。続いて、コンサートのチケットをファンに直接販売する「Spotify Tickets」を発表しました。この2つの新ツールの画像は以下からご覧いただけます。








日本にもルーツを持つUKのソングライター、Wallice(ウォリス)がニューシングル「Loser at Best」をリリースしました。Dirty Hit Recordsから6月23日にリリースされるEP「Mr. Big Shot」の収録曲です。


この曲についてWalliceは次のようにコメントしている。「この曲は去年の5月、ロンドンで作曲旅行をしている時に始めた」

 

この曲は、私のボーイフレンドへのちょっとしたラブソングだと言えるでしょう。私たちは8年間付き合っているけれど、彼が家にいて私がちょっといない時に寂しく、高校時代に友達としてスタートしたんです。必要とされていると感じたい、愛に酔いしれていたいということを歌っています。

 

Walliceは、The 1975のサポートアクトとして3大陸のスタジアムで演奏するツアー日程を終えたばかり。「Mr. Big Shot」にはこの新曲と直近の先行シングル「Best Friend」が併録される。

 

「Loser at Best」

 

Hannah Jadagu


Sub Pop所属のNYのシンガーソングライター、Hannah Jadagu(ハンナ・ジャダグ)が今週金曜日に発売される『Aperture』から5thシングル 「Lose」 をリリースした。「Say It Now」「What You Did」「Admit It」「Warning Sign」が先行シングルとして公開されています。
 
 
Hannah Jadaguは、サウンド・クラウドを通じて着実に人気を獲得し、シアトルのサブ・ポップとの契約を結ぶに至った。
 
 
アーティストの最初の音楽体験は、姉の背中を追い、地元の児童合唱団に行き、そこで合唱の訓練を受けたことだった。テキサスの高校を卒業後、ニューヨークの大学に通った。デビューEP『What Is Going On?』は、iPhone7だけで録音され、人生の過渡期に書かれたベッドルーム・ポップの楽曲集として機能していた。
 
 
前作ではアーティストいわく「クラシックなポップ」を志向して制作が行われた。サブ・ポップからの2作目となる今回のフルレングスで、SSWとしてどのような進化を遂げるのかに期待したいところである。ポップ、インディーロック、エレクトロニカを変幻自在にクロスオーバーし、新鮮な音楽を提示している。
 

ジャダグは今秋のイギリス・ヨーロッパツアーの詳細を発表する予定で、まもなく北米ツアーを行う予定です。

 

「Lose」

 

King Gizzard & The Lizard Wizard

先日の予告どおり、オーストラリアのロックバンド、King Gizzard & The Lizard Wizardが新しいアルバム『PetroDragonic Apocalypse』を正式に発表しました。

 

これまでサイケロックバンドと称されてきたキング・ギザードが明確にヘヴィメタルへと舵取りを果たした作品です。おそらくリリース史上最も長いタイトルと思われる『Dawn of Eternal Night: An Annihilation of Planet Earth and the Beginning of Merciless Damnation』(通称: 惑星地球の消滅と無慈悲な天罰の始まり)は、KGLWから6月16日に発売となります。


2019年のアルバム『Infest the Rats' Nest』と同様、オーストラリアのバンドがメタルの領域に飛び込む様子が描かれています。 

 

「ラッツ・ネストを作ったときは実験的な感じがした」とバンドリーダーのステュー・マッケンジーは述べています。「例えば、『これは私たちの中にはこの音楽を聴いて育ったけど、これまで本気で演奏する勇気も自信もなかった。だから試しにやってみよう、何が起こるか見てみようじゃないか』みたいな感じだ。あのアルバムを作ったとき、「くそー、なんでこれをやるのにこんなに時間がかかったんだろう?」って思ったけど、あの音楽を演奏するのは本当に楽しいし、ライブで演奏するととてもうまくいった。だから、私たちは常に別のメタルレコードを作ることを念頭に置いていました」


