ラベル Indie Folk の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル Indie Folk の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

 


イギリスのシンガーソングライター、PJ Harveyは新作アルバム『I Inside The Old Year Dying』のタイトル曲を公開しました。

 

このシングルの以前に、リード・シングル「A Child's Question, August」が公開されています。同時に、Cristóbal LeónとJoaquín Cociñaが監督したアニメーションミュージックビデオを公開が公開されています。下記よりご視聴下さい。


「I Inside the Old I Dying」についてのハーヴェイのコメントは以下の通りです。


この繊細で美しい曲は、スタジオでの最後の日まで、私たちを悩ませました。それまでの5週間、私たちは何度もこの曲を捉えようとして失敗していたのですが、ジョンがこのギター・パターンのフィーリングを作り直したのです。

コントロール・ルームでデモンストレーションをしているときに、フラッドが私にマイクを渡して録音を押し、私はジョンの隣でそれに合わせてどう歌うかを考えていました。

その結果、私が求めていた幽玄でメランコリックな憧れを表現することができた。歌詞の中では、誰もが救世主の再登場を待っています。誰もが、そしてすべてが、愛と変容をもたらすこの人物の到着を待ち望んでいます。そこには、性的な憧れと目覚め、ある領域から別の領域へと移動する感覚、つまり子どもから大人へ、生から死へ、そして永遠への移動があるのです。

 

 

「I Inside the Old I Dying」

 

 

監督のCristóbal LeónとJoaquín Cociñaは、この作品のビデオについて次のように述べています。

 

愛、死、復活をテーマにしたショートストーリーを想定しています。このビデオは、小さなおとぎ話のようでもあり、また親密な儀式のようでもあると考えました。私たちが見る要素は、キャラクターや小道具ではなく、儀式の一部である工芸品やお守りであるかのように、アニメーションを風景的かつ物質的な生の状態に保ちたかったのです。

 

PJ Harveyは昨年にB面の楽曲とレアトラックを収録した『B Sides, Demos And Rarities』を発表しています。新作アルバム「I Inside the Old I Dying」はPartisan Recordsより7月7日に発売されます。

 


Fontaines D.C.のフロントマン、ボーカリストのGrian Chatten(グリアン・チャッテン)が、近日発売予定のソロデビュー曲から新曲「Last Time Every Time Forever」を公開しました。このシングルは初期のオアシスやStone Rosesのポップセンスをうまく取り入れています。哀愁と孤独の中間にあるセンシティヴな感覚の吐露。

 

このソロ・プロジェクトは直近のシングルを見る限りにおいて、グリアン・チャッテンがよりオルタナティヴ・フォークへの傾倒をみせていることが分かる。その中には、よりポップなものを、という考えも垣間見ることが出来る。Fontaines D.Cは、最新作『Skinty Fia』でヘヴィーなロックバンドとしてアイルランドの固有性を探ったわけですが、バンドメンバーのツアーからの離脱を機に、アーティストとして未知の音楽性へとチャレンジを挑もうとしています。

 

グリアン・チャッテンはまた、ロックバンドとは異なる叙情性を思わせるフォークを中心にソングライティングを行っていて、バンドではメンバーに対して忠告を行わないため、ソロとしてどのような挑戦が出来るのか探ろうとしたと話している。ソロアルバム『Chaos For The Fly』は6月30日にPartisan Recordsから発売されます。「Fairlies」と「The Score」のリリースに続いて、今回、「Last Time Every Time Forever」が三番目のシングルとして公開されました。今回のグリアン・チャッテンのコメントもやはり奇妙で、煙に巻くような内容です。

 

「"Last Time Every Time Forever"は、自分で作った地獄のような町を99周するような、膝が弱くなるような曲だよ。"それはカモメと1980年代の嗄れた喉のスロットマシンに取り憑かれ、聴くたびに自分の約束を破っていく」

 

チャッテンはソロアルバムについて、次のように説明しています。 「夜、ストーニービーチをぼうっと歩いていたら、波の音が聞こえてきたんだ。ただそこに立って波を見ていたら、全部が聞こえてきた。コード進行からストリングスアレンジに至るまで、あらゆる部分が聞こえてきたんだ。私はただ思った。自分でもやってみたい。バンドとして次に進むべき方向はわかっているけど、このプロジェクトで進みたいのはそこじゃない。自分の魂の誇張された部分を表現したいんだ」

 

「他のメンバーも、みんなそれぞれクリエイティブでソングライターなんだよ。彼らのところへ行き、「いや、全部こうでなきゃダメ」みたいなことは言いたくなかった。そうやって、この曲たちに妥協したくなかったのさ。アルバムの多くは、ギターだけで書かれてる。そういう要素に煮詰められるというのがなんだか好きなんだ。手のひらの中に曲があるような感覚、自分とギターだけでコントロールできるような感覚。その結果、ある種の激しさが生まれるんだ」

 

「Last Time Every Time Forever」

©William Sabourin

カナダーのシンガーソングライター、Helena Deland(ヘレナ・ダランド)が新曲「Spring Bug」をリリースしました。テキサスのミュージシャン、クレア・ルーセイとのコラボ曲「Deceiver」に続くシングルです。


「春の太陽と春の雨は、過去の自分を地面から芽吹かせる」と、ヘレナ・ダランドは声明で振り返っています。

 

「この町を出るか出ないかという問いが、大混乱を引き起こす背景となる。しかし、ジョーン・ディディオンが言うように、私たちは、魅力的な仲間であろうとなかろうと、かつての自分たちとうなずき合いながら付き合うのが得策です。さもなければ、彼らは予告なしに現れて私たちを驚かせ、悪い夜の午前4時に心のドアを叩き、誰が自分を見捨てたのか、誰が裏切ったのか、誰が償うつもりなのかを要求してくる。"Spring Bug"は、騒がしい空を飛ぶ生き物を追い払おうとする手の振りであり、その生き物は私なんだ! 聴いてくださってどうもありがとう」


昨年、ヘレナ・デランドは、2020年の『Someone New』以来とな「Swimmer」を公開しました。2021年には、Ouriとのコラボレーション・プロジェクト、Hildegardがセルフ・タイトルのアルバムをリリースした。

 

「Spring Bug」

Clara Engel 『Sanguinaria』

 

 

Release: 2023/6/16

 

 

Review


春の儚い花の異名をとる”ブラッドルート”のラテン語である「Sangurinaria Canadensis」に因んで名付けられたアルバムは、カナダのシンガーソングライター、クララ・エンゲルの最新作となる。このアルバムは 2022年の夏から秋にかけてリボンマイクで録音された。ちょうど家の近くで花が咲き始めた頃に書かれたことから、アルバムタイトルが名付けられたとアーティストは説明している。

 

クララ・エンゲルは、これまでインストゥルメンタル曲も書いてきたが、この最新作の収録曲のほとんどはアーティストのボーカルと複数の民族楽器の弾き語りによるものとなっている。これまでにギター、ピアノの他、タルハルパ、クドック、ラップスチール、メロディカの演奏を楽曲に取り入れてきたエンゲルではあるが、パンデミックを機に民族楽器に対する理解を深める時間に恵まれた。以前よりも楽器に対する理解度が深まったことは、今回の歌を中心にした作品全体に良い効果を与え、制作者の内省的な歌声の雰囲気をより魅惑的なものとしている。

 

前作と同様、この最新作『Sangurinaria』は、オープナーを飾る「Sing In Our Chains」に代表されるように、ニューヨークのSteve Gunn(スティーヴ・ガン)のようなサイケデリアとエスニックの雰囲気に充ちている。エンゲルのフォーク・ミュージックは、ウズベキスタン周辺の民謡のようでもあり、コーカサス地方の民謡のようでもあり、バルトークが探し求めたハンガリーの民謡のようでもある。少なくともそれは、不可思議でエキゾチックな雰囲気に充ちているように映る。

 

珍かな民族音楽に使用される弦楽器を用いて、クララ・エンゲルは淡々と情感を込めて自らの詩を歌いこんでいる。しかし、エンゲルにとって詩を書くことは、単なる手遊びであるのではなく、生きることそのものである。幼い時代から、エンゲルにとって詩を書くことは絵を書くことと同様、自らの感情を表現するために欠かさざるものであった。それは実際、歌詞に触れて見た時に強固な印象をもたらす。表向きの柔らかな旋律とはまったく正反対に、音楽の内核には強い意志が貫流している。終始、マイナー調の曲として紡がれていく楽曲の旋律そのものはいささか単調ではあるのだが、一方で、その中に様々な概念が流れているような気がする。これが実際、抽象的な印象を持つ楽曲の中にあって、稀に鋭い感性がきらめくように思えるのである。