「昨年、『Ice, Death, Planets, Lungs, Mushrooms And Lava』のアルバムを制作したのと同じ方法でこの作品に取り組みました」とマッケンジーは語る。 「私たちは毎日曲を書きましたが、リフも曲もアイデアも何もない状態で練習場に入り、ゼロから始めました。そして、私たちはジャムをして、すべてを録音し、そこから曲をつなぎ合わせました。私は曲が語るストーリーを大まかに描き、7つの曲のタイトルに分割し、曲の中で何が起こるかを短い段落で書きました。私たちは記録を逆に作ってしまったのだと思います」

 

叙情的なテーマに関しては、現代の環境問題とファンタジーや伝承の要素が混ざり合っています。 「現実世界で物語を始めて、それを地獄に送りたかったのです」とマッケンジーは述べています。 「これは人類に関するものであり、地球に関するものですが、魔女やドラゴン、そしてたわごとについてファンタジックに描かれています」

 

そのすべてが、以下でご覧いただける壮大な「Gila Monster」のミュージックビデオで明らかになります。

 

「Gila Monster」



King Gizzardは昨年、三作のフルアルバムと、コロラド州でのライブを中心に収録した86曲収録のライブアルバム『Live at red Rocks '22』を発表しています。
 


King Gizzard & The Lizard Wizard 
 
『PETRODRAGONIC APOCALYPSE; OR, DAWN OF ETERNAL NIGHT: AN ANNIHILATION OF PLANET EARTH AND THE BEGINNING OF MERCILESS DAMNATION』
 
 
 
Label:  KGLW
Release: 2023/6/16


Tracklist:

1. Motor Spirit - 8:33
2. Supercell - 5:06
3. Converge - 6:16
4. Witchcraft - 5:04
5. Gila Monster - 4:36
6. Dragon - 9:45
7. Flamethrower - 9:21
8. Dawn of Eternal Night feat. Leah Senior (Audiobook, VINYL EXCLUSIVE) - 14:22


 Jayda Gがニューシングル「Meant To Be」を公開しました。Ninja Tuneから6月9日に発売されるニューアルバム『Guy』の先行シングルです。以前、アーティストは「 Blue Light」をリリースしている。Jack Peñateとの共同プロデュースによるこの曲はチョッピーなディスコから、ハウスやポップへと移行しています。


この「Meant To Be」は、Jayda Gが、ブラジル人アーティストSeu JorgeとWu-TangのRZAによるオリジナル楽曲で構成された気候危機のドキュメンタリー映画「Blue Carbon」に出演時に発表された。


「Mean To  Be」

©︎Pooneh Ghana


SpoonがニューEP『Memory Dust』を発表し、そのファーストシングル 「Sugar Babies」を公開しました。Memory Dust』は6月13日にMatadorからデジタルでリリースされる予定です。プリセーブはこちらからどうぞ。

 

本日、同アルバムの日本盤にボーナストラックとして収録されていた「Sugar Babies」が公開された。さらにこのEPには、オリジナル曲の「Silver Girl」と、Bo Diddleyのカバー「She's Fine, She's S」が収録されています。


Memory Dust』には2曲の新曲とBo Diddleyの "She's Fine, She's Mine" のカバーが収録されています。このEPは、2022年2月にMatadorから発売され、2022年のトップ100アルバムに選ばれた前作『Lucifer on the Sofa』に続く作品です。このトラックは、そのアルバムのセッションで録音されたものの、今まで未完成のままになっていた。


「Sugar Babies」


 

©︎Maciej Mastlarz


元マンシー・ガールズのメンバーであるLande Hektは、昨年のフルアルバム『House Without View』に続き、2枚のシングル「Pottery Class」「Axis」をリリースしました。ストリーミングでは「Pottery  Class』のみご視聴可能です(各種ストリーミングはこちらからどうぞ)


「Pottery Class」は、ほろ苦いさとせつなさに満ち、誰かに憧れ、その人と共有できる空間を切望する気持ちを表現しています。


「Pottery Class」は、私のパートナーが1年近く私と離れて暮らしていたときに書いた曲で、住宅危機という難しい状況を乗り越えようとした結果、私たちが一緒に住む場所を得ることができなくなったのです。