 

アルバムの収録曲は前半部では、以前の作品に比べると親しみやすさのあるアヴァン・フォーク/サイケデリックフォークが並んでいるが、ハイライトとも称するべき瞬間は「A Silver Thread」、「Personne」にて訪れる。ミステリアスな印象を擁するフォークミュージックは、上記の収録曲でその幻想的な雰囲気は最高潮に達し、ペダルスチール等の楽器を効果的に用いながら、不思議なアトモスフィアを生み出している。一見、それは得難いものではあるが、他方、やはりシド・バレットやスティーヴ・ガンにも近い、コアなサイケフォークのコアな領域に到達している。こういった深層の領域に到達したときには、表向きの暗鬱さというイメージが覆され、それはほのかな切なさがもたらされるのである。

 

クララ・エンゲルは一貫してマイナー調のコードを通じて、暗鬱な印象に満ちたアヴァン・フォークを探究しているが、クローズ曲「Larvae」だけは他の曲とその印象を異にする。ここでは、アイスランドのフォークトロニカのような曲に取り組んでいる。Isik Kuralの電子音楽のように可愛らしい雰囲気がこの曲には表されている。最後に、フォークトロニカ/アンビエント調の曲があることで、作品全体により和らいだような余韻をもたらす。このアルバムは、アヴァンフォーク/サイケフォークと民族音楽を掛け合わせた音楽をお探しの方にぜひおすすめしたい作品である。


また、クララ・エンゲルは、ビジュアル・アーティストとしても活動している。今後、トロントとシアトルで計三回のアートショーを開催する。『Sangurinaria』はbandcampで6月16日に発売される。以前公開したアーティストのインタビューもぜひ合わせてご一読下さい。


 

 78/100

 

 

©Pooneh Ghana


Angelo De Augustine(アンジェロ・デ・アウグスティン)は、近日発売予定のアルバム『Toil and Trouble』収録のニューシングル「The Ballad of Betty and Barney Hill」を公開しました。

 

リード曲「Another Universe」に続くこの曲は、宇宙人に誘拐されたと主張するニューハンプシャー出身のバーニーとベティ・ヒルのカップルの物語をベースにしています。この曲には、Clara Murrayが監督したビデオが付属しており、以下でご覧いただけます。


「このアルバムを制作している間、私は言葉が出ないほど恐ろしい、拷問的な、そして説明のしようがないような体験をしました。

 

「この期間に、私はベティとバーニー・ヒル、そして彼らの物語に密接なつながりを感じた。私は、彼らが54年前に経験したと言っているように、もしかしたら私は銀河系の存在に誘拐されたのかもしれないとさえ思うようになったのです。私たちは、論理的に理解できないことを経験すると、それがどんなに突飛なことであっても、どんな説明でも思いつこうとします。私たちは理解を求めているように見える。おそらく、それが私たちを安心させるのでしょう。未知なるものが迫ってくるのは、大変なことであり、時には恐ろしいことでもあります。しかし、私たちがまだ理解していないことはたくさんあり、中には決して理解できないこともあるのです」 



「The Ballad of Betty and Barney Hill」

 

©Shervin Lainez


東アフリカのマラウイ共和国にルーツをもつボストン出身のノンバイナリーのフォークミュージシャン、Anjimile(Anjimile Chithambo: アンジマリ・チタンボがニューアルバム『The King』を発表した。

 

2020年の『Giver Takerwill』に続くこの作品は、4ADを通じて9月8日に到着する。この発表を記念、AnjimileはLPのリード・シングルとタイトル・トラック、そしてDaniela Yohannesによるビジュアルを公開しました。アルバムのジャケットとトラックリストは以下の通りです。

 

このアルバムには、Justine Bowe、Brad Allen Williams、Sam Gendel、Big ThiefのJames Krivcheniaが参加し、Shawn Everettがプロデュースを手掛けています。「Giver Takerが祈りのアルバムだとしたら、The Kingは呪いのアルバムだ」とAnjimileはプレスリリースで述べている。


「The King」



Anjimile 『The King』

 

Label: 4AD

Release: 2023/9/8 


Tracklist:

 
1. The King


2. Mother


3. Anybody


4. Genesis


5. Animal


6. Father


7. Harley


8. Black Hole


9. I Pray


10. The Right

 


ロサンゼルス在住のシンガーソングライター、ジェス・ウィリアムソンは、6月9日にニューアルバム『Time Ain't Accidental』をMexican Summerよりリリースします。彼女は、その3枚目のシングルとなるタイトル曲「Time Ain't Accidental」をミュージックビデオで公開しました。このビデオは、Rocco Rivettiが監督している。

 

Williamsonはプレスリリースで、このニューシングルについて次のように語っています。

 

「タイム・エイント・アクシデンタル」の歌詞は、私の中からあふれ出てきたものです。は、私が今のパートナーである人と恋に落ちていたときの、とても特別な日の実話だから、私の中から溢れ出てきたんだ。

 

サビでは、当時読んでいたレイモンド・カーヴァーの短編集を引用していますが、私にとっては、この曲自体が短編小説のように感じられます。ミュージック・ビデオでは、アルバムジャケットに命を吹き込みたかったんです。テキサス州マーファ郊外のピント・キャニオン・ロードで、嵐の中、ワンテイクで撮影しました。このハイウェイは私にとって特別な場所なんだ。一人で歩いていると、まるで広大な絵画の中に自分一人しかいないような、シュールな感覚になるんだ。

 

『Time Ain't Accidental』は2020年の『Sorceress』に続く作品。昨年、ウィリアムソンはワクサハッチー(別名: ケイティ・クラッチフィールド)と組み、Plainsを結成し、デュオはデビューアルバム『I Walked With You A Ways』をANTI-から発表したことは記憶に新しい。

 

この新作はアルバム、パンデミック開始時の別れや、長い交際を経て再びデートをしようとしたことに部分的にインスパイアされた。ウィリアムソンはブラッド・クック(Plainsのアルバムをプロデュースしていた)と共に、ノースカロライナ州ダーラムでレコーディングを行った。「レコーディング・セッションについてウィリアムソンは、「私の声は、今とは違う感じだ」


「Time Ain’t Accident」

 

 Swelt :Courtesy of the artist


ブリストルのスロウコア/オルタナティブ・フォークバンド、Sweltがニューシングル「My Only  Reflection」をリリースしました。同時に公開されたミュージックビデオは下記よりご覧下さい。

 

バンドは以前、3回にわたってライブビデオ、Dug It Outをミュージックビデオで公開しています。


Sweltのシンガー/リードソングライターのルーベンはニューシングルについて次のように説明しています。


My Only Reflectionは、Jason Molinaのバックカタログを探したり、ドキュメンタリー映画 "Get Back "を観たりしていた時期に書いたもので、その影響が音楽にも出ていると思う。

この曲のテーマは死別と個人的な喪失感で、そのような状況の中で書かれたものです。この曲を演奏するのは難しいことですが、カタルシスもあります。おそらく、これまで書いた曲の中で最も個人的な曲だと思う。

 

Bristol slowcore/alternative folk band Swelt have released a new single, 'My Only Reflection'. Watch the music video, released at the same time, below. The band have previously released three live videos and Dug It Out with music videos.

Singer + lead songwriter Ruben describes the new single as follows.

   'My Only Reflection was written during a time when I was searching Jason Molina's back catalogue and watching the documentary film Get Back, and I think that influence is evident in the music.

   The theme of the song is bereavement and personal loss, and it was written in that context. It is difficult to perform this piece, but it is also cathartic. It's probably the most personal song I've ever written. 