この作品は、私たちが一緒に暮らせる場所を探そうと家を出たときの、居場所のなさと不安の感情をとらえています。安定した住まいを持たずに行くことは、若いうちはほとんど冒険ですが、少し年を取ると、自分が置かれた立場が悲しくなります。


この曲でランデ・ヘクトは歌詞を通じて、こう振り返っている。 「都会に引っ越して、ショーに行き、陶芸教室に参加することもできる/でも、あなたはいつも速すぎる動きに圧倒されてしまう/どこに住もうが、ただあなたに戻ってほしい」


一方の  セカンドシングル「Axis」は、孤独や自由への欲求といった切なくも儚い思いを伝え、捉えどころのない感情を具体的な体験に変えている。「夜更かしすると落ち込むけど、昔とは違うんだ/鳥が窓を飛び交い、ローラは自分が自由であることを願う」


催眠術のようなギター・インストゥルメンタルの中、ぼんやりした意識の流れの中を彷徨った後、ランデは "It's always the bad days that keep me from pushing forward" と過去に別れを告げています。


 


Dream Wifeは、新曲「Who Do You Wanna Be?」を公開しました。この曲は、6月9日にLucky Number Recordsからリリースされる3枚目のアルバム『Social Lubrication』に収録されています。


この曲についてバンドは、「資本主義のトレッドミルで走り、舗道で最初に顔を落とすことについて」と語っています。

 

「空虚なスローガン、行動を伴わないソーシャルメディア活動、左翼の内紛、収益化するフェミニズム、ガール・ボス、すべての魂が砕けるようなナンセンスなこと。資本主義はすべてを消費する。私たちは、完璧主義という手の届かない不安に満ちた考えを打ち壊し、超個人的な物語から集団行動へと移行し、希望と反抗に満ちた、集団的なケアシステムを創造すべきです。これは、変革への呼びかけです」


「Who Do You Wanna Be'」は、シングル「Orbit」「Hot (Don't Date a Musician)」「Leech」に続くもので、いずれもニューアルバムに収録されることが決まっている。


「Who Do You Wanna Be?」

 Oval 『Romantiq』

 


Label: Thrill Jockey

Release: 2023/5/12



Review


 

Ovalの名を冠して活動するマルクス・ポップは90年代にまだ新しかったグリッチの先駆的なプロデューサーとして、ドイツ/ベルリンのシーンに台頭した。


グリッチ/ノイズの傑作としては1996年の「94diskont.」が有名である。以後、Markus Popp(マルクス・ポップ)はジャンルの定義づけや固定化を避け、柔軟なスタイルで音源制作を行っている。2010年代には、ポストロック、それ以後の時代にはアブストラクトなテクノ/ハウスを制作し、作品ごとに作風を様変わりさせてきた。


最新アルバムはマルクス・ポップのアート全般における価値観を示した内容となっている。この作品は、フランクフルトにあるドイツ・ロマンティック博物館のグランドオープンのため、デジタルアーティストのRobert Seidelと行ったオーディオビジュアル・コラボレーションから発展した。

 

ザイデルとポップは、この美術館から、広範な「ロマンティック」の定義を求め、新たなプロジェクトをスタートさせた。ポップは、サイデルの緻密で複雑なデジタル画像やアニメーションと対話し、特定のムードや感情を呼び起こすような数十の短いヴィネットを制作。このスケッチをもとに、ポップは野心的で多様なビジョンを持つ作品へと発展させた。Romantiqは、音楽のみならず、文学、建築、芸術の伝統にも目を配り、膨大な量のソースを調査している。さらに、加工されたピリオド楽器は、過去、現在、未来を通して、暗い部屋からきらびやかな宮殿のような壮大な空間へと変化する贅沢な空間をトレースするものであるという。

 