「My Only  Reflection」

 


 

©Tyler T. Williams


Trevor Powers(トレヴァー・パワーズ)は、ニューシングル「The Sling」で、次のYouth Lagoonのアルバムを予告しています。「Idaho Alien」「Prizefighter」に続いて公開されたこの曲はビデオとともの公開されている。


ニューシングルについて、パワーズはプレスリリースで次のように語っています。 「何年も、私は幻影を追いかけてきた。自分の心の奥底にある、目に見えない世界の感覚。それが、私が音楽を作る理由です。自分自身を理解したいという強迫観念がある。あるいは、自分を愛することを学ぶ。たぶん、それと同じことだと思う。私は複数の人から「The Sling」について尋ねられたことがあります。その意味するところは? 説明を始めるたびに、私は自分自身に矛盾を感じている。私は、この曲を時間についての歌であると考えています。そして、愛。それは自信を持って言える。ある晩、追い詰められたような気分になって書いたんだ。次の朝、私は自由だった」

 

Youth Lagoonのアルバム『Heaven Is a Junkyard』は、6月9日にFat Possumからリリースされる予定です。

 

「The Sling」


Fontaines D.C.のフロントマンGrian Chatten(グリアン・チャッテン)が、ソロ・デビュー・アルバム『Chaos For The Fly』を発表しました。新作は6月30日にPartisan Recordsから発売されます。「The Score」に続く新曲「Fairlies」のシングルとビデオも公開されました。下記よりご覧下さい。


「"Fairlies "は猛暑の中で書いたんだ」とグリアン・チャッテンは説明する。「一部はスペインのヘレスで、一部はLAで、Fontaines D.C.のツアーが始まる数日前に。短時間で書き上げたので、1行ごとにビールで祝杯をあげたと思います」「夜、ストーニービーチを歩いていたら、波にのってアイディアが浮かんできたんだ」とチャッテンは回想している。「私はただそこに立って、それらを見て、私は全体のクソを聞いた。コード進行からストリングスアレンジまで、あらゆる部分がね」

 

「Fairlies」


Fontaines D.C.での通常の作品よりもフォーク色が強く、アコースティックな親密さが「Chaos For The Fly」の制作の鍵とチャッテンは語っています。これは最初のシングル「The Score」にもわかりやすい形で反映されている。

 

「このアルバムの多くは、僕とギター1本で書かれたもので、その要素を煮詰めていくというアイデアがとても好きなんだ。手のひらの上に曲があるような感覚、自分とギターだけで持っているようなコントロール感がね」と語っています。「その結果、いつもより激しさがあるんだ」


さらに、「Chaos For The Fly」は「私の魂の誇張された2つの側面」を表現するものであるとソングライターは説明している。「僕はただ思ったんだ。 私は自分でこれをやりたい。バンドとしての僕らが次にどこへ行くかは分かっているし、僕がこれをやりたいのはそこじゃないんだ」


「バンドの他のメンバーも、みんなそれぞれクリエイティブでソングライターなんだ。彼らのところに行って、『いや、いちいちこうじゃなきゃダメなんだよ』みたいなことはしたくなかったんです。そういう意味で、自分の書く曲に妥協したくなかったんだ」

 


Grian Chatten 「Chaos For The Fly」

 



Label: Partisan

Release: 2023/6/30

 

Tracklist:


1.The Score

2.Last Time Every Time Forever

3.Fairlies

4.Bob’s Casino

5.All Of The People

6.East Coast Bed

7.Salt Throwers Off A Truck

8.I Am So Far

9.Season For Pain

 

©Pooneh Ghana

スフィアン・スティーヴィンスとも関わりがある米国のシンガーソングライター、Angelo De Augustine(アンジェロ・デ・オーガスティン)は、4枚目のアルバム『Toil and Trouble』を発表しました。本作は6月30日にAsthmatic Kittyからリリースされる。

 

最初に公開されたリード・シングル「Another Universe」は、De Augustine自身が監督し、Owen Summersがアニメーションを手がけたクレイメーション・ビデオとして公開されています。また、アルバムのカバーアートとトラックリストは、下記よりご覧下さい。

 

「私は現実に飽きてしまったので、自分の世界を作ることにしたのさ」とDe Augustineは「Another Universe」について述べています。「それは安全な世界だ。良いことだけが起こるような場所なんだ」

 

『Toil and Trouble』は、De Augustineの2019年の作品『Tomb』、Sufjan Stevensとのコラボレーション・アルバム、2021年の『A Beginner's Mind』に続く作品。彼はこのレコードの作曲、アレンジ、レコーディング、プロデュース、ミキシングを一人で行い、27種類の楽器を演奏しています。

 

「このアルバムは、今の世界の狂気と、それがいかに圧倒的なものであるかを考えることから生まれた」とデ・オーガスティンは説明する。「現実を理解するために、自分自身を現実から引き離す必要があったんだよ」

 

 

「Another Universe」




Angelo De Augustine 『Toil and Trouble』

 

Label: Asthmatic Kitty

Release: 2023/6/30

 

Tracklist:
 

1. Home Town


2. The Ballad Of Betty and Barney Hill


3. Memory Palace


4. Healing Waters


5. The Painter


6. I Don’t Want To Live, I Don’t Want To Die


7. Another Universe


8. Song Of The Siren


9. Blood Red Thorn


10. Naked Blade


11. D.W.O.M.M.


12. Toil and Trouble

 

©Francis Carter

 

ニュージーランド/オークランド出身の Hollie Fullbrook(ホリー・フルブルック)率いる四人組インディー・フォーク/ドリームポップ・バンド、Tiny Ruinsは、今週金曜日にMarathon Artistsから発売される『Ceremony』の最後のシングル「Out of Phase」を公開しました。このレーベルには、Courtney Barnett、Vagabonを始め、魅力的なアーティストが多数所属している。


「Out Of Phase」は、スコットランドのユージーン・ケリー擁するThe Vaselinesのケルト・フォークを彷彿とさせる緩やかなナンバーとなっている。ニュージーランドのフォーク・グループのリズムの運行には、潮の満ち引きにもなぞらえられる引きと返しが存在し、それが温和でありながら深いエモーションを擁するフルブルックの歌声と溶け込み、バンドの牧歌的なフォークと融合を果たす。非常に聞きやすいですが、同時に急所のあるナンバーとなっています。

 

この曲は、以前に先行シングルとして公開された「The Crab / Waterbaby」「Dorothy Bay」「Dogs Dreaming」に続くトラックです。以下よりビジュアルでチェックしてみてください。



「Out of Phase」

 

 

Hollie Fullbrook(ホリー・フルブルック)率いるニュージーランドのプロジェクトは、2019年のアルバム『Olympic Girls』で批評家の称賛を受けた後、再びスタジオに向かった。セッションには喪失の時期があり、Hollieはその経験を音楽で表現しようと試みている。

 

Mac Demarco


カナダ出身で、現在はLAに拠点を置くシンガーソングライター、Mac DeMarco(マック・デマルコ)が驚くべきことに、199曲収録のデモ・コレクション『One Wayne G』をサプライズでリリースしました。

 

近年、マック・デマルコは、Captured Tracksから移籍し、自主レーベルを立ち上げ、作品のリリースを行っています。今回、発表されたアルバムは、2018年から2023年初頭にかけて録音した素材のデモやスケッチを中心に構成され、制作日がトラックタイトルになっている。前作に続いてインストゥルメンタルのアルバムです。

 

『One Wayne G』の全曲は下記でストリーミング可能です。デマルコは昨年7月に『Rock And Roll Club』を再発し、今年1月に最新アルバム『Five Easy Hot Dogs』(レビューはこちらからご一読下さい)を発表しています。この最新作は5月12日にヴァイナルで発売される。更にマック・デマルコはこの夏、このアルバム発売を記念した一連のライブを開催します。

 

Clara Engel ©Tanja-Tiziana



今回、Music Tribuneで初めて紹介するカナダ/トロントを拠点に活動する気鋭の若手ミュージシャン、クララ・エンゲルは、インディペンデント・ミュージシャンとして、オリジナリティあふれる作風で知られています。

 

今回、Music Tribuneで最初にご紹介するカナダ/トロントの気鋭のミュージシャン、Clara Engel(クララ・エンゲル)は、インディペンデントの音楽家であり、独創性の高い作風で知られています。特に、前作アルバムの曲の中の歌詞に強く心を動かされ、さらにこのミュージシャンの音楽を聞いた時、この世に存在するどの音楽にも似ていないと考えたため、そのインスピレーションの源泉をぜひとも知りたいと思い、この度、ミュージシャンにインタビューを申し込んだところ、無事に回答を得ることができました。
 
 
クララ・エンゲルは、これまで主流のサブスクリプションではなく、Bandcampを中心に作品のリリースを行っており、ダークではありながら芸術性の高い詩的な音楽を多数制作しています。そして、エンゲルは音楽家であると同時に、ビジュアルアーティストとしても活躍しています。


そして、先にも述べたように、エンゲルの芸術形式は、既存の価値観や概念に縛られるものではなく、音楽や芸術自体を既存の狭い価値観から開放するものである。そして実際に、エンゲルの音楽は、独創性の高い表現形態によって支えられていますが、これは直接的な触発を受けて制作されたものではないそうで、他にはないオリジナルを求めて制作を重ねていった結果が、イントゥルメンタルとボーカル曲を中心とした前作のアルバム『Their Invisible Hands』、ボーカル曲を中心とした6月16日に発売予定の『Sungrinaria』に現れることになったのです。
 
 
また、エンゲルの既存の作品は、ミュージシャンの出身地であるカナダの公共放送CBCや、英国の公共放送BBCで複数回オンエアされており、カナダ国外でも評価を受けています。どのようにして、クララ・エンゲルの音楽や歌、詩情が生み出されるのか・・・。前回のインタビューと同様、以下にそのエピソードを読者の皆様にご紹介致します。

 

今回も日本語訳と合わせてアーティストによる原文も掲載致します。クララ・エンゲルのこれまでの作品はBandcampから視聴できます。 

 


 

 
  
 
 

Music Tribune presents "10 Questions For Clara Engel"

 
 
 
 1. 先ず始めにお伺いします。ソロアーティストとして音楽活動を開始したのはいつ頃ですか? 音楽活動のきっかけとなった出来事があればお聞かせください。

 
 
 
子供の頃は詩を書いたり絵を描いたりしていましたが、11歳か12歳の時にギターを手にしました。それからすぐに曲を書き始めたのですが、正直なところ、何がきっかけになったのかわかりません。自然な流れでした。私はいつも何かを作ってきました。それは、私の世界での存在の仕方であり、私がやらなければならないことのように感じています。


 
 
2.あなたの音楽は、実験的なフォークミュージックとして位置づけられているようです。あなたが最も影響を受けた音楽家は誰でしょうか?また、彼らの音楽はどのような形であなたの音楽に反映されているのでしょうか?
 
 


正直なことを言えば、影響を受けたという質問に関して、どう答えていいかわからなくなりました。

 

今、現在、私は自分の音楽とは似ても似つかないような音楽をたくさん聴いていますが、それが本当に私の支えになっていますね。他の人と同じ音を出そうとして失敗し、最終的に自分の声を作り上げたのは、まだ駆け出しの頃でした。最近は、Getatchew Mekuria、Emahoy Tsege Mariam Gebru、Lisa O'Neill、BronskiBeat、Sangre De Muerdagoのアルバムをよく聴いていますね。聴くもの全てから影響を受けていると思いますが、それを模倣したり再現したりするという意味ではありません。
 
 


3. 最新アルバム『Sanguinaria』が6月16日に発売されます。このアルバムはいつ、どのようにレコーディングされたのでしょう? また、作品のコンセプトやテーマのようなものがあれば、教えてください。
 
 
『Sanguinaria』は、2022年の夏から秋にかけて、ほとんど自宅でレコーディングしました。私はレコーディング・エンジニアとしての正式なトレーニングを受けておらず、パンデミックの最中に自宅でレコーディングの方法を学び始めました。春の儚い花、ブラッドルートのラテン語名 "Sanguinaria Canadensis" にちなんで、この名前をつけました。家の近くで花が咲いている頃に、この曲を書き始めたんです。

 


 
4. 昨年のアルバム『Their Invisible Hands』から1年ぶりの新作となります。前作の実験的なアプローチに比べ、より親しみやすい楽曲が多いように感じます。新作を制作する上で、何か心境の変化があったのでしょうか?




前作との大きな違いは、『Sanguinaria』にはインストゥルメンタルがないことでしょう。ただ、特に私の歌詞は基本的に詩であり、詩が親しみやすい芸術形態であると言われることはほとんどありません。私のインストゥルメンタルは、一般的にとてもメロディアスで分かりやすいものです。私の言葉を使った音楽は、もしかすると、言葉が苦手な人や、言葉と音楽が別世界に存在すると考える人には、少しとっつきにくいかなと思います。このアルバムは特に、詩のチャップブックのような感じですが、3Dです。音楽は3次元なのです。

 

 



5. 最新作『Sanguinaria』では、これまでの作品と同様に珍しい楽器が使われているようですね。ギター/ピアノのほか、タルハルパ、グドク、ラップスチール、メロディカなどを演奏されています。民族楽器であるグドックは、かなりレアな存在です。こうした民族楽器を楽曲に使用する狙いは何でしょうか?

 


 

パンデミックが始まった頃、様々な民族楽器についての本を読み始めました。弓を使った楽器の訓練はしていませんが、以前から興味があったんです。チェロやビオラは経済的に無理だろうし、学習曲線もかなり急であると思う。私が演奏する民族楽器(タルハルパとグドック)は、手作りで美しく作られていて、その音色はとても生々しく、声のようなものがあり、私の歌を上手く引き立ててくれています。ラップスチールは、友人のLys GuillornとBrad Deschampsがオーバーダビングしてくれたので、ラップスチールの音が聞こえたら、それは彼らの仲間です!

 



 

6. 最新作のヴォーカルは、繊細で柔らかい印象を受けます。ヴォーカリストとしてどのような影響を受けているのでしょうか?


 

 

全曲でリボンマイクを使っているので、ヴォーカルはよりダークで "鮮明 "ではないサウンドの感触になっています。ダイナミクスという点では、かなりばらつきがありますが、全体的には、大音量のロックンロールというよりは、会話や室内楽のようなボリューム感のある曲になっていますね。
 
またー意識して大きな声で歌おうとか、小さな声で歌おうとか決めたことはありませんし、曲の中に入り込んで、それを精一杯伝えようということです。
 
また、アマリア・ロドリゲス、スキップ・ジェームス、ペギー・リー、アノーニ、ブラインド・ウィリー・ジョンソン、ジリアン・ウェルチ、ビリー・ホリデイなど、私に深い影響を与えた歌手の数々から、私は無意識にいろいろなことを吸収してきたんだと思います。私は、一般的に言って、あからさまなダイナミクスよりも、微妙なダイナミクスの方が面白いと思うようになりました。




 
7. あなたの音楽は、イタリアのCBCやBBC、ナショナルラジオなどの主要メディアで紹介されているようです。これらのメディアで紹介された音楽について、詳しく教えてください。


 

私がカバーしたイディッシュ語の名曲「Mayn Rue Plats」が、少し前にCBCで放送されました。この曲は、昨年秋にリリースした『Undergrowth』というEPに収録されています。何年か前からBBCでも放送されるようになった。



最初はVox Humana(UK)というレーベルのおかげだったと思う。その後、BBCは私のアルバム『Where A City Once Drowned』からのセレクションを放送してくれました。イタリア国営放送では、何年も前に私のアルバム『Tender』をリリースしたBackwards(IT)というレーベルのおかげです。



 

メジャーなラジオ局での放送はとてもありがたいのですが(インディーズアーティストとして、その機会を得るのは簡単ではありません!)、私の作品をより頻繁に放送し、多大なサポートをしてくれるインディーズや大学のラジオ局には深い愛着と敬意を抱いていることをお伝えしておきます。例えば、WFMU、KALX、WZRD、WHUS、KVCU、CFRU、CJRU...数え上げればきりがありません。 

 

 




8. 作品制作において、Aidan Baker、Armen Ra、Thor Harris、Siavash Aminiなどのミュージシャンとコラボレーションしていますね。他のミュージシャンとのコラボレーションは、サウンドトラック制作のプロセスをどのように変化させると思いますか?

 


 

ええ。それらのアーティストはすべて私のアルバム『Visitors are Allowed One Kiss』に大きく貢献してくれていて、多くの人が関わっているという点ではとてもユニークでしたね。それでも私はすべての曲をひとりで書いて、そのベースをソロでレコーディングし、その後、人々に曲を送り、実験してもらいました。最終的な仕上がりも気に入っていますが、ああいうプロジェクトでは、ミキシングエンジニアのミッチェル・ジリオと一緒にスタジオで録音していたことがとてもうれしかったですね。自宅で一人であのようなことをやる機会はあまりないと思いますから。


 

 

 


9. あなたはトロントを拠点に活動されていますが、この街の一番の魅力は何だと思いますか?

 

 

私は図書館と公園が好きです。それ以上に、トロントはひどく物価が高いので、アートに携わる人間にとっては本当に大変なところですよ。

 

 10. それでは最後の質問になります。6月にニューアルバムをリリースしますが、今後のライブの予定はありますか?




 

ミュージッシャンとしての予定は現時点ではないんですが、私はビジュアルアーティストでもあるので、トロントのカフェで2回、シアトルのギャラリーで1回、計3回のアートショーが控えています。


 

・The Original Text of Interview 


 

If there is a music scene that needs the most attention today, along with London, England, I would definitely mention Toronto and Montreal, Canada. Almost every month, great music and musicians are appearing in Canadian cities.