実際の音楽性については、マルクス・ポップのミニマルへの傾倒が伺える作風となっている。エレクトリックピアノの音色やパーカッシヴな効果を駆使し、そこにエレクトロニカ風の奇異な音作りを交え、抽象的な音楽空間を演出している。同じくドイツのテクノプロデューサー、Apparatの2007年のアルバム『Walls』に近いシンセサイザーの音作りで、カラフルな音色を空間的に処理し、それを曲の構成の中に組み込むという手法である。2000年代にはこういった音作りはかなり多くのプロデューサーやユニットが制作していたが、近年ではトイトロニカ風の音色はいささか以前に比べると、倦厭されつつあるように思える。2000年代のテクノ/ハウスの音作りに加え、 ストリングスの要素や強固なミニマリズムとブレイクビーツの手法を駆使することにより、以前と同様に実験的かつ前衛的な作風となっているのは事実だろう。

 

オープニングを飾る「Zauberwort」をはじめ、懐かしさのあるテクノ/ブレイクビーツが展開される。どちらかといえばクラブのフロアでのサブベースの鳴り方を意識した音作りで、実際のフロアで聴くと、その音楽はリアルな感覚を持つものと思われる。これらの音作りの中には、電子音楽の中にある叙情性を欠いていないことも理解してもらえると思う。例えば、クリス・クラークが「Turning Dragon」の時代に語っていたように、もし、良質なクラブ・ミュージックの中に欠かすことができないものがあるとしたら、(サブベースの強さやグルーブ感もさることながら)機械的な音作りの中にある人間の持つ情感ーーエモーションやエネルギーーーに尽きる。なぜなら、人間味を欠いたクラブミュージックを優先するのなら、代わりにAIに作ってもらったほうがよほど理に適っている。(Kraftwerkのようにロボット的な音楽をあえて意図するという場合は例外として)そして、それは長所だけではなく、時には、短所や欠点、期せずして生じたエラー、バグという形で実際の音楽に現れる場合もあるが、これこそエレクトロニックの最大の醍醐味でもあるわけなのだ。

 

この点において、Ovalは、この最新アルバムを通じて、2曲目の「Rytmy」に見られるように、ミニマル・ミュージックとアンビエント/ダウンテンポの要素を交え、安らいだ雰囲気や清涼感のある情感豊かなクラブビートを制作している。これがブレイクビーツ系の曲の中でもアルバムに掴みやすさを与えている理由である。また、6曲目の「Glockenton」では、Glockenspielの元にしたマレットの音色を使い、実験的なIDMを制作しているが、この楽曲からはミステリアスな雰囲気が漂い、それがアンビエント風の抽象的な空間性を演出している。

 

他にも、実験音楽に近い手法をマルクス・ポップは試している。8曲目の「Okno」では、音色のレイアウトをわざと破壊し、それを抽象的なシークエンスと融合させることで、前衛的なスタイルを確立している。Ovalは近年、空間と音を融合させるインスタレーションを行う他の電子音楽家と同様に、テクノ/ハウスを音楽そのものと把捉するのではなく、他の多角的な芸術形式から広範に解釈し、それらをどのようなイデア(概念)により、独創的に組み上げるのか試行錯誤を行っている。

 

『Romantiq』は、マレット・シンセを元にした音色が目立ち、それが音楽の全体的なコンセプトとなっている。この点を見る限り、パーカッションに重点を置いた空間的なテクノ・ミュージックとも称せる作品である。また、どちらかといえば”音のデザイン”と解釈できるようなアルバムとして楽しむことができるはずだ。

 

 

76/100





グリッチ/ミニマルについてもっと知りたいという方は、ぜひこちらの名盤ガイドをご一読ください。

 

Salamanda


ドイツを拠点に活動する韓国人DJ、Peggy Gou(ペギー・グー)が主宰する新興レーベル、Gudu Recordsは新しいコンピレーションシリーズを開始しました。本日、その第一弾となるアルバム『Gudu & Friends Vol.1』が発売されました。

 