 And what is most wonderful about the music scene in this region is that even though the genres of music played are completely different, they respect each other, and the musicianship of each musician is completely unwavering.
 
Clara Engel, a young up-and-coming musician based in Canada/Toronto, who is first introduced in this issue of Music Tribune, is an independent musician and is known for her highly original style. 

We were particularly moved by the lyrics in the songs of her last album, and when we heard her music, we thought it was unlike any other music in the world, so we wanted to know the source of her inspiration. We asked the musicians for an interview, and they responded successfully.
 
Clara Engel has been releasing her work mainly on Bandcamp, rather than through mainstream subscriptions, and has created a lot of dark, yet artistically poetic music. 

And as well as being a musician, he is also a visual artist.

And as mentioned earlier, Clara Engel's art form is not bound by existing values and concepts, but liberates music and art itself from existing narrow values. And in fact, Engel's music is supported by highly original forms of expression, like Steve Gunn's in New York, which were not created under direct inspiration, but the result of a continuous search for originality that cannot be found anywhere else, and the result of a series of productions, mainly instrumental and vocal songs. 

The result is "Their Invisible Hands" an album of mainly instrumental and vocal songs, and "Sungrinaria," to be released on June 16, which will feature mainly vocal songs.
 
The existing work has also received recognition outside of Canada, with multiple airings on the Canadian public broadcaster CBC, the musician's hometown, and the British public broadcaster BBC. At present, very few people in Japan know about this musician, but as an important experimental folk musician, he deserves your attention. How does Clara Engel's music, songs, and poetry come to be? As in the previous interview, we will share the episode with our readers below. 

The original text by the artist is also included, along with a Japanese translation. You can listen to Clara Engel's previous works on Bandcamp.




 
1. When did you start your musical career as a solo artist? Please tell us about any events that triggered your musical activities
 
I wrote poetry and drew a lot as a kid, then I picked up a guitar when I was eleven or twelve years old. I started writing songs soon after that, and to be honest, I don’t know what triggered it. It was a natural progression. I have always made things; it just feels like my way of being in the world and something I’m compelled to do.
 
 
2.Your music seems to be positioned as experimental folk music. Who are your biggest musical influences? In what ways is their music reflected in your music?
 
I no longer know how to answer questions about influences. At this point I listen to a lot of music that sounds nothing like what I do, but it really sustains me. It was only when I was just beginning that I tried to sound like other people, and in failing to do so I ultimately developed my own voice. Lately I’ve been listening quite a bit to albums by Getatchew Mekuria, Emahoy Tsege Mariam Gebru, Lisa O’Neill, BronskiBeat, and Sangre De Muerdago. I think I’m influenced by everything I hear, but not really in the sense that I am trying to emulate or recreate it.
 
 
3. Your latest album, Sanguinaria, will be released on June 16. When and how was this album recorded? Also, if you have any kind of concept or theme for the work, please let us know.
 
Sanguinaria was mostly recorded in the summer and fall of 2022, at home. I have no formal training as a recording engineer, and I started learning how to record at home during the pandemic. I named it after the spring ephemeral flower, bloodroot, whose Latin name is “Sanguinaria Canadensis.” I started writing these songs when the flowers were blooming near my house.
 
4. This new release comes a year after last year's album "Their Invisible Hands". Compared to the experimental approach of the previous album, the songs seem to be more accessible. Did you have any changes in mindset when creating the new album?
 
The main difference is that Sanguinaria has no instrumentals. It’s odd to me how instrumental pieces are automatically dubbed more “experimental” – especially since my lyrics are basically poems, and poetry is rarely described as an accessible art form. My instrumentals are generally very melodic and easy to follow. I actually think that my music with words is less accessible to people who aren’t fond of words or who see words and music as existing in distinct realms. This album in particular feels like a chapbook of poetry but in 3D. The music is the third dimension.
 
5. It seems that your latest work, "Sanguinaria," uses the same unusual instruments as your previous works. In addition to guitar/piano, you play talharpa, gudok, lap steel, melodica, etc. The gudok, a Russian folk instrument, in particular, is quite rare. What is your goal in using these ethnic instruments in your songs?

 
At the beginning of the pandemic I started reading about various folk instruments… it all begin with acigar box guitar and expanded from there. I have no training on any bowed instrument, but it’s something I had been curious about for a long time. Cellos and violas are beyond my means financially, and I think the learning curve is quite steep. The folk instruments I play (talharpa and gudok) are handcrafted and beautifully made and there’s something very raw and voice-like about the tones they produce - I find they complement my songs well. I don’t actually play lap steel, my friends Lys Guillorn and Brad Deschampscontributed some overdubs, so whenever you hear lap steel, it’s one of them!
 
 
6. The vocals in your latest work seem to have a delicate and soft quality to them. What are your influences as a vocalist?
 
I am using a ribbon microphone on all the songs, which gives a darker and less “crisp” sound and feel to the vocals. In terms of dynamics there is a fair bit of variation, but overall the songs do have more of a conversational or chamber music volume than a bombastic rock and roll quality to them. I never decide consciously to sing loud or quiet, it’s about being inside the song and putting it across as best I can. I’m sure I’ve unconsciously absorbed things from many different people; Amalia Rodrigues, Skip James, Peggy Lee, Anohni, Blind Willie Johnson, Gillian Welch, Billie Holiday, to name just a few singers who really affected me in a deep way. I’ve come to find subtle dynamics more interesting than really blatant ones, generally speaking.
 
7. It seems that Clara Engel's music has been featured in major media such as CBC, BBC, and National Radio in Italy. Could you tell us more about the music that has been featured in these media?
 
The CBC aired a famous Yiddish song that I covered, “Mayn Rue Plats,” a little while ago. That songappears on an EP that I released last fall called Undergrowth. Over the years I’ve received some BBC airplay – I think it was thanks to a label I worked with called Vox Humana (UK) initially. Years later the BBC also played a selection from my album Where A City Once Drowned. As for Italian National Radio, it was thanks to a label called Backwards (IT) who released my album Tender many years ago.
It’s important to mention that while I really appreciate airplay on more major stations (and it isn’teasy to get, as an independent artist!) I have a deep fondness and respect for all the independent and college radio stations who play my work much more frequently, and have been tremendously supportive. For example WFMU, KALX, WZRD, WHUS, KVCU, CFRU, CJRU….the list goes on and on! 
 
 
8. You have collaborated with musicians such as Aidan Baker, Armen Ra, Thor Harris, and Siavash Amini in the creation of your work. How do you think collaborating with other musicians will change the soundtrack production process?

 
All of those artists contributed to my album Visitors are Allowed One Kiss, which was unique in terms of how many people were involved. I still wrote all the songs alone and recorded the basis for them solo, then I sent the songs out for people to experiment with. I love the final result, but for a project like that I was very glad that I was recording in a studio with mixing engineer Mitchell Girio. I don’t think I would ever undertake something like that on my own at home.
 
 
9. You are based in Toronto. What do you find most attractive about this city?
 
I love the library and the parks. Beyond that, Torontois becoming a terribly expensive place, which is really difficult for people working in the arts.
 
 
This will be the last question,
 
 
10. You are in the midst of releasing a new album, but do you have any upcoming live dates?
 
I do not, but I am also a visual artist and I have three art shows coming up – two at Toronto cafes and one at a gallery in Seattle.
 
 
Thank you for replying for our Questions,Engel!! 

 
 
 
Inteviewer:

Music Tribune(Editor:Nakamura)    Tokyo, April 15th,2023    Very Rainy Day.

©︎Stephan Vanfleteren

 

スウェーデンの最注目のオルタナティヴ・フォークシンガー、クリスティアン・マッソンのソロプロジェクト、The Tallest Man on Earthは、今週金曜日にAnti- Recordsから発売される新作リリースに先駆け、ニューアルバム『Henry St.』の最終シングルとなる「Looking for Love」を公開しました。

 

この曲は、「Every Little Heart」タイトル・トラックに続き、Jeroen Dankersが監督したビデオ3部作の最終章となるビジュアルと同時に公開されました。


ニューアルバム『Henry St.』は、米国の著名なエレクトロニック・デュオであるSylvan EssoのNick Sanbornがプロデュースしました。最終プレビューとなる「Looking for Love」について、Kristian Matsson(クリスティアン・マッソン)はプレスリリースの中で次のように語っています。

 

スタジオに入った初日、僕がエレキギターをフィードバックしている間、ニックがこのヒスノイズを作ってくれた。そうやってジャムるのがとても楽しかった。そして、ニックがピアノを置いて僕のギターをオーバーダビングした時、この曲ができあがったとわかった。

ニックはとても感情豊かなので、音楽で起こりうることに対して、ほとんど子供のような喜びを分かち合っているんだ。彼は、セッション中に起こるようなパフォーマンスや人間味を大切にすることで、楽曲を生き生きとしたものにしています。


さらにミュージックビデオについてJeroen Dankersは、「このパートでは、目覚め、外に出て、発見し、新しい自分になるけど、どこに行くかはいつもわからないということを表現したかったんだ」と付け加えた。

 

「Looking for Love」



 

©Tyler T. Williams

 

Youth Lagoonこと、トレヴァー・パワーズは新作アルバム『Heaven Is a Junkyard』の新曲「Prizefighter」を公開しました。この曲は、以下のビデオでご覧ください。

 

パワーズはこの新曲「Prizefighter」について、次のように語っています。

 

4年前、兄弟についての歌を書き始めたんだ。私は3人の兄弟と一緒に育ったので、我が家はドゥームズデイでしたが、より多くのシュガーシリアルを使っていました。僕らの愛は強く、そして野蛮でもあった。それは本当の喜びで、顔を叩かれたり、ベッドからファイルキャビネットに突き落とされたりするような、探さなくてもいいようなものでした。

 

それ以上に、私たちはホームスクーリングを受けていました。4人が一日中家にいて、お互いを慕い、憎み合い、裏庭で毎日野球をし、お互いの頭に石を投げて、吐くまで笑い合った。私たちの絆は永遠です。数年前に始めたこの曲は、私にとってあまりにも大切なもので、完成させることができなかった。私はそれが怖かった。素晴らしいものにならないのが怖くて...だから保留にしておいたんだ。

 

レコード制作に出発する数週間前、『ドラッグストア・カウボーイ』のVHSを見ながら、古いボイスメモを読み返したんだ。

 

『プリズファイター』という30秒のスケッチを聴いたんだ。まるで天使が空から降ってきて、どう仕上げればいいのか教えてくれたような気がした。"偉大にするな "と彼女は言った。"真実のものにしなさい "と。私は2日間でこの曲を完成させた。

 

『Heaven Is a Junkyard』は6月9日にFat Possumからリリースされます。最初の先行シングル「Idaho Alien」が既に発売となっている。

 

Weekly Music Feature


青葉市子


Ichiko Aoba


  これまでに、ソロアルバムのリリースの他、『こちらあみ子』のサウンドトラック提供や、ゲーム音楽へのサウンドトラックの提供、また、空想の物語を織り交ぜてクラシック、ポップ、ジャズという3つのジャンルの音楽を取り巻くようにして麗しい音のストーリーを展開させた前作『アダンの風』で世界的に注目されるようになった日本のシンガーソングライター/青葉市子(Aoba Ichiko)は、その後、弦楽アンサンブルを従えたライブを通じて、伸びやかで美しい清涼感のある歌声によって世界の音楽ファンを魅了しようとしています。昨年に続いて、今年3月から再び世界ツアーを敢行するシンガーは、アジア圏にもその名を響かせようとしており、Saison Des Fleurs 2023の世界ツアーの一貫としてインドネシアのジャカルタでの公演を予定しています。

 

  青葉市子は、渋谷オーチャードホールでの『アダンの風』の公演、昨年のBlue Note主宰の日本公演のほか、今年10月にはJapanese BreakfastのニューヨークのRadio City Music Hallでの公演サポートを務める予定で、今後、世界的な活躍が期待出来るシンガーです。知るかぎりでは、この歌手はデビュー当時から世界で活躍するようなシンガーになるべく野望を内に秘めていた歌手ではありませんでした。そして今でも弦楽アンサンブルとともに小規模のコンサートを開催する場合もあるように、観客との距離を大切にする、どちらかといえばささやかなフォークシンガーとして2010年の『剃刀乙女』で日本のミュージック・シーンに台頭しました。

 

  そして、デビュー当時のこのシンガーソングライターの持つ個性溢れる雰囲気、そして少なからず文学性を感じさせる幻想と現実の間を揺らめくように織りなされる抒情性の高いフォークミュージックは、当時から日本国内でも支持を得ており、口コミを介してこの歌手の素晴らしさがじわじわと広まっていった印象もあったのです。

 

  青葉市子は2010年のデビュー当時とは違い、Blue Note直系のジャズ、クラシック、メディエーション、フォークと様々な要素を織り交ぜながら自らの表現力と可能性を徐々に広げていき、今や国内にとどまらず海外にも活躍の領域を伸ばしつつある素晴らしい歌手となった。しかし、これは2010年から歌手の実力を知る人々にとっては何の不思議もないことだろうと思われます。

 

 

 

昨日発売となった『Ichiko Aoba with 12 Emsemble(Live at Milton Court)』は、昨年、ロンドンのミルトン・コートで9月3日に行われたライブを収録しています。


この日のライブでは、世界的にその知名度を引き上げた前作『アダンの風』の収録曲を中心にセットリストが組まれています。梅林太郎氏によるアレンジが新たに施され、さらにロンドンを代表する弦楽オーケストラ"12 Emsemble"と共演を行いました。近年、12 Emsembleはジャンルを問わずコラボレーションを行っており、追記としては4ADに所属するDaughterの最新アルバム「Stereo Mind Game」にもゲスト参加しています。

 

ライブ・アルバムでは、梅林氏による編曲と合わせて、ロンドンの12 emsembleの弦楽の巧緻な演奏、シンガーソングライター青葉市子の歌声の魅力、日本語歌詞のニュアンス、そして、歌手のボーカルが織りなす幻想的な雰囲気を体感することが出来ます。この日のライブのオープニングを飾る「 帆布ーEaster Lily」は、前作『アダンの風』の収録曲。イントロでは、沖縄民謡の特殊な音階を通じて、海外の音楽ファンにアジアの爽やかな南風をもたらす。島唄(沖縄民謡)の音階をはっきりと意識した不思議な音の世界は、実力派シンガーの繊細で柔らかなボーカルとアコースティックギターの演奏を通して奥行きを増していき、さらにロンドンを代表する弦楽アンサンブルの流麗なストリングスにより、その強度と迫力を増し、聴き手を圧倒するのです。

 

「Parfum d'etoiles」は、フランス和声の影響を受けた色彩的な12 Emsembleの優雅な演奏により幕を開けます。チェロが強調された重厚なストリングスの低音のハーモニーはやがて、モダンジャズの気風を反映したワルツの軽妙なリズムとして、その後の展開に受け継がれ、ムードたっぷりのボーカルが舞踏のように不可思議な世界観をきわめてナチュラルに築き上げていきます。ハミングのようなトーンが印象的なボーカルは抽象的な音像をもたしますが、ときおり導入される弦楽の繊細なニュアンスを表現するレガートとピチカートが合致し、ミルトン・コートの観客をアーティストの持つミステリアスな世界へとやさしく招きいれるのです。

 

3曲目の「霧鳴島」もオープニング・トラックと同様に、『アダンの風』に収録されていた楽曲となりますが、これは前半部と中盤部を連結する間奏曲のような意味を持っています。前の2曲であらかじめ提示しておいたファンタジックかつミステリアスな雰囲気がミルトン・コートのライブ会場に浸透した後、アーティストが思い描いた空想の物語をテーマに置いた楽曲は次第に奥行きを増していきます。確かに、「霧鳴島」は、世界のどこ地域にも存在しないわけですが、他方、弦楽アンサンブルの抑揚に富んだパッセージは、聞き手の情感に訴えかけるような哀感溢れる演奏力により、聴衆の脳裏に実在しない島の姿を呼び覚ますのです。


さらに、続く「Sagu Palm' Song」はアコースティックギターの繊細なアルペジオと歌手の歌声のエモーションが絶妙に溶け合うようにして昇華された一曲です。ここには以前、ゲームのサウンドトラックを提供している歌手の趣味の一端にふれることができます。例えばもし、ゲーム音楽に詳しい方ならば、歌い出しを通じて名作曲家の光田康典氏のゲーム音楽の影響を感じとることも出来るかもしれません。「クロノ・クロス」、「クロノ・トリガー」、上記2作のサウンドトラックに象徴される日本のゲーム音楽の歴代屈指の名曲の影響をかすかにとどめ、それらの幻想的なフォークミュージックの影響を受けつぎながら、青葉市子は現実と幻想の狭間をゆったりと心地よく揺蕩うかのようにうたっています。とりわけ、曲の後半部におけるハミングにも近いボーカルの情感の豊かさ、なおかつ繊細な歌声が織りなすアンビエンスの見事さに注目でしょう。