韓国のアンビエント・デュオ、Salamanda(サラマンダ)の昨年、ニューヨークのレーベル、Planchaから発売となったフルアルバム『Ashbalkum』以来の新曲「Mocking Bird」が収録されています。Clarkの「Ted」を彷彿とさせるブレイクビーツ主体のハウス/テクノで、最近のダンスミュージックのリリースの中ではベストトラックの一つ。下記よりビデオをご視聴下さい。


「Mocking Bird」ーSalamanda


2019年にドイツ/ベルリンでローンチされたGudu Recordsは、ドイツ在住のPeggy Gou (ペギー・グー)が立ち上げました。彼女はこれまでにNinja TuneとPhenicaから複数のEPを発売しています。

 

Peggy Gouは元々、ドイツ/ダルムシュタットのテクノ/ハウス・プロデューサー、Roman Flugel(ロマン・フリューゲル)のファンで、フェニカでEDMのレコードを中心に買い求めていました。彼女はロンドンからドイツに転居後、フライブルグのMove D(昨年、D-manとの共同名義で傑作『All You Can Tweak』をリリース、当サイトのWMFに選ばれた)とも親交を持つようになります。当時、Move-Dの近くにはゲルト・ヤンソンが住んでおり、彼女は様々なアドバイスをもらったという。


Gudu Recordsは2019年の設立以来、英国のDMX KrewやJRMS、イタリアのHiverやDukwa、韓国のMogwaa、インドネシアのDea、ウクライナのBrain de Palma、南アフリカのRiff、米国のMaurice Fultonなど、グローバルなアーティストたちの音楽を率先して提供しています。また、ヨーロッパ各地でレーベルのショーケースを積極的に開催し、Pleasure Gardensフェスティバルでは、独自のステージを企画しています。


レーベルのコンピレーション『Gudu & Friends Vol.1』では、レーベルの既存アーティストとニューフェイスによる新曲を収録しています。


レーベルを代表するDMX Krew、Mogwaa、Hiver、Dukwa、Brain de Palmaをはじめ、韓国の最もエキサイティングな才能、Salamandaは、ブレイク主体「Sonder」と広い視野でマレット主体の「Mockingbird」を提供している。ビートダウン界のファーストレディ、Lady Blacktronikaは、ヒプノティックなグルーヴを持つ「He Can Never Love You」をコンピレーションに提供しています。


グドゥ&フレンズのコンピレーションは、旧正月(2月10日)にちなんだウサギのアートワークが施されています。第一弾となる『Gudu & Friends Vol.1』では、Gudu Mixシリーズのイラストを手がけるイラストレーターのJin Young Choiが、卯年にちなんだアートワークを担当しています。



『Gudu & Friends Vol.1』

 

Label: Gudu Records

Release: 2023/5/16


Tracklist:

 
01. Mogwaa - 11Hz
02. Hiver - Lunar
03. Salamanda - Mockingbird
04. DMX Krew - One Take
05. Dukwa - Time Out
06. Brain de Palma - Road to Tatooine
07. Lady Blacktronika - He Can Never Love You
08. Closet Yi - Sonder

 


 

昨夜、坂本龍一の公式ソーシャルアカウントがプレイリストを公開しました。今後、ミュージシャンの死後もソーシャルアカウントは継続され、スタッフによるメッセージが公開される。


このプレイリストには、彼の愛するバッハ、ドビュッシー、サティ、ロータなどの作品に加え、エンニオ・モリコーネ、ビル・エヴァンス・トリオ、デヴィッド・シルヴィアン、アルヴァ・ノトなどの作品が並んでいます。曲の追加日は、昨年6月13日、7月2日のものが多く、リストに掲載されています。ローレル・ヘイローのクロージング・トラック「Breath」は、坂本が亡くなる約1週間前の3月25日に追加されました。


坂本のマネージメントからのメッセージは、次の通りです。「隆一が自分の葬儀で流すために個人的にまとめていたプレイリストを、彼の死去に伴い共有したいと思います。彼は本当に最後まで音楽とともにありました」とあります。spotifyのプレイリストは以下よりお聴きください。