続く、「血の風」はージャズの影響を絡めたギターソングとして聴衆を聴き入らせるしたたかな説得力を持ち合わせています。それ以前の曲と同様に、幻想的な雰囲気を擁する一曲ですが、言葉とも旋律のハミングともつかない抽象的なボーカルがアコースティックギターの繊細なピッキングと絶妙に溶け合うようにし、淡いエモーショナルなアンビエンスを滑らかに形成する。曲の前半部では、フラメンコのようなスペイン音楽の哀愁を感じさせるが、中盤部からクライマックスにかけては、12 emsembleのストリングスの助力を得ることにより、映画のワンシーンのようにダイナミックな展開へと繋がっていく。静から動への切り替わりと称するべきか、曲の表情と抑揚がガラリと変化する瞬間に注目しておきたい。さらに、曲の終わりにかけて、アンニュイなボーカルがトーンダウンしフェードアウトしていく時、リスナーはライブ会場に居合わせた幸運な聴衆と同じ圧巻の雰囲気に息をのむことでしょう。

 

 

その後、「Hagupit」、「Dawn In the Adan」と、中盤ではファンタジックな物語や日本の童謡のような可愛らしい独特な雰囲気を持った曲と、オルト・フォークを融合させたシンガーソングライターらしい落ち着いた楽曲が続いていきます。歌手は「アダンの風」に象徴される架空の物語のゆるやかに奥深くに入り込んでいき、ミルトン・コートにいる聴衆に対してこれらの音楽による物語をやさしく、そして丹念に語り聞かせます。

 

中盤部では、弦楽アンサンブルとの合致が象徴的な雰囲気を持つライブの序盤とダイナミックなコントラストを形成するとともに、これらの幻想的な音の物語の中にとどまるように促す。そして、最も聴き応えがあるシーンが、「アダンの島の誕生祭」です。以前の曲と同様、ギターを通じての弾き語り曲ですが、高音部のハミングを歌った時、コンサートホールの天井、ホールの空間に反響し、独特な倍音が木霊し、これが聞き手の心に癒やしと安らぎをもたらすことでしょう。続く「守りの哥」では、再び、12 ensembleの弦楽のパッセージが前面に出てきて、ジブリ音楽のような自然味と温かみを兼ね備えたオーケストラレーションへと導かれていきます。これは、優しさと迫力を持ち合わせる青葉市子のライブの最高の瞬間を留めたと称せるはずです。

 

バッハの室内楽コンサートのような趣を持つクラシック音楽の格式高い雰囲気でイントロが始まる「海底のエデン」もまた単なるクラシック音楽のイミテーションにとどまりません。ここではモダンジャズの気風を反映させ、そこに、それまでライブの前半部と中盤部で築き上げた雰囲気を押し上げるように、青葉市子はギター/ボーカルという彼女らしい表現によって、幻想的な物語を、丹念に、そして丁重に紡ぎ出してゆく。彼女の弾き語りと歌声は、観客と同じ目線でつむがれていき、気取るわけでも、奇を衒うわけでもなく、温かな親切心を持ち、ロンドンの観客にこの曲を語り聞かせています。分けても、ジャズバラードの要素を反映させたアンニュイかつユニークなシンガーソングライターの性質を顕著な形で見い出すことが出来るでしょう。

 

コンサートの終盤に差し掛かると、序盤とは様相が変化します。観客と円滑に信頼感のあるコミニケーションを図れるようになったと実感したのか、そこまではわかりませんが、中盤部までの緊張感をいくらか緩め、フレンドリーな姿勢で、ロンドンのコンサートの終盤を迎えます。日本の古い童謡で、NHKの『みんなのうた』で最初に紹介された「赤とんぼ」は、山田耕筰の作ですが、この原曲にユニークさと淡いノスタルジアを交え、秀逸なアレンジバージョンとして演奏している。これはロンドンのコンサートホールに日本の文化及び日本語の美をもたらした最初の事例となる。アーティストらしいユニークな歌は、童謡に描かれる夕暮れの空の向こうに、トンボが飛び去ってゆく切ない情景を目の裏にまざまざと呼び覚ますことになるでしょう。

 

そして、この後に9月のロンドンのコンサートは感動的なクライマックスを迎えます。赤とんぼの雰囲気を受け継いだ素朴なポピュラー・ミュージック「もしもし」で、それ以前にロンドンの現地の観客と築き上げてきた親しげな雰囲気を大切にし、やさしく語りかけるようなフォーク・ミュージックによって、この日のミルトンコートでのライブを締めくくります。クライマックスでは、ロンドンの観客の温かな拍手、美しい歌声と現地のアンサンブルの演奏に対する称賛を聴くこともできます。

 

ライブコンサートの全体を通じ、幻想的な物語の世界をロンドンの名アンサンブルとの共演という、またとない瞬間を音源として記録した『Ichiko Aoba with 12 Emsemble(Live at Milton Court)』は、多くの人の記憶に残るであろう名演といっても差し支えないかもしれません。



100/100



Weekend Featured Track 「Sagu Palm's Song」

 

 

 

 

『Ichiko Aoba with 12 Emsemble(Live at Milton Court)』はIchiko Aobaの自主レーベルHermeから3月31日より発売中です。


元Sidekicksのフロントマン、スティーブン・シオレックの新プロジェクト、superviolet(スーパーヴィオレット)が、デビューアルバム『Infinite Spring』の2ndシングルを公開しました。「Big Songbirds Don't Cry」は先行公開された「Overrater」に続く作品です。以下でご視聴下さい。 


 「"The Sidekicksは、僕が15歳の時、ちょうど音楽を書き始めた頃に始まったんだ。だから、アイデアを持ち、それを練習に持ち込み、バンドがそれを何かに変えるというのは、まさに私が曲作りを学んだ方法だった」とシオレックはプレスリリースで説明している。

 

「でも、いつも頭の中には、違う方法でやってみたいとか、自分であることを探求してみたいというアイディアがあった。だから、活動を休止したときは、新しい曲作りのプロジェクトに挑戦するために、白紙に戻したかった。アルバムとしての『Infinite Spring』のアイデアは、開放感や可能性、成長といった感覚を捉えようとするものだったんだ」

 

「曲作りのプロセスは、これまでよりもあちこちで感じた。かなり淡々とした感じだった。バンドをやっていると、ある種のスタイルが決まっていることが多いのですが、このバンドでは、どんなランダムなアイデアでも試すことができるような気がしました。サイドキックスはライブも多いので、ライブで使える曲かどうかを考えることも大きな要素でした。でも、ライブで演奏することが、今回書く曲の情報になることは全くなかった」

SaintsenecaのZac Littleと共同で制作された「Infinite Spring」は、Lame-O Recordsから4月21日にリリースされる予定です。

 

 

「Big Songbierd Don't Cry」

 

©︎Jackie Lee Young


ロサンゼルスを拠点に活動するシンガーソングライター、Jess Williamson(ジェス・ウィリアムソン)は、6月9日にMexican Summerからリリースされる予定のアルバム『Time Ain't Accidental』を発表しました。


本日の発表では、リード・シングル「Hunter」とそれに付随するビデオが公開されています。


"もしあなたがゴーストになったことがあるなら、もしあなたが手に入らない人を追いかけたことがあるなら、もしあなたが完全な食事を必要とするときにパンくずを与えられたことがあるなら、「ハンター」はあなたのための歌です "とウィリアムソンは声明で説明している。


私は、別れに心を痛め、ロサンゼルスでデートの実験をしていた時期に書きました。あの時代は狼に放り出されたような気分だったが、そのおかげで自分自身と自分が本当に望んでいるものをよりはっきりと見ることができた。この曲は、本当の恋人たち、本物を探している人たちのためのアンセムなんだ。


昨年、ウィリアムソンはワクサハッチーのケイティ・クラッチフィールドとのコラボ盤『I Walked With You a Ways』をプレインズ名義でリリースした。彼女の最後のソロアルバムは2020年の『Sorceress』である。



「Hunter」

 



Jess Williamoson 『Time Ain’t Accidental』 

 


Label: Mexican Summer

ReleaseDate: 6月9日

 

Tracklist:


1. Time Ain’t Accidental
2. Hunter
3. Chasing Spirits
4. Tobacco Two Step
5. God in Everything
6. A Few Seasons
7. Topanga Two Step
8. Something’s In the Way
9. Stampede
10. I’d Come to Your Call
11. Roads




 果てしない草原と海の波、長いドライブとハイウェイの広がり、ダンス、煙、セックス、肉体的な欲望-ジェス・ウィリアムソンのニューアルバム『Time Ain't Accidental』の核となるイメージは、地上と肉欲に満ちている。

 

パンデミックの始まりにウィリアムソンとロサンゼルスの自宅を去ったロマンチックなパートナーや長年の音楽仲間との長い別れの後、このアルバムは、ウィリアムソンという人物とアーティストとしての地殻変動を告げる。



テキサス出身でロサンゼルスを拠点に活動するシンガー、ソングライター、マルチ・インストゥルメンタリストであるウィリアムソンにとって、大胆にも個人的な、しかし必然的な進化である『Time Ain't Accidental』は、象徴的な西部の風景、涙のビールアンセム、そして、完全に彼女自身のものとなるカントリーミュージックのモダンさを思い起こさせる。

 

このアルバムは、サウンド的にもテーマ的にも、何よりもウィリアムソンの声が前面に出ていて、そのクリスタルでアクロバティックな音域が中心となっています。リンダ・ロンドシュタットのミニマリスト化、ザ・チックスのインディーズ化、あるいはエミルー・ハリスがダニエル・ラノワと組んだ作品などを思い浮かべてほしい。大胆に、そして控えめに鳴り響くこのサウンドは、女性が初めて自分の人生と芸術に正面から、明白に、自分の言葉でぶつかっていく姿なのだ。



 昨年、ウィリアムソンとワクサハッチーのケイティ・クラッチフィールドは、プレインズ名義で『I Walked With You A Ways』をリリースした。女性としての自信と仲間意識、そしてストレートなカントリーバンガーとバラードでウィスキー片手に溢れるほどの絶賛を浴びたレコードです。過去にMexican Summerからリリースした『Cosmic Wink』(2018年)と『Sorceress』(2020年)の後、ウィリアムソンは新たな方向へシフトする準備が整っていると感じていました。幼少期に好きだったものを再確認し、プロセスをシンプルにし、友人と一緒に音楽を作ることが、ウィリアムソンにとって最良のステップであることが証明された。



2020年初頭、新たな疎遠に慣れ、自分の思考と隔離された状態で、ウィリアムソンは自宅で一人でストリップ・バックの単体シングル「Pictures of Flowers」を書き、録音した。この経験は、『Time Ain't Accidental』の土台となった。この曲の歌詞のテーマは、地上的で平易なもので、ドラムマシンをバックにしたウィリアムソンの声と、友人のメグ・ダフィー(ハンド・ハビッツ)による質感のあるギターが組み合わされている。

 

やがて、ウィリアムソンは、音楽的には自分一人でも十分に通用する、いや、それ以上の存在であることに気づいた。


Weyes Blood、Kevin Morby and Hamilton Leithauser、José Gonzálezとのツアーは、この新しい自己肯定感を強め、それまで演奏したことのない規模の部屋で彼女の声を響かせることができた。

 

 パンデミックの不安の中、ウィリアムソンはロサンゼルスでデートを始め、興奮、不安、失望に満ちたリアルな体験を中心にデモ曲を制作した。ドラムマシンは、iPhoneアプリという形で登場し、真のソロシンガー、ソングライターとして、誰の影響も受けずに自分の音を見つける女性として、新しい道を切り開く決意をする。それは孤独であり、しかし啓示に満ちた時代だったのだ。



その時のエッセンスは、最初の先行シングル”Hunter”の冒頭に集約されている。

 

「私は狼の群れに投げ込まれ、生で食べられた」とウィリアムソンは歌い、澄んだ瞳で、反対側に出てきたという決意を持っている。LAでの交際は波乱万丈だったが、この曲のサビやアルバムの根底にある感情、「私は本物を探すハンターなんだ」という真理を明らかにしたのだ。


このテーマは、他の曲にも見られる。鮮やかなトーチソング "Chasing Spirits "で、スティールギターの囁きとともに、「私たちの違いは、私がそれを歌うとき、本当にそれを意味すること」と歌っている。同じようなエネルギーが "God in Everything "で蘇り、ウィリアムソンは、デートや拒絶といった地上の現実を乗り越える方法として、超自然的なものに目を向けている。

 

"別れたばかりで、一人で監禁されているような状態は、私にとって本当に辛い時間だった "と彼女は回想している。

 

私が感謝しているのは、静寂と絶望に包まれた時期があったことで、内側に目を向け、自分よりも大きな力の中に安らぎを見出すことを余儀なくされた。



ウィリアムソンもアルバムのライナーノーツで、この不安と激動の時代に親友から送られたカール・ユングの言葉を紹介しています。それは次のような内容です。

 

今日に至るまで、神は、私の意志で激しく無謀な道を横切るすべてのもの、私の主観、計画、意図を狂わせ、私の人生のコースを良くも悪くも変えるすべてのものを指定する名前である。



 一人きりで探し続けること数カ月、ウィリアムソンはついに念願のリアルを手に入れる。まず、「プレーンズ」の構想が生まれ、その後、作曲やレコーディングのセッションが行われた。そして、南カリフォルニアの自宅と生まれ故郷のテキサスとの間を定期的にドライブしていたウィリアムソンは、ニューメキシコの砂漠のハイウェイで、捨てられて走っていた愛犬””ナナを発見して保護したのだった。


しかし、良い出来事は3度続くものである。彼女はすぐにテキサス州マーファの古い知り合いと新しい恋に落ちた。

 

それは、"Time Ain't Accidental "というタイトル曲の中でストレートに表現されている。"西テキサスで友人を訪ねていた時にお互い好きになったんだけど、その後LAに戻るために出て行ったんだ。"とウィリアムソンは説明する。

 

また会えるのか、いつ会えるのかわからなかったけど、愛に満ち溢れていて、そんな気持ちになったのはすごく久しぶりだった。この曲は、帰国したその日に書いたんだ。ホテルのプールバーでいちゃつき、ドライブに出かけ、甘い夜を過ごし、そして私は帰らなければならなかった。

 

ウィリアムソンは、デモ音源一式と新たな自信を携えて、ノースカロライナ州ダーラムにあるブラッド・クック(プレインズのプロデュースを担当)のもとへ向かった。

 

慣れ親しんだ環境は、深く個人的な内容を安んじて表現する環境を作り出した。ウィリアムソンは無意識のうちに自分の声を解き放つことに。曲ごとに2、3テイクで録音した。「自分の声が解放されたような気がする」と、ウィリアムソンは振り返る。クックは、ウィリアムソンに、デモ曲のためにプログラミングしたiPhoneアプリのドラムマシンのビートを残すように勧め、バンジョーやスティールギターと組み合わせて、古いものと新しいものを融合させたのである。

 

 ウィリアムソンは現在、テキサス州マーファとロサンゼルスを行き来している。伝統的なカントリーの楽器編成にデジタル・エフェクトやモダンなサウンドを加えた『Time Ain't Accidental』は、彼女が故郷と呼ぶ2つの全く異なる場所のエネルギーを明確に体現している。

 

アルバムのアートワークは、微妙に威嚇的でありながら、意識と強さがネオン色で、ウィリアムソンの言葉を借りれば、「超自然的な力が私たちの周りで作用しており、私たちが正しい時に正しい場所にいることを信じることができる」ということを表しています。



 『Time Ain't Accidental』は、本物の何かを探し求め、憧れることから生まれたむき出しの自信で注目されているが、ウィリアムソンは、彼女の道を阻む不思議な時の気まぐれも認識している(そして彼女はそれをタイトル曲で追悼している)。最終的に、これらの目に見えない力が、このシンガーを自分自身の中に引き戻した。このタイミングは、まさに偶然ではなかったのだ。

 


Dean Bluntとのコラボレーションでもお馴染みのミュージシャン、画家、詩人のJoanne Robertson(ジョアンヌ・ロバートソン)。2018年、彼女はロンドンを後にし、グラスゴーに移住した。
 
 
彼女の絵画と音楽は、いずれも即興表現の瞬間から形成される。『Blue Car』は彼女の未発表のソロレコーディングのアーカイブを収録したアルバムとなっている。『Painting Stupid Girls』と同様、その瞬間、彼女がその日の感情をどこに置いたのか、日記のような記録となっている。これらのトラックはいつ書いたかは不明だが、およそこの10年の間に書かれたものだという。